JPH06242406A - 眼鏡フレーム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼鏡フレームのテンプルとテンプル側蝶番の
製造、組付けの簡単化、及びイオンプレーティング等の
表面処理の簡単化を図る。 【構成】 テンプルの蝶番取付け側に、長溝と嵌合レー
ル部と止め穴とを設ける一方、長溝と嵌合レール部とね
じ穴とストッパー溝とを有するバネケースを設けると共
に、ストッパーボルトと、スプリングと、ストッパーと
を設け、ボルトの軸部にスプリングとストッパーを嵌装
した状態でねじ部をテンプル側蝶番の基部にねじ止め
し、ストッパーをバネケースのストッパー溝に係合させ
た状態でテンプルにバネケースを固定して、テンプル側
蝶番の基部をテンプルとバネケースの長溝でスライド自
在に支持して組付け、テンプルを所定位置から外方に開
くとき、スプリングを圧縮しながらテンプルがテンプル
側蝶番の基部をスライドする構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡フレームに関し、
詳しくは、レンズ保持用リムに一端が固定された智と該
智の他端に蝶番で連結されるテンプルからなる眼鏡の側
部のフレームに関し、特に、眼鏡をかける時にテンプル
を所定の開放位置より更に外方へ開くことが出来るよう
にして、眼鏡をかけやすくし、更にテンプルのこめかみ
部分等への当たりを柔らかくして良好な装着感を得るよ
うにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のテンプルを所定位置より
外方へ開くことが出来るようにした眼鏡フレームとし
て、図６及び図７に示すように、レンズ１を保持するリ
ム２に金具３を介して智４の一端を固定し、該智４の他
端にテンプル５をバネ蝶番６を介して連結したものが提
案されている。

【０００３】詳しくは、上記バネ蝶番６の部分は、テン
プル５にケース５ａをロー付けにより固定する一方、テ
ンプル側蝶番６ａ、バネ７ａ、バネ受け片７ｂからなる
摺動セットを上記ケース５ａの内部に摺動自在に挿入
し、ケース５ａの一側壁よりテンプル側蝶番６ａの長穴
にピン８を貫通させて、ケース５ａ及びテンプル５をテ
ンプル側蝶番６ａに対してスライドしながら、所定位置
よりさらに外方へ開くようにしている。

【０００４】上記従来例では、テンプル５のケース５ａ
の内部に、バネ７ａ、バネ受け片７ｂ、テンプル側蝶番
６ａを収納した摺動セットを装着するため、上記ケース
５ａの形状が非常に長くなると共に厚くなって、全体的
に大きくなり、美観を損なうと共に眼鏡が重くなる欠点
がある。さらに、ケース５ａとテンプル５との接続長さ
が大となるため、ロー付け等の作業時間が増加する。ま
た、ケース５ａをテンプル５にロー付けしているため、
この状態で湿式メッキ、塗装、イオンプレーティング等
の表面処理をを行う場合には、ケース５ａ内に残った油
分等の汚れによって、製品やメッキ液、処理装置等に悪
影響を及ぼす欠点がある。

【０００５】上記問題に対して、図８(Ａ)(Ｂ)に示すよ
うに、テンプル５″及びテンプル側蝶番６ａ″にあり溝
５ｂ″,６ａ″−１を対向して設け、これらあり溝５
ｂ″,６ａ″−１を工字形状の前後駒部材１０ａ″,１０
ｂ″を介して接続し、これら駒部材１０ａ″,１０ｂ″
の間に圧縮スプリング７ａ″を介在させ、かつ、前側駒
部材１０ａ″をテンプル５″の外方からナット９″によ
り締め付けて固定する眼鏡フレームが提供されている。
(特開昭６１−１７６９０８）

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図８に
示す従来例では、テンプル側のあり溝と後側駒部材がス
ライド面となるため、精密な加工が必要となり、加工上
のトラブルが発生しやすい。

【０００７】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、眼鏡フレームのテンプルと智とを連結するバネ蝶番
の構造を改良して、製造、組付けの簡単化、及び湿式メ
ッキ、塗装、イオンプレーティング等の表面処理の簡単
化を図り、かつ、美観及び装着感の良い眼鏡フレームを
提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、眼鏡のテンプルと智とをバネ蝶番により
連結し、テンプルを閉鎖位置から所定の開放位置に回転
自在とすると共に、該所定の開放位置から更に外方へ開
くことが出来るようにした眼鏡のフレームであって、上
記テンプルの蝶番取付け側に、長溝と、該長溝の両側方
の嵌合レール部と、上記長溝の後方の止め穴とを設ける
一方、上記テンプルの長溝に対向する長溝と、上記嵌合
レール部に差し込んで係合する嵌合レール部と、上記止
め穴に係合する止めねじを螺合するねじ穴と、ストッパ
ー溝とを有するバネケースを設けると共に、頭部と軸部
とねじ部とを有するストッパーボルトと、該ボルトの軸
部に伸縮自在に嵌装され、後端部を頭部で当て止めるス
プリングと、上記ボルトの軸部に移動自在に嵌装され、
上記スプリングの前端部を当て止めるストッパーとを設
け、上記ボルトの軸部にスプリングとストッパーを嵌装
した状態でねじ部をテンプル側蝶番の基部にねじ止め
し、上記ストッパーをバネケースのストッパー溝に係合
させた状態でテンプルにバネケースを固定して、上記テ
ンプル側蝶番の基部をテンプルとバネケースの長溝でス
ライド自在に支持して組付け、テンプルを所定位置から
外方に開くとき、スプリングを圧縮しながらテンプルが
テンプル側蝶番の基部をスライドする構成としたことを
特徴とする眼鏡フレームを提供するものである。

