JPH06254031A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食器洗浄機を用いた食器の洗浄において、す
すぎ水と洗浄残滓との接触によるすすぎ水の汚染を防止
する。 【構成】 本体１５の底部には槽状をなす容器２０が設
置され、容器２０の上部には、籠状をなし、液体は通過
可能であるが固形物は通過不可能な濾器２１が取り外し
自在に載置されている。また、濾器２１の上方には、洗
浄槽１に形成された凹部１ａ内の底面から延びる排水路
３の下端が開口し、かつ容器２０の底面には排水路２２
が形成されている。一方、排水弁４および給湯弁９の開
閉時期と、ポンプ７および洗剤供給ポンプ１３の作動時
期および作動持続時間とは、すすぎ行程の開始以前にす
すぎ水が交換され、すすぎ工程が常に新しいすすぎ水で
行われるよう、制御手段により制御されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として工業用または
家庭用に使用される食器洗浄機に係り、特に、確実なす
すぎを可能とするための食器洗浄機の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】食器洗浄機は、洗浄機内に設置された汚
れた食器に、ポンプにより加圧された洗浄液およびすす
ぎ水を上下方向より順次噴射して前記食器を洗浄するも
のである。

【０００３】この食器洗浄機としては、従来より例えば
図３に示すような構造のものがある。図３において、符
号１は洗浄液またはすすぎ水を貯留する洗浄槽で、その
底部には上向きの凹部１ａが形成されている。そして、
この凹部１ａ内には、凹部１ａに対応する形状の籠状を
なす濾器２が上方から取り外し自在に載置されている。
また、凹部１ａの底面には洗浄槽１内の洗浄液またはす
すぎ水を排出するための排水路３が形成され、この排水
路３は、排水弁４により開閉自在とされている。

【０００４】符号５は洗浄液またはすすぎ水を上下から
食器に噴射するノズルで、ノズル５は管路６により凹部
１ａの側面と連結されている。また、符号７は管路６に
接続され、洗浄槽１内の洗浄液またはすすぎ水をノズル
５へと供給するポンプである。一方、符号８は洗浄槽１
内への給湯を行う給湯路で、この給湯路８は、給湯弁９
により開閉自在とされている。ここで、前記排水弁４お
よび給湯弁９としては、例えば電磁弁等が用いられる。

【０００５】洗浄槽１の上方には食器収容用のラック１
０が回転軸１１により着脱自在に支持され、回転軸１１
は更にモーター１２により軸線回りに回転自在とされて
いる。また、符号１３は洗浄槽１内に洗剤を供給するた
めの洗剤供給ポンプ、符号１４は給湯弁９と連動し、洗
浄槽１内における水位の過度の上昇を防止する水位電極
である。そして、上記の各装置は、箱状をなす本体１５
内に収納され、かつ本体１５の一部には、食器の出し入
れを行うための扉１５ａが形成されている。また、符号
１６は扉１５ａ開閉用の扉開閉スイッチである。

【０００６】上記従来の食器洗浄機においては、まず、
排水弁４と給湯弁９とをいずれも閉じた状態で扉１５ａ
を開け、食器が収容されたラック１０を回転軸１１上に
載置した後、扉１５ａを閉め、図示しない洗浄開始スイ
ッチを作動させる。すると、給湯弁９が開き、給湯路８
から温水が洗浄槽１内に流入するとともに、洗剤供給ポ
ンプ１３が作動し、洗浄槽１内の温水に所定量の洗剤が
供給される。その結果、洗浄槽１内にて温水と洗剤とが
混合され、洗浄液が形成される。

【０００７】温水の水位が水位電極１４の設置位置と等
しくなると、給湯弁９が閉じるとともにポンプ７が作動
し、洗浄槽１内の洗浄液が管路６を介してノズル５から
食器に向けて噴射され、かつモーター１２が作動してラ
ック１０が回転軸１１回りに回転し、食器の洗浄が行わ
れる。これが主洗浄行程である。

【０００８】主洗浄行程開始後一定時間が経過すると、
ポンプ７が停止するとともに排水弁４が開き、洗浄液が
洗浄槽１から凹部１ａおよび排水路３を経て本体１５外
に排出される。この場合、食器に付着していた食物のか
す等は、凹部１ａ内に載置された濾器２により濾しとら
れ、残滓として濾器２内に蓄積される。そして、洗浄液
の排出が完了すると排水弁４が閉じるとともに再度給湯
弁９が開き、給湯路８から温水が洗浄槽１内に流入す
る。

