JPH06238725A - 部位別に最適化した材料を持つ複合中空部材とその製造方法 - Google Patents

部位別に最適化した材料を持つ複合中空部材とその製造方法

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JPH06238725A
JPH06238725A JP5032137A JP3213793A JPH06238725A JP H06238725 A JPH06238725 A JP H06238725A JP 5032137 A JP5032137 A JP 5032137A JP 3213793 A JP3213793 A JP 3213793A JP H06238725 A JPH06238725 A JP H06238725A
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lining
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JP5032137A
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Hideo Oyabu
英雄 大薮
Osamu Hida
修 肥田
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Japan Steel Works Ltd
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Japan Steel Works Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/58Details
    • B29C45/62Barrels or cylinders
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、総合的、部位別に最適化されたラ
イニング層を有する複合中空部材とその製造方法を提供
することを目的とする。 【構成】 中空部材のライニング層内面に接する処理対
象物に対して耐腐食、耐摩耗又は強度上の部位別に異な
る要求特性に応じた複数のライニング材をもち、ライニ
ング材が少くとも半径方向と長手方向のいずれか、両方
向又はそれらの混合の形態において層構造を有し、各ラ
イニング材の境界部で部分的に材料組成に熱膨張係数の
差を緩和する傾斜機能を有する複合中空部材とその製造
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂、セラミックス、金
属等の押出成形、射出成形その他の成形加工等に使用さ
れる、耐腐食性、耐摩耗性及び強度に優れた複合中空部
材およびその複合中空部材で構成されたシリンダー、成
形加工機械とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】押出成形機あるいは射出成形機等成形加
工機械のシリンダ材は、その内面が加工対象物による摩
耗を受けたり、金属間の接触摩耗を受けやすいため、耐
摩耗性に優れた材料で構成される必要がある。
【0003】このため、上記材料としては、従来、耐摩
耗性に優れた自溶性耐摩耗Ni合金やNi基自溶性合金
にタングステンカーバイド(WC)などの硬質粒子を添
加した複合材料が使用されている。
【0004】最近の成形材料の高機能化により、成形加
工機械が使用される環境はより過酷になっており、摩耗
と腐食による損傷が従来に比べて激しく、寿命が短くな
ってきている。
【0005】図4は射出成形機におけるシリンダの内面
損傷概念図である。最近の成形機シリンダ内面の損傷傾
向を樹脂成形に例をとりその形態でみると、ガラス繊維
などの強化材の含有量が30%以下のエンプラ成形で
は、流体輸送域(シリンダの先端)及び固体輸送域(供
給部)が初期摩耗するが、遷移域(その他の部位)の摩
耗はあまり進行しない。しかし、ガラス繊維含有量が3
0%以上の高フィラー樹脂では、流体輸送域の摩耗も増
えるが、固体輸送域での摩耗が進行する。また、特殊エ
ンプラでポリフェニレンサルファイド(PPS)や他の
難燃強化樹脂では、弗素、塩素、硫黄系の腐食性の高い
ガスが発生し、摩耗と腐食の同時作用が生じる。その結
