JPH06241292A - 磁石式ボール遊星変速装置 - Google Patents
磁石式ボール遊星変速装置Info
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- JPH06241292A JPH06241292A JP5488193A JP5488193A JPH06241292A JP H06241292 A JPH06241292 A JP H06241292A JP 5488193 A JP5488193 A JP 5488193A JP 5488193 A JP5488193 A JP 5488193A JP H06241292 A JPH06241292 A JP H06241292A
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- steel balls
- ring
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 摩耗の少ない鋼製のボールを使用して大きな
吸引力を利用し、給油等の保守を不要にするとともに伝
達効率を良くし、さらに低騒音で確実な変速をできるよ
うにした遊星変速装置を提供する。 【構成】 磁性体からなる固定太陽円盤1と駆動太陽円
盤2と従動太陽円盤3とを中心軸を一致させて平行に配
置し、前記各太陽円盤の間に複数の鋼ボール4a、4b
を円環状に配列する。また駆動太陽円盤2の両側の鋼ボ
ール4a、4bはそれぞれリング板8a、8bに保持さ
せて両リング板をセパレータ11で連結する。さらに固
定太陽円盤1と従動太陽円盤2のうち少なくとも一方に
鋼ボール4a、4bが入り込むリング溝10、21を設
け、駆動太陽円盤2における前記円環状の鋼ボール4
a、4bより内径位置に、半径方向に磁化されている永
久磁石リング12を配置した。
吸引力を利用し、給油等の保守を不要にするとともに伝
達効率を良くし、さらに低騒音で確実な変速をできるよ
うにした遊星変速装置を提供する。 【構成】 磁性体からなる固定太陽円盤1と駆動太陽円
盤2と従動太陽円盤3とを中心軸を一致させて平行に配
置し、前記各太陽円盤の間に複数の鋼ボール4a、4b
を円環状に配列する。また駆動太陽円盤2の両側の鋼ボ
ール4a、4bはそれぞれリング板8a、8bに保持さ
せて両リング板をセパレータ11で連結する。さらに固
定太陽円盤1と従動太陽円盤2のうち少なくとも一方に
鋼ボール4a、4bが入り込むリング溝10、21を設
け、駆動太陽円盤2における前記円環状の鋼ボール4
a、4bより内径位置に、半径方向に磁化されている永
久磁石リング12を配置した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気吸引力と磁気摩擦
力をうまく利用するために鋼ボールを使用して回転を変
速して伝達できるようにした磁石式ボール遊星変速装置
に関する。
力をうまく利用するために鋼ボールを使用して回転を変
速して伝達できるようにした磁石式ボール遊星変速装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歯車式遊星変速装置は機械技術の
飛躍的進歩に貢献したが、給油の問題、騒音振動の問題
等があり、精密機器に適合しなくなりつつある。このた
め近年の原動機等の高速化と制御技術の高度化にともな
い、歯車を使わない遊星変速装置の出現が強く期待され
るようになっている。歯車に代わる方式としては、摩擦
力を利用する以外に方法はないと考えられている。従
来、摩擦力は、ばね等の押し付け力によって発生させて
いたが、この方法では長期にわたる押し付け力の確保が
困難で実用化されるに至っていない。これに代わる方法
として、磁気吸引力を利用する方法が考えられ、磁気吸
引力の利用方法によっては、小型で十分な吸引力を発生
させることができると考えられている。
飛躍的進歩に貢献したが、給油の問題、騒音振動の問題
等があり、精密機器に適合しなくなりつつある。このた
め近年の原動機等の高速化と制御技術の高度化にともな
い、歯車を使わない遊星変速装置の出現が強く期待され
るようになっている。歯車に代わる方式としては、摩擦
力を利用する以外に方法はないと考えられている。従
