JPH0625202Y2 - 髪止め具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は髪止め具に関する。

＜従来の技術＞ 髪止め具として、例えば、実開昭47-3995号公報に記載
のものが公知である。

この従来の髪止め具は、飾り体の裏面側に押え板の一端
部が枢支され、該押え板の他端部が飾り体の裏面部に設
けられた係止部に係脱自在とされ、この押え板に、飾り
体の裏面側に向かって湾曲成形された弾性挟持板の一端
がリベット等で固定され、同他端部が押え板に設けられ
た支承部に摺動自在に当接されてなるものであった。

＜考案が解決しようとする課題＞ 前記従来のものは、弾性挟持板の一端部をリベット等を
介して押え板に固定していたので、製造工程が増加し、
コスト高になるものであった。

また、前記固定部が繰り返し使用により破損しやすく、
破損すると使用できなくなるものであった。

そこで、本考案は、製造工程を減縮し、且つ、耐用期間
を延長した髪止め具を提供することを目的とする。

＜課題を解決するための手段＞ 前記目的を達成するため、本考案は次の手段を講じた。
即ち、本考案の特徴とするところは、飾り体の裏面側に
押え板の一端部が枢支され、該押え板の他端部が飾り体
の裏面部に設けられた係止部に係脱自在に係止され、該
押え板に、前記飾り体の裏面側に向かって湾曲成形され
た弾性挟持板の一端が固定され、同他端部が前記押え板
に設けられた支承部に摺動自在に当接されてなる髪止め
具において、 前記押え板の長手方向両端部には、長手方向に長い長孔
を有し、該一方の長孔の内側端部近傍位置において該押
え板は、への字状に折曲成形されており、 前記弾性挟持板の一端部は、前記押え板のへの字状折曲
部に係合すべく、への字状に屈曲成形されており、該弾
性挟持板のへの字状屈曲成形部の先端部には、前記一方
の長孔周縁部の押え板の面上に当接する当接部と、該長
孔の幅方向両周縁に係脱自在に係合すべく、該当接部の
幅方向両側に設けられた切欠凹部とを有し、 前記弾性挟持板の他端部には、前記他方の長孔に挿脱自
在に挿入される中係合舌片と、該舌片の両側にあって、
該長孔周縁部の押え板の面上に摺接する外係合舌片とを
有している点にある。

＜作用＞ 本考案によれば、弾性挟持板は押え板に着脱自在に取り
付けられる。この取り付けに際し、まず、弾性挟持板の
切欠凹部を押え板の一方の長孔の周縁に係合させ、弾性
挟持板のへの字状屈曲部と押え板のへの字状屈曲部とを
係合させる。

次に、弾性挟持板の中係合舌片を押え板の他方の長孔に
挿入し、且つ、外係合舌片を該長孔周縁部の押え板の面
上に摺接させる。

然して、弾性挟持板は押え板に取り付けられる。

前記髪止め具を頭に装着する場合飾り体に対して押え板
及び弾性挟持板を開いた状態にして、飾り体の裏面側に
髪を挿入して、押え板を回動し、押え板の遊端部を係止
部に係合する。すると、弾性挟持板の中央側は髪を挟ん
だ状態で飾り体に圧接し、飾り体が髪にぴったり接触し
た状態で髪止め具が体裁良く頭に装着される。

前記押え板の遊端部を係止部に係合するとき、髪により
押圧される弾性挟持板はその湾曲が直線状になるように
変形しようとするが、弾性挟持板の一端部は、への字状
の屈曲部により押え板と係合しているので、押え板と弾
性挟持板との長手方向の相対移動が防止される。一方、
弾性挟持板の他方の端部は、その中係合舌片が、押え板
の長孔に長手方向摺動自在に挿入され、外係合舌片が、
長孔周縁部の押え板の面上に摺接しているので、前記直
線変形のときの端部の移動を容易とし、押え板の遊端部
と係止部との係合が容易になる。

＜実施例＞ 以下、本考案を図示の実施例に従って説明すると、第１
図乃至第３図において、1は飾り体で、合成樹脂等から
なる飾り部材2と、飾り部材2の裏面に埋込片3を介して
添設された金属製の固定板4とを備える。固定板4の一端
部には幅方向一対の取付片5が突設され、他端部には係
止部6が設けられている。

係止部6は左右一対の操作片7と左右一対の係止片8とか
ら成り、一対の操作片7を挟持することにより、操作片7
の弾性変形により一対の係止片8が幅方向内方に移動す
るようになっている。

11は弾性を有する金属板製の押え板で、第７図にも示す
如く複数の長孔10を有し、押え板11の一端部には幅方向
外方に突出した左右一対の枢支片12と左右一対のストッ
パー13とが設けられている。