果、シリンダの損傷は上記より加速されて、流体輸送
域、固体輸送域での損傷が更に速くなり、遷移域でも腐
食によって損傷が進行する。
【0006】このような背景から日本国内や欧米におい
ても種々の耐腐食・耐摩耗シリンダが実用化されてい
る。例えば遠心鋳造法でNi基自溶性合金に硬質の炭化
物を添加した合金、あるいは、HIP接合処理による複
合シリンダなどが採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのバイ
メタリックシリンダにも次の問題点が存在する。
【0008】遠心鋳造法では耐摩耗性改善のためWC等
の高硬質物を強化材として添加するが、これらの強化材
はマトリックス成分と比較して比重が大きいためライニ
ング層の内部すなわち母材側に沈降しやすく、内側表面
の存在量は少ないうえに摺動面となる内側表面をかなり
加工しなければならないが、加工性に難がある。また、
HIP接合処理によるシリンダもマトリックス合金の種
類により、また耐摩耗性を上げるために硬質物の添加量
を多くすると、ライニング層と母材との熱膨張係数の差
が大きく(母材との差が3×10-6以上)なり、熱応力
により割れが生じるので硬質物の添加量を多くできな
い。例えばWCは母材に比較して特に熱膨張係数が低い
ので、Ni基自溶性合金に対するWCの添加量は30%
程度が限界であるなどの欠点がある。
【0009】また、現状ではこれらのシリンダは製造方
法による制約から同一の材料が内面全体に接合されてい
るため、全体的にみれば、部位別に異なる機械的要求特
性に対して必ずしも最適化されていないのが現状であ
る。
【0010】本発明は総合的、部位別に最適化されたラ
イニング層を有する複合中空部材とその製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0011】本発明による複合中空部材はプラスチック
やゴムなどの可塑物の樹脂やセラミックス、金属等の成
形プロセスに適している。樹脂加工機械用シリンダに適
し、特に塩酸、弗化水素酸に対する耐食性を必要とし、
且つ耐摩耗性が要求されるコンパウンド用樹脂加工機械
の耐腐食耐摩耗性シリンダに好適である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願発明者らは、総合的、部位的に最適化された成形加
工用シリンダの製造に着目し、さらに、本発明者らは、
シリンダの開発過程において、各種製造法に最適な材質
を選定し、更に部位別に最適な材料を使用し、接合部の
材料組成に熱膨張係数の差を緩和する傾斜機能をもたせ
ることにより総合的に優れた複合中空部材を製造できる
ことを見いだした。
【0013】本願発明の複合中空部材は、金属円筒体
(中空母材)を外層体とし、その内側を硼化物、炭化物
等を主体とする硬質相がNiまたはCo基マトリックス
で結合された耐腐食耐摩耗性複合材料であって、部位別
に最適化された組成を持つライニング材料によりライニ
ングされた複合中空部材であることを特徴とするもので
ある。すなわち、本願発明の複合中空部材は、中空母材
のライニング層内表面に接する処理対象物に対して部分
的に異なる耐腐食、耐摩耗又は強度等の機械的特性に対
応した複数のライニング材をもち、該ライニング材が少
くとも半径方向と長手方向のいずれか、両方向又はこれ
らの混合の形態において層構造をなしていることを特徴
としている。また中空母材と各ライニング材とは、境界
で隣接する材料の熱膨張係数の差を減少させるように組
合せて該隣接材料を積層配置したことを特徴としてい
る。更に前記層構造を有し、かつ隣接材料の熱膨張係数
の差を減少させるように組合せて該隣接材料を積層配置
したことを特徴としている。
【0014】本発明に係る複合中空部材は、中空部材の
ライニング層内表面に接する処理対象物に対して部位別
に異なって要求される機械的特性を有する材料を部位別
のライニング材料として配置するもので、耐腐食性が要
求される位置には耐腐食性に優れた材料、耐摩耗性が要
求される位置には耐摩耗性の優れた材料、両方の性質が
あまり要求されない位置には強度の高い材料がライニン
グされる特徴を有する。したがって、ライニング材料に
は金属、合金等に限らず、上記のように合目的的な材料
が選定され、金属、合金粉末にセラミックス、ニューガ
