JPH0625301Y2 - 回転刃に於ける刃物の飛び出し防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、鉤盤等の回転刃に於ける刃物の飛び出し防
止装置に関するものである。

〔従来の技術およびその課題〕 従来の回転刃に於ける刃物の取付け方法は、第５図に示
すように回転軸１の外周面軸線方向の各凹溝２に板状の
刃物３を嵌入し、そして上記凹溝２内に落し込んである
締付金具４の各ボルト５を回動させながら押え板６によ
り凹溝２の並行面片方（回転軸１の回転方向に対し反対
側）に刃物３を押し付けて支持する。

上記ボルト５の回動による押え板６のスライドは、押え
板６のネジ孔７にねじ込んであるボルト５の頭部を凹溝
２の並行面もう片方に接触させて行なう。

上記のような取付け方法によると、刃物の板厚が均一
（厚みが平行している）なため、回転軸の単位時間あた
りの回転数を上げると遠心力により刃物に飛び出し方向
の力が作用するので、あまり回転数を上げることができ
ない。

このため、切削肌が悪くなる問題があった。

又切込み量を多く（重切削）すると、押え板が緩み、遠
心力により刃物が飛び出して事故の発生原因となる問題
もあった。

そこで、この考案は刃物が飛び出さないようにした回転
刃を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案は回転軸の外周
面軸線方向に設けられている所要数の凹溝に刃先が上記
回転軸の外周面に対し突出するよう板状の刃物を嵌入
し、そして上記凹溝内に落し込んであり、かつ凹溝の並
行する片面に頭部を接触させてある複数のボルトの回動
操作により上記ボルトがねじ込まれている押え板によっ
て凹溝のもう片面に上記刃物を押し付ける回転刃に於い
て、上記刃物の板厚を刃先に向う程薄くして構成したも
のである。

〔作用〕

回転刃の高速回転にともない遠心力により刃物に飛び出
し方向の力が作用しても、上記刃物の板面の勾配によっ
て飛び出しを防止する。

〔実施例〕

図において、１１は回転軸で、この回転軸１１の外周面
には、所定の間隔を在して上記回転軸１１の軸線方向に
沿う凹溝１２が複数設けられている。

１３は上記凹溝１２に嵌入した横長な板状の刃物であ
る。

上記の刃物１３は、刃先に向かう程板厚が薄くなってい
る。

又上記の刃物１３は、凹溝１２内に落し込んである押え
板１４により上記の凹溝１２の並行する片面に押し付け
られている。

上記押え板１４の押し付けは、押え板１４の複数のネジ
孔１５にねじ込んであるボルト１６を回動させて、上記
ボルト１６の頭部を凹溝１２の並行するもう片面に当接
させることにより行なわれる。

上記構成された回転刃Ａは、例えば第１図に示すように
鉤盤に用いて一方向に高速回転させ、テーブル１７上の
木材ａを機械送り或は手送りして各刃物１３により削
る。

なお、上記刃物１３の刃先は、回転軸１１の外周面に対
し突出させてある。

図中１８は凹溝１２の底に刃物１３の末端側が嵌入する
よう設けた凹入部、１９は刃物１３に突出方向の押圧力
を付与えるバネである。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る回転刃に於ける刃物の飛
び出し防止装置によれば、刃物の板厚を刃先に向かう程
薄くしてあるので、回転刃の高速回転にともなう遠心力
により刃物に飛び出し方向の力が作用しても、刃物の板
面の勾配により凹溝の刃物板面の接触面と押え板との間
に喰い込んで締り勝手となる。

このため、刃物の飛び出しを防止して事故をなくするこ
とができると共に、回転数をアップさせて切削肌をよく
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る回転刃の側面図、第２図は同上
の要部を示す縦断拡大側面図、第３図は同平面図、第４
図は刃物の斜視図、第５図は従来例の縦断側面図であ
る。 Ａ……回転刃、１１……回転軸、 １２……凹溝、１３……刃物、 １４……押え板、１５……ネジ孔、 １６……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸の外周面軸線方向に設けられている
   所要数の凹溝に刃先が上記回転軸の外周面に対し突出す
   るよう板状の刃物を嵌入し、そして上記凹溝内に落し込
   んであり、かつ凹溝の並行する片面に頭部を接触させて
   ある複数のボルトの回動操作により上記ボルトがねじ込
   まれている押え板によって凹溝のもう片面に上記刃物を
   押し付ける回転刃に於いて、上記刃物の板厚を刃先に向
   う程薄くしたことを特徴とする回転刃に於ける刃物の飛
   び出し防止装置。