JPH0624981B2 - 酸化ジルコニウム粒子の製造方法 - Google Patents

酸化ジルコニウム粒子の製造方法

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JPH0624981B2
JPH0624981B2 JP2325268A JP32526890A JPH0624981B2 JP H0624981 B2 JPH0624981 B2 JP H0624981B2 JP 2325268 A JP2325268 A JP 2325268A JP 32526890 A JP32526890 A JP 32526890A JP H0624981 B2 JPH0624981 B2 JP H0624981B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸化ジルコニウム粒子の製造方法に関する。
酸化ジルコニウム粒子は固体電解質、圧電体、耐摩耗
材、研磨材等の製造に多量に使用されている。また、イ
ットリア、マグネシア、カルシア等の安定化剤を添加
し、安定化あるいは部分安定化ジルコニアとし構造材料
等ににも使用される。
水和ジルコニア粒子は加熱処理(仮焼)することにより
酸化ジルコニウム粒子とすることができる。
本明細書中『一次粒子』とは、光子相関法による粒度分
布測定機器で測定可能な粒子径1 〜1000nm程度の粒子
のことであり、『二次粒子』とは一次粒子の凝集したも
のであり、遠心沈降式の粒度分布測定機器等で測定した
平均粒子径が0.1 〜10μ程度のものをいう。
[従来の技術] 水和ジルコニア粒子の合成方法としては、水溶性ジルコ
ニウム塩の水溶液を加水分解する方法や中和沈澱生成す
る方法などが知られている。得られた水和ジルコニア粒
子を仮焼して酸化ジルコニウム粒子が製造される。
最終生成物である酸化ジルコニウム粒子の特性に影響を
与える因子としては、前記の水和ジルコニア粒子の合成
方法の違い以外に、該粒子の分散性に起因するものであ
る。すなわち、製品酸化ジルコニウム粉末の分散性が悪
い場合、これが該粉末を使用して成形体を得、該成形体
を焼結して得られる焼結体の密度や強度が低下する原因
となる。
前記酸化ジルコニウム粒子の分散性の向上を目指した酸
化ジルコニウム粒子製造方法としては、水和ジルコニア
粒子の懸濁液に有機溶媒を加えて、加熱共沸蒸留した
後、乾燥し、得られたジルコニウム含有化合物を仮焼し
て酸化ジルコニウム微粒子を得る方法が特公昭59−3936
6号公報で開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記製造方法には依然問題がある。すな
わち乾燥粉末の嵩密度が低い、また乾燥粉末の嵩密度の
コントロールが難しい、さらには、共沸蒸留するために
大量の有機溶媒を使用するため、共沸蒸留後に有機溶媒
存在下で乾燥することとなり、実験室程度の小規模な場
合においてさえ、加熱に対して火災・爆発の危険があ
る。さらに工業的には、使用する有機溶剤も膨大な量と
なり加熱に対しての危険は回避できない。また多量の有
機溶媒の環境への影響も大きい等が問題点として依然存
在する。
本発明の目的は、高い分散性をもち、製品粉末の嵩密度
が高く、その制御が可能で、かつ、加熱に対して火災・
爆発の危険がなく、環境への影響が少ない、酸化ジルコ
ニウム粒子の製造方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは鋭意検討した結果、水和ジルコニアを仮焼
することにより酸化ジルコニウム粒子を製造する方法に
おいて、水和ジルコニア粒子懸濁液に有機化合物を含有
Zrに対して0.01〜10mol%の範囲で添加後乾燥し、該乾燥
物を仮焼して酸化ジルコニウム粒子を得ることを特徴と
する酸化ジルコニウム粒子の製造方法が上記目的を達成
できることを見いだし発明を完成した。
以下その詳細について説明する。
本発明において使用する水和ジルコニア粒子懸濁液中の
水和ジルコニア粒子は、水溶性ジルコニウム塩の加水分
