JPH06256189A - アセタミド−アルギン酸配合体を有効成分とする抗潰瘍薬 - Google Patents

アセタミド−アルギン酸配合体を有効成分とする抗潰瘍薬

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JPH06256189A
JPH06256189A JP5069209A JP6920993A JPH06256189A JP H06256189 A JPH06256189 A JP H06256189A JP 5069209 A JP5069209 A JP 5069209A JP 6920993 A JP6920993 A JP 6920993A JP H06256189 A JPH06256189 A JP H06256189A
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JP
Japan
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compound
acetamide
alginic acid
ulcer
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JP5069209A
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English (en)
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Masaki Odagiri
優樹 小田切
Teruko Imai
輝子 今井
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2−(アミノメチルシクロヘキサンカルボキ
シ)−N−{3−〔3−(1−ピペリジノメチル)フェ
ノキシ〕プロピル}アセタミド、その誘導体または塩と
アルギン酸との配合体を有効成分とする抗潰瘍剤。配合
体はアセタミドとアルギン酸ナトリウムとを水の存在下
に混練することによって得られる。 【効果】 胃酸分泌抑制作用と胃粘膜保護作用とを併有
し、その効果を高めた抗潰瘍剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2−(アミノメチルシ
クロヘキサンカルボキシ)−N−{3−〔3−(1−ピ
ペリジノメチル)フェノキシ〕プロピル}アセタミド、
その誘導体及びこれらの薬理上許容される塩から選ばれ
る一種以上のアセタミド化合物とアルギン酸との配合体
を有効成分とする抗潰瘍薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ストレス性潰瘍を代表とする潰瘍は現代
人に特有の疾患の一つであり、今後益々増加する傾向に
ある現代病である。例えばストレス性潰瘍の場合、視床
下部刺激による副腎皮質刺激ホルモン放出因子の作用に
よる胃腸管運動、胃腸管血流の低下などが指摘されてお
り、さらに副交感神経及び交感神経が同時に作用するた
め複雑な状態を呈する。また、消化性潰瘍の場合、ペプ
シンや胃酸などの攻撃因子と粘液、粘膜血流などの防御
因子とのバランスが崩れた時に潰瘍が発生すると考えら
れている。このように、潰瘍の成因は、胃酸やホルモン
などの分泌異常、粘液の合成阻害、プロスタグランジン
合成阻害など、様々であり、種々の要因が重なって潰瘍
が形成されていくものと考えられている。
【0003】一方、いずれの潰瘍の場合でも、胃酸分泌
を低下させ、胃粘液を構成するムコ多糖の合成を促進
し、あるいは胃粘膜血流を増大させることで、潰瘍に伴
う激痛を緩和し、潰瘍を退縮させることが可能であると
考えられている。現在のところ大別すると、胃酸分泌抑
制作用を有するヒスタミンH2 −アンタゴニスト及び胃
粘膜保護作用を有する胃粘膜保護剤の2種類が抗潰瘍薬
として市販されている。ヒスタミンH2 −アンタゴニス
トは作用が強く効果が直ちに現れるが、連続投与によっ
てリバウンド現象を引き起こすという問題がある。ま
た、胃粘膜保護剤は作用がマイルドで、場合によっては
