JPH06254813A - 樹脂エッジ付き家具パネルの製造方法 - Google Patents

樹脂エッジ付き家具パネルの製造方法

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JPH06254813A
JPH06254813A JP10620892A JP10620892A JPH06254813A JP H06254813 A JPH06254813 A JP H06254813A JP 10620892 A JP10620892 A JP 10620892A JP 10620892 A JP10620892 A JP 10620892A JP H06254813 A JPH06254813 A JP H06254813A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂エッジ付き家具パネルの製造において樹
脂エッジの形成を簡便で容易に行えるようにする。 【構成】 合板を芯材としてメラミン樹脂化粧板、合
板、およびフェノール樹脂積層板(バッカー)の三層か
ら成る接着体を作成する。この際、接着体の内部に一連
のトンネルと外部からこのトンネル内へ樹脂を注入する
ための開口部が形成されるよう、あらかじめ合板を切断
加工し、切断加工した合板同志を間隔をとって配置し、
接着しておく。次いで、開口部を上にして、接着体を立
てかけ、開口部より、硬化性の液状樹脂を注入して硬化
させ、トンネル部分をトンネルに沿って切断すると共に
切削成形して樹脂エッジ付き家具パネルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液状樹脂を注入し、硬
化させるステップが簡便かつ容易に行える樹脂エッジ付
き家具パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィス空間や住宅空間に使用されるテ
ーブルトップ、間仕切板などの家具部材には、近年、周
辺縁部に樹脂エッジを一体に付設した樹脂エッジ付き家
具部材が使われ始めている。これら樹脂エッジ付き家具
部材は、本体芯材の周縁所定部分に溝をつけ、この溝に
液状樹脂を注入して硬化させ、しかる後に硬化した樹脂
部分を装飾性のある面形状に仕上げている。(特開平3
−131369)
【0003】この際、樹脂エッジによる美的効果を高め
ようとすると、家具パネルの周縁木口部分の全部もしく
は大部分が樹脂エッジによって覆われていることが望ま
れるため、溝の底は厚さの薄いフランジ部を残すのみの
深い溝を形成させることが一般に行なわれている。
【0004】このため、溝をつけた芯材を取扱う時、強
度的に弱いフランジ部で破損しやすいという問題が生じ
る。
【0005】 そして、溝付けした芯材は、水平に保持し
たまま、液状樹脂を注入し、硬化させなければならない
ため、広い作業場が必要であり、しかも液状樹脂が溝か
らこぼれないよう硬化が完了するまで水平保持すること
に配慮しなければならないという欠点がある。
【0006】 また、従来方法においては、芯材に反りが
ある場合、溝全体の水平レベルを同一に保持することが
不可能であるため、溝全体にむらなく液状樹脂を充満で
きなくなるという欠点もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
した問題あるいは欠点を一挙に解消し、樹脂エッジ付き
家具パネルを簡便かつ容易に製造する方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
請求項1の発明による樹脂エッジ付き家具パネルの製造
方法は下記(1)〜(6)のステップから成るものであ
る。 (1)下記(a)〜(e)の材料を準備するステップ。 (a)前もって選ばれた平面形状を有する板状の芯材。 (b)上記芯材の平面形状に沿っていて、しかも、この
平面形状より大きな内面穴を有し、かつ内面穴から外縁
