JPH06254359A - 浄水化処理用中空糸分離膜および浄水化処理方法 - Google Patents
浄水化処理用中空糸分離膜および浄水化処理方法Info
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- JPH06254359A JPH06254359A JP4764793A JP4764793A JPH06254359A JP H06254359 A JPH06254359 A JP H06254359A JP 4764793 A JP4764793 A JP 4764793A JP 4764793 A JP4764793 A JP 4764793A JP H06254359 A JPH06254359 A JP H06254359A
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- membrane
- hollow fiber
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 表流水からの原水を限外濾過する中空糸分離
膜であって、原水に含まれるアルカリ金属およびアルカ
リ土類金属のカチオンを99%以上透過させ、かつ重量平
均分子量が2万のフミン酸を80%以上阻止すると共に、
膜間差圧1kg/cm2 、温度25℃における純水の透過速度
が 150リットル/m2・hr以上であることを特徴とする浄
水化処理用中空糸分離膜および該膜による浄水化処理方
法。 【効果】 水道水を得るための浄水処理操作において、
飲料水として有用なミネラル成分が原水中から透過し、
一方有害なトリハロメタンの前駆体であるフミン酸の大
部分を阻止することができる。また、逆流洗浄を濾過期
間中、効果的に行うことができ、濾過速度を長時間にわ
たって大きく保つことができる。
膜であって、原水に含まれるアルカリ金属およびアルカ
リ土類金属のカチオンを99%以上透過させ、かつ重量平
均分子量が2万のフミン酸を80%以上阻止すると共に、
膜間差圧1kg/cm2 、温度25℃における純水の透過速度
が 150リットル/m2・hr以上であることを特徴とする浄
水化処理用中空糸分離膜および該膜による浄水化処理方
法。 【効果】 水道水を得るための浄水処理操作において、
飲料水として有用なミネラル成分が原水中から透過し、
一方有害なトリハロメタンの前駆体であるフミン酸の大
部分を阻止することができる。また、逆流洗浄を濾過期
間中、効果的に行うことができ、濾過速度を長時間にわ
たって大きく保つことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は河川水、湖沼水あるいは
池水等の表流水中の懸濁微粒子、有機懸濁物質および細
菌類などを除去し浄水を得るための中空糸分離膜、およ
びそれを用いた浄水化処理方法に関するものである。
池水等の表流水中の懸濁微粒子、有機懸濁物質および細
菌類などを除去し浄水を得るための中空糸分離膜、およ
びそれを用いた浄水化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、河川水や湖沼水等の表流水から浄
水を得るための浄水化処理方法としては、凝集、沈殿、
砂濾過、消毒という工程を順次行うことにより、原水を
浄化するのが一般的であり、そのための設備に大きな設
置スペースが必要であった。一方、近年、河川等の汚濁
が進み、原水の水質が悪化しており、より安全で美味し
い水を確保するため、従来の浄水化処理方法に生物処
理、オゾン処理、活性炭処理などのシステムを付加する
高度浄水化処理方法の導入が検討されている。しかしな
がら、従来の高度浄水化処理方法に、上述の処理システ
ムを新たに付加することは設備スペースの更なる増加を
招くのみならず、複雑な計測制御技術が必要となり処理
コストも増加するなどの問題点がある。
水を得るための浄水化処理方法としては、凝集、沈殿、
砂濾過、消毒という工程を順次行うことにより、原水を
浄化するのが一般的であり、そのための設備に大きな設
置スペースが必要であった。一方、近年、河川等の汚濁
が進み、原水の水質が悪化しており、より安全で美味し
い水を確保するため、従来の浄水化処理方法に生物処
理、オゾン処理、活性炭処理などのシステムを付加する
高度浄水化処理方法の導入が検討されている。しかしな
がら、従来の高度浄水化処理方法に、上述の処理システ
ムを新たに付加することは設備スペースの更なる増加を
招くのみならず、複雑な計測制御技術が必要となり処理
コストも増加するなどの問題点がある。
【0003】このような状況において、従来の浄水化設
備に比べ大幅にコンパクトで、効率的な浄水化処理方法
