JPH06238887A - インク噴射装置 - Google Patents

インク噴射装置

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JPH06238887A
JPH06238887A JP3166993A JP3166993A JPH06238887A JP H06238887 A JPH06238887 A JP H06238887A JP 3166993 A JP3166993 A JP 3166993A JP 3166993 A JP3166993 A JP 3166993A JP H06238887 A JPH06238887 A JP H06238887A
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    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動回路系の製造コストが低く、絶縁対策コ
ストの低いインク噴射装置を提供すること。 【構成】 圧電セラミックスからなる側壁の一部に形成
された電極に駆動電圧を印加し、前記圧電セラミックス
の圧電厚みすべり効果による変形を用いて、前記側壁に
隣接する溝の内部の容積を変化させることにより、該溝
の内部に充填されたインクを噴射するインク噴射装置に
おいて、圧電セラミックスからなる側壁の高さHと幅W
の比H/Wが2以上9以下であり、かつ圧電セラミック
スの圧電定数d15と弾性コンプライアンスSE 44の比d
15/SE 44が10以上であるため、インクを噴射するた
めの駆動電圧が低減され、駆動回路の小型化が実現で
き、インク噴射装置および電源回りの絶縁も安価となる
ため、製造コストの低いインク噴射装置を提供できるの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置に係わ
り、特に圧電セラミックスからなる側壁の形状及び圧電
特性に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタヘッドとして、圧電セラ
ミックスを応用したドロップオンデマンド方式のインク
ジェットプリンタヘッドが提案されている。これは、圧
電セラミックスの変形によってインク液室(インク流
路)の容積を変化させることにより、その容積減少時に
インク液室内のインクをノズルから液滴として噴射し、
容積増大時に他方のインク導入路からインク液室内にイ
ンクを導入するようにしたものである。そして、このよ
うなインク噴射機構を互いに近接して配置し、所要の印
字データに従って所要の位置の噴射機構からインク液滴
を噴射させることにより、噴射装置と対向する紙面上等
に所望する文字や画像を形成するものである。
【0003】この種のインク噴射装置としては、例えば
特開昭63−247051号公報、特開昭63−252
750号公報、及び特開平2−150355号公報に記
載されているものがある。図7、図8、図9及び図10
にそれら従来例の概略図を示す。
【0004】以下、インク噴射装置の断面図を示す図7
によって、従来例の構成を具体的に説明する。複数の側
壁11を有し、かつ矢印4の方向に分極処理を施した圧
電セラミックスプレート1と、セラミックス材料または
樹脂材料等からなるカバープレート2とを、エポキシ系
接着剤等からなる接合層3を介して接合することで、横
方向に互いに間隔を有する複数のインク液室12が構成
される。インク液室12は長方形断面の細長い形状であ
り、側壁11はインク液室12の全長にわたって伸びて
いる。側壁11の接着層3付近の側壁上部から側壁中央
部までの両表面には、駆動電界印加用の金属電極13が
形成されている。全てのインク液室内には、インクが充
填される。
【0005】次に、インク噴射装置の断面図を示す図8
によって、従来例の動作を説明する。該インク噴射装置
において、所要の印字データに従って例えばインク液室
12bが選択されると、金属電極13eと13fに徐々
に正の駆動電圧が印加され、金属電極13dと13gは
接地される。これにより側壁11bには矢印14bの方
向の駆動電界が、側壁11cには矢印14cの方向の駆
動電界が作用する。このとき駆動電界方向14b及び1