へ至る開口部を有する板状の補助芯材。 (c)表面シート。 (d)裏面シート。 (e)上記2つのシートと芯材および補助芯材との接着
が可能な接着剤。 (2)芯材の側面と補助芯材の内面穴の側面との間に所
定の間隔を保持させたまま、芯材と補助芯材とを表面シ
ートと裏面シートの間に挾みこんで接着し、この接着体
の内部に一連のトンネルを形成するステップ。 (3)開口部がトンネルの最高部に位置するようにして
前記接着体を略垂直に保持するステップ。 (4)芯材と密着性を有する硬化性の液状樹脂を開口部
から注入し、トンネル内部を充満させ、開口部の一定レ
ベルまで到達させた後、硬化させるステップ。 (5)硬化したトンネルの樹脂部分を表面シート及び裏
面シートを通して切断すると共に、装飾的な面形状を成
すように切削し、樹脂エッジを形成するステップ。 (6)形成した樹脂エッジを研摩し、仕上げるステッ
プ。
【0009】そして、請求項2の発明による樹脂エッジ
付き家具パネルの製造方法は、芯材の側面および/ある
いは補助芯材の内面穴の側面を接着前にあらかじめシー
ル処理し、液状樹脂の浸透を防止することを含むもので
ある。また、請求項3の発明による樹脂エッジ付き家具
パネルの製造方法は、表面シートにメラミン樹脂化粧板
を使用するものである。
【0010】以下、図面に基づいて説明する。図1は、
トンネルおよび開口部を内蔵する本発明に使用する接着
体の一実施例についての分解斜視図である。1は製品の
表面を形成する表面シートであって、液状樹脂に対して
不透過性である化粧材であればよい。具体的には、メラ
ミン樹脂化粧板や塩ビ板などの合成樹脂系シート、突板
化粧板などの木質系シートおよびアルミ板などの金属系
シートなどである。接着体に液状樹脂を注入する際、接
着体を立てかけて作業するには、表面シートが剛性板で
あることが好都合であるが、剛性板に限定する必要はな
く、可焼性シートであってもよい。可撓性シートを使用
した時は、接着体を吊り下げるなどして垂直に保持し
て、液状樹脂を注入すればよい。
【0011】前記した表面シートの中では、メラミン樹
脂化粧板が、耐摩耗性などの表面物性が優れていて、し
かも切削加工性にも優れるので、本発明における表面シ
ートに好適である。
【0012】芯材2は、製品の外形に沿うようあらかじ
め形作られた板状のボードである。材料は、合板、パー
チクルボード、MDFなどの木質材料が、加工性、経済
性などの点から好ましいが、硅酸カルシウム板などの無
機材料、アルミ板などの金属材料あるいはプラスチック
材料であってもよい。更に、アルミ製あるいは紙製のハ
ニカムコアやポリエチレン発泡体なども単独もしくは前
記材料と組み合わせてボード状となして使用することが
できる。
【0013】芯材の外形は、あらかじめ製品の外形に沿
うよう形作られていなければならないが、形作る方法と
しては、木質材料の場合は木工機械による切断加工、プ
ラスチック発泡体においては熱線による切断、あるいは
プラスチック材料では射出成型など、使用材料に応じて
通常使われる方法を選択すればよい。
【0014】例えば、図2は複数の材料を組み合わせて
フラッシュ芯材とした例である。木製の枠6を8のエア
タッカーのピンによって固定して木枠組みとし、木枠で
囲まれた空間にハニカムコア7をはめ込んで芯材とした
例である。更に、この芯材の上下に長さ、幅とも同じサ
イズの合板を接着して使用することも可能である。(図
3)
【0015】図1に示される補助芯材3は、トンネル1
0を形成させるために必要とする構成部材であって、芯
材と同じ種類の材料が使用できるが、芯材とは異なり、
樹脂エッジを削り出す際に切り棄てられるものである。
補助芯材は、図4−Aに示すように芯材と同一の厚さと
することが一般的であり、この方法は、一枚のボードか
らNCルーターを使って芯材を切り出し、残りの外周部
分を補助芯材に利用することができるので材料を無駄な
く使うのに有利である。また、表面シート、裏面シート
