JPH06256390A - IgE結合性ペプチド - Google Patents

IgE結合性ペプチド

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JPH06256390A
JPH06256390A JP5071216A JP7121693A JPH06256390A JP H06256390 A JPH06256390 A JP H06256390A JP 5071216 A JP5071216 A JP 5071216A JP 7121693 A JP7121693 A JP 7121693A JP H06256390 A JPH06256390 A JP H06256390A
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JP
Japan
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ige
amino acid
mite
ser
peptide
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Application number
JP5071216A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Ono
和久 小埜
Masako Shigeta
征子 重田
Takeshi Wada
武志 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fumakilla Ltd
Hiroshima University NUC
Original Assignee
Fumakilla Ltd
Hiroshima University NUC
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Publication date
Application filed by Fumakilla Ltd, Hiroshima University NUC filed Critical Fumakilla Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アミノ酸配列Asp-A-Glu-B-Ser-C-Arg-Ser-Ser-
Asp-D-E (配列中、A、B、C、DおよびEはそれぞれ
同一または異なるアミノ酸残基を表す)またはアミノ酸
配列Ser-Pro-Val-Thr-Lys-Arg-Ala-Ser-Leu-Lys-Ile-As
p-Ser-Lys-Lys により表される、ダニアレルゲン特異的
IgEへの結合能を有するペプチド、およびペプチドを
有効成分とするダニアレルギー疾患治療剤。 【効果】本発明のダニアレルゲン特異的IgEへの結合
能を有するペプチドは、ダニアレルゲンのエピトープ又
はそれを含む低分子量ペプチドであり、アナフィラキシ
ーショックのおそれない減感作治療薬として用いること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダニアレルゲン特異的I
gEへの結合能を有するペプチド(IgE結合性ペプチ
ド)、および該ペプチドを有効成分とするダニアレルギ
ー疾患治療剤に関する。さらに詳しくは、IgEに対す
るエピトープよりなる、又はそれを改変して得られるI
gE結合性ペプチドに関するものである。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】屋内塵性
ダニは、アトピー性気管支喘息等のアレルギー疾患の主
要な原因として重要である。従来、アレルギー疾患の治
療法としては、アレルギーの原因物質を用いる減感作療
法が、最も重要な根本治療法とされ、特に花粉症を始め
屋内塵、真菌アレルギー等の吸入性アレルゲンである回
避困難な抗原で惹き起こされる疾患においては、その評
価は今や確立されたものといえる。しかしながら、この
減感作療法では感作抗原によるアナフィラキシーの危険
が伴う為、安全な治療用抗原の投与が必要とされ、その
ような感作抗原の研究が進められている。
【0003】従来、屋内塵性ダニを特異抗原とする気管
支喘息の減感作治療法には、屋内塵(ハウスダスト)抽
出液が用いられてきているが、化学的にはその組成が極
めて不明確であり、しかも多種類の不純物を含み、アナ
フィラキシー誘発の可能性があるために投与量が極度に
制限され、治療効果が極めて低いのが現状であり、減感
作治療用抗原として有効かつ安全なものは、未だ得られ
ていないのが実情である。したがって、有効性及び安全
性の観点から、有用な減感作治療用抗原の出現が望まれ
ると同時にそのような高品質減感作治療用抗原の安定供
給が期待されている。しかしながら、このような安全で
確実に奏効するに充分量のダニアレルゲンを安定供給す
ることは、ダニ飼育物からのダニアレルゲンの抽出、精
製による方法では量産性がないため、困難である。
【0004】屋内塵中のダニアレルゲンはダニ虫体およ
び排泄物中の成分そのものまたはそれらの分解産物であ
ると思われ、多様な技法によって研究されてきた。事
実、全ダニ培養抽出物をダニアレルギー患者血清を用い
て交差放射免疫電気泳動やイムノブロッティング分析を
すると、30種以上のヘテロなIgE結合成分が検出さ
れた。しかし、微量の複雑な抗原成分から各アレルゲン
分子を精製することは困難であるが、このような抗原成
分はダニの培養中あるいは精製中にプロテアーゼ、グリ
コシダーゼのような加水分解酵素によりさらに分解を受
けるためにダニアレルゲンの単離、精製の困難性が増大
するのが実情である。そのため、比較的高含量で存在す
る主要ダニアレルゲンが臨床上および生化学上の主な研
究対象とされてきた。
【0005】即ち、ダニアレルギー疾患については、ヤ
ケヒョウヒダニ(Dermatophagoidespteronyssinus)及
びコナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)の2
種のダニが、屋内塵中のアレルゲン源として重要である
と報告されているが〔Allerg. Asthma, 10, 329 〜334
(1964); J. Allergy, 42, 14〜 28 (1968)] 、これらの
ダニから、主要ダニアレルゲンが分画され、それらはダ
ニ排泄物中やダニ虫体中に見出された分子量24-28kD の
糖蛋白(pI 4.6〜7.2)及び分子量14.5-20kD の蛋白(pI
5〜7.2)であると報告されている〔J. Immunol.,125, 5
87〜592 (1980); J. Allergy Clin. Immunol.,76, 753
〜761 (1985); Immunol., 46, 679 〜687 (1982); Int.
