JPH06245929A - 透視撮影装置 - Google Patents

透視撮影装置

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JPH06245929A
JPH06245929A JP5037860A JP3786093A JPH06245929A JP H06245929 A JPH06245929 A JP H06245929A JP 5037860 A JP5037860 A JP 5037860A JP 3786093 A JP3786093 A JP 3786093A JP H06245929 A JPH06245929 A JP H06245929A
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Masahito Nakamura
雅人 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 管球の斜入状態を変化させてもX線ビーム中
心と注目部位との一致状態が常に自動的に得られる透視
撮影装置を提供することにある。 【構成】 管球3の斜入角に対応させてスポット撮影装
置全体を移動させ、これにともない管球3を天板4の長
手方向に移動させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天板上の被検者に対し
X線等の放射線を曝射して透視撮影を行える透視撮影装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の透視撮影装置として、例
えば図21に概略構成で示すように、X線を曝射する管
球101が天板102上の被検者Pに対し斜め方向から
X線を曝射し得るように管球101を斜入させる管球斜
入機構103を持つスポット撮影装置104と、このス
ポット撮影装置104を天板102を支える寝台105
の長手方向に移動させるスポット長手動機構106とを
有するものがある。
【0003】従来、このような透視撮影装置において、
管球斜入機構103とスポット長手動機構106とは各
々独立した機能と考えられていた。そのため、管球斜入
機構103による管球101の斜入動作(図22参照)
と、スポット長手動機構106によるスポット撮影装置
104の天板(寝台)長手方向への移動(図23参照)
とは、各々単独の操作スイッチのスイッチ操作に応じて
別々に行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常、
スポット斜入機構の回転中心は、スポット撮影装置の受
像面(フィルム面)と一致させている。このため、図2
4に示す関係で管球101の斜入角θが大きくなるにつ
れて注目部位がイメージインテンシファイア(I.
I.)107の中心から外れていき、これにともないモ
ニタ中心から注目部位が外れていくことになる。
【0005】また、フィルムチェンジャと組合せた撮影
の場合、図25,26に示すように天板102の下に台
車109に載せたフィルムチェンジャ108を配置する
ため、撮影部位及びフィルムチェンジャの位置決めを光
照射野で行うことになり、その作業はたいへん面倒であ
った。
【0006】更に、被検者について断層撮影を行う場
合、断層撮影用の機構が別に必要であった。
【0007】本発明は、上記した事情に着目してなされ
たものであり、その第1の目的とするところは、管球の
斜入状態を変化させてもX線ビーム中心と注目部位との
一致状態が常に自動的に得られる透視撮影装置を提供す
ることである。第2の目的とするところは、フィルムチ
ェンジャを用いて透視,撮影を行う際、撮影中心とフィ
ルム中心との一致状態が常に自動的に得られる透視撮影
寝台を提供することにある。第3の目的とするところ
は、特別な断層撮影機構を設けることなく被検者を断層
撮影することができる透視撮影装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の第1及び第2の発明は各々次のように
構成される。
【0009】即ち、本発明の第1発明は、天板上の被検
者に対し斜め方向から放射線を曝射し得るように放射線
源を斜入させる線源斜入機構を持つ透視撮影部と,前記
天板の長手方向に前記透視撮影部を移動させる撮影部長
手動機構とを備え、前記線源斜入機構と前記撮影部長手
動機構との連動により前記線源斜入機構による前記放射
線源の斜入角に対応させて前記撮影部長手動機構による
前記透視撮影部の移動量を変化させることを特徴とす
る。
【0010】また、本発明の第2発明は、天板上の被検