の一方もしくは両方が可撓性シートである時は芯材と補
助芯材の厚さを不同にして構成することもでき、例え
ば、図4−Bのように補助芯材の厚さを大とした時は、
パネル本体部より厚い樹脂エッジを形成させることも可
能となる。
【0016】補助芯材3には液状樹脂の注入口となる開
口部5が設けられる。開口部は、通常接着する前にあら
かじめ開設されるが、接着後に補助芯材の側面からトン
ネルへ向けてドリル等で穴を穿ち、開口部としてもよ
く、いずれも本発明に含まれる。 開口部は、液状樹脂
をトンネル内へ導き、充填させるためのものであり、通
常一個の穴でよいが、注入口と排気口を区別するため複
数個の穴とすること、あるいは開口部の幅を広くして溝
状に形成することもなどを行っても構わない。
【0017】図1における4は裏面シートを示し、表面
材と同じ種類の材料が使用できる。製品の裏面を形成す
るので、通常、美観より、経済性を重視して材料を選択
することになり、例えば、バッカーと呼ばれているフェ
ノール樹脂積層板などが好適と言える。しかしながら、
可動間仕切板のように両面とも美観を要求される用途に
対しては裏面シートにおいても、美観を考慮した材料選
択を行わなければならない。
【0018】上述した本発明の家具パネルは芯材の上下
を表面シートと裏面シートでサンドイッチした三層構造
としているので、単層あるいは二層構造のパネルに比べ
ると反りの発生が少ないという効果をもっている。
【0019】以上、本発明において液状樹脂を注入する
接着体構造物について説明したが、以下この接着体の接
着方法などを順を追って説明する。あらかじめ、準備し
た表面シート、芯材、補助芯材および裏面シートは、図
1に示す構成の下で接着一体化し、一連のトンネルとト
ンネルから外部へ通じる開口部を内蔵している図5に示
されるような接着体を作成する。接着剤は、公知の接着
剤、例えばユリア系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、水性
ビニルウレタン系接着剤、ウレタン樹脂接着剤、エポキ
シ樹脂接着剤、合成ゴム系接着剤などの中から、選ばれ
た材料に接着性のあるものを適宜選択して使用すればよ
く、例えば、芯材と補助芯材が木質材料であり、表面シ
ートと裏面シートがメラミン樹脂化粧板など積層板の組
合せとなっている場合にはユリア系接着剤や酢酸ビニル
系接着剤が適している。また、使用する接着剤は一接着
体について一種類に限定する必要はなく、表面シート用
と裏面シート用に異なる種類の接着剤を使うなど、複数
の接着剤を使っても構わない。
【0020】ここでの接着は、単に材料を重ね合わせて
接着するだけではなく、樹脂エッジを得るに必要なトン
ネル幅を確保するために、補助芯材の内面穴に芯材を位
置させ、しかも両者が所定間隔をとるようにして接着し
なければならない。一般には、材料を仮止め固定して接
着するが、仮止めを行うことによって、製品の美観や樹
脂の注入作業に悪影響が及ばないようにしなければなら
ない。そのためには、木製あるいはプラスチック製の細
いピンを芯材と補助芯材との間の要所に突きさすように
して挾んで接着することが行われるし、その他、圧締硬
化に入る前に、裏面シート又は表面シートと芯材および
補助芯材とをピンポイント状に高周波接着して仮止めす
る方法もとり得る。
【0021】また、一度に接着すのるのではなく、段階
的に接着することによって所定の間隔を確保する方法も
とり得る。裏面シートに先ず芯材を接着し、次に補助芯
材を芯材との間に所定間隔をとって接着し、最後に表面
シートを接着する方法である。もちろん接着する材料の
順序はこの通りでなくてもかまわない。
【0022】そして、芯材の側面および/あるいは補助
芯材の内面穴の側面は、接着する以前にあらかじめシー
ル処理しておくと、液状樹脂の注入・硬化時に、材料内
部へ液状樹脂が過剰に浸透することを防止する効果があ
る。シール処理は、芯材あるいは補助芯材がMDFのよ