を目的とし、分離膜を用いて除濁処理を行うことによ
り、従来の凝集、沈殿、砂濾過を代替し得る処理方法が
開発され始めている。
備に比べ大幅にコンパクトで、効率的な浄水化処理方法
を目的とし、分離膜を用いて除濁処理を行うことによ
り、従来の凝集、沈殿、砂濾過を代替し得る処理方法が
開発され始めている。
【0004】膜分離技術を利用した浄水化処理は、その
装置のコンパクト性のみならず、凝集剤などの薬注が不
必要になり、薬品費用の削減ができ、また運転管理や維
持管理が容易となるなどの利点を有する。このような浄
水化処理用の分離膜としては、透過速度が大きく、かつ
この速度が経時的に変化しないことが要求されることは
勿論のこと、原水中の懸濁粒子、有機懸濁物質、細菌お
よびウイルスなどを効果的に除去することが求められ
る。
装置のコンパクト性のみならず、凝集剤などの薬注が不
必要になり、薬品費用の削減ができ、また運転管理や維
持管理が容易となるなどの利点を有する。このような浄
水化処理用の分離膜としては、透過速度が大きく、かつ
この速度が経時的に変化しないことが要求されることは
勿論のこと、原水中の懸濁粒子、有機懸濁物質、細菌お
よびウイルスなどを効果的に除去することが求められ
る。
【0005】最近、家庭用浄水器にも用いられるように
なった精密濾過膜は、懸濁粒子や細菌をほぼ完全に阻止
でき、また、透過速度が大きいという特徴をもつため、
上水道システムへもその適用が検討されている(金属臨
時増刊号、4月、47頁(1991))。しかし、精密濾過膜
では、膜孔径が比較的大きく(0.01〜1.0 μm)、有機ハ
ロゲン化合物の前駆体と言われているフミン質などの有
機物質を、原水中から除去することが難しいため、膜を
透過した大部分のフミン質と殺菌のために注入された塩
素とが反応して、発癌性物質として知られるトリハロメ
タン等を生成しやすいという問題点がある。
なった精密濾過膜は、懸濁粒子や細菌をほぼ完全に阻止
でき、また、透過速度が大きいという特徴をもつため、
上水道システムへもその適用が検討されている(金属臨
時増刊号、4月、47頁(1991))。しかし、精密濾過膜
では、膜孔径が比較的大きく(0.01〜1.0 μm)、有機ハ
ロゲン化合物の前駆体と言われているフミン質などの有
機物質を、原水中から除去することが難しいため、膜を
透過した大部分のフミン質と殺菌のために注入された塩
素とが反応して、発癌性物質として知られるトリハロメ
タン等を生成しやすいという問題点がある。
【0006】一方、膜処理法として逆浸透(RO)法あ
るいは低圧逆浸透(ルーズRO)法を利用して原水中の
溶存性物質を完全に除去し、よりクリーンな水を得よう
とする試みがなされた(水道協会雑誌、第58巻、第11
号、2頁(1989))。しかしながら、逆浸透法で溶存性
物質を除去しようとすると、カルシウム、マグネシウ
ム、カリウムおよびナトリウムなどのミネラル成分も一
緒に除去されてしまい、飲料水として適さなくなるとい
う問題点があった。また、一般に逆浸透法では、膜間差
圧を増大させて透過速度を大きくするが、このような圧
力の増加は浄水化処理の消費電力を増加させる結果、処
理コストが高くなるという問題点もある。
るいは低圧逆浸透(ルーズRO)法を利用して原水中の
溶存性物質を完全に除去し、よりクリーンな水を得よう
とする試みがなされた(水道協会雑誌、第58巻、第11
号、2頁(1989))。しかしながら、逆浸透法で溶存性
物質を除去しようとすると、カルシウム、マグネシウ
ム、カリウムおよびナトリウムなどのミネラル成分も一
緒に除去されてしまい、飲料水として適さなくなるとい
う問題点があった。また、一般に逆浸透法では、膜間差
圧を増大させて透過速度を大きくするが、このような圧
力の増加は浄水化処理の消費電力を増加させる結果、処
理コストが高くなるという問題点もある。
【0007】そこで、限外濾過法を浄水化処理に適用す
れば、原水中からの各種ミネラル成分を残存させなが
ら、懸濁物質や微生物を除くと共に、フミン質などの溶
存性有機物質をも効果的に除去できるものと期待され
る。
れば、原水中からの各種ミネラル成分を残存させなが
ら、懸濁物質や微生物を除くと共に、フミン質などの溶
存性有機物質をも効果的に除去できるものと期待され
る。
【0008】限外濾過法を用いてフミン質を除去する例
としては、平膜タイプによるTaylorらの報告(Journal
of AWWA ,79,(8), p.72 (1987)) があるが、その除去
率は僅かに40〜57%であった。また、ポリ塩化アルミニ
ウム凝集剤を併用して平膜で限外濾過処理すると、80〜
90%のフミン酸阻止率が得られることが報告されている
