JPH0624844A - 薄膜形成材料及びその製造方法並びに薄膜 - Google Patents

薄膜形成材料及びその製造方法並びに薄膜

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JPH0624844A
JPH0624844A JP4181954A JP18195492A JPH0624844A JP H0624844 A JPH0624844 A JP H0624844A JP 4181954 A JP4181954 A JP 4181954A JP 18195492 A JP18195492 A JP 18195492A JP H0624844 A JPH0624844 A JP H0624844A
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Atsushi Ishikawa
篤 石川
Hironobu Sato
博信 佐藤
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Kao Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5053Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
    • C04B41/5057Carbides
    • C04B41/5059Silicon carbide

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性に富む磁気記録媒体を提供することが
出来る技術の提供にある。 【構成】 ガラス状炭素と、平均粒径が約1μm以下の
炭化珪素と、平均粒径が約1μm以下の炭化硼素とを含
有する複合材料からなる薄膜形成材料であって、前記ガ
ラス状炭素の含有割合が約40〜98wt%、前記炭化
珪素の含有割合が約1〜60wt%、前記炭化硼素の含
有割合が約0.3〜20wt%である薄膜形成材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば耐久性に優れた
磁気記録媒体の構成に用いられる材料に関するものであ
る。
【0002】
【発明の背景】最近、コンピュータシステムの外部記憶
装置としての磁気ディスク装置の重要度は高まる一方で
あり、その記録密度は著しい向上を遂げている。このよ
うな磁気ディスク装置の駆動方式は、磁気ディスクが高
速で定速回転している際には、磁気ヘッドが磁気ディス
クから離間した浮上状態にあり、磁気ディスク停止時に
は、磁気ヘッドと磁気ディスクが接触するCSS(Co
ntact Startand Stop)方式が採用
されている。すなわち、磁気ディスクの停止および起動
時には、磁気ヘッドは磁気ディスクに対して摺動してい
る状態にある。
【0003】そして、このような磁気ディスク装置に使
用される磁気ディスクの磁性層は、スパッタリング等の
薄膜形成手段により構成されている。ところで、このよ
うな薄膜形成手段で構成される磁性層は、塗布手段によ
り構成される磁性層のように潤滑剤を内部に含有させて
おくことが困難な為、一般的には潤滑性に乏しい。この
為、磁気ディスクの停止および起動時に作用する摺動力
により磁性層が損傷し易い問題点が有る。
【0004】このような問題点を解決する為に、従来よ
り、磁性層上に保護膜を設ける手段が提案されている。
例えば、特開昭53−76013号公報や特公昭55−
29500号公報で提案されている如く、ポリ珪酸やS
iO2 などの酸化物の硬質保護膜を塗布手段やスパッタ
リング等の薄膜形成手段で設ける技術が提案されてい
る。しかしながら、ポリ珪酸やSiO2 は硬く、摩耗に
対して強いものの、脆く、この為磁気ヘッドの接触によ
る衝撃でポリ珪酸やSiO2 が欠け、これによる粒子が
磁気ディスクの表面に付着したり、磁気ヘッドの目詰ま
りとなったりし、ヘッドクラッシュの原因とも成り兼ね
ない。
【0005】そこで、このような欠点に対処する為、S
