JPH0625172Y2 - 自動車用シートのアームレスト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シートのアームレストに関する。

（従来の技術） 従来、シートバックの側部に、使用（下揺動）位置と格
納（上揺動）位置とに揺動自在に取付けられたアームレ
ストが種々実用化されている。

上記のようなアームレストをシートバックの側部に取付
ける場合、シートバック側の支持シャフトにアームレス
ト側の軸受スリーブを嵌合して、アームレストの外側か
らボルト等で支持シャフトに対して軸受スリーブが抜け
ないように係止するようにしているが、ボルト等がアー
ムレストの外側から見えるので、ファスナーやキャップ
等でカバーする必要があるうえ、ボルトアップ等の作業
が煩わしいという問題があった。

そこで、本出願人は、実願昭６２−９０９４４号におい
て、アームレストの外側をファスナーやキャップ等でカ
バーする必要がなく、しかも、ワンタッチで組付けられ
るようにすることを目的として、シートバックフレーム
に固定された支持シャフトに、アームレストに設けられ
た軸受スリーブを内端部側から嵌合し、支持シャフト先
端部のリング溝に軸受スリーブ外端部の係止リングを係
合させて、シートバックにアームレストを取付けるよう
にした自動車用シートのアームレストを提案した。

これによれば、アームレストの軸受スリーブの内端部側
に支持シャフトの嵌合用開口があるのみで、外端部側、
つまり、アームレストの外側にはボルトアップ用開口な
どが必要ないから（キャップレスアームレスト）、外観
性が向上し、また、アームレストの軸受スリーブをシー
トバックフレームの支持シャフトに嵌合させるだけで、
支持シャフトに対して軸受スリーブが抜けないように係
止されるので、ワンタッチで組付けることができるとい
う効果を奏することができる。

（考案が解決しようとする課題） ところで、アームレストを上下揺動操作する場合、適度
なフリクショントルクが与えられると操作感が良好とな
るが、さらに、節度が与えられると、より操作感が良好
となる。

本考案は上記要望に応えるためになされたもので、上記
のようないわゆるキャップレスアームレストにおいて、
簡単な構成で、アームレストの揺動操作にフリクション
トルクと節度とを与えるようにすることを目的とするも
のである。

（課題を解決するための手段） このため本考案は、シートバックフレームに固定された
支持シャフトに、アームレストに設けられた軸受スリー
ブを内端部側から嵌合し、支持シャフト先端部のリング
溝に軸受スリーブ外端部の係止リングを係合させて、シ
ートバックにアームレストを取付けるようにした自動車
用シートのアームレストにおいて、上記アームレストの
揺動中間位置で該アームレストの揺動中心を通る放射線
上に、リンクが配置されて、該リンクは、上記アームレ
ストフレームに上記放射線に沿って内外移動可能に支持
され、該リンクの内端部は、上記揺動中心よりも外側で
シートバックフレームのブラケットに回動自在に係止さ
れ、該リンクの外端部とアームレストフレームとの間
に、アームレストを外側に付勢するコイルスプリングが
張設される一方、上記アームレストフレームに、アーム
レストの上揺動位置と下揺動位置で上記リンクの内端部
にそれぞれ当接して、アームレストを上揺動位置と下揺
動位置に当て止めるストッパー部材が設けられているこ
とを特徴とするものである。

（考案の作用・効果） 本考案は、リンクの内端部をシートバックフレームのブ
ラケットに係止するとともに、リンクの外端部とアーム
レストフレームとの間にコイルスプリングを張設して、
アームレストを外側方向に付勢したから、コイルスプリ
ングの付勢力によりアームレストの揺動にフリクション
トルクが与えられるようになる。

また、リンクは、アームレストの揺動中間位置でアーム
レストの揺動中心を通る放射線上に配置したから、揺動
中間位置をデッドポイント（死点）として、アームレス
トはコイルスプリングで上揺動方向と下揺動方向にそれ
ぞれ付勢されるから、アームレストの揺動に節度が与え
られるようになり、アームレストの揺動操作感が良好に
なる。

さらに、アームレストの上揺動位置と下揺動位置でスト
ッパー部材がリンクの内端部に当接することにより、ア
ームレストは上揺動位置と下揺動位置で正確に当て止め
られるようになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細に説明す
る。

第５図に示すように、自動車用シート１は、シートクッ
ション２とシートバック３とで構成されていて、シート
バック３の側部には、略水平に前方へ突出する下揺動
（使用）位置Ａと略垂直に上方へ立上がる上揺動（格
納）位置Ｂとに揺動自在なアームレスト４が取付けられ
ている。

第１図に示すように、上記アームレスト４のフレーム５
にはブラケット１１で軸受スリーブ６が固定され、該軸
受スリーブ６の外端部6aには中心孔6cに至るスリット溝
6d,6dが形成され、該スリット溝6d,6dには中心孔6c内に
突出するオームリング７（第２図参照）が嵌着されてい
る。

上記シートバック３のフレームにはブラケット９が固定
され、該ブラケット９には支持シャフト１０の基部10a
が固定されている。

該支持シャフト１０の支持軸部10bの先端部にはリング
溝１０ｃが形成されている。

一方、第３図及び第４図にも示すように、アームレスト
４の揺動中間位置Ｎで、該アームレスト４の揺動中心
（支持シャフト１０の軸心）Ｏを通る放射線Ｒ上に、細
軸状のリンク１２が配置され、該リンク１２は、アーム
レストフレーム５のブラケット１３で放射線Ｒに沿って
内外移動可能に支持されている。

