JPH06256176A - 牛の乳腺炎および牛の子宮炎を治療するための薬剤および方法 - Google Patents

牛の乳腺炎および牛の子宮炎を治療するための薬剤および方法

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JPH06256176A
JPH06256176A JP5159708A JP15970893A JPH06256176A JP H06256176 A JPH06256176 A JP H06256176A JP 5159708 A JP5159708 A JP 5159708A JP 15970893 A JP15970893 A JP 15970893A JP H06256176 A JPH06256176 A JP H06256176A
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acetoin
diacetyl
mastitis
bovine
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JP5159708A
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A H J Rajamannan
エー・エイチ・ジェイ・ラジャマンナン
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Agro-K Corp Inc
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    • A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04—Antibacterial agents

Abstract

(57)【要約】 【目的】残留薬剤によるミルク汚染の問題を生じること
のない、牛の乳腺炎と子宮炎を治療するための薬剤およ
び方法を提供すること。 【構成】牛の乳腺炎と子宮炎の治療に使用される注射剤
であって、ジアセチル及び少量のアセトインの濃縮混合
物を含有し、乳腺炎の治療に際しては牛の乳房に注入さ
れ、子宮炎の治療の際には子宮に注入される注射剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の分野】本発明は、牛の乳腺炎および牛の子宮炎
を治療するための薬剤および方法に関する。
【０００２】
【発明の背景】牛の乳腺炎は、この病気を治療する方法
があるにもかかわらず、現在もなお酪農業における経済
的損失の主要な原因であり続けている。現在のところ、
牛の乳腺炎および子宮炎の主な治療方法は抗生物質療法
である。しかしながら、このように使用された抗生物質
はミルク内に残留する傾向があるため、抗生物質療法を
施された牛のミルクは人間の飲食から遠ざけられなけれ
ばならない。
【０００３】治療中の牛から採取したミルクの廃棄は、
乳腺炎をより高価なものにする一つの側面である。しか
し、抗生物質によって汚染されたミルクを販売させるべ
きでない理由が幾つかある。或る人は抗生物質、特にペ
ニシリンに対してアレルギーをもち、アレルギー反応に
よる死亡事故も有り得る。もし、ミルクが抗生物質を含
んでいるとの評判が立てば、液体ミルクの売り上げは急
速に減少するであろう。人間が稀釈された低濃度の抗生
物質を服用すると、これまで抗生物質に対して感受性で
あった様々な病原菌が耐性をもってしまう。
【０００４】更に、抗生物質はヨーグルトやチーズの生
産に使用されるバクテリアを破壊してしまう。結局のと
ころ、抗生物質療法を施された牛から採取したミルク
は、現在の規制によって、３日間は人間の食品としない
ことが要求されている。現在考慮されている新しい規制
はより長い保留期間を求めており、これは酪農業に大損
害を与え得る。
【０００５】
【発明の概要】本発明の目的は、牛の乳腺炎と子宮炎を
治療するための注入剤および方法を提供することであ
る。この注射剤は、ジアセチルとアセトインの混合物を
含有する。
【０００６】本発明による方法の実施において、牛の乳
腺炎を治療するときは、ジアセチルとアセトインの混合
物が感染した牛の乳房へ注入される。同様に、子宮炎を
治療するときは、ジアセチルとアセトインの混合物が感
染した牛の子宮へ注入される。このジアセチルとアセト
インの混合物は、殺菌特性を有するにもかかわらず抗生
物質療法に伴う問題、即ち治療された牛のミルク内に抗
生物質が残留するといったような問題は起こらない。
【０００７】
【発明の具体的説明】本発明は、抗生物質で治療された
牛から採取される汚染ミルクの問題を回避しながら、効
