JPH06240481A - 金属管の洗浄方法および洗浄装置 - Google Patents

金属管の洗浄方法および洗浄装置

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JPH06240481A
JPH06240481A JP5052882A JP5288293A JPH06240481A JP H06240481 A JPH06240481 A JP H06240481A JP 5052882 A JP5052882 A JP 5052882A JP 5288293 A JP5288293 A JP 5288293A JP H06240481 A JPH06240481 A JP H06240481A
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tank
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Yukitoshi Seo
幸俊 瀬尾
Toshiyuki Nakai
俊之 中井
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数本の金属管pの内外面を強力かつ能率的
に洗浄する。 【構成】 複数本の金属管pを束ねて洗浄槽10に装入
する。洗浄槽10の一端側に設けた加圧室20の管束装
入口21に管束Pの一端部を挿入する。管束挿入口21
において管束Pをシール機構30によりクランプおよび
シールする。加圧された洗浄液40を加圧室20内に供
給する。管束Pのシールにおいて不可避的に生じる流
路、即ち管口、管束P内の隣接する金属管の外面間に生
じる隙間、及び管束Pの外側に生じる隙間から加圧室内
の洗浄液が噴出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属管の冷間加工後に管
表面に付着する潤滑油の除去等に適した金属管の洗浄方
法および洗浄装置に関し、更に詳しくは洗浄液の強制流
動による洗浄方法および洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属管の冷間圧延、冷間引抜き等には潤
滑油が使用される。この潤滑油は加工を終えた管の表面
に多量に残るので、加工を終えた管は、脱脂を目的とし
た洗浄を受けるのが通例となっている。金属管の脱脂洗
浄法としては、有機溶剤(近年、公害、オゾン層保護等
の地球環境面より、その使用は困難な状況にある)や、
アルカリ脱脂液等の洗浄液に金属管を浸漬する浸漬法が
一般的である。しかし、洗浄液に金属管を浸漬するだけ
では充分な脱脂が行われないことが多く、特にアルカリ
脱脂液は脱脂能力が低い。
【0003】その対策として従来から実施されているの
が、洗浄液の強制流動である。洗浄液の強制流動法は次
の2つに大別される。1つは管を収容する洗浄槽内の洗
浄液を強制流動させる方法であり(特開昭52−130
155号公報、特開平4−187789号公報等)、今
1つは洗浄槽内の管の内部へ洗浄液を強制注入する方法
である。洗浄槽を使用せずに管の内外面に沿って洗浄液
を流下させる方法もあるが、これも広い意味で前者の槽
内流動法に類別される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の槽内流動方法
は、設備的な対応をとれば多本数の金属管を効率よく同
時洗浄できる。しかし、特開昭52−130155号公
報に開示されている方法では、洗浄に有効な流速を確保
するためには、ポンプ等の動力源の規模を大きくする必
要がある。また、特開平4−187789号公報に開示
されている方法では、その流速が洗浄槽内洗浄液の高さ
(保有液量)および開閉ハッチの大きさに依存している
ことから、洗浄に有効な流速を確保するためには大規模
の洗浄槽が必要となる。さらに、大規模の動力源および
洗浄槽を用いたとしても、金属管が小径長尺の場合には
管内の通液抵抗が大きくなるため、管内面の洗浄効果が
劣ることを避け得ない。
【0005】一方、後者の管内へ洗浄液を強制注入する
方法は、管内面の洗浄効果に優れ、前者の槽内流動法を