Arch. Allergy Appl. Immunol., 81, 214〜223 (198
6); J. Allergy Clin. Immunol.,75, 686 〜692 (1985)
等〕。しかしながら、これらの単離された主要ダニアレ
ルゲンも必ずしも均一な状態とはいえず、すべてのアレ
ルゲンは抗原性という意味では均一に精製されている
が、交差反応をする成分の混合物の状態にあると考えら
れる。
【0006】これらの主要ダニアレルゲンの構造と機能
を解明するために、分子クローニングの手法が導入され
た。この技法はアレルギー疾患を惹起する蛋白質上の重
要なIgE結合決定基を同定し、操作することを可能に
すると思われる。ダニアレルゲン上のエピトープを解析
するためのアプローチの多くは、標的分子に対して作ら
れたモノクローナル抗体を用いて行われてきた。これら
のアプローチは、エピトープが目的の全分子上で検出さ
れ得ると言う利点を持っている。しかし、分子上のエピ
トープの構造を確定することはきわめて困難である。最
近、これらの制約を克服する補助手段として、ランダム
フラグメントライブラリーから得られた主要なアレルゲ
ン蛋白質部分をコードする断片の翻訳生産物について、
IgGおよびIgE結合活性が検討された。この技法
は、アレルギー疾患を惹き起こす蛋白質上の重要なIg
E結合決定基の同定を可能にするように思われる。しか
し、主要ダニアレルゲン分子上のIgE結合領域を確定
することは困難であった。その理由は、ダニアレルゲン
分子上のIgGまたはIgE結合領域が抗体結合の特殊
性によりアミノ酸配列全体にわたって分布していたり、
IgEエピトープが高度に立体構造特異的であることに
ある。
【0007】最近、本発明者らは、新規かつ強力なダニ
アレルゲンをコードするcDNA(mag, 1144 bp)のク
ローニングに成功し、その配列を決定した(特開平4−
288100号公報)。このcDNAをEcoRIで消
化した遺伝子産物(mag1, 940bp )をプラスミドpUEX2
にサブクローニングしたところ、β−ガラクトシダーゼ
との融合蛋白質として発現した。この組換え融合蛋白質
は、ダニアレルギー患者の血清中のIgEと約33%の
頻度で反応した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、今回さら
にこのダニアレルゲン上の重要なIgE結合決定基であ
るエピトープを二つ同定することに成功するとともに、
このエピトープのアミノ酸残基を置換したペプチドを合
成し、IgEとの結合活性を明らかにすることにより本
発明を完成した。
【0009】即ち、本発明の要旨は、(1)下記のアミ
ノ酸配列(配列番号:1) Asp-A-Glu-B-Ser-C-Arg-Ser-Ser-Asp-D-E (配列中、A、B、C、DおよびEはそれぞれ同一また
は異なるアミノ酸残基を表す) または下記のアミノ酸配列(配列番号:2) Ser-Pro-Val-Thr-Lys-Arg-Ala-Ser-Leu-Lys-Ile-Asp-Se
r-Lys-Lys により表される、ダニアレルゲン特異的IgEへの結合
能を有するペプチド、(2)本発明のペプチドを有効成
分とするダニアレルギー疾患治療剤、に関するものであ
る。
【0010】ここで、配列番号:1において、AがVal
、BがLeu 、CがLeu 、DがIle 、そしてEがAla を
それぞれ表すペプチド、即ち Asp-Val-Glu-Leu-Ser-Leu-Arg-Ser-Ser-Asp-Ile-Ala
(配列番号:3) は好適なペプチドの一例として挙げられる。さらに、本
発明のペプチドは、少なくとも前記(1)記載のアミノ
酸配列の一部又は全部を含み、アミノ酸残基数10〜4
0個のダニアレルゲン特異的IgEへの結合能を有する
ペプチドをも含むものである。
【0011】本発明のペプチドは、次のような態様が挙
げられる。 (1)下記のアミノ酸配列(配列番号:1)により表さ
れる、ダニアレルゲン特異的IgEへの結合能を有する
ペプチド Asp-A-Glu-B-Ser-C-Arg-Ser-Ser-Asp-D-E (配列中、A、B、C、DおよびEはそれぞれ同一また
は異なるアミノ酸残基を表す)
【0012】ここで、ダニアレルゲン特異的IgEへの
結合能とは、その結合の親和力とは関係なく、IgEと
の結合力がある場合をいう。具体的には、例えばELI
SA阻害テストにおいて、ダニアレルギー患者血清中の
特異的IgEとダニ虫体(Dfb)との結合を図3の横
軸の濃度でnegative controlのBSAと本ペプチドとの
阻害の差が、0.5%の危険率で有意であると判断され
たときにダニアレルゲン特異的IgEへの結合能はある
と判断される。また、A,B,C,DおよびEはIgE
