JPH06248068A - ポリエーテル化合物および複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法 - Google Patents

ポリエーテル化合物および複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法

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JPH06248068A
JPH06248068A JP6285293A JP6285293A JPH06248068A JP H06248068 A JPH06248068 A JP H06248068A JP 6285293 A JP6285293 A JP 6285293A JP 6285293 A JP6285293 A JP 6285293A JP H06248068 A JPH06248068 A JP H06248068A
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catalyst
metal cyanide
cyanide complex
compound
binder
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Naoki Yoshida
直樹 吉田
Shinsuke Morikawa
真介 森川
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリエーテル製造用の触媒の製造。 【構成】サポナイト粉末の存在下、亜鉛ヘキサシアノコ
バルテートを合成した後、ポリエチレン粉末を混合し、
粉末成形した。この成形された触媒を用い、分子量10
00のポリオールにPOを開環付加反応させてポリエー
テルを得た。 【効果】ポリエーテル製造後、生成ポリエーテルと触媒
の分離が容易かつ効率的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエーテル化合物およ
び複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多価のイニシエータにアルキレンオキシ
ド等の環状エーテル化合物を開環付加して得られるポリ
エーテルポリオールは、ポリウレタンの原料として広く
使用されている。また、ポリエーテルポリオールは界面
活性剤、ブレーキ液等の作動油、ポリウレタン以外の合
成樹脂の原料、その他の用途に直接に、あるいは種々の
化合物等を反応させて使用される。また、モノアルコー
ル等の1価のイニシエータを使用して得られるポリエー
テルモノオールも界面活性剤や作動油、その他の原料と
して同様に使用しうる。
【0003】これらポリエーテル化合物の製造は、触媒
の存在下にイニシエータの水酸基に環状エーテル化合物
を開環付加反応させることにより行われる。水酸基に1
分子の環状エーテル化合物が開環して付加されると、新
たに1個の水酸基が生成するので引続きこの反応が進行
する。
【0004】この反応の触媒として、水酸化カリウムや
水酸化ナトリウム等の強塩基性触媒が広く使用されてい
る。また酸性触媒として、三フッ化ホウ素、塩化アルミ
ニウム、五塩化アンチモン、塩化第二鉄等が知られてい
る。酸性触媒のうち、三フッ化ホウ素エーテレートが特
に有効であり、強塩基性触媒が使用し難い分野、例えば
ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環付加反応の触媒
として使用されている。さらに、有機スズ化合物のよう
な有機金属化合物を触媒に使用する例や、ヘキサフルオ
ロリン酸リチウムを触媒とする例も報告されている。
【0005】また、高分子量ポリエーテル化合物合成触
媒としてある種の複合金属シアン化物錯体も開示されて
いる(米国特許3278457 号、特開昭58-185621 号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの触媒
はいずれも均一系触媒、すなわち触媒が反応物や生成物
に溶解した状態ではじめて活性を発現するものであるた
め、反応終了後の生成したポリエーテル化合物中には添
加した触媒が溶解しており、これを吸着剤等で分離し、
除去、精製しなければならないという欠点を有してい
る。
【0007】また、上記のようにポリエーテル化合物と
分離された触媒成分はもはや使用前の状態とは異なり、