うに多孔質材料の時に大きな効果がある。シール処理の
方法としては塗料の下塗り剤であるシーラーを数回塗り
重ねる方法が一般的であるが、他に、不透性基材から成
る粘着シートを貼着すること、建築用に使われるシーリ
ング剤を塗ることなども有効である。
【0023】このようにして作成した接着体は、次に、
液状樹脂を注入する準備として、開口部がトンネルの最
も高い位置にくるようにして、略垂直に保持する。保持
する手段は特に制限されないが、立てかけておくか、吊
り下げておくかするだけでよい。そして、硬化性の液状
樹脂を用意し、液状樹脂を開口部から注入し、トンネル
内部と開口部まで充満させ、硬化させる。注入作業を手
際よく実施するためにロート等の補助具を用いてもよ
い。
【0024】注入用樹脂は、硬化性の樹脂であればよ
く、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂など公知の樹
脂が使用できる。液状樹脂には、着色剤、充填剤、消泡
剤など公知の添加剤が含まれていてもよい。
【0025】液状樹脂が硬化したのち、接着体のトンネ
ル部分に沿って表面シートおよび裏面シートを通して切
断すると共に、装飾的な面形状を成すように切削し、樹
脂エッジを形成する。切削加工の方法は、装飾的な面形
状が形成される方法であれば手加工も含むどのような方
法であってもよく、とりわけ、成形用刃物を装着した木
工用NCルーター、あるいは木工用タテ軸モルダーを使
えば、効率よく作業を行うことができる。ここで、モル
ダーは直線部分の加工に適し、一方、NCルーターは直
線、曲線を問わず精度良く加工するのに適している。得
られる面形状の代表例を図6に示す。
【0026】切削加工によって形成した樹脂エッジ部
は、次に種々の粗さのサンドペーパー、スチールタワシ
あるいはコンパウンドワックス等を適宜組み合わせてそ
の表面を研摩し、切削加工によって生じるナイフマーク
や地肌の荒れなどを修整し、表面が滑らかで美観を呈す
る樹脂エッジに仕上げる。近年、NCルーターの加工精
度が向上しているので、NCルーターによる切削回数を
2回パスあるいは3回パスとすれば、相当滑らかな切削
面が得られるので、研摩作業は軽減され得る。
【0027】このようにして製造する樹脂エッジ付き家
具パネルは、オフィス、住宅などの建築空間でテーブル
トップ、間仕切パネル等に使用される。この際、前記し
た研摩ステップに引続き、樹脂エッジ部分あるいは樹脂
エッジを含む家具パネル全体をウレタン樹脂塗装、アミ
ノ樹脂塗装など公知の塗装仕上げを施した上で使用して
も差し支えない。
【0028】以下、実施例により本発明を更に詳しく説
明する。表面シート、裏面シート、芯材、補助芯材、接
着剤および注入用樹脂の材料と組合わせを表1に示すよ
うにして本発明を実施し、それぞれ実施例1、実施例2
および実施例3とする。また、各実施例で得られた製品
の特性値を表2に示す。
【0029】
【実施例】
[実施例1]木工用NCルーターに溝掘り用ストレート
ビットを装着し、合板の中央部から半径350mmの芯材
を切り出す。残った合板を同じ刃物を使って再度切削加
工し、半径380mmの内面穴と内面穴から合板周縁部に
対して最短距離でかつ直角を成すようにして至らせた幅
30mmの開口部を1ケ所設け、補助芯材とする。芯材お
よび補助芯材の両面とメラミン樹脂化粧板およびバッカ
ーの接着面に表1に示すゴム系接着剤をスプレー塗布
し、バッカーの中央部に先ず芯材を置き、軽く手で押え
つけて仮止めする。そして、この芯材と30mmの間隔を
とって補助芯材を同じようにして仮止めし、次にメラミ
ン化粧板を上に載せ、木工用プレス機を用い、3kg/cm
2の圧力で圧締し接着体を作成する。
【0030】一方、表1のウレタン樹脂のA液にあらか
じめ黒トナーを3%混合して着色した後、B液と混合し
て液状樹脂を調整し、開口部を上にして立てかけた接着
体の開口部から内部のトンネルへ注ぎ入れる。そして、