来、摩擦力は、ばね等の押し付け力によって発生させて
いたが、この方法では長期にわたる押し付け力の確保が
困難で実用化されるに至っていない。これに代わる方法
として、磁気吸引力を利用する方法が考えられ、磁気吸
引力の利用方法によっては、小型で十分な吸引力を発生
させることができると考えられている。
【0003】このため磁石を使用した変速機として、円
筒状で磁性体の外輪内の中央に、磁性体の太陽ローラを
配置し、さらに太陽ローラと外輪の間に複数の磁石体か
らなる遊星ローラを配置し、遊星ローラを外輪と太陽ロ
ーラに線接触させるとともに磁着させ、それぞれの間の
回転の伝達を確実にして伝達トルクを向上させたものが
特開昭63−210449号公報に開示されている。ま
た筒部を有する被伝達円盤の筒部内に動力伝達円盤を配
置し、前記筒部のテーパ内周面と動力伝達円盤のテーパ
外周面の間に複数のテーパ状の遊星ローラを配置し、遊
星ローラを磁力で被伝達円盤の筒部と動力伝達円盤の間
に押し込むことにより、動力伝達を向上させたものが、
特開平4−78353号公報に開示されている。さら
に、リング状永久磁石の両側にそれぞれ内輪を配置し、
両内輪のそれぞれの外周に複数のボールベアリングを環
状に配置し、両側の環状のボールベアリングの外周に外
車を配置し、内車とボールベアリングと外車との間に磁
力を作用させて内車と外車との間で動力を伝達するよう
にしたものが特開平4−290653号公報に開示され
ている。
筒状で磁性体の外輪内の中央に、磁性体の太陽ローラを
配置し、さらに太陽ローラと外輪の間に複数の磁石体か
らなる遊星ローラを配置し、遊星ローラを外輪と太陽ロ
ーラに線接触させるとともに磁着させ、それぞれの間の
回転の伝達を確実にして伝達トルクを向上させたものが
特開昭63−210449号公報に開示されている。ま
た筒部を有する被伝達円盤の筒部内に動力伝達円盤を配
置し、前記筒部のテーパ内周面と動力伝達円盤のテーパ
外周面の間に複数のテーパ状の遊星ローラを配置し、遊
星ローラを磁力で被伝達円盤の筒部と動力伝達円盤の間
に押し込むことにより、動力伝達を向上させたものが、
特開平4−78353号公報に開示されている。さら
に、リング状永久磁石の両側にそれぞれ内輪を配置し、
両内輪のそれぞれの外周に複数のボールベアリングを環
状に配置し、両側の環状のボールベアリングの外周に外
車を配置し、内車とボールベアリングと外車との間に磁
力を作用させて内車と外車との間で動力を伝達するよう
にしたものが特開平4−290653号公報に開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように磁石を使
用した遊星変速装置は各種あるものの、遊星変速装置を
構成する各部材に僅少の誤差があっても、大きな駆動損
失が発生したり、発生音や摩耗を生じ、磁石吸引力を十
分に利用することができなかった。そこで本発明は、摩
耗の少ない鋼製のボールを使用して大きな吸引力を利用
し、給油等の保守を不要にするとともに伝達効率を良く
し、さらに低騒音で確実な変速をできるようにした遊星
変速装置を提供することを目的とする。
用した遊星変速装置は各種あるものの、遊星変速装置を
構成する各部材に僅少の誤差があっても、大きな駆動損
失が発生したり、発生音や摩耗を生じ、磁石吸引力を十
分に利用することができなかった。そこで本発明は、摩
耗の少ない鋼製のボールを使用して大きな吸引力を利用
し、給油等の保守を不要にするとともに伝達効率を良く
し、さらに低騒音で確実な変速をできるようにした遊星
変速装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成した磁石式ボール遊星変速装置である。それは、磁性
体からなる固定太陽円盤と、駆動軸に回転されるように
した磁性体からなる駆動太陽円盤と、従動軸が連結され
た磁性体からなる従動太陽円盤とをその順番に中心軸を
一致させて平行に配置する。固定太陽円盤と駆動太陽円
盤との間に複数の鋼ボールを円環状に配列するととも
に、駆動太陽円盤と従動太陽円盤との間に複数の鋼ボー
ルを円環状に配列し、前記の両方の円環状の鋼ボールを
それぞれ非磁性のリング板に回転可能に保持させるとと
もに、両方のリング板を非磁性のセパレータで連結す
る。また、固定太陽円盤と従動太陽円盤のうち少なくと