再度反応に使用することができず、繰り返し使用可能な
触媒が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、環状エーテル化合物を単
独であるいはヒドロキシ化合物の存在下で開環付加重合
させてポリエーテル化合物を製造するにあたり、固体担
体に担持された複合金属シアン化物錯体およびバインダ
ーからなる成形された触媒を用いることを特徴とするポ
リエーテル化合物の製造方法を提供する。
【0009】本発明はまた、固体担体の存在下複合金属
シアン化物錯体を合成し、バインダーを添加して成形す
ることを特徴とする、固体担体に担持された複合金属シ
アン化物錯体触媒の製造方法、およびバインダーを用い
て成形された固体担体の存在下複合金属シアン化物錯体
を合成することを特徴とする、固体担体に担持された複
合金属シアン化物錯体触媒の製造方法を提供する。
【0010】本発明に使用される複合金属シアン化物錯
体は下記一般式で表されるものである。 Ma[M'x (CN)y]b (H2 O)c (R)d
【0011】Mとしては、Zn(II)、Fe(II)、Fe(I
II) 、Co(II)、Ni(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、Al
(III) 、Al(IV)、V(V) 、Sr(II)、W(IV)、W(V
I)、Mn(II)、Cr(III) 、Cu(II)、Sn(II)、およ
びPb(II)から選ばれる少なくとも1種を用いることが
好ましい。特にZn(II)またはFe(II)を用いることが
好ましい。
【0012】M' としては、Fe(II)、Fe(III) 、 C
o(II)、Co(III) 、Cr(II)、Cr(III) 、Mn(I
I)、Mn(III) 、Ni(II)、V(IV)、およびV(V) から
選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。特に
Co(III) またはFe(III) を用いることが好ましい。
【0013】Rは有機配位子であり、エーテル、エステ
ル、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミド、ニトリ
ル、およびスルフィドから選ばれる少なくとも1種の配
位子を用いることが好ましい。特にエーテルまたはアル
コールを選ぶことが好ましく、特にエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジメチレングリコールジエチルエー
テル、i−プロピルアルコール、およびt−ブタノール
から選ばれる少なくとも1種の配位子を用いることが好
ましい。
【0014】a,b,xおよびyは、金属の原子価と配
位数により変わる正の整数であり、cおよびdは金属へ
の配位数により変わる正の数である。
【0015】本発明における固体担体としてはイオン交
換性担体が好ましい。イオン交換性担体としては、イオ
ン交換樹脂に代表される有機質のイオン交換体および無
機質のイオン交換体のいずれも使用することができる。
イオン交換性担体は陽イオン交換性担体であることが好
ましい。
【0016】本発明においては反応後のポリエーテル化
合物との分離の容易さの点で、特に無機質の陽イオン交
換体を使用することが好ましい。無機質の陽イオン交換
体としては、沸石、パームチット、ゼオライト、アルミ
ノシリケート、粘土鉱物、リン酸ジルコニウムやタング
ステン酸ジルコニウム等の不溶性の酸性塩等が挙げられ
る。これらのなかでも層状構造を有するものが好まし
い。具体的にはモンモリロナイトやサポナイト等のモン
モリロナイト類、バーミキュライト類等の粘土鉱物が特
に好ましい。
【0017】本発明における固体担体に担持された複合
金属シアン化物錯体は、固体担体の存在下複合金属シア
ン化物錯体を合成することにより製造されることが好ま
しい。しかしこの方法に限られるものではなく、あらか
じめ合成した複合金属シアン化物錯体を固体担体に担持
させることにより製造してもよい。
【0018】本発明における固体担体に担持された複合
金属シアン化物錯体の製造方法の一例は、上記式中のM
をカチオンとするハロゲン化物の水溶液または水と有機
配位子となる有機化合物を溶媒とする溶液に陽イオン交
換体を加え、撹拌下に上記式中のM' を中心金属とする
シアン化物錯アニオンのアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩の水溶液または水と有機配位子となる有機化
