JPH0623742A - 連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及びその製造法 - Google Patents

連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット及びその製造法

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JPH0623742A
JPH0623742A JP4205895A JP20589592A JPH0623742A JP H0623742 A JPH0623742 A JP H0623742A JP 4205895 A JP4205895 A JP 4205895A JP 20589592 A JP20589592 A JP 20589592A JP H0623742 A JPH0623742 A JP H0623742A
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thermoplastic resin
continuous glass
reinforced thermoplastic
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千春 伊藤
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寿夫 柘植
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    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B9/00Making granules
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続ガラス繊維を補強材として含有し、熱可
塑性樹脂がガラス繊維中に均一に含浸されており、しか
も生産性よく製造できるようにした連続ガラス繊維強化
熱可塑性樹脂ペレット及びその製造法を提供する。 【構成】 補強材として、モノフィラメント径6〜25
μmで、かつ、下記数1で計算されるモノフィラメント
の重なり度が10以下のガラス繊維ストランド23を複
数本用い、これに熱可塑性樹脂11を含浸させて線状の
成形物とし、この成形物を所定長さに切断してペレット
30を得る。 【数1】重なり度=A×(D/L) (ただし、Aはモノフィラメントの集束本数、Lはガラ
ス繊維ストランドの平均幅、Dはモノフィラメントの平
均径を意味する。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FRTP(繊維強化熱
可塑性樹脂)の成形材料となる連続ガラス繊維強化熱可
塑性樹脂ペレット及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRTPは、射出成形機に、所定の含有
率に補強材量を調整したペレットを投入するか、熱可塑
性樹脂の補強材を含有しないペレットと、補強材を含有
するペレットとを所定の割合で投入し、射出成形金型に
注入固化することによって成形されている。FRTPの
補強材としては、チョップドストランド、ロービングが
多く用いられている。
【0003】チョップドストランドを補強材とする場合
は、長さ3〜6mm程度のチョップドストランドと熱可
塑性樹脂とを押出スクリューで加熱混練して押出し、所
定長さに切断してペレット化して用いている。このペレ
ットは、例えば図3(a)に示すように、熱可塑性樹脂
11中にチョップドストランド12が分散含有された構
造をなしている。
【0004】また、ロービングを補強材とするときは、
押出機のダイスに、ロービングを連続して供給するとと
もに、溶融した熱可塑性樹脂を供給し、ダイスの部分で
熱可塑性樹脂をロービングに含浸させて押出し、所定の
長さに切断することにより、ペレット化して用いてい
る。このペレットは、例えば図3(b)に示すように、
熱可塑性樹脂11中に、ロービング13が埋設されてお
り、熱可塑性樹脂11がロービング13のモノフィラメ
ント14間に含浸された構造をなしている。
【0005】このような連続繊維に熱可塑性樹脂を含浸
させる方法としては、例えば特開昭59−49913
号、特公昭52−10140号、USP4,439,3