トンネルと開口部上端に至るまで液状樹脂を充填し、こ
のまま1日間静置して樹脂を硬化させる。
【0031】次いで、面取り用ビットを装着した木工用
NCルーターにより、硬化した樹脂で充填されているト
ンネル部分をトンネルに沿って表面シートおよび裏面シ
ートを通して切断すると共に、図6−Aに示すような一
連の装飾的な面形状を形成させ、その後500番サンド
ペーパーと極細グレードのポリッシングコンパウンドで
樹脂部分を磨き上げ、外縁の全周にわたって黒色で滑ら
かな表面の樹脂エッジで覆われている円形の樹脂エッジ
付き家具パネルを得る。この樹脂エッジ付き家具パネル
はエッジ部分の強度が大きく、パネル全体に反りがな
く、美観に優れている。
【0032】
【表1】
【0033】[実施例2]実施例1におけるタイプ2合
板をMDF(中質木質繊維板)に変更し、芯材の側面お
よび補助芯材の内面穴側面を木工用ウレタン樹脂塗料の
下塗り剤で3回塗装することによりシール処理とした他
は実施例1と同様にして製造し、外縁の全周が黒色で滑
らかな表面の樹脂エッジで覆われている円形の樹脂エッ
ジ付き家具パネルを得る。この樹脂エッジ付き家具パネ
ルはエッジ部の強度が大きく、パネル全体に反りがなく
美観に優れている。
【0034】[実施例3]幅60mm、厚さ35mmの木製
枠材を使ってエアタッカーによるピン止め接合を行い、
木枠を作る。この木枠の枠内には同じ厚さのハニカムコ
アをはめ込み、更に水性ビニルウレタン系接着剤を塗布
した幅700mm、長さ1220mm、厚さ3mmの合板を上
下に置き、3kg/cm2の圧力で5時間圧締して接着し、
図3の断面を持ち、表1に示すサイズの長方形のフラッ
シュ芯材を作成する。次に、幅60mm、厚さ41mmの木
製枠材を同じように、エアタッカー止めして、表1に示
すサイズの長方形の木枠補助芯材を作成する。芯材およ
び補助芯材の木枠接合部分には、液状樹脂の浸透防止の
ため建築用ウレタンシーリング剤を塗り、シール処理を
する。
【0035】そして、上記芯材および補助芯材の両面に
酢ビエマルジョン系接着剤を塗布し、補助芯材の内面穴
部分に芯材が位置するようにして表面シートと裏面シー
トの間に挾み込み、木工用プレス機で圧力5kg/cm2
18時間圧締し接着する。この際、芯材と補助芯材との
間の要所6ケ所に直径1mm、長さ40mmの竹製丸棒を突
き差すようにして挾み込ませることにより芯材と補助芯
材とは40mmの一定間隔をとって接着されている。更
に、接着完了後に、この接着体の一つの長辺の補助芯材
部に内部のトンネルへ至る直径30mmの穴2個所をドリ
ルで穿ち、液状樹脂注入のための開口部とする。
【0036】この接着体を開口部が上になるようにして
立てかけて保持し、アイボリー色に着色されている表1
に示すエポキシ樹脂の調合液を1個所の開口部からトン
ネル内へ注ぎ込み、開口部の上端に至るまで充填し、1
日間室温下で静置して液状樹脂を硬化させる。この際、
他の開口部は樹脂注入時に排気口の役割を果し、手早く
注入するための助けとなる。次に、実施例1とは異なる
面取り用ビットを装着した木工用NCルーターを使っ
て、実施例1と同様にしてトンネル部に沿って切削成形
し、図6−Cの断面形状を持つ樹脂エッジをパネル周縁
部に形成する。
【0037】そして、樹脂エッジの表面を500番サン
ドペーパーで研摩し、竹製ピンの露出した断面部分に着
色剤を塗って修整したのち、樹脂エッジを含むパネル全
体を木工用の常温硬化型ウレタン樹脂塗料によるクリヤ
ー仕上げを施し、周縁のすべてにわたってアイボリー色
の樹脂エッジで覆われている長方形の家具パネルを得
る。この樹脂エッジ付き家具パネルは、エッジ部の強度
が大きく、パネル全体に反りがなく、美観に優れてい
る。
【0038】
【表2】 ※1:(財)ベターリビング 内装ドア性能試験TWD
−08に準じ、樹脂エッジと芯材との平面引張剥離強さ
を評価。 ※2:日本農林規格JAS 特殊合板 寒熱繰返しC試
験により家具パネル現物を処理し、樹脂エッジおよび芯