も一方に円環状配列の鋼ボールが入り込むリング溝を設
け、駆動太陽円盤における前記円環状の鋼ボールより内
径位置に永久磁石リングを配置し、その永久磁石リング
は半径方向に磁化されているものを使用した。鋼ボール
の磁石吸引力を増すためには、固定太陽円盤及び従動太
陽円盤の少なくとも一方に、半径方向若しくは軸方向に
磁化されたリング形永久磁石を設ければよい。また鋼ボ
ールが回転を変速して伝達できるように、固定太陽円盤
あるいは従動太陽円盤にリング溝を形成しているが、そ
の構成上、駆動軸と従動軸との間の変速比は−0.3〜
+0.3にするのが望ましい。
成した磁石式ボール遊星変速装置である。それは、磁性
体からなる固定太陽円盤と、駆動軸に回転されるように
した磁性体からなる駆動太陽円盤と、従動軸が連結され
た磁性体からなる従動太陽円盤とをその順番に中心軸を
一致させて平行に配置する。固定太陽円盤と駆動太陽円
盤との間に複数の鋼ボールを円環状に配列するととも
に、駆動太陽円盤と従動太陽円盤との間に複数の鋼ボー
ルを円環状に配列し、前記の両方の円環状の鋼ボールを
それぞれ非磁性のリング板に回転可能に保持させるとと
もに、両方のリング板を非磁性のセパレータで連結す
る。また、固定太陽円盤と従動太陽円盤のうち少なくと
も一方に円環状配列の鋼ボールが入り込むリング溝を設
け、駆動太陽円盤における前記円環状の鋼ボールより内
径位置に永久磁石リングを配置し、その永久磁石リング
は半径方向に磁化されているものを使用した。鋼ボール
の磁石吸引力を増すためには、固定太陽円盤及び従動太
陽円盤の少なくとも一方に、半径方向若しくは軸方向に
磁化されたリング形永久磁石を設ければよい。また鋼ボ
ールが回転を変速して伝達できるように、固定太陽円盤
あるいは従動太陽円盤にリング溝を形成しているが、そ
の構成上、駆動軸と従動軸との間の変速比は−0.3〜
+0.3にするのが望ましい。
【0006】
【作用】上記の磁石式ボール遊星変速装置では、駆動軸
により駆動太陽円盤が回転されると、その両側の複数の
鋼ボールが回転される。この場合、両側の複数の鋼ボー
ルはそれぞれのリング板に保持されるとともに、両リン
グ板がセパレータで連結され、さらに鋼ボールが固定太
陽円盤か従動太陽円盤のリング溝に入り込んでいるの
で、駆動太陽円盤の回転速度より変速されて鋼ボールは
同方向に公転する。また鋼ボールの自転により、それと
接触している従動太陽円盤が逆方向に回動される。この
ように鋼ボールの自転と公転により、従動太陽円盤は変
速されそれに連結されている従動軸を変速回転させる。
このように駆動太陽円盤と鋼ボールと従動太陽円盤とが
回転される際に、駆動太陽円盤に設けられている永久磁
石リングによりその両側で、永久磁石リング−駆動太陽
円盤−両側の鋼ボール−固定太陽円盤或は従動太陽円盤
−円筒体−永久磁石リングへと磁気回路が形成され、鋼
ボールと駆動太陽円盤、固定太陽円盤及び従動太陽円盤
との間で磁力による磁気吸引力と磁気摩擦力を利用で
き、滑りを生じさせることなく効率よく回転を伝達し、
騒音や摩耗を生じさせることもない。
により駆動太陽円盤が回転されると、その両側の複数の
鋼ボールが回転される。この場合、両側の複数の鋼ボー
ルはそれぞれのリング板に保持されるとともに、両リン
グ板がセパレータで連結され、さらに鋼ボールが固定太
陽円盤か従動太陽円盤のリング溝に入り込んでいるの
で、駆動太陽円盤の回転速度より変速されて鋼ボールは
同方向に公転する。また鋼ボールの自転により、それと
接触している従動太陽円盤が逆方向に回動される。この
ように鋼ボールの自転と公転により、従動太陽円盤は変
速されそれに連結されている従動軸を変速回転させる。
このように駆動太陽円盤と鋼ボールと従動太陽円盤とが
回転される際に、駆動太陽円盤に設けられている永久磁
石リングによりその両側で、永久磁石リング−駆動太陽
円盤−両側の鋼ボール−固定太陽円盤或は従動太陽円盤
−円筒体−永久磁石リングへと磁気回路が形成され、鋼
ボールと駆動太陽円盤、固定太陽円盤及び従動太陽円盤
との間で磁力による磁気吸引力と磁気摩擦力を利用で
き、滑りを生じさせることなく効率よく回転を伝達し、
騒音や摩耗を生じさせることもない。
【0007】
【実施例】本発明の磁石式ボール遊星変速装置の実施例