者に対し斜め方向から放射線を曝射し得るように放射線
源を斜入させる線源斜入機構を持つ透視撮影部と、前記
天板の長手方向に該天板を移動させる天板長手動機構と
を備え、前記線源斜入機構と前記天板長手動機構との連
動により前記線源斜入機構による前記放射線源の斜入角
に対応させて前記天板長手動機構による前記天板の移動
量を変化させることを特徴とする。
【0011】上記第2の目的を達成するため、本発明の
第3発明は、放射線を曝射する放射線源をその焦点を中
心として回転させる線源回転機構及び前記放射線源が天
板上の被検者に対し斜め方向から放射線を曝射し得るよ
うに前記放射線源を斜入させる線源斜入機構を持つ透視
撮影部と、前記天板の長手方向に前記透視撮影部を移動
させる撮影部長手動機構とを備え、前記透視撮影部にお
ける前記天板の長手方向の一方の側面に血管造影撮影用
のフィルムチェンジャを搭載して該フィルムチェンジャ
と前記透視撮影部とに幾何学的な関連性を持たせるとと
もに、前記撮影部長手動機構と、前記線源斜入機構と、
前記線源回転機構との連動により、前記天板上の被検者
に対する透視位置と撮影位置とを一致させることを特徴
とする。
【0012】上記第3の目的を達成するため、本発明の
第4発明は、天板上の被検者に対し斜め方向から放射線
を曝射し得るように放射線源を斜入させる線源斜入機
構、天板上の被検者に対する前記放射線源の遠近を調整
する線源前後動機構及び前記天板の長手方向に前記透視
撮影部を移動させる撮影部長手動機構とを備え、前記撮
影部長手機動構と、前記線源斜入機構と、前記線源前後
動機構との連動により、前記透視撮影部における受像部
と放射線源とを前記天板上の被検者の撮影対象断面を中
心に互いに逆方向に平行移動させることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の第1発明による透視撮影装置であれ
ば、線源斜入機構による放射線源の斜入角に対応して撮
影部長手動機構による透視撮影部の移動量が変化するよ
うに線源斜入機構と撮影部長手動機構とを連動させるの
で、放射線源の斜入角が変化して放射線曝射の中心と、
被検者の注目部位がずれても、これらが補正されるよう
に透視撮影部が移動される。従って、放射線源がX線を
曝射する管球であり、透視撮影部がスポット撮影装置の
例の場合には、管球の斜入状態が変化されても放射線ビ
ーム中心と注目部位との一致状態が常に自動的に得られ
ることになる。
【0014】また、第2発明による透視撮影装置であれ
ば、線源斜入機構よる放射線源の斜入角に対応して天板
長手動機構による天板の移動量が変化するように線源斜
入機構と天板長手動機構と連動させるので、放射線源の
斜入角が変化して放射線曝射の中心と、被検者の注目部
位がずれても、これらが補正されるように天板が移動さ
れる。従って、放射線源がX線を曝射する管球であり、
透視撮影部がスポット撮影装置の例の場合には、上記第
1発明の場合と同様に、管球の斜入状態が変化されても
X線ビーム中心と注目部位との一致状態が常に自動的に
得られることになる。
【0015】更に、第3発明による透視撮影装置であれ
ば、フィルムチェンジャと透視撮影部とに幾何学的な関
連性を持たせるとともに、天板上の被検者に対する透視
位置と撮影位置とが一致するように撮影部移動機構と、
線源斜入機構と、線源回転機構とを連動させるので、透
視にて撮影部位を確認後、フィルムチェンジャの撮影中
心をその確認位置に自動的に一致させることができる。
従って、放射線源が管球であり、透視撮影部がスポット
撮影装置の例の場合でも同様の一致を自動的に得ること
ができる。
【0016】また更に、第4発明による透視撮影装置で
あれば、透視撮影部における受像部分と放射線源とが天
板上の被検者の撮影対象断面を中心に互いに逆方向に平
行移動するように、撮影部長手動機構と、線源斜入機構
と、線源前後動機構とを連動させるので、特別な断層撮
影機構を別途設けることなく、天板上の被検者に対して
ある仮想点を中心にプラニー方式の断層撮影を行える。
従って、放射線源が管球であり、透視撮影部がスポット
撮影装置の例の場合でも、同様にプラニー方式の断層撮
影を行える。
【0017】
【実施例】図1は、本発明が適用された第1実施例の透
視撮影装置の全体正面図、図2はその透視撮影装置の側
面図である。
【0018】この第1実施例の透視撮影装置は、大別す
るとスポット撮影装置1と寝台2とからなる。スポット
撮影装置1は、X線を曝射する管球3が天板4上の被検
者(ここでは不図示)に対し斜め方向からX線を曝射し
得るように管球3を斜入させる管球斜入機構5を備えて
いる。この管球斜入機構5は、回転中心をスポット撮影