併用すれば、管の内外面を強力に洗浄することができ
る。しかし、管端に液噴出ノズルを装着するとか、槽内
に管を1本ずつチャッキングするといった作業を必要と
し、能率が悪いために、多本数の金属管を同時洗浄する
のには不向きである。
【0006】本発明の目的は、多本数の金属管を能率よ
く同時洗浄でき、その管径が細い場合も管内外面を強力
に洗浄できる金属管の洗浄方法および洗浄装置を提供す
ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】本発明の洗浄方法は、洗浄すべき複数本の
金属管を束ねて洗浄槽に収容すると共に、その管束の一
端部を洗浄槽の一端側に連設された加圧室内に挿入し、
該加圧室の管束挿入口において管束の外周を不完全シー
ルした状態で、加圧室内に加圧された洗浄液を供給する
ことを特徴とする。
【0008】本発明の洗浄装置は、下方へ凸の状態の底
面が長手方向に傾斜し、その底面上に洗浄すべき複数本
の金属管を束ねて収容する洗浄槽と、該洗浄槽の一端側
に連結され、その連結部に管束挿入孔を有する加圧室
と、該加圧室内の管束挿入孔近傍に設けられ、管束挿入
孔に挿入された管束の外周を不完全シールするシール機
構と、洗浄液を貯留する液タンクと、該液タンク内の洗
浄液を加圧して加圧室に供給する液供給系と、洗浄槽内
の洗浄液を液タンクに回収する液回収系とを具備するこ
とを特徴とする。
【0009】
【作用】一般に、複数本の金属管を束ねた管束の外周を
シールすると、図1に示すように、管束Pとシール部材
Sとの間が不完全なシールとなり、その結果、次の3種
類の流路が不可避的に生じる。第1の流路は、各金属管
pの管口Xである。第2の流路は管束P内の隣接する金
属管pの外面間に生じる三角形状等の隙間Yである。第
3の流路は、管束P外周の不完全シールに基づく管束P
外側の隙間Zである。
【0010】本発明の洗浄方法および洗浄装置は、この
管束Pの外周を不完全シールしたときに生じる3種類の
流路X〜Zをノズル孔として利用することにより、多本
数の金属管pの高能率高性能な内外面洗浄を可能とする
ものである。
【0011】即ち、本発明の洗浄方法および洗浄装置で
は、加圧室内に供給され加圧された洗浄液が隙間Y,Z
および管口Xから洗浄槽内へ噴出する。隙間Yから噴出
された洗浄液は管束P内の金属管pの外面に沿って流動
し、間隙Zから噴出された洗浄液は、洗浄槽底面が管束
挿入口の金属管pの支承面である底面と連続した同一断
面形状であることにより、全金属管p(管束P)を浸漬
状態にする液流路断面に有効に金属管pが収容されるた
め、管束Pの外周にある金属管pの外面に沿って流動す
る。この結果、間隙Y,Zから噴出された洗浄液は金属
管pの外面に沿って流動してその外面を洗浄する。一
方、管口Xから噴出された洗浄液は管内を流通して管内
面を洗浄する。また、シール部材Sは管束Pを固定する
と共に、管束Pのシール形態を整えるクランプ部材を兼
ねることができる。
【0012】従って、多本数の金属管pが液噴出ノズル
や管1本毎のチャッキング機構を用いることなく能率よ
く、しかも管内外面ともに強力に洗浄される。また、加
圧された洗浄液を流路を絞って流動させるので、槽内の
洗浄液を全体的に流動させる場合に比べてポンプ等の駆
動源が小型化される。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0014】図2は本発明の洗浄装置の1例を示す模式
図、図3は図2のA−A線断面矢視図、図4はシール機
構を示す縦断側面図、図5は図4のC−C線断面矢視
図、図6はシール機構を説明する正面概略図、図7はシ
ール部材の動作説明図、図8は図5のE−E線断面矢視
図、図9は管束のシール状態を示す模式図である。
【0015】本洗浄装置は、図2に示すように、複数本
の金属管を束ねた管束Pを収容する縦長の洗浄槽10を
具備している。洗浄槽10は、図3に示すように、下方
へ凸の状態に湾曲した底面11を有する。底面11は槽
長方向の一端から他端へかけて下方に傾斜している。底
面11上には、下部が底面11に沿って湾曲したU字状
の複数の材料受け12が、槽長方向に間隔をあけて配設
されている。材料受け12は、鋼板製の槽底部に直接載