結合能を妨げない限りどのようなアミノ酸残基でもよ
く、親水性アミノ酸残基であるか、疎水性アミノ残基で
あるかを問わない。具体的には、Gly, Ala, Val, Leu,
Ile, Phe, Trp, Ser, Thr, Metのような中性アミノ酸残
基、Glu, Aspのような酸性アミノ酸残基、Lys, Argのよ
うな塩基性アミノ酸残基などが挙げられる。
【0013】なかでも、AがVal 、BがLeu 、CがLeu
、DがIle 、そしてEがAla をそれぞれ表すペプチド
(Mag1-E2 と略す)、即ち Asp-Val-Glu-Leu-Ser-Leu-Arg-Ser-Ser-Asp-Ile-Ala
(配列番号:3) は好適なペプチドの一例として挙げられる。Mag1-E2
(配列番号:3)は、ダニアレルゲン特異的IgEに結
合する能力を有し、ダニアレルゲンのエピトープであ
る。Mag1-E2 の構成アミノ酸残基のうち、各アミノ酸残
基はIgE結合への寄与度に大きな差があり、Asp104
Glu106、Ser108、Arg110、Ser111、Ser112およびAsp113
がIgE結合に必須であるのに対し、その他のアミノ残
基はIgE結合にはほとんど寄与していない。
【0014】従って、ダニアレルゲン特異的IgEへの
結合能を保持したままMag1-E2 のアミノ酸残基の一部す
なわちVal105、 Leu107 、 Leu109 、Ile114、Ala115
一部または全部を他のアミノ酸残基A,B,C,D,E
にそれぞれ置換することができる。すなわち、Asp104
105 −Glu106−B107 −Ser108−C109 −Arg110−Se
r111−Ser112−Asp113−D114 −E115 からなるドデカ
ペプチドは、前記のようにダニアレルゲン特異的IgE
への結合能を有する。
【0015】例えば、Mag1-E2 のペプチドのアミノ酸残
基A〜Eのうち、1、3、又は5個置換した例として
は、それぞれ以下のような例が挙げられる。 Asp-Ala-Glu-Leu-Ser-Leu-Arg-Ser-Ser-Asp-Ile-Ala
(配列番号:4) Asp-Val-Glu-Gly-Ser-Val-Arg-Ser-Ser-Asp-Ile-Ser
(配列番号:5) Asp-Gly-Glu-Ala-Ser-Thr-Arg-Ser-Ser-Asp-Val-Gly
(配列番号:6)
【0016】(2)下記のアミノ酸配列(配列番号:
2)により表される、ダニアレルゲン特異的IgEへの
結合能を有するペプチド(Mag1-E1 と略す) Ser-Pro-Val-Thr-Lys-Arg-Ala-Ser-Leu-Lys-Ile-Asp-Se
r-Lys-Lys
【0017】このように本発明のペプチドMag1-E1 (配
列番号:2)およびMag1-E2 (配列番号:3)は、ダニ
アレルゲン特異的IgEに結合する能力を有し、ダニア
レルゲンのエピトープである。また、本発明のペプチド
は、このようなダニアレルゲンのエピトープよりなるペ
プチドの他に、それを改変して得られるIgE結合性ペ
プチドをも本発明のペプチドに含まれる。例えば、これ
らのペプチドを構成するアミノ酸残基のうち、1個以上
のアミノ酸の置換、削除、挿入等により改変したもので
あってもダニアレルゲン特異的IgEに結合する能力を
有するかぎり含まれる。例えば、Mag1-E2 を改変したペ
プチドとしては前記のように配列番号:4〜配列番号:
6等が挙げられる。
【0018】さらに、前記のような配列番号:1、配列
番号:2のアミノ酸配列の一部又は全部を含む、アミノ
酸残基数が10〜40個からなるペプチドのうち、Mag1
-E1等と同様にダニアレルゲン特異的IgEと結合しう
るものがあり、それらも本発明のペプチドに含まれる。
かかるペプチドとしては、Mag1-E1 等のN末端及び/又
はC末端側にそれぞれ0〜25個のオリゴペプチドが連
結したもの等が挙げられる。
【0019】本発明のペプチドを合成するには、通常の
ペプチド合成技術により容易に合成することができる。
例えば、常法に従いペプチドシンセサイザー9095型
(ミリポア社製)を用いFmoc法により行うことがで
きる。また、複数のペプチド断片を合成して、常法によ
りカップリングさせる方法で合成することもできる。こ
れらの合成化合物は、例えばコスモシル5C18−P−
300カラム等を用いる逆相クロマトグラフィにより均
一になるまで精製することができる。このようにして得
られる本発明のペプチドは、ダニアレルゲン特異的Ig
Eへの結合能を有し、皮内反応テスト、ヒスタミン遊離
試験等においてアレルゲン活性は認められない。逆にヒ
スタミン遊離を抑制する作用を有する。
【0020】なお、本発明のペプチドは、前記のように
