JPH06241301A - セミオートマチック式変速機装置 - Google Patents

セミオートマチック式変速機装置

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JPH06241301A
JPH06241301A JP5030651A JP3065193A JPH06241301A JP H06241301 A JPH06241301 A JP H06241301A JP 5030651 A JP5030651 A JP 5030651A JP 3065193 A JP3065193 A JP 3065193A JP H06241301 A JPH06241301 A JP H06241301A
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shift
automatic
speed
gear
map
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JP5030651A
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Nobuhide Shiga
信秀 志賀
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、車両に設けられ、遠隔操作による
手動シフトモードと自動シフトモードとをそなえた、セ
ミオートマチック式変速機装置に関し、製造コスト増や
装置の大型化を招かずにドライバのシフト操作負担を大
きく軽減でき、且つ、自動変速特性を容易で速やかに切
り替えるようにすることを目的とする。 【構成】 クラッチ用アクチュエータ2Aと、変速機の
ギヤシフト用アクチュエータ3Aと、該変速機の変速段
を手動で遠隔にシフトする手動シフトモードと該変速段
を変速段選択マップに基づいて自動的にシフトする自動
シフトモードとを切り替えるための手動・自動選択操作
手段5と、シフト操作手段4と、これらの手段の設定に
応じて上記の各アクチュエータを電気的に制御する制御
手段11とをそなえ、該変速段選択マップが複数種類用
意され、該自動変速制御時に該シフト操作手段の操作状
態に応じて該変速段選択マップの複数のマップの中から
一つを選択してこれに基づき自動変速制御を行なうよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手動操作による変速段
のシフト指令を電気信号としてギヤシフト用アクチュエ
ータに伝達してこのギヤシフト用アクチュエータを遠隔
操作しながら変速シフトする手動シフトモードと、車両
の走行状態に応じた自動変速シフトを行なう自動シフト
モードとをそなえた、セミオートマチック式変速機装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】バスやトラック等の大型車では、未だに
手動変速機が主流となっているが、このような手動変速
機では、一般に、運転席側のチェンジレバー(=シフト
操作手段)と、エンジンの出力部に付設された変速機と
を、いずれも機械式のもので構成して、このチェンジレ
バーと変速機とをコントロールロッド等のリンク機構で
機械的に連結した構造になっている。
【0003】このような機械式の変速機では、シフト時
のギヤ機構の駆動を、ドライバのシフト操作力に頼って
おり、ドライバには所要の操作力が要求される。このた
め、特に、市街地走行時のように頻繁にシフト操作を要
求される場合には、このシフト操作が、ドライバにとっ
て大きな負担となる。そこで、変速機におけるギヤの噛
合状態のシフトの為の駆動を行なうアクチュエータを設
けて、このアクチュエータを電気信号を介して遠隔操作
するようにした遠隔操作式の変速機装置が開発された。
【0004】即ち、アクチュエータとしては、例えば空
気圧や油圧等を駆動源として電磁式の制御弁を制御する
ことで、変速機におけるギヤの噛合状態のシフトを行な
えるようなものとする。この一方で、チェンジレバーを
操作するとこれに応じて所要の電気信号を出力するよう
に構成する。そして、チェンジレバーからの信号を受け
て変速機のアクチュエータ側の制御弁に所要の電気信号
を出力して、該制御弁を制御するように構成する。
【0005】これによって、単にチェンジレバーを操作
するだけの小さな力で、シフトを行なえるようになり、
シフト操作に関するドライバの負担が軽減される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シフト操作
に関するドライバの負担を更に軽減するには、自動変速
機を採用すればよい。この自動変速機は、小型車の場合
には、クラッチに代えてトルクコンバータを採用したも
のが主流になっているが、バスやトラック等の大型車で
は、駆動トルクの伝達量が大きくトルクコンバータの負
担が過大となるので、手動変速機と同様に、クラッチを
自動的に断接するアクチュエータを設けて、クラッチペ
ダルを踏むことなく、変速シフトを行なえるようにして
いる。
【0007】しかしながら、クラッチの断接時には、車
両の変速ショックやエンジン停止を招き易いので、これ
らの不具合を回避できるように、クラッチの断接動作を
適切に行なうことや、これと同時にエンジンの回転数等
の制御が必要になる。例えば、クラッチをミートする際
には、エンジンの回転状態を調整しながら、徐々にクラ
ッチミートを行なって、クラッチの入力側と出力側との
回転状態が徐々に接近するように制御する必要がある。
【0008】このような要求を満たすには、クラッチを
断接するアクチュエータ自体が複雑なものになったり、
このアクチュエータの制御が複雑なものになるなど、製
造コストの大幅な増加や装置の大型化を招いてしまう。
ところで、変速段が高速段の場合には、クラッチミート
に微妙な制御が要求されず、例えば例えばオン・オフ制
御のように単純にクラッチの断接を行なうことも可能で
ある。
【0009】そこで、上述の課題を解決する手段とし
て、変速段が高速段の場合にだけ自動変速を行なえるよ
うにして、変速段がこのような高速段よりも低い時には
手動変速のみで変速するように構成することが考えられ
る。特に、変速段が高速段の場合には、自動変速モード
と手動変速モードとのうちの好みの変速モードを選択で
きるようにすると、ドライバーに好都合である。
【0010】また、自動変速モードによる変速の際に
は、マップに基づいてスロットル開度及び車速に対応し
て変速段を設定することが一般的であるが、この場合の
マップが一定のものであると変速段のシフト特性がドラ
イバの好みに合わない場合が生じてくる。そこで、予
め、平均的なシフト特性でシフトを行なうノーマルシフ
トモードの他に、エンジンの高回転領域を多用してエン
ジンの出力を多く引き出しながら所謂スポーツ走行でき
るようにシフトを行なうパワーシフトモードや、エンジ
ンの低回転領域を多用してエンジンの燃料消費を抑制し
ながら所謂エコノミー走行できるようにシフトを行なう
エコノミーシフトモードなどを設定して、ドライバが予
めこれらのモードから好みのものを選択して、自動変速
走行を行なうようにしたものが開発されている。
【0011】このようなシフトモードを選択する手段
(選択スイッチ等)では、一般的に走行中に容易に切替
できるようなものにはなっていない。ところが、ドライ
バは、走行中に車両の走行環境等に応じて、ある期間だ
けスポーツ走行を望んだりエコノミー走行を望んだりす
る場合がある。そこで、上述の自動変速モードと手動変
速モードとを共に有するセミオートマチック式変速機装
置において、走行中にシフトモードの切替を容易且つ速
やかに実現できるようにしたら、ドライバの要求に答え
られる。
【0012】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、製造コストの大幅な増加や装置の大型化を招くこ
となく、シフト操作に関するドライバの種々の負担を軽
減できるようにし、且つ、自動変速の特性を容易で速や
かに切り替えることができるようにした、セミオートマ
チック式変速機装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のセミオートマチック式変速機装置は、車両用
エンジンの出力部に設けられたクラッチ機構と、クラッ
チペダルの作動に応じて該クラッチ機構を断接駆動する
とともに、電気信号に応じて作動して該クラッチ機構を
断接駆動するクラッチ用アクチュエータと、該クラッチ
機構を介してエンジンから入力される駆動トルクによる
回転速度を複数の変速段で変速しうるギア機構をそなえ
た変速機と、電気信号に応じて作動して該変速機のギヤ
機構の噛合状態を切り替えながら該変速段を所要の状態
にシフトするギヤシフト用アクチュエータと、該変速段
を手動でシフトする手動シフトモードと、該変速段を自
動的にシフトする自動シフトモードとを、選択的に切り
替えるための手動・自動選択操作手段と、該変速段を手
動シフトするための操作を行なう操作手段であって、該
操作に応じた信号を出力するシフト操作手段と、該エン
ジンの負荷状態を検出するエンジン負荷検出手段と、該
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、該手動
・自動選択操作手段,該シフト操作手段及び該走行状態
検出手段からの信号に基づいて、該クラッチ用アクチュ
エータ及び該ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号を
出力してその作動を制御する制御手段とをそなえ、該制
御手段が、該手動シフトモードが選択されると、該アク
セル指令手段及び該シフト操作手段からの信号に応じて
該ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号を出力して、
遠隔操作による手動変速制御を行なう、手動変速用遠隔
操作制御部と、該自動シフトモードが選択されると、該
エンジン負荷検出手段及び該走行状態検出手段からの検
出信号に応じて、変速段選択マップを参照しながら変速
段を選択し、該クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシ
フト用アクチュエータへ対応する指令信号を出力して、
クラッチ遮断動作とギヤシフト動作とクラッチ接合動作
とを制御することで自動変速制御を行なう、自動変速用
遠隔操作制御部とをそなえ、該変速段選択マップが複数
種類用意されるとともに、該制御手段が、該自動変速制
御時に該シフト操作手段の操作状態に応じて該変速段選
択マップの複数のマップの中の一つのマップを選択して
このマップに基づき自動変速制御を行なうように構成さ
れていることを特徴としている。
【0014】また、請求項2記載の本発明のセミオート
マチック式変速機装置は、請求項1記載の構成に加え
て、該変速段選択マップとして、比較的低速のエンジン
回転域を多用するようなエコノミー走行用変速段選択マ
ップから、比較的高速のエンジン回転域を多用するよう
なパワー走行用変速段選択マップまで、複数種類の変速
段選択マップが段階的に設けられて、該制御手段が、該
自動変速制御時に該シフト操作手段によりシフトアップ
指令が行なわれると、現在の変速段選択マップよりもパ
ワー走行用変速段選択マップ側の変速段選択マップによ
る自動変速制御に切り換え、該自動変速制御時に該シフ
ト操作手段によりシフトダウン指令が行なわれると、現
在の変速段選択マップよりもエコノミー走行用変速段選
択マップ側の変速段選択マップによる自動変速制御に切
り換えるように構成されていることを特徴としている。
【0015】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のセミオートマチ
ック式変速機装置では、まず、手動・自動選択操作手段
を通じて、変速段を手動でシフトする手動シフトモード
と該変速段を自動的にシフトする自動シフトモードとの
いずれかを選択する。
【0016】そして、ここで、手動シフトモードが選択
されたら、シフト操作手段を通じて手動でシフト操作が
行なわれると、このシフト操作手段から操作に応じた指
令信号が出力される。そして、ギヤシフト用アクチュエ
ータでは、この指令信号に応じて、変速機のギヤ機構を
駆動する。また、このときには、クラッチ用アクチュエ
ータは、クラッチペダルの作動に応じてクラッチを適宜
断接駆動する。
【0017】制御手段では、この信号に基づいて、ギヤ
シフト用アクチュエータへ指令信号(電気信号)を出力
する。ギヤシフト用アクチュエータは、この指令信号に
応じて作動して、変速機のギヤ機構の噛合状態を切り替
えながら変速段を所要の状態にシフトする。一方、自動
シフトモードが選択されると、制御手段では、該エンジ
ン負荷検出手段及び該走行状態検出手段からの検出信号
に応じて、変速段選択マップを参照しながら変速段を選
択し、クラッチ用アクチュエータ及びギヤシフト用アク
チュエータへ指令信号を出力する。
【0018】なお、この自動変速制御時に用いられる変
速段選択マップとして、該シフト操作手段の操作状態に
応じて用意された複数の変速段選択マップの中の一つが
選択される。クラッチ用アクチュエータ及びギヤシフト
用アクチュエータでは、変速シフトの指令信号を受ける
と、まず、クラッチ用アクチュエータがクラッチを遮断
してから、ギヤシフト用アクチュエータが所要の変速段
になるように変速機のギヤ機構の噛合状態を切り替え
て、この後、クラッチ用アクチュエータがクラッチを接
合する。これにより、変速シフトが自動的に行なわれ
る。
【0019】また、請求項2記載の本発明のセミオート
マチック式変速機装置では、該自動変速制御時に用いら
れる変速段選択マップが、該シフト操作手段によりシフ
トアップ指令が行なわれると、現在の変速段選択マップ
よりもパワー走行用変速段選択マップ側の変速段選択マ
ップに切り換えられて自動変速制御が行なわれ、該シフ
ト操作手段によりシフトダウン指令が行なわれると、現
在の変速段選択マップよりもエコノミー走行用変速段選
択マップ側の変速段選択マップに切り換えられて自動変
速制御が行なわれる。
【0020】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のセミオートマチック式変速機装置について説明する
と、図1はその模式的な構成図、図2はそのシフト操作
手段(チェンジレバー)を示す斜視図、図3はそのシフ
ト操作手段(チェンジレバー)のシフトパターンを示す
図、図4はそのクラッチ用アクチュエータ及びギヤシフ
ト用アクチュエータを示す模式的な構成図、図5はその
制御全体の流れ(メインルーチン)を示すフローチャー
ト、図6はそのフィンガー変速制御の流れ(フィンガー