ラスその他合金以外を混入させた粉末も含めて合金粉末
と称する。
【0015】中空母材には通常金属材料が用いられる
が、必ずしも金属に限らず広く適材が選定される。
【0016】本発明に係る複合中空部材の製造方法は、
中空母材の中空内面に複数種類のライニング材合金粉末
を少なくとも半径方向と長手方向のいずれか、両方向又
はそれらの混合形態において層構造をなして充填し、前
記充填部を密封、脱気した後、焼結接合処理してライニ
ング層を形成することを特徴とし、また中空母材の中空
内面に1以上の種類のライニング材合金粉末を長手方向
に層構造をなして充填するに際して、中空母材とライニ
ング材との間の熱膨張係数の差が大きい場合はその間に
両材の中間の熱膨張係数を有する強度ライニング材合金
を配置し、長手方向に隣り合うライニング材間の熱膨張
係数の差が大きい場合はその間に両材の中間の熱膨張係
数を有する強度ライニング材合金を配置して積層充填す
ることを特徴としている。
【0017】複数種類のライニング材合金粉末は、その
一部或いは全部をCIP(冷間等方圧加圧)成形した或
いはCIP成形後脱脂した成形体とすることを特徴と
し、また焼結接合処理がHIP(熱間等方圧加圧)接合
処理であることを特徴としている。
【0018】上記の製造方法において用いた強度ライニ
ング材合金とは、耐腐食あるいは耐摩耗用のライニング
材に対して、通常の強度を得るためのライニング材合金
を意味する。
【0019】本発明に係る複合中空部材の製造方法は、
例えば中空金属管母材の中空内面に、該中空金属管母材
との熱膨張係数の差の小さい高強度耐腐食耐摩耗性合金
粉末Aの充填部を設け、更にその内側に前記合金粉末A
又はその他の金属粉末からなる1以上の円筒充填部をそ
の内面が前記複合中空部材内面となるように配し、前記
充填部を密封脱気した後に、接合処理をしてライニング
層を形成する。上記各部材の熱膨張係数の差が小さい場
合には、中空金属管母材の中空内面に、長手方向に1種
類または複数の合金粉末充填部を直接積層してライニン
グ層を形成する。さらには、硬質層の割れを防ぐ場合
は、ライニング材と中空金属管母材の中間に、前記ライ
ニング材と中空金属管母材とのクッション材として作用
する材料をはさんで層構造をもたせる。
【0020】製造方法の一例を図により説明する。
【0021】図1乃至図3は本発明による複合シリンダ
の層構造を示す長手方向断面模式図である。図1は中空
母材と合金合粉末B,Cとの熱膨張係数の差が大きい場
合に適するシリンダ構造、図2は各部材の熱膨張係数の
差が小さい場合に適するシリンダ構造、図3は硬質層の
割れを防ぐ場合に適するシリンダ構造を示す。
【0022】図1に示すように、底フタ10の上に立て
て配置された高強度鋼製の金属管中空母材2内に周方向
に間隙を残して金属中空中子8を挿入し、該金属管底面
に母材2との熱膨張係数の差の小さい高強度耐腐食耐摩
耗性合金粉末Aをaの位置まで充填する。その上に鋼鈑
製の薄い筒の仕切筒11(Ni箔等を用いてHIPで一
体化することも可能である)を同心的に置き、内面側の
中空中子8と仕切筒11との間に硬質物の多いアブレシ
ブ摩耗特性に優れた組成の合金粉末Bをbの位置まで充
填(CIP後脱脂した成形体を置いてもよい)し、母材
2側に上記の合金粉末Aをbの位置まで充填する。その
後仕切筒11を釣り上げて除去し、その上部に合金粉末
Aをcの位置まで充填する。その後、また同様に鋼鈑製
の薄い仕切筒12を同心的に置き、内面側に耐凝着摩耗
特性に優れた硬質物の多い別の組成の合金粉末C(CI
P後脱脂した成形体を置いてもよい)をdの位置まで充
填し、母材側に上記の合金粉末Aをdの位置まで充填す
る。薄い仕切筒12を取り除き、その上部に合金粉末A
を中空母材8の上端eまで充填し、上フタ9でおおう。
次いで前記該当充填部を脱気、密封後HIP接合処理し
てライニング層を形成する。その後、機械加工により金
属中空中子8を除去する。使用目的に応じてBとCを同
組成の金属粉末とすることも可能である。
【0023】中空母材2と合金粉末A,B,Cとの熱膨
張係数の差が小さい場合には、図2に示すように単純に
合金粉末別の積層構造とすることも可能である。硬質層
の割れを防ぐ場合には図3に示すように、合金粉末B又
は合金粉末Cと中空母材2との間および必要に応じて合
