JPH06237173A - 電荷転送素子を用いた乗算装置またはda変換器 - Google Patents

電荷転送素子を用いた乗算装置またはda変換器

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JPH06237173A
JPH06237173A JP5043262A JP4326293A JPH06237173A JP H06237173 A JPH06237173 A JP H06237173A JP 5043262 A JP5043262 A JP 5043262A JP 4326293 A JP4326293 A JP 4326293A JP H06237173 A JPH06237173 A JP H06237173A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アナログ信号処理、ニューラルネットワーク
回路、DA変換器、乗算装置に適用できる電荷転送素子
を用いた乗算装置またはDA変換器に関する。 【構成】 電荷転送素子上の電荷信号を特定の比率を有
する少なくも2個の部分に分割するセパレータ装置と、
分割された電荷信号を選択的に共通の加算回路に印加す
るための出力回路群と、前記選択を制御するためのディ
ジタル信号線とよりなる電荷転送素子を用いて構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアナログ信号処理、ニュ
ーラルネットワーク回路、DA変換器、乗算装置に適用
できる電荷転送素子を用いた乗算装置またはDA変換器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CCDに代表される電荷転送素子
は、撮像素子やディレーラインなどの形で広く普及して
いるが、その応用は目下アナログシフトレジスタやアナ
ログメモリーとしての用途に限定され、一部でマッチド
フィルタや多値ディジタル論理回路への利用が検討され
てはいるが、このような信号処理分野への利用は極めて
少ない。
【0003】CCDは一般に消費電力が少なく、高密度
の集積が可能な点で優れた特性を有していると言われ、
より高度な信号処理機能の確立が期待されている。特に
信号どうしの乗算については、目下のところ精度の不足
や複雑化を伴い充分に合理的な実現方法が提案されてい
ない現状にある。
【0004】例えば、図9に示すCCDマッチドフィル
タは、CCDアナログシフトレジスタ上に配置された一
対のフローティング電極群の形状でフィルタ特性を調整
し、個々のステージ上にある電荷信号と電極面積の相互
作用を間接的に利用してアナログ乗算を各ステージで並
列的に実行しており、演算速度は比較的に高速である
が、電極面積の誤差が個々の乗算精度に直接影響を与え
るので、当然ながら回路の微細化とともに演算精度は悪
化する傾向にあり、高密度の集積化には限界があると考
えられる。また、この方式では乗数の変更は不可能で、
応用の範囲はかなり限定される。
【0005】また、CCDの多値論理回路への利用は、
現在基本となる論理処理操作を模索している段階で、乗
算器のように高度の処理を実現する見通しについては、
未だ不明と思われる。
【0006】これ以外にも、例えば、CCDを利用した
ホップフィールド型ニューラルネットワーク等が検討さ
れているが、この場合は、乗算の主体は抵抗ネットワー
クとオペレーショナルアンプであり、CCDはこれらの
パラメータを記憶させるためのアナログメモリーに過ぎ
ず、演算機能として利用されているわけではない。
【0007】更に、DA変換に電気容量を利用する構成
があるが、従来の方法はスイッチドキャパシタ回路に属
する「電荷再分布形」と呼ばれる形式に代表されるもの
で、参照電位を発生する電圧源と複数の容量素子、それ
らの間を結合するアナログスイッチ群で構成されている
点が共通の構成であり、大別して、以下に説明する図1
0に示されるような並列型と、図11に示されるような
逐次型の2種類に分類される。(両方式とも参照電位と
して別のアナログ信号を用いれば、当然、乗算装置とし
て利用することができる。)
【0008】図10は並列型の基本構成を示すが、この
動作は極めて単純で容量素子の片方の端子を共通の出力
端子とし、それぞれの容量素子は入力デジタルコードの
各ビットが有する重みに対応した容量が与えられてお
り、各容量素子のもう一方の端子はアナログスイッチを
介してゼロ電位か参照電位に選択的に接続される。この
結果、各容量素子の共通端子の電位は素子相互の綱引き
の結果、デイジタルコードに対応したアナログ電位にバ
ランスする。
【0009】図11は逐次型の基本構成を示す。この形
式では、容量素子を2個用いて最下位ビット(LSB)
から順に実行していく構成であり、上記のアナログ電位
を逐次的に合成していくもので、並列型とは異なり、ビ
ットで選択された参照電位またはゼロ電位でC1に発生
する電荷とC2に蓄積された電荷(初期値ゼロ)との和
を中央のスイッチS1で正確に2等分しながらその片方
をC2に蓄積し、他方は捨てていく方法で、結果として
出力電位V0を得る構成を有している。
【0010】上記の2例は、入力信号は安定した電圧源
であることが必須条件で、前段からの信号が電荷信号で
ある場合は、何等かの変換手段を介して電圧信号に変換