変速ルーチン)を示すフローチャート、図7はその自動
変速制御の流れ(自動変速ルーチン)を示すフローチャ
ート、その手動・自動選択操作手段について示す模式図
であり、図8,9はその制御全体の流れ(メインルーチ
ン)の変形例を示すフローチャートである。
【0021】この実施例のセミオートマチック式変速機
装置は、車両に設けられたディーゼルエンジン1に装備
されており、図1に示すように、エンジン1の出力部に
付設されたクラッチ機構2と、変速機本体(セミ自動ト
ランスミッション本体)3と、セミ自動トランスミッシ
ョン3用の制御手段(セミ自動T/Mコントロールユニ
ット)11と、エンジン1の電子ガバナ1A用の制御手
段(電子ガバナコントロールユニット)12とをそなえ
ている。
【0022】なお、エンジン1は、ディーゼルエンジン
であり、上述のように電子制御ガバナ(電子ガバナ)1
Aをそなえている。クラッチ機構2は、クラッチ用アク
チュエータとして機能するクラッチブースタ2Aを付設
されており、このクラッチブースタ2Aはエアタンク3
1からのエアの供給状態に応じて、クラッチ機構2を断
接駆動する。
【0023】変速機本体3は、前進7段・後進1段の変
速段を有しており、ギヤシフト用アクチュエータとして
のギヤシフトユニット(GSU)3Aを付設されてい
る。このギヤシフトユニット3Aは、変速機本体3のギ
ヤ機構の噛合状態を切り替えながら変速段を所要の状態
にシフト駆動する。そして、これらの電子ガバナ1A,
クラッチブースタ2A及びギヤシフトユニット3Aは、
セミ自動T/Mコントロールユニット11及び電子ガバ
ナコントロールユニット12によって、電気信号を通じ
て制御されるようになっている。
【0024】セミ自動T/Mコントロールユニット11
には、シフト操作手段としてのチェンジレバーユニット
4,手動・自動選択操作手段としての手動・自動切替ス
イッチ(又は自動変速選択スイッチ)5,最適シフトモ
ード設定手段としての最適シフトスイッチ26,車速セ
ンサ21,クラッチスイッチ(図示略),トランスミッ
ションギヤセンサ(図示略)及びクラッチ回転数センサ
22,電子ガバナコントロールユニット12,エマージ
ェンシスイッチ23,表示手段としてのディスプレイユ
ニット13,モード切替時に信号音(ピッ音)を発生す
る切替ブザー13A及び警報ブザー14がそれぞれ接続
されている。
【0025】このセミ自動T/Mコントロールユニット
11には、手動シフトモードの時に、クラッチペダル6
及びシフト操作レバーとしてのチェンジレバー4Aから
の信号に応じてギヤシフトユニット3Aへ指令信号を出
力して、遠隔操作による手動変速制御を行なう、手動変
速用遠隔操作制御部(図示略)と、自動シフトモードの
時に、走行状態検出手段としての車速センサ21及びエ
ンジン負荷センサとしてのアクセルペダル7の踏込量セ
ンサ7Aからの検出信号に応じてクラッチブースタ2A
及びギヤシフトユニット3Aへ指令信号を出力して、ク
ラッチ遮断動作とギヤシフト動作とクラッチ接合動作と
を制御することで自動変速制御を行なう、自動変速用遠
隔操作制御部(図示略)とをそなえている。
【0026】なお、セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト11では、自動変速制御時の目標とする変速段を、エ
ンジン負荷としてのアクセルペダル踏込量又はスロット
ル開度と車速とからマップにより設定するようになって
いるが、ブレーキペダルの踏込時と、ブレーキペダルは
踏み込んでいないが排気ブレーキが作動状態にある時
と、ブレーキペダルも踏み込まれずに排気ブレーキも作
動状態にない時(通常走行時)との、各走行状態に応じ
たシフトマップ(変速段選択マップ)が設けられてお
り、各走行状態に応じて変速シフトマップが選択され
る。また、通常走行時には、更に3種の変速シフトマッ
プMAPが用意されている。
【0027】つまり、通常変速時シフトマップmap1
としてマップmap1N,map1P,map1Eとが
用意されており、マップmap1Nが標準的なシフトマ
ップ(ノーマルシフトマップ)であるのに対して、マッ
プmap1Pはこのノーマルシフトマップmap1Nよ
りもエンジンの高回転域を利用して大きなエンジン出力
を得られるようにしたパワーシフトマップであり、マッ
プmap1Eはノーマルシフトマップmap1Nよりも
エンジンの低回転域を利用して経済的にエンジンを運転
しうるようにしたエコノミーシフトマップである。
【0028】また、電子ガバナコントロールユニット1
2には、電子ガバナ1A,アクセル踏込量センサ24,
エンジン回転数センサ25及びセミ自動T/Mコントロ
ールユニット11とがそれぞれ接続されている。なお、
アクセル踏込量センサ24はアクセルペダル7に付設さ
れる。そして、手動・自動切替スイッチ5を通じて手動
シフトモードが選択されると、セミ自動T/Mコントロ
ールユニット11を介して、チェンジレバーユニット4
からの指令に基づいて、ギヤシフトユニット3Aが遠隔
操作されるようになっている。この場合、チェンジレバ
ーユニット4を手動操作することでチェンジレバーユニ
ット4を通じて変速シフト制御しているが、操作時に極
めて小さな操作力でシフト操作できるので、この制御を
フィンガータッチ制御又はフィンガー制御といい、手動
シフトモードに代えて、フィンガータッチシフトモード
ともいう。
【0029】また、手動・自動切替スイッチ5を通じて
自動シフトモードが選択されると、一定の条件下で、自
動シフトモードが実施され、自動シフトモード時には、
セミ自動T/Mコントロールユニット11を介して、各
種の情報に基づいて、ギヤシフトユニット3A及びクラ
ッチブースタ2Aが遠隔操作され、電子ガバナコントロ
ールユニット12を介して、各種の情報に基づいて、電
子ガバナ1Aが遠隔操作されるようになっている。な
お、上述の一定の条件とは、変速段が第4速〜第7速の
高速段に設定しうる走行状態のことであり、このよう
に、高速段を選択しうるときだけ自動シフトモードを実
施するのは、以下の理由による。
【0030】つまり、クラッチの断接時には、車両の変
速ショックやエンジン停止を招き易いが、これはクラッ
チが低速段を選択されているときには生じやすいが、ク
ラッチが高速段を選択されているときには生じにくい。
したがって、クラッチが低速段のときには、変速ショッ
クやエンジン停止を回避すべくクラッチ圧を極めて微妙
に調整する必要があり、必然的にクラッチブースタ2A
が複雑なものなりその制御も複雑なものになる。しか
し、クラッチが高速段のときには、クラッチの断接動作
を単純なオンオフ操作だけで行なうことができる。そこ
で、ここでは、クラッチブースタ2Aの構造の複雑化や
その制御の複雑化を回避できるように、自動シフトモー
ドの実施条件を、高速段の選択しうる走行状態のときと
しているのである。
【0031】ところで、チェンジレバーユニット4は、
図2に示すように、比較的ショートストロークのチェン
ジレバー4Aをそなえており、このチェンジレバー4A
の側部に手動・自動切替スイッチ5が設置されている。
このチェンジレバー4Aのシフトパターンは、図3に示
すようになっており、N(ニュートラル)と、R(リバ
ース)と、非シフト位置としてのS(走行)と、、シフ
トアップ指令位置としてのUP(シフトアップ)と、シ
フトダウン指令位置としてのDOWN(シフトダウン)
との、5つのポジションをそなえ、通常走行時の使用シ
フトパターンは、SポジションとUPポジションとDO
WNポジションとが1列に並んたI型シフトパターンに
なっている。このうち、Nポジション,Rポジション及
びSポジションの各ポジションに入れた場合には、操作
後にチェンジレバー4Aから手を離してもこの位置でチ
ェンジレバー4Aが停止するが、UPポジション及びD
OWNポジションでは、チェンジレバー4Aから手を放
すとSポジションに自動的に戻るようになっている。
【0032】したがって、シフト操作時以外には、チェ
ンジレバー4Aは、N(ニュートラル)又はS(走行)
のポジションにあり、このチェンジレバー4Aの位置か
ら、選択されている変速段を認識できない。そこで、こ
の装置では、セミ自動T/Mコントロールユニット11
からの信号を受けて、ディスプレイユニット13で、現
在の変速段の表示、即ち、1速,2速,3速,4速,5
速,6速,7速,R(リバース),N(ニュートラル)
の表示を行なうようになっている。また、ディスプレイ
ユニット13では、自動変速インジケータランプの点灯
又は消灯によりシフトモードが自動シフトモードか手動
シフトモードかの表示を行なうようにもなっている。
【0033】そして、N,S,UP,DOWN,Rの各
ポジションに応じて、指令信号を出力するようになって
いる。なお、各ポジションの間の過渡的なポジションで
も、指令信号を出力するようになっている。つまり、S
ポジションとUPポジションとの間,SポジションとD
OWNポジションとの間では、Sポジションに応じた指
令信号が出力され、NポジションとRポジションとの
間,NポジションとSポジションとの間では、Nポジシ
ョンに応じた指令信号が出力されるようになっている。
つまり、UP,DOWN,Rの指令信号は、チェンジレ
バー4Aがこれらのポジションに入ったときのみに指令
信号がされ、過渡的なポジションでは、第1にNポジシ
ョン信号が優先されて、第2にSポジション信号が優先
されるようになっている。
【0034】また、チェンジレバーユニット4には、チ
ェンジレバー4Aの操作時に操作反力を付与しうる機構
(反力付与機構)27が設けられており、この反力付与
機構では、セミ自動T/Mコントロールユニット11か
らの指令信号に応じて、反力を付与する状態と反力を抜
く状態とを切り替えることができるようになっている。
この反力付与機構27は、UP,DOWN,Rのシフト
ポジションへの操作時に、このUP,DOWN,Rの近
傍でS又はNのポジション側へ向かう反力を付与する機
構である。そして、N,Sのポジションの近傍では、反
力が生じないように、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11を通じて制御される。
【0035】また、チェンジレバー4Aは、手動変速モ
ードでは通常の変速シフトに用いられるが、自動変速モ
ードに切り換わった際には、シフトマップの切替操作の
ために用いることができるようになってる。つまり、自
動変速モードに切り換わった際には、まず、ノーマルシ
フトマップmap1Nが通常変速時シフトマップシフト
マップmap1とされるが、この後、チェンジレバー4
Aをシフトアップの操作をすると、現状よりもエコノミ
ー側のパワーシフトマップに切り替えられ、シフトダウ
ンの操作をすると、現状よりもパワー側のパワーシフト
マップに切り替えられるようになっている。
【0036】つまり、現在の通常変速時シフトマップm
ap1がノーマルシフトマップmap1Nであれば、シ
フトアップの操作で、これよりも1段エコノミー側のエ
コノミーシフトマップmap1Eに切り替えられ、シフ
トダウンの操作で、これよりも1段パワー側のパワーシ
フトマップmap1Pに切り替えられる。現在の通常変
速時シフトマップmap1がエコノミーシフトマップm
ap1Eであれば、シフトダウンの操作で、これよりも
1段パワー側のノーマルシフトマップmap1Nに切り
替えられ、現在の通常変速時シフトマップmap1がパ
ワーシフトマップmap1Pであれば、シフトアップの
操作で、これよりも1段エコノミー側のノーマルシフト
マップmap1Nに切り替えられる。
【0037】また、手動・自動切替スイッチ5は、モー
メンタリスイッチであり、このスイッチ5に接触する
(又は押す)ことで、シフトモードが切り換えられる。
つまり、手動シフトモードの時に、手動・自動切替スイ
ッチ5に接触する(又は押す)ことで、自動シフトモー
ドに切り替えられ、自動シフトモードの時に、手動・自
動切替スイッチ5に接触する(又は押す)ことで、手動
シフトモードに切り替えられるようになっている。
【0038】この手動・自動切替スイッチ5は接触スイ
ッチと押圧スイッチ等が考えられるが、接触スイッチの
場合には、操作時にも、手動・自動切替スイッチ5の状
態自体に変化がないので問題ないが、押圧スイッチ等の
操作時に状態変化のあるスイッチを採用する場合には、
図8の(B)に示すようなオン・オフスイッチ5′でな
く、図8の(A)に示すような自動復帰スイッチを手動
・自動切替スイッチ5とする。つまり、手動・自動切替
スイッチ5を、操作後に、自動的に操作前の状態に復帰
する復帰スイッチとする。
【0039】なお、図8において、5A,5A′はスイ
ッチの押圧部(押しボタン)、5B,5C,5B′,5
C′,5D′は接点である。こうすることで、手動・自
動切替スイッチ5は少なくとも操作時以外には、常に一
定の状態に保持されるようになっている。そして、シフ
トモードが自動シフトモードか手動シフトモードかは、
前述のように、ディスプレイユニット13に、自動変速
インジケータランプの点灯又は消灯により表示されるの
で、ドライバは運転中にも十分にシフトモード状態を認
識できる。
【0040】最適シフトスイッチ26は、チェンジレバ
ー4AがUPポジション又はDOWNポジションに入る
と途中の変速段をとばしながら最適変速段まで直接シフ
トアップ又はシフトダウンするように指令信号を出力す
る最適シフトモードに設定しうるものである。つまり、
この最適シフトスイッチ26をオンに入れた状態で、チ
ェンジレバー4AがUPポジションに入れられれば、所
要のエンジン回転数域内(この例では、600rpm以
上で2300rpm以下)で、最上の変速段SNmax 、
即ち、エンジン回転数域内の下限回転数600rpm以
上の範囲で、最上の変速段SNmax が目標とする変速段
SNCとして設定されるのである。また、この最適シフ
トスイッチ26をオンに入れた状態で、チェンジレバー
4AがDOWNポジションに入れられれば、所要のエン
ジン回転数域内(この例では、600rpm以上で23
00rpm以下)で、最下の変速段SNmax 、即ち、エ
ンジン回転数域内の上限回転数2300rpm以下の範
囲で、最下の変速段SNmin が目標とする変速段SNC
として設定されるのである。
【0041】なお、最適シフトスイッチ26としては、
手で押した時のみオン状態になり、手を離すとオフに戻
るようにスイッチや、手で押す毎にオン・オフが切り換
わり、手を離すと切り替わった状態が持続するようにな
スイッチ等が考えられる。ギヤシフトユニット3A及び
クラッチブースタ2Aを駆動するエアライン系及び油圧
ライン系については、図4に示すように構成されてい
る。
【0042】図4において、31はメインエアタンクで
あり、エマージェンシタンク31Cが付設されている。
31Aはサブエアタンクであり、ブレーキ用タンクとウ