を図1、2により説明する。磁石式ボール遊星変速装置
は、それぞれ磁性体からなる固定太陽円盤1と駆動太陽
円盤2と従動太陽円盤3とを、その順番で中心軸線を一
致するようにして平行に配置し、駆動太陽円盤の両側に
それぞれ複数の鋼ボール4a、4bを円環状に配置して
駆動太陽円盤2の回転を変速させて従動太陽円盤3を回
転させるようになっている。なお鋼ボール4a、4b
は、両者が同一直径でも異なる直径のものでもよく、精
度と硬度の高いものを使用する。駆動太陽円盤2の中央
孔内に磁性体からなる円筒体5が挿入され、その円筒体
5内に挿入された駆動軸6の回転により円筒体5を介し
て駆動太陽円盤2が回転されるようになっている。なお
駆動軸6は固定太陽円盤1の中央孔に設けた軸受7に回
転可能に保持されている。また従動太陽円盤3の中心孔
に従動軸9が連結されて両者が一体に回転するようにな
っている。
を図1、2により説明する。磁石式ボール遊星変速装置
は、それぞれ磁性体からなる固定太陽円盤1と駆動太陽
円盤2と従動太陽円盤3とを、その順番で中心軸線を一
致するようにして平行に配置し、駆動太陽円盤の両側に
それぞれ複数の鋼ボール4a、4bを円環状に配置して
駆動太陽円盤2の回転を変速させて従動太陽円盤3を回
転させるようになっている。なお鋼ボール4a、4b
は、両者が同一直径でも異なる直径のものでもよく、精
度と硬度の高いものを使用する。駆動太陽円盤2の中央
孔内に磁性体からなる円筒体5が挿入され、その円筒体
5内に挿入された駆動軸6の回転により円筒体5を介し
て駆動太陽円盤2が回転されるようになっている。なお
駆動軸6は固定太陽円盤1の中央孔に設けた軸受7に回
転可能に保持されている。また従動太陽円盤3の中心孔
に従動軸9が連結されて両者が一体に回転するようにな
っている。
【0008】駆動太陽円盤2の両側の複数の鋼ボール4
a、4bは、それぞれ非磁性のリング板8a、8bに回
転可能に保持され、両リング板8a、8bの外周部が円
筒状のセパレータ11により連結されている。固定太陽
円盤1には環状配置の鋼ボール4aが入り込むリング溝
10が設けられ、そのリング溝10は半径方向外側が内
側より浅く形成され、図1に示すようにリング溝10の
入り口縁の内端と外端とに鋼ボール4aが接触してその
2つの接触点を結ぶ線の延長が駆動軸6の回転中心と交
差する点は、リング板8aの直径上の2つの鋼ボール4
aの中心を結ぶ線と回転中心との交点と一致するように
構成し、鋼ボール4aがリング溝10の周縁との接触点
で滑らないようにしている。そしてリング溝10と鋼ボ
ール4aとの2つの接触点を結ぶ線の中央と鋼ボール4
aの中心との間隔をd1 とし、鋼ボール4aの半径をr
とした場合に、駆動軸6と従動軸9との回転変速比が
(r−d1 )/2rとなるようにしている。
a、4bは、それぞれ非磁性のリング板8a、8bに回
転可能に保持され、両リング板8a、8bの外周部が円
筒状のセパレータ11により連結されている。固定太陽
円盤1には環状配置の鋼ボール4aが入り込むリング溝
10が設けられ、そのリング溝10は半径方向外側が内
側より浅く形成され、図1に示すようにリング溝10の
入り口縁の内端と外端とに鋼ボール4aが接触してその
2つの接触点を結ぶ線の延長が駆動軸6の回転中心と交
差する点は、リング板8aの直径上の2つの鋼ボール4
aの中心を結ぶ線と回転中心との交点と一致するように
構成し、鋼ボール4aがリング溝10の周縁との接触点
で滑らないようにしている。そしてリング溝10と鋼ボ
ール4aとの2つの接触点を結ぶ線の中央と鋼ボール4
aの中心との間隔をd1 とし、鋼ボール4aの半径をr
とした場合に、駆動軸6と従動軸9との回転変速比が
(r−d1 )/2rとなるようにしている。
【0009】また駆動太陽円盤2の環状配置の鋼ボール
相当位置より半径方向内側の位置に、永久磁石リング1
2を設ける。なお、その永久磁石リング12は、例えば
Nd−Fe−B系の磁石であって、半径方向若しくは軸
方向に磁化されているものを使用し、永久磁石リング1
2−駆動太陽円盤2−鋼ボール4a或は鋼ボール4b−
固定太陽円盤1或は従動太陽円盤3−円筒体5−永久磁
石リング12へと磁気回路が形成されている。また駆動
太陽円盤2と円筒体5との連結部を補強するため永久磁
石リング12の外側位置で駆動太陽円盤2と円筒体5と