【０００９】

【作用】本発明の眼鏡フレームでは、眼鏡をかける時、
テンプル側蝶番に対して、スプリングを圧縮しながらテ
ンプルをスライドさせることが出来るため、テンプルを
所定の開放位置から更に外方へ広げることが出来る。ま
た、テンプルとバネケースとは表面処理時には分離出来
るので、湿式メッキ、塗装、イオンプレーティング等の
表面処理が簡単に行え、さらに、テンプルとバネケース
の各レール部は組付け時に嵌合させるのみで、使用時に
スライドしないので、精密な加工が不要となり、製造や
組付けが簡単に行える。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図１及び図２に示すように、平板状テンプル１
５の蝶番取付け側に長溝１５ａを形成すると共に、該長
溝１５ａの両側方に、蝶番取付け側先端より後方へ一定
長さで伸長する凸状の嵌合レール部（あり)１５ｂ,１５
ｂを形成する。上記長溝１５ａの後方には、有底の止め
穴１５ｃを穿設する。

【００１１】上記テンプル１５の蝶番取付け側に配置す
るバネケース１７を設け、該バネケース１７には、テン
プル１５の長溝１５ａに対向する長溝１７ａを形成する
と共に、テンプル１５の嵌合レール部１５ｂ,１５ｂ
に、蝶番取付け側先端より差し込んで係合する凹状の嵌
合レール部(あり溝)１７ｂ,１７ｂを形成する。該バネ
ケース１７の長溝１７ａとテンプル１５の長溝１５ａと
の合体により、断面が四角形状の長穴が形成されること
になる。

【００１２】上記バネケース１７の後部１７ｃには、該
バネケース１７をテンプル１５の所定位置まで差し込ん
だとき、テンプル１５の止め穴１５ｃに一致するねじ穴
１７ｅを穿設する。該ねじ穴１７ｅには、外方から止め
ねじ２２を螺合する。上記バネケース１７の長溝１７ａ
の前側には、ストッパー溝１７ｄ,１７ｄを形成する。

【００１３】一方、図３に詳細に示すように、テンプル
側蝶番１８には、上記バネケース１７の長溝１７ａとテ
ンプル１５の長溝１５ａとが合体した長穴の前側に、ス
ライド自在に嵌合して支持される基部１８ａを形成する
と共に、該基部１８ａの後面には、ねじ穴１８ｂを穿設
する。該蝶番１８には、レンズを保持するリムの智２４
の蝶番２３に蝶番ピン２５で連結するためのピン穴１８
ｃを穿設する。

【００１４】また、頭部２１ａと軸部２１ｃとねじ部２
１ｂとを有するストッパーボルト２１を設け、該ボルト
２１の軸部２１ｃにはスプリング２０を軸方向へ伸縮自
在に嵌装する。該スプリング２０は、後端部２０ａが頭
部２１ａで当て止められる。

【００１５】上記ボルト２１の軸部２１ｃには、スプリ
ング２０の前側位置に、四角形状のストッパー１９の貫
通孔１９ａを軸方向へ移動自在に嵌装する。該ストッパ
ー１９は、上記スプリング２０の前端部２０ｂを当て止
める。

【００１６】上記構成において、組付けに際しては、ま
ず、ボルト２１の軸部２１ｃにスプリング２０とストッ
パー１９とを嵌装して、ねじ部２１ｂをテンプル側蝶番
１８の基部１８ａのねじ穴１８ｂに螺合して締結する
(図２の状態)。これにより、スプリング２０は、後端部
２０ａが頭部２１ａに当て止められ、前端部２０ｂがス
トッパー１９に当て止められる。その後、図２に矢印で
示すように、ストッパー１９をバネケース１７のストッ
パー溝１７ｄ,１７ｄに係合させる。