87号などが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チョッ
プドストランドを補強材とするFRTPにおいては、次
のような問題点があった。すなわち、押出成形機でチョ
ップドストランドと熱可塑性樹脂とを加熱混練するとき
に、押出スクリューとチョップドストランドとの摩擦等
によりチョップドストランドの切断が起こる。更に、F
RTPの成形の際にも、射出成形機のスクリューとの摩
擦によって切断が起こるため、ガラス繊維が更に短く切
断され、当初3〜6mmであった繊維長が、最終的には
0.05〜0.8mm程度になってしまう。このため、
成形品の機械的物性、特に衝撃強度を十分に向上させる
ことができなかった。
【0007】また、ロービングを補強材とするFRTP
においても、次のような問題点があった。すなわち、ロ
ービングとしては、多数本のモノフィラメントを一度に
集束して引き揃えたもの(ダイレクトロービング)が用
いられているが、一般に2000本以上のガラス繊維を
集束したものとなっている。
【0008】このため、図3(b)に示されるように、
熱可塑性樹脂11がロービング13の内部Aにまで浸透
しにくく、モノフィラメント14の1本1本に至るまで
熱可塑性樹脂11を均一に含浸させることが困難であっ
た。このように熱可塑性樹脂の含浸が不良であると、F
RTPの機械的物性の低下を招く原因となる。一方、熱
可塑性樹脂の含浸不良を防ごうとすると、ロービングを
ゆっくりダイスに通して、時間をかけて熱可塑性樹脂と
接触させる必要があり、生産スピードが著しく低下し
て、製造コストが高くなるという問題があった。
【0009】更に、上記の他にも次のような製造上の問
題点があった。すなわち、製造開始当初のロービングを
使い切った後、あるいはロービングのストランドの切断
がおこった際に、更に継続して製造するためには、ロー
ビング同志をつなぐ必要がある。その際、ロービング同
志を糸つなぎした部分では、各ストランドに含まれるフ
ィラメントの合計本数は2倍となり、従来の2000本
以上のフィラメントからなるストランドのロービングで
は、糸つなぎ部分で樹脂の含浸が著しく悪くなり、ま
た、金型内での抵抗が増加してストランド切断等を起こ
し易くなるという問題点があった。
【0010】したがって、本発明の目的は、連続ガラス
繊維を補強材として含有し、熱可塑性樹脂が個々のモノ
フィラメントの間隙にまで均一に含浸されており、しか
も生産性よく製造できるようにした連続ガラス繊維強化
熱可塑性樹脂ペレット及びその製造法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
は、連続ガラス繊維に熱可塑性樹脂を含浸させ、所定長
さに切断してなる連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレ
ットにおいて、前記連続ガラス繊維として、モノフィラ
メント径が6〜25μmで、かつ、1本当たりのモノフ
ィラメントの集束本数をAとし、ガラス繊維回巻体より
テンションをかけずに引き出されたガラス繊維ストラン
ドの平均幅をL(mm)とし、モノフィラメントの平均
径をD(mm)としたとき、下記数3にて計算されるモ
ノフィラメントの重なり度が10以下であるガラス繊維
ストランドが用いられ、このガラス繊維ストランドが複
数本含有されていることを特徴とする。
【0012】
【数3】重なり度=A×(D/L)
【0013】ここで、ガラス繊維ストランドの平均幅D
は、例えばガラス繊維回巻体よりガラス繊維ストランド
をテンションをかけずに引き出してテーブル上に載置
し、ノギス等にてその幅を非接触状態で測定し、その値
を平均することによって求められる。そして、数3で求
められたモノフィラメントの重なり度は、大略的にはガ
ラス繊維ストランドの厚み方向に配列されたモノフィラ
メントの平均数を意味している。
【0014】また、本発明の熱可塑性樹脂ペレットの製
造法は、ガラス繊維回巻体より複数本の連続ガラス繊維
を引出して樹脂含浸用金型に同時に導入する工程と、溶
融した熱可塑性樹脂を前記樹脂含浸用金型に送り込み、
前記連続ガラス繊維に含浸させる工程と、前記熱可塑性
樹脂を含浸された連続ガラス繊維を前記樹脂含浸用金型
から引き出して、前記熱可塑性樹脂を冷却硬化させる工
程と、得られた線状の成形物を所定長さに切断する工程
