JPH06241025A - 触媒機能を有する高周波発熱体 - Google Patents

触媒機能を有する高周波発熱体

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JPH06241025A
JPH06241025A JP5030431A JP3043193A JPH06241025A JP H06241025 A JPH06241025 A JP H06241025A JP 5030431 A JP5030431 A JP 5030431A JP 3043193 A JP3043193 A JP 3043193A JP H06241025 A JPH06241025 A JP H06241025A
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JP
Japan
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heating element
high frequency
catalyst
ceramic
frequency
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Yu Fukuda
祐 福田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はガソリンエンジンなどの排気ガスを
浄化する触媒機能を有する高周波発熱体に関するもの
で、高周波エネルギを利用して高周波発熱体を加熱昇温
させ、エンジンの始動時の排気ガスを浄化することを目
的としている。 【構成】 高周波発熱体5は複数のセラミック繊維1か
らなるセラミック支持体2とセラミック支持体2に担持
された高周波吸収材3と触媒4とから構成されている。
高周波発熱体5は低熱容量であるので、高周波エネルギ
によって短時間で触媒として機能する温度に昇温させる
ことができ、エンジン始動時に排出される有害な一酸化
炭素や炭化水素を浄化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波エネルギを利用し
て加熱、昇温させ、自動車などの内燃機関から排出され
る排気ガス中の炭化水素、一酸化炭素などの有害物質を
触媒的に分解する高周波発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガソリンを燃料とする自動車は排気ガス
中に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物の排出
規制が強化される動きにある。これら汚染物質の浄化方
法の一つとして触媒による後処理方式があり、代表的な
触媒としては空燃比を理論空燃比付近に制御することに
より炭化水素、一酸化炭素の酸化と窒素酸化物の還元を
同時に行い、無害な炭酸ガス、水蒸気、窒素に変換する
触媒体(三元触媒)がある。
【0003】この触媒体はシリカ、アルミナ、マグネシ
アを主成分とするコーディエライトの300〜400セ
ル/inch2のモノリス担体、または鉄−クロム−アルミ
ニウム系合金をコルゲート加工したメタル担体に、表面
積の大きいアルミナなどの微粒子からなるウォッシュコ
ートと呼ばれるコーティング層を設け、このコーティン
グ層に白金、パラジウム、ロジウムなどの貴金属微粒子
を担持して構成されており、触媒機能は排気ガスの加熱
によって発揮される。
【0004】また最近では触媒機能を短時間で発揮させ
るため、上記触媒体の骨格をなすメタル担体を抵抗体と
し、電流を流して触媒体を急速加熱する電気ヒータ方式
が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では下記の課題があった。
【0006】すなわち、従来の触媒体は触媒機能を発揮
させるには触媒層の温度が350℃以上を必要とし、排
気ガスのみによって加熱される場合は前述の触媒として
機能する温度に到達するのに約1分を要し、それまでは
有害な排気ガスがそのまま大気へ排出されるという課題
があった。
【0007】またメタル担体に通電して急速に加熱する
ヒータ方式の触媒体は排気ガスのみによって加熱される
触媒体に比べ、昇温スピードが改善されるがメタル担体
の熱容量が大きいので極めて短時間で昇温させるには大
電力を必要とするという課題があるとともに、電気的絶
縁など信頼性に欠けるという課題がある。
【0008】本発明は上記課題を解決するもので、高周
波加熱を利用し、自動車などのエンジン始動時に排出さ
れる排気ガス中の有害物質である炭化水素や一酸化炭素
