JPH06255311A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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Publication number
JPH06255311A
JPH06255311A JP5069342A JP6934293A JPH06255311A JP H06255311 A JPH06255311 A JP H06255311A JP 5069342 A JP5069342 A JP 5069342A JP 6934293 A JP6934293 A JP 6934293A JP H06255311 A JPH06255311 A JP H06255311A
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JP
Japan
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cord
carcass
tire
fabric
fiber
Prior art date
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Application number
JP5069342A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruyuki Sano
治之 佐野
Takao Otani
孝夫 大谷
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP5069342A priority Critical patent/JPH06255311A/ja
Publication of JPH06255311A publication Critical patent/JPH06255311A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐カット性を、他の走行性能を損なうことなく
向上させる。 【構成】並置される複数のビードコアで2…でそれぞれ
折返される複数のカーカス7…と該カーカスの外側に配
されるレインフォースドファブリックと9とを具え、こ
のレインフォースドファブリック9は保護コードを並置
してなり、その保護コード20はナイロンとともに、該
保護コードは、ナイロン繊維を用いた第1のコードと、
芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、1
5g/d以上の強度を有するポリビニールアルコール繊
維の内から選ばれた何れか一種類の有機繊維素線からな
る第2のコードとを撚り合わせた複合コードによって形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐カット性を、他の走
行性能を損なうことなく改善しうる空気入りタイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤ、特に高速かつ重荷重が
作用する航空機用タイヤは、近年の航空機の大型化、飛
行速度の増大に伴い、使用速度、作用荷重が増大し、従
って、 航空機が滑走路に離着陸する際の衝撃を効果的に緩
和させるため、タイヤの負荷時の撓み量が、例えば28
〜38%と極めて大であり、従って大きな繰返し変形に
耐えうること、
【0003】 飛行機の高速化に伴い、離着陸に伴う
速度が増大し、従って大荷重、大きな変形下における高
速回転に耐えること、
【0004】 滑走路とゲートとの間を移動するとき
の低速ではあるが、比較的長時間に亘り大きな荷重が作
用するタクシー条件に耐えること、が望まれる。
【0005】他方、このような航空機用タイヤとして、
カーカスコードをプライ間で互いに交差するように配し
たクロスプライ構造のものが多用されている。
【0006】しかしながら、この構造のタイヤは、カー
カスコードが大きな角度で交差するため、横剛性が大で
あるという優れた利点を有する反面、トレッド部の剛性
が、強固なベルトを有するラジアルタイヤに比して小で
あるため、トレッド部の摩耗がやや大という欠点もあ
る。
【0007】さらに飛行機は、離着陸時、さらには滑走
路と、ゲートとの間の走行時において、路面に散在しが
ちな異物によってトレッド部が損傷を受けやすく、又受
傷したときには、その傷が比較的容易に内部層の表面に
達し、又侵入した異物自体によっても内部層を傷つける
など、トレッド部を損ない、耐久性を低下させる。従っ
て、このようなトレッド部の損傷に対する抵抗性、即ち
耐カット性を向上することも必要となる。
【0008】なおこのような内部層などの損傷は、トレ