本発明者らが同定・単離したダニアレルゲンのエピトー
プまたはその改変体である。本発明においてダニアレル
ゲンのエピトープを同定・単離した工程は、特開平4−
288100号公報で詳細に報告された以下の方法に準
じて行うことができる。 (a)まず、生ダニ虫体から全RNAを抽出する。 (b)ついで、全RNA抽出液から、ポリ(A)に対す
る親和性を利用してmRNAを分離する。
【0021】(c)このmRNAを鋳型としてcDNA
を合成する。 (d)λgt11ファージのEco RI部位にEco RIリンカーを
接続したcDNAを組み込み、cDNAライブラリーと
する。
【0022】(e)次にダニアレルゲンのcDNA(以
下、mag と略記する)をクローニングする。すなわちλ
gt11ファージをE. coli Y1090 に感染させ、ウエスタン
ブロットで陽性を示すプラークを陽性クローンとして保
存する。 (f)陽性のλgt11ファージベクターによる、ダニアレ
ルゲンの融合蛋白質の発現を確認する。
【0023】(g)組み換えプラスミドを構築する。即
ち、λgt11ファージ陽性クローンからDNAを回収し、
Eco RIで消化し、アガロース電気泳動によりcDNA
mag)の鎖長(約1.2kbp)を決定する。このcD
NAをプラスミドベクターpUC18に連結し、E. coli
形質転換する。該プラスミドをEco RI消化して得られる
cDNA(mag1)をベクターpUEX2に連結し、発現ベク
ターpAEX102を構築し、ダニアレルゲンをβ−ガラク
トシダーゼとの融合蛋白質として発現させる。
【0024】(h)この組換え融合蛋白質はダニアレル
ギー患者の血清中のIgEに33%の頻度で反応する。 (i)こうして得られるダニアレルゲンcDNAである
mag およびmag のEco RI消化物であるmag1DNAの塩基
配列は、制限酵素による消化断片をファージベクターに
組み込み、形質転換株を調製し、その培養上清から一本
鎖DNAを調製し、ジデオキシターミネーション法によ
り決定する。mag は1144bp,mag1は940bpで
ある。
【0025】本発明のペプチドは、前記のようにIgE
結合性を有し、ヒスタミン遊離抑制作用を有することか
らダニアレルギー疾患の減感作治療剤(ペプチドワクチ
ン)として用いることができる。さらに、本発明のペプ
チドはIgEに対して1価であるのでアレルゲン活性を
実質的にもたないことから、投与によりアナフィラキシ
ーショックのおそれのないダニアレルギー疾患の減感作
治療剤として用いることができる。ここでダニアレルギ
ー疾患とは、アトピー性気管支喘息、アレルギー性鼻
炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎等、ダニの
特異抗原が原因となるあらゆるアレルギー疾患をいう。
【0026】本発明のダニアレルギー疾患治療剤の調製
方法は、特に制限はないが、例えば、前記の方法により
精製された本発明のペプチドを乾燥して粉末状で採取
し、ダニアレルギー疾患に対する減感作治療剤として用
いられる。本発明のダニアレルギー疾患治療剤は、減感
作治療剤として用いられる場合、そのままで、または必
要に応じて一般的に用いられるアジュバントや各種の添
加剤、例えば安定剤、賦形剤、溶解補助剤、乳濁化剤、
緩衝剤、無痛化剤、保存剤、着色剤等を常法により添加
した配合剤として用いることができる。例えば、粉末状
の精製された本発明のペプチドをフェノールを添加した
生理食塩水に溶解し、減感作治療剤の原液として用い
る。
【0027】本発明のダニアレルギー疾患治療剤は、通
常の投与経路例えば経皮、経口、皮内、皮下、筋肉内、
腹腔内等の投与方法により行なうことができる。更に、
例えば、トローチ、舌下錠、点眼剤、鼻腔内噴霧剤、パ
ップ剤、クリーム剤、ローション剤等の経皮、経粘膜薬
としても使用することができる。本発明のダニアレルギ
ー疾患治療剤の投与量及び投与回数は、投与経路、症状
などに応じて成人1回あたり約20μg以下の範囲となる
ように適宜選択し、毎週1回程度投与される。また、本
発明のダニアレルギー疾患治療剤は、ダニアレルギー疾
患に対する治療剤のみならず予防剤としても有用であ
る。また、アナフィラキシー誘発作用もなく、人体に対
して安全に用いることができる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0029】なお、本実施例において用いた発現ベクタ
ーpAEX102 の構築は、特開平4−288100号公報に
記載の方法に準じて、プラスミドpUEX2のlac Z遺伝子
の下流域中にコナヒョウヒダニのダニ虫体(Dfb)から分
離したダニアレルゲンをコードするmag1cDNA(940b
p)を挿入することにより構築した。また、以下の実施例