装置1の受像面(フィルム面)のX点として回転自由な
構造の支柱6と、この支柱6内に内蔵されるモータ7,
ベルト8,減速機9からなる駆動手段と、この駆動手段
の動力で支柱6をX点中心に回転動作させるために、減
速機9の出力軸に設けた歯車11及びこの歯車11に噛
合わせる歯型部材12を備えている。従って、モータ7
を駆動することにより管球3を支柱6ごと傾ける管球斜
入を行えるものである。
【0019】一方、寝台2は、天板4を支える構造のも
のであって、天板4の長手方向(寝台2の長手方向)に
スポット撮影装置1を移動させるためにスポット長手動
機構13を備えている。このスポット長手機構13は、
ガイドレール14によりスポット撮影装置1を天板(寝
台)の長手方向に移動可能に保持し、この状態でモータ
15を駆動することによりベルト16を介して減速機1
7にその駆動を伝えるようにし、また減速機17の出力
軸に設けたスプロケット18によりチェーン19を介し
てスポット撮影装置1に結合している。従って、このス
ポット長手動機構8によりスポット撮影装置1を天板4
の長手方向に移動できる。なお、図1,図2中、20は
I.I.である。
【0020】更に、スポット撮影装置1に設けた管球斜
入機構5と、寝台2に設けたスポット長手動機構8とを
以下述べるように連動させるものとしている。
【0021】スポット斜入機構5により天板4上の被検
者に対し管球3を斜入させるスポット斜入を行うと、従
来の如くスポット斜入機構とスポット長手動機構との連
動がない場合、図3の如く、スポット斜入がフィルム2
0aと一致した点Xを回転中心として行われるため、被
検者Pの注目部位とI.I.20の中心は、X線ビーム
中心と一致しなくなる。既知の技術では、X線ビーム中
心にI.I.20の中心が一致するように、図4の如く
I.I.20を2点鎖線の位置まで移動させていた。と
ころが、ここのままではX線ビーム中心と注目部位は一
致できず、例えばフィルムからlの距離にある部位はl
×tanθだけズレることになる。
【0022】そこで本実施例にあっては、管球斜入動と
同時に、スポット上下動によりスポット撮影装置1を天
板4の長手方向に管球3の斜入角に対応させて移動させ
るものである。即ち、図5のようにスポット斜入動と同
時にl×tanθだけ被検者Pの足側に管球3及びI.
I.20を移動させるスポット上下動(スポット長手動
機構8によるスポット撮影装置1の天板4の長手方向へ
の移動)を行うものである。
【0023】本実施例の一例では、図5に示す関係が得
られるように管球斜入機構5とスポット長手動機構6と
を連動させるため、図6に示すように制御系を構築し
た。即ち、図6において、21は管球斜入機構5の制御
部、22はスポット長手動機構13の制御部であり、こ
れらの制御部21,22をシステム全体の制御中枢とな
るホストCPU23からの指令で関連を持たせて制御動
作させるとともに、ホストCPU23では、操作パネル
24の操作内容を受付けて制御部21,22に対する指
令を出すことができる。この場合、操作者により操作パ
ネル24上で天板から注目部位までの距離hについての
入力がなされると、ホストCPU23は管球3の斜入角
θと距離hとの関係から距離lとl×tanθとを演算
で求め、制御部21に対し管球3の斜入角をθとすべき
旨の制御指令を出すと同時に、制御部22に対してl×
tanθの関係が得られるようにスポット撮影装置1を
天板の長手方向へ移動すべき旨の制御指令を出す。こう
して被検者Pのいかなる部位も管球斜入によりモニタ中
心から外れないように斜入操作することができる。
【0024】図7は、本発明が適用された第2実施例の
透視撮影装置の側面図である。
【0025】この第2実施例の透視撮影装置は、上記の
第1実施例について説明した図1及び図2の各部の他
に、図7に示す如く寝台2に天板4を天板の長手方向に
移動させるための天板長手動機構31を備えている。こ
の天板長手動機構31は、モータ32からベルト33を
介して減速機34に駆動を伝えることにより、天板の長
手方向に天板4を移動させるものである。即ち、減速機
34の出力軸には歯車35とスプロケット36とが付い
ており、歯車35が歯車37に噛合されているので、天
板4の左右に配設された天板レール38内にあるスプロ
ケット39を同期させて駆動させることにより、歯車3
7と同一軸のスプロケット37aからチェーン40を介
して天板レール38内のスプロケット39に駆動を伝
え、スプロケット39にて回動されるチェーンにより天
板4をその長手方向に移動させることができるものであ
る。
【0026】このように寝台2に天板長手動機構31を