置した場合に疵発生等が問題となるような金属管pを処
理する場合に使用されるもので、槽底部の液流れを阻害
しないように開口部13にて槽長方向の流路を確保する
構造となっている。洗浄槽10の上面は金属管pの出入
れのために扉14により開閉される。
【0016】洗浄槽10の一端側には圧力室20が連設
されている。圧力室20は管束挿入口21を介して洗浄
槽10内に連通しており、洗浄槽10に収容された管束
Pは、一端部がこの管束挿入口21に挿入される。管束
挿入口21の底面は洗浄槽10における材料支承面に連
続している。また、図4および図6に示すように、管束
挿入口21の底面には、後述するシール部材31,31
により金属管pをクランプした場合の金属管pに対する
疵発生防止を目的でゴム等からなる軟質材料製の材料受
け21aが設けられている。
【0017】管束挿入口21の上方には、管束Pをシー
ルするシール機構30が設けられている。シール機構3
0は、図4および図5に示すように、管束クランプを兼
ねる一対のシール部材31,31を有する。シール部材
31,31は、平板状であって、図6に示すように外側
部に固着された水平な回転軸32,32により垂直に支
持されている。シール部材31,31の下縁は上方へ凸
の状態に湾曲した押え部33,33であり、各押え部3
3,33の交換により円弧半径または形状が変更され
る。なお、押え部33,33の金属管pとの接触部に
は、前記管束挿入口21の底面の材料受け21aと同様
に、ゴム等からなる軟質材料製の接触部材34が設けら
れている。
【0018】シール部材31,31の動作はシリンダー
35により行われる。即ち、シリンダー35のロッドが
下方へ進出するとスライド板36が下降する。これによ
り、回転軸32,32に固着されたレバー37,37が
回動し、回転軸32,32を回転させる。その結果、図
7に示すように、一対のシール部材31,31が内側へ
対称的に回動し、管束挿入口21の底面と共同して太さ
の異なる管束Pを外側からほぼ円形にクランプし、且つ
その外周を不完全シールする。
【0019】シール部材31,31の更に洗浄槽10の
側には、例えばナイロンスリング製等の弾性体からなる
クランプ38aが設けられている。クランプ38aは、
シール部材31,31によるクランプが不充分な場合に
管束P中の金属管pが抜け出るのを防止するもので、シ
リンダー39によって移動自在とされたスライド板38
の昇降により、管束Pをクランプあるいはアンクランプ
する。また、クランプ38aは、アンクランプ時に下方
へ垂れ下がるのを防止するため、スプリング38bによ
って常時上方へ吊り上げ支持されている。ここで、クラ
ンプ38aにナイロンスリングを用いることとしたの
は、管束Pの結束径の変化に対応可能とするためであ
る。
【0020】次に、洗浄液の循環系統を図2により説明
する。
【0021】洗浄液40は、洗浄槽10の下方に設けた
液タンク41に収容されている。液タンク41内には加
熱用の蒸気管42が設けられている(図3参照)。液タ
ンク41内の洗浄液40は、ポンプ43,43により所
定圧力に加圧されて液供給管44から加圧室20内に供
給される。加圧室20内に供給された洗浄液は、管束挿
入口21を通って洗浄槽10内に流入し、その槽内を一
端側から他端側へ槽長方向に流通した後、液回収管45
を通って洗浄槽10内へ還流される。
【0022】洗浄液40は、その使用と共に液が劣化
し、洗浄力が低下する。この場合、洗浄液40を新しい
液に更新する必要が生じ、使用済みの洗浄液は廃液専用
ポンプ48によって廃棄された後、原液タンク46内の
原液がポンプ47によって液タンク内へ供給されると共
に、希釈用の水が液タンク41内へ供給されて新しい洗
浄液40に更新される。
【0023】本発明の洗浄方法は上記洗浄装置を使用し
て次のような手順で実施される。
【0024】洗浄すべき所定本数の金属管pを束ねて洗
液槽10内へ装入する。その管束Pの一端部を加圧室2
0の管束挿入口21に挿入する。一対のシール部材3
1,31を回動させて管束挿入口21内の管束Pをクラ
ンプし且つ不完全シールする。また必要に応じてクラン
プ38aにより管束Pを固定する。