に用いたベクター、細菌株および培養用培地は次の通り
である。即ち、サブクローニングに用いたプラスミドpU
C18 、DNA配列決定に用いてファージベクターM13mp1
8 およびtr18はいずれも宝酒造社から入手した。使用し
E. coli 菌株はpop2136 、JM105 (アマシャム社)、
XLI-Blue(スタラタジーン社) 、およびBMH71-18(宝酒
造社)であり、これらの株は常法により、LB、スーパー
ブロス、ZxYTあるいはM9グルコース培地中で28℃で培養
した。
【0030】実施例1mag1 DNAのディリーション (a)3’−末端からのmag1DNAのディリーション プラスミドpAEX102 DNAをmag1の下流域にあるSma I
およびPst I切断部位の消化により線状化した。線状化
したDNAをエクソヌクレアーゼIII (宝酒造社製)で
消化し、その間に適当な間隔で等量ずつ10回分取した。
分取後、Mung Bean ヌクレアーゼ(宝酒造社製)および
クレノー断片(宝酒造社製)で処理した。切断されたプ
ラスミドをT4−DNAリガーゼで閉環させた。
【0031】 (b)5’−末端からのmag1DNAのディリーション pAEX102 上のmag1DNAのHinc II およびBam HI消化断
片(ヌクレオチド範囲,108-945 )をプラスミドpUC18
上のHinc II およびBam HI切断部位にサブクローニング
した。得られたプラスミドをmag1の上流域にあるPstIお
よびHincII部位で再消化した後、アガロース電気泳動を
行い、切断された断片をジーンクリーンIIキット( 東洋
紡社製) で抽出し、ついでSma I およびBam HIで消化し
たプラスミドpUEX2DNAに連結した。
【0032】(c)制限酵素部位を用いるmag1DNAの
ディリーション pUEX102 DNAをEco RIおよびEco RV(ヌクレオチド部
位,162)またはEco RIおよびPvu I (ヌクレオチド部
位,245 と 328)で消化することにより、mag1の4個
(図1中のR01〜R04)の内部断片を調製した。各
断片をクレノー断片で末端を平滑化し、ついでプラスミ
ドpUEX2上のSma I 部位にサブクローニングした。欠失
したmag1挿入断片のヌクレオチド配列は、自動配列読取
りキット(ファルマシア社製)とA.L.F.DNAシ
ークエンサー(ファルマシア社製)を用いてジデオキシ
ヌクレオチドチェインターミネーション法により決定し
た。
【0033】実施例2 部位特異的突然変異誘発 DNAシンセサイザー381 A型(アプライドバイオシス
テム社製)を用い、アンチセンス鎖をコードするオリゴ
ヌクレオチドを合成した。部位特異的突然変異はミュー
タン−Gキット(宝酒造社製)を用いて行った。要点を
述べると、3’−末端から切断されたmag1DNAを含有
するpAEX102 −誘導プラスミド(クローン305 )のEco
RI−Hind III消化断片(ヌクレオチド範囲,1-346 )を
ベクターM13 −誘導ベクターtv18中にサブクローニング
した。各標的アミノ酸残基をグリシンで置換するため
に、標的アミノ酸残基に対応するトリプレット中の第一
番目および/または第二番目のヌクレオチドをCで置換
して19または20塩基のオリゴヌクレオチドを合成した。
この点変異mag1−誘導体断片をプラスミドpUEX2DNA
上の対応する部位に再挿入した。点変異mag1挿入断片の
ヌクレオチド配列は、DNA配列分析により確認した。
【0034】実施例3 コロニーブロットテスト 野生型抗原としては、プラスミドpUEX2上のlacZ遺伝子
の下流域中にmag1 cDNA を挿入して得られる発現ベクタ
ーpAEX102 を用いた。図1Aに示す切断されたmag1DN
A断片のそれぞれは、E. coli pop2136 中でβ−ガラク
トシダーゼ融合蛋白質として発現された。ダニアレルギ
ー患者プール血清中の特異的IgEに対するこれらの蛋
白質の反応性は、コロニーブロットテストにより検出さ
れた(図1B)。
【0035】即ち、完全プラスミド、欠失プラスミドま
たは点変異プラスミドを有するE. coli pop2136 形質転
換体の一夜培養物をOD600 で1.2ユニットに調整し
た。各培養物の1μlを、100 μg/mlのアンピシリ
ンを含むLB培地プレートに重層したハイボンド−C膜
(アマシャム社製)上にスポットした。このプレートを
28℃で約6時間インキュベートし、温度を42℃に高めた
後、さらに2時間インキュベートを続けた。上記の膜を
5%SDS に浸漬したワットマン8MM濾紙(ワットマン
社製)上に置き、100 ℃で20分間加熱した。膜を0.1 M
トリス−0.8Mグリシン緩衝液を浸み込ませた濾紙間