ッドゴムの取換えによるタイヤの更生を困難にする場合
もある。
【0009】他方、航空機用タイヤとして、クロスプラ
イ構造のもの他、カーカスコードをタイヤ赤道に略直角
に配列したいわゆるラジアル、セミラジアル構造のラジ
アルタイヤが使用されつつあるが、ラジアルタイヤに比
して、前記のように、摩耗性に劣りかつベルト層を有し
ないクロスプライ構造のタイヤにおいては、カーカスの
保護のため、この耐カット性を高めることが肝要とな
る。
【0010】なおラジアルタイヤにおいて、例えば特開
昭61ー196804号公報は、ベルト層の外側にバン
ド層を設ける航空機用タイヤを提案している。
【0011】さらに特開昭57ー201704号公報
は、波付けしたスチールコードを用いたバンド層を採用
したタイヤを提案している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
提案に係る航空機用タイヤは、前記バンド層によって、
幾分耐カット性を高めかつ面内曲げ剛さを改善しうると
はいえ、このタイヤにおいては、バンド層のコードとし
て、ナイロン、ポリエステルなどの単一の材料からなる
ありふれた有機繊維コードを単に撚り合わせしているた
め、耐カット性を充分には向上しえない。
【0013】さらに後者のものでは、コードを波付けし
ているとはいえ、スチールコードを用いているため、伸
び性に劣り、大きなタガ効果によって、タイヤの内圧充
填によるインフレート形状をいびつとし、ときに、トレ
ッド部に形成したリブが蛇行するという場合も生じる。
又クロスプライタイヤにおいて、このようにスチールの
みからなるコードを用いるときには、タイヤ重量が大と
なり、耐摩耗性、発熱性を低下させる。
【0014】本発明は、複合コ−ドを用いたレインフォ
ースドファブリックを採用することを基本として、耐カ
ット性を向上しうる空気入りタイヤの提供を目的として
いる。
【0015】なお本発明の空気入りタイヤは、高速重荷
重用タイヤ、特に、航空機用タイヤとして好適に用いう
る他、乗用車用タイヤ、トラック用タイヤなどとしても
採用しうる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビード部に複
数のビードコアが並置されるとともに、外面が接地する
トレッド部からサイドウオール部をへて前記ビード部の
ビードコアで夫々折返しかつタイヤ赤道に対して傾く有
機繊維のカーカスコードを用いた複数のカーカスプライ
からなるカーカスと、該カーカスの外側に配されるレイ
ンフォースドファブリックとを具える空気入りタイヤで
あって、前記レインフォースドファブリックはタイヤ赤
道に対して0度以上かつ90度以下の角度で並置される
保護コードを具えるとともに、該保護コードは、ナイロ
ン繊維を用いた第1のコードと、芳香族ポリアミド繊
維、全芳香族ポリエステル繊維、15g/d以上の強度
を有するポリビニールアルコール繊維の内から選ばれた
何れか一種類の有機繊維素線からなる第2のコードとを
撚り合わせた複合コードからなることを特徴とする空気
入りタイヤである。
【0017】
【作用】カーカスの外側に配したレインフォースドファ
ブリックは、路面上の異物などにより外層ゴムが損傷し
たとき、その傷がカーカスに達するのを防ぐ。さらにレ
インフォースドファブリックの保護コードとして、ナイ
ロンを用いた第1のコードに、何れも高強度、高弾性を
具える芳香族ポリアミド繊維、前記芳香族ポリエステル
繊維、15g/d以上の強度を有するポリビニールアル
コール繊維の内から選ばれた1種類の有機繊維素線から
なる第2のコードを巻付けた複合コードを用いている。
これにより、第2のコードは、異物に対する防護体とし
て機能し、カーカスの損傷を防ぐ。又重量増加を最小限
に抑制する。
【0018】又保護コードは、ナイロンからなる第1の
コードが用いられることにより、適度の伸び性を付与で
き、カーカスとトレッドゴムとの間に剛性段差が生じる
のを防ぎ、損傷およびその拡大を防止できる。しかもこ
のレインフォースドファブリックを、トレッド部の内方
かつカーカスの外側に配したときには、トレッド部の面
内曲げ剛さを幾分でも高めることができ、コーナーリン
グ力の向上にも寄与させうる。
【0019】
【実施例】以下本発明の一実施例を、タイヤサイズ49
×19.0−20/34PRの航空機用バイアスタイヤ
を例にとり、図面に基づき説明する。
【0020】図1、2において、空気入りタイヤ1は、
左右一対かつビードコア2が通るビード部3と、該ビー
ド部3に連なりタイヤ半径方向外向きにのびるサイドウ
ォール部4と、該サイドウォール部4の外端間を継ぐト
レッド部5とからなるトロイド状のタイヤ基体6を具え
るとともに、前記ビードコア2は、タイヤ軸方向内側か