iCを保護膜として設ける技術が提案(特開昭62−9
7123号公報)されている。しかしながら、この提案
の保護膜でも充分なものでないことが次第に判明して来
た。すなわち、CSSに対するさらなる高耐久化の要
請、磁気ディスク装置の使用環境の多様化、磁気ヘッド
の高硬度化等に伴い、従来のSiC膜では硬度不足及び
潤滑性が不足し、信頼性の低下が問題になっている。
【0006】又、保護膜をカーボン材料で構成すること
が提案されている。しかしながら、これまでのカーボン
保護膜は、高密度等方性黒鉛によって構成された材料を
ターゲットとしてスパッタリング等の手段で構成された
ものであり、この為に潤滑性に富み、摺動特性には優れ
ているものの、硬度に乏しいことから磁気ヘッドによっ
て削り取られることも有り、耐久性に欠ける問題点が有
る。さらには、スパッタリングに際してコーン状生成物
が出来てしまうことが多々有り、異常放電も起き易く、
均質な保護膜が形成され難いといった問題点もあった。
【0007】
【発明の開示】前記の問題点に対処する為、本発明者に
より、ガラス状炭素のターゲットをインライン型スパッ
タ装置に装着し、磁気ディスクの磁性層上に成膜させ、
ガラス状炭素に由来するC原子を主成分とする素材から
なる保護膜が形成されてなる磁気ディスクの耐久性につ
いての検討が行われた結果、このものは耐久性が高いこ
とが判って来た。そして、さらなる開発が鋭意押し進め
られて行った結果、炭化珪素及び炭化硼素の微粒子を複
合成分として含有させたガラス状炭素を主成分としてな
るターゲットを用いて構成した保護膜は、より高硬度な
ものとなっており、かつ、潤滑性にも富み、摺動特性に
優れ、この磁気記録媒体は耐久性が著しく向上したもの
となっており、そしてスパッタリングに際してもコーン
状生成物は出来ず、均質な保護膜が容易に形成されると
いった特長を奏することが判って来た。
【0008】このような知見に基づいて本発明が達成さ
れたものであり、本発明の目的は、耐久性に富む磁気記
録媒体を提供することが出来る技術の提供にある。この
本発明の目的は、ガラス状炭素と、平均粒径が約1μm
以下の炭化珪素と、平均粒径が約1μm以下の炭化硼素
とを含有する複合材料からなる薄膜形成材料であって、
前記ガラス状炭素の含有割合が約40〜98wt%、前
記炭化珪素の含有割合が約1〜60wt%、前記炭化硼
素の含有割合が約0.3〜20wt%であることを特徴
とする薄膜形成材料によって達成される。
【0009】又、20℃での粘度が約1000〜100
00cpsの熱硬化性樹脂の硬化前駆体に、平均粒径が
約1μm以下の炭化珪素及び平均粒径が約1μm以下の
炭化硼素を混合する工程と、硬化させる工程と、不活性
雰囲気下において約1000℃以上の温度で炭化焼成す
る工程とを具備することを特徴とする薄膜形成材料の製
造方法によって達成される。
【0010】又、磁性層上に設けられた薄膜であって、
この薄膜は、含有割合が約40〜98wt%のガラス状
炭素、含有割合が約1〜60wt%の炭化珪素、含有割
合が約0.3〜20wt%の炭化硼素で構成されてお
り、かつ、酸化硼素の含有割合が約1.5wt%以下で
あることを特徴とする薄膜によって達成される。又、磁
性層上に設けられた薄膜であって、この薄膜は、含有割
合が約40〜98wt%のガラス状炭素、含有割合が約
1〜60wt%で、平均粒径が約1μm以下の炭化珪
素、及び含有割合が約0.3〜20wt%で、平均粒径
が約1μm以下の炭化硼素を含有する複合材料を用いた
薄膜形成手段により形成されたものであることを特徴と
する薄膜によって達成される。
【0011】本発明において、薄膜形成材料として、ガ
ラス状炭素のみでなく、炭化珪素(SiC)をも含有す
るものを選んだのは、炭化珪素を例えばターゲット材中
に存在させておくことにより、スパッタリング等の薄膜
形成手段で構成された薄膜中にもSiCが存在すること
になり、摺動特性が良好なガラス状炭素のみの場合に比
べてさらに硬度特性が向上し、その結果CSS耐久性と