4cと分極方向4とが直交しているため、側壁11b及
び11cは、圧電厚みすべり効果によってインク液室1
2bの外部方向にに変形する。この変形によってインク
液室12bの容積が増大してインク圧力が減少し、イン
ク供給口21(図9)からマニホールド22(図9)を
通してインク液室12b内にインクが供給される。ま
た、駆動電圧の印加を急激に停止すると、側壁11b及
び11cが変形前の位置に急速に戻るためインク液室1
2b内のインク圧力が急激に増大し、圧力波が発生し
て、インク液室12bに連通するノズル32(図9)か
らインク液滴が噴射される。
【0006】次に、インク噴射装置の斜視図を示す図9
によって、従来例の構成及び製造法を説明する。分極処
理を施した圧電セラミックスプレート1に、薄い円板状
のダイヤモンドブレードを使用した研削加工等によっ
て、前記の形状のインク液室を構成する平行な溝12を
作製する。溝12は圧電セラミックスプレート1のほぼ
全域で同じ深さの平行な溝であるが、端面15に近づく
につれて徐々に浅くなり、端面15付近では浅く平行な
溝16である。この溝12及び溝16の内面には、前記
の金属電極13をスパッタリング等によって形成する。
溝12の内面にはその側面の上半分のみに金属電極が形
成されるが、溝16の内面にはその側面及び底面全体に
金属電極が形成される。
【0007】また、セラミックス材料または樹脂材料等
からなるカバープレート2に、研削または切削加工等に
よって、インク導入口21及びマニホールド22を作製
する。次に、圧電セラミックスプレート1の溝加工側の
面とカバープレートのマニホールド加工側の面とを、エ
ポキシ系接着剤等によって、各々の溝が前記の形状のイ
ンク液室を形成するように接着する。次に、圧電セラミ
ックスプレート1及びカバープレート2の端面に、各イ
ンク液室の位置に対応した位置にノズル32が設けられ
たノズルプレート31を接着する。圧電セラミックスプ
レート1の溝加工側と反対側の面には、各インク液室の
位置に対応した位置に導電層のパターン42が設けられ
た基板41を、エポキシ系接着剤等によって接着する。
そして、溝16の底面の金属電極と導電層のパターン4
2を、ワイヤボンディングによって導線43で接続す
る。
【0008】次に、制御部のブロック図を示す図10に
よって、従来例の制御部の構成を説明する。基板41に
設けられた導電層のパターン42は各々個々にLSIチ
ップ51に接続され、クロックライン52、データライ
ン53、電圧ライン54及びアースライン55もLSI
チップ51に接続されている。LSIチップ51は、ク
ロックライン52から供給された連続するクロックパル
スに基づいて、データライン53上に現れるデータか
ら、どのノズルからインク液滴の噴射を行うべきかを判
断し、駆動するインク液室内の金属電極に導通する導電
層のパターン42に、電圧ライン54の電圧Vを印加す
る。また、前記インク液室以外の金属電極に導通する導
電層のパターン42にアースライン55の電圧0を印加
する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のインク噴射装置において、噴射特性と圧
電セラミックス材料の特性値との関係が明確化されてお
らず、製造担当者の経験に頼って材料の選択をしていた
ため、結果として駆動条件とのマッチングの悪い圧電セ
ラミックス材料を選択し、駆動電圧が高すぎて駆動回路
系が大きくなったり、絶縁対策のためのコストが増加す
るという問題がよくみられた。
【0010】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、駆動回路系の製造コストが低
く、絶縁対策コストの低いインク噴射装置を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のインク噴射装置は、圧電セラミックスからな
る側壁の高さHと幅Wの比H/Wが2以上9以下であ
り、かつ圧電セラミックスの圧電定数d15と弾性コンプ
ライアンスSE 44の比d15/SE 44が10以上、より好ま
しくは12以上であることを特徴とする。
【0012】
【作用】上記の構成を有する本発明のインク噴射装置に
よれば、圧電セラミックスからなる側壁の高さHと幅W