上記アームレスト４のシートバック３側のフレーム５に
は、上記軸受スリーブ６と同軸に大径の開口５ａが明け
られ、該開口5aの外面側に、リング状のストッパー部材
１４が固定されている。

上記リンク１２の内端部12aはＬ字状に折曲されて、ス
トッパー部材１４の開口14aから外方へ突出され、上記
揺動中心よりも外側で上記シートバックフレームのブラ
ケット９の小孔9aに回動自在に係止されている。

また、リンク１２の外端部12bはＬ字状に折曲されて、
アームレストフレーム５の長孔5bから外方へ突出され、
該外端部12bと上記ストッパー部材１４のばねかけ部14b
との間にコイルスプリング１５が張設されている。

該コイルスプリング１５により、アームレスト４は外側
に付勢されることになる。

また、リンク１２及びコイルスプリング１５は、アーム
レスト４の揺動中間位置Ｎで、上記放射線Ｒ上に配置さ
れているから、第３図に示したように、揺動中間位置Ｎ
をデッドポイント（死点）として、アームレスト４を上
揺動位置Ｂに揺動させると、リンク１２の内端部12aは
シートバックフレームのブラケット１９に係止されてい
るので、アームレストフレーム５に係止されたコイルス
プリング１５との間に位相差が生じ、これにより、アー
ムレスト４は上揺動方向に付勢される。逆に、アームレ
スト４を下揺動位置Ａに揺動させると、同様にして、ア
ームレスト４はコイルスプリング１５で下揺動方向に付
勢される。

上記ストッパー部材１４には、アームレスト４の上揺動
位置Ｂでリンク１２の内端部１２ａに当接する上揺動ス
トッパー部14cと、アームレスト４の下揺動位置Ａでリ
ンク１２の内端部12aに当接する下揺動ストッパー部14d
とが形成されている。

上記のような構成であれば、組付けに際しては支持シャ
フト１０の支持軸部10bにアームレスト４の軸受スリー
ブ６を嵌合してゆくと、軸受スリーブ６のオームリング
７が支持シャフト１０の先端テーパ部で押し拡げられな
がら、リング溝10cに係合するようになっている。ま
た、リンク１２の内端部12aがブラケット９の小孔9aに
係合する。

これにより、支持シャフト１０に対して軸受スリーブ６
が抜けないように係止されるので、アームレスト４をワ
ンタッチで組付けることができる。

また、アームレスト４の軸受スリーブ６の外端部側の表
皮には、従来のようなボルトアップ用開口などがないの
で、外観性が良好である。

そして、リンク１２の外端部12bとストッパー部材１４
のばねかけ部14bとの間のコイルスプリング１５によ
り、アームレスト４が外側に付勢させるので、アームレ
スト４の上下揺動操作にフリクショントルクが与えられ
るようになる。

また、アームレスト４は、揺動中間位置Ｎをデッドポイ
ント（死点）として、コイルスプリング１５により、上
揺動方向または下揺動方向に付勢されるので、アームレ
スト４の揺動に節度が与えられるようになる。

さらに、アームレスト４は、ストッパー部材１４の上揺
動ストッパー部14cまたは下揺動ストッパー部14dが上揺
動位置Ｂまたは下揺動位置Ａでリンク１２の内端部12a
に当接するので、アームレスト４は上揺動位置Ｂと下揺
動位置Ａとに正確に当て止められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアームレストの断面図、第２図は
第１図のＩ−Ｉ線拡大断面図、第３図はリンクとコイル
スプリングとの関係を示す正面図、第４図はアームレス
トの斜視図、第５図は自動車用シートの斜視図である。 １……自動車用シート、２……シートクッション、 ３……シートバック、４……アームレスト、 ６……軸受スリーブ、７……オームリング、 ９……ブラケット、１０……支持シャフト、 １２……リンク、12a……内端部、 12b……外端部、１４……ストッパー部材、 14a……上揺動ストッパー部、 14b……下揺動ストッパー部、 １５……コイルスプリング、 Ａ……下揺動位置、Ｂ……上揺動位置、 Ｎ……揺動中間位置、Ｒ……放射線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックフレームに固定された支持シ
   ャフトに、アームレストに設けられた軸受スリーブを内
   端部側から嵌合し、支持シャフト先端部のリング溝に軸
   受スリーブ外端部の係止リングを係合させて、シートバ
   ックにアームレストを取付けるようにした自動車用シー
   トのアームレストにおいて、 上記アームレストの揺動中間位置で該アームレストの揺
   動中心を通る放射線上に、リンクが配置されて、該リン
   クは、上記アームレストフレームに上記放射線に沿って
   内外移動可能に支持され、該リンクの内端部は、上記揺
   動中心よりも外側でシートバックフレームのブラケット
   に回動自在に係止され、該リンクの外端部とアームレス
   トフレームとの間に、アームレストを外側に付勢するコ
   イルスプリングが張設される一方、上記アームレストフ
   レームに、アームレストの上揺動位置と下揺動位置で上
   記リンクの内端部にそれぞれ当接して、アームレストを
   上揺動位置と下揺動位置に当て止めるストッパー部材が
   設けられていることを特徴とする自動車用シートのアー
   ムレスト。