(Environmental Technology,11,1007(1990))が、こ
の場合の限外濾過のみのフミン酸阻止率は、20%以下で
あった。
としては、平膜タイプによるTaylorらの報告(Journal
of AWWA ,79,(8), p.72 (1987)) があるが、その除去
率は僅かに40〜57%であった。また、ポリ塩化アルミニ
ウム凝集剤を併用して平膜で限外濾過処理すると、80〜
90%のフミン酸阻止率が得られることが報告されている
(Environmental Technology,11,1007(1990))が、こ
の場合の限外濾過のみのフミン酸阻止率は、20%以下で
あった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成するため鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。
を達成するため鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。
【0010】即ち本発明は、表流水からの原水を限外濾
過する中空糸分離膜であって、原水に含まれるアルカリ
金属およびアルカリ土類金属のカチオンを99%以上透過
させ、かつ重量平均分子量が2万のフミン酸を80%以上
阻止すると共に、膜間差圧1kg/cm2 、温度25℃におけ
る純水の透過速度が 150リットル/m2・hr以上であるこ
とを特徴とする浄水化処理用中空糸分離膜及び該膜によ
る浄水化処理方法に関する。
過する中空糸分離膜であって、原水に含まれるアルカリ
金属およびアルカリ土類金属のカチオンを99%以上透過
させ、かつ重量平均分子量が2万のフミン酸を80%以上
阻止すると共に、膜間差圧1kg/cm2 、温度25℃におけ
る純水の透過速度が 150リットル/m2・hr以上であるこ
とを特徴とする浄水化処理用中空糸分離膜及び該膜によ
る浄水化処理方法に関する。
【0011】本発明の分離膜を用いて浄水処理を行う
と、原水に含まれる有用なミネラル成分(Ca++,Mg++,
Na+ , K+ など)は膜を透過し、一方、有害なトリハロ
メタンの前駆体であるフミン酸を80%以上除去できる。
更に、低分子量のフミン酸を除去できるため、フミン酸
よりも大きなサイズの高分子量有機物質、コロイドおよ
び懸濁微粒子をほぼ完全に阻止することができる。
と、原水に含まれる有用なミネラル成分(Ca++,Mg++,
Na+ , K+ など)は膜を透過し、一方、有害なトリハロ
メタンの前駆体であるフミン酸を80%以上除去できる。
更に、低分子量のフミン酸を除去できるため、フミン酸
よりも大きなサイズの高分子量有機物質、コロイドおよ
び懸濁微粒子をほぼ完全に阻止することができる。
【0012】また、本発明の膜は中空糸構造であるた
め、膜モジュールの体積当たりの膜面積が大きく従って
透過量も大きい。更に、逆洗が可能であるため、透過速
度の低下も抑えることができる。
め、膜モジュールの体積当たりの膜面積が大きく従って
透過量も大きい。更に、逆洗が可能であるため、透過速
度の低下も抑えることができる。
【0013】本発明でいう重量平均分子量が2万のフミ
ン酸とは、市販のフミン酸試薬を濃度10ppm 、pH8およ
び電導度 150μS に調整した溶液のゲルクロマトグラフ
ィーによるポリエチレングリコール換算重量平均分子量
が約20,000のフミン酸のことである。
ン酸とは、市販のフミン酸試薬を濃度10ppm 、pH8およ
び電導度 150μS に調整した溶液のゲルクロマトグラフ
ィーによるポリエチレングリコール換算重量平均分子量
が約20,000のフミン酸のことである。
【0014】本発明の中空糸膜は、上記のフミン酸を80
%以上阻止し、かつアルカリ金属およびアルカリ土類金
属のカチオンを99%以上透過できる限りにおいては膜の
分画分子量が限定されないが、分画分子量が 1,000〜10
0,000 の限外濾過膜であることが望ましい。
%以上阻止し、かつアルカリ金属およびアルカリ土類金
属のカチオンを99%以上透過できる限りにおいては膜の
分画分子量が限定されないが、分画分子量が 1,000〜10
0,000 の限外濾過膜であることが望ましい。
【0015】中空糸膜の内径、外径および長さなども特
に限定されるものではないが、原水が中空糸膜の内側を
流れる内圧型濾過では、原水中の懸濁物質が中空糸膜の
流路内部で目づまりしないことと、モジュール当たりの
膜面積を増大することを考慮して、内径は0.3〜1.5mmが
好ましい。また外径は膜の機械的強度を考慮して0.5〜
2.5mm が好ましい。このような内外径を有する中空糸膜
を用いて濾過速度を効果的に増加させるためには、中空