設けておくことにより、上記の第1実施例で動作させて
いたスポット長手動機構の代りに天板長手動機構31を
図1,図2で説明した管球斜入機構5と連動させる。即
ち、図8のように、管球斜入動と同時に、天板4をその
長手方向へ管球3の斜入角に対応させて移動させるもの
である。この場合、管球斜入動と同時にl×tanθだ
け天板4がその長手方向に移動するため、図5に示した
第1実施例の関係と等価となる。
【0027】図9は、本発明が適用された第3実施例の
透視撮影装置の概略を示す全体正面図である。
【0028】この第3実施例の透視撮影装置は、上記第
1実施例について説明した図1及び図2の各部を基本的
に備えている。更に、スポット撮影装置1における天板
4の長手方向の一方の側面に血管造影撮影用のフィルム
チェンジャ41を搭載してこのフィルムチェンジャ41
と管球撮影装置1とに幾何学的な関連性を持たせるとと
もに、スポット長手動機構13と、管球斜入機構5と、
図10及び図11に示すような管球回転機構42との連
動により、天板4上の被検者(ここでは不図示)に対す
るI.I.20による透視位置とフィルムチェンジャ4
1による撮影位置とを一致させる。なお、図10及び図
11に図示される管球回転機構42において、モータ4
3の駆動力はベルト44を介して減速機45に入り、歯
車付きの出力軸46に伝達される。この出力軸46の歯
車は、管球焦点と中心を同じくする歯車47と噛ってい
る。よって、モータ43を駆動することにより、管球3
の焦点を中心に管球3を回転させることができる。
【0029】図12,図13,図14に本実施例の透視
撮影装置での一連の動きを示す。通常、I.I.透視と
スポット撮影においては、図12の状態にある。つま
り、フィルムチェンジャ41はパーク位置にある。次に
血管造影などフィルムチェンジャ撮影が必要な場合、図
13にようにフィルムチェンジャ41をセット位置に配
置する。この状態でI.I.20による透視により撮影
位置を決める。次に撮影モードに入ることによりスポッ
ト長手動機構13によるスポット上下動(天板4に沿う
方向への管球の移動)、管球斜入機構5による管球斜入
(管球の斜入動作)、管球回転機構42による管球回転
が連動し、図14のように先に決めた撮影位置にX線中
心をもってくることができる。
【0030】つまり、スポット長手動機構13によるス
ポット上下はXmm、斜入及び管球の各回転はθ度回転
し、I.I.による透視により決めた撮影位置にフィル
ムチェンジャ41の撮影中心を自動的に一致させること
ができる。さて、ここで、フィルムチェンジャ41のセ
ット動作の機構を説明する。図15,図16にそのセッ
ト動作機構の詳細構成図を示す。モータ48の駆動力
は、ベルト49を介して減速機50に入り、歯車付きの
出力軸51に伝達される。この出力軸51の歯車はラッ
クレール52と噛合っている。ラックール52は長手方
向へ移動自在にガイドローラ53にて保持されている。
ラックレール52の一端には回転自在にリンクプレート
54がピン結合されており、そのリングプレート54の
他端はフィルムチェンジャ支持アーム55に同様にピン
結合されている。フィルムチェンジャ支持アーム55
は、スポット撮影位置1に固定された支持アーム56に
ピン結合されている。
【0031】このような構成において、モータ48を駆
動するとラックレール52が左に移動し、それによりリ
ングプレート54がフィルムチェンジャ支持アーム55
を押し上げフィルムチェンジャ41をセット位置に配置
させる。なお、図17に示すように駆動歯車57に大歯
車58を噛合せ、大歯車58による回転動作でフィルム
チェンジャ支持アーム55を引き上げフィルムチェンジ
ャ41をセット位置に配置させるようにセット動作機構
を構築してもよい。
【0032】図18は、本発明が適用された第4実施例
の透視撮影装置の概略を示す全体正面図である。
【0033】この第4実施例の透視撮影装置は、上記第
1実施例について説明した図1及び図2の各部を基本的
に備えている。更に、スポット長手動機構13と、管球
斜入機構7と、図19に示すようにアーム6に内蔵され
た管球前後動機構61との連動により、スポット撮影装
置1におけるフィルム面と管球3とを天板4上の被検者
Pの撮影対象断面を中心に天板に沿って互いに逆方向に
平行移動させる。これによりある仮想点を中心にプラニ
ー方式の断層撮影を行う。なお、図19に示される管球
前後動機構61において、モータ62の駆動力はベルト
63を介してボールスクリュー64に伝達される。この
ボールスクリュー64は、管球保持フレーム65に固定
されたナット66と噛合っている。また、管球保持フレ