に保持し、室温で30分間、5V/cmでエレクトロトラ
ンスファーを行った。膜は、10mMトリスバッファー食
塩水(TBS)(pH7.5)での5分間洗浄を2回行い、ついで
室温で10μg/mlDNアーゼIを含むTBS 中で10分間
インキュベートした。洗浄後、膜をTBS 中の5%スキム
ミルクで1時間ブロックした。この膜は、プールした血
清又は個々のアレルギー患者血清(×5)と1時間イン
キュベートした後、0.05%Tween 20を含むTBS で3回洗
浄した。検出は、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIg
E抗体(タゴ社製)および3,3’−ジアミノベンジデ
ィンテトラヒドロクロリドを用いて行った。
【0036】その結果、膜をアレルギー患者のプール血
清で重層したのち、ペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgE
抗体でプローブすることにより膜を染色したときのコロ
ニーブロット上の呈色強度は、mag1DNAの両サイドか
らのディリーションにより二つの段階で顕著な低下が起
こった。即ち、mag1DNAの下流側からのディリーショ
ン分析により、pAEX102 誘導プラスミドクローン305 ま
たは308 の呈色強度をクローン306 または309 の呈色強
度とそれぞれ比較したとき、二つの領域(アミノ酸範
囲,50?−70および104 ?−115 )が、IgE結合のた
めに必須であることがわかった。二つの領域(アミノ酸
範囲,54−64?および104 −112 ?)がIgE結合のた
めに要求されるという同様な結果が、mag1DNAの上流
側からのディリーション分析により得られた。さらに、
クローンR02(アミノ酸範囲,56−315 )を有する形
質転換体の呈色強度は、完全pAEX102 プラスミド(WT)
における呈色強度とそれほど異ならないことが認められ
た。
【0037】従って、mag1の翻訳生産物中のIgE結合
領域はその分子中のアミノ酸領域56−70および104 −11
5 の範囲に局在していると結論できる。Mag1分子上の前
者および後者のIgEエピトープ領域をそれぞれMag 1-
E1およびMag 1-E2と名付けた。Mag 1-E1のアミノ酸配列
(配列番号:2)およびMag 1-E2のアミノ酸配列(配列
番号:3)を以下に示す。 Mag 1-E1: Ser56-Pro-Val-Thr-Lys-Arg-Ala-Ser-Leu-
Lys-Ile-Asp-Ser-Lys-Lys70 Mag 1-E2: Asp104-Val-Glu-Leu-Ser-Leu-Arg-Ser-Ser
-Asp-Ile-Ala115
【0038】他方、クローン309 ,310 ,506 およびR
04を除く全てのケースにおいて、アレルギー患者のプー
ル血清で膜を重層したのちペルオキシダーゼ結合抗ヒト
IgG抗体(タゴ社製)でプローブした場合も、ほとん
ど同じ呈色強度が観察された。この結果は、IgG結合
領域もMag 1 分子中のアミノ酸残基50−110 の領域に分
布しているということを示している。
【0039】IgEエピトープ領域であるMag 1-E1およ
びMag 1-E2の親水性および抗原性をMag1のアミノ酸配列
から計算した(図2)。Mag 1-E1のアミノ酸配列、Ser
56-Pro-Val-Thr-Lys-Arg-Ala-Ser-Leu-Lys-Ile-Asp-Ser
-Lys-Lys70 では、予期されたとおり高い抗原領域と高
親水性領域とが一致した。しかし、Asp104-Val-Glu-Leu
-Ser-Leu-Arg-Ser-Ser-Asp-Ile-Ala115 よりなるMag 1-
E2は、予測と必ずしも一致しなかった。しかし、後者は
コロニーブロットテストにより前者よりもIgEに対し
より高い結合能力を持っているように思われた。そこ
で、Mag 1-E2領域について更に検討を加えた。
【0040】実施例4 IgEエピトープに対応するペプチドの合成 Mag 1-E2がIgEエピトープに対応することを再確認す
るためにMag 1-E2と同じ配列を持つドデカペプチドを合
成した。この合成ペプチドをSyn-E2と名付けた。ペプチ
ドの合成はペプチドシンセサイザーモデル9050(ミリポ
ア社製)を用い、Fmoc法により行った。合成されたペプ
チドは、コスモシル5C18-P-300 カラム( 4.8×250mm
、ナカライテスク社製)を用い、逆相クロマトグラフ
ィーで均一となるまで精製した。
【0041】実施例5 アレルギー血清中のIgE結合の競争的阻害 ELISA プレート(ファルコン3912,ベクトンディキンソ
ン社製)をDfb 抗原(生ダニ虫体に由来する抗原)200