ェットタンクとをそなえている。31Bはブレーキ用タ
ンクのサブエアタンクである。また、32はエア配管
(エアホース)、33はチェックバルブ、34はダブル
チェックバルブ、35A〜35Cはローエアプレッシャ
スイッチである。
【0043】36A〜36Dは電磁式の3ウェイバルブ
であって、ここでは、バルブ36AをMVH,バルブ3
6BをMVP,バルブ36CをMVR,バルブ36Dを
MVWとも呼ぶ。36E,36Fは電磁バルブであっ
て、バルブ36Eはエア供給を行なうものでここではM
VXとも呼び、バルブ36Eはエア抜きを行なうもので
ここではMVYとも呼ぶ。
【0044】これらの電磁バルブ36A,36B,36
C,36E,36Fは、いずれもセミ自動T/Mコント
ロールユニット11からの指令信号に応じて切り替えら
れる。電磁式3ウェイバルブ36Aは、チェンジレバー
4Aの反力状態を切り替えるためのもので、チェンジレ
バー4Aに反力を与える時にはエアホース32を開通す
る連通状態とされ、チェンジレバー4Aの反力を抜く時
には排出状態とされる。
【0045】電磁式3ウェイバルブ36Bは、メインタ
ンク31とエマージェンシタンク31Cとの利用状態を
切り替えるためのもので、通常時にはメインタンク31
からのエア圧が利用されるように排出状態とされ、メイ
ンタンク31が正常に働かないような緊急時にはエマー
ジェンシタンク31Cからのエア圧が利用されるように
連通状態とされる。
【0046】電磁式3ウェイバルブ36Cは、ギヤシフ
トユニット3Aにおけるシフト力を切り替えるためのも
ので、シフト力を通常状態(大きくない状態)にすると
きには排出状態とされシフト力を大きくするときには連
通状態とされる。また、クラッチ2は、クラッチブース
タ2Aにエア圧を供給されると離隔状態(切状態)とな
り、クラッチブースタ2Aのエア圧が抜かれると接合状
態(接状態)となる。そして、電磁式バルブ36Eが作
動するとクラッチブースタ2Aにエア圧が供給されてク
ラッチ2の離隔状態となり、電磁式バルブ36Fが作動
するとクラッチブースタ2Aのエア圧が除去されてクラ
ッチ2の接合状態となるように設定されている。
【0047】電磁式3ウェイバルブ36Dは、このよう
なセミ自動T/Mコントロールユニット11を通じた電
磁式バルブ36E,36Fによるクラッチブースタ2A
の駆動系や制御系がフェイルしてクラッチ2が離隔状態
となった緊急時に、クラッチ2を接合状態に切り替える
ことができるようにするためのもので、通常時にはエア
ホース32を開通する連通状態とされ、緊急時にはクラ
ッチブースタ2Aのエア圧を除去する排出状態とされ
る。
【0048】この実施例では、電磁式3ウェイバルブ3
6Dは、手動・自動切替スイッチ5に連動して、オン・
オフし、切替スイッチ5が自動に設定されるとオンにさ
れて連通状態となり、切替スイッチ5が手動シフトモー
ドに設定されるとオフにされて排出状態となる。したが
って、緊急時には切替スイッチ5を手動シフトモードに
設定すればクラッチブースタ2Aのエア圧が除去され
て、クラッチ2が接合状態(接状態)になる。
【0049】また、37Aは例えば出力エア圧が3.9
kg/cm2の低圧レデューシングバルブであり、37Bは例
えば出力エア圧は7.5kg/cm2の高圧レデューシングバ
ルブである。38はリレーバルブであり、このリレーバ
ルブ38はサブエアタンク31Aからクラッチブースタ
2Aにエア圧を供給するエアホース32に介装されてい
る。また、このリレーバルブ38は、クラッチペダル6
の踏み込みに応じて作動するマスタシリンダ6Aと油路
41を介して接続されており、クラッチペダル6を踏み
込んでいない時には、クラッチブースタ2Aのエア圧を
排出する排出状態となって、クラッチ2が接合状態とさ
れて、クラッチペダル6の踏込時には、クラッチブース
タ2Aにエア圧を供給する供給状態となり、クラッチ2
が離隔状態とされるようになっている。
【0050】また、39はエアドライヤである。さら
に、ギヤシフトユニット3A内には、図示しないが、M
VA〜MVFの6つの電磁バルブが設けられており、こ
れらのバルブの開閉に応じて、ギヤ機構の噛合状態が切
り替えられる。これらの電磁バルブMVA〜MVFも、
それぞれセミ自動T/Mコントロールユニット11から
の指令信号に応じて切り替えられる。
【0051】ところで、この装置では、変速機のコント
ロールモードに、手動シフトモードと自動シフトモード
とがあるが、手動・自動切替スイッチ5が手動シフトモ
ードに設定されたときや、切替スイッチ5が自動シフト
モードに設定されたが自動シフトモードの設定条件を満
たさないとき等に、手動シフトモードとなる。この際
に、セミ自動T/Mコントロールユニット11では、電
磁バルブ36A,36C(つまり、MVH,MVR)及
びMVA〜MVFの制御を以下のごとく行なうようにな
っている。
【0052】この手動シフトモード時には、クラッチペ
ダル6が踏み込まれないと(即ち、クラッチスイッチが
オンにならないと)、電磁式3ウェイバルブ36Aを排
出状態としてチェンジレバー4Aに反力が加えられない
状態(反力除去状態)にする。また、これとともに、こ
のチェンジレバー4Aが操作されても、ギヤシフトユニ
ット3A内の電磁バルブMVA〜MVFには何ら切替作
動信号を出力しないようになっている。
【0053】一方、クラッチペダル6が踏み込まれる
と、セミ自動T/Mコントロールユニット11では、ク
ラッチスイッチのオン信号を受けて、電磁式3ウェイバ
ルブ36Aを連通状態としてチェンジレバー4Aに反力
を付与しうる状態とする。また、これとともに、このチ
ェンジレバー4Aの操作に応じて、ギヤシフトユニット
3A内の電磁バルブMVA〜MVFに作動信号を出力す
るようになっている。ただし、このときには、車両が走
行状態か停止状態かにより、異なる制御を行なうように
なっている。
【0054】なお、この場合の走行状態とは前進走行状
態であり、後退時は停止状態に含めるものとし、車両が
走行状態か停止状態かの判断は、例えば、車速センサ2
1からの車速検出値を予め設定された閾値(極く低車速
値)と比較して、車速検出値が閾値よりも小さければ停
止状態と判断して、車速検出値が閾値以上ならば走行状
態と判断することができる。
【0055】そして、車両が停止状態であれば、クラッ
チペダル6の踏込状態に、チェンジレバー4AがNポジ
ションからRポジションへシフト指令されると、セミ自
動T/Mコントロールユニット11から、ギヤシフトユ
ニット3Aの電磁バルブMVA〜MVFのうちの対応す
る電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速機本体3の
ギヤ機構の噛合状態が、Rポジションへ切り替えられる
ようになっている。
【0056】このとき、セミ自動T/Mコントロールユ
ニット11では、トランスミッションギヤセンサ(図示
略)から実際に選択されている変速段情報を受けて、こ
れをセミ自動T/Mコントロールユニット11から出力
された指令変速段(目標変速段)と比較して、選択変速
段が指令変速段と一致するとシフト動作が完了したと判
断する。このチェンジレバー4Aのシフト時には、シフ
ト動作が完了するまでは、前述のごとく電磁式3ウェイ
バルブ36Aを連通状態にしてチェンジレバー4Aに反
力を付与し続けるが、シフト動作が完了すると、電磁式
3ウェイバルブ36Aを排出状態にしてチェンジレバー
4Aの反力を除去するようになっている。
【0057】車両の停止状態でクラッチペダル6の踏込
中に、チェンジレバー4AがNポジションからSポジシ
ョンへシフト指令されると、これだけでは変速機本体3
のギヤ機構の噛合状態は、N状態(中立状態)に保持さ
れるが、これに続いて、SポジションからUPポジショ
ンへシフト指令されると、セミ自動T/Mコントロール
ユニット11から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バル
ブMVA〜MVFのうちの対応する電磁バルブへ作動信
号が出力されて、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態
が、第2速ポジションへ切り替えられるようになってい
る。
【0058】車両の停止状態でクラッチペダル6の踏込
中に、チェンジレバー4AがNポジションからSポジシ
ョンを経て、DOWNポジションへシフト指令される
と、セミ自動T/Mコントロールユニット11から、ギ
ヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MVFのう
ちの対応する電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速
機本体3のギヤ機構の噛合状態が、第1速ポジションへ
切り替えられるようになっている。
【0059】これらの第2速ポジションや第1速ポジシ
ョンへのシフト時にも、セミ自動T/Mコントロールユ
ニット11では、トランスミッションギヤセンサ(図示
略)から実際に選択されている変速段情報を受けて、こ
のチェンジレバー4Aのシフト時に、シフト動作が完了
するまでは、前述のごとく電磁式3ウェイバルブ36A
を連通状態にしてチェンジレバー4Aに反力を付与し
て、シフト動作が完了すると、磁式3ウェイバルブ36
Aを排出状態にしてチェンジレバー4Aの反力を除去す
るようになっている。
【0060】なお、上述のRポジションや第2速ポジシ
ョンや第1速ポジションへの各シフト時において、シフ
ト動作が完了する前に、チェンジレバー4AをNポジシ
ョンやSポジションに戻してしまうと、変速機本体3の
ギヤ機構の噛合状態は、N状態(ニュートラル状態)に
戻されるようになっている。また、車両の停止状態でク
ラッチペダル6の踏込中に、チェンジレバー4AがSポ
ジション又はRポジションからNポジションへシフト指
令されると、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態は、N
状態(中立状態)に切り替えられるようになっている。
【0061】一方、車両の走行状態(前進走行状態)に
は、変速機本体3のRポジションへのシフトが禁止され
ている。つまり、車両の走行状態でクラッチペダル6の
踏込中に、チェンジレバー4AがNポジションからRポ
ジションへシフト指令されると、セミ自動T/Mコント
ロールユニット11からは、この指令に応じたシフト信
号は出力されずに、警告ブザー14に作動信号が出力さ
れて、警告音でドライバに警告が発せられるようになっ
ている。
【0062】車両の走行状態でクラッチペダル6の踏込
中に、チェンジレバー4AがNポジションからSポジシ
ョンへシフト指令されると、これだけでは変速機本体3
のギヤ機構の噛合状態は、N状態(中立状態)に保持さ
れるが、これに続いて、SポジションからUPポジショ
ン又はDOWNポジションへシフト指令されると、セミ
自動T/Mコントロールユニット11で、車速センサ2
1の検出情報に基づいて、車速に応じて最適な変速段が
設定される。そして、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブM
VA〜MVFのうちの設定された変速段に対応する電磁
バルブへ作動信号が出力されて、変速機本体3のギヤ機
構の噛合状態が、最適な変速段ポジションへ切り替えら
れるようになっている。
【0063】車両の走行状態でクラッチペダル6の踏込
中に、チェンジレバー4AがSポジションからUPポジ
ションへシフト指令されると、Sポジションでニュート
ラル状態であった場合を除いて、セミ自動T/Mコント
ロールユニット11では、現変速段が既に最高速段(第
7速)に設定されていない限り、現変速段よりも1段高
い変速段を設定する。そして、このセミ自動T/Mコン
トロールユニット11から、ギヤシフトユニット3Aの
電磁バルブMVA〜MVFのうちの設定した変速段に対
応する電磁バルブへ作動信号が出力されて、変速機本体
3のギヤ機構の噛合状態が、現変速段よりも1段高い変
速段のポジションへシフトアップされるようになってい
る。
【0064】車両の走行状態でクラッチペダル6の踏込
中に、チェンジレバー4AがSポジションからDOWN
ポジションへシフト指令されると、Sポジションでニュ
ートラル状態であった場合を除いて、セミ自動T/Mコ
ントロールユニット11では、現変速段が既に最低速段
(第1速)に設定されていないで、シフトダウン後の変
速段でエンジンのオーバランを招かない限り、現変速段
よりも1段低い変速段を設定する。そして、このセミ自
動T/Mコントロールユニット11から、ギヤシフトユ
ニット3Aの電磁バルブMVA〜MVFのうちの設定し
た変速段に対応する電磁バルブへ作動信号が出力され
て、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、現変速段よ
りも1段低い変速段のポジションへシフトダウンされる
ようになっている。
【0065】なお、上述のように、シフトアップ指令時
に既に最高速段(第7速)に設定されている場合や、シ
フトダウン指令時に既に最低速段(第1速)に設定され
ている場合や、シフトダウン後にオーバランのおそれの
ある場合には、警報ブザー14に、作動信号が出力され
て、警報音が発せられるようになっている。これらの最
適な変速段ポジションへのシフト時やシフトアップ時や
シフトダウン時にも、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11では、トランスミッションギヤセンサ(図示
略)から実際に選択されている変速段情報を受けて、こ
のチェンジレバー4Aのシフト時に、シフト動作が完了
するまでは、前述のごとく電磁式3ウェイバルブ36A
を連通状態にしてチェンジレバー4Aに反力を付与し
て、シフト動作が完了すると、磁式3ウェイバルブ36
Aを排出状態にしてチェンジレバー4Aの反力を除去す
るようになっている。
【0066】また、シフト動作が完了する前に、チェン
ジレバー4AをNポジションやSポジションに戻してし
まうと、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、N状態
(中立状態)に戻されるようになっている。この場合に
は、続いて、SポジションからUPポジション又はDO
WNポジションへシフト指令されると、上述のように、
車速に応じて最適な変速段に制御される。
【0067】さらに、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11では、車速信号やクラッチ回転数信号と、これ
から変速しようとする変速段とに基づいて、変速機のシ
ンクロ負荷を求めて、シンクロ負荷が所定値以上の高負