ーム65はガイドレール67により前後方向移動可能に
保持されている。よって、モータ62を駆動することに
より管球3を前後方向に(天板4上の被検者Pに対する
管球3の遠近を調整と得るように)移動させることがで
きる。
【0034】本実施例によりある仮想点を中心にプラニ
ー方式の断層撮影を行う場合の原理図を図20に示す。
【0035】図20において、位置Aを管球3とフィル
ム70とのセット位置とすると、管球3が位置A,位置
B,位置C,位置Dの順番で移動するにともない、管球
焦点と仮想点Q及びフィルム中心が常に一直線上にあれ
ば、撮影対象断面部分の放射線はフィルムに対し、幾何
学的に移動が無く、他の部分では移動が生じるようにし
て不要部分をぼかすことにより達成されるプラニー方式
の断層撮影による断層写真が得られる。この時、点Qを
含む平面が撮影対象断面となる。
【0036】例えば図20において、位置Aから位置B
へと管球3が移動する際、位置Aでの斜入角がθ0 であ
り、位置Bでは斜入角がθとなったとする。この時、X
線焦点と点Q及びフィルム中心が一直線上に並ぶために
は、スポット長手動機構によるスポット上下動(天板4
に沿う方向への管球の移動)が距離xだけ移動すればよ
い。距離xの値は数学的に求められ次式の通りとなる。
【0037】x=l1 ×(tanθ0 −tanθ) 但し、l1 :点Qからフィルム移動軌跡位置までの垂線
が示す距離 また、位置Aから位置Bへ管球3が移動する時,管球3
を天板4と平行な軌跡をとらなければならない。このた
めには、管球前後動にて管球3を距離S移動させなけれ
ばならない。この距離Sの値も数学的に求められ次式の
通りとなる。
【0038】 S=l2 ×(1/cosθ0 −1/cosθ) 但し、l2 :管球移動軌跡位置からフィルム移動軌跡位
置までの垂線が示す距離 以上により斜入角θに応じたスポット長手動機構による
スポット上下、管球前後動機構による管球前後に対する
必要移動距離が求められる。即ち、これらの関係を満す
ように3つの動きを制御することにより、プラニー方式
にて断層像を得る撮影を行える。なお、撮影対象断面の
スライス位置を変えるにはxの値、即ち、l1 を変えれ
ばよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の第1及び第
2発明によれば、管球の斜入状態が変化されても放射線
ビーム中心と注目部位との一致状態が常に自動的に得ら
れるので、常にモニタ中心から観察部位がズレることが
なくなり、診断効率が上がる。
【0040】第3発明によれば、フィルムチェンジャと
組合せた撮影の場合に、透視にて撮影部位を確認後、フ
ィルムチェンジャの撮影中心を透視にて確認した撮影部
位に自動的一致させることができるため、煩しい位置決
め作業が不要となり、診断効率が上がる。
【0041】第4発明によれば、管球の斜入、スポット
上下動、管球の前後動を連動させるだけでプラニー方式
の断層撮影を行えるので、プラニー方式を実施するため
の特別な断層撮影機構を必要とせず、断層撮影可能な透
視撮影装置をコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された第1実施例の透視撮影装置
の全体正面図である。
【図2】本発明が適用された第1実施例の透視撮影装置
の側面図である。
【図3】管球斜入と注目部位との関係を説明するために
用いた図である。
【図4】管球斜入時における従来の問題点を説明するた
めに用いた図である。
【図5】管球斜入時における本発明の第1実施例の動作
を説明するために用いた図である。
【図6】本発明の一実施例で管球斜入機構とスポット長
手動機構とを連動させる制御系の一例を示すブロック図
である。
【図7】本発明が適用された第2実施例の透視撮影装置
の側面図である。
【図8】管球斜入時における本発明の第2実施例の動作
を説明するために用いた図である。
【図9】本発明が適用された第3実施例の透視撮影装置
の概略を示す全体正面図である。
【図10】本発明の第3実施例に備わる管球回転機構の
上面図である。
【図11】本発明の第3実施例に備わる管球回転機構の
側面図である。
【図12】本発明の第3実施例での一連の動きを説明す
るために用いた図である。
【図13】本発明の第3実施例での一連の動きを説明す
るために用いた図である。
【図14】本発明の第3実施例での一連の動きを説明す
るために用いた図である。
【図15】本発明の第3実施例で備わるフィルムチェン
ジャの動作機構のパーク状態を示す機構図である。
【図16】本発明の第3実施例で備わるフィルムチェン
