JPH06242150A

JPH06242150A - 光ファイバ電流センサ

Info

Publication number: JPH06242150A
Application number: JP5028932A
Authority: JP
Inventors: Osamu Yoshida; 修吉田; Hiroshi Kumegawa; 宏久米川; Takeshi Kawakatsu; 健川勝; Hitoshi Nakai; 仁志中井; Naoki Okada; 直喜岡田
Original assignee: Nissin Electric Co Ltd
Current assignee: Nissin Electric Co Ltd
Priority date: 1993-02-18
Filing date: 1993-02-18
Publication date: 1994-09-02
Anticipated expiration: 2010-10-18
Also published as: JPH0797116B2

Abstract

(57)【要約】【目的】広ダイナミックレンジの電力用光変流器を安
価に構成することができるとともに、組立を容易に行う
ことができる光ファイバ電流センサを提供する。【構成】１次導体１を包囲するようにシングルモード
の光ファイバ３をコイル状に巻装し、光ファイバ３の一
端に光を入射させる光源４を設け、光ファイバ３の他端
に分岐用方向性結合器５の入力端を接続し、１次導体１
を包囲するようにシングルモードの光ファイバ６をコイ
ル状に巻装し、分岐用方向性結合器５の一方の分岐出力
端に光ファイバ６の一端を接続し、分岐用方向性結合器
５の他方の分岐出力端からの出射光を受ける保護用の受
光素子７，８を設け、光ファイバ６の他端からの出射光
を受ける計測用の受光素子１１，１２を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、送電線等の電路に流
れる電流を磁気光学効果を有する、シングルモード型の
光ファイバを利用して検出する光ファイバ電流センサに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電力用光変流器は、定格電流を１．０Ｉ
_nとしたときに、０．０５Ｉ_n〜２０Ｉ_nのように、き
わめて広いダイナミックレンジが要求される。ところ
が、シングルモード型の光ファイバを利用して送電線等
の電路に流れる電流を検出する光ファイバ電流センサの
場合、上記のような広いダイナミックレンジを得ること
ができず、計測用（小電流用）と保護用（大電流用）の
２つを必要とした。

【０００３】図２に計測用（高感度）および保護用（低
感度）の光ファイバ電流センサの概略図を示す。まず、
計測用の光ファイバ電流センサは、送電線等の１次導体
２１を貫通させたボビン２２にシングルモード型の光フ
ァイバ２３をコイル状に巻装し、光ファイバ２３の一端
面にレーザーダイオード等の光源２４を対向させて、光
ファイバ２３の一端に直線偏光の光を入射させるように
している。光ファイバ２３の他端面には、偏光ビームス
プリッタ２５を介してホトダイオード等の受光素子２
６，２７を対向させ、光ファイバ２３の他端から出射し
た光を受光素子２６，２７で受けるようにしている。

【０００４】以上のような構成の計測用の光ファイバ電
流センサにおいては、１次導体２１に電流Ｉが流れたと
き、１次導体２１と鎖交した光ファイバ２３中で、ファ
ラディ効果により直線偏光の偏波面が回転する。偏波面
の回転角θは、ベルデ定数をＶ、光ファイバ２３のター
ン数をＮとすると、

【０００５】

【数１】θ＝ＶＮＩとなる。つまり、偏波面の回転角θは、電流Ｉに比例
し、かつターン数Ｎに比例する。この回転角θの変化
を、入射直線偏光に対して４５度傾けた偏光ビームスプ
リッタ２５で光強度の変化に変換して、受光素子２６，
２７で検出すると、１次導体２１に流れる電流Ｉを計測
することができる。

【０００６】保護用の光ファイバ電流センサは、計測用
の光ファイバ電流センサとは基本的に同じ構成であり、
違いは光ファイバのターン数のみである。つまり、この
保護用の光ファイバ電流センサは、送電線等の１次導体
２１を貫通させたボビン３２にシングルモード型の光フ
ァイバ３３をコイル状に巻装し、光ファイバ３３の一端
面にレーザーダイオード等の光源３４を対向させて、光
ファイバ３３の一端に光を入射させるようにしている。
光ファイバ３３の他端面には、偏光ビームスプリッタ３
５を介してホトダイオード等の受光素子３６，３７を対
向させ、光ファイバ３３の他端から出射した光を受光素
子３６，３７で受けるようにしている。