荷時(例えば第2速への切替時)には、電磁式3ウェイ
バルブ36Cを連通状態に制御してレデューシングバル
ブを低圧レデューシングバルブ37Aから高圧レデュー
シングバルブ37Bに切り替えて、ギヤシフトユニット
3Aでシフトのために用いるおけるエア圧を大きくして
シフト力を大きくさせるようになっている。
【0068】一方、手動・自動切替スイッチ5が自動シ
フトモードに設定されて且つ自動シフトモードの設定条
件が満たされると、自動シフトモードとなる。この自動
シフトモードの際に、セミ自動T/Mコントロールユニ
ット11では、電磁バルブ36E,36F(つまり、M
VX,MVY)及びMVA〜MVFの制御を以下のごと
く行なうとともに、電子ガバナコントロールユニット1
2を介して電子ガバナ1Aを制御することで、エンジン
の作動状態の制御を以下のごとく行なうようになってい
る。
【0069】なお、この自動モードでは、アクセルペダ
ルの踏込量に応じた最適な変速段(これを目標変速段と
する)を設定して、この目標変速段と実際の変速段とが
異なっているときには、シフトダウンの場合のシフトダ
ウン後の変速段でエンジンのオーバランを招かない限
り、次のようにしてシフト操作を行なう。 まず、アクセル戻し制御を行なう。つまり、アクセル
ペダルの操作状態に関係なくアクセルを戻すように制御
する。即ち、電子ガバナコントロールユニット12で
は、通常、アクセルペダルの踏込量信号を受けて、この
踏込量に対応して電子ガバナ1Aを制御してエンジンの
出力状態を調整する。しかし、この自動モードのシフト
操作時には、踏込量信号に関係なく、セミ自動T/Mコ
ントロールユニット11から、アクセルを戻すように制
御信号が出力されて、電子ガバナコントロールユニット
12ではアクセルペダルの踏込量信号に代えてこのアク
セル戻し信号によって、電子ガバナ1Aを制御するよう
になっている。
【0070】アクセルが戻ったら、クラッチを切る。
つまり、アクセルが戻ると(即ち、電子ガバナ1Aがア
クセルが戻ったときに相当する状態になると)、電子ガ
バナコントロールユニット12からこれに応じた信号が
出力されて、セミ自動T/Mコントロールユニット11
では、この信号を受けて、電磁式バルブ36Eに作動指
令信号を出力して、電磁式バルブ36Eを作動させて、
クラッチブースタ2Aにエア圧を供給して、クラッチ2
を離隔状態(切)にする。
【0071】クラッチが切れたら、ギヤをニュートラ
ルへ戻す。つまり、クラッチスイッチから、クラッチが
切れたことに対応する信号が出力されると、セミ自動T
/Mコントロールユニット11では、この信号を受け
て、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜MV
Fのうちの所要の電磁バルブへ作動信号が出力されて、
変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、ニュートラル位
置に戻される。
【0072】ギヤがニュートラルへ戻ったら、目標変
速段と車速とからクラッチの入出力軸間の回転速度差が
所定以内になるように、エンジンの回転数を制御する。
つまり、トランスミッションギヤセンサから、ギヤがニ
ュートラルへ戻ったことに対応する信号が出力される
と、電子ガバナコントロールユニット12では、この信
号を受けて、目標変速段と実車速とからエンジンの目標
回転数を設定して、エンジン回転数センサ22から得ら
れる実際のエンジンの回転数が目標回転数に近づくよう
に電子ガバナ1Aを制御する。
【0073】この一方で、ギヤを目標変速段へシフト
する。つまり、セミ自動T/Mコントロールユニット1
1から、ギヤシフトユニット3Aの電磁バルブMVA〜
MVFのうちの所要の電磁バルブへ作動信号が出力され
て、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態が、目標変速段
へシフトされる。 さらに、ギヤの目標変速段へのシフトが完了してエン
ジンの回転数が所要の状態に制御されたら、クラッチを
接合する。つまり、セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト11では、トランスミッションギヤセンサから現変速
段を示す信号を受けて、この信号と指令信号とから、ギ
ヤが目標変速段へシフトされたか判断する。また、電子
ガバナコントロールユニット12では、エンジン回転数
センサ25から現エンジン回転数を示す信号を受けて、
この信号と目標とするエンジン回転数とから、実エンジ
ンの回転数が目標回転数に対して一定以内に近づいたか
判断する。そして、電子ガバナコントロールユニット1
2から、実エンジンの回転数が目標回転数に対して一定
以内に近づくと、エンジン回転数制御を完了した旨の信
号が出力される。セミ自動T/Mコントロールユニット
11では、この信号を受けて、電磁式バルブ36Fに作
動指令信号を出力して、電磁式バルブ36Fを作動させ
て、クラッチブースタ2Aのエア圧を除去して、クラッ
チ2を接合状態にする。
【0074】クラッチの接合が完了したら、シフト操
作を終えて、アクセル調整がアクセルペダルの操作状態
に対応する通常の状態に戻す。つまり、クラッチスイッ
チから、クラッチが接合したことに対応する信号が出力
されると、セミ自動T/Mコントロールユニット11か
らの仮想的な踏込量信号の出力が終えられるとともに、
電子ガバナコントロールユニット12では、アクセルペ
ダルの踏込量信号に対応して電子ガバナ1Aを制御して
エンジンの出力状態を調整する通常の制御状態に復帰す
る。
【0075】また、エマージェンシスイッチ23は、セ
ミ自動T/Mコントロールユニット11の万一のフェイ
ル時にそなえて設けられたもので、チェンジレバー4A
からの指令信号を、セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト11を介在させずに、直接ギヤシフトユニット3Aに
送る直接操作モードに切り替えるためのスイッチであ
る。
【0076】本発明の一実施例としてのセミオートマチ
ック式変速機装置は、上述のように構成されているの
で、通常時には(つまり、緊急時を除いて)、例えば、
図5〜7に示すようにして、変速機3のシフト動作が行
なわれる。つまり、イグニッションキースイッチからの
情報を受けて、エンジンの始動とともに、図5に示すよ
うに、このシフト動作が開始される。なお、シフト制御
開始時には、制御フラグFINFLGは1に設定されて
いる。また、制御フラグFHは1に、制御フラグFS,
FU,FD,FB,FN,FAC1,FCR1,FG
N,FSNC,FCR2はいずれも0に設定されている
なお、これらのフラグについては、後で説明する。
【0077】まず、手動・自動切替スイッチ(自動変速
選択スイッチ)5が操作されたか(さわられたら)どう
かが判断される(ステップM1)。手動・自動切替スイ
ッチ5が操作されなければ、ステップM13に進んで、
制御フラグFINFLGが1かどうかを判断する。運転
操作の開始時には、制御フラグFINFLGは1に設定
されているので、ステップM13から、ステップM14
に進む。
【0078】ステップM14では、制御フラグFINF
LGが0の場合だけ、切替ブザー13Aに指令信号を出
力して、ブザー(ピッ音)を鳴らせるが、ここでは、制
御フラグFINFLGは1なので、ブザーを鳴らさず
に、ステップM15に進む。ステップM15では、ディ
スプレイユニット13の自動変速インジケータランプを
消灯させる。続く、ステップM16では、フィンガー変
速ルーチンを実行しながらフィンガー変速制御を行なっ
て、ステップM17では、制御フラグFINFLGを1
にして、初期ステップに帰る。
【0079】そして、この状態から、手動・自動切替ス
イッチ5が操作されると、ステップM1の判断で、ステ
ップM2に進んで、制御フラグFINFLGが1かどう
かを判断する。この時には、制御フラグFINFLGは
1になっているので、ステップM3に進む。ステップM
3では、車速が所定値(ここでは、30km/h)以上ある
かどうかが判断される。
【0080】車速が所定値以上なければ、フィンガー変
速制御のままであり、ステップM14に進んで、ステッ
プM15,M16,M17の各ステップにより、フィン
ガー変速制御及びこれに関する動作を続行する。車速が
所定値以上あれば、ステップM4に進んで、自動シフト
モードの設定条件である、現在の変速段が4速(4th)
以上であるかどうか(即ち、変速段が4〜7速のいずれ
かに設定されているかどうか)を、トランスミッション
ギヤセンサの信号に基づいて判断する。
【0081】現在の変速段が4速以上でなければ、ステ
ップM14に進み、制御フラグFINFLGは1なの
で、ブザー13Aを鳴らさずに、ステップM15に進
む。そして、上述と同様に、ステップM15で、ディス
プレイユニット13の自動変速インジケータランプを消
灯させ、ステップM16で、フィンガー変速ルーチンを
実行しながらフィンガー変速制御を行なって、ステップ
M17で、制御フラグFINFLGを1にして、初期ス
テップに帰る。
【0082】現在の変速段が4速以上でならば、ステッ
プM5に進み、自動シフトモードの解除条件である、ク
ラッチペダル(C/L)が踏み込まれているかどうかに
ついて判断される。クラッチペダル(C/L)が踏み込
まれていると、ステップM14に進み、上述と同様に、
ステップM15〜ステップM17を行なって、初期ステ
ップに帰る。
【0083】クラッチペダル(C/L)が踏み込まれて
いなければ、ステップM6に進み、自動シフトモードの
設定条件である、チェンジレバー位置がS,U(U
P),D(DOWN)のいずれかになっているかどうか
が判断される。チェンジレバー位置がS,U(UP),
D(DOWN)のいずれかになっていなければ、ステッ
プM14に進み、上述と同様に、ステップM15,M1
6,M17を行なって、初期ステップに帰る。
【0084】チェンジレバー位置がS,U(UP),D
(DOWN)のいずれかになっていれば、ステップM7
に進み、エンジン回転数が所定値(600rpm )以下か
どうかが判断される。エンジン回転数が所定値以下なら
ば、ステップM8に進んで、切替ブザー13Aに指令信
号を出力して、ブザー(ピッ音)を鳴らしてエンストの
おそれがあることを警告する。エンジン回転数が所定値
以下でなければ、このような警告は行なわない。
【0085】そして、何れの場合も、ステップM9に進
んで、ディスプレイユニット13の自動変速インジケー
タランプを点灯させ、続くステップM10で、制御フラ
グFINFLGが1の場合には、切替ブザー13Aに指
令信号を出力して、ブザー(ピッ音)を鳴らせること
で、自動シフトモードに切り換わったことをドライバに
知らせる。
【0086】そして、ステップM11に進んで、自動変
速ルーチンを実行しながら自動変速制御を行なって、ス
テップM12では、制御フラグFINFLGを0にし
て、初期ステップに帰る。この後、手動・自動切替スイ
ッチ5が操作されなければ、制御フラグFINFLGは
0なので、ステップM1からステップM13を経て、ス
テップM19に進む。ステップM19では、車速が所定
値(ここでは、30km/h)以上あるかどうかが判断され
る。車速が所定値以上なければ、ステップM18に進ん
で、切替ブザー3Aに指令信号を出力して、フィンガー
変速に切り替えるようにブザー(ピッ音)を鳴らして警
告する。車速が所定値以上あれば、このような警告は行
なわない。
【0087】この後、ステップM4に進んで、さらに、
ステップM5,M6,M7(,M8)を経由して、ステ
ップM9,M10,M11,M12で自動シフトモード
にかかる動作を行なうか、又は、ステップM4,M5,
M6のいずれかのステップから、ステップM14に進ん
で、ステップM14,M15,M16,M17で手動シ
フトモードのフィンガー変速にかかる動作を行なう。こ
のときには、制御フラグFINFLGが0なので、ステ
ップM14で、切替ブザー13Aに指令信号を出力し
て、ブザー(ピッ音)を鳴らせることで、手動シフトモ
ードに切り換わったことをドライバに知らせる。
【0088】そして、自動シフトモードのときに、即
ち、制御フラグFINFLGが0のときに、手動・自動
切替スイッチ5が操作されると、ステップM1からステ
ップM2に進んで、ステップM2でNoルートを通っ
て、ステップM14に進んで、ステップM14,M1
5,M16,M17で手動シフトモードのフィンガー変
速にかかる動作を行なう。このときにも、制御フラグF
INFLGが0なので、ステップM14で、切替ブザー
13Aに指令信号を出力して、ブザー(ピッ音)を鳴ら
せることで、手動シフトモードに切り換わったことをド
ライバに知らせる。
【0089】このようにして、メインルーチン制御が行
なわれるが、ここで、手動シフトモードの制御、即ち、
フィンガー変速制御の一例を図6のフローチャートを参
照して、具体的に説明する。図6に示すように、まず、
ステップF1で、各センサやスイッチ類からの信号をセ
ミ自動T/Mコントロールユニット11に入力する。
【0090】そして、ステップF2で、クラッチペダル
の踏み込みがあったかどうかを判断する。クラッチペダ
ルの踏み込みがなければ、ステップF2からステップF
60に進んで、フラグFHを1に設定する。このフラグ
FHはチェンジレバー4Aに反力を付与してもよいとき
に1とされ、制御開始時には、このフラグFHは1に設
定される。
【0091】そして、クラッチペダルの踏み込みがある
と、ステップF2からステップF3に進んで、フラグF
Hが1であるかが判断される。クラッチペダルを踏み込
んだ初期には、フラグFHは1なので、ステップF4に
進んで、チェンジレバー4Aに反力を付与しうる状態に
する。即ち、チェンジレバー4Aが所定の位置(UP,
DOWN,Rの各ポジション付近)にシフトされると、
セミ自動T/Mコントロールユニット11から制御信号
を出力して、電磁式3ウェイバルブ36Aを連通状態に
して反力付与機構27を作動させてチェンジレバー4A
に反力を与える状態になる。このため、ここで、チェン
ジレバー4AをUP,DOWN,Rの各ポジションに操
作すると、ドライバは適当な操作反力を受けて、シフト
操作をしている感触を得られる。
【0092】ついで、ステップF5で、車両が走行状態
か停止状態かが判断される。なお、この場合の走行状態
とは前進走行状態であり、後退時は停止状態に含める。
車両の始動時には、車両は当然停止しているので、ステ
ップF61に進み、これ以降のステップで、チェンジレ
バー4Aのポジションに応じて、シフト動作が行なわれ
る。
【0093】車両の始動時に、チェンジレバー4AがN
ポジションからSポジションに切り替えられると、ステ
ップF61から、ステップF74に進んで、フラグFS