ら外向きに並置される第1のビードコア2A、第2のビ
ードコア2B、第3のビードコア2Cを含んでいる。
【0021】又タイヤ基体6には、トレッド部5からサ
イドウオール部4をへてビード部3の前記ビードコア2
A、2B、2Cで折り返すカーカス群G…からなるカー
カス7と、レインフォースドファブリック9とが配さ
れ、又レインフォースドファブリック9は、カーカス7
の外側を、トレッド部5からサイドウオール部4をへて
ビード部3に至る範囲で覆うカーカスレインフォースド
ファブリック9Aと、トレッド部5の内方かつカーカス
レインフォースドファブリック9Aの半径方向外面にリ
トレッドゴム10を介して配したトレッドレインフォー
スドファブリック9Bとを具える。
【0022】又カーカスプライ群Gは、図2に詳示する
ように、前記第1のビードコア2Aにタイヤ内側から外
側に巻付くタイヤ内方に位置する6枚のカーカスプライ
11a、11a、11b…からなる第1のカーカスプラ
イ群GA(図1に点線で示す) 、第2のビードコア2B
の底面に内側から外側に巻付く4枚のカーカスプライ1
1c…からなる第2のカーカスプライ群GB(図1に実
線で示す) 、第3のビードコア2Cの底面に内側から外
側に巻付く4枚のカーカスプライ11d…からなる第3
のカーカスプライ群GC(図1に破線で示す) を包含
し、これによって前記第1のカーカスプライ群GAの6
枚のカーカスプライ11a…、11b…の内、外側の4
枚の前記カーカスプライ11b…、第2のカーカスプラ
イ群GBのカーカスプライ11c…、第3のカーカスプ
ライ群GCのカーカスプライ11d…は、ともに第1、
第2、第3のビードコア2A、2B、2Cで半径方向外
方に折返す折返し部GA1、GB2、GC3を形成して
いる。
【0023】又第1のカーカスプライ群GAの、内側の
2枚のカーカスプライ11a、11aは、第1〜第3の
ビードコア2A〜2Cの底面をとおる底部GA2を介し
て、前記折返し部GC1の外面に沿い半径方向外方に折
返す折返し部GA3を形成している。
【0024】さらに、第1〜第3のビードコア2A〜2
Cを折返す第1〜第3のカーカスプライ群GA〜GCの
本体部と、折返し部GA1〜GC1とには、各第1〜第
3のビードコア2A〜2Cを囲むフィラー12を設け、
かつその内部には、硬質ゴムからなりかつ半径方向外向
きにのびる先細三角形状のビードエーペックス13…を
設けることにより、ビード部3の剛性を高めている。
【0025】なお前記ビードエーペックス13として、
硬質ゴム、例えば動的弾性率(E*)が岩本製作所製粘
弾性スペクトロメータを用いて77°C、初期歪10
%、振幅2.0%、周波数50Hz条件で、4mm巾×30
mm長さ×2mm厚さの試料を用いて測定した値で200kg
/cm2 〜1500kg/cm2 、好ましくは900kg/cm2
以上のゴムを用いるのがよい。
【0026】又前記ビード部3に沿って、リムとの擦過
損傷を防ぐチエーフア15を配置する。
【0027】前記カーカスレインフォースドファブリッ
ク9Aは、カーカス7の外側、従って第3のカーカスプ
ライ群GCの外面に沿ってトレッド部5、サイドウオー
ル部4をのびかつビード部3では、前記第1のカーカス
プライ群GAのカーカスプライ11a、11aの折返し
部GA3外面を覆う主体部9A1に、本例では、前記底
部GA2の下方をタイヤ内側までのびる延在部9A2を
設けており、又保護コード20を用いて形成した2枚の
ファブリック13a、13bを含んでいる。
【0028】前記トレッドレインフォースドファブリッ
ク9Bは、前記のごとくトレッド部5の内方かつカーカ
ス保護プライ9Aの半径方向外側にリトレッドゴム10
を介して配され、かつ保護コード20を用いる一枚以
上、本例では広狭2枚のプライ13c、13dからな
り、巾広のパブリック13cを内方に配している。この
トレッドレインフォースドファブリック9Bはトレッド
部5の耐カット性を向上するとともに、トレッド部5の
ゴムとの間の剛性段差の発生を緩和し、その間における
剪断応力を低減することにより、トレッド部5の損傷、
及びその拡大成長を抑制する機能も具える。
【0029】そのためにトレッドレインフォースドファ
ブリック9Bは、好ましくはトレッド部5の全巾に配さ
れるのが好ましい。又巾狭のファブリック13cは、タ
イヤ1が正規リムにリム組されかつ正規内圧、正規荷重
を付加したときにおいて、トレッド部5の外面が接地す
るタイヤ軸方向の接地巾Sの少なくとも50%以上とす
る。なお好ましくは、離着陸時の最大変形を考慮して、
前記のごとく、トレッド部5の全巾とするのがよい。
【0030】さらにレインフォースドファブリック9
は、2層のファブリックを用いる場合の他、一枚又は三