効果を発現するまでに時間を要するという問題がある。
【0004】本発明者らは、従来の抗潰瘍薬が有する問
題点に鑑み、新しいタイプの抗潰瘍薬を開発する目的で
種々の化合物の合成を試みたところ、胃酸分泌抑制作用
と胃粘膜保護作用を併せもつ新規な化合物の合成に成功
し、新しいタイプの抗潰瘍薬の有効成分として用いるこ
とのできる新規化合物を提案した〔特願平4−8286
4号〕。この新規化合物は、次の構造式で示される2−
(アミノメチルシクロヘキサンカルボキシ)−N−{3
−〔3−(1−ピペリジノメチル)フェノキシ〕プロピ
ル}アセタミドである。
【0005】
【化2】
【0006】この新規化合物の誘導体には、その末端の
アミノ基、ピペリジノ基などを他の置換基で置換した化
合物があり、また、シス・トランスなどの幾何学的異性
体が存在するし、さらには、塩酸、クエン酸、マレイン
酸などと薬理上許容される塩を形成する。そして、これ
らの化合物は、胃酸分泌抑制作用及び胃粘膜保護作用を
有するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、この新
規アセタミド化合物の利用性をさらに高める目的で、種
々検討を行ったところ、酸性条件下でゲル化する酸性多
糖類のアルギン酸と混練して配合体とすることにより、
抗潰瘍薬としての薬理効果を著しく増大させることがで
きることを見出し、本発明を成すに至った。したがっ
て、本発明は、本発明者らが先に提案したアセタミド化
合物とアルギン酸またはそのアルカリ金属塩との配合体
を有効成分とする抗潰瘍薬を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明で用いるアセタミ
ド化合物を製造するには、種々の方法を用いることが可
能であるが、次の方法が収率及び反応の容易性から見て
好ましい。まず、3−ヒドロキシベンズアルデヒドとピ
ペリジンから3−ピペリジノメチルフェノールを合成
し、これを3−クロロプロピルアミンと反応させてN−
〔3−(3−アミノプロポキシ)ベンジル〕ピペリジン
を合成し、これをアセトキシアセチルクロライドと反応
させてN−〔3−(3−ピペリジノメチルフェノキシ)
プロピル〕−ヒドロキシアセタアミドを合成する。一
方、トラネキサム酸とカルボベンゾキシクロライドを反
応させてN−カルボベンゾキシアミノメチルヘキサンカ
ルボキシクロライドを合成する。この両化合物を反応さ
せることによって、2−(N−カルボベンゾキシ−アミ
ノメチルヘキサンカルボキシ)−N−{3−〔3−(1
−ピペリジノメチル)フェノキシ〕プロピル}−アセタ
ミドを得、これを還元することによって、2−(アミノ
メチルシクロヘキサンカルボキシ)−N−{3−〔3−
(1−ピペリジノメチル)フェノキシ〕プロピル}アセ
タミドを得ることができる。この中、2−(トランス−
p−アミノメチルシクロヘキサンカルボキシ)−N−
{3−〔3−(1−ピペリジノメチル)フェノキシ〕プ
ロピル}アセタミド(以下、化合物RTという)が好ま
しい。
【0009】上記の反応で合成中間体として用いられる
N−〔3−(3−ピペリジノメチルフェノキシ)プロピ
ル〕−ヒドロキシアセタアミドは、ロキサチジンとして
知られており、また、他の一方の合成中間体のN−カル
ボベンゾキシアミノメチルヘキサンカルボキシクロライ
ドは公知の化合物であって、いずれの化合物も上記以外
の公知の製造方法によって製造してもよい。また、これ
らの誘導体を、上記合成の適宜の段階において化合物の
適当な基を相当する誘導体で置換し、これを用いること
によって得ることができる。
【0010】前記合成中間体を有機溶媒中で氷冷乃至室
温下で触媒の存在下あるいは不存在下に撹拌混合し、得
られる反応生成物の結晶を濾取する。触媒としては、ト
リエチルアミンなどが用いられる。この結晶を採取する
と合成中間体の2−(N−カルボベンゾキシ−アミノメ
チルヘキサンカルボキシ)−N−{3−〔3−(1−ピ
ペリジノメチル)フェノキシ〕プロピル}−アセタミド
を得ることができる。この結晶をアルコールに溶解し、