が1であるかが判断される。このフラグFSは、チェン
ジレバー4AをUPポジション又はDOWNポジション
へシフト動作をしている際に(即ち、シフト制御中に)
1とされ、シフト動作にはいる前やシフト動作の完了後
などには、0とされる。
【0094】なお、このフラグFSが1の間は、設定さ
れたシフト指令が続行される。始動時には、フラグFS
は0になっているので、ステップF74の後には、シフ
ト制御は行なわないでメインルーチンへリターンする。
以後、メインルーチンへのリターンを単にリターンとい
う。そして、停止時に、このSポジションからUPポジ
ションに切り替えられると、ステップF61から、ステ
ップF62,F70を経てステップF71に進んで、目
標変速段SNCとして2速(2nd)を設定して、ステッ
プF64に進んで、電磁バルブMVA〜MVFのうちの
いずれかに対応する指令信号を出力する。この2速指令
時には、シフト力が大きくなるように、電磁式3ウェイ
バルブ36Cに、連通状態になるような指令信号を出力
する。
【0095】ついで、ステップF65に進んで、フラグ
FSを1に設定して、ステップF66で、実際の変速段
検出信号に基づいて、実変速段SNRが目標変速段SN
Cと等しいかどうかが判断されて、実変速段SNRが目
標変速段SNCと等しくなければ、リターンする。な
お、実変速段SNRが目標変速段SNCと等しくなるこ
とは、シフトが完了したことに相当する。
【0096】そして、UPポジションが保持されると、
ステップF1,F2,F3,F4,F5,F61,F6
2,F70,F64,F65,F66のステップが繰り
返されて、シフト指令が続行される。こうして、2速へ
のシフトが完了して、実変速段SNRが目標変速段SN
Cと等しくなると、ステップF66から、ステップF6
7に進んで、チェンジレバー4Aの反力を除去する。即
ち、セミ自動T/Mコントロールユニット11から制御
信号を出力して、電磁式3ウェイバルブ36Aを排出状
態にして反力付与機構27を解除させてチェンジレバー
4Aの反力を抜く。
【0097】さらに、ステップF68でフラグFHを0
にして、ステップF69でフラグFSを0にして、リタ
ーンする。また、停止時に、SポジションからDOWN
ポジションに切り替えられると、ステップF61から、
ステップF62,F70,F72を経てステップF73
に進んで、目標変速段SNCとして1速(1st)を設定
して、ステップF64に進んで、電磁バルブMVA〜M
VFのうちのいずれかに対応する指令信号を出力する。
【0098】ついで、ステップF65に進んで、フラグ
FSを1に設定して、ステップF66で、実際の変速段
検出信号に基づいて、実変速段SNRが目標変速段SN
Cと等しいかどうかが判断されて、実変速段SNRが目
標変速段SNCと等しくなければ、リターンする。そし
て、DOWNポジションが保持されると、ステップF
1,F2,F3,F4,F5,F61,F62,F7
0,F72,F73,F64,F65,F66のステッ
プが繰り返されて、シフト指令が続行される。1速への
シフトが完了して、実変速段SNRが目標変速段SNC
と等しくなると、ステップF66から、ステップF67
に進んで、上述と同様に、チェンジレバー4Aの反力を
除去する。そして、ステップF68でフラグFHを0に
して、ステップF69でフラグFSを0にして、リター
ンする。
【0099】ただし、チェンジレバー4AがUPポジシ
ョン又はDOWNポジションに切り替えられたが、シフ
ト動作の完了前に、チェンジレバー4AがSポジション
へ戻されてしまったときには、フラグFSが1であるの
で、ステップF1,F2,F3,F4,F5,F61を
経て、ステップF74に進んで、このステップF74か
らステップF75に進み、目標変速段SNCとしてニュ
ートラル値Nを設定して対応する信号を電磁バルブMV
A〜MVFのうちのいずれかに出力する。
【0100】さらに、ステップF76に進んで、実変速
段SNRが目標変速段SNC(ここではニュートラル値
N)と等しいかどうかが判断されて、実変速段SNRが
目標変速段SNCと等しくなければ、リターンする。そ
して、ステップF1,F2,F3,F4,F5,F6
1,F74,F75,F76のステップが繰り返され
て、ニュートラルへのシフトが完了して、実変速段SN
Rが目標変速段SNCと等しくなると、ステップF76
から、ステップF77に進んで、フラグFSを0にし
て、リターンする。
【0101】また、停止時に、NポジションからRポジ
ションに切り替えられると、ステップF61から、ステ
ップF62を経てステップF63に進んで、目標変速段
SNCとしてリバースRを設定して、ステップF64に
進んで、対応する信号を電磁バルブMVA〜MVFのう
ちのいずれかに出力する。ついで、ステップF65に進
んで、フラグFSを1に設定して、ステップF66で、
実際の変速段検出信号に基づいて、実変速段SNRが目
標変速段SNCと等しいかどうかが判断されて、実変速
段SNRが目標変速段SNCと等しくなければ、リター
ンする。
【0102】そして、Rポジションが保持されると、ス
テップF1,F2,F3,F4,F5,F61,F6
2,F63,F64,F65,F66のステップが繰り
返されて、リバースへのシフトが完了して、実変速段S
NRが目標変速段SNCと等しくなると、ステップF6
6から、ステップF67に進んで、上述と同様に、チェ
ンジレバー4Aの反力を除去する。そして、ステップF
68でフラグFHを0に、ステップF69でフラグFS
を0にして、リターンする。
【0103】勿論、この途中に、チェンジレバー4Aが
Nポジションへ戻されると、ステップF1,F2,F
3,F4,F5,F61,F62,F70,F72,F
74を経て、ステップF75に進んで、目標変速段SN
CとしてニュートラルNを設定して対応する信号を電磁
バルブMVA〜MVFのうちのいずれかに出力する。そ
して、前述と同様に、実変速段SNRが目標変速段SN
C(ここではニュートラル値N)と等しくなったら、ス
テップF76から、ステップF77に進んで、フラグF
Sを0にして、リターンする。
【0104】チェンジレバー4AがRポジションに切り
替えられたが、シフト動作の完了前に、チェンジレバー
4AがNポジションへ戻されてしまったときにも、上述
と同様に動作する。このステップF75のニュートラル
へのシフト後には、反力を除去するステップやフラグF
Hを0にするステップが設けられていないので、UP,
DOWN,Rの各ポジションへのシフトが完了しない限
り、クラッチを踏み続けている間は、次の制御サイクル
で、ステップF3で「Yes」と判断されて、ステップ
F4に進んで、このステップF4で反力を付与しうる信
号が出力される。したがって、クラッチを踏み続けなが
ら、再び、UP,DOWN,Rの各ポジションへシフト
しようとする場合には、上述と同様に、反力を付与され
る。勿論、UP,DOWN,Rの各ポジションへのシフ
トが完了すると、上述のように、ステップF67で、フ
ラグFHが0にされるので、ステップF4に進まず、反
力を付与しうる信号が出力されない。したがって、この
時には、クラッチを踏み続けながら、再び、UP,DO
WN,Rの各ポジションへシフトしようとしても、反力
が付与されない。
【0105】このようにして、変速段が2速又は1速の
前進位置、又は、リバース(後退位置)にシフトされ
て、クラッチペダルの踏込を止めてクラッチ2を接続状
態にしながら、車両の走行を開始すると、車両は、この
設定された変速段のまま走行する。また、クラッチペダ
ルの踏込を止めたことで、ステップF2からステップF
60に進むと、フラグFHを1に切り替えて、チェンジ
レバー4Aに反力を付与しうる状態にする。
【0106】そして、車速が所定値以上の走行状態で、
ドライバがクラッチペダルを踏み込むと、前述と同様
に、ステップF1,F2から、ステップF3を経て、ス
テップF4に進んで、チェンジレバー4Aに反力を付与
する。これにより、前述と同様に、チェンジレバー4A
を操作すると、ドライバは適当な操作反力を受けて、シ
フト操作をしている感触を得られる。
【0107】そして、チェンジレバー4Aのポジション
に応じて、シフト動作が行なわれる。つまり、まず、ス
テップF5で、車両が走行状態であると判断されて、ス
テップF6に進む。チェンジレバー4Aは、走行時には
通常Sポジションであるので、このSポジションのまま
では、ステップF6から、ステップF50へ進む。
【0108】このステップF50では、フラグFUが1
か判断する。このフラグFUは、シフトアップ操作指令
を開始したがまだシフト操作が完了していないときに1
とされ、そうでないときには0とされる。シフトアップ
操作中でなければ、このフラグFUは0であり、ステッ
プF51へ進む。このステップF51では、フラグFD
が1か判断する。このフラグFDは、シフトダウン操作
指令を開始したがまだシフト操作が完了していないとき
に1とされ、そうでないときには0とされる。シフトダ
ウン操作中でなければ、このフラグFDは0であり、ス
テップF52へ進む。
【0109】このステップF52では、フラグFBが1
か判断する。このフラグFBは、最適変速段へのシフト
操作指令を開始したがまだシフト操作が完了していない
ときに1とされ、そうでないときには0とされる。シフ
ト操作中でなければ、このフラグFBは0であり、リタ
ーンする。ここで、ドライバが、チェンジレバー4Aを
UP又はDOWNのポジションに操作すると、シフト条
件を満たす場合には、シフトアップ又はシフトダウンを
行なう。
【0110】例えば、走行時に、チェンジレバー4Aが
SポジションからUPポジションに切り替えられると、
ステップF6から、ステップF7,F9を経てステップ
F10に進んで、フラグFNが1であるかが判断され
る。このフラグFNは、チェンジレバー4AがSポジシ
ョンの前にNポジションであった場合に1とされ、そう
でない場合、つまり、チェンジレバー4AがSポジショ
ンの前にUP又はDOWNのポジションに操作された場
合には0とされる。そして、フラグFNが0のときに
は、1段ずつシフトアップ又はシフトダウンする通常の
シフト動作を実行し、フラグFNが1のときには、走行
状態に最適な変速段へ直接シフトするシフト動作を実行
する。
【0111】つまり、通常は、チェンジレバー4AをU
P又はDOWNへのポジションに操作しながら変速機の
シフトを行なうので、Sポジションの前にはチェンジレ
バー4AはUP又はDOWNへのポジションにあって、
Nポジションにはない。そこで、この時にはフラグFN
が0となる。フラグFNが0のときには、ステップF7
8に進んで、最適シフトスイッチ26がオンであるかが
判断され、最適シフトスイッチ26がオンでなければ、
ステップF11に進んで、前述のフラグFUが1である
かが判断される。また、最適シフトスイッチ26がオン
であれば、ステップF23に進む。
【0112】ステップF11では、チェンジレバー4A
が切り替えられてはじめての制御サイクルでは、まだ、
シフト操作指令が行なわれていないので、フラグFUは
1でないので、ステップF12に進んで、現変速段SN
Rが7速(7th)であるかが判断される。現変速段SN
Rが7速(7th)であれば、もうこれ以上はシフトアッ
プできないので、ステップF8に進んで、警報ブザー1
4を鳴らして、警告する。当然、変速指令は行なわな
い。
【0113】現変速段SNRが7速(7th)でなけれ
ば、ステップF13に進んで、現変速段SNRよりも一
段上の変速段SNR+1を、シフト目標とする変速段S
NCに設定する。さらに、ステップF14に進んで、目
標変速段SNCへのシフト指令を行なう。つまり、電磁
バルブMVA〜MVFのうちのいずれかに対応する指令
信号を出力する。そして、ステップF15でフラグFU
を1に設定し、ステップF16でフラグFDを0に設定
し、ステップF17でフラグFBを0に設定する。そし
て、ステップF18で、現変速段SNRが目標変速段S
NCになったかを判断するが、シフト指令開始時には、
まだ、現変速段SNRが目標変速段SNCになっていな
いので、リターンする。
【0114】そして、UPポジションが保持されると、
ステップF1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,
F9,F10,F11,F12,F13,F14,F1
5,F16,F17,F18のステップが繰り返され
て、シフト指令が続行される。シフトアップが完了し
て、実変速段SNRが目標変速段SNCと等しくなる
と、ステップF18から、ステップF19に進んで、チ
ェンジレバー4Aの反力を除去する。即ち、セミ自動T
/Mコントロールユニット11から制御信号を出力し
て、電磁式3ウェイバルブ36Aを排出状態にして反力
付与機構27を解除させてチェンジレバー4Aの反力を
抜く。
【0115】そして、ステップF20でフラグFHを0
にして、ステップF21でフラグFUを0にして、さら
に、ステップF22でフラグFNを0にして、リターン
する。一方、このUPポジションに操作される前に、N
ポジションからSポジションへの操作が行なわれていれ
ば、フラグFNが1とされ、ステップF1,F2,F
3,F4,F5,F6,F7,F9を経て、ステップF
10からステップF23に進んで、前述のフラグFBが
1であるかが判断される。また、最適シフトスイッチ2
6がオンであれば、ステップF78からステップF23
に進んで、前述のフラグFBが1であるかが判断され
る。
【0116】シフト操作指令が行なわれていなければ、
ステップF24に進んで、現在の走行状態に最適な変速
段SNBを車速情報等から演算する。この最適な変速段
SNBには、シフトアップ時には、所要のエンジン回転
数域内(この例では、600rpm以上で2300rp
m以下)で、最上の変速段SNmax が設定される。つま
り、エンジン回転数域内の下限回転数600rpm以上
の範囲で、最上の変速段SNmax が設定されるのであ
る。
【0117】そして、続くステップF25では、最適変
速段SNBを、目標変速段SNCに設定する。さらに、
ステップF26で、目標変速段SNCへのシフト指令を
行なう。つまり、電磁バルブMVA〜MVFのうちのい
ずれかに対応する指令信号を出力する。そして、ステッ
プF27でフラグFBを1に設定し、ステップF28で
フラグFUを0に設定し、ステップF29でフラグFD
を0に設定する。そして、ステップF30で、現変速段
SNRが目標変速段SNCになったかを判断するが、シ
フト指令開始時には、まだ、現変速段SNRが目標変速
段SNCになっていないので、リターンする。
【0118】そして、UPポジションが保持されると、
ステップF1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,