μg/mlを含有する0.1 M重炭酸ナトリウム緩衝液
(pH9.5)の50μlに37℃で2時間コートした。洗浄した
ウエルを1%牛血清アルブミン、0.02%チメロサール、
および0.05%Tween20 を含む10mMTBS (pH8.0)(ブロ
ッキング溶液)100 μlでブロックした。10人のダニア
レルギー患者のプール血清をブロッキング溶液で10倍に
希釈し、競争阻害剤としての合成ペプチド(実施例4で
得られた合成品)の存在下または非存在下において37℃
で30分間予備的にインキュベートした。ついで、Dfb 抗
原でコートされたウエルに添加した。洗浄したウエルに
ビオチン結合ヤギ抗ヒトIgE抗体(×2000、タゴ社
製)を重層し、次いでペルオキシダーゼ結合ストレプト
アビジン(×5000、タゴ社製)とともに37℃、2時間
インキュベートした。415 nmにおける吸光度を、1m
g/mlの2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチ
アゾリン−6−スルホネート)と0.03%過酸化水素を含
有する10mMクエン酸緩衝液(pH4.2)中での酵素反応
(10分間)ののちに測定した。
【0042】その結果、この合成ペプチドは、ELISA 阻
害テストによれば、ダニアレルギー患者血清中の特異的
IgEとDfb との結合を阻害した(図3)。阻害の程度
は、阻害剤の濃度を1.0 μg/ml以上に増加したとき
でさえも約25%と一定であった。この結果は、化学的に
合成されたSyn-E2がIgE結合活性を有し、かつSyn-E2
ペプチド上のIgEエピトープがウエル上に結合した全
ダニ虫体抽出物中のアレルゲン分子に存在する表面局在
エピトープの1/4 を占めるということを示すものであ
る。
【0043】実施例6 特異的IgE抗体への結合に関与すアミノ酸残基の同定 IgE結合活性に必須のMag 1-E2中のアミノ酸残基を同
定するために、アミノ酸残基の各々を部位特異的突然変
異誘発によりGly と置換した(実施例2)。これらの点
変異プラスミドを有する12個の形質転換体は、温度シフ
トによる誘導により組換え融合蛋白質を発現した。プー
ルしたアレルギー患者血清中の特異的IgEまたはIg
Gに対する、あるいは6人の個々の血清中の特異的Ig
Eに対する翻訳生産物の反応性は、コロニーブロットテ
ストで得られた呈色強度から評価した(図4)。Mag 1-
E2中の個々のアミノ酸残基のGly 残基による置換によ
り、プールしたアレルギー患者血清中の特異的IgEに
対する反応性は僅かに減少した。特に、特異的IgEに
対する反応性の顕著な減少が見られたのは、Asp, Glu,
Ser またはArg 残基の置換の場合であった。しかし、プ
ールしたアレルギー患者血清中の特異的IgGに対する
反応性はそれぞれのアミノ酸残基がGly 残基により置換
されたときでも全く影響を受けなかった。
【0044】他方、6人の個々の場合の反応パターン
は、反応性の減少の程度については変動が甚だしく、ま
たアレルギー患者血清中の特異的IgEに対する結合に
要求されるアミノ酸残基の種類についても変動が大きか
った。一般にIgE結合に対する必須のアミノ酸残基
は、Asp104, Glu106, Ser108, Arg110, Ser111, Se
r112,及びAsp113と同定された。これらの中でも、Arg
110はIgE結合において最も重要な役割を果たしてい
るように思われる。
【0045】実施例7 ヒスタミン遊離と皮内反応テスト ダニアレルギー患者の洗浄血球からのヒスタミン遊離の
試験は、蛍光HPLCモニターを備えた液体クロマトグラフ
ィー装置(島津製作所社製)を用いて行った。ダニアレ
ルギー患者からの血液約10mlを10分間1400rpm で遠心
分離した。沈澱した細胞をハンク緩衝液の約10倍量で3
回洗浄した。同じ緩衝液で元の容積に再調整したのち、
200μlの洗浄細胞懸濁液を競争阻害剤としての合成ペ
プチド(実施例4で得られた合成品)の存在下または非
存在下において、適当に希釈された抗原溶液を刺激剤と
して含有するハンク緩衝液と共に37℃で30分間インキュ
ベートした。次いで、1400rpm で10分間遠心分離した。
その上清を60%過塩素酸の1/10量とともに撹拌すること
によって脱蛋白し、次いで10000 rpm 10分間遠心分離し
た。上清中のヒスタミンの濃度をシム−パックISC-05カ
ラム(島津製作所社製)を用いて測定した。
【0046】イン・ビボの皮内反応テストにおいては、
0.9 %NaClと0.5 %フェノールを含有する0.005 %サン
プル溶液の20μlをダニアレルギーを有する患者に注射
し、15分後に生じた発疹の平均直径からアレルゲン活性
を評価した。その結果、8人のダニアレルギー患者に対