触媒の存在下に水素ガスで接触還元することによって、
化合物RTを得ることができる。触媒としては,パラジ
ウム/炭素を用い、接触還元は、室温常圧で行うことが
できる。反応液からの化合物RTの単離精製は、カラム
クロマトグラフィーによる分離や減圧濃縮による結晶化
など、通常化合物の単離精製手段として用いられる方法
が用いられる。
【0011】一方、本発明で用いるアルギン酸には、マ
ンヌロン酸(M)あるいはグルロン酸(G)のみが重合
したホモブロック(MM、GG)とMとGが無秩序に配
列したヘテロブロック(MG)があり、いずれのブロッ
ク組成のアルギン酸を用いてもよい。また、アルギン酸
ナトリウムなどのアルカリ金属塩を用いることもでき
る。なお、これらのアルギン酸の粘度は、10%溶液で
140〜550cp程度である。
【0012】本発明では、2−(アミノメチルシクロヘ
キサンカルボキシ)−N−{3−〔3−(1−ピペリジ
ノメチル)フェノキシ〕プロピル}アセタミド、その誘
導体及びこれらの薬理上許容される塩から選ばれる一種
以上のアセタミド化合物とアルギン酸またはそのアルカ
リ金属塩を秤量し、1.5倍程度の水などを加えて1時
間程度混練することにより、ペースト状のアセタミド−
アルギン酸配合体を得ることができる。そして、必要に
応じて凍結乾燥などを行い、粉末として用いる。アセタ
ミド化合物とアルギン酸(塩)との配合割合は前者1重
量部に対し、後者10〜20重量部程度が望ましい。な
お、得られたアセタミド化合物−アルギン酸配合体の薬
理作用について、ラットを用いて水浸拘束ストレス潰瘍
及び塩酸エタノール潰瘍抑制実験を行なったところ、い
ずれの潰瘍に対しても有効に抑制効果を示した。このこ
とから、本発明のアセタミド−アルギン酸配合体は、抗
潰瘍薬として用いることができる。
【0013】この抗潰瘍薬のヒトに対する投与量は、そ
の症状、性別、年令などによって異なるが、成人男子に
対してこのアセタミド−アルギン酸配合体を1日1回乃
至数回1〜300mg投与することによって消化性、ス
トレス性などの潰瘍を治癒乃至抑制することができる。
投与は、経口あるいは非経口のいずれによって行っても
よいが、一般には経口投与が望ましい。また、パップ剤
や坐剤などとして用いることもできる。これらは、製剤
上慣用の担体、崩壊剤、滑沢剤などと混合し、粉末、顆
粒、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などとして、あるい
はパップ剤、坐剤の形態にしてもよい。
【0014】次に、本発明のアセタミド−アルギン酸配
合体の製造法及びその薬化学的性質について実施例を示
して説明する。
【実施例1】 化合物RTの合成 (1)3−ピペリジノメチルフェノールの合成
【0015】
【化3】
【0016】3−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.2
46モル、30g)をメタノール150mlに溶解し、
ピペリジン(0.6モル、52g)を加えて室温で撹拌
溶解した。この溶液を氷冷下、撹拌しながら水素化ホウ
素ナトリウム(0.247モル、9.4g)を1時間か
けて添加した。次に、室温にて1時間撹拌した後、この
反応混合物を減圧下濃縮した。そして、3N塩酸200
mlに溶解し、酢酸エチル50mlで2回洗浄した後、
水層を濃アンモニア水50mlでpH10とし、析出し
た沈澱を吸引濾過して、水洗した。このようにして得ら
れた沈澱を減圧乾燥した後、アセトン−n−ヘキサンで
再結晶し、3−ピペリジノメチルフェノールを得た。収
量40g(84.7%)、融点135〜138℃。
【0017】(2)N−〔3−(3−アミノプロポキ
シ)ベンジル〕ピペリジンの合成
【0018】
【化4】
【0019】3−クロロプロピルアミン塩酸塩(0.2
モル、39g)を3N水酸化ナトリウム(10%塩化ナ
トリウム含有)に溶解し、ベンゼン300mlで抽出し
た後、ベンゼン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
それとは別に、3−ピペリジノメチルフェノール(0.