合物を溶媒とする溶液を添加した後、余分な溶媒を除去
することによる。
【0019】本発明における固体担体に担持された複合
金属シアン化物錯体の別の製造方法の一例は、陽イオン
交換体を上記式中のMをカチオンとするハロゲン化物の
水溶液を用いて上記式のMのカチオンでイオン交換し、
そのイオン交換した陽イオン交換性担体を水または水と
有機配位子となる有機溶媒の混合液に加え、撹拌下に上
記式中のM’を中心金属とするシアン化物錯アニオンの
アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の水溶液また
は水と有機配位子となる有機溶媒の混合溶媒の溶液を添
加した後、余分な溶媒を除去することによる。
【0020】本発明に用いられるバインダーは、水やイ
ニシエータのヒドロキシ化合物や生成するポリエーテル
化合物に不溶であり、触媒の使用温度範囲(通常120
℃以下)では固体であり、触媒の主要成分である複合金
属シアン化物錯体の分解温度以下で成形可能なものであ
れば、有機バインダーおよび無機バインダーのいずれも
使用することができる。
【0021】有機バインダーの場合は成形体の強度の点
から成形工程において溶融または軟化させることが好ま
しく、融点または軟化点が125〜350℃、好ましく
は130〜250℃のものが用いられる。具体的には、
ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリアセター
ル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド等が用い
られる。無機バインダーとしては、Si、Ti、Al等
のアルコキシドの加水分解物が用いられる。バインダー
としては、ポリオレフィン、ポリアセタールが特に好ま
しい。
【0022】バインダーの添加量は、触媒成形体中の1
0〜90重量%が好ましく、さらには30〜80重量%
が好ましい。10重量%未満では成形体の十分な強度が
得られず使用中に破壊する。90重量%より多いと触媒
活性が著しく低下する。
【0023】バインダーの添加は、複合金属シアン化物
錯体の固体担体への担持の前後のいずれでもよく、すな
わち、固体担体の存在下複合金属シアン化物錯体を合成
した後バインダーを添加、成形して触媒を得てもよい
し、あらかじめバインダーを用いて成形された固体担体
の存在下複合金属シアン化物錯体を合成して触媒を得て
もよい。
【0024】バインダーと複合金属シアン化物錯体を担
持した固体担体または担持していない固体担体との混合
は、粉末同志による乾式混合、分散媒を用いた湿式混
合、バインダー成分を溶解させた溶液を含浸後、脱溶媒
する方法、金属アルコキシドのアルコール溶液中に複合
金属シアン化物錯体を担持した固体担体または担持して
いない固体担体を分散させながら金属アルコキシドを加
水分解させて析出させる方法、等がある。
【0025】このようにして得た混合物を、打錠成形、
押し出し成形、ロール成形等により所望の形状に成形し
た後熱処理を行ってもよく、また、ホットプレスのよう
に成形と熱処理を同時に行ってもよい。
【0026】成形体の形状は、いわゆる触媒反応プロセ
スに使用可能なものであれば特に制限はなく、粒状、球
状、円柱状、円筒状、シート状などいずれも使用するこ
とができ、反応器または反応プロセスによって最も好ま
しい形状が選択される。
【0027】以上のようにして得られた触媒の活性をさ
らに高めるために、この触媒を上記有機配位子Rとして
例示した有機化合物あるいはその有機化合物と水の混合
物中に分散させ、充分に撹拌したのち、余分な液体を除
去するという操作を繰り返し行うこともできる。
【0028】上記の触媒の製造工程は、加熱乾燥工程お
よび成形工程を除いて10℃〜80℃で行うことが好ま
しく、25℃〜60℃で行うことがさらに好ましい。加
熱乾燥は触媒の活性低下を引き起こさないように150
℃以下で行うことが好ましく、余分な水や有機化合物を
除去できる範囲で可能な限り低い温度であることが好ま
しい。成形は使用するバインダーにより必要とされる最
低温度が異なるが、本工程も成形体の強度が充分に得ら
れる範囲で可能な限り低い温度であることが好ましい。
【0029】環状エーテル化合物としては、環内に1個
の酸素原子を有する3〜4員の環状エーテル化合物基を
含む化合物が適当である。特に好ましい化合物は、炭素