金粉末B又は合金粉末Cの両端部に合金粉末Aを充填す
る構成とすることもできる。
【0024】本発明に係る複合シリンダの製造方法とし
て、HIP法だけでなく雰囲気を制御したPTA法によ
っても、各種材料の多層盛りによって上記のようなシリ
ンダが製造可能である。
【0025】
【作用】本発明による合金粉末の組成は特に制限され
ず、その成分組成配合割合等は当該複合中空部材が用い
られる加工対象物に対してその物性上の要求特性ならび
に運転上の要求特性に合目的的に選定される。
【0026】例えば、本願発明の複合中空部材で構成さ
れるシリンダを用いた射出成形機においては、部位別に
最適化されたライニング層がシリンダ内面に形成される
ために、成形時には流体輸送域(先端部)の逆流防止リ
ングとの摺動部には凝着摩耗特性の良好な合金材料、例
えば主として複硼化物を多く含む合金材料をライニング
できる。この複硼化物は潤滑剤の役割を果たし、相手材
に対する攻撃性を緩和する。また、複硼化物は、適度な
耐摩耗性を発揮するとともに、耐腐食性を向上させる。
中空母材と合金材料、又は合金材料同志の接合部と遷移
域(計量・圧縮部)には硬質物が少なく熱膨張係数の差
が小さい高強度材を、固体輸送域(供給部)には、更
に、複硼化物にWやCrの炭化物を組み合わせることに
より、シリンダとスクリュとの金属同士の凝着摩耗を軽
減し、かつ高硬度である炭化物のもつ耐摩耗性により加
工対象物である樹脂の中に含まれるGF等の硬質粒子に
よるアブレシブ摩耗に対しても有効に作用する。したが
って、本願発明により、耐腐食性、耐摩耗性、強度の特
性が十分に優れているシリンダが得られる。
【0027】上記の射出成形機以外の成形加工機におい
ても、同様に部位別に異なる機械的要求特性を満足する
優れたシリンダが得られる。
【0028】また、樹脂以外のセラミックス、金属等の
成形加工対象物に対しても、同様に部位別に異なる機械
的要求特性を満足することが可能となる。
【0029】
【実施例】以下の実施例において、合金粉末A1、A
2、A3は図1の3の合金A、合金粉末B1、B2、B
3は図1の4の合金B、合金粉末C1、C2、C3は図
1の5の合金Cにそれぞれ該当する。
【0030】実施例1 合金粉末A1(硬質物配合20% 重量%)、B:3.
4(重量%、以下同じ)、C:<0.01、Si:0.
02、Cr:28.8、Mo:12.6、W:2.9、
Fe:4.6、Cu:1.0、残部Ni 合金粉末B1(硬質物配合40%)、B:3.4、C:
0.62、Si:0.02、Cr:27.2、Mo:
9.4、W:20.9、Fe:4.0、Cu:1.0、
残部Ni 合金粉末C1(硬質物配合30%)、B:3.4、C:
1.24、Si:0.02、Cr:27.2、Mo:1
1.1、W:11.9、Fe:3.4、Cu:1.0、
残部Ni の成分組成を有する合金粉末を用い図1に示した本発明
方法にて複合中空部材を製造した。合金粉末充填後加熱
状態で真空脱気し、密封したシリンダカプセルをHIP
装置内へ挿入し、1100℃、1000kgf/cm2
で5時間HIP接合処理を行った。
【0031】その結果、合金粉末充填層は100%の密
度で固まって完全に拡散接合し、内面に使用される部位
に最適な組成の薄肉の耐腐食耐摩耗性の硬質層が形成さ
れた。
【0032】各材料の熱膨張係数の相違は、中空母材と
硬質層の熱膨張係数の差が小さくなるよう中間の熱膨張
係数を持つ合金A1を選択(A1とB1、A1とC1の
境界においても同様にそれぞれ隣接合金間の熱膨張係数
の差を緩和するという部分的に傾斜機能をもたせる)し
たことにより、中空母材と硬質層の熱膨張係数の差が合
金A1によって吸収されるために(クッション材として
の働きをする)材質別の熱膨張係数の差を緩和すること
が可能になった。また、本合金系では各材質の熱膨張係
数の差が小さいので、図2に示すように単純な積層構造
としても製作可能である。
【0033】合金A1は耐腐食性能に優れ熱膨張係数も
中空母材2との差が小さい。合金B1は、樹脂中の硬質
物による摩耗をシミュレートしたアブレシブ摩耗試験結
果よりアブレシブ摩耗特性に優れる。合金C1は、逆流
防止リング、スクリュ、シリンダの金属同士の摩耗をシ
ミュレートした大越摩耗試験結果より、凝着摩耗特性に
優れ、なおかつ相手材を摩耗させない。
