JPH06238523A - ワイヤ放電加工用銅被覆鋼線 - Google Patents

ワイヤ放電加工用銅被覆鋼線

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JPH06238523A
JPH06238523A JP2306693A JP2306693A JPH06238523A JP H06238523 A JPH06238523 A JP H06238523A JP 2306693 A JP2306693 A JP 2306693A JP 2306693 A JP2306693 A JP 2306693A JP H06238523 A JPH06238523 A JP H06238523A
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JP
Japan
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wire
copper
electric discharge
discharge machining
steel
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2306693A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Oka
潔 岡
Hitoshi Tashiro
均 田代
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
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  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤ放電加工における放電加工速度を改善
する。 【構成】 鋼線に銅を被覆した複合線において、表面の
銅の鋼に対する面積比が25〜75%で、銅と鋼の境界
部全面に凹部の底から凸部の先までの高さが0.1〜2
μm の凹凸があり、銅の表面に1μm 以上のZn層を施
したワイヤ放電加工用銅被覆鋼線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイヤ放電加工(以下放
電加工と略称する)用電極線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に放電加工法とは、0.05〜0.
3mmの直径を有する線状の電極と被加工物の間におい
て水などの加工液の媒体中で放電現象を起こさせ、この
放電による発熱で被加工材を連続的に溶融切断する方法
である。放電加工法は、放電現象によってワイヤ電極自
身を溶融断線させないように、電流を流す時間を調整す
ることによりワイヤの発熱と冷却の制御をする必要があ
る。ワイヤの発熱が大きく高温強度も低い材料では、ワ
イヤの発熱につながる放電時間を短くし、かつワイヤの
冷却時間を長くしなければならない。このように電流を
流す時間に制約があることから、放電加工法の加工速度
はワイヤの特性によって大きく左右されている。
【0003】現在この放電加工法に用いられる電極材と
しては、特開昭62−57822号公報に示されるよう
な銅合金線が最も多く使用されている。また高温での強
度特性に着目したワイヤとして特開昭61−27002
8号公報のような鋼線にCu合金を被覆した複合線も知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鋼線に銅合金
を被覆した複合ワイヤでも、大幅な加工速度の改善を得
ることは難しいのが現状である。この点について多くの
実験を行ったところ、鋼線に黄銅を被覆した複合ワイヤ
は、導電率の低い鋼線に黄銅を被覆しているために、黄
銅線に比べて導電率が低く、放電時に発熱し易い状態に
なっており、鋼線に銅合金を被覆した複合ワイヤは、黄
銅ワイヤと同じ条件で加工しても、ワイヤの温度が高い
状態になっているという知見を得た。そのため放電加工
速度の向上に寄与するはずのワイヤ強度の向上効果は小
さくなり、加工速度を大幅に改善できないことがわかっ
た。
【0005】そこで、加工速度を改善するために必要な
ワイヤの特性を詳細に検討した結果、ワイヤの高温での
強度が高いことのほかに、放電時の発熱が小さいこと、
放電していないときの冷却能が大きいこと、も重要であ
ることがわかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の検討の