2モル、38.2g)、水酸化ナトリウム(0.25モ
ル、10g)、ジメチルスルホキシド100ml及びベ
ンゼン70mlを入れ、水分定量管を装着し、130℃
で3時間加熱撹拌して生成する水を水分定量管で除去し
た後、140〜150℃で2時間加熱撹拌した。次に、
別途調製した3−クロロプロピルアミンのベンゼン溶液
を150℃で加熱撹拌しながら4時間で滴下し、反応混
合物を室温まで放冷した。そして、析出した塩化ナトリ
ウムを濾別し、濾液を減圧濃縮した後、減圧蒸留し、N
−〔3−(3−アミノプロポキシ)ベンジル〕ピペリジ
ンを得た。収量42.7g(86.0%)。沸点148
〜151℃/0.25mmHg。
【0020】(3)N−〔3−(3−ピペリジノメチル
フェノキシ)プロピル〕−ヒドロキシアセトアミドの合
【0021】
【化5】
【0022】N−〔3−(3−アミノプロポキシ)ベン
ジル〕ピペリジン(0.15モル、37.2g)を乾燥
ベンゼン200mlに溶解し、トリエチルアミン(0.
18モル、18g)を加え、氷冷下撹拌した。次に、ア
セトキシアセチルクロライド(0.18モル、24.5
g)を乾燥ベンゼン50mlに溶解して、氷冷下1時間
で滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、析出した結
晶を濾別した後、濾液を減圧留去した。そして、残渣を
2N水酸化ナトリウム100mlに溶解し、50〜60
℃で5時間撹拌した後、反応溶液をジクロロメタンで抽
出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ジクロロメタ
ンを減圧留去した。最後に、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー〔溶出剤:クロロホルム/メタノール(10
/1)〕を用いて精製し、黄色油状のN−〔3−(3−
ピペリジノメチルフェノキシ)プロピル〕−ヒドロキシ
アセトアミドを得た。収量43.6g(93%)。
【0023】(4)N−カルボべンゾキシ−トランス−
p−アミノメチルヘキサンカルボキシクロライドの合成
【0024】
【化6】
【0025】トラネキサム酸(0.25モル、39.3
g)を2N水酸化ナトリウム100mlに溶解し、氷冷
撹拌して、カルボベンゾキシクロライド(0.3モル、
51g)を1時間で滴下した。その後、反応液を室温に
戻し、5N塩酸を加えてpH3に調整した後、ジクロロ
メタン300mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥して、ジクロロメタンを減圧留去した。そして、残渣
をクロロホルムから再結晶した。最後に、この結晶65
gを無水クロロホルム100mlに溶解し、塩化チオニ
ル50mlを加えて、1.5時間還流した後、反応液を
減圧蒸留し、残渣をクロロホルムから再結晶して、N−
カルボベンゾキシ−トランス−p−アミノメチルヘキサ
ンカルボキシクロライドを得た。収量54.4g(80
%)。融点79℃。
【0026】(5)2−(トランス−p−アミノメチル
シクロヘキサンカルボキシ)−N−{3−〔3−(1−
ピペリジノメチル)フェノキシ〕プロピル〕アセタミド
の合成
【0027】
【化7】
【0028】N−〔3−(3−ピペリジノメチルフェノ
キシ)プロピル〕−ヒドロキシアセトアミド(0.02
モル、3.84g)を無水ベンゼン100mlに溶解
し、トリエチルアミン(0.024モル、2.1g)を
加え、氷冷撹拌した。次に、N−カルボベンゾキシ−ト
ランス−p−アミノメチルヘキサンカルボキシクロライ
ド(0.02モル、6.2g)を無水ベンゼン100m
lに溶解し、1時間で滴下した後、反応液を室温に戻
し、さらに、30分撹拌した。そして、析出した結晶を
濾別し、ベンゼン層を水洗した後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、ベンゼンを減圧留去して、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー〔溶離液:クロロホルム/
メタノール(10/1)〕で精製した。収量6.9g
(60%)。得られた精製油状物質を10%パラジウム
/炭素のエタノール溶液に溶解して、室温、常圧で水素
ガスにより接触還元を行い、パラジウム/炭素を濾過し