【０００９】温水の水位が水位電極１４の設置位置と等
しくなると、給湯弁９が閉じるとともに再度ポンプ７が
作動して洗浄槽１内の温水が管路６を介してノズル５か
ら食器に向けて噴射され、食器のすすぎが行われる。こ
れがすすぎ行程である。そして、前記主洗浄行程とすす
ぎ行程とを、タイマー制御等の方法を用いて連続的に行
うことにより食器が自動的に洗浄される。なお、前記主
洗浄行程およびすすぎ行程において、ノズル５から食器
に向けてそれぞれ噴射された洗浄液および温水はいずれ
も洗浄槽１内に落下し、それぞれの行程の間循環再使用
される。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の食器洗浄機
の場合、主洗浄行程において洗浄液に混入した食物のか
す等は主洗浄行程終了時に残滓として濾器２内に蓄積さ
れる。ところが、ポンプ７と接続された管路６の一端が
濾器２の載置された凹部１ａの側面に開口されているた
め、すすぎ行程においてすすぎ用の温水を循環させる場
合、この温水が濾器２に蓄積された残滓の層を通過して
循環することとなり、その結果、前記温水がこの残滓に
より汚れ、十分なすすぎが行われにくいという問題があ
った。

【００１１】しかも、大量の食器を連続的に洗浄する場
合には、前記温水の汚れを防止するため、濾器２内の残
滓を頻繁に除去する必要が生じ、かつこの場合にはその
都度扉１５ａを開けてラック１０を外した後、濾器２を
取り出して濾器２内の残滓を除去する必要があった。こ
の作業は煩雑であるばかりではなく、作業効率低下の原
因となっていた。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記事情に鑑
みてなされたもので、被洗浄物の下方に形成された洗浄
槽と、前記洗浄槽からの排水を行う排水手段と、前記洗
浄槽への給水を行う給水手段とを有し、洗浄槽内に貯留
された洗浄液を前記被洗浄物に向け噴射する主洗浄行程
と、前記排水手段を作動させて前記洗浄液を排水する排
水行程と、前記給水手段を作動させて前記洗浄槽に給水
する給水行程と、給水された水を循環させながら前記被
洗浄物に向け噴射するすすぎ行程とを順次行う食器洗浄
機において、前記洗浄液中の残滓を漉し取る濾器を、前
記排出手段から流出する洗浄液の流路中に設けたもので
ある。

【００１３】

【作用】本発明の食器洗浄機においては、前記洗浄液中
の残滓を漉し取る濾器を前記洗浄手段から流出する洗浄
液の流路中に設けることにより、前記洗浄槽内を循環す
るすすぎ水と前記濾器に蓄積された残滓との接触が防止
される。

【００１４】

【実施例】以下、図面に基づき、本発明の実施例につい
て更に詳しく説明する。なお、図面中、上記図３に示す
従来例と同様の構成を有する部分については、図３と同
一の符号を付してその説明を省略する。

【００１５】本発明に係る食器洗浄機の構造の例を図１
に示す。図の食器洗浄機において、本体１５の底部には
槽状をなす容器２０が設置され、容器２０の上部には濾
器２１が載置されている。この濾器２１は例えばステン
レス等からなる取り外し自在な籠状のもので、液体は通
過可能であるが固形物は通過不可能な構造となってい
る。そして、濾器２１の上方には、洗浄槽１に形成され
た凹部１ａ内の底面から延びる排水路３の下端が開口
し、かつ容器２０の底面には排水路２２が形成されてい
る。

【００１６】一方、排水弁４および給湯弁９の開閉時期
と、ポンプ７および洗剤供給ポンプ１３の作動時期およ
び作動持続時間とは、いずれもタイマー等を用いた図示
しない制御手段により制御されている。

【００１７】次に、上記構成を有する食器洗浄機による
食器（被洗浄物）の洗浄について、図２に示すタイムチ
ャートとともに以下に説明する。

【００１８】洗浄開始前の初期状態では、排水弁４、給
湯弁９、および扉１５ａはいずれも閉状態とされ、ま
た、洗浄槽１は空となっている。この状態で、扉１５ａ
を開けて食器が搭載されたラック１０を回転軸１１上に
載置した後、扉１５ａを閉め、図示しない洗浄開始スイ
ッチを作動させると、給湯弁９が開き、給湯路８から温
水が洗浄槽１内に流入されるとともに洗剤供給ポンプ１
３が作動し、洗浄槽１内の温水に所定量の洗剤が供給さ
れる。その結果、洗浄槽１内には洗浄液が形成される。

【００１９】温水の水位が水位電極１４の設置位置と等
しくなると、給湯弁９が閉じるとともにポンプ７が作動
して洗浄槽１内の洗浄液が管路６を介してノズル５から
食器に向けて噴射され、かつモーター１２が作動してラ
ック１０が回転軸１１回りに回転し、主洗浄行程が開始
される。

【００２０】主洗浄行程開始後一定時間が経過すると、
ポンプ７が停止するとともに排水弁４が開き、洗浄液が
洗浄槽１から凹部１ａおよび排水路３を経て濾器２１上
に排出される。その結果、食器に付着していた食物のか
す等は、濾器２１にて濾しとられ、残滓として濾器２１
内に蓄積される。一方、洗浄液は、濾器２１を通過した
後容器２０上に落下し、順次排水路２２から本体１５外
に排出される。洗浄槽１からの洗浄液の排出が完了する
と、排水弁４が閉じるとともに再度給湯弁９が開き、給
湯路８から温水が洗浄槽１内に流入する。