とを含む連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製
造法において、前記連続ガラス繊維として、モノフィラ
メント径が6〜25μmで、かつ、1本当たりのモノフ
ィラメントの集束本数をAとし、ガラス繊維回巻体より
テンションをかけずに引き出されたガラス繊維ストラン
ドの平均幅をL(mm)とし、モノフィラメントの平均
径をD(mm)としたとき、前記数3にて計算されるモ
ノフィラメントの重なり度が10以下であるガラス繊維
ストランドを用いることを特徴とする。
【0015】以下、本発明について好ましい具体例を挙
げて更に詳細に説明する。
【0016】本発明の連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂
ペレット(以下、L−FTPペレットと略称する)に用
いる熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリスチレン、AS(アクリロニトリルスチレン)樹
脂、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹
脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEI
(ポリエーテルイミド)、PEEK(ポリエーテルエー
テルケトン)等が好ましく用いられる。この熱可塑性樹
脂には、用途や成形条件に応じて、着色剤、改質剤、ガ
ラス繊維以外の充填材等、公知の添加剤を適宜含有させ
ることができ、これらは常法に従い混練使用される。
【0017】本発明において、連続ガラス繊維として
は、モノフィラメント径が6〜25μmで、かつ、前記
数3でモノフィラメントの重なり度が10以下であるガ
ラス繊維ストランドが用いられる。
【0018】ここで、モノフィラメント径が6μm未満
では、ガラス繊維の生産性が低く、コスト高となるた
め、実用的ではない。また、モノフィラメント径が25
μmを超えると、モノフィラメントの剛直性が増して脆
くなるため、L−FTP製造装置の樹脂含浸用金型を通
過する際の金型−ガラス繊維間、あるいはガラス繊維同
志の摩擦によってモノフィラメントが切断されやすくな
り、製造装置内にも毛羽が発生して生産性に悪影響を及
ぼしやすい。
【0019】また、前記数3で求められるモノフィラメ
ントの重なり度が10を超えると、ガラス繊維ストラン
ド内部へ樹脂が浸透するのに時間がかかり、樹脂の含浸
が不良になりやすく、樹脂の含浸を良好にしようとする
と、含浸用金型内における樹脂との接触時間を長く保つ
必要があり、生産性が著しく低下する。また、含浸用金
型に長大なものが必要となり、樹脂加熱時間も長くなっ
て樹脂の熱劣化を誘起しやすく、最終成形品の外観(特
に色調)に悪影響を及ぼしやすい。なお、モノフィラメ
ントの重なり度は、7以下であることが更に好ましい。
【0020】本発明において、1つのペレットに含有さ
せる上記ガラス繊維ストランドの本数は、含浸用金型の
大きさ、更に言えばペレットの直径に合わせて適宜選択
すればよいが、一般的には、2〜40本が好ましく、7
〜35本が更に好ましい。ガラス繊維ストランドの本数
が2本未満では、樹脂との配合割合の関係でペレットが
小径となるので生産効率が低下し、40本を超えると、
ストランド同志の密着性が不十分となり、ストランド間
に空隙を生じやすく、最終成形品にボイド等を生じやす
くなる。
【0021】更に、L−FTPペレット中における連続
ガラス繊維の含有率は、30〜85wt%とすることが
好ましく、40〜70wt%とすることが更に好まし
い。連続ガラス繊維の含有率が30wt%未満では、F
RTPの成形に用いるマスターペレットとしてのガラス
含有率が不足し、85wt%を超えると、ガラス繊維量
に対する樹脂量が少なすぎて、ガラス繊維への含浸が不
十分になりやすい。
【0022】本発明のL−FTPは、前述した特開昭5
9−49913号、特公昭52−10140号、USP
4,439,387号などに開示された製造装置を使用
して製造可能であり、例えば図2に示される製造装置が
用いられる。図において、複数のロービング(ガラス繊
維回巻体)22から引き出されるガラス繊維ストランド
23を、予熱炉24を通過せしめ、樹脂含浸用金型21
に同時に導入する。この樹脂含浸用金型21には、押出