いった総合特性に優れたものとなったからである。
【0012】ここで、ターゲット材中に含有させた炭化
珪素の粒子として平均粒径が約1μm(本発明において
は、走査型電子顕微鏡により測定した値)以下の微粒子
を用いたのは、1μmを越えて大きすぎる粒子を用いた
場合には均質な複合材料が得られ難く、従ってスパッタ
リング等の薄膜形成手段で構成された薄膜の均質性が劣
る傾向が有ったからである。尚、好ましくは約0.5μ
m以下、さらに好ましくは約0.1μm以下のSiC微
粒子であることが望ましい。このようなSiC微粒子の
例としては、例えば白水化学(株)製のα−SiC H
F−30(平均粒径0.06μm)、住友セメント
(株)製のβ−SiC T−1(平均粒径0.02μ
m)、三井東圧化学(株)製のβ−SiC(平均粒径
0.2〜0.3μm)、HCST社製のα−SiC A
−20(平均粒径0.6μm)、イビデン(株)製のβ
−SiC ベータランダムUF(平均粒径0.27μ
m)等が挙げられる。尚、炭化珪素の結晶形態はα型の
ものでもβ型のものでも良い。
【0013】そして、このような炭化珪素のターゲット
材中における含有割合を約1〜60wt%のものとした
のは、60wt%を越えて多くなり過ぎるとスパッタリ
ング等の薄膜形成手段で構成された薄膜の硬度が必要以
上に高いものとなり、これでは記録・再生ヘッドの側を
傷付けてしまう恐れが高く、そしてヘッドクラッシュが
引き起こされるようにもなるからである。逆に、1wt
%未満の少なすぎた場合には、硬度の向上が小さく、複
合効果が乏しかったからである。尚、好ましくは約5〜
50wt%のものである。
【0014】本発明において、薄膜形成材料として、ガ
ラス状炭素や炭化珪素ばかりでなく、炭化硼素(B
4 C)をも含有するものを選んだのは、炭化硼素を例え
ばターゲット材中に存在させておくことにより、スパッ
タリング等の薄膜形成手段で構成された薄膜中にもB4
Cが存在することになり、硬度特性が向上し、CSS耐
久性といった総合特性に優れたものとなったからであ
る。かつ、薄膜形成に際して、真空チャンバー内に残留
する酸素分子あるいは酸素原子と選択的に結合してB 2
3 が形成されるようになり、形成された膜の酸化が防
止されるようにもなるからである。さらには、記録・再
生ヘッドとの摺動によって発生する摩擦熱などによる酸
化で薄膜成分のC原子がCOあるいはCO2 として蒸発
するのが抑えられ、薄膜の消失による耐久性の低下とい
ったことも防止されるようになるからである。そして、
引いては、下層の磁性膜の劣下が防止されるようにな
る。
【0015】ここで、ターゲット材中における炭化硼素
の粒子として平均粒径が約1μm以下の微粒子を用いた
のは、1μmを越えて大きすぎる粒子を用いた場合には
均質な複合材料が得られ難く、従ってスパッタリング等
の薄膜形成手段で構成された薄膜の均質性が劣る傾向が
有ったからである。このような微粒子の例としては、例
えばHCST社製のB4 C HS(平均粒径0.8μ
m)等が挙げられる。
【0016】そして、このような炭化硼素のターゲット
材中における含有割合を約0.3〜20wt%のものと
したのは、20wt%を越えて多くなり過ぎると、炭化
珪素成分の含有量との絡みも有るが、スパッタリング等
の薄膜形成手段で構成された薄膜の硬度が必要以上に高
いものとなり、これでは記録・再生ヘッドの側を傷付け
てしまう恐れが高く、そしてヘッドクラッシュが引き起
こされるようになるからである。又、成膜条件によって
は、酸化によって生じたB2 3 が薄膜中に過度に存在
するようになり、摩擦抵抗が高くなり過ぎ、ヘッドクラ
ッシュが引き起こされるようになるからである。逆に、
0.3wt%未満の少なすぎた場合には、薄膜の酸化を
抑制する効果が乏しかったからである。尚、好ましくは
約1〜10wt%のものである。
【0017】本発明の薄膜形成材料として用いられるガ
ラス状炭素は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂
を、そのまま、又はブレンドした後に炭化することによ
り、又、前記の樹脂などを共重合や共縮合により熱硬化
するように変性された樹脂を炭化することにより得られ
る。炭化は、例えば非酸化性雰囲気中において1000
℃以上の温度で熱処理することにより行われる。
【0018】上述の熱硬化性樹脂の硬化前駆体は、20
℃での粘度が約1000〜10000cpsのものが好
ましい。これは、1000cps未満の低すぎるもので
は、複合させた上記のような微粒子が硬化過程で沈降す
る傾向が有り、炭化させて得られた複合材料が均質なも
のとなり難いからである。逆に、10000cpsを越
えた高すぎるものでは、複合化に際して気泡などが混入
すると除去出来にくく、炭化して得られた複合材料内部
に大きな気孔が出来たり、炭化工程で非常に割れ易くな
るからである。
【0019】本発明における好ましい熱硬化性樹脂とし
ては、硬化前の前駆体の状態で20wt%以上の水を含
有することが出来るものである。ここで、「前駆体」と
は、硬化前の樹脂を意味し、原料モノマーを相当量含む
場合もあるが、ある程度付加及び/又は縮合反応が起こ
り、粘度が高くなった樹脂組成物をいう。該熱硬化性樹
脂組成物の特徴は、硬化の際に縮合水のような低沸点物
の溜まりが起こらないことであり、つまり熱硬化性樹脂
が硬化する前の粘度が高くなった初期縮合物の状態で樹
脂が20重量%以上の水を含有することが出来る程度の
親水性を有するようにしておくことにより、低沸点物が
樹脂内(あるいは硬化物内)に閉じ込められても、低沸
点物の溜まりが生ずることがないようになる。この為、
樹脂内(あるいは硬化物内)はより均一なものとなり、
炭化後に得られるガラス状炭素成分による空孔がなくな
るばかりか、微粒子の凝集を防止できるようになる。
尚、より一層に低沸点物を樹脂内に完全に分散溶解さ
せ、かつ、微粒子のより均一分散を図る為には、30w
t%以上の水を含み得る樹脂組成物が望ましい。
【0020】このような熱硬化性樹脂としては変性フェ
ノール・フラン樹脂をベースにした樹脂が好ましい例と
して挙げることが出来、例えば特開昭60−17120
8号公報、特開昭60−171209号公報、特開昭6
0−171210号公報、特開昭60−171211号
公報で開示された熱硬化性樹脂が有る。本発明において
用いられるターゲット材中におけるガラス状炭素の含有
割合を約40〜98wt%のものとしたのは、40wt
%未満の少なすぎる場合には、スパッタリング等の薄膜
形成手段で構成された薄膜の潤滑性が低く、記録・再生
ヘッドとの間の摩擦抵抗が高くなり過ぎ、ヘッドクラッ
シュが引き起こされるようになるからである。逆に、9
8wt%を越えて多すぎると、炭化珪素や炭化硼素との
併用による特長が小さすぎ、充分な耐久性が得られない
からである。尚、好ましくは約50〜98wt%のもの
である。
【0021】そして、上記したような熱硬化性樹脂や微
粒子を所定の形状の型に入れ、加熱等による硬化工程を
経ることにより、所定の形状の薄膜形成材料が得られ
る。このようにして得られた所定形状の樹脂材料を加熱
して炭化させる炭化焼成工程において、不活性雰囲気中
において約1000℃以上、好ましくは約1000〜2
000℃、より好ましくは約1100〜1300℃で熱
処理する。尚、1000℃以下では、ガラス状炭素成分
が充分に緻密化しておらず、内部に水素や酸素も多く残
留しており、好ましいものでない。又、2000℃以下
としたので、ガラス状炭素の黒鉛化が抑えられたものが
得られる。
【0022】ここで、処理工程における不活性雰囲気と
は、酸素を含まず、通常、ヘリウム、アルゴン、窒素等
からなる群より選ばれた少なくとも一種の気体よりなる
雰囲気、あるいは減圧ないしは真空状態のことである。
上記のようにして得られた炭化珪素及び炭化硼素を含有
するガラス状炭素材料を用いて保護膜といった薄膜を構
成する手段としては、該材料をターゲット材料あるいは
蒸着源材料としてスパッタリング、イオンビームスパッ
タリング、蒸着あるいはイオンプレーティング等の薄膜