数2〜4のハロゲンを含むあるいは含まないアルキレン
オキシドとテトラヒドロフランである。その他、炭素数
5以上の(ハロゲン含有または不含有)アルキレンオキ
シド、スチレンオキシド、グリシジルエーテル、グリシ
ジルエステル、その他のエポキシドも使用しうる。
【0030】特に好ましい(ハロゲン含有または不含
有)アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリ
ン、4,4,4−トリクロロ−1,2−エポキシブタン
である。これら環状エーテル化合物は2種以上併用する
ことができ、その場合、それらを混合して反応させた
り、順次反応させることができる。
【0031】環状エーテル化合物はそれ単独を反応させ
ることができるが、通常はヒドロキシ化合物をイニシエ
ータとし、その水酸基に反応させる。ヒドロキシ化合物
は用途によって種々のヒドロキシ化合物を使用しうる
が、ポリウレタン原料として有用なポリエーテルポリオ
ールは多価のヒドロキシ化合物、すなわちポリヒドロキ
シ化合物が使用される。界面活性剤、その他の用途にお
いてはモノヒドロキシ化合物を使用することもできる。
【0032】ポリヒドロキシ化合物の代表例は多価アル
コールと多価フェノールである。その他、これらにアル
キレンオキシドを付加して得られる目的ポリオール化合
物よりも低分子量のポリエーテルポリオールやポリエス
テルポリオール等の水酸基を有する化合物を使用しう
る。
【0033】好ましいポリヒドロキシ化合物は多価アル
コール、多価フェノール等のポリオール類である。これ
らのポリヒドロキシ化合物はまた、2種以上の混合物で
あってもよい。ポリヒドロキシ化合物には例えば下記の
ものがあるが、これらに限られるものではない。また、
水は2価のポリヒドロキシ化合物の1種である。
【0034】多価アルコール:エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトー
ル、デキストロール、メチルグルコシド、シュクロース
およびこれらにアルキレンオキシドが付加した低分子量
のポリエーテルポリオール。
【0035】多価フェノール:ビスフェノールA、フェ
ノール・ホルムアルデヒド初期縮合物およびこれらにア
ルキレンオキシドが付加した低分子量のポリエーテルポ
リオール。
【0036】モノヒドロキシ化合物としては、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、高級脂肪族アル
コール、その他の1価アルコールやフェノール、アルキ
ル置換フェノール、その他の1価フェノールおよびこれ
らにアルキレンオキシドが付加した低分子量のポリエー
テルポリオール等がある。
【0037】ポリエーテル化合物は通常環状エーテル化
合物、あるいはそれとヒドロキシ化合物との混合物に触
媒を存在させて反応を行い、製造する。また、反応系に
環状エーテル化合物を徐々に加えながら反応を行うこと
もできる。反応は常温下でも起きるが、必要により、反
応系を加熱あるいは冷却することもできる。
【0038】本発明における固体担体に担持された複合
金属シアン化物錯体およびバインダーからなる成形され
た触媒はイニシエータのヒドロキシ化合物や生成するポ
リエーテル化合物への溶解度が極めて低いので、使用量
は特に限定されないが、充分な反応速度を得るためには
ヒドロキシ化合物に対して複合金属シアン化物錯体を1
00ppm以上、好ましくは500ppm以上使用す
る。触媒の反応系への導入は、初めに一括して導入して
もよいし、順次分割して導入してもよい。反応終了後、
生成物と触媒を分離し、その他必要ならば精製を行って
ポリエーテル化合物を得る。生成物と分離した触媒は、
再度使用できる。
【0039】得られるポリエーテル化合物の分子量は特
に限定されるものではない。しかし、常温で液状である
製品がその用途の面から好ましい。例えば、ポリウレタ
ンの原料としては、水酸基価で表して約20〜800の
液状ポリエーテルポリオールが好ましい。他の用途、例
えば作動油の原料等も上記範囲のポリエーテルポリオー
ルが好ましい。
【0040】本発明により得られるポリエーテル化合物
は、それ単独であるいは他のポリオール類と併用してポ
リウレタン原料用のポリオールとして最も適当である。
その他、本発明により得られるポリエーテル化合物は、
それ自身あるいはアルキルエーテル化合物等の他の化合
物と反応させて種々の用途に使用しうる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものでは
ない。
【0042】[実施例1]サポナイト粉末5gを水70
cc、エチレングリコールジメチルエーテル10ccの
混合溶媒に分散させ、塩化亜鉛0.4gを含んだ10c
cの水溶液を添加後、撹拌しながらシアン酸コバルトカ
リウム0.13gを含んだ10ccの水溶液を30分か
けて滴下した。このとき、液の温度は40℃に保った。
1時間撹拌後遠心分離し、固形物を得た。この固形物を
30%エチレングリコールジメチルエーテル水溶液で洗
浄した後さらに遠心分離をして固形物を得、ついでエチ
レングリコールジメチルエーテルで洗浄し遠心分離し
た。得られた固形物を空気中80℃で乾燥し、得られた
塊状固形物を粉砕してシアン酸コバルト亜鉛を含む錯体
を担持したサポナイト粉末を得た。
【0043】この粉末80重量%とポリエチレン粉末
(mp135℃)20重量%の混合物をV字ミキサーで
混合し、錠剤成形器で直径10mmのペレットに成形し
た。このペレットを140℃で2時間熱処理し、破砕
後、分級して粒径1〜2mmの触媒粒子を得た。
【0044】ステンレス製の耐圧オートクレーブ中に、
グリセリンにプロピレンオキシド(以下POと称する)
を付加して得られる分子量1000のポリエーテルポリ
オール100g、PO 10gおよび合成した触媒1g
を窒素雰囲気下に投入した。これを120℃のオイルバ
スに浸漬し、2時間反応させた。その後オートクレーブ
を冷却して反応を停止させ、未反応のPOを回収してP
O反応率を求めた。
【0045】生成物と触媒の混合物を遠心分離した後、
生成ポリエーテルポリオールの一部を70%のメタノー
ル水溶液に溶解し、エリオクロムブラックTを指示薬と
してEDTAによりポリエーテルポリオール中に溶出し
た亜鉛の量を測定した。
【0046】生成物と分離した触媒はエチレングリコー
ルジメチルエーテルで付着した生成物を洗浄し、洗浄液
と分離した後風乾した。この触媒を用い再度上記と同様
のPO開環付加反応を繰り返し行った。このように触媒
を繰り返し使用した際のPO反応率、触媒として仕込ん
だ亜鉛に対するポリエーテルポリオール中に溶出した亜
鉛の比率(亜鉛の溶出率)および触媒の回収率を表1に
示した。
【0047】[比較例1]実施例1と同様にして得られ
たシアン酸コバルト亜鉛を含む錯体を担持したサポナイ
ト粉末を、バインダーであるポリエチレン粉末を添加せ
ずに実施例1と同様にして成形して粒径1〜2mmの触
媒粒子を得た。この触媒粒子を用いて実施例1と同様の
反応を行った結果を表1に示した。実施例1に比較して
触媒回収率の低下が著しかった。
【0048】[実施例2]サポナイト粉末5gを1規定
の塩化亜鉛水溶液250ccに分散させ、80℃で3時
間撹拌し、遠心分離して固形物を得、この固形物を再度
1規定の塩化亜鉛水溶液250ccに分散させ、80℃
で3時間撹拌し、遠心分離して固形物を得た。この固形
物を80℃の水で洗浄して吸着した塩化亜鉛を除去した
後、乾燥して、亜鉛でイオン交換したサポナイトを得
た。粉末状にした上記の亜鉛でイオン交換したサポナイ
トを水70cc、エチレングリコールジメチルエーテル
10ccの混合溶媒に分散させ、撹拌しながらシアン酸
コバルトカリウム0.13gを含んだ10ccの水溶液
を30分かけて滴下した。このとき、液の温度は40℃
に保った。1時間撹拌後遠心分離し、固形物を得た。こ
の固形物を得た後の処理は実施例1と同様に行ってシア
ン酸コバルト亜鉛を含む錯体を担持したサポナイト粉末
を得た。
【0049】この粉末60重量%とポリプロピレン粉末
(mp180℃)40重量%の混合物をヘキサンを分散
媒としてボールミルで湿式混合し、分散媒を除去した
後、錠剤成形器で直径10mmのペレットに成形した。
このペレットを190℃で2時間熱処理し、破砕後、分
級して粒径1〜2mmの触媒粒子を得た。この触媒粒子
を40℃のエチレングリコールジメチルエーテル中で3
0分間撹拌した後濾別して得た触媒粒子を用いて実施例
1と同様の反応を繰り返し行い、PO反応率、亜鉛の溶
出率および触媒の回収率を調べた。結果を表1に示し
た。
【0050】[実施例3]実施例2のサポナイトの代わ
りにモンモリロナイトを用いた以外は、実施例2と同様
にしてシアン酸コバルト亜鉛を含む錯体を担持したモン
モリロナイト粉末を合成した。
【0051】この粉末50重量%とポリアセタール粉末
(mp180℃)50重量%の混合物をヘキサンを分散
媒としてボールミルで湿式混合し、分散媒を除去した