枢支片12は飾り体１の各取付片5の取付孔14に横軸廻り
回動自在に挿通保持され、これにより押え板11の基端部
が枢支片12を支点に回動自在になるように枢支されてい
る。ストッパー13は取付片5の段部15に接当することに
より、これ以上の押え板11の飾り体1側への回動を規制
している。押え板11の遊端部には、中係合片16と一対の
外係合片17とが形成されている。そして、一対の外係合
片17間に長孔10aが形成されている。

この長孔10aの内側端部近傍は、への字状に折曲成形さ
れた折曲部10bとされている。而して、押え板11の遊端
部を飾り体1の係止部6側に押え付けることにより、スト
ッパー13が段部15に接当した状態から押え板11が係止部
6に向かうように弾性変形すると共に、各外係合片17が
夫々係止片8に係脱自在に係合すようになっている。ま
た、このように係合した状態で、一対の操作片7を挟持
して係止片8を幅方向内方に移動させることにより、外
係合片17が係止片8から外れ、押え板11がその弾性力に
よって矢印Ｂ方向に回動するようになっている。

21は押え板11とは別体に構成した弾性挟持板で、押え板
11よりも弾性に富む金属板により構成され、飾り体1と
押え板11との間に設けられている。この弾性挟持板21は
その長手方向中央側が飾り体1に向けて弓形になるよう
に弯曲されている。弾性挟持板21の一端部には、第５図
及び第８図にも示すように鉤形に屈曲した幅方向一対の
係合部22が設けられ、この係合部22の内側に切欠凹部22
aが形成されている。

この各係合部22を外係合片17に係脱自在に引掛け、切欠
凹部22aを前記長孔10aに係合させることにより、弾性挟
持板21の一端部を押え板11の一端部に係脱自在に係合で
きるようになっている。このとき、押え板11の折曲部10
bに係合するよう、弾性挟持板21の端部もへの字状に折
曲げられた折曲部22bに形成されている。

弾性挟持板21の他端部には、第６図に示すように一対の
外係合舌片23と中係合舌片24とが設けられ、中係合舌片
24を押え板11の長孔10に挿通することにより、弾性挟持
板21の他端部を押え板11の基端部に長手方向摺動自在で
かつ係脱自在に係合している。而して弾性挟持板21はそ
の長手方向中央側が飾り体1に向けて弓形に弯曲するよ
うに押え板11に着脱自在に取付けられ、押え板11の遊端
部を飾り体1の係止部6に係合することにより、弾性挟持
板21の中央側が飾り体1に圧接し、弾性挟持板21は飾り
体1との間で髪を着脱自在に挟持できるようになってい
る。

第９図及び第10図は他の実施例を示し、飾り体1の飾り
部材2を、中央に開口26を有する環状形に形成すると共
に、固定板4を飾り部材2に対して長手方向に一対添設
し、一方の固定板4に係止部6を設けると共に、他方の固
定板4に取付片5を設けるようにしたものである。その他
の点は前記実施例と同様の構成である。

第11図は他の実施例を示し、弾性挟持板21を略全長に亘
って波形状に形成し、飾り体1との間で髪を挟持した際
に滑止めできるようにしたものである。

第12図及び第13図は他の実施例を示し、弾性挟持板21の
一端部に挿入舌片29を設け、この挿入舌片29を押え板11
の長孔10に挿通することにより、弾性挟持板21の一端部
を押え板11の基端部に長手方向摺動自在に係合してい
る。また弾性挟持板21の他端部にコ字形の係合部30と幅
方向外方に突出した一対の突片31を設け、係合部30を押
え板11の長孔10に挿通することにより、弾性挟持板21の
他端部を押え板11の遊端部に係脱自在に係合するように
したものである。

第14図は他の実施例を示し、前記第９図及び第10図の場
合と同様に飾り体1の飾り部材2を、中央に開口26を有す
る環状形に形成すると共に、固定体4を飾り部材2に対し
て一対添設するようにしたものである。その他の点は第
12図及び第13図の場合と同様の構成である。

なお、前記実施例では弾性挟持板21を押え板11及び固定
板4より小幅の板状に形成しているが、弾性挟持板21の
形状はこのようなものに限定されず、例えば第15図又は
第16図に示すように弾性挟持板21を二叉状に形成するよ
うにしてもよい。