形成手段が挙げられる。尚、薄膜形成時の雰囲気はCH
4 ,Ar,Krなどの非酸化性雰囲気であることが好ま
しい。
【0023】そして、このようにして得られた薄膜(保
護膜)の組成は、ガラス状炭素の含有割合が約40〜9
8wt%、炭化珪素の含有割合が約1〜60wt%、炭
化硼素の含有割合が約0.3〜20wt%であり、そし
て酸化硼素の含有割合が約1.5wt%以下に抑制され
たものとなっており、このような組成からなる薄膜を磁
性層の保護膜として用いた磁気記録媒体は極めて好まし
い特性を呈するものであった。
【0024】尚、ガラス状炭素の含有割合が約50〜9
5wt%、炭化珪素の含有割合が約5〜50wt%、炭
化硼素の含有割合が約1〜10wt%で、そして酸化硼
素の含有割合が約1.5wt%以下に抑制されたものか
らなる保護膜は、より一層好ましい特性を呈した。以
下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0025】
【実施例】
〔実施例1〕フルフリルアルコール500重量部、92
%パラホルムアルデヒド480重量部および水30重量
部を80℃で攪拌して溶解させ、攪拌下でフェノール5
20重量部、水酸化ナトリウム8.8重量部および水4
5重量部の混合液を滴下した。滴下終了後、80℃で3
時間反応させた。この後、フェノール80重量部、水酸
化ナトリウム8.8重量部および水45重量部の混合液
をさらに滴下し、80℃で4.5時間反応させ、さらに
85℃で3時間反応させた。30℃まで冷却した後に、
60%パラトルエンスルホン酸水溶液で中和した。この
中和物を減圧下で脱水して200重量部の水を除去し、
フルフリルアルコール500重量部を添加混合した。得
られた樹脂の粘度は20℃で1850cpsであり、水
分含有量は12wt%であった。尚、この樹脂が含むこ
とのできる水量を測定したところ31重量%であった。
【0026】この熱硬化性樹脂100重量部に対し、白
水化学(株)製のα−SiC HF−30(平均粒径
0.06μm)20重量部、HCST社製のB4 C H
S(平均粒径0.8μm)2重量部、及び増粘剤(ポリ
エチレングリコール、分子量200万)0.25重量部
を加え、サンドミルで充分に混合分散させた。このよう
にして得られたセラミックス複合材料に対して、パラト
ルエンスルホン酸70重量部、水20重量部、セロソル
ブ10重量部の混合溶液4.0重量部(該複合材料中の
熱硬化性樹脂100重量部に対して)を添加し、十分攪
拌した後、減圧脱泡し、厚さ5mmの型に注入し、次
に、50℃で3時間、さらに80℃で2日間加熱硬化し
た。
【0027】得られた複合樹脂硬化物を炭化収縮率を考
慮して所定のターゲット形状に加工し、有機物焼成炉
(中外炉工業製)に入れ、窒素雰囲気中にて1〜5℃/
時の昇温速度で700℃まで加熱し、さらに0.5mT
orr程度の真空中にて3〜10℃/時の昇温速度で1
200℃まで加熱焼成し、この温度で2時間保持し、こ
の後に冷却した。
【0028】用いた熱硬化性樹脂単体の残炭率、すなわ
ち焼成前後の重量比約50%を考慮すると、得られたガ
ラス状炭素複合材料中のガラス状炭素の含有割合は6
9.4wt%、炭化珪素の含有割合は27.8wt%、
炭化硼素の含有割合は2.8wt%であった。又、炭素
成分はX線回折やラマン分光分析によればガラス状のも
のであった。
【0029】そして、このガラス状炭素複合材料をダイ
ヤモンドツールで加工し、♯500〜♯2000の砥粒
にて研磨してターゲットとした。この後、インライン型
スパッタ装置を用い、かつ、上記したような製造方法で
得られた複合材料からなるターゲットを用いて、Al基
板−Ni・Pメッキ膜−Cr膜(500Å)−CoCr
Ta磁性膜(800Å)からなる磁気ディスクのCoC
rTa磁性膜面上にターゲット材料を用いた保護膜を2
00Å厚形成し、本発明になる磁気ディスクを得た。
【0030】そして、ESCAにより各成分元素のピー
ク強度を測定し、薄膜中の含有割合を算出したところ、
この保護膜中におけるガラス状炭素の含有割合は66.