た後、濾液を減圧留去して、油状物質を得た。この油状
物質について、薄層クロマトグラフィー〔展開溶媒:ク
ロロホルム/メタノール(1/1)〕を行い、スポット
部分を掻き取ってメタノールで抽出した。最後に、溶媒
を減圧留去し、2−(トランス−p−アミノメチルシク
ロヘキサンカルボキシ)−N−{3−〔3−(1−ピペ
リジノメチル)フェノキシ〕プロピル}アセタミド(化
合物RT)の淡黄色乃至無色の油状物質を得た。収量
5.3g(60%)。
【0029】アセタミド(化合物RT)−アルギン酸配合体の製造 上記のようにして得られた化合物RT1gとアルギン酸
ナトリウム15gを混合し、水24gを加えて混練し
た。そして、凍結乾燥を行い、アセタミド(化合物R
T)−アルギン酸配合体粉末16gを得た。これは経口
剤として投与される。
【0030】
【実施例2】アセタミド(化合物RT)−アルギン酸配合体の薬理活
本発明のアセタミド(化合物RT)−アルギン酸配合体
の薬理活性について、雄性ウィスター系ラットを用いた
潰瘍モデルを用いて実験を行った。 (1)水浸拘束ストレス潰瘍 雄性ウィスター系ラット(250〜270g) を24時
間絶食後、1群4匹として使用した。本発明のアセタミ
ド(化合物RT)−アルギン酸配合体をそれぞれの投与
量となるように調製し、経口ゾンデを用いてラットに投
与した。投与10〜20分後に東大薬作型ストレスケー
ジ(夏目制作所)に入れ、21℃の恒温水槽内に剣状突
起の高さまで浸し、ストレスを負荷した。7時間後にラ
ットを引き揚げて屠殺し、胃を摘出した後、2%ホルマ
リン液10mlを胃内に注入し、同液で10分間固定し
た。固定後、大弯に沿って胃を開き、流水で粘膜面を軽
く洗った後、腺胃部に発生している出血性の粘膜損傷の
長さを測定して、一匹の長さの合計(mm)を潰瘍係数
とし、それに基づいて抑制%〔(コントロール潰瘍系数
−試験薬物潰瘍係数)/コントロール潰瘍係数×10
0〕を算出した。また、化合物RT及びロキサチジンに
ついても同様に行った。その結果を図1に示す。なお、
アセタミド(化合物RT)−アルギン酸配合体を調製す
る際のアルギン酸ナトリウムは、MMブロック37.0
%、MGブロック36.5%及びGGブロック26.5
%の組成を有し、10%溶液の粘度が314.3cpの
ものを用いた。
【0031】(2)塩酸エタノール潰瘍 雄性ウィスター系ラット(200〜230g)を24時
間絶食させて1群4匹として使用した。本発明のアセタ
ミド(化合物RT)−アルギン酸配合体をそれぞれの投
与量となるように調製し、経口ゾンデを用いてラットに
経口投与した。30分後に150mM塩酸を含有する6
0%エタノールを検液投与と同間隔で、ラット1匹当り
1mlを経口ゾンデを用いて投与し、1時間後にラット
を屠殺して胃を摘出した後、2%ホルマリン液10ml
を胃内に注入して、同液で10分間固定した。固定後、
大弯に沿って胃を開き、流水で粘膜面を軽く洗った後、
腺胃部に発生している出血性粘膜損傷の長さを測定し、
一匹の長さの合計を潰瘍係数とした。抑制%は、上記と
同様にして算出した。また、化合物RT及びロキサチジ
ンについても同様に行った。その結果を図2に示す。な
お、アセタミド−アルギン酸配合体を調製する際のアル
ギン酸ナトリウムは、MMブロック37.0%、MGブ
ロック36.5%及びGGブロック26.5%の組成を
有し、10%溶液の粘度が314.3cpのものを用い
た。
【0032】いずれの腫瘍モデルにおいても、本発明の
アセタミド(化合物RT)−アルギン酸配合体は、化合
物RT及びロキサチジンよりも高い抗潰瘍活性を示し
た。
【0033】
【実施例3】ここでは、本発明のアセタミド−アルギン
酸配合体を調製する際に用いるアルギン酸ナトリウムの
種類を変えて抗潰瘍効果を検討した。実施例1に示され
た方法により本発明のアセタミド−アルギン酸配合体を
調製するに際して、試料Aでは、MMブロック34.4
%、MGブロック38.9%及びGGブロック26.7
%の組成を有し、10%溶液の粘度が139.2cpの
アルギン酸を用い、試料Bでは、MMブロック37.0
%、MGブロック36.5%及びGGブロック26.5
%の組成を有し、10%溶液の粘度が314.3cpの
アルギン酸を用い、さらに、試料Cでは、MMブロック
35.7%、MGブロック35.7%及びGGブロック
28.6%の組成を有し、10%溶液の粘度が545.