【０００７】動作については、感度が異なる以外、計測
用の光ファイバ電流センサと同様である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来例のような光ファ
イバ電流センサを使用して、広ダイナミックレンジの電
力用光変流器を構成するには、計測用および保護用の２
組の光ファイバ電流センサを必要とする。つまり、計測
用および保護用の２組の光ファイバ電流センサ毎に光源
として２４，３４としてレーザーダイオードを必要と
し、コスト的に不利であった。

【０００９】また、１セットの電力用光変流器を構成す
るために、２組の光ファイバ電流センサを組み込むこと
が必要であり、２倍の組立工数が必要で、組立が容易で
なかった。したがって、この発明の目的は、広ダイナミ
ックレンジの電力用光変流器を安価に構成することがで
きるとともに、組立を容易に行うことができる光ファイ
バ電流センサを提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は、光ファイバ
のベルデ定数が一定であり、光ファイバ電流センサの感
度がコイル状に巻装する光ファイバのターン数によって
決まり、かつターン数と比例関係にあることに基づいて
なされたものである。この発明の光ファイバ電流センサ
は、１次導体を包囲するように第１の光ファイバをコイ
ル状に巻装し、第１の光ファイバの一端に光を入射させ
る光源を設け、第１の光ファイバの他端に分岐用方向性
結合器の入力端を接続し、１次導体を包囲するように第
２の光ファイバをコイル状に巻装し、分岐用方向性結合
器の一方の分岐出力端に第２の光ファイバの一端を接続
し、分岐用方向性結合器の他方の分岐出力端からの出射
光を受ける保護用の第１の受光素子を設け、第２の光フ
ァイバの他端からの出射光を受ける計測用の第２の受光
素子を設けている。

【００１１】

【作用】この発明の構成によれば、従来は別々に設けら
れていた計測用および保護用の光ファイバ電流センサを
一体化できることになり、分岐用方向性結合器が追加に
なるが、光源が１つで済み、また、光ファイバの総ター
ン数も高感度の計測用の場合のターン数だけあればよ
く、光ファイバの長さが短くすみ、ひとつの光ファイバ
電流センサで広ダイナミックレンジを実現することがで
き、広ダイナミックレンジの電力用光変流器を実現する
場合に、１つの光ファイバ電流センサを組み込むだけで
よい。

【００１２】

【実施例】この発明の一実施例を図１に基づいて説明す
る。この光ファイバ電流センサは、図１に示すように、
１次導体１を貫通させた円筒状の非磁性体のボビン２に
シングルモード型の第１の光ファイバ３をコイル状に巻
装し、第１の光ファイバ３の一端面にレーザーダイオー
ド等の光源４を対向配設し、第１の光ファイバ３の一端
に直線偏光の光を入射させるようにしている。

【００１３】また、第１の光ファイバ３の他端に分岐用
方向性結合器（ファイバ形方向性結合器）５の入力端を
接続し、ボビン２にシングルモード型の第２の光ファイ
バ６を第１の光ファイバ３と同一巻方向にコイル状に巻
装し、分岐用方向性結合器５の一方の分岐出力端に第２
の光ファイバ６の一端を接続している。さらに、分岐用
方向性結合器５の他方の分岐出力端からの出射光を受け
る保護用（低感度用）のホトダイオード等の第１の受光
素子７，８を設け、第２の光ファイバ６の他端からの出
射光を受ける計測用（高感度用）のホトダイオード等の
第２の受光素子９，１０を設けている。

【００１４】分岐用方向性結合器５の他方の分岐出力端
と第１の受光素子７，８との間には、従来例と同様に、
入射直線偏光に対して４５度傾けた偏光ビームスプリッ
タ１１を介在させてあり、また第２の光ファイバ６の他
端と第２の受光素子９，１０との間にも、入射直線偏光
に対して４５度傾けた偏光ビームスプリッタ１２を介在
させてある。