3wt%、炭化珪素の含有割合は30.2wt%、炭化
硼素の含有割合は2.6wt%、酸化硼素の含有割合は
0.9wt%であった。尚、保護膜形成の為のスパッタ
条件は、基板温度:270℃、Arガス圧:3mTor
rとした。
【0031】〔実施例2〕実施例1において、熱硬化性
樹脂100重量部に対する白水化学(株)製のα−Si
C HF−30(平均粒径0.06μm)を60重量
部、HCST社製のB4 C HS(平均粒径0.8μ
m)を5重量部、及び増粘剤(ポリエチレングリコー
ル、分子量200万)を0.25重量部とした外は同様
に行い、ガラス状炭素の含有割合が43.5wt%、炭
化珪素の含有割合が52.2wt%、炭化硼素の含有割
合が4.3wt%のターゲットを作製した。
【0032】そして、このターゲットを用いて実施例1
と同様にしてCoCrTa磁性膜面上に保護膜を200
Å厚形成した。この保護膜中におけるガラス状炭素の含
有割合は41.2wt%、炭化珪素の含有割合は53.
6wt%、炭化硼素の含有割合は4.2wt%、酸化硼
素の含有割合は1.0wt%であった。
【0033】〔実施例3〕実施例1において、熱硬化性
樹脂100重量部に対する白水化学(株)製のα−Si
C HF−30(平均粒径0.06μm)を1重量部、
HCST社製のB 4 C HS(平均粒径0.8μm)を
0.2重量部、及び増粘剤(ポリエチレングリコール、
分子量200万)を0.25重量部とした外は同様に行
い、ガラス状炭素の含有割合が97.7wt%、炭化珪
素の含有割合が2.0wt%、炭化硼素の含有割合が
0.4wt%のターゲットを作製した。
【0034】そして、このターゲットを用いて実施例1
と同様にしてCoCrTa磁性膜面上に保護膜を200
Å厚形成した。この保護膜中におけるガラス状炭素の含
有割合は97.2wt%、炭化珪素の含有割合は2.3
wt%、炭化硼素の含有割合は0.3wt%、酸化硼素
の含有割合は0.2wt%であった。
【0035】〔実施例4〕実施例1において、熱硬化性
樹脂100重量部に対する白水化学(株)製のα−Si
C HF−30の代わりにHCST社製のα−SiC
A−20(平均粒径0.6μm)を30重量部、HCS
T社製のB4 C HS(平均粒径0.8μm)を20重
量部、及び増粘剤(ポリエチレングリコール、分子量2
00万)を0.25重量部とした外は同様に行い、ガラ
ス状炭素の含有割合が50.0wt%、炭化珪素の含有
割合が30.0wt%、炭化硼素の含有割合が20.0
wt%のターゲットを作製した。
【0036】そして、このターゲットを用いて実施例1
と同様にしてCoCrTa磁性膜面上に保護膜を200
Å厚形成した。この保護膜中におけるガラス状炭素の含
有割合は46.7wt%、炭化珪素の含有割合は32.
1wt%、炭化硼素の含有割合は20.1t%、酸化硼
素の含有割合は1.1wt%であった。
【0037】〔実施例5〕実施例1において、熱硬化性
樹脂100重量部に対する白水化学(株)製のα−Si
C HF−30の代わりに住友セメント(株)製のβ−
SiC T−1(平均粒径0.02μm)を30重量
部、HCST社製のB4 C HS(平均粒径0.8μ
m)を3重量部、及び増粘剤(ポリエチレングリコー
ル、分子量200万)を0.25重量部とした外は同様
に行い、ガラス状炭素の含有割合が58.8wt%、炭
化珪素の含有割合が35.3wt%、炭化硼素の含有割
合が5.9wt%のターゲットを作製した。
【0038】そして、このターゲットを用いて実施例1
と同様にしてCoCrTa磁性膜面上に保護膜を200
Å厚形成した。この保護膜中におけるガラス状炭素の含
有割合は56.4wt%、炭化珪素の含有割合は37.
1wt%、炭化硼素の含有割合は5.7wt%、酸化硼
素の含有割合は0.8wt%であった。
【0039】〔比較例1〕実施例1において、白水化学
(株)製のα−SiC HF−30(平均粒径0.06
μm)及びHCST社製のB4 C HS(平均粒径0.