の比H/Wが2以上9以下であり、かつ圧電セラミック
スの圧電定数d15と弾性コンプライアンスSE 44の比d
15/SE 44が10以上であるため、側壁の単位駆動電圧
あたりの駆動発生力が大となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお都合上、従来例と同一部
位、及び均等部位には同一符合をつけて説明する。
【0014】まず、本実施例のインク噴射装置の断面図
を図1に示す。高さHが0.4mmで幅Wが0.1mm
の高さHと幅Wの比H/Wが4である複数の側壁11を
有し、かつ矢印4の方向に分極処理を施した圧電セラミ
ックスプレート1と、セラミックス材料または樹脂材料
等からなるカバープレート2とを、エポキシ系接着剤等
からなる接合層3を介して接合することで、横方向に互
いに間隔を有する複数のインク液室12が構成される。
インク液室12は長方形断面の細長い形状であり、側壁
11はインク液室12の全長にわたって伸びている。側
壁11の接着層3付近の側壁上部から側壁中央部までの
両表面には、駆動電界印加用の金属電極13が形成され
ている。全てのインク液室内には、TPM(トリプロピ
レングリコールモノメチルエーテル)をベースとした顔
料系インクが充填される。
【0015】ところで、側壁11の高さと幅の比H/W
を、本実施例においては4としたが、この値とインク液
室内に発生する圧力Pとの間には何らかの関係が存在す
ると思われるため、種々の側壁の高さと幅の比H/Wを
もつインク噴射装置を製作し、金属電極13に同じ駆動
電圧を印加してインク液室12内に発生する圧力Pを測
定した。製作したインク噴射装置の側壁11の幅Wは
0.04mmから0.12mm、高さは0.1mmから
0.6mmの範囲であり、また金属電極13の長さは側
壁11の高さHのほぼ1/2であり、印加される駆動電
圧は40Vである。
【0016】インク液室12内の圧力は以下に示す方法
で測定した。平行なレーザ光線を、金属顕微鏡の対物レ
ンズを通して透明なカバープレート2の上方からインク
液室12の内部に照射し、レーザ光線がインク液室12
の底部で集光している状態で、インク液室12の底部で
反射し再び対物レンズを通るレーザ光線と照射したレー
ザ光線の位相差を検出する。インク液室12内のTPM
の圧力の変化により屈折率が変化するとレーザ光線がイ
ンク液室12内を通過する時間が変化し、前記の位相差
の変化を検出することによりインク液室12内の圧力を
測定することができる。図2に示すように、測定結果
は、側壁11の高さと幅の比H/Wが2.5以上8以下
でインク液室12内の圧力がほぼ最大になることを示し
ている。
【0017】一方、圧電セラミックスプレート1、側壁
の高さと幅の比H/Wが1から10の範囲の種々の値で
ある側壁11、接着層3及びカバープレート2のモデル
を作成し、有限要素法による数値解析を行って側壁の高
さと幅の比H/Wとインク液室内の圧力Pとの関係を調
べた。インク液室内の圧力Pは、インク液室12内にイ
ンクが導入されていない場合に金属電極13に駆動電圧
を印加したときの側壁11の静的な変形量即ちインク液
室12内の体積減少量をΔV、側壁11の表面に圧力P
を作用させたときの側壁11の静的な変形量即ち側壁1
1のコンプライアンスをC、圧電セラミックスプレート
1の圧電特性及び機械的特性、インクの圧縮特性などで
決まる定数をKとすると、P=K・ΔV/Cで推定する
ことができる。解析結果は、図2に示すように、側壁1
1の高さと幅の比H/Wが2.5以上8以下の範囲でイ
ンク液室12内の圧力が最大値の85%程度以上の値を
とり、また2以上9以下の範囲でインク液室12内の圧
力が最大値の70%程度以上の値をとることを示してい
る。これは前述の測定結果と一致している。
【0018】以上の結果から、本実施例のインク噴射装
置においては、溝を隔てる側壁の高さHと側壁の幅Wの
比H/Wが、好ましくは2以上9以下の範囲、より好ま
しくは2.5以上8以下の範囲とすることで、インク液
室12内に発生する圧力を効率的に大きくすることがで
きることがわかった。即ち、低い駆動電圧でインク液室
12内に高い圧力を発生することができ、文字や画像を
形成するのに十分な速度及び体積のインク液滴を噴射す