率良く牛の乳腺炎および子宮炎を治療するための薬剤お
よび方法に向けられている。この治療に使用される薬剤
は、ミルク醗酵の成分であるジアセチルとアセトインの
混合物を含有する。ストレプトコッカス・ジアセチラク
ティス(streptococcus diacetilactis) 、ストレプトコ
ッカス・ラクティス(streptococcus lactis)及びストレ
プトコッカス・クレモリス(streptococcus cremoris)の
ようなバクテリアを使用するミルク醗酵によって、ジア
セチル、アセトイン及び揮発性酸のような成分が産生さ
れる。これら最終成分は、乳製品に味を付けるのに充分
な強さをもたないので、蒸留または抽出されて濃縮され
たもの（蒸留醗酵剤(starter distillate)）が味付けの
ために添加される。例えば、ジアセチルとアセトインの
醗酵最終生成物は、適切な濃度を得るために５倍の係数
（５×蒸留）または１５倍の係数（１５×蒸留）で濃縮
される。
【０００８】ジアセチルは化学式ＣＨ３ＣＯＣＯＣＨ３
で表わされ、２，３−ブタジオンとしても知られてい
る。アセトインは化学式ＣＨ３ＣＨＯＨＣＯＣＨ３で表
わされ、３−ヒドロキシ２−ブタノン、ジメチルケトー
ル、あるいはアセチルメチルカルビノールとしても知ら
れている。
【０００９】このジアセチルとアセトインとの混合物に
は、コーチゾン又はアロエ液(aloevera juice) を含む
抗炎症剤をも含有され得る。ジアセチル及びアセトイン
の効力を増すために、抗生物質が上記混合物に添加され
得る。そのような抗生物質には、ペニシリン、合成ペニ
シリン（クロクサシリン又はアンピシリン）、抗生物質
の組み合わせ（例えば、ペニシリンとストレプトマイシ
ン）、テトラサイクリン又はネオマイシンが含まれ得
る。牛の乳房あるいは子宮内での抗菌作用および抗炎症
作用を高めるために、茶の木オイル（マレルカ）が添加
され得る。
【００１０】乳腺炎は単に乳腺の炎症を意味するが、医
学的には、通常はバクテリアである或る種の感染性物質
によって起こる炎症と理解されている。乳腺炎を起こし
ている牛は、通常腫れて熱をもった乳房をもち、ストリ
ップテストでは薄片のミルクを示す。牛に乳腺炎を起こ
させる多種のブドウ球菌や連鎖球菌が存在するが、牛か
ら牛へと伝染する乳腺炎は、通常はスタヒロコッカス・
アウレウス(staphylococcus aureus) 、ストレプトコッ
カス・アガラクシャエ(streptococcus agalactiae)及び
ストレプトコッカス・ジスガラクシャエ(streptococcus
dysgalactiae)によって起こる。一方、環境から起こる
乳腺炎感染である環境乳腺炎は、主にストレプトコッカ
スウベリス及びＥ．ｃｏｌｉによって起こる。牛に乳腺
炎を起こす多くの他の微生物が存在するが、上記の微生
物が乳腺炎の最も一般的な原因である。
【００１１】ジアセチルとアセトインの混合液を使用し
た実験は、実際の農場にて牛に対して行なわれた。熱を
もった乳房およびストリップテストで薄片のミルクを呈
すると診断された乳腺炎をもつ牛は、E.coli、連鎖球菌
あるいはブドウ球菌のようなバクテリア伝染病として分
類された。
【００１２】
【実施例】
例 Ｉ 蒸留醗酵剤(starter distillate)の形の、僅かなアセト
イ及び揮発性酸を含む種々の濃度の蒸留ジアセチルが乳
房に注入され、炎症の減少および平常ミルクへの推移が
観察された。また、バクテリア存在の確認のためのミル
クサンプルについて、味覚テスト及びストリップテスト
が行なわれた。以下のような結果が得られた。
【００１３】 表 １ ジアセチル及 伝染病菌の びアセトイン 100 ％完治 牛の数 種類 の濃度 注入剤の量 までの時間 ４ E.coli ５×蒸留 １処理につき25cc 12時間 ４ 連鎖状球菌 ５×蒸留 １処理につき25cc 24〜36時間 ４ 連鎖状球菌 15×蒸留 １処理につき25cc 12時間 ４ ブドウ状球菌 ５×蒸留 １処理につき25cc 24〜42時間 ４ ブドウ状球菌 15×蒸留 １処理につき25cc 18時間 例 II 子宮炎をもつ牛を、抗生物質群とジアセチル群とにラン
ダムに分けた。
【００１４】牛に対して、従来の抗生物質または異なる
量の蒸留ジアセチル醗酵剤を注入した。24時間おきに子
宮を拭い採取し、また炎症の確認のために子宮を触診し
た。子宮がジアセチルに反応しない場合は抗生物質に変
更した。結果は以下に示す通りであった。
