JPH062513Y2 - 歩行型芝刈機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、下方が開放されたハウジングに回転刈刃を内
装し、前記ハウジングの周側部に形成された刈芝排出口
付近の下面側を覆う底板を前記ハウジングに取付けると
共に、前記刈芝排出口からの刈芝を収納する集草容器を
前記ハウジングに着脱自在に取付けてある歩行型芝刈機
に関する。

〔従来の技術〕

この種の歩行型芝刈機においては、回転刈刃の回転に伴
って発生する風あるいはハウジング内に備えている送風
ファンの作動に伴って発生する風により搬送される刈芝
を刈芝排出口へ的確に案内できるように、刈芝排出口よ
り芝排出方向での上手がわでその刈芝排出口付近の下方
を底板により覆って刈芝排出口への刈芝案内用のダクト
を形成するようにしたものが知られている。

そして、従来では、上記底板がハウジングに所定角度で
固設されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そのため、例えば上記底板を刈芝排出口側端部がハウジ
ング中心側端部よりも上方に位置する後上がり傾斜姿勢
で固設すると、刈芝排出口から刈芝が上方に向けて放出
されるため、刈芝の刈芝排出口からの飛距離が大きくな
り、集草容器をハウジングに取付けて刈芝を集草容器内
に収納していく収納作業形態で作業を行う場合に、集草
容器の奥側から刈芝を収納していくことができる。しか
しながら、この場合、集草容器をハウジングから取外し
て刈芝を刈芝排出口を介して地面に放出していく放出作
業形態で作業を行うと、上方に向けて刈芝が放出され、
この刈芝が空中に散乱し易く、衛生上好ましくない不都
合があった。

又、上記底板を水平姿勢で固設すると、前述とは反対
に、放出作業形態での作業時に、放出された刈芝が空中
に散乱することを極力抑制することができるのである
が、集草容器に刈芝を収納する収納作業形態での作業時
に、刈芝の飛距離が小さくなるため、集草容器の奥側か
ら刈芝を収納することができなくなる可能性が高くなっ
て、集草容器の刈芝排出回数が増大し、作業能率の低下
を招くことがあった。

本考案の目的は、底板に改良を加えるだけの簡単な改造
で、収納作業形態での作業時には集草容器の奥側から刈
芝を的確に収納でき、かつ放出作業形態での作業時には
刈芝の散乱を確実に抑制することができるようにする点
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、下方が開放され
たハウジングに回転刈刃を内装し、前記ハウジングの周
側部に形成された刈芝排出口付近の下面側を覆う底板を
前記ハウジングに取付けると共に、前記刈芝排出口から
の刈芝を収納する集草容器を前記ハウジングに着脱自在
に取付けてある歩行型芝刈機であって、前記底板を、前
記ハウジングに対して、芝排出方向での上手側を揺動中
心としてその下手側を上下位置変更調節自在に取付けて
あることを特徴構成とする。

かかる特徴構成による作用及び効果は次の通りである。

〔作用〕

すなわち、集草容器をハウジングに取付けて刈芝を集草
容器内に収納していく収納作業形態で作業を行う場合
は、底板を刈芝排出口側端部がハウジング中心側端部よ
りも上方に位置する後上がり傾斜姿勢になるように角度
調節することによって、刈芝排出口を介して放出される
刈芝の放出方向を上方に変更することができるから、刈
芝の飛距離を大きくすることができ、集草容器の奥側か
ら刈芝を的確に収納することができる。

又、集草容器をハウジングから取外して刈芝を刈芝排出
口を介して地面に放出していく放出形態で作業を行う場
合には、底板を前記角度よりも緩い角度または水平角度
になるように角度調節することにより、刈芝排出口から
放出される刈芝を高い位置へ向けて放出することの抑制
がなされて、放出される刈芝が空中に散乱することを確
実に抑制することができる。

〔考案の効果〕

従って、底板をハウジングに対して刈芝移送経路の上手
側の軸芯周りで上下揺動角度調節自在に取付けるだけの
簡単な改造で、上記２つの作業形態に合わせて刈芝の放
出形態を変更することができるが、底板が固定設置され
ているときの各作業形態での作業時に発生する不都合を
確実に抑制でき、もって、集草容器の刈芝排出回数を少
なくするよう容器奥側から収納できることで作業能率を
高め、又、対地放出しながらの作業形態での刈芝の散乱
を抑制できるようにして衛生面での悪化を的確に回避で
きるに至った。

〔実施例〕

第４図に示すように、下方が開放されたハウジング(1)
内に、縦軸芯周りで回動自在な回転刈刃(2)を収納し、
このハウジング(11)に左右一対の前車輪(3),(3)及び後
車輪(4),(4)を取付けるとともに、前記ハウジング(1)の
上部に前記回転刈刃(2)及び後車輪(4),(4)を駆動するエ
ンジン(E)を設け、そして、前記回転刈刃(2)の回転に伴
い発生する風により前記ハウジング(1)の周側部に形成
された刈芝排出口(5)を介して排出される刈芝を収納す
る集草容器(6)を前記ハウジング(1)の後方側に配置する
とともに、操縦ハンドル(7)を前記ハウジング(1)から後
方側に延出して、歩行型芝刈機を構成してある。