F9,F10,F23,F24,F25,F26,F2
7,F28,F29,F30のステップが繰り返され
て、シフト指令が続行される。シフトが完了して、実変
速段SNRが目標変速段SNCと等しくなると、ステッ
プF30から、ステップF31に進んで、前述と同様
に、チェンジレバー4Aの反力を除去する。即ち、セミ
自動T/Mコントロールユニット11から制御信号を出
力して、電磁式3ウェイバルブ36Aを排出状態にして
反力付与機構27を解除させてチェンジレバー4Aの反
力を抜く。
【0119】そして、ステップF32でフラグFHを0
にして、ステップF33でフラグFBを0にして、さら
に、ステップF34でフラグFNを0にして、リターン
する。また、走行時に、チェンジレバー4AがSポジシ
ョンからDOWNポジションに切り替えられると、ステ
ップF6から、ステップF7,F9,F35を経てステ
ップF36に進んで、フラグFNが1であるかが判断さ
れる。
【0120】通常は、フラグFNが0なので、ステップ
F79に進んで、最適シフトスイッチ26がオンである
かが判断され、最適シフトスイッチ26がオンでなけれ
ば、ステップF37に進み、最適シフトスイッチ26が
オンであれば、ステップF23に進む。ステップF37
に進むと、前述のフラグFDが1であるかが判断され
る。
【0121】チェンジレバー4Aが切り替えられてはじ
めての制御サイクルでは、まだ、シフト操作指令が行な
われていないので、フラグFDは1でないので、ステッ
プF38に進んで、現変速段SNRが1速(1st)であ
るかが判断される。現変速段SNRが1速(1st)であ
れば、もうこれ以上はシフトダウンできないので、ステ
ップF8に進んで、警報ブザー14を鳴らして、警告す
る。当然、変速指令は行なわない。
【0122】現変速段SNRが1速(1st)でなけれ
ば、ステップF39に進んで、現変速段SNRよりも一
段下の変速段SNR−1を、目標変速段SNCに設定す
る。そして、続くステップF40で、目標変速段SNC
にシフトダウンしてもエンジンがオーバランしないかを
判断する。この判断は、現車速と目標変速段SNCとか
らシフトダウン後のエンジン回転数を演算して、これを
オーバラン限界値と比較することで行なえる。
【0123】この判断で、オーバランするとされると、
ステップF8に進んで、警報ブザー14を鳴らして警告
して、変速指令は行なわない。オーバランしないとされ
ると、ステップF41に進んで、シフトダウン指令を行
なう。つまり、電磁バルブMVA〜MVFのうちのいず
れかに対応する指令信号を出力する。さらに、ステップ
F42で、フラグFDを1に設定し、ステップF43
で、フラグFUを0に設定し、ステップF44で、フラ
グFBを0に設定する。そして、ステップF45で、現
変速段SNRが目標変速段SNCになったかを判断する
が、シフト指令開始時には、まだ、現変速段SNRが目
標変速段SNCになっていないので、リターンする。
【0124】そして、DOWNポジションが保持される
と、ステップF1,F2,F3,F4,F5,F6,F
7,F9,F35,F36,F37,F38,F39,
F40,F41,F42,F43,F44,F45のス
テップが繰り返されて、シフト指令が続行される。シフ
トダウンが完了して、実変速段SNRが目標変速段SN
Cと等しくなると、ステップF45から、ステップF4
6に進んで、チェンジレバー4Aの反力を除去する。即
ち、セミ自動T/Mコントロールユニット11から制御
信号を出力して、電磁式3ウェイバルブ36Aを排出状
態にして反力付与機構27を解除させてチェンジレバー
4Aの反力を抜く。
【0125】そして、ステップF47でフラグFHを0
にして、ステップF48でフラグFDを0にして、さら
に、ステップF49でフラグFNを0にして、リターン
する。一方、このDOWNポジションに操作される前
に、NポジションからSポジションへの操作が行なわれ
ていれば、フラグFNが1とされ、ステップF1,F
2,F3,F4,F5,F6,F7,F9,F35を経
て、ステップF36からステップF23に進む。また、
最適シフトスイッチ26がオンであれば、ステップF7
8からステップF23に進む。そして、前述のUPポジ
ションへの操作時と同様なステップが実行される。
【0126】つまり、ステップF23で、前述のフラグ
FBが1であるかが判断され、シフト操作指令が行なわ
れていなければ、ステップF24に進んで、現在の走行
状態に最適な変速段SNBを車速情報等から演算する。
この最適な変速段SNBには、シフトアップ時には、所
要のエンジン回転数域内(この例では、600rpm以
上で2300rpm以下)で、最下の変速段SNmin が
設定される。つまり、エンジン回転数域内の下限回転数
2300rpm以下の範囲で、最下の変速段SNmin が
設定されるのである。
【0127】そして、続く、ステップF25で、最適変
速段SNBを、目標変速段SNCに設定する。さらに、
ステップF26で、目標変速段SNCへのシフト指令を
行なう。つまり、電磁バルブMVA〜MVFのうちのい
ずれかに対応する指令信号を出力する。そして、ステッ
プF27でフラグFBを1に設定し、ステップF28で
フラグFUを0に設定し、ステップF29でフラグFD
を0に設定する。そして、ステップF30で、現変速段
SNRが目標変速段SNCになったかを判断して、現変
速段SNRが目標変速段SNCになっていなければ、リ
ターンする。
【0128】そして、DOWNポジションが保持される
と、ステップF1,F2,F3,F4,F5,F6,F
7,F9,F35,F36,F23,F24,F25,
F26,F27,F28,F29,F30のステップが
繰り返されて、シフト指令が続行される。シフトが完了
して、実変速段SNRが目標変速段SNCと等しくなる
と、ステップF30から、ステップF31に進んで、前
述と同様に、チェンジレバー4Aの反力を除去する。即
ち、セミ自動T/Mコントロールユニット11から制御
信号を出力して、電磁式3ウェイバルブ36Aを排出状
態にして反力付与機構27を解除させてチェンジレバー
4Aの反力を抜く。
【0129】そして、ステップF32でフラグFHを0
にして、ステップF33でフラグFBを0にして、さら
に、ステップF34でフラグFNを0にして、リターン
する。なお、このシフトアップ時やシフトダウン時や最
適シフト時にも、目標変速段SNCが2速指令時には、
シフト力が大きくなるように、電磁式3ウェイバルブ3
6Cに、連通状態になるような指令信号を出力する。
【0130】ただし、チェンジレバー4AがUPポジシ
ョン又はDOWNポジションに切り替えられたが、シフ
ト動作の完了前に、チェンジレバー4AがSポジション
へ戻されてしまったときには、ステップF15でフラグ
FUが1にされるか、ステップF27でフラグFBが1
にされるか、ステップF42でフラグFDが1にされる
かするので、ステップF50,ステップF51,ステッ
プF52のいずれかの判断で、ステップF53に進ん
で、目標変速段SNCとしてニュートラル値Nを設定し
て、ステップF54で、対応する信号を電磁バルブMV
A〜MVFのうちのいずれかに出力する。
【0131】さらに、ステップF55に進んで、実変速
段SNRが目標変速段SNC(ここではニュートラル値
N)と等しいかどうかが判断されて、実変速段SNRが
目標変速段SNCと等しくなければ、リターンする。そ
して、ステップF1,F2,F3,F4,F5,F6か
ら、F50又はF50,F51又はF50,F51,F
52を経て、F53,F54,F55のステップが繰り
返されて、ニュートラルへのシフトが完了して、実変速
段SNRが目標変速段SNCと等しくなると、ステップ
F55から、ステップF56に進んでフラグFUを0に
設定し、ステップF57でフラグFDを0に設定し、ス
テップF58でフラグFBを0に設定し、ステップF5
9でフラグFDを0に設定してリターンする。
【0132】また、走行時に、NポジションからRポジ
ションに切り替えられると、ステップF1,F2,F
3,F4,F5,F6,F7からステップF8に進ん
で、警報ブザー14を鳴らして警告する。当然ながら、
変速指令は行なわない。このようにして、チェンジレバ
ー4AをUPポジション又はDOWNポジションに切り
替えながら、適切な変速段を選びながら、走行すること
ができる。また、シフトダウン時には、選択した変速段
でエンジンがオーバランしないかがチェックされるの
で、エンジンの保護も図れる。
【0133】また、チェンジレバー4AをUPポジショ
ン又はDOWNポジションへ切替操作を行なおうとする
ときに、切替操作の開始後に誤操作したと気付いたら、
シフト完了前にチェンジレバー4Aを戻せば、ニュート
ラルへ戻されるので、この後で、チェンジレバー4Aを
UPポジション又はDOWNポジションへ操作すると、
最適変速段SNBへシフトされる。
【0134】この場合以外にも、ニュートラルの状態か
らチェンジレバー4AをUPポジション又はDOWNポ
ジションへ操作すると、最適変速段SNBへシフトされ
るので、変速段の選択ミスを回避できる。次に、自動シ
フトモードの制御の一例を図7のフローチャートを参照
して、具体的に説明する。
【0135】図7に示すように、まず、ステップA1
で、各センサやスイッチ類からの信号をセミ自動T/M
コントロールユニット11及び電子ガバナコントロール
ユニット12に入力する。次のステップA2〜A6で、
ブレーキペダルの踏込時と、ブレーキペダルは踏み込ん
でいないが排気ブレーキが作動状態にある時と、ブレー
キペダルも踏み込まれずに排気ブレーキも作動状態にな
い時との、3種の走行状態に応じて、それぞれ、変速シ
フトマップMAPを設定する。
【0136】つまり、ステップA2で、ブレーキペダル
が踏み込まれているかが判断され、ブレーキペダルが踏
み込まれていれば、ステップA3に進んで、マップma
p3を変速シフトマップMAPに設定する。ブレーキペ
ダルが踏み込まれていなければ、ステップA2からステ
ップA4へ進んで、排気ブレーキがオン状態かが判断さ
れ、排気ブレーキがオン状態ならば、ステップA5に進
んで、マップmap2を変速シフトマップMAPに設定
する。
【0137】排気ブレーキがオン状態でなければ、通常
変速時マップmap1を変速シフトマップMAPに設定
するが、ここでは、この自動変速モードの際にチェンジ
レバー4Aが操作されると、変速シフトマップMAPを
変更する。つまり、通常変速時シフトマップmap1と
してマップmap1N,map1P,map1Eとが用
意されており、マップmap1Nが標準的なシフトマッ
プ(ノーマルシフトマップ)であるのに対して、マップ
map1Pはこのノーマルシフトマップmap1Nより
もエンジンの高回転域を利用して大きなエンジン出力を
得られるようにしたパワーシフトマップであり、マップ
map1Eはノーマルシフトマップmap1Nよりもエ
ンジンの低回転域を利用して経済的にエンジンを運転し
うるようにしたエコノミーシフトマップである。
【0138】そして、自動変速モードに切り換わった際
には、まず、ノーマルシフトマップmap1Nが通常変
速マップmap1とされるが、シフトアップの操作が行
なわれると、通常変速マップmap1はこれよりもエコ
ノミー側に切り替えられ、シフトダウンの操作が行なわ
れると、通常変速マップmap1はこれよりもパワー側
に切り替えられるようになっている。
【0139】つまり、自動変速モードに切り換わった際
には、まず、ノーマルシフトマップmap1Nが通常変
速時シフトマップmap1とされるが、この後、ステッ
プA33の判断で、シフトアップの操作が行なわれてい
るとされると、ステップA6へ進んで、ノーマルシフト
マップmap1Nよりもエコノミー側のシフトマップを
変速シフトマップMAPに設定する。また、ノーマルシ
フトマップmap1Nの状態で、ステップA33からス
テップA34に進んで、このステップA34の判断で、
シフトダウンの操作が行なわれているとされると、ステ
ップA35へ進んで、パワー側のシフトマップを変速シ
フトマップMAPに設定する。
【0140】なお、ステップA6,A35中には、ma
p1(E),map1(P)と記載しているが、map
1(P)は、通常変速時シフトマップmap1として現
に設定されているものよりも1段パワー側のシフトマッ
プを意味しており、map1(E)は、通常変速時シフ
トマップmap1として現に設定されているものよりも
1段エコノミー側のシフトマップを意味している。
【0141】例えば、現在、通常変速時シフトマップm
ap1がノーマルシフトマップmap1Nであれば、m
ap1(P)は、これよりも1段パワー側のパワーシフ
トマップmap1Pを示し、map1(E)は、これよ
りも1段エコノミー側のパワーシフトマップmap1E
を示す。また、現在設定されている通常変速時シフトマ
ップmap1がエコノミーシフトマップmap1Eであ
れば、map1(P)は、これよりも1段パワー側のノ
ーマルシフトマップmap1Nを示し、現在設定されて
いる通常変速時シフトマップmap1がパワーシフトマ
ップmap1Pであれば、map1(E)は、これより
も1段エコノミー側のノーマルシフトマップmap1N
を示すことになる。
【0142】変速シフトマップMAPがパワー側のシフ
トマップに切り替えられると、車速及びエンジン負荷
(アクセル操作量)にもよるが、シフトダウンされるこ
とになり、エンジンが、出力の大きい高回転域を用いら
れるようになる。また、変速シフトマップMAPがエコ
ノミー側のシフトマップに切り替えられると、車速及び
エンジン負荷(アクセル操作量)にもよるが、シフトア
ップされることになり、エンジンが、燃料消費の少ない
低回転域を用いられるようになる。
【0143】そして、この後チェンジレバー4Aが操作
されなければ、設定されたシフトマップMAPがそのま
ま継続される。このようにして、変速シフトマップMA
Pに設定されたら、ステップA7に進んで、この変速シ
フトマップMAPに基づいて、アクセルペダル踏込量及
び車速から目標変速段SNCを設定する。
【0144】次のステップA8で、シフトが必要かが判
断される。例えば、現変速段SNRと目標変速段SNC
とを比較して、これらが異なればシフトが必要と判断す
ることができる。シフトが必要ないなら、現変速段SN
Rが最適な状態なので、リターンするが、シフトが必要
ならば、ステップA9に進んで、シフト制御を開始す
る。
【0145】まず、ステップA9〜A12で、アクセル
ペダルの操作状態に関係なくアクセルを戻すように制御
する。即ち、ステップA9で、フラグFAC1が0であ
るかを判断する。このフラグFAC1は、アクセル戻し
制御が完了すると1とされるが、シフト制御開始時に
は、0とされており、ステップA10に進む。このステ