を低減する触媒機能を有する高周波発熱体の提供を目的
としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の触媒機能を有する高周波発熱体は複数のセ
ラミック繊維からなるセラミック支持体と、前記セラミ
ック支持体に担持された高周波エネルギを吸収し発熱す
る高周波吸収材料と、前記セラミック支持体と前記高周
波吸収材料に担持された触媒とで構成している。
【0010】また本発明の高周波発熱体は複数のセラミ
ック繊維からなるセラミック支持体と、前記セラミック
支持体に担持された高周波エネルギを吸収し発熱する高
周波吸収材料と、前記セラミック支持体と前記高周波吸
収材料に担持されたセラミック微粒子と、前記セラミッ
ク微粒子と前記高周波吸収材料に担持された触媒とで構
成している。
【0011】
【作用】上記構成において、本発明の触媒機能を有する
高周波発熱体に高周波エネルギが給電されると、セラミ
ック支持体に担持されている高周波吸収材料によって高
周波エネルギが吸収され、熱に変換される。同時に前記
高周波吸収材料に担持された触媒が加熱され、触媒とし
て機能する温度に昇温し、自動車などから排出される排
気ガス中の一酸化炭素や炭化水素が触媒の酸化、還元反
応によって無害な炭酸ガスと水蒸気に変換される。
【0012】本発明の触媒機能を有する高周波発熱体は
前記セラミック支持体に担持された高周波吸収材料が高
周波エネルギを吸収し、前記高周波発熱体の表面近傍
(触媒を含む)が選択的に加熱されるので、触媒として
機能する温度に短時間で昇温させることができる。また
セラミック支持体は熱容量の小さいセラミック繊維から
構成されているので、前記セラミック支持体に奪われる
熱量を抑制することができ、触媒として機能する温度に
短時間で昇温させることができる。
【0013】また、セラミック微粒子を前記セラミック
支持体に担持することにより比表面積を大きくすること
ができるので、低温下での触媒活性が高くなり触媒とし
て機能する時間をさらに短縮することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0015】図1は本発明の一実施例である触媒機能を
有する高周波発熱体の一部断面図および外観図を示して
いる。同図(a)において、1はセラミック繊維であ
り、複数本のセラミック繊維1を集束して得られる撚糸
によってセラミック支持体2が構成される。同図
(b)、(c)はセラミック支持体2が同図(a)で示
した撚糸を織布状に織り上げた偏織品で構成されたもの
である。同図(b)、(c)は平織の例を示している
が、朱子織、からみ織、ブレード、ロープ、テープなど
各種の織り方が可能である。また、セラミック支持体2
は上記織布ではなく、ペーパーやマットなどの不織布も
適用できる。同図(d)は上記セラミック支持体2を骨
格とする触媒機能を有する高周波発熱体5の一部断面図
を示している。セラミック繊維1からなるセラミック支
持体2に、高周波を吸収し発熱する高周波吸収材料3と
排気ガス中の有害物質を分解する触媒4が担持されてい
る。これら高周波吸収材料3と触媒4は任意の形に構成
されたセラミック支持体2に担持されるのが望ましい
が、各々のセラミック繊維1または複数本のセラミック
繊維1よりなる撚糸に予め担持することも可能である。
なお、高周波吸収材料3とセラミック支持体2は無機質
バインダで接着され、触媒4は前記無機質バインダによ
る接着もしくは触媒溶液の浸漬、乾燥処理により担持さ
れる。
【0016】上述のセラミック繊維1は耐熱性に優れた
セラミック材料が望ましく、特にアルミナ、シリカ、ジ
ルコニアの少なくとも1種の材質が適用される。
【0017】高周波吸収特性に優れた高周波吸収材料3
としては半導体材料が挙げられ、特に亜鉛、銅、マンガ
ン、コバルト、鉄、スズ、チタン、ケイ素を主成分とす
る酸化物、炭化物、前記金属を含むペロブスカイト型複
合酸化物などの複合酸化物の少なくとも1種からなるも
のが適用される。上記半導体材料が高周波エネルギの吸
収、発熱特性に優れている理由は明確ではないが、上記
半導体材料が高周波の吸収に適した導電特性、誘電特性
を有していることが考えられる。特に高周波吸収材料3
として炭化ケイ素を適用することにより、より優れた高
周波エネルギの吸収、発熱特性と、排気ガス雰囲気下で
の耐熱性、化学的安定性を実現することができる。
【0018】また有害物質を分解する触媒4としては白
金、パラジウム、ロジウムの貴金属、銅、マンガン、コ
バルトの酸化物、ペロブスカイト型複合酸化物が挙げら
れ、これらの少なくとも1種が適用される。
【0019】また無機質バインダは特に限定されるもの