【0025】シール部材31,31によるシールでは、
シール部材31,31の円弧状をした押え部33,33
と、同じく円弧状をした管束挿入口21の底面とによ
り、略円形の管束Pが比較的良好なシール性をもってシ
ールされる。しかし、図9に示すように、次の3種類の
流路が不可避的に生じる。
【0026】1つは各金属管pの管口Xである。2つ目
は管束P内の隣接する金属管pの外面間に生じる隙間Y
であり、3つ目は管束Pの外側に生じる隙間Zである。
管束Pの外側に生じる隙間Zとしては、シール部材3
1,31と管束Pとの間に生じる隙間、管束Pと管束挿
入口21の底面との間に生じる隙間(これらを合わせて
Z′にて表わす)の他に、シール部材31,31が前後
に間隔をあけて重なる部分Z″(ハッチングにて示す)
を考える必要がある。
【0027】管束挿入口21において管束Pの外周が不
完全シールされると、加圧された洗浄液を加圧室20内
に供給する。加圧室20内に供給された洗浄液は、上記
した隙間Y,Zおよび管口Xから洗浄槽10内へ噴出さ
れる。隙間Y,Zから噴出された洗浄液は、金属管pの
外面に沿って洗浄槽10内を槽長方向に流動し、管束P
は間隙Zから噴出される洗浄液により洗浄槽10内で浸
漬される。また、管口Xから噴出された洗浄液は、金属
管pの内部を流通する。従って、多数本の金属管pの内
面および外面が強制的に同時洗浄される。
【0028】このような液流動に伴う強制洗浄効果は、
洗浄液の流動速度が速いほど大きくなり、下式で示され
る臨界流速Uc(m/sec)が1以上であれば、金属管pの
相互接触面も問題なく洗浄される。 Uc=ν/D・Rec ν:洗浄液の動粘性係数(m2 /sec) D:管内径(m) Rec:臨界レイノズル数(2300)
【0029】ただし、内径が25mm以下の金属管pの
内面に対しては、管内面流速と残留炭素量との関係の一
例を示す図10(内径16mmの場合)のように、洗浄
液の流動速度が臨界流速の10倍以上確保されないと、
良好な内面洗浄効果が得られない。
【0030】本発明では加圧室20内に供給された洗浄
液が隙間Y,Zおよび管口Xにより絞り込まれて洗浄槽
10内へ噴出されるので、金属管pの外側内側ともに高
い流動速度が得られる。
【0031】ここで洗浄液の流動速度は、ポンプ43の
容量とシール部材31,31の形状に基づくシール性に
よって決定される。
【0032】まず、シール部材31,31の形状につい
て説明する。洗浄の対象となる金属管pの外径および同
時洗浄本数によりシール部材31,31の形状が決定さ
れる。この場合、通常は同時処理本数すなわち管束Pの
径がある範囲をもっている為、シール部材31,31の
半円状の押え部33,33の形状決定に際しては、必要
とする束径の範囲に対してシール性が最も良好となるよ
う考慮をする必要がある。同時にシール部材31,31
にてクランプしても管束Pは完全な円形断面にはならな
いことに対しての考慮も必要である。また、間隔Zより
噴出する洗浄液により管束Pが洗浄槽10内で浸漬状態
となるように考慮する必要がある。この為本発明の実施
例では、シール部材31,31の押え部33,33を取
替可能としてある。
【0033】シール部材31,31の形状が決定される
と、その形状、金属管pの内外径、長さおよび同時処理
本数に基づき、臨界流速から求めた管内面必要流速V1
を指定することにより、ポンプ43の楊程および容量
が、例えば下記(A)〜(C)のようにして決定され
る。
【0034】(A)基本条件 金属管内面、管束内金属管外面、管束外面の各要素にて
発生する加圧室圧力ΔPは等しい。
【0035】金属管の管口Xの面積をAl、管束内の隣
接する金属管の外面間に生じる隙間Yの面積をA2、管
束の外面に発生する隙間Zの面積をA3とする。
【0036】A3はシール部31,31および管束挿入
口21の底面に囲まれた本来の隙間Z′の面積をA
3′、シール部材31,31が前後に間隔をあけて重な
る部分Z″の面積をA3″として、A3=A3′+0.2
5・A3″により近似する。