【００２１】そして、温水の水位が水位電極１４の設置
位置と等しくなると、給湯弁９が閉じるとともに再度ポ
ンプ７が作動し、洗浄槽１内の温水が管路６を介してノ
ズル５から食器に向けて噴射され、食器に付着した洗浄
液が洗い落とされる。これが荒すすぎである。

【００２２】荒すすぎの開始後一定時間が経過すると、
ポンプ７が停止するとともに再度排水弁４が開き、荒す
すぎ行程にて使用された温水が洗浄槽１から凹部１ａ、
排水路３、濾器２１、および容器２０を経て順次排水路
２２から本体１５外に排出される。洗浄槽１からの前記
温水の排出が完了すると、排水弁４が閉じるとともに再
度給湯弁９が開き、給湯路８から新たな温水が洗浄槽１
内に流入する。

【００２３】更に、温水の水位が水位電極１４の設置位
置と等しくなると、給湯弁９が閉じるとともに再度ポン
プ７が作動して洗浄槽１内に貯留された新たな温水が管
路６を介してノズル５から食器に向けて噴射され、食器
のすすぎが行われる。これが仕上げすすぎである。

【００２４】そして、上記主洗浄行程から荒すすぎを経
て仕上げすすぎに至る各行程を、前記制御手段による制
御のもとで連続的に行うことにより食器が自動的に洗浄
される。なお、上記の各行程において、ノズル５から食
器に向けてそれぞれ噴射された洗浄液および温水はいず
れも洗浄槽１内に落下し、それぞれの行程の間循環再使
用される。

【００２５】上記実施例に示す食器洗浄機においては、
洗浄液中の残滓を漉し取る濾器２１が排水路３の下方に
設けられているので、荒すすぎおよび仕上げすすぎ中、
洗浄槽１内の温水と濾器２１に蓄積された残滓とが接触
することはない。従って、これらすすぎ行程中における
前記残滓との接触に伴う温水の汚染が防止され、確実な
すすぎが可能となる。

【００２６】しかも、すすぎ行程が荒すすぎと仕上げす
すぎの２回に分けて行われ、かつ荒すすぎと仕上げすす
ぎとの間で温水が交換されるため、これらすすぎ行程が
常に新しいすすぎ水で開始される。その結果、すすぎを
更に確実に行うことができる。また、上記の理由によ
り、仕上げすすぎ終了後の温水が比較的清浄な状態に保
たれるため、仕上げすすぎ終了後も引続き食器の洗浄を
行う場合には、洗浄槽１内に貯留された前記温水を排出
せず、そのまま洗剤供給ポンプ１３を作動させて洗剤を
添加し、前記温水を以後の洗浄における洗浄液として使
用することにより、洗浄液に要する温水を節約すること
もできる。

【００２７】更に、濾器２１が洗浄槽１と隔離した位置
に設けられているので、扉１５ａを開け、かつラック１
０を取り外す等の操作をせずとも濾器２１を本体１５外
に取り出すことが可能である。従って、濾器２１内に蓄
積した残滓の回収、除去が容易となり、作業効率が向上
する。

【００２８】なお、上記実施例の場合、すすぎ行程を荒
すすぎと仕上げすすぎの２回に分けて行ったが、すすぎ
行程におけるすすぎは１回のみでもよく、また、更に確
実なすすぎが要求される場合にはすすぎ行程におけるす
すぎを３回以上繰り返し行ってもよい。

【００２９】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明の食器洗浄機
においては、前記洗浄液中の残滓を漉し取る濾器を前記
洗浄手段から流出する洗浄液の流路中に設けたことによ
り、前記洗浄槽内のすすぎ水と前記濾器に蓄積された残
滓との接触およびそれに伴うすすぎ水の汚染が防止され
る。その結果、確実なすすぎを行うことが可能となり、
洗浄終了後の食器を、常に清潔な状態で回収することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の食器洗浄機の構造の例を示す図であ
る。

【図２】本発明の食器洗浄機における洗浄行程の例を示
すタイムチャートである。

【図３】従来の食器洗浄機の構造の例を示す図である。

【符号の説明】

１ 洗浄槽 １ａ 凹部 ２，２１ 濾器 ３，２２ 排水路 ４ 排水弁 ５ ノズル ６ 管路 ７ ポンプ ８ 給湯路 ９ 給湯弁 １０ ラック １１ 回転軸 １２ モーター １３ 洗剤供給ポンプ １４ 水位電極 １５ 本体 １５ａ 扉 １６ 扉開閉スイッチ ２０ 容器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被洗浄物の下方に形成された洗浄槽と、
   前記洗浄槽からの排水を行う排水手段と、前記洗浄槽へ
   の給水を行う給水手段とを有し、 洗浄槽内に貯留された洗浄液を前記被洗浄物に向け噴射
   する主洗浄行程と、前記排水手段を作動させて前記洗浄
   液を排水する排水行程と、前記給水手段を作動させて前
   記洗浄槽に給水する給水行程と、給水された水を循環さ
   せながら前記被洗浄物に向け噴射するすすぎ行程とを順
   次行う食器洗浄機において、 前記洗浄液中の残滓を漉し取る濾器を前記排出手段から
   流出する洗浄液の流路中に設けたことを特徴とする食器
   洗浄機。