結果に基づいてなされたものであり、鋼線に銅を被覆し
た複合線において、表面の銅の鋼に対する面積比が25
〜75%で、銅と鋼の境界部全面に凹部の底から凸部の
先までの高さが0.1〜2μmの凹凸があり、銅の表面
に1μm以上のZn層を施したワイヤ放電加工用銅被覆
鋼線を要旨とするものである。
【0007】
【作用】本発明を構成する要件の限定理由について説明
する前に、加工速度を改善するために必要な放電加工用
ワイヤの特性について補足説明する。上述したように、
放電加工は放電現象により発生した熱で、被加工物を溶
解切断する加工法であるが、放電の電極となるワイヤ自
身も発熱による強度低下により断線しないように放電時
間を制限している。つまり、加工速度を改善するために
は放電時間を長くすることが有効である。放電時間の制
約はワイヤの発熱による強度低下が主な原因であるの
で、放電時間を長くするために必要な条件は、高温でも
強度の低下が少ないことのほかに、発熱が少ないこと、
冷却し易いこと、の3点が重要な要素である。
【0008】本発明による放電加工用ワイヤは、加工速
度の改善に必要なこれら3点の特性が、現在最も多く使
用されているCu−35wt%Znの黄銅ワイヤ(以下
黄銅ワイヤと略称する)と比較して同等か優位になるこ
とを主眼に設計されている。はじめに、鋼線に銅を被覆
した複合線を利用するのは、放電加工時のワイヤの温度
であると推定される300〜500℃の温度において、
鋼は銅や黄銅に比べて強度が非常に高く、断線を起こし
難いためである。高温での強度が高い点ではWやMo等
の材料も利用できると考えられるが、コストや加工性の
観点から鋼が最も優れていると考えられる。
【0009】表面の銅の鋼に対する面積比が25〜75
%に限定した理由は、ワイヤの発熱量を黄銅ワイヤより
も小さくすることと、放電加工時の強度を保つためであ
る。現在放電加工で最も多く使用されている黄銅ワイヤ
の導電率は概ね30%IACS前後であり、多くの調査
の結果から銅の面積比が25%あれば黄銅ワイヤと同等
の加工速度が得られることがわかった。つまり、25%
に満たない場合には導電率が低くなるために電流を流し
たときの発熱量が大きくなり、加工速度を改善すること
は困難である。また、75%より大きいと導電率は高く
なるが、芯材の鋼の面積が小さくなるためにワイヤの強
度が足りなくなり、断線を起こし易くなる。
【0010】銅と鋼の境界部全面に0.1〜2μmの凹
凸が必要であると限定した理由は、ワイヤを冷却し易く
するためである。放電により加熱されたワイヤは加工液
中で冷却されるが、芯材の鋼は表面に被覆されている銅
に効率的に熱を伝達することが必要になる。このとき銅
と鋼線の境界部に凹凸があると熱の伝達面積が大きくな
り、ワイヤの冷却能を高めることが可能になる。0.1
μm未満では、凸が小さいために十分な冷却能が得られ
ない。また2μm超では、十分な冷却能の改善効果は得
られるが、ワイヤを安定して製造することが困難になる
ために、実用上は0.1〜2μmが適当である。
【0011】銅の表面に1μm以上のZn層を施した理
由は良好な放電特性を得るためである。放電現象は表面
にある元素によって特性が決まるが、Znは安価で最も
放電を起こし易い元素の一つとして、放電加工用ワイヤ
に広く利用されている元素である。多くの実験から、Z
n層の厚みが1μm未満であると放電現象が起き難くな
り、黄銅ワイヤ並の放電特性を得るためには1μm以上
の厚みが必要である。
【0012】
【実施例】本発明に基づく銅被覆鋼線の試作試験と同銅
被覆鋼線の放電特性評価試験の実施例について具体的に
説明する。 実施例 1 はじめに、銅被覆鋼線の試作試験について説明する。
【0013】表1に示すように、5.5mmSWRH4
2A線材を伸線し、表面凹凸を調整後、外径6mmφの
銅パイプに挿入したサンプルを、伸線と熱処理を繰り返
して線径0.8mmに伸線し、熱処理後Znめっきして
から0.2mmに伸線して図1に示す銅被覆鋼線を試作
した。試作工程において、伸線後の鋼線の表面凹凸は1
μm未満の極めて平滑な表面のサンプルはシェービング
を利用し、3〜20μmの凹凸はショットピーニングと
ワイヤーブラッシングを利用して作り、30〜500μ
mになる極めて大きな凹凸を持ったサンプルはバニシン
グ加工を利用して加工ピッチを粗くすることにより表面
凹凸を導入した。ここで凹凸の大きさは、凹部の底から
凸部の先までの高さを示す。
【0014】試作の結果、表1のサンプルIに示すよう