8μm)を全く添加しない外は同様に行い、ガラス状炭
素製のターゲットを作製した。そして、このターゲット
を用いて実施例1と同様にしてCoCrTa磁性膜面上
に保護膜を200Å厚形成した。
【0040】〔比較例2〕実施例1において、HCST
社製のB4 C HS(平均粒径0.8μm)を全く添加
しない外は同様に行い、ガラス状炭素の含有割合が7
1.4wt%、炭化珪素の含有割合が28.6wt%の
ターゲットを作製した。そして、このターゲットを用い
て実施例1と同様にしてCoCrTa磁性膜面上に保護
膜を200Å厚形成した。
【0041】〔比較例3〕実施例1において、白水化学
(株)製のα−SiC HF−30(平均粒径0.06
μm)を全く添加しない外は同様に行い、ガラス状炭素
の含有割合が96.2wt%、炭化硼素の含有割合が
3.8wt%のターゲットを作製した。そして、このタ
ーゲットを用いて実施例1と同様にしてCoCrTa磁
性膜面上に保護膜を200Å厚形成した。
【0042】〔比較例4〕生コークス100重量部に対
して白水化学(株)製のα−SiC HF−30(平均
粒径0.06μm)を30重量部、HCST社製のB4
C HS(平均粒径0.8μm)を8重量部混合し、1
000Kgf/cm2 の圧力でプレス成形し、これを実
施例1と同様にして加熱焼成し、これを加工してターゲ
ットを作製した。尚、このターゲット中における炭素成
分は、X線回折やラマン分光分析によれば、実施例1〜
5や比較例1〜3のようなガラス状のものではなく、黒
鉛化度の高いものであった。
【0043】そして、このターゲットを用いて実施例1
と同様にしてCoCrTa磁性膜面上に保護膜を200
Å厚形成した。
【0044】
【特性】上記各例で得られた磁気ディスクについて、C
SSテストを行ったので、その結果を表1に示す。 表1 CSSテスト中にディスクに傷が発生、又はヘッドと の摩擦形数が0.5を越えた際のCSS回数 実施例1 80000回以上 実施例2 70000回以上 実施例3 70000回以上 実施例4 70000回以上 実施例5 80000回以上 比較例1 40000回 比較例2 20000回 比較例3 40000回 比較例4 5000回 CSSテスト条件 ヘッド:3380型A12 3 ・TiCヘッド ヘッド荷重:10g CSSテスト1回のサイクル:0rpm〜3600rpm (5sec) 3600rpm (1sec) 3600rpm〜0rpm (5sec) 0rpm (1sec) これによれば、本発明になる薄膜形成材料を用いて構成
された薄膜は、例えば磁気ディスクの保護膜として極め
て優れたものであることが判る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス状炭素と、平均粒径が約1μm以
    下の炭化珪素と、平均粒径が約1μm以下の炭化硼素と
    を含有する複合材料からなる薄膜形成材料であって、前
    記ガラス状炭素の含有割合が約40〜98wt%、前記
    炭化珪素の含有割合が約1〜60wt%、前記炭化硼素
    の含有割合が約0.3〜20wt%であることを特徴と
    する薄膜形成材料。
  2. 【請求項2】 20℃での粘度が約1000〜1000
    0cpsの熱硬化性樹脂の前駆体に、平均粒径が約1μ
    m以下の炭化珪素及び平均粒径が約1μm以下の炭化硼
    素を混合する工程と、硬化させる工程と、不活性雰囲気
    下において約1000℃以上の温度で炭化焼成する工程
    とを具備することを特徴とする薄膜形成材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 磁性層上に設けられた薄膜であって、こ
    の薄膜は、含有割合が約40〜98wt%のガラス状炭
    素、含有割合が約1〜60wt%の炭化珪素、含有割合
    が約0.3〜20wt%の炭化硼素で構成されており、
    かつ、酸化硼素の含有割合が約1.5wt%以下である
    ことを特徴とする薄膜。
  4. 【請求項4】 磁性層上に設けられた薄膜であって、こ
    の薄膜は、含有割合が約40〜98wt%のガラス状炭
    素、含有割合が約1〜60wt%で、平均粒径が約1μ
    m以下の炭化珪素、及び含有割合が約0.3〜20wt
    %で、平均粒径が約1μm以下の炭化硼素を含有する複
    合材料を用いた薄膜形成手段により形成されたものであ
    ることを特徴とする薄膜。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012530188A (ja) * 2009-06-18 2012-11-29 スルザー メタプラス ゲーエムベーハー 保護コーティング、保護コーティングを有するコーティング部材、並びに保護コーティングを製造するための方法

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