ップA10では、電子ガバナコントロールユニット12
から、アクセル戻し信号を出力して、電子ガバナ1Aの
制御を行なう。これは、ステップA11で、アクセル戻
しが完了したと判断するまで行なわれる。
【0146】アクセル戻しが完了すると、ステップA1
2で、フラグFAC1を1にして、ステップA13〜A
16で、クラッチを遮断する。即ち、ステップA13
で、フラグFCR1が0であるかを判断する。このフラ
グFCR1は、クラッチの遮断が完了すると1とされ
る。続くステップA14では、セミ自動T/Mコントロ
ールユニット11から電磁式バルブ36Eに作動指令信
号を出力する。これにより、電磁式バルブ36Eが作動
して、クラッチブースタ2Aにエア圧を供給して、クラ
ッチ2を離隔状態にする。
【0147】そして、ステップA15で、クラッチを遮
断(切)が完了したと判断したら、ステップA16で、
フラグFCRを1にして、ステップA17〜A20で、
ギヤをニュートラルへ戻す。即ち、ステップA17で、
フラグFGN1が0であるかを判断する。このフラグF
GN1は、ギヤのニュートラルへの戻しが完了すると1
とされる。続くステップA18では、セミ自動T/Mコ
ントロールユニット11から、ギヤシフトユニット3A
の電磁バルブMVA〜MVFのうちの所要の電磁バルブ
へ作動信号が出力される。これにより、変速機本体3の
ギヤ機構の噛合状態が、ニュートラル位置に戻される。
【0148】ステップA19で、ギヤのニュートラルへ
の戻しが完了したと判断したら、ステップA20で、フ
ラグFGNを1にして、ステップA21で、電子ガバナ
コントロールユニット12から、電子ガバナ1Aに所要
のエンジン回転数になるように制御信号を出力する。つ
まり、目標変速段と実車速とからエンジンの目標回転数
を設定して、エンジン回転数センサ22から得られる実
際のエンジンの回転数が目標回転数に近づくように電子
ガバナ1Aを制御する。
【0149】そして、ステップA22〜A25で、ギヤ
をニュートラルへ戻す。即ち、ステップA22で、フラ
グFSNCが0であるかを判断する。このフラグFSN
Cは、ギヤの目標変速段へのシフトが完了すると1とさ
れる。続くステップA23では、セミ自動T/Mコント
ロールユニット11から、ギヤシフトユニット3Aの電
磁バルブMVA〜MVFのうちの所要の電磁バルブへ作
動信号が出力される。これにより、変速機本体3のギヤ
機構の噛合状態が、目標変速段SNC位置に切り替えら
れる。
【0150】ステップA24で、ギヤの目標変速段SN
Cへの切換が完了したと判断したら、ステップA25
で、フラグFSNCを1にする。さらに、ステップA2
6で、エンジンの回転数が所要の状態に制御されたと判
断されたら、ステップA27〜A30で、クラッチを接
合する。即ち、ステップA27で、フラグFCR2が0
であるかを判断する。このフラグFCR2は、クラッチ
の接合が完了すると1とされる。続くステップA28で
は、セミ自動T/Mコントロールユニット11から電磁
式バルブ36Fに作動指令信号を出力する。これによ
り、電磁式バルブ36Fが作動して、クラッチブースタ
2Aのエア圧を除去して、クラッチ2を接合状態にす
る。
【0151】ステップA29で、クラッチの接合が完了
したと判断したら、ステップA30で、フラグFCR2
を1にして、ステップA31で、アクセル調整がアクセ
ルペダルの操作状態に対応する通常の状態に戻す。つま
り、クラッチスイッチから、クラッチが接合したことに
対応する信号が出力されると、セミ自動T/Mコントロ
ールユニット11からの仮想的な踏込量信号の出力が終
えられるとともに、電子ガバナコントロールユニット1
2では、アクセルペダルの踏込量信号に対応して電子ガ
バナ1Aを制御してエンジンの出力状態を調整する通常
の制御状態に復帰する。
【0152】さらに、ステップA31で、フラグFAC
1,フラグFCR1,フラグFGN,フラグFSNC,
フラグFCR2をいずれも0に戻して、一連の自動変速
によるシフト動作を完了する。このようにして、このセ
ミオートマチック式変速機装置では、高速段域では、ド
ライバの好みに応じて、自動シフトモードと手動シフト
モードとを選択することができ、自動シフトモードにす
ると、ドライバは特別にシフト動作を行なわなくてもよ
くなる。このため、例えば高速道路等では、この自動シ
フトモードに設定することで、シフト操作に関するドラ
イバの負担が大幅に軽減され、運転操作に伴って生じる
ドライバの疲労も大きく抑制される。
【0153】また、手動シフトモードに設定した場合に
も、単にチェンジレバーを操作するだけの小さな力で、
フィンガータッチでシフトを行なえるので、シフト操作
に関するドライバの負担が軽減され、運転操作に伴って
生じるドライバの疲労も抑制される。そして、自動シフ
トモードを実行する条件が、変速段が高速段域に限ると
しているので、クラッチの断接動作を単純なオンオフ操
作だけで行なうことができる。そこで、ここでは、クラ
ッチブースタ2Aの構造の複雑化やその制御の複雑化を
回避できるようになり、装置のコスト低減と、信頼性の
向上とに寄与しうる利点がある。
【0154】また、本チェンジレバー4Aが前述のよう
なI型シフトパターンに設定されているので、従来のH
型シフトパターンのものに比べて、以下のような利点が
ある。つまり、一般的な手動チェンジレバーに採用され
ているH型シフトパターンのチェンジレバーでは、各変
速段に応じたポジションが設定されている。本装置で
は、前進7段と後進1段とがあるので、もしも、H型シ
フトパターンのものを用いれば、8つのポジションを必
要とする。したがって、手動チェンジレバーの部分の構
造が複雑化や大型化し易く、また、シフト時に操作し難
い。
【0155】また、手動シフトモードと自動シフトモー
ドとを切り替えるようにすることを考えると、H型シフ
トパターンのものでは、自動シフトモード時に、変速段
のシフトに伴って、チェンジレバーもシフトしなくて
は、チェンジレバーと変速段とが整合しなくなり、不具
合をきたす。つまり、自動シフトモードから手動シフト
モードへ切り替えたときに、チェンジレバーと変速段と
が整合しないと、ドライバが現変速段を誤認識し易くな
り、この点でもシフト操作上の不具合を招く。そこで、
自動シフトモードのシフトに伴ってチェンジレバーをシ
フトする機構を備える必要が生じるが、このような機構
は、手動チェンジレバーの部分の構造を一層複雑化し
て、大幅なコスト増を招きやすい。
【0156】これに対して、本装置のI型シフトパター
ンのチェンジレバー4Aでは、実質的なシフトポジショ
ンは、R(リバース)とUP(シフトアップ)とDOW
N(シフトダウン)との3つであり、手動チェンジレバ
ーの部分の構造が簡素になり、小型化し易い。このた
め、シフト操作が容易である。また、シフト操作時以外
には、チェンジレバー4Aは、N(ニュートラル)又は
S(走行)のポジションにあり、選択されている変速段
位置は、ディスプレイユニット13から認識できる。自
動シフトモード時には、変速段のシフトに伴って、ディ
スプレイユニット13の表示が切り替えられる。
【0157】したがって、自動シフトモードから手動シ
フトモードへ切り替えたときに、チェンジレバー自体を
動かす必要がなく、チェンジレバーと変速段とが整合し
ないといった不具合は解消されて、ドライバは現変速段
を適切に認識しながら、手動シフトに移ることができる
のである。また、手動・自動切替スイッチ5は少なくと
も操作時以外には、常に一定の状態に保持されるので、
例えば、手動・自動切替スイッチ5を操作しないで、他
の手段で自動シフトモードから手動シフトモードに切り
替わった場合にも、手動・自動切替スイッチ5を特別に
駆動することなく、手動・自動切替スイッチ5の状態
と、実際のシフトモードとが整合しないような不具合を
回避できる。そして、ディスプレイユニット13の表示
を見ながら、ドライバは現シフトモードを容易に認識し
ながら、運転できる。
【0158】さらに、手動シフトモード時に、最適シフ
トスイッチ26をオンに入れた状態で、チェンジレバー
4AをUPポジションに入れれば、所要のエンジン回転
数域内(つまり、600rpm以上)のエンジンの安定
した回転が確保される範囲で、最も高い変速段SNmax
への飛び越しシフトも可能となり、逆に、最適シフトス
イッチ26をオンに入れた状態で、チェンジレバー4A
をDOWNポジションに入れれば、所要のエンジン回転
数域内(つまり、2300rpm以下)のエンジンの安
定した回転が確保される範囲で、最も低い変速段SNma
x への飛び越しシフトも可能となる。このように、I型
シフトパターンでありながら、飛び越しシフトができる
ので、ドライバのシフト操作の選択の範囲が広がって、
ドライバが好みのシフトチェンジを行なえる利点があ
る。
【0159】また、自動シフトモード時に、チェンジレ
バー4AをUPポジションに入れれば、変速シフトマッ
プMAPがエコノミー側のシフトマップに切り替えられ
て、車速及びエンジン負荷(アクセル操作量)にもよる
が、シフトアップされることになり、エンジンを低回転
域に保ちながら、燃料消費の少ない走行パターンを選ぶ
ことができる。
【0160】逆に、自動シフトモード時に、チェンジレ
バー4AをDOWNポジションに入れれば、変速シフト
マップMAPがパワー側のシフトマップに切り替えられ
て、車速及びエンジン負荷(アクセル操作量)にもよる
が、シフトダウンされることになり、エンジンを高回転
域に保ちながら、大きなエンジン出力を使いながらの走
行パターンを選ぶことができる。
【0161】このように、本セミオートマチック式変速
機装置では、ドライバが、走行中に車両の走行環境等に
応じて、ある期間だけスポーツ走行を選んだりエコノミ
ー走行を選んだりすることが容易で且つ速やかに行なえ
るようになり、自動変速走行時のドライブをより快適に
行なうことができるのである。また、手動シフトモード
時に、チェンジレバー4Aを操作すると、クラッチペダ
ル6が踏み込まれていることを条件にシフト制御の信号
が出力されチェンジレバー4Aに反力が付与されるよう
になっており、クラッチペダル6が踏み込まれていない
と、シフト制御の信号は出力されず、チェンジレバー4
Aに反力が付与されない。このため、クラッチ2の保護
が図れるとともに、ドライバが、チェンジレバー4Aに
反力が付与されないことで、シフト操作が受け入れない
ことを認識できる。
【0162】また、クラッチペダル6が踏み込まれてい
るときには、UP又はDOWN又はRにチェンジレバー
4Aをシフトすると、UP又はDOWN又はRに近い所
定のポジションからチェンジレバー4Aに反力が付与さ
れるので、ドライバが、シフト操作が受け入れているこ
とを認識できる。さらに、このチェンジレバー4Aでシ
フト指令した変速段へのシフトが完了すると、チェンジ
レバー4Aに反力が除去されるので、ドライバは、シフ
ト操作が完了したことを認識できる。
【0163】また、走行中に、このシフト操作の途中
で、シフト指令した変速段へのシフトが完了する前に
(即ち、チェンジレバー4Aの反力が除去される前
に)、チェンジレバー4AをUP又はDOWNからS又
はNに戻すと、変速段がN(ニュートラル)に戻り、こ
の後、チェンジレバー4Aを再びUP又はDOWNにシ
フトすると、最適な変速段にシフトされる。このため、
変速シフトの誤った指令を速やか且つ適切に回避でき
る。
【0164】さらに、このようなチェンジレバー4Aの
指令は、電気信号で出力されるので、チェンジレバー4
Aに付設される、信号を発生するための接点等の設定い
かんで、チェンジレバー4Aを僅かにシフトしただけで
も、所望の指令を出力できるようになり、制御応答性を
高めることができる。なお、目標変速段へのシフト時
に、大きなシフト力を要する場合にだけ、シフト力が大
きくされて、大きなシフト力を要さない場合には、シフ
ト力が普通の大きさに設定されるので、シフト力をあま
り要さない高速段へのシフト時に、シンクロリングやチ
ャンファの磨耗等が抑制され、特に、この装置では、チ
ェンジレバー4Aの操作に対する応答性を高められるの
で、例えば大きなシフト力を要する変速段にチェンジレ
バー4Aが操作された信号を受けてから、シフト力の切
替をするように設定しても、シフト操作に間に合わせる
ことができ、上述の効果を確実に得られる。
【0165】また、制御系統が万一フェイルした時な
ど、電磁式バルブ36Eが作動してクラッチブースタ2
Aにエア圧が供給されてクラッチ2の離隔状態のままに
なったような緊急時にも、切替スイッチ5を手動シフト
モードに設定するだけで、容易に、電磁式バルブ36D
を通じてクラッチブースタ2Aのエア圧が除去されて、
クラッチ2が離隔状態(切)になる。このため、この後
にも、手動シフトにより、シフト操作することができ
る。
【0166】また、セミ自動T/Mコントロールユニッ
ト11等が万一フェイルした時には、エマージェンシス
イッチ23を通じて、チェンジレバー4Aからの指令信
号を、セミ自動T/Mコントロールユニット11を介在
させずに、直接ギヤシフトユニット3Aに送る直接操作
モードに切り替えることができるので、このような場合
にも、シフト操作の途が確保されている。
【0167】なお、図5に示すようなシフト制御の流れ
(メインフロー)を図8,9に示すようなものにしても
よい。この図8,9に示すフローチャートは、ステップ
M6(図8参照)と、このステップM6からのNoルー
トとが図5に示す実施例のものと異なっている。つま
り、この図8,9に示すステップM6は、チェンジレバ
ー位置がSになっているかどうかの判断になっている。
そして、チェンジレバー位置がSになっていれば、ステ
ップM7に進み、この後、実施例の場合と同様なステッ
プが行なわれ、チェンジレバー位置がSになっていなけ
れば、図9に示すステップM20に進む。
【0168】ステップM20では、チェンジレバー位置
がUPになっているかどうかが判断される。ここで、チ
ェンジレバー位置がUPになっていれば、ステップM2
2に進み、自動変速のためのシフトマップを現在よりも
エコノミー側のものにする。なお、シフトマップは実施
例と同様にノーマルシフトマップmap1Nに初期設定
されている。
【0169】また、図9中のステップM22内に示すA
は選択するシフトマップを示し、A=1はパワーシフト
マップmap1Pに相当し、A=2はノーマルシフトマ
ップmap1Nに相当し、A=3はエコノミーシフトマ
ップmap1Eに相当する。そして、A+1は、現在の
シフトマップAよりも1段エコノミー側のシフトマップ
を示す。したがって、現在のシフトマップAがA=1で
あればこれはパワーシフトマップmap1Pであり、A
+1は2となって、ノーマルシフトマップmap1Nと
なり、現在のシフトマップAがA=2であればこれはノ
ーマルシフトマップmap1Nであり、A+1は3とな