【0034】実施例2 合金粉末A2(硬質物配合20%)、B:3.4、C:
0.02、Cr:28.8、Mo:25.4、Si:
2.45、Fe:0.15、Cu:1.0、残部Ni 合金粉末B2(硬質物配合40%)、B:3.4、C:
1.24、Cr:25.7、Mo:18.9、Si:
1.8、W:18.8、Fe:0.1、Cu:1.0、
残部Ni 合金粉末C2(硬質物配合30%)、B:3.4、C:
0.62、Cr:27.2、Mo:22.15、Si:
2.1、W:9.4、Fe:0.13、Cu:1.0、
残部Ni の成分組成を有する合金粉末を用い図1に示した本発明
方法にて複合中空部材を製造した。合金粉末充填後加熱
状態で真空脱気し、密封したシリンダカプセルをHIP
装置内へ挿入し、1150℃、1500kgf/cm2
で4時間HIP接合処理を行った。
【0035】その結果、合金粉末充填層は100%の密
度で固まって完全に拡散接合し、内面に使用される部位
に最適な組成の薄肉の耐腐食耐摩耗性の硬質層が形成さ
れた。
【0036】本合金系では合金B2のみでHIP処理を
行うと、HIP時の熱応力により割れが発生したが、接
合部に合金A2を介在させることにより、割れが防止で
き、更に接合部を合金A2にすることにより強度を増す
ことができた。
【0037】実施例3 合金粉末A3(硬質物配合0%)、C:0.1、B:
3.1、Cr:7.0、Si:4.5、Fe:3.0、
残部Ni 合金粉末B3(硬質物配合40%)、B:5.2、C:
1.24、Si:2.7、Cr:20.7、W:18.
8、Fe:1.7、Cu:1.0、残部Ni 合金粉末C3(硬質物配合30%)、B:5.2、C:
0.62、Si:3.6、Cr:21.4、W:9.
4、Fe:2.1、Cu:1.0、残部Ni の成分組成を有する合金粉末を用い図1に示した本発明
方法にて複合中空部材を製造した。合金粉末充填後加熱
状態で真空脱気し、密封したシリンダカプセルをHIP
装置内へ挿入し、970℃、1000kgf/cm2
5時間HIP接合処理を行った。
【0038】その結果、合金粉末充填層は100%の密
度で固まって完全に拡散接合し、内面に使用される部位
に最適な組成の薄肉の耐腐食耐摩耗性の硬質層が形成さ
れた。
【0039】本合金系では合金B3のみでHIP接合処
理を行うと、HIP時の熱応力により割れが発生した
が、接合部に合金A3を介在させることにより、割れが
防止でき、更に接合部を合金A3にすることによりシリ
ンダ全体の強度を増すことができた。
【0040】合金粉末A1〜3、B1〜3、C1〜3の
HIP接合処理後の特性を表1に示す。
【0041】
【表1】 表1は各種合金粉末と比較材の特性を示したもので、記
載項目は次の通りである。 Hmv(200) マイクロビカース硬さ 測定荷重
200g 大越摩耗試験 試験条件:荷重18.9kgf、速度
2.37m/s、滑り距離200m 室温、無潤滑 相手材 SKD11相当材(HRC61±1) 固定試片:シリンダ材に相当 アブレシブ摩耗試験 試験条件:荷重2kgf、速度
3.6m/s(60往復/分) 相手材 No.320 SiC研磨紙 摩耗量は400往復の値 腐食試験 mdd mg/dm2 /day HCl腐食試験条件 1%HCl 煮沸5時間 HF 腐食試験条件 5%HF 室温30時間 熱膨張係数 RT〜400℃ 比較材1 Ni基自溶性合金(遠心鋳造) 比較材2 Ni基自溶性合金+40%WC(遠心
鋳造) また、本発明の複合シリンダは、熱膨張係数の大きい他
の硬質物を添加する場合、上記実施例に比べて硬質物の
配合割合を更に増すことが可能である。
【0042】使用した各部材の材質を以下に示す。 中空母材(バックメタル):SCM440、SF45 中子:STPG 蓋:S10C
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、上
述の構成を採用することによって各種の成形加工法に最
適な材質を選定し、更に部位別に最適な材質とすること
ができ、部分的に傾斜機能をもたせることにより割れに
強い総合的に優れたシリンダ材が製造でき、寿命が延び
る。また、各部位を各種成形材料に適した材質構成とす
ることにより生産性の向上と製品の安定化を計ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合シリンダの長手方向断面模式