第17図乃至第19図はさらに他の実施例を示し、飾り体1
の飾り部材2を、中央に開口26を有する環状形に形成す
ると共に、固定板4に前記開口26に対応する開口33を設
けている。また、第20図及び第21図にも示すように弾性
挟持板21の一端部に開口孔34を設け、各外係合片17の係
止片8への係合を妨げることなく、一対の係合部22を互
いに連続した状態にし、この各係合部22を外係合片17に
係脱自在に引掛けている。弾性挟持板21の他端部に、一
対の外係合舌片23と中係合舌片24とを設け、中係合舌片
24を押え板11側にくの字状に屈曲し、これを押え板11の
長孔10に挿通することにより、弾性挟持板21の他端部を
押え板11の基端部に長手方向摺動自在でかつ係脱自在に
係合している。これにより、弾性挟持板21はその長手方
向中央側が飾り体1に向けて弓形になるように弯曲され
た状態で押え板11に取付けられている。さらに、前記実
施例における埋込片3に代えて、固定板4の両端部に取付
孔38を設けると共に、該各取付孔38に対応して飾り部材
2に嵌合突起39を設け、取付孔38に嵌合突起39を内嵌し
て、その突出端部を加熱又は加圧することにより、固定
板4を飾り部材2に添設固定している。

第22図乃至第24図は他の実施例を示し、弾性挟持板21の
他端部に、一対の外係合舌片23と中係合舌片24とを設
け、一対の外係合舌片23を押え板11側にくの字状に屈曲
し、押え板11に一対の外係合舌片23に対応して設けた一
対の長孔40に前記各外係合舌片23を夫々挿通することに
より、弾性挟持板21の他端部を押え板11の基端部に長手
方向摺動自在でかつ係脱自在に係合している。その他の
点は第17図乃至第21図の実施例と同様の構成である。

なお、第10図、第12図及び第13図、第14図、第15図、第
16図、第17図乃至第21図、第22図乃至第24図の場合も、
弾性挟持板21を第11図に示すように波形に形成するよう
にしてもよいことは勿論である。また、前記実施例では
弾性挟持板21の一端部を押え板11に対して長手方向摺動
自在に係合しているが、これに代え弾性挟持板21の両端
部を押え板11に対して長手方向摺動自在に係合するよう
にしてもよい。

＜考案の効果＞ 本考案によれば、押え板と弾性挟持板とを、その長手方
向一端部で、への字状折曲部により相対移動自在に係合
し、他端部は、摺動自在に係合させているので、一端を
リベット固定にしたものに比べ、組立工程が短縮され、
コスト低減が図れると共に、弾性挟持板の繰返し変形に
対しても折曲部が破損することはなく、耐用期間が延長
される。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第８図は本考案の一実施例を示し、第１図は
側面図、第２図は底面図、第３図は側断面図、第４図は
第２図のＡ−Ａ線断面図、第５図は押え板及び弾性挟持
板の一端部部分の斜視図、第６図は同他端部部分の斜視
図、第７図は押え板の底面図、第８図は弾性挟持板の底
面図である。第９図は他の実施例を示す側断面図、第10
図は同底面図、第11図は他の実施例を示す側面図、第12
図は他の実施例を示す側面図、第13図は同押え板及び弾
性挟持板の底面図、第14図は他の実施例を示す側断面
図、第15図及び第16図は夫々他の実施例を示す弾性挟持
板の底面図、第17図は他の実施例を示す側面図、第18図
は同底面図、第19図は同側断面図、第20図は同弾性挟持
板の底面図、第21図は同弾性挟持板の側面図、第22図は
他の実施例を示す底面図、第23図は同弾性挟持板の底面
図、第24図は同弾性挟持板の側面図である。 1…飾り体、6…係止部、10,10a…長孔、11…押え板、21
…弾性挟持板、22a…切欠凹部、22b…折曲部、23…外係
合片、24…中係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】飾り体の裏面側に押え板の一端部が枢支さ
   れ、該押え板の他端部が飾り体の裏面部に設けられた係
   止部に係脱自在に係止され、該押え板に、前記飾り体の
   裏面側に向かって湾曲成形された弾性挟持板の一端が固
   定され、同他端部が前記押え板に設けられた支承部に摺
   動自在に当接されてなる髪止め具において、 前記押え板の長手方向両端部には、長手方向に長い長孔
   を有し、該一方の長孔の内側端部近傍位置において該押
   え板は、への字状に折曲成形されており、 前記弾性挟持板の一端部は、前記押え板のへの字状折曲
   部に係合すべく、への字状に屈曲成形されており、該弾
   性挟持板のへの字状屈曲成形部の先端部には、前記一方
   の長孔周縁部の押え板の面上に当接する当接部と、該長
   孔の幅方向両周縁に係脱自在に係合すべく、該当接部の
   幅方向両側に設けられた切欠凹部とを有し、 前記弾性挟持板の他端部には、前記他方の長孔に挿脱自
   在に挿入される中係合舌片と、該舌片の両側にあって、
   該長孔周縁部の押え板の面上に摺接する外係合舌片とを
   有していることを特徴とする髪止め具。