ではないが、耐熱性、接着性に優れたアルミナ、シリ
カ、ジルコニアなどのコロイド粒子のものがよい。
【0020】セラミック支持体2への高周波吸収材料3
と触媒4の担持は次のようにして行われる。先ず、高周
波吸収材料3に無機質バインダと溶媒(通常は水)を加
え、スラリーを作製し、このスラリーにセラミック支持
体2を浸漬するか、もしくは前記スラリーをセラミック
支持体2に刷毛塗りやスプレーにより塗布し、高周波吸
収材料3を付着させた後、乾燥もしくは焼成する。前記
スラリーの組成は必要とする高周波吸収材料3の付着
量、接着力を保持できるバインダ量、浸漬処理の際の作
業などによって適宜設定される。次に、金属からなる触
媒4もしくは触媒4を含む金属化合物を溶解させた(ま
たは分散させた)溶媒中に前述の高周波吸収材料3を付
着させたセラミック支持体2を浸漬するか、もしくはス
プレーなどにより、触媒4を担持した後、乾燥もしくは
焼成する。なお、触媒4は予め高周波吸収材料3を含む
スラリーに所定量加えておき、前述の触媒担持工程を省
いてもよい。また、担持前の触媒が金属酸化物である場
合は触媒4と無機質バインダと溶媒からなるスラリーを
作製し、これに高周波吸収材料3を被覆したセラミック
支持体2を浸漬するか、もしくは刷毛塗りやスプレーに
より塗布し、触媒4を担持してもよい。
【0021】次に本発明の高周波発熱体5の作用と効果
について、排ガス浄化装置を一例に挙げ説明する。
【0022】図2は本発明の触媒機能を有する高周波発
熱体5を配置した自動車から排出される排気ガスを浄化
する装置の一例である。同図において、6は内燃機関の
排気ガスを排出する排気管、7は排気管の途中に設けら
れた加熱室、8は加熱室7に収納される高周波発熱体5
を支持するための支持部材であり、この支持部材8は高
周波発熱体5の外周と加熱室7の内壁との間の断熱機能
も兼ねている。9は加熱室7に給電する高周波エネルギ
を発生させる高周波発振器、10は高周波発振器9から
発生した高周波エネルギを加熱室7に伝送する導波管で
ある。11、12は加熱室7を限定する高周波遮蔽手段
であり、多数のパンチング孔を有する金属板あるいは多
数の貫通孔を有する金属のハニカム構造体から構成され
る。
【0023】ガソリン車のエンジンが始動すると、エン
ジンから排出された一酸化炭素や炭化水素などの有害物
質を含む排気ガスは排気管6を通り、高周波発熱体5に
流入する。一方、エンジン始動と同時に、あるいはエン
ジン始動直前に高周波発振器9が制御部(図示せず)か
らの指令により高周波エネルギを発生させる。この高周
波エネルギは導波管10を伝送して高周波発熱体5を収
納している加熱室7に給電されると、セラミック支持体
2に担持されている高周波吸収材料3によって高周波エ
ネルギが吸収され、熱に変換される。同時にセラミック
支持体2および高周波吸収材料3に担持されている触媒
4が加熱され、触媒として機能する温度に昇温する。触
媒4が触媒として機能する温度に到達すると、排気ガス
中の有害物質である一酸化炭素や炭化水素は排気ガス中
に含まれる酸素との反応が起こり無害である水蒸気と炭
酸ガスに分解される。この無害となった排気ガスはマフ
ラを通過して排気管6より大気に排出される。
【0024】(実施例1)セラミック支持体2として直
径9μmのシリカの連続繊維(セラミック繊維1)を4
00本集束した撚糸を縦糸、横糸ともに20本(撚糸)
/inchの打ち込み数で平織された織布(直径90mm)、
高周波吸収材料3として炭化ケイ素ウィスカー、有害物
質を分解する触媒4として白金を用い、高周波発熱体5
を作製した。なお、無機質バインダとしてアルミナゾル
を用いた。この高周波発熱体5を10枚重ね合せ、図2
に示す排気ガス浄化装置(高周波消費電力1.5kW)の
加熱室7に収納し、排気ガス量約300l/min、排気ガ
ス温度300〜350℃となるようにエンジン(排気量
2000cc)を運転し、炭化水素分析計による炭化水素
の浄化性能を評価したところ、高周波給電30秒後で約
70%の浄化率が得られた。
【0025】また、触媒4として白金の代わりにロジウ
ム、パラジウムの貴金属及び銅、マンガン、鉄、コバル
トの金属酸化物を用いたところ、高周波給電30秒後で
40〜70%の浄化率が得られた。
【0026】(実施例2)セラミック支持体2として直
径12μmのアルミナの連続繊維(セラミック繊維1)
を400本集束した撚糸を縦糸、横糸ともに20本(撚
糸)/inchの打ち込み数で平織された織布(直径90m
m)、高周波吸収材料3として酸化亜鉛ウィスカー、有
害物質を分解する触媒4として白金を用い、高周波発熱