を連結する非磁性の補強材13が設けられる。永久磁石
リング12−駆動太陽円盤2−鋼ボール4a或は鋼ボー
ル4b−固定太陽円盤1或は従動太陽円盤3−円筒体5
−永久磁石リング12への磁気回路の磁気を強めるた
め、従動太陽円盤3と固定太陽円盤1のそれぞれの内周
部、あるいは円筒体5の外周に永久磁石を設けてもよ
い。またリング溝10を固定太陽円盤1に設ける代り
に、従動太陽円盤3に設けても変速させることが可能で
ある。
相当位置より半径方向内側の位置に、永久磁石リング1
2を設ける。なお、その永久磁石リング12は、例えば
Nd−Fe−B系の磁石であって、半径方向若しくは軸
方向に磁化されているものを使用し、永久磁石リング1
2−駆動太陽円盤2−鋼ボール4a或は鋼ボール4b−
固定太陽円盤1或は従動太陽円盤3−円筒体5−永久磁
石リング12へと磁気回路が形成されている。また駆動
太陽円盤2と円筒体5との連結部を補強するため永久磁
石リング12の外側位置で駆動太陽円盤2と円筒体5と
を連結する非磁性の補強材13が設けられる。永久磁石
リング12−駆動太陽円盤2−鋼ボール4a或は鋼ボー
ル4b−固定太陽円盤1或は従動太陽円盤3−円筒体5
−永久磁石リング12への磁気回路の磁気を強めるた
め、従動太陽円盤3と固定太陽円盤1のそれぞれの内周
部、あるいは円筒体5の外周に永久磁石を設けてもよ
い。またリング溝10を固定太陽円盤1に設ける代り
に、従動太陽円盤3に設けても変速させることが可能で
ある。
【0010】上記のように構成した磁石式ボール遊星変
速装置は、次のようにして変速される。駆動軸6により
駆動太陽円盤2がVの速度で回転されると、鋼ボール4
aは(V/2)×(d1 /r)の速度で回転し、同時に
鋼ボール4bを同方向に同速で公転させる。他方、鋼ボ
ール4bの自転により、従動太陽円盤3をV/2の速度
で逆回転させるので、従動太陽円盤の実際の回転速度V
2 =(V/2)×(d1 /r−1)となる。ここで、d
1 /r<1となるので従動太陽円盤3は、駆動太陽円盤
2に対し反対方向に回転することになる。よって駆動軸
と従動軸との間の変速比ηは、V2 /V=(d1 −r)
/2rとなる。
速装置は、次のようにして変速される。駆動軸6により
駆動太陽円盤2がVの速度で回転されると、鋼ボール4
aは(V/2)×(d1 /r)の速度で回転し、同時に
鋼ボール4bを同方向に同速で公転させる。他方、鋼ボ
ール4bの自転により、従動太陽円盤3をV/2の速度
で逆回転させるので、従動太陽円盤の実際の回転速度V
2 =(V/2)×(d1 /r−1)となる。ここで、d
1 /r<1となるので従動太陽円盤3は、駆動太陽円盤
2に対し反対方向に回転することになる。よって駆動軸
と従動軸との間の変速比ηは、V2 /V=(d1 −r)
/2rとなる。
【0011】前記実施例では固定太陽円盤1のリング溝
10の切り込み深さを小さくしないと大きな変速比を得
ることができない。このため図3に示すように、従動太
陽円盤3に、鋼ボール4bの入り込むリング溝21を設
けた構成にしてもよい。この場合も、リング溝10と同
様に、リング溝21は半径方向外側が内側より浅く形成
され、図3に示すようにリング溝21の入り口縁の内端
と外端とに鋼ボール4bと接触してその2つの接触点を
結ぶ線の延長が従動軸の回転中心と交差する点は、リン
グ板8bの直径上の2つの鋼ボール4bの中心を結ぶ線
と回転中心との交点と一致するように構成し、鋼ボール
4bがリング溝21の周縁との接触点で滑らないように
している。その他の構成は、前記実施例と同様であり、
駆動太陽円盤2に永久磁石リング12が設けられてい
る。なお鋼ボール4aの半径をr1、鋼ボール4bの半
径をr2 、リング溝10、21の内縁と外縁との中央点
と鋼ボール4a、4bの中心との間隔をd1 、d2 とす
る。このように構成した磁石式ボール遊星変速装置で
も、永久磁石リング12により、鋼ボール4a、4bと
駆動太陽円盤2及び従動太陽円盤3との間で磁気吸引力
と磁気摩擦力とを利用でき、その場合の変速比ηは、1
/2[(d1 /r1 )−(d2 /r2 )]となる。
10の切り込み深さを小さくしないと大きな変速比を得
ることができない。このため図3に示すように、従動太
陽円盤3に、鋼ボール4bの入り込むリング溝21を設