せねばならず、また出力信号も直接に電荷信号として取
り出すことは不可能である。それは、もともとスイッチ
ドキャパシタ型の回路が、容量素子に蓄積された電荷信
号を丸ごと別の容量素子に転送するためのものでないこ
とに起因している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、主として電
荷転送素子で伝達される電荷信号に直接ディジタル信号
を乗じる操作を通じて、高精度のアナログ乗算をより単
純な回路で実現するための電荷転送素子を用いた乗算装
置またはDA変換器回路を得ようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の如き観点
に鑑みてなされたものであって、電荷転送素子上の電荷
信号を特定の比率を有する少なくも2個の部分に分割す
るセパレータ装置と、分割された電荷信号を選択的に共
通の加算回路に印加するための出力回路群と、前記選択
を制御するためのディジタル信号線とよりなる電荷転送
素子を用いた乗算装置またはDA変換器を提供しようと
するものである。
【0013】
【作用】次に、本発明の作用について説明する。一般に
アナログ入力データにディジタルデータを乗じアナログ
出力データを得る回路は、アナログ入力データとして一
定の基準データを供給すればDA変換器と全く同じ機能
を果たすため、以下、乗算装置について説明すればDA
変換器の説明にもなるので、DA変換器としての説明は
省略する。
【0014】本発明による回路は構成する素子数が少な
いため、集積回路上に大量に組み込むことが可能であ
り、積和演算を大量に実行するための並列アナログプロ
セサーを形成できるので、たとえばニューラルネットワ
ークや画像処理の分野に応用できる。
【0015】以下、演算の理論的構成について説明す
る。電荷転送素子の1個のステージは電荷を保持する機
能としてはコンデンサーと等価な役割を果しており、そ
の容量はコンデンサーと同様に主としてステージの面積
で決定されるが、充分な精度を有するステージ上では電
荷はほぼ均一に分布し、そのステージを分割する位置に
配置されたセパレータ電極に電位を印加した場合、分割
されたそれぞれの面積に比例してその上の電荷も分割さ
れる。
【0016】この分割の方法には様々な方式が考えられ
るが、最も単純にラディックスを2とした「n分割」を
例にとって説明すると、上記の分割は 1/2 :1/4 :1/8 : ... :1/2n の比率となり、もとの電荷量をCとすれば、n個に分割
された電荷量はそれぞれ C/2,C/4,C/8, ..... ,C/2n となる。
【0017】ここでd0をLSBとするnビットの2値
ディジタル信号D(dn-1、dn-2、.....d2、d1、d
0)のそれぞれのビットで上記n個の電荷信号を選別
し、ビットが1であるものだけを累積する操作は、1)
式で表される。 この式は、S1が電荷量Cとディジタル数値Dの間の積
に対応した出力であることを意味している。同様に、ビ
ットが0であるものを累積する操作は、式(2)とな
る。
【0018】具体的に4ビットのDに対する、DとS1
/C,S2/C の関係を計算すると下記の表1のよう
になる。
【0019】表1から分かる通り、2系統の出力を差動
出力信号(S1−S2)/C として捉えると、ディジ
タルデータ 7と8の中間点を中立点としてそれ以下を
負、それ以上を正の数値に対応させれば、正の電荷信号
Cに正負両極性のディジタルデータを乗じる「2象限乗
算」もこの装置で実現できることになる。
【0020】更に、上記について入力電荷信号が差動信
号C1,C2である場合について、それぞれの入力に対
して式(1)、(2)の処理を加えると結果は次の式
(3)ー(6)の4種類の出力となる。
【0021】ここで、総合出力信号S1,S2 を S1=
S11+S22、S2=S12+S21とし、上記(3)ー
(6)式の結果をまとめると、次の(7)、(8)式が
得られる。
【0022】上記両(7)(8)式中の右辺第2項は共
通であり、差動信号としては意味がないので無視でき、
実質的に式(1)、(2)のCを(C1−C2)に置き換
えた式となっている。
【0023】この結果から、正負両極性の差動入力信号
C1,C2 に対してこの演算処理は、同様に両極性の
ディジタル信号との積に対応した差動出力S1、S2を与
える処理であることを示している。
【0024】従って、式(1)、(2)の2象限乗算器
2個の組み合わせで「4象限乗算」を実行できることが
わかる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の具体的な処理回路の構成の一
実施例を図面を参照しながら説明する。電荷転送素子
(CTD)は、一般に入力信号によって変調を受けた電
荷量が、一定の閉じた領域から別の閉じた領域に転送さ
れる動作を基本として構成されており、その移動機構の
違いから様々な方式が派生している。
【0026】本発明は、このような移動機構にかかわり
なく共通して適用可能な概念であるため、以下の説明で
はその閉じた領域を「ステージ」と呼び、それらの間の
具体的な電荷転送機構は煩雑化を避ける目的で省略して
図示する。
【0027】図1は上記の(1)式に従った演算をCT
D上で実行する回路の一例を示す。この例では、入力電
荷はまずCTDのひとつのステージ上に形成されたセパ