体5を作製した。なお、無機質バインダとしてアルミナ
ゾルを用いた。この高周波発熱体5を10枚重ね合せ、
図2に示す排気ガス浄化装置(高周波消費電力1.5k
W)の加熱室7に収納し、排気ガス量約300l/min、
排気ガス温度300〜350℃となるようにエンジン
(排気量2000cc)を運転し、炭化水素分析計による
炭化水素の浄化性能を評価したところ、高周波給電30
秒後で約65%の浄化率が得られた。
【0027】また、高周波吸収材料3として酸化亜鉛ウ
ィスカーの代わりに銅、マンガン、コバルト、チタン、
スズ、鉄の各酸化物、それらの混合物、それらの金属を
1種以上含む複合酸化物、チタン−ケイ素−炭素−酸素
の化合物を用いたところ、高周波給電30秒後で50〜
60%の浄化率が得られた。
【0028】一方、実施例2において、高周波エネルギ
を給電しない場合、30秒後の浄化率は約5%であっ
た。
【0029】以上のように、本発明の触媒機能を有する
高周波発熱体5を排気ガス浄化装置に適用することによ
り優れた浄化性能を得ることができる。これは高周波発
熱体5の高周波による加熱が高周波吸収材料3と触媒4
の存在する表面近傍で起こるので、触媒として機能する
温度に短時間で昇温すること、さらにセラミック支持体
2がセラミック繊維1から構成されるので、従来のコー
ディエライト担体からなる触媒体に比べて熱容量が1/
3以下となり、セラミック支持体2に奪われる熱量が抑
制され触媒として機能する温度により速く昇温させるこ
とができるためである。
【0030】また、上述の実施例では本発明の触媒機能
を有する高周波発熱体5を10枚積層しているが、積層
する枚数は特に限定されるものではなく、高周波発熱体
5として必要とされる圧力損失、熱容量、触媒性能によ
って最適な状態に適宜設計されるものである。
【0031】また実施例では排気ガスの通路は織布の縦
糸と横糸で構成される格子を利用しているが、この構成
に限定されるものではなく、織布をスパイラル状に巻
き、織布と織布の隙間で排気ガスの通路を構成してもよ
い。
【0032】また実施例ではセラミック支持体2として
織布を用いているが、前記織布に限定されるものではな
く、セラミック繊維1または複数のセラミック繊維1を
集束した撚糸から構成されるペーパーやマットなどの不
織布もセラミック支持体2として適用される。
【0033】図3は本発明の他の実施例における触媒機
能を有する高周波発熱体の構成を示す一部断面図であ
る。図1と同一部は同一番号で示している。図1と異な
る点は触媒4を担持するためのセラミック微粒子13か
らなる層を設けたことである。このセラミック微粒子1
3は比表面積を大きくすることにより、担持される触媒
4の分散性を向上させ触媒活性を高くすることが目的で
用いられるものであり、耐熱性に優れたアルミナ、セリ
アで代表される金属酸化物などのセラミック微粒子が適
用される。
【0034】セラミック支持体2への高周波吸収材料3
とセラミック微粒子13と触媒4の担持は次のようにし
て行われる。先ず、高周波吸収材料3に無機質バインダ
と溶媒(通常は水)を加え、スラリーを作製し、このス
ラリーにセラミック支持体2を浸漬するか、もしくは前
記スラリーをセラミック支持体2に刷毛塗りやスプレー
により塗布し、高周波吸収材料3を付着させた後、乾燥
もしくは焼成する。その後、セラミック微粒子13と無
機質バインダと溶媒(通常は水)からなるスラリーを高
周波吸収材料3が担持されたセラミック支持体2上に上
述の方法によって塗布し、乾燥もしくは焼成する。その
後、前述の方法で触媒4を担持する。なお、セラミック
微粒子13と高周波吸収材料3と無機質バインダを含む
スラリーを作製し、高周波吸収材料3とセラミック微粒
子13を同時にセラミック支持体2に塗布処理してもよ
い。
【0035】(実施例3)セラミック支持体2として直
径9μmのシリカの連続繊維(セラミック繊維1)を4
00本集束した撚糸を縦糸、横糸ともに20本(撚糸)
/inchの打ち込み数で平織された織布(直径90mm)、
高周波吸収材料3として炭化ケイ素ウィスカー、セラミ
ック微粒子13として平均粒子径0.2μmのアルミ
ナ、有害物質を分解する触媒4として白金を用い、図3
に示す高周波発熱体5を作製した。なお、無機質バイン
ダーとしてアルミナゾルを用いた。この高周波発熱体5
を10枚重ね合せ、図2に示す排気ガス浄化装置(高周
波消費電力1.5kW)の加熱室7に収納し、排気ガス量
約300l/min、排気ガス温度300〜350℃となる
ようにエンジン(排気量2000cc)を運転し、炭化水
素分析計による炭化水素の浄化性能を評価したところ、
高周波給電30秒後で約75%の浄化率が得られた。