枚以上の複数層とすることもできる。
【0031】次に前記保護コード20は、図3に示すよ
うに、ナイロン繊維を用いた第1のコード21と、有機
繊維からなる第2のコード22とを撚り合わせた複合コ
ードを用いている。この第2のコード22には、強度と
弾性力に優れる芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエ
ステル繊維及び15g/d以上の強度を有するポリビニ
ールアルコール繊維の内から選ばれた何れか1種類の有
機繊維が用いられる。
【0032】第1のコード21は、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン610等の合成高分子ポリアミド系の
ナイロン繊維を用いたモノフィラメントからなり、約3
00d〜1350d程度のトータルデニエール数DPの
ものが用いられる。
【0033】なお第1のコード21として、大径のモノ
フイラメントの他、モノフイラメントの複数本が撚合わ
されたロープ又はストランドからなる撚合せコードを用
いてもよい。
【0034】第2のコード22は、図3に示すように、
本実施例では一本の有機繊維素線を用いる。有機繊維素
線としては、前記した如く芳香族ポリアミド繊維、全芳
香族ポリエステル繊維、又は15g/d以上の強度を有
するポリビニールアルコール繊維の内から選ばれた何れ
か一種類の有機繊維コードが用いられる。これらの有機
繊維コードは何れも引張り強度が大であり、耐衝撃性に
おいても優れる。
【0035】なお有機繊維素線は、モノフィラメントに
よって形成する他、複数本のモノフィラメントを撚り合
わしたヤーンであってもよい。
【0036】さらに第2のコード22は、第1のコード
21との撚り合わせに際して、トータルデニエール数D
を500〜2000の範囲に、又10cm当たりの撚り数
Nを30〜50の範囲にするのが好ましく、前記撚り数
N、コードのトータルデニエール数D、及び繊維の比重
ρとの関係において下記(1)式によって求められる撚
り係数NTを0.35以上かつ0.60以下としてい
る。
【0037】 NT=N×√(0.139×D/ρ)×10-3……(1)
【0038】前記撚り係数NTの値が0.35未満の場
合には耐カット性に劣り、又0.60をこえると重量が
増し高価となる。
【0039】なお第2のコード22として強力の大きい
有機繊維、例えば芳香族ポリアミド繊維を用いることに
よって、トレッド部5の耐カット性が向上するもののこ
の芳香族ポリアミド繊維のコードは圧縮に対して弱いと
いう欠点があり、この欠点のため単独で保護コードを形
成した場合には、不都合が生じる。そこで比較的低弾性
のナイロンコードと撚り合わせた複合コードとして保護
コード20を形成することにより、レインフォースドフ
ァブリック9の圧縮強さを高め、他の走行諸性能を損な
うことなく耐カット性を向上させたのである。
【0040】図4に表2に示す仕様で第1のコード21
と第2のコードとを捩じり合わせた保護コード(B−
1,B−2,B−3)の荷重伸び曲線を実線により例示
している。又従来の単一繊維の撚り合わせコード(B−
4)を破線で示している。図中Xで示す範囲は、タイヤ
内で通常状態においてレインフォースドファブリックに
作用しているストレッチ、Yは低速走行時に使われるモ
ジュラス、Zは高速走行時に使われるモジュラスの範囲
をそれぞれ示している。
【0041】この保護コード20は、タイヤ赤道COに
対して、0〜90度の自在の傾きで配置されることによ
り、前記トレッドレインフォースドファブリック9Bの
プライ13c、13dを形成する。このトレッドレイン
フォースドファブリック9Bが、耐カット性に加えて、
トレッド部5の面内曲げ剛さを高め、コーナーリング力
を増す補強層としても機能させるときには、プライ13
c、13dが交差配列となるように、好ましくは10〜
70度、さらに好ましくは30〜60度の範囲で傾け
る。
【0042】又保護コード20は、5cm当たり20〜6
0本のエンズ(20〜60E/5cm)を配する。本数が
20本よりも小のとき、耐カット性に劣り、60本をこ
えるときにはタイヤ重量を増大しかつ高価となる。従っ
て、好ましくは5cm当たり30〜50本程度である。又
保護コード20は、一本又は複数本を小角度で螺旋状に
巻回するコードワインデイング法によりプライ13c、
13dを形成することもできる。
【0043】前記カーカスレインフォースドファブリッ
ク9Aのプライ13a、13bの保護コード20の傾き
は、カーカス7のカーカスコードに応じて定められる。
【0044】前記第1、第2、第3のカーカスプライ群
GA〜GCのカーカスコードは、タイヤ赤道に対して2
0〜50度、好ましくは30〜45度の範囲で傾ける。