けた構成にしてもよい。この場合も、リング溝10と同
様に、リング溝21は半径方向外側が内側より浅く形成
され、図3に示すようにリング溝21の入り口縁の内端
と外端とに鋼ボール4bと接触してその2つの接触点を
結ぶ線の延長が従動軸の回転中心と交差する点は、リン
グ板8bの直径上の2つの鋼ボール4bの中心を結ぶ線
と回転中心との交点と一致するように構成し、鋼ボール
4bがリング溝21の周縁との接触点で滑らないように
している。その他の構成は、前記実施例と同様であり、
駆動太陽円盤2に永久磁石リング12が設けられてい
る。なお鋼ボール4aの半径をr1、鋼ボール4bの半
径をr2 、リング溝10、21の内縁と外縁との中央点
と鋼ボール4a、4bの中心との間隔をd1 、d2 とす
る。このように構成した磁石式ボール遊星変速装置で
も、永久磁石リング12により、鋼ボール4a、4bと
駆動太陽円盤2及び従動太陽円盤3との間で磁気吸引力
と磁気摩擦力とを利用でき、その場合の変速比ηは、1
/2[(d1 /r1 )−(d2 /r2 )]となる。
【0012】また変速比を変更できるようにした磁石式
ボール遊星変速装置を図4により説明する。この場合、
固定太陽円盤1にリング溝31を設けるとともに、その
リング溝31の半径方向内側位置に駆動軸方向に移動調
節可能な支持リング32を設け、さらに固定太陽円盤1
と円筒体5との間に空隙保持用のベアリング33を設け
ておく。また図3の場合と同様に、従動太陽円盤3に鋼
ボール4bが入り込むリング溝34を設けておく。その
他の構成は、図1、2の実施例と同様であり、駆動太陽
円盤2に永久磁石リング12が設けられている。このよ
うに構成した磁石式ボール遊星変速装置でも、永久磁石
リング12により、鋼ボール4a、4bと、固定太陽円
盤1、駆動太陽円盤2及び従動太陽円盤3との間で磁気
吸引力と磁気摩擦力とを利用でき、その場合の変速比η
は支持リング32を移動調整することにより変更でき
る。
ボール遊星変速装置を図4により説明する。この場合、
固定太陽円盤1にリング溝31を設けるとともに、その
リング溝31の半径方向内側位置に駆動軸方向に移動調
節可能な支持リング32を設け、さらに固定太陽円盤1
と円筒体5との間に空隙保持用のベアリング33を設け
ておく。また図3の場合と同様に、従動太陽円盤3に鋼
ボール4bが入り込むリング溝34を設けておく。その
他の構成は、図1、2の実施例と同様であり、駆動太陽
円盤2に永久磁石リング12が設けられている。このよ
うに構成した磁石式ボール遊星変速装置でも、永久磁石
リング12により、鋼ボール4a、4bと、固定太陽円
盤1、駆動太陽円盤2及び従動太陽円盤3との間で磁気
吸引力と磁気摩擦力とを利用でき、その場合の変速比η
は支持リング32を移動調整することにより変更でき
る。
【0013】
【発明の効果】本発明の磁石式ボール遊星変速装置で
は、鋼ボールと、固定太陽円盤、駆動太陽円盤及び従動
太陽円盤との間で磁気吸引力と磁気摩擦力とを利用して
駆動太陽円盤の回転を変速して従動太陽円盤に伝達で
き、給油等の保守を不要にし、低騒音、低振動になり変
速効率のよいものになる。また遊星変速装置に不可欠な
キャリアを不要にし、磁気摩擦のために耐摩耗性に優
れ、耐久性も優れている。さらに永久磁石リングを駆動
太陽円盤の半径の小径部に設けているので、小型にかつ
薄形に形成できる。
は、鋼ボールと、固定太陽円盤、駆動太陽円盤及び従動
太陽円盤との間で磁気吸引力と磁気摩擦力とを利用して
駆動太陽円盤の回転を変速して従動太陽円盤に伝達で
き、給油等の保守を不要にし、低騒音、低振動になり変
速効率のよいものになる。また遊星変速装置に不可欠な
キャリアを不要にし、磁気摩擦のために耐摩耗性に優
れ、耐久性も優れている。さらに永久磁石リングを駆動
太陽円盤の半径の小径部に設けているので、小型にかつ
薄形に形成できる。
【図1】本発明の磁石式ボール遊星変速装置の縦断面図
である。
である。
【図2】図1の磁石式ボール遊星変速装置の横断面図で
ある。
ある。
【図3】第2実施例の磁石式ボール遊星変速装置の縦断
面図である。
面図である。
【図4】第3実施例の磁石式ボール遊星変速装置の縦半
断面図である。
断面図である。