ることができる。このインク噴射装置によると、20〜
50V程度の低い駆動電圧において、インク液滴の速度
は3〜8m/秒、体積は30〜90pl程度とすること
ができ、駆動回路を簡素化、小型化でき、インク噴射装
置全体を低コスト化、小型化することができる。従っ
て、本実施例においては比H/Wを4とした。
【0019】次に、前記圧電セラミックスプレート1と
して、平均結晶粒径が5μmで空孔率が3%であり、圧
電定数d15と弾性コンプライアンスSE 44の比d15/SE
44が異なる7種の組成のチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電
セラミックスを用いた実験用サンプルを作製した。図3
に、実際に作製した7種の圧電セラミックス材料の比d
15/SE 44と、図10に示した従来例と同様の駆動回路
を用いて噴射速度が印字品質に問題が無い5(m/s)
であるインクの噴射するのに必要な駆動電圧の測定結果
を示す。
【0020】図3から明かなように、圧電セラミックス
材料の圧電定数d15と弾性コンプライアンスSE 44の比
15/SE 44とインク噴射のための駆動電圧とは相関関
係があり、d15/SE 44が大きいほど前記駆動電圧を低
くできることが分かる。そして、駆動電圧を低減させる
ほど駆動電源回路のコストを低減できる。具体的には、
駆動電圧が60V以下であればモノリシックIC化が容
易となり、さらに駆動電圧が48V以下であれば安全規
格ULによる絶縁のための特別な保護が必要なくなるの
である。そのために、本実施例においては、d15/SE
44が10以上、より好ましくは12以上となるような組
成の圧電セラミックスによりインク噴射装置を構成し
た。
【0021】尚、この測定を前記比H/Wが2であるイ
ンク噴射装置と9であるインク噴射装置の両者について
も行ったが、上記とほぼ同様の傾向の測定結果が得られ
た。従って、比H/Wが2以上9以下の構成のインク噴
射装置のいずれについても、駆動電圧を低減させるに
は、d15/SE 44が10以上、より好ましくは12以上
となるような組成の圧電セラミックス材料を用いること
が好ましいと言える。
【0022】また、印字品質に影響を与えることの一因
として、側壁を構成する圧電セラミックス材料によって
特性がばらつき、噴射速度が各噴射機構間で異なること
があげられる。一般に各噴射機構間でインクの噴射速度
を±0.5(m/s)以内とすれば印字品質に問題がな
いとされている。しかしながら、噴射速度のばらつきが
±0.5(m/s)を越えるような場合には、各噴射機
構に印加する駆動電圧をそれぞれ調整することにより、
該噴射速度のばらつきを均一化しなければならない。そ
こで、上述したd15/SE 44が異なる7種の圧電セラミ
ックス材料を用い、駆動電圧を60Vに固定したときの
インクの噴射速度を測定した。その測定結果を図4に示
す。
【0023】図4の測定結果によれば、駆動電圧を一定
にしたときにインク噴射速度のばらつきを±0.5(m
/s)以内とするためには、図4のグラフの傾き(約
0.25m2V/sN)より圧電セラミックス材料の圧
電定数d15と弾性コンプライアンスSE 44の比d15/SE
44のばらつきを4以内にすることが望ましいことがわか
った。
【0024】従って、本実施例においては、比d15/S
E 44のばらつきが4以内となるような圧電セラミックス
によりインク噴射装置を構成した。
【0025】さらにインク噴射装置の信頼性に対して、
前記圧電セラミックスの強度が大きな影響を与えている
ことが以下の測定により分かった。ある組成の圧電セラ
ミックス材料粉末の成形体に対し1000℃程度の低温
でかつ900kg/mm2高圧力下にてホットプレス処
理をし、平均結晶粒径が1μm以下のセラミックスを用
意し、その後の熱処理温度、処理時間を変えて1μm以
下から15μmの平均結晶粒径を有し、かつ空孔率が2
%以下の圧電セラミックス材料を得て、該圧電セラミッ
クス材料の抗折強度の測定結果、およびこの圧電セラミ
ックス材料にて作製したインク噴射装置の耐久駆動実験
の結果を図5に示す。上記した手法および前記圧電セラ
ミックス材料粉末の成形体の樹脂バインダ量を変えるこ
とにより、空孔率が1〜20%、かつ平均結晶粒径が3