しかもタイヤの内側から外側に順に配した第1〜第3の
カーカスプライ群GA〜GCのカーカスコードの前記コ
ード角度を、順次減少させる。
【0045】例えば、第1のカーカスプライ群GAのコ
ード角度は、25〜50度、好ましくは30〜45度、
本例では40度とし、第2、第3のカーカスプライ群G
B、GCとなるに従い、第1のカーカスプライ群GAの
コード角度に比して、1〜5度、好ましくは2度程度の
角度段階で順次コード角度を減じる。即ち、第1のカー
カスプライ群GAのコード角度が前記のように40度で
あるとき、第2のカーカスプライ群GCのコード角度を
38度、第3のカーカスプライ群GCのコード角度を3
6度程度に設定する。
【0046】しかも、各カーカスプライ群GA〜GCに
おける各カーカスプライ11a〜11dにおいては、各
カーカスコードが互いに交差させて配列する。このよう
にコード角度を内側から外側にかけて減少させることに
よって、内から外に向かってプライの剛さを高め、好ま
しい所定のインフレート形状を得ることができる。
【0047】前記カーカス前記フォースドファブリック
9Aの保護コード20は、タイヤ赤道COに対して0〜
90度、好ましくは10〜70度とすることができる
が、カーカス7についての前記した観点から、カーカス
保護プライ9Aのプライ13a、13bの保護コード2
0の傾きは、さらに小、例えば34度程度に設定するの
がよい。
【0048】なお第1〜第3のカーカスプライ群GA〜
GCの前記折返し部GA1〜GC1は、外向きに順次そ
の高さを大とし、特に第3のカーカスプライ群GCの折
返し部GC1は、タイヤの最大巾となる位置の近傍で終
端させている。
【0049】さらに本実施例では、トレッド部5の内方
かつ第2の内カーカスプライ群GBと第3の内カーカス
プライ群GCとの間および前記外カーカスプライ群GD
と第3の内カーカスプライ群GCとの間には2つの第
1、第2のキャッププライ層C1、C2が配される。
【0050】キャッププライ層C1、C2は、ともに各
2枚のキャッププライ層16a、16a、16b、16
bからなり、又第1のキャッププライ層C1のキャップ
コードは、タイヤ赤道に対して36度の角度で、又第2
のキャッププライ層のキャップコードは34度で互いに
交わりかつ隣り合うカーカスコードと夫々交差する向き
に配される。
【0051】又第1、第2のキャッププライ層C1、C
2において、その少なくとも1つのキャッププライ層1
6a、16bは、タイヤの接地面のタイヤ軸方向の巾S
の110〜130%程度に設定する。これよりキャップ
プライ層16a、16bの外端は、ビード部の半径方向
外方で途切れており、これによって、ビードコア2に巻
付くカーカスプライ11a〜11dに比して小巾としつ
つ、使用において大きな負荷が作用するトレッド部5を
効果的に補強し、さらに、キャッププライ層Cを、カー
カスプライ群G間に配することによって、キャッププラ
イ層Cの加硫時における熱作用による収縮に基づく応力
を、その内側に位置するカーカスプライ群Gによって担
持させうる。
【0052】前記カーカスプライ11a〜11d、キャ
ッププライ層C1、C2の各カーカスコード、キャップ
コードには、ポリエチレン系繊維、ポリウレタン系繊
維、セルローズ系繊維、セルローズエステル系繊維、さ
らには芳香族ポリアミド系繊維などの有機繊維が使用で
き、特にナイロン66等の脂肪族ポリアミド系繊維を好
適に用いうる。
【0053】さらに、カーカスコード、キャップコ
は、比較的柔らかいゴム、例え300%モジュラスが
80〜160kg/cm2 、好ましくは90〜110kg/cm
2 の範囲のトッピングゴムに埋設することにより、前記
プライ11a〜11e、16a、16bを形成する。
【0054】なお前記リトレッドゴム10は、ブレーカ
10の半径方向内側のその全巾にわたって延在し、その
厚さを2.0mm以上としている。
【0055】これによってタイヤの更生に際してトレッ
ドゴムを除去するときのカーカス7の損傷を防止してお
り、このリトレッドゴム10として、トレッドゴムより
低い硬さのゴムを用いることによって、除去を容易とし
前記カーカス7の損傷を防止する。なおトレッドゴムと
同等、又はより硬いゴムを用いてカーカス7を保護する
のもよい。
【0056】さらにタイヤ1には、カットプロテクタ9
として、カーカス保護プライ9A、トレッド保護プライ
9Bの双方を用いるときの他、いずれか一方を用いるの
もよい。
【0057】
【具体例】タイヤサイズ49×19.0−20/34P
R、の航空機用バイアスタイヤを、図1および表1に示
す仕様により試作した(表1において、表2の各記号で
示すコードを用いている。)
【0058】夫々正規内圧を充填するとともに、米国航