機25より加熱混練され溶融した熱可塑性樹脂が送りこ
まれ、金型21の中でガラス繊維ストランドは、熱可塑
性樹脂を含浸される。こうして得られた線状の成形物
は、冷却槽26を通って引取り機27により引き出さ
れ、ペレタイザー29によって所定長さに切断され、本
発明のペレット30が得られる。なお、ペレット30の
切断長さは、特に限定されないが、通常0.3〜3cm
が適当である。
【0023】本発明のL−FTPペレット30は、図1
に示すように、複数本のガラス繊維ストランド23が長
手方向に沿って引き揃えられ、熱可塑性樹脂11で覆わ
れて一体化されており、この熱可塑性樹脂11は、ガラ
ス繊維ストランド23の個々のモノフィラメント14の
間隙に至るまで均一に含浸されている。なお、ガラス繊
維ストランド23として、前述したようにモノフィラメ
ントの重なり度が10以下のものを用いたことにより、
L−FTPペレットの断面におけるガラス繊維ストラン
ド23の形状も、従来のものより扁平な形状をなしてい
る。このL−FTPペレット30は、補強材を含有しな
い熱可塑性樹脂だけのペレットと適宜割合で配合され
て、射出成形機に投入され、FRTPの成形品とされ
る。
【0024】
【作用】本発明では、連続ガラス繊維として、モノフィ
ラメント径6〜25μmで、かつ、前記数3で求められ
るモノフィラメントの重なり度が10以下のガラス繊維
ストランドを用いたので、ガラス繊維ストランドを構成
する個々のモノフィラメントの間隙まで熱可塑性樹脂が
容易に侵入する。その結果、ガラス繊維ストランド内部
への熱可塑性樹脂の含浸が良好となり、ガラス繊維表面
が熱可塑性樹脂によって極めて均一に濡れた状態をなす
ペレットが得られる。このため、このペレットを原料に
して射出成形して得られる成形品中での樹脂−ガラス繊
維の界面接着が良好となり、かつ、ガラス繊維分布もよ
り均一となることにより、良好な強度、外観をもつ成形
品を得ることができる。また、上記のように熱可塑性樹
脂がガラス繊維ストランドの内部に含浸されやすくなる
ので、ペレットの生産スピードも十分に維持することが
できる。更に、連続ガラス繊維を用いているので、チョ
ップドストランドを用いた場合のように、ガラス繊維長
が短くなってしまうという問題もなく、それによって成
形品の機械的物性、特に衝撃強度を十分に向上させるこ
とができる。
【0025】
【実施例】
実施例1 補強材として、モノフィラメント径13μm、モノフィ
ラメント集束本数800本のガラス繊維ストランド15
本を用い、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレンを用い
て、図2に示した方法により、ガラス含有率70wt%
のL−FTPペレットを製造した。このとき用いたガラ
ス繊維ストランドのモノフィラメントの重なり度は、
6.9であった。
【0026】このL−FTPペレットの断面を観察し
て、熱可塑性樹脂の含浸状態を評価した。更に、このL
−FTPペレットをマスターペレットとして、ポリプロ
ピレンを所定量添加し、射出成形機にて、ガラス含有率
30.2wt%のASTMに準拠した強度試験片を得
た。次に、この試験片を用いて、ASTMに準拠した方
法で曲げ強度、衝撃強度を測定した。この結果を表1に
示す。
【0027】実施例2 補強材として、モノフィラメント径9μm、モノフィラ
メント集束本数1000本のガラス繊維ストランド26
本を用いた他は、実施例1と同様にして、ガラス含有率
70wt%のL−FTPペレットを製造した。このとき
用いたガラス繊維ストランドのモノフィラメントの重な
り度は、5.0であった。
【0028】このL−FTPペレットの断面を観察し
て、熱可塑性樹脂の含浸状態を評価した。更に、実施例
1と同様にして、ガラス含有率30.5wt%のAST
Mに準拠した強度試験片を作り、これを用いて曲げ強
度、衝撃強度を測定した。この結果を表1に示す。
【0029】実施例3 補強材として、モノフィラメント径16μm、モノフィ
ラメント集束本数800本のガラス繊維ストランド10
本を用いた他は、実施例1と同様にして、ガラス含有率
70wt%のL−FTPペレットを製造した。このとき
用いたガラス繊維ストランドのモノフィラメントの重な
り度は、6.4であった。
【0030】このL−FTPペレットの断面を観察し
て、熱可塑性樹脂の含浸状態を評価した。更に、実施例
1と同様にして、ガラス含有率30.9wt%のAST