するSyn-E2のイン・ビボのアレルゲン活性は、皮内テス
トでは検出されなかった。更に、顕著なヒスタミ ン遊離
は、Syn-E2でダニアレルギー患者の洗浄血球を刺激した
場合にも観察されなかった(図5)。しかし、Syn-E2
は、Dfb に起因するヒスタミン遊離をDfb と同一濃度ま
たは5倍濃度おいてそれぞれ約20%または40%抑えたこ
とからわかるように、投与量に依存してヒスタミン遊離
を阻害した。これらの結果は、この合成ペプチドが一価
のエピトープとしての機能を発揮することを示すもので
ある。
【0047】
【発明の効果】本発明のダニアレルゲン特異的IgEへ
の結合能を有するペプチドは、ダニアレルゲンのエピト
ープ又はそれを含む低分子量ペプチドであり、アナフィ
ラキシーショックのおそれない減感作治療薬として用い
ることができる。
【0048】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0049】配列番号:2 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:コナヒョウヒダニ 組織の種類:虫体 配列の特徴 特徴を表す記号:binding−site 特徴を決定した方法:E 配列 Ser Pro Val Thr Lys Arg Ala Ser Leu Lys Ile Asp Ser Lys Lys 1 5 10 15
【0050】配列番号:3 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:コナヒョウヒダニ 組織の種類:虫体 配列の特徴 特徴を表す記号:binding−site 特徴を決定した方法:E
【0051】配列番号:4 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0052】配列番号:5 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0053】配列番号:6 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、切断されたmag1DNA断片のダニアレ
ルギー患者プール血清中の特異的IgEに対する反応性
(コロニーブロットテスト)の結果を示す図である。
【図2】図2は、IgEエピトープ領域であるMag 1-E1
およびMag 1-E2の親水性および抗原性をMag1のアミノ酸
配列からの計算値を示した図である。
【図3】図3は、ELISA 阻害テストを示した図である。
図中の●はDfb、○はSyn−E2、▲は牛血清アル
ブミンを示す。
【図4】図4は、特異的IgEに対する翻訳生産物の反
応性(コロニーブロットテスト)の結果を示した図であ
る。
【図5】図5は、ヒスタミ ン遊離試験の結果を示した図
である。図中の●はSyn−E2、○はDfb、△はD
fb+等量のSyn−E2、▲はDfb+5倍量のSy
n−E2を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のアミノ酸配列(配列番号:1) Asp-A-Glu-B-Ser-C-Arg-Ser-Ser-Asp-D-E (配列中、A、B、C、DおよびEはそれぞれ同一また
    は異なるアミノ酸残基を表す) または下記のアミノ酸配列(配列番号:2) Ser-Pro-Val-Thr-Lys-Arg-Ala-Ser-Leu-Lys-Ile-Asp-Se
    r-Lys-Lys により表される、ダニアレルゲン特異的IgEへの結合
    能を有するペプチド。
  2. 【請求項2】 AがVal 、BがLeu 、CがLeu 、DがIl
    e 、そしてEがAlaをそれぞれ表す請求項1記載のペプ
    チド。
  3. 【請求項3】 少なくとも請求項1記載のアミノ酸配列
    の一部又は全部を含み、アミノ酸残基数10〜40個の
    ダニアレルゲン特異的IgEへの結合能を有するペプチ
    ド。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のペプチドを
    有効成分とするダニアレルギー疾患治療剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995002412A1 (fr) * 1993-07-16 1995-01-26 Meiji Milk Products Co., Ltd. Agent antiallergie

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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