空局規格TSOーC62dに基づく離陸及びタクシーの
シュミレーションテストに基づき耐久性をテストした。
耐えたものを○印で示す。
【0059】又コーナリング力は、フラットベルト式の
室内試験機を用いて測定し、比較例1を100とする指
数表示で示している。数値が大なる程よい結果であるこ
とを示す。重量も比較例1を100とする指数により示
している。
【0060】耐カット性は、図5に示すようにドラムに
高さ5mm先端半径0.5Rの楔片aを散在させて150
%の負荷にて回転させ、タイヤ破壊に至る時間を、比較
例1を100とする指数表示で示している。指数が大な
る程よい結果であることを示している。なお指数120
以上が合格基準である。
【0061】
【発明の効果】このように本発明のタイヤは、他の走行
性能を損なうことなく、耐カット性を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】プライ構成を例示する断面図である。
【図3】保護コードを例示する正面図である。
【図4】保護コードの特性を例示する線図である。
【図5】耐カット性テストのドラムを例示する斜視図で
ある。
【符号の説明】
2、2A、2B、2C ビードコア 3 ビード部 4 サイドウォール部 5 トレッド部 7 カーカス 9、9A、9B レインフォースドファブリック 20 保護コード 21 第1のコード 22 第2のコード
【表1】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビード部に複数のビードコアが並置される
    とともに、外面が接地するトレッド部からサイドウオー
    ル部をへて前記ビード部のビードコアで夫々折返しかつ
    タイヤ赤道に対して傾く有機繊維のカーカスコードを用
    いた複数のカーカスプライからなるカーカスと、該カー
    カスの外側に配されるレインフォースドファブリックと
    を具える空気入りタイヤであって、前記レインフォース
    ドファブリックはタイヤ赤道に対して0度以上かつ90
    度以下の角度で並置される保護コードを具えるととも
    に、該保護コードは、ナイロン繊維を用いた第1のコー
    ドと、芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊
    維、15g/d以上の強度を有するポリビニールアルコ
    ール繊維の内から選ばれた何れか一種類の有機繊維素線
    からなる第2のコードとを撚り合わせた複合コードから
    なることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記レインフォースドファブリックは、前
    記保護コードからなりかつトレッド部の内方しかもタイ
    ヤがリム組されかつ正規内圧、正規荷重を付加したとき
    の前記トレッド部外面のタイヤ軸方向の接地巾の50%
    をこえる巾のトレッドレインフォースドファブリックを
    含むことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記レインフォースドファブリックは、保
    護コードからなりかつ前記カーカスの外側をトレッド部
    からサイドウオール部をへてビード部に至る範囲で覆う
    カーカスレインフォースドファブリックを有することを
    特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】前記レインフォースドファブリックは、保
    護コードからなりかつ前記カーカスの外側をトレッド部
    からサイドウオール部をへてビード部に至る範囲で覆う
    カーカスレインフォースドファブリックと、該カーカス
    レインフォースドファブリックの半径方向外側かつトレ
    ッド部の内方しかもタイヤがリム組されかつ正規内圧、
    正規荷重を付加したときの前記トレッド部外面のタイヤ
    軸方向の接地巾の70%をこえる巾のトレッドレインフ
    ォースドファブリックとを有することを特徴とする請求
    項1記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】前記第1のコードと第2のコードとの撚り
    合わせは、下記式に示される撚り係数NTの値を0.3
    5以上かつ0.60以下としたことを特徴とする請求項
    1記載の空気入りタイヤ。 NT=N√(0.139×D/ρ)×10-3 但し、N:10cm当たりの撚り数 D:コードのトータルデニール数の1/2 ρ:繊維の比重
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