第１図に示すように、前記回転刈刃(2)の回転軸(8)の上
部に送風ファン(9)を一体回転自在に取付けて、回転刈
刃(2)の回転に伴い発生する風に加えて送風ファン(9)の
回転に伴い発生する風を利用して刈芝の搬送を行うよう
にしてある。尚、前記送風ファン(9)は、前記エンジン
(E)の下面と前記ハウジング(1)の上面との間に形成され
た空間内に配置して、回転刈刃(2)による風と送風ファ
ン(9)による風とが相互干渉しないようにしてある。

前記集草容器(6)は、前記ハウジング(1)に着脱自在に取
付けられており、集草容器(6)をハウジング(1)に取付け
て刈芝を集草容器(6)内に収納していく収納作業形態の
他に、集草容器(6)をハウジング(1)から取外して刈芝を
刈芝排出口(5)を介して地面に放出していく放出作業形
態で作業が行えるようにしてある。

前記集草容器(6)の取付け構造について説明すれば、第
１図に示すように、集草容器(6)を構成する布製の袋(6
A)の形状を保持するパイプフレーム(6B)の先端部に、前
記ハウジング(1)の後部上面に形成した被係止部(1a)に
係止作用する係止部(6b)を備えさせて、パイプフレーム
(6B)の係止部(6b)をハウジング(1)の被係止部(1a)に係
止作用させたのち、前記集草容器(6)を前記係止部周り
の下降揺動により集草容器(6)の入口を前記刈芝排出口
(5)に連通できるようにしてある。尚、前記集草容器(6)
の上昇揺動を規制するべく、前記パイプフレーム(6B)に
接当押圧するガイド部材(10)を、前記ハウジング(1)の
後側上面に横軸芯周りで揺動自在でかつスプリング(11)
により下方付勢された状態で取付けてある。

前記回転刈刃(2)により刈取られた刈芝を前記刈芝排出
口(5)へ的確に案内できるように、刈芝排出口(5)より芝
排出方向での上手がわで刈芝排出口(5)付近の下面側を
覆う底板(12)を前記ハウジング(1)に取付けるととも
に、前記底板(12)をハウジング(1)に対して上下角度調
節自在に構成して、前記収納作業形態で作業を行う場合
には、前記底板(12)を刈芝排出口側端部がハウジング中
心側端部よりも上方に位置する後上がり傾斜姿勢（本実
施例では約３０度）になるように角度調節することによ
って、集草容器(6)の奥側から刈芝を的確に収納するこ
とができるように刈芝の飛距離を大きくし、又、前記放
出作業形態で作業を行う場合には、前記底板(12)を水平
角度になるように角度調節することによって、放出され
る刈芝が空中に散乱することを抑制することができるよ
うに刈芝排出口(5)から刈芝を低い位置へ放出するので
ある。

前記放出作業形態で作業を行う場合には、第２図に示す
ように、前記刈芝排出口(5)にこれらの刈芝を左横側方
へ案内する筒体(13)を取付けることになり、前述のよう
に、刈芝排出口(5)から刈芝を低い位置へ放出すること
により放出される刈芝が筒体(13)内面に接当する回数を
減らすことができ、その結果、筒体(13)内を移動する刈
芝の移動方向があらゆる方向に散らばって筒体(13)下方
の排出口から放出される刈芝が散乱することを抑制する
のである。

前記底板(12)の取付構造について説明すれば、第２図及
び第３図に示すように、底板(12)を、筒体(13)における
刈芝移送経路の上手側に位置する一端において、前記ハ
ウジング(1)の周側壁に架設された支軸(14)に横軸芯周
りで上下揺動自在に取付けるとともに、前記底板(12)の
他端に付設の板部材(15)に、前記ハウジング(1)の周側
壁に貫通装着されたボルト(16)に係合案内される上下方
向の長孔(15A)を形成し、もって、ボルト(16)とナット
(17)との締付けを緩めることにより底板(12)を長孔(15
A)の範囲内で上下揺動させて、底板(12)を所定の角度に
位置させ、そして、ボルト(16)とナット(17)とを締付け
ることにより底板(12)をその所定角度で固定できるよう
に構成してある。

〔別実施例〕

前記実施例では、放出作業形態で作業を行う場合には、
刈芝案内用の筒体(13)を設けたが、これを省略して刈芝
排出口(5)から直接刈芝を放出するようにしてもよい。

又、前記実施例では、底板(12)の角度調節を人為的に行
ったが、例えば底板(12)を上下揺動操作する電動モータ
を設け、この電動モータの作動を操作する操作具を操縦
ハンドル(7)に取付けて、操作具を操作することにより
底板(12)を電動モータの電動力により角度調節するよう
にしてもよい。

又、前記実施例では、刈芝排出口(5)をハウジング(1)の
後方側周側部に形成したが、ハウジング(1)の横側周側
部に形成してもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる歩行型芝刈機の実施例を示し、第
１図は要部の縦断側面図、第２図は刈芝排出口の縦断側
面図、第３図は底面図、第４図は全体側面図である。 (1)……ハウジング、(2)……回転刈刃、(5)……刈芝排
出口、(6)……集草容器、(12)……底板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下方が開放されたハウジング(1)に回転刈
   刃(2)を内装し、前記ハウジング(1)の周側部に形成され
   た刈芝排出口(5)付近の下面側を覆う底板(12)を前記ハ
   ウジング(1)に取付けると共に、前記刈芝排出口(5)から
   の刈芝を収納する集草容器(6)を前記ハウジング(1)に着
   脱自在に取付けてある歩行型芝刈機であって、前記底板
   (12)を、前記ハウジング(1)に対して、芝排出方向での
   上手側を揺動中心としてその下手側を上下位置変更調節
   自在に取付けてある歩行型芝刈機。