に凹凸の大きさが2μm超になると伸線時に断線を繰り
返して0.2mmの放電加工用サンプルを全く製造する
ことができなかった。また、銅の面積比が75%超のサ
ンプルEおよび線材の表面が平滑であったサンプルFに
おいても伸線時に断線が発生したが、線径0.2mmま
で伸線して放電加工用サンプルを製造することは可能で
あった。これらの結果から、本発明にかかる銅被覆鋼線
の製造上の制約としては、銅と鋼の境界部全面に形成さ
れる凹凸の凹部の底から凸部の先までの高さが2μm以
下であることが望ましいことが分かる。
【0015】実施例 2 実施例1で試作した銅被覆鋼線を用いて、50mm厚の
SKD11(JIS−G−4404)を直線で20mm
切断したときの結果について説明する。ここで表1の加
工速度比は、黄銅ワイヤの加工速度を100としたとき
の割合で示した。
【0016】サンプルA〜Eは銅の面積比の影響を試験
したものである。面積比が25%未満であると黄銅ワイ
ヤよりも加工速度が小さくなっている。これは導電率が
小さいために電流をかけたときの発熱が大きくなったこ
とと、放電現象が十分発生していなかったためである。
また、面積比が89%になると放電加工時に断線が多発
している。これは芯材の面積比が小さくなり、ワイヤ全
体としての強度が小さくなったために断線したものと考
えられる。
【0017】サンプルF〜Iは凹凸の高さの影響を調査
したものである。凹凸がほとんどない場合は黄銅ワイヤ
に比べて加工速度はそれほど向上していない。これは放
電により加熱されたワイヤの冷却に時間がかかるため
に、次の放電までの時間を長くしないとワイヤに熱が蓄
積されてしまうためである。また、凹凸が0.1μmと
2.0μmのサンプルは放熱の効果を確認できたが、
3.0μmの凹凸高さを目標にしたサンプルは製造時に
断線が多発し、放電加工試験用サンプルが得られなかっ
た。
【0018】サンプルJ〜LはZn層の厚みの影響を調
査したものである。放電現象は表面にある元素によって
特性が決まるが、Znは安価で最も放電を起こし易い元
素の一つとして、放電加工用ワイヤに広く利用されてい
る元素である。Zn層が1μm未満であると、Znの量
が少なすぎるために放電現象が持続せず、十分な加工が
できなくなる。しかし、Zn層が1μm以上であれば放
電現象は十分持続されて黄銅ワイヤと同等の放電特性が
得られる。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明にかかる放電加工用銅被覆鋼線を
利用することにより、放電加工速度が向上し、効率的な
放電加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅被覆鋼線の断面形状の特徴をわかりやすく模
式化した図である。
【符号の説明】
1 鋼 2 銅 3 Zn 4 凹凸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼線に銅を被覆した複合線において、表
    面の銅の鋼に対する面積比が25〜75%で、銅と鋼の
    境界部全面に凹部の底から凸部の先までの高さが0.1
    〜2μmの凹凸があり、銅の表面に1μm以上のZn層
    を施したワイヤ放電加工用銅被覆鋼線。
JP2306693A 1993-02-10 1993-02-10 ワイヤ放電加工用銅被覆鋼線 Withdrawn JPH06238523A (ja)

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JP2306693A JPH06238523A (ja) 1993-02-10 1993-02-10 ワイヤ放電加工用銅被覆鋼線

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ID=12100042

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7131308B2 (en) 2004-02-13 2006-11-07 3M Innovative Properties Company Method for making metal cladded metal matrix composite wire
CN104668679A (zh) * 2015-01-29 2015-06-03 宁波博威麦特莱科技有限公司 低硼氧单向走丝用切割线及其制造方法

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