〜4μmの圧電セラミックス材料を得て、該圧電セラミ
ックス材料の抗折強度、およびこの圧電セラミックス材
料にて作製したインク噴射装置の耐久駆動実験の結果を
図6に示す。尚、空孔率が15%を越える材料では、分
極処理ができず圧電セラミックス材料の特性を示さなか
った。
【0026】図5及び図6から明らかなように、抗折強
度が900(kgf/cm2)を越える前記圧電セラミックス
材料では10億回連続駆動しても破壊することがなく、
インク噴射装置としての信頼性が高い。さらに抗折強度
が1050(kgf/cm2)を越える前記圧電セラミックス
材料では30億回連続駆動でも破壊することがなくイン
ク噴射装置としての信頼性は十分である。このように前
記圧電セラミックス材料の強度がインク噴射装置の信頼
性に大きく影響しているが、信頼性の高いインク噴射装
置を作製するためには抗折強度が900(kgf/cm2)を
越える材料が望ましく、すなわち平均結晶粒径が10μ
m以下(図5参照)で、空孔率が10%以内(図6参
照)であることが望ましい。
【0027】従って、本実施例においては、平均結晶粒
径が10μm以下で、かつ空孔率が10%以内となるよ
うな圧電セラミックス材料により、抗折強度が900
(kgf/cm2)を越えるインク噴射装置を構成した。
【0028】上記の構成により、噴射速度が5(m/
s)のインクを噴射するのに必要な駆動電圧を60V以
下に低減させることが可能であり、さらに印字品質が良
好であり、10億回連続駆動しても破壊することがない
耐久性の高いインク噴射装置を実現することが出来た。
【0029】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のインク噴射装置によれば、圧電セラミックスから
なる側壁の高さHと幅Wの比H/Wが2以上9以下であ
り、かつ圧電セラミックスの圧電定数d15と弾性コンプ
ライアンスSE 44の比d15/SE 44が10以上であるた
め、インクを噴射するための駆動電圧が低減され、駆動
回路の小型化が実現でき、インク噴射装置および電源回
りの絶縁も安価となるため、製造コストの低いインク噴
射装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置の一部の断
面図である。
【図2】側壁の高さと幅の比H/Wとインク液室内の圧
力Pとの関係を示す図である。
【図3】圧電セラミックスの圧電定数d15と弾性コンプ
ライアンスSE 44の比d15/SE 44とインク噴射の駆動電
圧との関係を示す図である。
【図4】d15/SE 44とインクの噴射速度との関係を示
す図である。
【図5】圧電セラミックスの平均結晶粒径と抗折強度と
耐久試験結果との関係を示す図である。
【図6】圧電セラミックスの空孔率と抗折強度と耐久試
験結果との関係を示す図である。
【図7】従来例におけるインク噴射装置の一部の断面図
である。
【図8】上記インク噴射装置の動作を説明する断面図で
ある。
【図9】上記インク噴射装置の構成、製造法を説明する
斜視図である。
【図10】上記インク噴射装置の制御部のブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 圧電セラミックス(圧電セラミックスプレート) 11 側壁 12 インク液室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスからなる側壁の一部に
    形成された電極に駆動電圧を印加し、前記圧電セラミッ
    クスの圧電厚みすべり効果による変形を用いて、前記側
    壁に隣接する溝の内部の容積を変化させることにより、
    該溝の内部に充填されたインクを噴射するインク噴射装
    置において、 前記圧電セラミックスからなる側壁の高さHと幅Wの比
    H/Wが2以上9以下であり、かつ圧電セラミックスの
    圧電定数d15と弾性コンプライアンスSE 44の比d15
    E 44が10以上であることを特徴とするインク噴射装
    置。
  2. 【請求項2】 前記比d15/SE 44が12以上である請
    求項1記載のインク噴射装置。
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