解法、中和沈澱法等、その製造方法に制限はなく、さら
には、イットリア、マグネシア、カルシア等の安定化剤
を添加し、仮焼後に安定化あるいは部分安定化ジルコニ
ア粒子を生成するようにしたものも好適に使用できる。
該水和ジルコニア粒子は好ましくはその平均一次粒子径
が10〜500 nm、より好ましくは50〜300 nmのものが
よい。この範囲より微細な粒子径の場合は該粒子の表面
エネルギーが大きく、有機化合物を使用してもその凝集
を抑制するのが困難であり、この範囲より粗大な粒子径
の場合は粒子間の凝集力が小さく、有機溶媒を使用して
その凝集力を下げる必要が無いためである。前記水和ジ
ルコニア粒子懸濁液の濃度は、乾燥工程の乾燥方法、乾
燥条件等により一義的ではないが、通常前記水和ジルコ
ニア粒子懸濁液中の水和ジルコニア粒子を ZrO2 として
換算して約10〜約2000g/、好ましくは該換算値で100
〜1000g/の範囲で実施すればよい。該濃度より高いと
該懸濁液中で該粒子が粗大な凝集物を生成し特定にばら
つきが生じやすい、該懸濁液の濃度が高くなり輸送が困
難になる等の問題が生じやすくなるためである。また該
濃度より低いと生産性が悪くなり経済的でない。
該水和ジルコニア粒子懸濁液に有機化合物を添加する。
添加する有機化合物は界面活性を有するものがよく、好
ましくはアルコール類,エステル類,界面活性剤などが
用いられる。とくに、炭素数1〜10のアルコール類が
よい。
該有機化合物の添加量は前記水和ジルコニア粒子懸濁液
に有機化合物を含有Zrに対して0.01〜10mol%の範囲で実
施すればよい。好ましくは含有Zrに対して0.1 〜1 mol%
の範囲で実施すればよい。該添加量により多いと経済的
ではなく、乾燥工程での爆発・火災の原因となる。ま
た、該添加量より少ないと前記水和ジルコニア粒子の嵩
密度をコントロールすることが難しいためである。
前記有機化合物添加後、該懸濁液を乾燥する。乾燥温度
は通常用いられる、50〜250℃でよい。乾燥方法は通常
の方法でよいが、噴霧乾燥するのがよい。これは生産性
がよく、乾燥後にえられるものが造粒体であるため後工
程でのハンドリングがよいからであり、仮焼することに
より工業的に多量に使用されている微粉末の酸化ジルコ
ニウムとなる。
前記仮焼は通常の方法でよく、得られた酸化ジルコニウ
ム粒子は、該水和ジルコニア粒子の状態での粒子の高い
分散性が反映されて、仮焼後の工程で工業的にエネルギ
ーを多量に損失する粉砕工程を必要としない、または粉
砕工程の負担が少ない分散性のよい粉末となる。
[作用] なぜ本発明の方法によれば乾燥後に得られた水和ジルコ
ニア粒子が高分散性で、嵩密度の高い粉末とすることが
できるかということについては必ずしも明らかではない
が、本発明の方法によれば、添加した有機溶媒により水
和ジルコニアの粒子または二次粒子に近い状態で粒子表
面の水の表面張力を低下させ、二次粒子間の凝集の弱い
状態に整え、そのままの状態で乾燥することにより、焼
結体特性の低下の原因と考えられる粗大粒子の生成を抑
え、凝集の弱い水和ジルコニア乾燥物が得られるものと
考えられる。該水和ジルコニウム粒子は仮焼後も二次粒
子間の凝集が少ないためよい焼結体特性を示すものと考
えられる。
これに対して前記の従来技術は、共沸蒸留により一次粒
子または一次粒子に近い状態で粒子表面の水分子が脱水
され、有機溶媒と置換される。よって従来法では一次粒
子または一次粒子に近い状態での粒子間の反発により嵩
密度の低い粉末となると考えられる。他の物質でもこの
ような例があり、シリカを一次粒子または一次粒子に近
い状態で分散させたヒュームドシリカは分散性はよいが
嵩密度の低い粉末である。
[発明の効果] 本発明によれば、高い分散性をもち、製品粉末の嵩密度
が高く、その制御が可能で、かつ、加熱に対して火災・
爆発の危険がなく、環境への影響が小さい酸化ジルコニ
ウム粒子の製造方法である。該方法で得られた酸化ジル
コニウム粒子は固体電解質、圧電体、耐摩耗材、研磨
材、構造材等、好適に使用される。
実施例1 オキシ塩化ジルコニウムを煮沸加水分解して水和ジルコ