【0036】上述のように、セラミック微粒子13を用
いることによって、触媒4の担持される面積が増加(比
表面積の拡大)するので触媒4の分散性を向上させるこ
とができる。触媒4の分散性が向上すると、触媒として
の活性点の数が増加するので触媒活性が高くなり、より
低温から触媒反応を起こさせるができること、あるいは
一定温度での浄化性能を向上させることができ、触媒と
して機能する時間をさらに短縮することができる。
【0037】なお、本発明の高周波発熱体9はオーブン
電子レンジなどの調理器から排出される油煙、臭気の分
解手段としても利用できる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の触媒機能を
有する高周波発熱体によれば、以下の効果が得られる。
【0039】(1)高周波発熱体を構成するセラミック
支持体の表面に高周波吸収材料と触媒が担持されてい
る。高周波エネルギは前記セラミック支持体の表面に被
覆している高周波吸収材によって吸収されるので、前記
高周波発熱体の表面近傍(触媒を含む)が選択的に加熱
され、短時間で触媒として機能する温度に昇温させるこ
とができ、優れた排気ガスの浄化性能を実現することが
できる。
【0040】(2)セラミック支持体が軽量であるセラ
ミック繊維から構成されるので、従来のコーディエライ
ト担体からなる触媒体に比べて熱容量を1/3以下とす
ることができる。したがって、セラミック支持体2に奪
われる熱量が抑制され、触媒として機能する温度により
速く昇温させることができ、優れた排気ガスの浄化性能
を得ることができる。
【0041】(3)セラミック微粒子によって比表面積
を大きくすることができるので、触媒活性が高くなり、
より低温から触媒反応を起こさせるができる。したがっ
て触媒として機能する時間をさらに短縮することがで
き、優れた排気ガスの浄化性能を得ることができる。
【0042】(4)本発明の高周波発熱体は触媒として
機能する温度に極めて短時間で昇温できるので、エンジ
ンから離れた位置に配設することできる。したがって自
動車が高速走行時などのようにエンジン直下の排気ガス
温度が高い状況でも高温環境が避けられられるで、触媒
性能、高周波加熱特性、セラミック支持体の強度の劣化
が著しく抑制され、優れた耐久性を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における高周波発熱体の一部
断面図と外観図
【図2】本発明の高周波発熱体を用いた排ガス浄化装置
の構成図
【図3】本発明の他の実施例における高周波発熱体の一
部断面図
【符号の説明】
1 セラミック繊維 2 セラミック支持体 3 高周波吸収材料 4 触媒 5 高周波発熱体 13 セラミック微粒子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のセラミック繊維からなるセラミック
    支持体と、前記セラミック支持体に担持された高周波エ
    ネルギを吸収し発熱する高周波吸収材料と、前記セラミ
    ック支持体と前記高周波吸収材料に担持された触媒とか
    らなる触媒機能を有する高周波発熱体。
  2. 【請求項2】複数のセラミック繊維からなるセラミック
    支持体と、前記セラミック支持体に担持された高周波エ
    ネルギを吸収し発熱する高周波吸収材料と、前記セラミ
    ック支持体と前記高周波吸収材料に担持されたセラミッ
    ク微粒子と、前記セラミック微粒子と前記高周波吸収材
    料に担持された触媒とからなる触媒機能を有する高周波
    発熱体。
  3. 【請求項3】セラミック支持体を構成するセラミック繊
    維はシリカ、アルミナ、ジルコニアの少なくとも1種で
    ある請求項1または2記載の触媒機能を有する高周波発
    熱体。
  4. 【請求項4】高周波吸収材料は半導体材料である請求項
    1または2記載の触媒機能を有する高周波発熱体。
  5. 【請求項5】高周波吸収材料は亜鉛、銅、マンガン、コ
    バルト、鉄、チタン、ケイ素の少なくとも1種を含む酸
    化物および炭化物である請求項1または2記載の触媒機
    能を有する高周波発熱体。
  6. 【請求項6】高周波吸収材料は炭化ケイ素である請求項
    1または2記載の触媒機能を有する高周波発熱体。
  7. 【請求項7】セラミック支持体は気体が通過できる開口
    を有する織布で構成される請求項1または2記載の触媒
    機能を有する高周波発熱体。
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