【0037】また、g:重力加速度 m/sec2 G:重力加速度 m/hr f:管内面摩擦係数 0.0052 Gm:質量速度 kg/m2 ・hr 3600・Vl・1000 L:管長さ m d:内径 m ρ:流体密度 1000kg/m3 D:管束内の管外面断面積相当直径 mm C:流量係数 0.55とする。
【0038】
【0039】
【0040】上式において、加圧室圧力ΔPがポンプの
楊程に相当し、また総流量Qがポンプの容量に相当す
る。このようにしてポンプの楊程および容量が決まれ
ば、再度V1 ,V2 およびV3 を計算し、これらが臨界
流速から求めた必要流速以上であることを確認する。
【0041】この近似式の有効性を明らかにするため
に、金属管の管内流速の計算値と実測値の比較結果を図
11に示す。
【0042】このときの結束状態は、外径25.4mm×
内径20.8mm×長さ7000mmの金属管を45本結
束(束径200φ)および200本結束(束径400
φ)、外径20.5mm×内径17.5mm×長さ5300
mmの金属管を73本結束(外径200φ)および24
1本結束(束径350φ)とした。シール用部材31,
31は半円形状300mmR(600mmφ)を使用し
た。金属管のシール状況は表1の楕円結束状態である
(図12参照)。
【0043】
【表1】
【0044】また、このとき使用したポンプ43は、計
算内面流速2m/sec 未満は600m3 /h×20mを
1台運転、計算内面流速2m/sec 以上はこれを2台運
転とした。
【0045】図11において、同一計算流速で実測流速
がばらついているのは、管束の中央、上下、左右等の位
置によるばらつきであり、必要流速確保の為には、この
点も考慮する必要がある。また本データーでの対象金属
管(外径25.4mm×内径20.8mmおよび外径20.5
mm×内径17.5mm)における必要内面流速(臨界流
速×10倍)は各々0.6m/sec 、0.5m/sec であ
り、これに比して図11に示す計測流速が1.5〜4m/
sec と高い値となっているのは、本実施例の装置が外径
12.7〜40mm、内径10.0〜36mm、最大長さ2
6mの金属管に対して200mm〜500mmの管束を
確保できることを前提に製作した装置であることによ
る。
【0046】そしてシール状況をシール部材31,31
の半円形状に近づけて管束に対するシール性を向上させ
た表1の真円近似とした場合には、管内面流速は楕円結
束状態のシール状態に比べ20〜50%向上した。ま
た、管束内金属管の位置によるばらつきも少なくなる。
これは必要な液流速を確保する上でシール部材31,3
1の形状が重要な因子となり、かつポンプ容量決定の重
要な因子であることを示す。すなわちシール部材31,
31の形状選定が不良の為に管束のシール状態が悪い場
合には、必要以上に大容量のポンプ43が必要となる。
【0047】本実施例でポンプ43を2台としたのは、
金属管Pの同時処理本数の多少により、1台運転、2台
運転の切換運転を実施する為である。
【0048】次に本発明の実施結果を説明する。
【0049】コールドピルガーミルにて製管された外径
19mm、内径16mm、長さ16mのSUS316鋼
管190本(真円形状束径300mmφ)の束を、予め
浸漬タイプのアルカリ脱脂槽に浸漬した後、前述の洗浄
装置にて洗浄した。この予備洗浄に使用したアルカリ洗
浄液は、前述の洗浄装置にて使用済みとなったアルカリ
洗浄液である。これは前述の特開平04−18779号
に開示されている通り、古い洗浄液で予備洗浄を行い新
しい洗浄液で仕上洗浄を行い、洗浄効果を向上させる為
である。洗浄装置内の液加熱保持温度は70℃、洗浄時
間は15min 、ポンプは2台運転とした。この時の液流
動による強制洗浄時の鋼管内面液流速は1.5m/sec で
あった。ちなみに、この場合の臨界流速は0.06m/se
c である。管束内の隣接する鋼管の外面間に形成される
流路の計算流速は、約0.7m/sec であり、この場合の
流路断面相当円直径の臨界流速は0.2m/sec であっ
た。
【0050】洗浄後70℃の水にてリンスした後の管内
外面残留炭素量(油分量)を測定した。比較の為に、同
一管を同一の洗浄液に3Hr静置して浸漬洗浄のみを行
った場合、および前述の特開平04−18779号に開
示されている洗浄装置にて所定の洗浄サイクル(古い洗