ニア粒子を得た。得られた水和ジルコニア粒子により Z
rO2 換算で 300g/の該水和ジルコニア粒子懸濁液とし
た。
該水和ジルコニア懸濁液中の水和ジルコニア粒子の平均
1次粒子径は約100 nmであった。
前記水和ジルコニア粒子懸濁液にブタノールを ZrO2
kgに対して25ml(含有Zrに対して約3.5 mol%)の割合で
添加し、常温で撹拌後、噴霧乾燥した。該乾燥粒子の軽
装嵩密度は1.28g/cm3 であった。該乾燥粉末を850 ℃で
仮焼して酸化ジルコニア粉末を得た。得られた酸化ジル
コニア粉末の軽装嵩密度は1.17g/cm3 であった。
実施例2 水和ジルコニア粒子懸濁液に添加するブタノール量を Z
rO2 1kgに対して 5ml(含有Zrに対して約0.7 mol%)の
割合とする以外は実施例1と同じ条件で行った。得られ
た乾燥水和ジルコニア粒子の軽装嵩密度は1.50g/cm3
あった。また、仮焼後の酸化ジルコニア粉末の軽装嵩密
度は、1.38g/cm3 であった。
実施例3 水和ジルコニア粒子懸濁液に有機化合物としてアルキル
ベンゼンスルホン酸を、含有Zrに対して0.1mol% の割合
で添加する以外は実施例1と同じ条件で行った。得られ
た乾燥水和ジルコニア粒子の軽装嵩密度は1.19g/cm3
あった。また、仮焼後の酸化ジルコニア粉末の軽装嵩密
度は1.07g/cm3 であった。
実施例4 Zrに対してYCl を3mol% 加えたオキシ塩化ジルコニウ
ムを煮沸加水分解して、水和ジルコニア粒子を得た。得
られた水和ジルコニア粒子により ZrO2 換算で 300g/
の該水和ジルコニア粒子懸濁液とした。該水和ジルコニ
ア懸濁液中の水和ジルコニア粒子の平均1次粒子径は約
150 nmであった。
前記水和ジルコニア粒子懸濁液にブタノールを ZrO2
kgに対して 5ml(含有Zrに対して約 0.7mol%)の割合で
添加し、常温で撹拌後、噴霧乾燥した。該乾燥粒子の軽
装嵩密度は1.38g/cm3 であった。該乾燥粉末を850 ℃で
仮焼して酸化ジルコニア粉末を得た。得られた酸化ジル
コニア粉末の軽装嵩密度は1.29g/cm3 であった。
比較例 水和ジルコニア粒子懸濁液を共沸蒸留する以外は実施例
1と同じ条件で行った。
共沸蒸留は水和ジルコニア粒子懸濁液にブタノールを Z
rO2 1kgに対して30(含有Zrに対して約4000mol%)の
割合で加え、常温で撹拌後、加熱蒸留した。加熱蒸留終
了後、冷却、溶剤分離、乾燥及び加熱を行った。得られ
た乾燥水和ジルコニア粒子の軽装嵩密度は0.93g/cm3
あった。また、仮焼後の酸化ジルコニア粉末の軽装嵩密
度は0.85g/cm3 であった。
実施例5 水和ジルコニア粒子懸濁液に添加するブタノール量を Z
rO2 1kgに対して 0.2ml(含有Zrに対して約0.03 mol%
)の割合とする以外は実施例1と同じ条件で行った。
得られた乾燥水和ジルコニア粒子の軽装嵩密度は1.12g/
cm3 であった。また、仮焼後の酸化ジルコニア粉末の軽
装嵩密度は、1.07g/cm3 であった。
実施例6 水和ジルコニア粒子懸濁液に有機化合物として酢酸エチ
ルを ZrO2 1kgに対して10ml(Zrに対して約 1.9mol%)
の割合で添加する以外は実施例1と同じ条件で行った。
得られた乾燥水和ジルコニア粒子の軽装嵩密度は1.31g/
cm3 であった。また、仮焼後の酸化ジルコニア粉末の軽
装嵩密度は1.23g/cm3 であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水和ジルコニアを仮焼することにより酸化
    ジルコニウム粒子を製造する方法において、水和ジルコ
    ニア粒子懸濁液に有機化合物を含有Zrに対して0.01〜10
    mol%の範囲で添加後乾燥し、該乾燥物を仮焼して酸化ジ
    ルコニウム粒子を得ることを特徴とする酸化ジルコニウ
    ム粒子の製造方法。
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