糸長は 0.7〜1.5 mであることが望ましい。
に限定されるものではないが、原水が中空糸膜の内側を
流れる内圧型濾過では、原水中の懸濁物質が中空糸膜の
流路内部で目づまりしないことと、モジュール当たりの
膜面積を増大することを考慮して、内径は0.3〜1.5mmが
好ましい。また外径は膜の機械的強度を考慮して0.5〜
2.5mm が好ましい。このような内外径を有する中空糸膜
を用いて濾過速度を効果的に増加させるためには、中空
糸長は 0.7〜1.5 mであることが望ましい。
【0016】一般に懸濁物を含む原水を分離膜で濾過す
ると、懸濁物により膜面がファウリングし、濾過速度が
経時的に減少する。本発明の中空糸膜は膜面に付着した
このようなファウリング物質をはく離させ濾過速度を向
上させるため、効果的な逆洗が可能な膜構造を有するこ
とが好ましい。すなわち、中空糸膜の内圧型濾過では膜
孔内部へのファウリングを抑えるため、膜断面の内側に
最も緻密な層を有する内スキン構造の中空糸膜が好まし
く、また、外圧型濾過では外スキン構造の中空糸膜であ
ることが好ましいが、外スキン構造の膜では、膜表面に
キズがつき欠陥を生じやすいため、内スキン構造の中空
糸膜がより好ましい。
ると、懸濁物により膜面がファウリングし、濾過速度が
経時的に減少する。本発明の中空糸膜は膜面に付着した
このようなファウリング物質をはく離させ濾過速度を向
上させるため、効果的な逆洗が可能な膜構造を有するこ
とが好ましい。すなわち、中空糸膜の内圧型濾過では膜
孔内部へのファウリングを抑えるため、膜断面の内側に
最も緻密な層を有する内スキン構造の中空糸膜が好まし
く、また、外圧型濾過では外スキン構造の中空糸膜であ
ることが好ましいが、外スキン構造の膜では、膜表面に
キズがつき欠陥を生じやすいため、内スキン構造の中空
糸膜がより好ましい。
【0017】本発明の中空糸膜の素材は限定されること
はないが、例えば、酢酸セルロース、芳香族ポリスルホ
ン、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニールアル
コール、脂肪族ポリアミドなどから形成される中空糸膜
を用いることができる。
はないが、例えば、酢酸セルロース、芳香族ポリスルホ
ン、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニールアル
コール、脂肪族ポリアミドなどから形成される中空糸膜
を用いることができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。
る。
【0019】実施例1 原水に含まれるミネラル成分のモデル溶液として、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムおよび塩化
マグネシウムを超純水に溶解し、それぞれの0.2 重量%
水溶液を得た。また、フミン酸水溶液は以下のようにし
て得た。市販のフミン酸試薬(和光純薬工業(株)製)
を 110℃で2時間乾燥後、1.00gを秤量し、 0.1規定の
水酸化ナトリウム水溶液 100mlに加えて、約1時間激し
く攪拌した後、イオン交換水を加えて1リットルとし、
この溶液を0.45μm の孔径を有する精密濾過膜で濾過し
て、溶液中の不溶解成分を除去した。さらにこの溶液を
激しく攪拌しながら、液中に塩化ナトリウム水溶液およ
び 0.001規定の硫酸水溶液を徐々に加えつつ、濃度10pp
m 、電導度 150μS およびpH8のフミン酸水溶液を得
た。本フミン酸水溶液をゲルクロマトグラフを用いて、
吸光度を測定し、単分散の標準ポリエチレングリコール
によりフミン酸の重量平均分子量を求めた。使用したフ
ミン酸のポリエチレングリコール換算重量平均分子量は
約20,000であり、数百から十万以下の幅広い分子量分布
を有する。
ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムおよび塩化
マグネシウムを超純水に溶解し、それぞれの0.2 重量%
水溶液を得た。また、フミン酸水溶液は以下のようにし
て得た。市販のフミン酸試薬(和光純薬工業(株)製)
を 110℃で2時間乾燥後、1.00gを秤量し、 0.1規定の
水酸化ナトリウム水溶液 100mlに加えて、約1時間激し
く攪拌した後、イオン交換水を加えて1リットルとし、
この溶液を0.45μm の孔径を有する精密濾過膜で濾過し
て、溶液中の不溶解成分を除去した。さらにこの溶液を
激しく攪拌しながら、液中に塩化ナトリウム水溶液およ
び 0.001規定の硫酸水溶液を徐々に加えつつ、濃度10pp
m 、電導度 150μS およびpH8のフミン酸水溶液を得