後、錠剤成形器で直径10mmのペレットに成形した。
このペレットを190℃でホットプレスして厚さ1mm
のシート状の成形体を得た。この触媒シート1gを40
℃のエチレングリコールジメチルエーテル中に30分間
浸漬した後取り出して、窒素気流中で乾燥させた。この
ようにして得た触媒シートを用いて実施例1と同様の反
応を繰り返し行い、PO反応率、亜鉛の溶出率および触
媒の回収率を調べた。結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】[実施例4]実施例2と同様に製造したシ
アン酸コバルト亜鉛を含む錯体を担持したサポナイト粉
末25重量%とポリエチレン粉末(mp135℃)75
重量%の混合物をV字ミキサーで混合し、錠剤成形器で
直径10mmのペレットに成形した。このペレットを1
40℃で2時間熱処理し、破砕後、分級して粒径1〜2
mmの触媒粒子を得た。この触媒粒子20gを、ステン
レス製の耐圧オートクレーブ中に、グリセリンにPOを
付加して得られる分子量1000のポリエーテルポリオ
ール800gとともに窒素雰囲気下に投入した。これを
120℃に昇温し、この温度に維持しながらPO 32
00gを連続的に導入した。未反応のPOを減圧下留去
した後、生成物と触媒の混合物をオートクレーブより取
り出し、遠心分離した。生成したポリエーテルポリオー
ルの平均分子量は約4900であり、触媒からポリオー
ルへの亜鉛の溶出率は6.0%で、ポリオール中の亜鉛
濃度は約4ppmであった。
【0054】生成物と分離した触媒はエチレングリコー
ルジメチルエーテルで付着した生成物を洗浄し、洗浄液
と分離した後風乾して、得られた回収触媒19.3g
(回収率96.6%)を用いて上記と同様の反応を実施
した。得られたポリエーテルポリオールの平均分子量は
約5000であり、触媒からポリオールへの亜鉛の溶出
率は14.7%、ポリオール中の亜鉛濃度は約9pp
m、触媒回収率は96.6%であった。
【0055】
【発明の効果】本発明のポリエーテルポリオールの製造
に使用する触媒は不均一系触媒であり、ポリオールに溶
解しないので精製が不要で、生成したポリオールと触媒
の分離が従来に比較して容易かつ効率的に行うことがで
きるという効果を有する。また、分離して得た触媒を再
利用することにより、触媒単位量あたりの反応量を著し
く向上させることができるという効果も有する。さらに
は、触媒を充填した反応管に反応物を連続的に供給する
ことにより、経済的に有利な連続合成プロセスを可能に
するという効果も有する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状エーテル化合物を単独であるいはヒド
    ロキシ化合物の存在下で開環付加重合させてポリエーテ
    ル化合物を製造するにあたり、固体担体に担持された複
    合金属シアン化物錯体およびバインダーからなる成形さ
    れた触媒を用いることを特徴とするポリエーテル化合物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】固体担体が、イオン交換性担体である、請
    求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】イオン交換性担体が、陽イオン交換性担体
    である、請求項2の製造方法。
  4. 【請求項4】陽イオン交換性担体が、無機質の陽イオン
    交換体である、請求項3の製造方法。
  5. 【請求項5】陽イオン交換性担体が、層状構造を有する
    無機質の陽イオン交換体である、請求項3の製造方法。
  6. 【請求項6】バインダーが、ポリオレフィンまたはポリ
    アセタールである、請求項1の製造方法。
  7. 【請求項7】環状エーテル化合物が、炭素数2〜4のア
    ルキレンオキシドである、請求項1の製造方法。
  8. 【請求項8】固体担体の存在下複合金属シアン化物錯体
    を合成し、バインダーを添加して成形することを特徴と
    する、固体担体に担持された複合金属シアン化物錯体触
    媒の製造方法。
  9. 【請求項9】バインダーを用いて成形された固体担体の
    存在下複合金属シアン化物錯体を合成することを特徴と
    する、固体担体に担持された複合金属シアン化物錯体触
    媒の製造方法。
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