図である。
【図2】本発明による複合シリンダの長手方向断面模式
図である。
【図3】本発明による複合シリンダの長手方向断面模式
図である。
【図4】シリンダの内面損傷概念図である。
【符号の説明】
1 複合中空部材 2 中空母材 3 合金A 4 合金B 5 合金C 6 合金A 7 合金A 8 中空中子 9 上フタ 10 底フタ 11 仕切筒 12 仕切筒

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空母材と、内表面に接する処理対象物
    に対する耐腐食、耐摩耗又は強度等の機械的特性に対応
    した複数のライニング材とから構成される複合中空部材
    であって、 前記ライニング材が少なくとも半径方向と長手方向のい
    ずれか、両方向又はそれらの混合の形態において層構造
    をなしていることを特徴とする複合中空部材。
  2. 【請求項2】 中空母材、各ライニング材において、境
    界で隣接する材料の熱膨張係数の差を減少させるように
    組合せて該隣接材料を積層配置したことを特徴とする請
    求項1に記載の複合中空部材。
  3. 【請求項3】 中空母材と、内表面に接する処理対象物
    に対する耐腐食、耐摩耗又は強度等の機械的特性に対応
    した複数のライニング材とから構成される複合中空部材
    であって、前記ライニング材が少なくとも半径方向と長
    手方向のいずれか、両方向又はそれらの混合の形態にお
    いて層構造とし、かつ前記中空母材、各ライニング材に
    おいて境界で隣接する材料の熱膨張係数の差を減少させ
    るように組合せて該隣接材料を積層配置したことを特徴
    とする複合中空部材。
  4. 【請求項4】 中空母材の中空内面に複数種類のライニ
    ング材混合金粉末を少なくとも半径方向と長手方向のい
    ずれか、両方向又はそれらの混合の形態において層構造
    をなして充填し、前記充填部を密封、脱気した後、焼結
    接合処理してライニング層を形成することを特徴とする
    請求項1、2、3の何れか1項に記載の複合中空部材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 中空母材の中空内面に1以上の種類のラ
    イニング材合金粉末を長手方向に層構造をなして充填す
    るに際して、中空母材とライニング材との間の熱膨張係
    数の差が大きい場合はその間に両材の中間の熱膨張係数
    を有する強度ライニング材合金を配置し、長手方向に隣
    り合うライニング材間の熱膨張係数の差が大きい場合は
    その間に両材の中間の熱膨張係数を有する強度ライニン
    グ材合金を配置して積層充填することを特徴とする請求
    項4に記載の複合中空部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 複数種類のライニング材合金粉末の一部
    或いは全部をCIP(冷間等方圧加圧)成形した或いは
    CIP成形後脱脂した成形体とすることを特徴とする請
    求項4、5の何れか1項に記載の複合中空部材の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記焼結接合処理がHIP(熱間等方圧
    加圧)接合処理である請求項4、5、6の何れか1項に
    記載の複合中空部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3の何れか1項に記載の
    複合中空部材で構成された、樹脂、セラミックス、金属
    等の押出成形るいは射出成形等の成形加工用シリンダ
    ー。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のシリンダーで構成され
    た成形加工機械。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の成形加工機械を用い
    て、樹脂、セラミックス、金属等を押出成形あるい射出
    成形する成形加工方法。
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