ジャの動作機構のセット状態を示す機構図である。
【図17】フィルムチェンジャの動作機構の変形例を示
す機構図である。
【図18】本発明が適用された第4実施例の透視撮影装
置の概略を示す全体正面図である。
【図19】本発明の第4実施例に備わる管球前後動機構
の側面図である。
【図20】本発明の第4実施例の構成でプラニー方式の
断層撮影を行う場合の原理図である。
【図21】従来の透視撮影装置の概略を示す正面図であ
る。
【図22】管球斜入動を示す図である。
【図23】スポット上下動を示す図である。
【図24】従来における管球斜入時を説明するために用
いた図である。
【図25】従来におけるフィルムチェンジャとの組合せ
例を説明するために用いた図である。
【図26】従来におけるフィルムチェンジャとの組合せ
例を説明するために用いた図である。
【符号の説明】
1 スポット撮影装置 2 寝台 3 管球 4 天板 5 管球斜入機構 6 支柱 7 モータ 8 ベルト 9 減速機 11 歯車 12 歯型部材 13 スポット長手動機構 14 ガイドレール 15 モータ 16 ベルト 17 減速機 18 スプロケット 19 チェーン 20 I.I. 21 制御部 22 制御部 23 ホストCPU 24 操作パネル 31 天板長手動機構 32 モータ 33 ベルト 34 減速機 35 歯車 36 スプロケット 37 歯車 38 天板レール 39 スプロケット 40 チェーン 41 フィルムチェンジャ 42 管球回転機構 43 モータ 44 ベルト 45 減速機 46 出力軸 47 歯車 48 モータ 49 ベルト 50 減速機 51 出力軸 52 ラックレール 53 ガイドローラ 54 リンクプレート 55 フィルムチェンジャ支持アーム 56 支持アーム 61 管球前後動機構 62 モータ 63 ベルト 64 ボールスクリュー 65 管球保持フレーム 66 ナット 67 ガイドレール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天板上の被検者に対し斜め方向から放射
    線を曝射し得るように放射線源を斜入させる線源斜入機
    構を持つ透視撮影部と、前記天板の長手方向に前記透視
    撮影部を移動させる撮影部長手動機構とを備え、 前記線源斜入機構と前記撮影部長手動機構との連動によ
    り前記線源斜入機構による前記放射線源の斜入角に対応
    させて前記撮影部長手動機構による前記透視撮影部の移
    動量を変化させることを特徴とする透視撮影装置。
  2. 【請求項2】 天板上の被検者に対し斜め方向から放射
    線を曝射し得るように放射線源を斜入させる線源斜入機
    構を持つ透視撮影部と、前記天板の長手方向に該天板を
    移動させる天板長手動機構とを備え、 前記線源斜入機構と前記天板長手動機構との連動により
    前記線源斜入機構による前記放射線源の斜入角に対応さ
    せて前記天板長手動機構による前記天板の移動量を変化
    させることを特徴とする透視撮影装置。
  3. 【請求項3】 放射線を曝射する放射線源をその焦点を
    中心として回転させる線源回転機構及び前記放射線源が
    天板上の被検者に対し斜め方向から放射線を曝射し得る
    ように前記放射線源を斜入させる線源斜入機構を持つ透
    視撮影部と、前記天板の長手方向に前記透視撮影部を移
    動させる撮影部長手動機構とを備え、前記透視撮影部に
    おける前記天板の長手方向の一方の側面に血管造影撮影
    用のフィルムチェンジャを搭載して該フィルムチェンジ
    ャと前記透視撮影部とに幾何学的な関連性を持たせると
    ともに、前記撮影部長手動機構と、前記線源斜入機構
    と、前記線源回転機構との連動により、前記天板上の被
    検者に対する透視位置と撮影位置とを一致させることを
    特徴とする透視撮影装置。
  4. 【請求項4】 天板上の被検者に対し斜め方向から放射
    線を曝射し得るように放射線源を斜入させる線源斜入機
    構、天板上の被検者に対する前記放射線源の遠近を調整
    する線源前後動機構及び前記天板の長手方向に前記透視
    撮影部を移動させる撮影部長手動機構とを備え、 前記撮影部長手動機構と、前記線源斜入機構と、前記線
    源前後動機構との連動により、前記透視撮影部における
    受像部分と放射線源とを前記天板上の被検者の撮影対象
    断面を中心に互いに逆方向に平行移動させることを特徴
    とする透視撮影装置。
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