JPH0715379Y2 - 芝刈機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ハウジング内に縦軸芯周りで回転駆動される
刈刃を配設した芝刈機に関する。

〔従来の技術〕

上記芝刈機としては、例えば実開平１−79925号公報に
開示されるもののように、ハウジング上部に補助送風用
のターボファンを設け、外気を刈芝排出口に向けて送り
込むことによって刈芝搬送性を高めるよう構成したもの
がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

係る芝刈機は、ハウジング全体の対地高さを変更して刈
高さを変更調節するものであるために、低刈り設定した
場合にハウジング下端と地面との間隙が狭くなって、刈
刃の回転に伴いこの間隙からハウジング内に吸入される
風量が減少し、吸入風による芝の立上がりが充分行えな
くなって、刈残しが発生しやすい傾向があるが、前記タ
ーボファンは芝の立上がりには何らの影響を及ぼさない
ものであった。

本考案は、補助搬送手段に改良を加えることで、ハウジ
ング内での芝の立上がりを良好にするとともに、刈芝の
搬送性能をも高めることのできる芝刈機を提供すること
を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案にかかる芝刈機は、上記目的を達成するために、
ハウジング内に縦軸芯周りで回転駆動される刈刃を配設
した芝刈機において、外気を吸入するファンを前記刈刃
の駆動軸に装着するとともに、前記刈刃の回転軌跡の外
側に、前記刈刃の下側に向けて前記ファンで起こされた
風を導いて下向きに吹き付ける吹き出し風路を設けてあ
ることを特徴構成とする。

かかる特徴構成によるその作用・効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

前記ファンにより生起される風が導かれて、刈刃の回転
軌跡の外側から吹き出し風路を通して刈刃の下側に向け
て下向きに吹き付けるようにしているから、刈刃で刈り
取られようとしている芝が立ち上げられることになっ
て、その立ち上がった状態で芝が刈刃で刈り取られるこ
とになる。又、そのように吹込まれた風は刈刃の回転に
よって生起した風とともに刈芝をハウジングの排出口に
向けて送り出す搬送風としても働く。

〔考案の効果〕

従って、本考案によれば、ハウジングの下端と地面との
間隙から外気を吸込みにくい低刈時においても、芝が立
った状態で芝刈作業を行うことができ、刈芝効率を高め
ることができるとともに、充分な量の搬送風によって刈
芝を確実良好に搬送排出できるようになった。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第４図に本考案に係る歩行型芝刈機が示されている。こ
の芝刈機は、機体フレーム兼用のハウジング（１）内
に、縦軸芯（Ｐ）周りで回動自在な刈刃（２）を軸支収
納し、このハウジング（１）に走行用の前車輪（３），
（３）及び後車輪（４），（４）を取付けると共に、ハ
ウジング（１）の上部に縦軸型のエンジン（５）を設
け、刈芝を収納する集草容器（６）をハウジング（１）
の後方に配置するとともに、操縦ハンドル（７）をハウ
ジング（１）から後方に延出して構成されている。

前記前車輪（３），（３）及び後車輪（４），（４）
は、それぞれハウジング（１）に対し高さ調節可能に構
成され、芝の刈高さ調節が行えるようになっている。

例えば、後車輪（４）について説明すれば、第３図に示
すように、ハウジング（１）から後方に連設した側壁
（８）に、操作レバー（９）の操作により横軸芯（Ｑ）
周りに揺動自在な支持部材（10）を枢支し、その揺動端
（10a）に車軸（11）を挿通支承させ、この支持部材（1
0）を揺動させて操作レバー（９）を前記側壁（８）に
形成した複数の係合溝（18）のいずれかに選択係合する
ことで後車輪（４）をハウジング（１）に対して有段階
で高さ調節することができるようになっている。前記操
作レバー（９）は板バネ製のレバー本体（9a）及びレバ
ー本体（9a）に対して上下スライド可能、かつ、スライ
ド位置で摩擦保持可能に差込み支持された鋼線製の操作
部（9b）から成り、車輪高さ調節時のみ操作部（9b）を
伸ばし、作業中は邪魔にならないように操作部（9b）を
押込み短縮できるよう構成されている。

前車輪（３）のハウジング（１）に対する高さ調節を行
う操作レバー（19）も後車輪の場合と同様に伸縮可能に
構成してある。

次に、ハウジング（１）の構造について詳述する。

縦軸芯（Ｐ）周りで回転駆動される刈刃（２）の駆動軸
（17）の上部にファン（12）を装着すると共に、上記フ
ァン（12）の下方に金属板製の導風部材（13）を内装し
てある。導風部材（13）は、第１図及び第２図に示すよ
うに、ハウジング（１）の内面に小間隔をもって略沿う
形状に構成されたものであって、この導風部材（13）周
面及び上面に形成した突部（13a），（13b）をハウジン
グ（１）内面に当てつけた状態で、ハウジング（１）に
ボルト（14）で締着し、導風部材（13）とハウジング
（１）との間に、前記ファン（12）からの風を導く風路
（ａ）を形成してある。また、導風部材（13）には刈芝
を排出するための排出口（13c）を設けてある。そし
て、第１図に示すように、ハウジングの下端にガイド部
材（16）を取付けて送風口（15）を形成してあり、ハウ
ジング上方の吸気口（1a）を通ってファン（12）により
下向きに送られた風が風路（ａ）を通って送風口（15）
において、ガイド部材（16）に案内されて、ハウジング
（１）の内方に向けて、かつ刈刃（２）の下側に向けて
吹き出されるように構成してある。ここで、刈刃（２）
の下側に向けて風を下向きに吹き付けるようにした送風
口（15）からガイド部材（16）で案内される風路が吹き
出し風路（20）を構成するものである。

この場合、導風部材（13）は、刈刃（２）により撥ね飛
ばされる小石等の固型物がハウジング（１）に直接衝突
して損傷を及ぼすのを防止するハウジング保護部材とし
ての機能を併せ持っている。

なお本考案は、ハウジング（１）外にファン（12）及び
ファン（12）により生起される風を案内する風路を設
け、風をハウジング（１）外からハウジング下端を通っ
てハウジング（１）内に風を吹込むように構成して実施
することもできる。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る芝刈機の実施例を示し、第１図はハ
ウジング内部の構造を示す一部切欠き側面図、第２図は
導風部材の形状を示す横断底面図、第３図は後車輪の高
さ調節機構を示す一部切欠き側面図、第４図は歩行型芝
刈機の全体側面図である。 （１）……ハウジング、（２）……刈刃、（12）……フ
ァン、（17）……駆動軸、（20）……吹き出し風路、
（Ｐ）……縦軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハウジング（１）内に縦軸芯（Ｐ）周りで
   回転駆動される刈刃（２）を配設した芝刈機であって、
   外気を吸入するファン（12）を前記刈刃（２）の駆動軸
   （17）に装着するとともに、前記刈刃（２）の回転軌跡
   の外側に、前記刈刃（２）の下側に向けて前記ファン
   （12）で起こされた風を導いて下向きに吹き付ける吹き
   出し風路（20）を設けてある芝刈機。