1 固定太陽円盤 2 駆動太陽円盤 3 従動太陽円盤 4a 鋼ボール 4b 鋼ボール 10 リング溝 12 永久磁石リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南河 淳一 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号日立 金属株式会社内 (72)発明者 小林 明男 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号日立 金属株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 磁性体からなる固定太陽円盤と、駆動軸
に回転されるようにした磁性体からなる駆動太陽円盤
と、従動軸が連結された磁性体からなる従動太陽円盤と
をその順番に中心軸を一致させて平行に配置し、固定太
陽円盤と駆動太陽円盤との間に複数の鋼ボールを円環状
に配列するとともに、駆動太陽円盤と従動太陽円盤との
間に複数の鋼ボールを円環状に配列し、前記の両方の円
環状の鋼ボールをそれぞれ非磁性のリング板に回転可能
に保持させるとともに、両方のリング板を非磁性のセパ
レータで連結し、固定太陽円盤と従動太陽円盤のうち少
なくとも一方に円環状配列の鋼ボールが入り込むリング
溝を設け、駆動太陽円盤における前記円環状の鋼ボール
より内径位置に永久磁石リングを配置し、その永久磁石
リングは半径方向に磁化されていることを特徴とする磁
石式ボール遊星変速装置。 - 【請求項2】 固定太陽円盤及び従動太陽円盤の少なく
とも一方に、リング形永久磁石が設けられている請求項
1に記載の磁石式ボール遊星変速装置。 - 【請求項3】 駆動軸と従動軸との間の変速比が−0.
3〜+0.3であることを特徴とする請求項1又は2に
記載の磁石式ボール遊星変速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5488193A JPH06241292A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 磁石式ボール遊星変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5488193A JPH06241292A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 磁石式ボール遊星変速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06241292A true JPH06241292A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12982937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5488193A Pending JPH06241292A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 磁石式ボール遊星変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06241292A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107299970A (zh) * | 2017-08-17 | 2017-10-27 | 安徽捷线传动科技有限公司 | 一种摆线钢球减速装置及其在机器人关节中的应用 |
-
1993
- 1993-02-19 JP JP5488193A patent/JPH06241292A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107299970A (zh) * | 2017-08-17 | 2017-10-27 | 安徽捷线传动科技有限公司 | 一种摆线钢球减速装置及其在机器人关节中的应用 |
CN107299970B (zh) * | 2017-08-17 | 2024-03-15 | 安徽一众精密轴业有限公司 | 一种摆线钢球减速装置及其在机器人关节中的应用 |
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