た。本フミン酸水溶液をゲルクロマトグラフを用いて、
吸光度を測定し、単分散の標準ポリエチレングリコール
によりフミン酸の重量平均分子量を求めた。使用したフ
ミン酸のポリエチレングリコール換算重量平均分子量は
約20,000であり、数百から十万以下の幅広い分子量分布
を有する。
【0020】上述した、ミネラル成分の溶液およびフミ
ン酸水溶液を種々の中空糸膜の内側に充満し、圧力1kg
/cm2 の下で溶液を速度1cm/s で中空糸膜の長さ方向
に流通させつつ膜透過実験を行った。使用した膜はダイ
セル化学工業(株)製ポリエーテルスルホン(PES)中空
糸膜; FUS−0151(分画分子量10,000、内径0.5mm)、FU
S−0382(分画分子量30,000、内径0.8mm)、 FUS−1041
(分画分子量100,000、内径0.4mm)、 FUS−1581(分画
分子量50,000、内径0.8mm)およびダイセル化学工業
(株)製ポリアクリロニトリル(PAN)中空糸膜; FUY−
03A1(分画分子量30,000、内径1.0mm)であり、いずれの
膜も内表面の孔径が最も緻密な非対称中空糸膜である。
原液および膜透過液中の溶質濃度は、ミネラル成分を電
気電導度により、またフミン酸を全有機炭素計により測
定した。種々の膜による各種溶質の透過率、膜間差圧が
1kg/cm2 における25℃純水の透過速度およびフミン酸
の阻止率を表1に示す。いずれの膜においても、ミネラ
ル成分は99%以上透過するがフミン酸は80%以上阻止さ
れる。
ン酸水溶液を種々の中空糸膜の内側に充満し、圧力1kg
/cm2 の下で溶液を速度1cm/s で中空糸膜の長さ方向
に流通させつつ膜透過実験を行った。使用した膜はダイ
セル化学工業(株)製ポリエーテルスルホン(PES)中空
糸膜; FUS−0151(分画分子量10,000、内径0.5mm)、FU
S−0382(分画分子量30,000、内径0.8mm)、 FUS−1041
(分画分子量100,000、内径0.4mm)、 FUS−1581(分画
分子量50,000、内径0.8mm)およびダイセル化学工業
(株)製ポリアクリロニトリル(PAN)中空糸膜; FUY−
03A1(分画分子量30,000、内径1.0mm)であり、いずれの
膜も内表面の孔径が最も緻密な非対称中空糸膜である。
原液および膜透過液中の溶質濃度は、ミネラル成分を電
気電導度により、またフミン酸を全有機炭素計により測
定した。種々の膜による各種溶質の透過率、膜間差圧が
1kg/cm2 における25℃純水の透過速度およびフミン酸
の阻止率を表1に示す。いずれの膜においても、ミネラ
ル成分は99%以上透過するがフミン酸は80%以上阻止さ
れる。
【0021】比較例1 実施例1と同様のミネラル溶液およびフミン酸水溶液を
ダイセル化学工業(株)製ポリエーテルスルホン中空糸
膜 FUS−5081(分画分子量500,000 、内径 0.8mm) 、三
菱レーヨン社製ポリエチレン中空糸膜ステラポア−S(登
録商標、孔径0.03μm 、相当分画分子量500,000 、内径
0.3mm)を用いて実施例と同様の膜透過実験を行った。 F
US−5081はスポンジ状の孔が均質に積層された構造であ
り、ステラポアーS はスリット状の孔が均質に積層され
た構造を有する。結果を表1に示す。これらの中空糸膜
によるフミン酸の阻止率は数%以下と小さい。
ダイセル化学工業(株)製ポリエーテルスルホン中空糸
膜 FUS−5081(分画分子量500,000 、内径 0.8mm) 、三
菱レーヨン社製ポリエチレン中空糸膜ステラポア−S(登
録商標、孔径0.03μm 、相当分画分子量500,000 、内径
0.3mm)を用いて実施例と同様の膜透過実験を行った。 F
US−5081はスポンジ状の孔が均質に積層された構造であ
り、ステラポアーS はスリット状の孔が均質に積層され
た構造を有する。結果を表1に示す。これらの中空糸膜
によるフミン酸の阻止率は数%以下と小さい。
【0022】比較例2 実施例1と同様のミネラル溶液およびフミン酸水溶液
を、ダイセル化学工業(株)製の酢酸セルロース逆浸透
膜 DRS−97、およびポリアミド逆浸透複合膜DRA−98を
用いて実施例1と同様の膜透過実験を行った。結果を表
1に示す。これらの膜によりミネラル成分は数%しか透
過せず、90%以上阻止される。
を、ダイセル化学工業(株)製の酢酸セルロース逆浸透
膜 DRS−97、およびポリアミド逆浸透複合膜DRA−98を
用いて実施例1と同様の膜透過実験を行った。結果を表
1に示す。これらの膜によりミネラル成分は数%しか透
過せず、90%以上阻止される。
【0023】
【表1】
【0024】*1 透過率=(透過液溶質濃度/原液溶