3cpのアルギン酸を用いた。また、水浸拘束ストレス
潰瘍及び塩酸エタノール潰瘍に対する効果については、
実施例2に記載された方法に準じて行った。その結果を
表1に示す。
【0034】
【表1】 ──────────────────────────────────── 阻害率(%) ─────────────────────────────── 水浸拘束ストレス潰瘍 塩酸エタノール潰瘍 ──────────────────────────────────── 試料A 86.75±3.20 84.45±9.68 試料B 92.19±5.02 64.17±22.41 試料C 81.92±20.02 52.56±25.49 ────────────────────────────────────
【0035】
【実施例4】実施例1で得られた本発明のアセタミド−
アルギン酸配合体10g、パーフィーラー−101(p
erfiller−101)45g、カルボキシメチル
セルロース42g及びステアリン酸マグネシウム3gを
混合し、製剤上慣用の方法で顆粒剤を製造した。この夥
粒剤については、1〜3gを1日数回に分けて経口投与
するとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2のアセタミド−アルギン酸配
合体の水浸拘束ストレス潰瘍に対する効果を示す。
【図2】本発明の実施例2のアセタミド−アルギン酸配
合体塩酸エタノール潰瘍に対する効果を示す。
【符号の説明】
● アセタミド(化合物RT)−アルギン酸配合体 〇 化合物RT ─ ロキサチジン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式で示される2−(アミノメチルシ
    クロヘキサンカルボキシ)−N−{3−〔3−(1−ピ
    ペリジノメチル)フェノキシ〕プロピル}アセタミド、
    その誘導体及びこれらの薬理上許容される塩から選ばれ
    る一種以上のアセタミド化合物とアルギン酸またはその
    アルカリ金属塩との配合体を有効成分とする抗潰瘍薬。 【化1】
  2. 【請求項2】 配合体が2−(アミノメチルシクロヘキ
    サンカルボキシ)−N−{3−〔3−(1−ピペリジノ
    メチル)フェノキシ〕プロピル}アセタミド、その誘導
    体及びこれらの薬理上許容される塩から選ばれる一種以
    上のアセタミド化合物とアルギン酸またはそのアルカリ
    金属塩とを水の存在下に混練したものである請求項1記
    載の抗潰瘍薬。
  3. 【請求項3】 アセタミドが、2−(トランス−p−ア
    ミノメチルシクロヘキサンカルボキシ)−N−{3−
    〔3−(1−ピペリジノメチル)フェノキシ〕プロピ
    ル}アセタミドである請求項1または2記載の抗潰瘍
    薬。
JP5069209A 1993-03-04 1993-03-04 アセタミド−アルギン酸配合体を有効成分とする抗潰瘍薬 Pending JPH06256189A (ja)

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JP5069209A Pending JPH06256189A (ja) 1993-03-04 1993-03-04 アセタミド−アルギン酸配合体を有効成分とする抗潰瘍薬

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JP (1) JPH06256189A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001087282A3 (en) * 2000-05-19 2002-06-06 Reckitt Benckiser Healthcare Pepsin inhibition by alginates

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001087282A3 (en) * 2000-05-19 2002-06-06 Reckitt Benckiser Healthcare Pepsin inhibition by alginates
EP1676585A1 (en) * 2000-05-19 2006-07-05 Reckitt Benckiser Healthcare (UK) Limited Pepsin inhibition by alginates

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