【００１５】 表２ 平常に戻る ジアセチル 平常に戻る 牛の数 抗生物質 までの時間 牛の数 アセトイン までの時間 ２ 通常量 24時間 ２ 100cc(10X) １頭48時間＊ ２ 通常量 48時間 ２ 100cc(10X) 72時間 ２ 通常量 72時間 ２ 100cc(10X) 48時間 12時間毎に３回 ＊１頭は炎症が治まらないため、48時間後に抗生物質に
変更これらの試験は、乳腺炎および殆どの子宮炎を治療
するために、ジアセチル及びアセトインは抗生物質の完
全な代替え薬剤として使用され得ることを示している。
【００１６】アメリカ合衆国の食品薬品管理局はジアセ
チル及びアセトインを乳製品の味付けに使用することを
認めているから、ジアセチルで治療した後のミルクの汚
染の可能性については問題ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ６１Ｋ 31/71 ＡＤＺ 8314−4Ｃ 35/78 Ｃ 7167−4Ｃ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 牛の乳腺炎と子宮炎の治療に使用される
    注射剤であって、ジアセチル及び少量のアセトインの濃
    縮混合物を含有し、乳腺炎の治療に際しては牛の乳房に
    注入され、子宮炎の治療の際には子宮に注入される注射
    剤。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の注射剤であって、前記
    混合物中に、コーチゾンまたはアロエ液(aloe vera jui
    ce) を含む群から選択される抗炎症剤が含有される注射
    剤。
  3. 【請求項３】 請求項１に記載の注射剤であって、前記
    混合物中に、前記ジアセチルおよびアセトインの効果を
    高めるための抗生物質が含有される注射剤。
  4. 【請求項４】 請求項１に記載の注射剤であって、前記
    混合物中に、ウシの乳房または子宮における抗バクテリ
    ア作用および抗炎症作用を増大するための茶の木オイル
    （マレルカ）が含有される注射剤。
  5. 【請求項５】 牛の乳腺炎を治療する方法であって、主
    要成分のジアセチルおよび微量のアセトインを含有する
    混合物を調製する工程と、ジアセチルおよびアセトイン
    の該混合物を数倍に濃縮する工程と、次いで該混合物を
    乳腺炎に感染した牛の乳房に注入する工程とを具備する
    方法。
  6. 【請求項６】 牛の子宮炎を治療する方法であって、主
    要成分のジアセチルおよび微量のアセトインを含有する
    混合物を調製する工程と、ジアセチルおよびアセトイン
    の該混合物を数倍に濃縮する工程と、次いで該混合物を
    子宮炎に感染した牛の子宮に注入する工程とを具備する
    方法。
  7. 【請求項７】 請求項５に記載の方法であって、コーチ
    ゾンおよびアロエ液(aloe vera juice) からなる群から
    選択される抗炎症剤が、ジアセチおよびアセトインの前
    記混合物に添加される方法。
  8. 【請求項８】 請求項６に記載の方法であって、コーチ
    ゾンおよびアロエ液(aloe vera juice) からなる群から
    選択される抗炎症剤が、ジアセチおよびアセトインの前
    記混合物に添加される方法。
  9. 【請求項９】 請求項５に記載の方法であって、ジアセ
    チおよびアセトインの前記混合物に抗生物質が添加され
    る方法。
  10. 【請求項１０】 請求項５に記載の方法であって、ジア
    セチおよびアセトインの前記混合物に茶の木オイル（マ
    レルカ）が添加される方法。
JP5159708A 1992-07-14 1993-06-29 牛の乳腺炎および牛の子宮炎を治療するための薬剤および方法 Pending JPH06256176A (ja)

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CA (1) CA2097740C (ja)
DE (1) DE69305267T2 (ja)
DK (1) DK0579488T3 (ja)
ES (1) ES2095578T3 (ja)
GR (1) GR3022030T3 (ja)
MX (1) MX9304185A (ja)
NZ (1) NZ248135A (ja)
ZA (1) ZA934021B (ja)

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EP0579488A1 (en) 1994-01-19
ES2095578T3 (es) 1997-02-16
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