質濃度)×100 *2 PES :ポリエーテルスルホン PAN :ポリアクリロニトリル PE :ポリエチレン CA :酢酸セルロース PA :ポリアミド
質濃度)×100 *2 PES :ポリエーテルスルホン PAN :ポリアクリロニトリル PE :ポリエチレン CA :酢酸セルロース PA :ポリアミド
【0025】
【発明の効果】河川水や湖沼水などの表流水を浄化し、
水道水を得るための浄水処理操作において、本発明の中
空糸膜を使用すると、飲料水として有用なミネラル成分
が原水中から透過し、一方有害なトリハロメタンの前駆
体であるフミン酸の大部分を阻止することができる。ま
た、中空糸膜構造であるため、膜の外側から内側、もし
くは、内側から外側への逆流洗浄を濾過期間中、効果的
に行うことができ、濾過速度を長時間にわたって大きく
保つことができる。
水道水を得るための浄水処理操作において、本発明の中
空糸膜を使用すると、飲料水として有用なミネラル成分
が原水中から透過し、一方有害なトリハロメタンの前駆
体であるフミン酸の大部分を阻止することができる。ま
た、中空糸膜構造であるため、膜の外側から内側、もし
くは、内側から外側への逆流洗浄を濾過期間中、効果的
に行うことができ、濾過速度を長時間にわたって大きく
保つことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 表流水からの原水を限外濾過する中空糸
分離膜であって、原水に含まれるアルカリ金属およびア
ルカリ土類金属のカチオンを99%以上透過させ、かつ重
量平均分子量が2万のフミン酸を80%以上阻止すると共
に、膜間差圧1kg/cm2 、温度25℃における純水の透過
速度が 150リットル/m2・hr以上であることを特徴とす
る浄水化処理用中空糸分離膜。 - 【請求項2】 中空糸分離膜の断面構造において、緻密
な表面層を少なくとも中空糸内表面に有する非対称多孔
質であることを特徴とする請求項1記載の浄水化処理用
中空糸分離膜。 - 【請求項3】 中空糸分離膜の内径が、 0.3mm以上であ
ることを特徴とする請求項1または2記載の浄水化処理
用中空糸分離膜。 - 【請求項4】 原水に含まれるアルカリ金属およびアル
カリ土類金属のカチオンを99%以上透過させ、かつ重量
平均分子量が2万のフミン酸を80%以上阻止すると共
に、膜間差圧1kg/cm2 、温度25℃における純水の透過
速度が 150リットル/m2・hr以上である中空糸分離膜を
用いて、表流水からの原水を処理することを特徴とする
浄水化処理方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000041800A1 (fr) * | 1999-01-14 | 2000-07-20 | Toray Industries, Inc. | Membrane semi-permeable composite, procede de fabrication et procede de purification d'eau a l'aide de cette membrane |
-
1993
- 1993-03-09 JP JP04764793A patent/JP3228588B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000041800A1 (fr) * | 1999-01-14 | 2000-07-20 | Toray Industries, Inc. | Membrane semi-permeable composite, procede de fabrication et procede de purification d'eau a l'aide de cette membrane |
EP1064986A4 (en) * | 1999-01-14 | 2001-05-16 | Toray Industries | COMPOSITE SEMI-PERMEABLE MEMBRANE, MANUFACTURING METHOD, AND WATER PURIFICATION METHOD USING THE SAME |
US6406626B1 (en) | 1999-01-14 | 2002-06-18 | Toray Industries, Inc. | Composite semipermeable membrane, processfor producing the same, and method of purifying water with the same |
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