って、エコノミーシフトマップmap1Eとなる。
【0170】また、現在のシフトマップAがA=3のと
きには、A+1は4となってしまうが、この場合には、
ステップM23で、Yesと判断され、ステップM24
に進んで、シフトマップAをA=3に変更して、エコノ
ミーシフトマップmap1Eが保持される。そして、こ
の後にステップM7に進む(図8参照)。
【0171】また、チェンジレバー位置がUPになって
いなければ、ステップM20からステップM21へ進
む。このステップM21では、チェンジレバー位置がD
OWNになっているかどうかが判断される。ここで、チ
ェンジレバー位置がDOWNになっていれば、ステップ
M25に進み、自動変速のためのシフトマップを現在よ
りもパワー側のものにする。つまり、現在のシフトマッ
プAよりも1段パワー側のA−1を新たなシフトマップ
Aとする。
【0172】例えば、現在のシフトマップAがA=3で
あればこれはエコノミーシフトマップmap1Eであ
り、A−1は2となって、ノーマルシフトマップmap
1Nとなり、現在のシフトマップAがA=2であればこ
れはノーマルシフトマップmap1Nであり、A−1は
1となって、パワーシフトマップmap1Pとなる。ま
た、現在のシフトマップAがA=1のときには、A−1
は0となってしまうが、この場合には、ステップM26
で、Yesと判断され、ステップM27に進んで、シフ
トマップAをA=1に変更して、パワーシフトマップm
ap1Pが保持される。
【0173】そして、この後にステップM7に進む(図
8参照)。また、チェンジレバー位置がUPでもDOW
Nでもなければ、ステップM21からステップM14に
進む(図8参照)。そして、メインフローチャートをこ
のように構成した場合には、図7に示す自動変速制御ル
ーチンのうち、ステップA33,A34,A6,A35
を削除して、ステップA4からのNoルートはステップ
A7に進むようにする。この場合には、既にステップM
23又はM25で設定された通常変速時シフトマップm
ap1、つまり、ノーマルシフトマップmap1N,エ
コノミーシフトマップmap1E又はパワーシフトマッ
プmap1Pが変速シフトマップMAPに設定される。
【0174】このような構成でも、ドライバが、走行中
に車両の走行環境等に応じて、ある期間だけスポーツ走
行を選んだりエコノミー走行を選んだりすることが容易
で且つ速やかに行なえるようになり、自動変速走行時の
ドライブをより快適に行なうことができるのである。な
お、この実施例では、変速段が前進7段に設定されてい
るが、勿論、本変速機装置の変速段はこれに限定される
ものでない。また、この実施例では、第4速以上を変速
段の高速段(つまり、自動シフトモードの可能な領域)
に設定しているが、これも、変速機の変速しうる段数
や、エンジン特性や車両特性に応じて、変速段の高速段
(自動シフトモードの可能な領域)を種々設定しうるこ
とは、言うまでもない。
【0175】そして、この実施例では、2速指令時にだ
け、電磁式3ウェイバルブ36Cを連通状態になるよう
にして、高圧エアによってシフト力が大きくなるように
しているが、このシフト力を大きくする制御は、シフト
駆動負荷の大きい変速指令の際に行なうようにするもの
で、2速指令時に限定されるものでない。また、例えば
2速指令時でも、よりシフト駆動負荷の大きいシフトダ
ウンによる2速指令時にだけ、高圧エア等によってシフ
ト力が大きくなるようにしてもよい。
【0176】また、本実施例のエア圧(空気圧)に代え
て、油圧等の他の流体圧を利用してもよい。
【0177】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のセミオートマチック式変速機装置によれば、車両
用エンジンの出力部に設けられたクラッチ機構と、クラ
ッチペダルの作動に応じて該クラッチ機構を断接駆動す
るとともに、電気信号に応じて作動して該クラッチ機構
を断接駆動するクラッチ用アクチュエータと、該クラッ
チ機構を介してエンジンから入力される駆動トルクによ
る回転速度を複数の変速段で変速しうるギア機構をそな
えた変速機と、電気信号に応じて作動して該変速機のギ
ヤ機構の噛合状態を切り替えながら該変速段を所要の状
態にシフトするギヤシフト用アクチュエータと、該変速
段を手動でシフトする手動シフトモードと、該変速段を
自動的にシフトする自動シフトモードとを、選択的に切
り替えるための手動・自動選択操作手段と、該変速段を
手動シフトするための操作を行なう操作手段であって、
該操作に応じた信号を出力するシフト操作手段と、該エ
ンジンの負荷状態を検出するエンジン負荷検出手段と、
該車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、該手
動・自動選択操作手段,該シフト操作手段及び該走行状
態検出手段からの信号に基づいて、該クラッチ用アクチ
ュエータ及び該ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号
を出力してその作動を制御する制御手段とをそなえ、該
制御手段が、該手動シフトモードが選択されると、該ア
クセル指令手段及び該シフト操作手段からの信号に応じ
て該ギヤシフト用アクチュエータへ指令信号を出力し
て、遠隔操作による手動変速制御を行なう、手動変速用
遠隔操作制御部と、該自動シフトモードが選択される
と、該エンジン負荷検出手段及び該走行状態検出手段か
らの検出信号に応じて、変速段選択マップを参照しなが
ら変速段を選択し、該クラッチ用アクチュエータ及び該
ギヤシフト用アクチュエータへ対応する指令信号を出力
して、クラッチ遮断動作とギヤシフト動作とクラッチ接
合動作とを制御することで自動変速制御を行なう、自動
変速用遠隔操作制御部とをそなえ、該変速段選択マップ
が複数種類用意されるとともに、該制御手段が、該自動
変速制御時に該シフト操作手段の操作状態に応じて該変
速段選択マップの複数のマップの中の一つのマップを選
択してこのマップに基づき自動変速制御を行なうように
構成されることより、製造コストの大幅な増加や装置の
大型化を招くことなく、容易にシフト操作することがで
き、シフト操作に関するドライバの負担を大きく軽減で
きるようになる。
【0178】しかも、ドライバが、自動変速による走行
中に、例えば自分の好みや車両の走行環境等に応じて、
シフト特性の変更を容易で且つ速やかに行なえるように
なり、自動変速走行時のドライブをより快適に行なうこ
とができるのである。また、請求項2記載の本発明のセ
ミオートマチック式変速機装置によれば、請求項1記載
の構成に加えて、該変速段選択マップとして、比較的低
速のエンジン回転域を多用するようなエコノミー走行用
変速段選択マップから、比較的高速のエンジン回転域を
多用するようなパワー走行用変速段選択マップまで、複
数種類の変速段選択マップが段階的に設けられて、該制
御手段が、該自動変速制御時に該シフト操作手段により
シフトアップ指令が行なわれると、現在の変速段選択マ
ップよりもパワー走行用変速段選択マップ側の変速段選
択マップによる自動変速制御に切り換え、該自動変速制
御時に該シフト操作手段によりシフトダウン指令が行な
われると、現在の変速段選択マップよりもエコノミー走
行用変速段選択マップ側の変速段選択マップによる自動
変速制御に切り換えるように構成されることにより、ド
ライバが、自動変速による走行中に、例えば自分の好み
や車両の走行環境等に応じて、容易で且つ速やかにパワ
ー走行に切り替えたりエコノミー走行に切り替えたりす
ることができて、自動変速走行時のドライブをより快適
に行なうことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置を示す模式的な構成図である。
【図2】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置のシフト操作手段(チェンジレバー)を示
す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置のシフト操作手段(チェンジレバー)のシ
フトパターンを示す図である。
【図4】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置のクラッチ用アクチュエータ及びギヤシフ
ト用アクチュエータを示す模式的な構成図である。
【図5】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置の制御全体の流れ(メインルーチン)を示
すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置のフィンガー変速制御の流れ(フィンガー
変速ルーチン)を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置の自動変速制御の流れ(自動変速ルーチ
ン)を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置の制御全体の流れ(メインルーチン)の変
形例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施例としてのセミオートマチック
式変速機装置の制御全体の流れ(メインルーチン)の変
形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 1A 電子ガバナ 2 クラッチ機構 2A クラッチ用アクチュエータとしてのクラッチブー
スタ 3 変速機本体(セミ自動トランスミッション本体) 3A ギヤシフト用アクチュエータとしてのギヤシフト
ユニット(GSU) 4 シフト操作手段としてのチェンジレバーユニット 4A チェンジレバー 5 手動・自動選択操作手段としての手動・自動切替ス
イッチ(又は自動変速選択スイッチ) 6 クラッチペダル 7 アクセルペダル 7A エンジン負荷センサとしてのアクセルペダル踏込
量センサ 11 セミ自動トランスミッション用の制御手段(セミ
自動T/Mコントロールユニット) 12 電子ガバナ用の制御手段(電子ガバナコントロー
ルユニット) 13 ディスプレイユニット 13A 切替ブザー 14 警報ブザー 21 車速センサ 22 クラッチ回転数センサ 23 エマージェンシスイッチ 24 アクセル踏込量センサ 25 エンジン回転数センサ 26 最適シフトモード設定手段としての最適シフトス
イッチ 27 反力付与機構 31 エアタンク(メインエアタンク) 31B サブエアタンク 31C エマージェンシタンク 32 エア配管(エアホース) 33 チェックバルブ 34 ダブルチェックバルブ 35A〜35C ローエアプレッシャスイッチ 36A 流体圧切替手段としての電磁式3ウェイバルブ 36B〜36D 電磁式3ウェイバルブ 36E,36F 電磁バルブ 37A 圧力調整手段としての低圧レデューシングバル
ブ 37B 圧力調整手段としての高圧レデューシングバル
ブ 38 リレーバルブ 39 エアドライヤ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用エンジンの出力部に設けられたク
    ラッチ機構と、 クラッチペダルの作動に応じて該クラッチ機構を断接駆
    動するとともに、電気信号に応じて作動して該クラッチ
    機構を断接駆動するクラッチ用アクチュエータと、 該クラッチ機構を介してエンジンから入力される駆動ト
    ルクによる回転速度を複数の変速段で変速しうるギア機
    構をそなえた変速機と、 電気信号に応じて作動して該変速機のギヤ機構の噛合状
    態を切り替えながら該変速段を所要の状態にシフトする
    ギヤシフト用アクチュエータと、 該変速段を手動でシフトする手動シフトモードと、該変
    速段を自動的にシフトする自動シフトモードとを、選択
    的に切り替えるための手動・自動選択操作手段と、 該変速段を手動シフトするための操作を行なう操作手段
    であって、該操作に応じた信号を出力するシフト操作手
    段と、 該エンジンの負荷状態を検出するエンジン負荷検出手段
    と、 該車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 該手動・自動選択操作手段,該シフト操作手段及び該走
    行状態検出手段からの信号に基づいて、該クラッチ用ア
    クチュエータ及び該ギヤシフト用アクチュエータへ指令
    信号を出力してその作動を制御する制御手段とをそな
    え、 該制御手段が、 該手動シフトモードが選択されると、該アクセル指令手
    段及び該シフト操作手段からの信号に応じて該ギヤシフ
    ト用アクチュエータへ指令信号を出力して、遠隔操作に
    よる手動変速制御を行なう、手動変速用遠隔操作制御部
    と、 該自動シフトモードが選択されると、該エンジン負荷検
    出手段及び該走行状態検出手段からの検出信号に応じ
    て、変速段選択マップを参照しながら変速段を選択し、
    該クラッチ用アクチュエータ及び該ギヤシフト用アクチ
    ュエータへ対応する指令信号を出力して、クラッチ遮断
    動作とギヤシフト動作とクラッチ接合動作とを制御する
    ことで自動変速制御を行なう、自動変速用遠隔操作制御
    部とをそなえ、 該変速段選択マップが複数種類用意されるとともに、 該制御手段が、該自動変速制御時に該シフト操作手段の
    操作状態に応じて該変速段選択マップの複数のマップの
    中の一つのマップを選択してこのマップに基づき自動変
    速制御を行なうように構成されていることを特徴とす
    る、セミオートマチック式変速機装置。
  2. 【請求項2】 該変速段選択マップとして、比較的低速
    のエンジン回転域を多用するようなエコノミー走行用変
    速段選択マップから、比較的高速のエンジン回転域を多
    用するようなパワー走行用変速段選択マップまで、複数
    種類の変速段選択マップが段階的に設けられて、 該制御手段が、該自動変速制御時に該シフト操作手段に
    よりシフトアップ指令が行なわれると、現在の変速段選
    択マップよりもパワー走行用変速段選択マップ側の変速
    段選択マップによる自動変速制御に切り換え、該自動変
    速制御時に該シフト操作手段によりシフトダウン指令が
    行なわれると、現在の変速段選択マップよりもエコノミ
    ー走行用変速段選択マップ側の変速段選択マップによる
    自動変速制御に切り換えるように構成されていることを
    特徴とする、請求項1記載のセミオートマチック式変速
    機装置。
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