【００１７】そして、バネケース１７の嵌合レール部１
７ｂ,１７ｂをテンプル１５の嵌合レール部１５ｂ,１５
ｂに、蝶番取付け側先端より所定位置まで差し込んで係
合させた後、ねじ穴１７ｅに止めねじ２２を螺合して、
該止めねじ２２の先端をテンプル１５の止め穴１５ｃに
係合させると、テンプル１５にバネケース１７が固定さ
れる。その後、テンプル側蝶番１８をリムの智２４の蝶
番２５に合わせて、蝶番ピン２５で連結する。

【００１８】上記のように組付けられた眼鏡をかける
時、蝶番ねじ２５を回転軸としてテンプル１５を所定の
開放位置まで回転させる(図４の状態)。その後、眼鏡を
かけやすくするために、テンプル１５を外方へ開くため
に力Ｘを付加すると、テンプル１５がテンプル側蝶番１
８に対して移動して、図５に示す開き状態となる。詳し
くは、テンプル側蝶番１８が蝶番ねじ２５を支点として
回転すると、テンプル１５の先端１５ｄが智２４の後端
２４ａに当接しているから、テンプル１５がテンプル側
蝶番１８の基部１８ａに沿って後方へスライドしながら
外方へ開くようになる。

【００１９】このとき、ストッパーボルト２１の頭部２
１ａは一定位置であるから、テンプル１５とともに後方
へスライドするバネケース１７のストッパー１９により
スプリング２０が圧縮される。したがって、テンプル１
５を外方へ開く力Ｘの付加を止めると、スプリング２０
の蓄勢力により、テンプル１５が図４の所定の開放位置
まで、前方へスライドしながら内方へ閉じるようにな
る。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の眼鏡フレームは、テンプル側蝶番に対して、スプリン
グを圧縮しながらテンプルをスライドさせて所定の開放
位置から更に外方へ広げることが出来るから、眼鏡がか
けやすくなり、テンプルのこめかみ部分等への当たりが
柔らかくなるので、装着感が良好になる。

【００２１】また、テンプルとバネケースとは表面処理
時には分離出来るので、イオンプレーティング等の表面
処理が簡単に行えると共に、テンプルとバネケースの各
嵌合レール部は組付け時に嵌合させるのみで、使用時に
スライドしないので、精密な加工が不要となり、製造や
組付けが簡単に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の眼鏡フレームに用いるテンプルとテ
ンプル側蝶番の分解斜視図である。

【図２】 バネケースにテンプル側蝶番を組付ける要領
の斜視図である。

【図３】 テンプル側蝶番の斜視図である。

【図４】 テンプルの所定の開放位置の平面断面図であ
る。

【図５】 テンプルをさらに外方へ開いた平面断面図で
ある。

【図６】 従来の眼鏡フレームを示す斜視図である。

【図７】 図６の一部を示し、(Ａ)は分解斜視図、(Ｂ)
は開放状態を示す平面断面図である。

【図８】 他の従来例を示し、(Ａ)は開放状態を示す平
面断面図、(Ｂ)は(Ａ)の要部正面断面図である。

【符号の説明】

１５ テンプル １５ａ 長溝 １５ｂ 嵌合レール部 １５ｃ 止め穴 １７ バネケース １７ａ 長溝 １７ｂ 嵌合レール部 １７ｃ ねじ穴 １７ｄ ストッパー溝 １８ テンプル側蝶番 １８ａ 基部 ２０ スプリング ２１ ストッパーボルト ２１ａ 頭部 ２１ｂ 軸部 ２１ｃ ねじ部 ２２ 止めねじ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 眼鏡のテンプルと智とをバネ蝶番により
   連結し、テンプルを閉鎖位置から所定の開放位置に回転
   自在とすると共に、該所定の開放位置から更に外方へ開
   くことが出来るようにした眼鏡のフレームであって、 上記テンプルの蝶番取付け側に、長溝と、該長溝の両側
   方の嵌合レール部と、上記長溝の後方の止め穴とを設け
   る一方、 上記テンプルの長溝に対向する長溝と、上記嵌合レール
   部に差し込んで係合する嵌合レール部と、上記止め穴に
   係合する止めねじを螺合するねじ穴と、ストッパー溝と
   を有するバネケースを設けると共に、頭部と軸部とねじ
   部とを有するストッパーボルトと、該ボルトの軸部に伸
   縮自在に嵌装され、後端部を頭部で当て止めるスプリン
   グと、上記ボルトの軸部に移動自在に嵌装され、上記ス
   プリングの前端部を当て止めるストッパーとを設け、 上記ボルトの軸部にスプリングとストッパーを嵌装した
   状態でねじ部をテンプル側蝶番の基部にねじ止めし、上
   記ストッパーをバネケースのストッパー溝に係合させた
   状態でテンプルにバネケースを固定して、上記テンプル
   側蝶番の基部をテンプルとバネケースの長溝でスライド
   自在に支持して組付け、テンプルを所定位置から外方に
   開くとき、スプリングを圧縮しながらテンプルがテンプ
   ル側蝶番の基部をスライドする構成としたことを特徴と
   する眼鏡フレーム。