【００１５】以上のような構成の光ファイバ電流センサ
の動作を以下に説明する。１次導体１に電流Ｉが流れた
とき、１次導体１と鎖交した第１および第２の光ファイ
バ３，６中で、ファラディ効果により直線偏光の偏波面
が回転する。第１および第２の光ファイバ３，６から出
射する直線偏光の偏波面の回転角θ₁，θ ₂は、ベルデ
定数をＶ、第１および第２の光ファイバ３，６のターン
数をＮ₁，Ｎ₂とすると、

【００１６】

【数２】θ₁＝ＶＮ₁Ｉ

【００１７】

【数３】θ₂＝Ｖ（Ｎ₁＋Ｎ₂）Ｉとなる。つまり、偏波面の回転角θ₁，θ₂は、電流Ｉ
に比例し、かつターン数Ｎ₁，（Ｎ₁＋Ｎ₂）に比例す
る。この回転角θ₁，θ₂の変化を、入射直線偏光に対
して４５度傾けた偏光ビームスプリッタ１１，１２でそ
れぞれ光強度の変化に変換して、第１の受光素子７，８
および第２の受光素子９，１０で検出すると、１次導体
１に流れる電流Ｉを計測することができる。この場合、
第１の受光素子７，８の出力信号は、電流検出感度が低
いので保護用として使用し、第２の受光素子９，１０の
出力信号は、電流検出感度が高いので計測用として使用
する。

【００１８】この実施例の光ファイバ電流センサは、従
来は別々に設けられていた計測用および保護用の光ファ
イバ電流センサを一体化したものとなり、分岐用方向性
結合器５が追加になるが、光源４およびボビン２が１つ
で済み、また、第１および第２の光ファイバ３，６の総
ターン数も従来の高感度の計測用の場合のターン数だけ
あればよく、光ファイバの長さが短くすみ、広ダイナミ
ックレンジの電力用光変流器を安価に構成することがで
きる。

【００１９】また、ひとつの光ファイバ電流センサで広
ダイナミックレンジを実現することができ、広ダイナミ
ックレンジの電力用光変流器を実現する場合に、１つの
光ファイバ電流センサを組み込むだけでよく、組立を容
易に行うことができる。

【００２０】

【発明の効果】この発明の光ファイバ電流センサによれ
ば、従来は別々に設けられていた計測用および保護用の
光ファイバ電流センサを一体化できることになり、分岐
用方向性結合器が追加になるが、光源が１つで済み、ま
た、光ファイバの総ターン数も従来の高感度の計測用の
場合のターン数だけあればよく、光ファイバの長さが短
くすみ、広ダイナミックレンジの電力用光変流器を安価
に構成することができる。また、ひとつの光ファイバ電
流センサで広ダイナミックレンジを実現することがで
き、広ダイナミックレンジの電力用光変流器を実現する
場合に、１つの光ファイバ電流センサを組み込むだけで
よく、組立を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の光ファイバ電流センサの
構成を示す概略図である。

【図２】従来例の構成を示す概略図である。

【符号の説明】

１１次導体２ボビン３第１の光ファイバ４光源５分岐用方向性結合器６第２の光ファイバ７，８第１の受光素子９，１０第２の受光素子１１，１２偏光ビームスプリッタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者中井仁志京都市右京区梅津高畝町47番地日新電機株式会社内 (72)発明者岡田直喜京都市右京区梅津高畝町47番地日新電機株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】１次導体を包囲するようにコイル状に巻
回した第１の光ファイバと、この第１の光ファイバの一
端に光を入射させる光源と、前記第１の光ファイバの他
端に入力端を接続した分岐用方向性結合器と、前記１次
導体を包囲するようにコイル状に巻回して前記分岐用方
向性結合器の一方の分岐出力端に一端を接続した第２の
光ファイバと、前記分岐用方向性結合器の他方の分岐出
力端からの出射光を受ける保護用の第１の受光素子と、
前記第２の光ファイバの他端からの出射光を受ける計測
用の第２の受光素子とを備えた光ファイバ電流センサ。