浄液2回、新しい洗浄液2回)にて洗浄(所要時間1H
r)を行った場合の管内外面残留炭素量も測定した。
【0051】
【表2】
【0052】表2に3種類の洗浄方法についての測定結
果を示すが、浸漬洗浄のみでは3Hrかけても残留炭素
量は高い。また、特開平04−18779号洗浄装置に
ついても残留炭素量は高く、なおかつ脱脂レベルのばら
つきが大きい。これに対し、本発明例の強制洗浄では、
特開平04−18779号で対応困難であった内径25
mm以下の細径長尺管でかつ多数本であるにもかかわら
ず、短時間で管内外面とも高レベルに脱脂され、しかも
そのばらつきが少ない。
【0053】また、本発明例では、内径25mm以上の
鋼管に対しシール部材31,31を閉めることなく洗浄
を実施することもできる。これは洗浄槽がU字形状断面
を有していることにより、液流路断面に有効に鋼管が収
められる為に全鋼管が浸漬状態にて液流動の作用を受け
る為である。
【0054】本発明の実施例に示す必要流速は、金属管
の必要洗浄レベルおよび使用洗浄液により異なるもので
あり、これに限定するものではない。
【0055】また、シール形態についても例えば図13
に示す如く様々なものを使用することができる。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の金属管の洗浄方法および洗浄装置は、複数本の金属管
を束ねてシールしたときに不可避的に生じる流路を利用
して、各金属管の外面および内面を強力に洗浄する。ま
た、管束を一括してクランプでき、金属管を個々に固定
する必要がない上、個々に噴出ノズルを装着する必要も
ない。更に、流路を絞って管表面に沿って流動させるの
で、動力源を小型化できる。従って、多本数の金属管を
強力にしかも能率よく経済的に同時洗浄できるため、特
に小径長尺の金属管に対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄に利用する流路の説明図である。
【図2】本発明の洗浄装置の1例を示す模式図である。
【図3】図2のA−A線断面矢視図である。
【図4】シール機構を示す縦断側面図である。
【図5】図4のC−C線断面矢視図である。
【図6】シール機構を説明する正面概略図である。
【図7】シール部材の動作説明図である。
【図8】図5のE−E線断面矢視図である。
【図9】管束のシール状態を示す模式図である。
【図10】管内流速と内面洗浄効果の関係を示すグラフ
である。
【図11】管内流速の計算値と実測値の比較を示すグラ
フである。
【図12】金属管の結束形状を説明するための模式図で
ある。
【図13】他のシール形態の例を示す模式図である。
【符号の説明】
p 金属管 P 管束 X,Y,Z 管束をシールしたときにできる流路 10 洗浄槽 20 圧力室 21 管束挿入口 30 シール機構 31 シール部材 40 洗浄液 41 液タンク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄すべき複数本の金属管を束ねて洗浄
    槽に収容すると共に、その管束の一端部を洗浄槽の一端
    側に連設された加圧室内に挿入し、該加圧室の管束挿入
    口において管束の外周を不完全シールした状態で、加圧
    室内に加圧された洗浄液を供給することを特徴とする金
    属管の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 下方へ凸の状態の底面が長手方向に傾斜
    し、その底面上に洗浄すべき複数本の金属管を束ねて収
    容する洗浄槽と、 該洗浄槽の一端側に連結され、その連結部に管束挿入孔
    を有する加圧室と、 該加圧室内の管束挿入孔近傍に設けられ、管束挿入孔に
    挿入された管束の外周を不完全シールするシール機構
    と、 洗浄液を貯留する液タンクと、 該液タンク内の洗浄液を加圧して加圧室に供給する液供
    給系と、 洗浄槽内の洗浄液を液タンクに回収する液回収系とを具
    備することを特徴とする金属管の洗浄装置。
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