材との接合部を評価。 ※3:(財)ベターリビング 内装ドア性能試験TWD
−11に準じて反りを評価。
【0039】上表の結果から、実施例1ないし実施例3
は、いずれも家具パネルとして十分な実用性を有してい
る。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明は、トン
ネルを内蔵した接着体を作成し、略垂直に保持して液状
樹脂を注入し硬化させるので、広い作業場面積をとらず
に多量の製品を製造できる。また、液状樹脂は、開口部
よりトンネル内部へ注入されるので家具パネルの中間体
である接着体に反りがあっても何ら支障なく注入できる
効果がある。そして、本発明の家具パネルは、表面シー
ト、芯材、および裏面シートから成る三層構造となって
いるので、得られる家具パネルは反りが著しく小さいと
いう効果ももっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるトンネルおよび開口部を内蔵し
ている接着体の一実施例の分解斜視図。
【図2】本発明の芯材の一実施例であるフラッシュ芯材
の説明図。
【図3】本発明の芯材の他の一実施例である合板貼りフ
ラッシュ芯材の断面図。
【図4】本発明における接着体の部分断面図。Aは、芯
材と補助芯材の厚さが同一である一実施例、Bは、厚さ
が異なる一実施例。
【図5】本発明における接着体とこの接着体に液状樹脂
を注入することを示す説明図。
【図6】本発明により得られる樹脂エツジの代表的な形
状を示す断面図。
【図7】本発明の樹脂エツジ付き家具パネルの一実施例
の斜視図。
【符号の説明】
1 表面シート 2 芯材 3 補助芯材 4 裏面シート 5 開口部 6 木枠 7 ハニカムコア 8 タッカー止めピン 9 合板 10 トンネル 11 液状樹脂 12 樹脂エッジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(6)のステップから成る
    ことを特徴とする樹脂エッジ付き家具パネルの製造方
    法。 (1)下記(a)〜(e)の材料を準備するステップ。 (a)前もって選ばれた平面形状を有する板状の芯材。 (b)上記芯材の平面形状に沿っていて、しかも、この
    平面形状より大きな内面穴を有し、かつ内面穴から外縁
    へ至る開口部を有する板状の補助芯材。 (c)表面シート。 (d)裏面シート。 (e)上記2つのシートと芯材および補助芯材との接着
    が可能な接着剤。 (2)芯材の側面と補助芯材の内面穴の側面との間に所
    定の間隔を保持させたまま、芯材と補助芯材とを表面シ
    ートと裏面シートの間に挾みこんで接着し、この接着体
    の内部に一連のトンネルを形成するステップ。 (3)開口部がトンネルの最高部に位置するようにして
    前記接着体を略垂直に保持するステップ。 (4)芯材と密着性を有する硬化性の液状樹脂を開口部
    から注入し、トンネル内部を充満させ、開口部の一定レ
    ベルまで到達させた後、硬化させるステップ。 (5)硬化したトンネルの樹脂部分を表面シート及び裏
    面シートを通してトンネルに沿って切断すると共に、装
    飾的な面形状を成すように切削し、樹脂エッジを形成す
    るステップ。 (6)形成した樹脂エッジを研摩し、仕上げるステッ
    プ。
  2. 【請求項2】 液状樹脂の浸透を防止するため、芯材の
    側面および/あるいは補助芯材の内面穴の側面を接着前
    にあらかじめシール処理する請求項1の樹脂エッジ付き
    家具パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 表面シ−トがメラミン樹脂化粧板である
    請求項1ないし請求項2の樹脂エッジ付き家具パネルの
    製造方法。
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