Mに準拠した強度試験片を作り、これを用いて曲げ強
度、衝撃強度を測定した。この結果を表1に示す。
【0031】実施例4 補強材として、モノフィラメント径13μm、モノフィ
ラメント集束本数2000本のガラス繊維ストランド2
本を用いた他は、実施例1と同様にして、ガラス含有率
70wt%のL−FTPペレットを製造した。このとき
用いたガラス繊維ストランドのモノフィラメントの重な
り度は、8.6であった。
【0032】このL−FTPペレットの断面を観察し
て、熱可塑性樹脂の含浸状態を評価した。更に、実施例
1と同様にして、ガラス含有率30.3wt%のAST
Mに準拠した強度試験片を作り、これを用いて曲げ強
度、衝撃強度を測定した。この結果を表1に示す。
【0033】比較例1 補強材として、モノフィラメント径13μm、モノフィ
ラメント集束本数2000本のガラス繊維ストランド6
本を用いた他は、実施例1と同様にして、ガラス含有率
70wt%のL−FTPペレットを製造した。このとき
用いたガラス繊維ストランドのモノフィラメントの重な
り度は、12.9であった。
【0034】このL−FTPペレットの断面を観察し
て、熱可塑性樹脂の含浸状態を評価した。更に、実施例
1と同様にして、ガラス含有率30.1wt%のAST
Mに準拠した強度試験片を作り、これを用いて曲げ強
度、衝撃強度を測定した。この結果を表1に示す。
【0035】比較例2 補強材として、モノフィラメント径16μm、モノフィ
ラメント集束本数4000本、ガラス繊維ストランド2
本を用い、実施例1と同様にして、ガラス含有率70w
t%のL−FTPペレットを製造した。このとき用いた
ガラス繊維ストランドのモノフィラメントの重なり度
は、16.0であった。
【0036】このL−FTPペレットの断面を観察し
て、熱可塑性樹脂の含浸状態を評価した。更に、実施例
1と同様にして、ガラス含有率30.3%のASTMに
準拠した強度試験片を作り、これを用いて曲げ強度、衝
撃強度を測定した。この結果を表1に示す。
【0037】なお、表1中、◎は良好、○は普通、×は
悪いを意味し、「PP」は、ポリプロピレンを意味し、
「生産性」は、比較例2のL−FTPペレットの1時間
当たりの生産量を100とした場合の相対値を示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から、モノフィラメントの重な
り度が10以下のガラス繊維ストランドを用いた実施例
1〜4のL−FTPペレットは、いずれも樹脂の含浸が
良好になされるのに対して、モノフィラメントの重なり
度が10を超えるガラス繊維ストランドを用いた比較例
1、2のL−FTPペレットは、樹脂の含浸状態が悪い
ことがわかる。
【0040】また、L−FTPペレットに含有されたモ
ノフィラメントの径及び総本数が同じとなる、実施例1
と比較例1、及び、実施例3と比較例2を比較すると、
実施例1、3の方が、対応する比較例1、2に比べて、
成形品の曲げ強度及び衝撃強度が優れていることがわか
る。
【0041】更に、L−FTPペレットの生産性は、モ
ノフィラメントの重なり度が10以下のガラス繊維スト
ランドを用いた実施例1〜4の方が、モノフィラメント
の重なり度が10を超えるガラス繊維ストランドを用い
た比較例1、2よりも、明らかに勝っていることがわか
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガラス繊維補強材として、モノフィラメント径が6〜2
5μmで、かつ、モノフィラメントの重なり度が10以
下であるガラス繊維ストランドを複数本用いたので、熱
可塑性樹脂の含浸が良好になされたL−FTPペレット
が得られる。そして、このL−FTPペレットを用いる
ことにより、成形品中における樹脂−ガラス繊維の界面
接着が良好となり、ガラス繊維分布もより均一となり、
更にガラス繊維長も長くなるので、良好な機械的物性、
特に衝撃強度に優れた成形品が得られる。また、ガラス
繊維が成形品の表面と平行となるため、表面外観が美麗
な成形品が得られる。更に、本発明のL−FTPペレッ
トは、熱可塑性樹脂のガラス繊維ストランド内部への含
浸が良好であるため、モノフィラメントの重なり度が1
0を超えるガラス繊維ストランドを用いた従来のL−F
TPペレットに比べて製造ラインのスピードを向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレ
ットの1実施例を示す模式説明図である。
【図2】本発明の連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレ
ットの製造装置の一例を示す概略説明図である。
【図3】従来のガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの
例を示し、(a)はチョップドストランドを補強材とす
るもの、(b)はロービングを補強材とするものを示す
模式説明図である。
【符号の説明】
11 熱可塑性樹脂 14 モノフィラメント 23 ガラス繊維ストランド 30 連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続ガラス繊維に熱可塑性樹脂を含浸さ
    せ、所定長さに切断してなる連続ガラス繊維強化熱可塑
    性樹脂ペレットにおいて、前記連続ガラス繊維として、
    モノフィラメント径が6〜25μmで、かつ、1本当た
    りのモノフィラメントの集束本数をAとし、ガラス繊維
    回巻体よりテンションをかけずに引き出されたガラス繊
    維ストランドの平均幅をL(mm)とし、モノフィラメ
    ントの平均径をD(mm)としたとき、下記数1にて計
    算されるモノフィラメントの重なり度が10以下である
    ガラス繊維ストランドが用いられ、このガラス繊維スト
    ランドが複数本含有されていることを特徴とする連続ガ
    ラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット。 【数1】重なり度=A×(D/L)
  2. 【請求項2】 前記ガラス繊維ストランドのモノフィラ
    メントの重なり度が7以下である請求項1記載の連続ガ
    ラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット。
  3. 【請求項3】 前記ペレットに対するガラス繊維含有率
    が30〜85wt%である請求項1又は2記載の連続ガ
    ラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット。
  4. 【請求項4】 ガラス繊維回巻体より複数本の連続ガラ
    ス繊維を引出して樹脂含浸用金型に同時に導入する工程
    と、溶融した熱可塑性樹脂を前記樹脂含浸用金型に送り
    込み、前記連続ガラス繊維に含浸させる工程と、前記熱
    可塑性樹脂を含浸された連続ガラス繊維を前記樹脂含浸
    用金型から引き出して、前記熱可塑性樹脂を冷却硬化さ
    せる工程と、得られた線状の成形物を所定長さに切断す
    る工程とを含む連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ
    トの製造法において、前記連続ガラス繊維として、モノ
    フィラメント径が6〜25μmで、かつ、1本当たりの
    モノフィラメントの集束本数をAとし、ガラス繊維回巻
    体よりテンションをかけずに引き出されたガラス繊維ス
    トランドの平均幅をL(mm)とし、モノフィラメント
    の平均径をD(mm)としたとき、下記数2にて計算さ
    れるモノフィラメントの重なり度が10以下であるガラ
    ス繊維ストランドを用いることを特徴とする連続ガラス
    繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造法。 【数2】重なり度=A×(D/L)
  5. 【請求項5】 前記ガラス繊維ストランドとして、前記
    モノフィラメントの重なり度が7以下であるものを用い
    る請求項4記載の連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレ
    ットの製造法。
  6. 【請求項6】 前記ペレットに対するガラス繊維含有率
    が30〜85wt%となるように成形を行う請求項4又
    は5記載の連続ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの
    製造法。
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