レータに注入される。セパレータには電荷を所定の比率
で分割するためのセパレータ電極が配置されており、電
荷注入時にはこの電極は中立電位に保持されて障壁は形
成されない。電荷注入の終了後、この電極には電位が印
加され、その障壁によってステージ内の電荷は所定の比
率に分割される。
【0028】分割されたそれぞれの電荷信号は、それぞ
れ独立したCTDステージに移動されるが、それらのC
TDステージはディジタル信号Dの各ビットで制御され
ており、ビットが1のステージの信号のみがサミングノ
ードに移動されるように構成されており、逆にビットが
0のステージが保持している信号は採用されず、次の入
力の注入と同時にCLR端子からまとめて排出される。
【0029】この結果、サミングノードには式(1)で
示される信号が出力され、遅れてCLR端子から式
(2)に対応した信号が出力される。
【0030】図1の例は正の数値どうしの乗算を実行す
る場合を説明するための簡単な例であるが、分割数が多
い場合はセパレータの精度管理が困難となり、前記のマ
ッチドフィルタ同様に回路の微細化には限界がある。
【0031】この点を改善したのが図2の例である。図
2において、入力電荷信号は直列に接続されたn個の1
/2分割セパレータに印加され、各段毎に2分割されて
いくが、その片方の出力は次段のセパレータの入力信号
として使われ、もう一方の出力は図2の例と同様にディ
ジタル信号Dの各ビットで制御されつつ、ビットの0/
1に対応した2系統のサミングノードにそれぞれ集めら
れる。即ち、この回路はそれぞれ前述の(1)、(2)
両式に対応した信号処理を並行して実行する構成であ
る。
【0032】この構成では、電荷の2分割操作だけで構
成されているため、電極サイズが均一になることから分
割精度管理が容易で回路の微細化に適している。この場
合、各セパレータ段からのビット選択出力は、同時には
出力されないので、この例ではセパレータ間のデータ移
動に同期して作動する別のCTDシフトレジスタ列を用
いて累積データを移動しながら、動的に結果の累積を行
う形式を採用している。
【0033】図2に図示の<*>印のタイミングで入力
ゲートから注入された電荷信号に7ビットのディジタル
信号D(1,0,0,1...)を乗じる場合を例にとり、図に沿
ってその作動を説明する。まず、注入された電荷は分割
ゲート電位VGが中立であるため、最初の1/2分割セ
パレータを構成するステージの全域に分散する。その後
VGはセパレータ内に障壁を形成し注入電荷を2等分す
る。分離された一方の電荷信号はR6+,R6−で示さ
れる2個のステージまたは転送チャンネルに接続されて
おり、そのどちらかを経由して、別のCTDシフトレジ
スターに加算的に注入されるが、ここでは乗数Dの最上
位ビット(MSB)は1であるので、2分割された最初
の電荷信号はR6+の経路を経て転送されるよう構成さ
れているとする。
【0034】分割されたもう一方の信号は、次の電荷信
号の注入に同期して2段目の1/2分割セパレータに転
送され、上記と同様にDの次のビットである0に対応し
て、R5−のステージよりCTDシフトレジスターに注
入されるが、この間CTDシフトレジスターはシフト1
の駆動によって2ステージ分右に移動しているので、最
初のセパレータで注入された信号に加算されながら右方
向に移動していく。
【0035】以上の過程を繰り返した後、CTDシフト
レジスタの右端の2ステージには上記式(1)、(2)
に示す信号が累積されて出力されることになる。尚、*
に前後して入力される別の入力信号の処理も上記と並行
して独立に実行されるので、この装置は1種の半アナロ
グ式パイプライン乗算器として機能することになる。
【0036】図3は、上記図2の例と等価な機能を構成
する別の例を示している。この例では、セパレータとし
て独立の1/2分割セパレータを使わずに、1対のくし
型セパレータ電極G1,G2を用いて、同一のステージ
上で順次1/2分割動作を実行する構成を採用してい
る。
【0037】図4は、上記図3の例に即して信号処理の
時間経過を模式的に示したもので、図4の左側は電荷量
を液体になぞらえてハッチングで示している。図4の左
側に沿って説明すると、まず、初期状態においてG2電
極は中立電位を保っているため、障壁はG1電極のみで
形成されている。この状態で入力電荷は(a)の左端の
区画に外部から注入されるが、この電荷はG2電極に電
位が印加されると同時に(b)のように等しい電荷を有
する2個の区画に分断される。
【0038】このうち、図4の左の区画の電荷信号は、
すべてR6+,R6−のいずれかの経路を経てサミング
ノードに排出され、残ったもう一方の電荷信号(c)は
G1電極の電位が中立となる時点で、(d)のように2
倍の容量を有する領域に拡散される。
【0039】以上(b)−(d)の過程を1回繰り返す
と、最初の電荷信号は1/4に減少し、隣の区画に移動
して初期状態(a)と同じ状態に復帰するため、次の入
力を再度ステージ左端から注入できる状態になる。上記
の動作の繰り返しによって1/2分割操作が必要な回数
だけ実行される。
【0040】図5は、上記図2の例をただ1個の1/2
分割セパレータを時分割多重利用によって処理する構成
の例である。図5において、セパレータに左端より注入
される電荷信号は一度セパレータ全体に拡散され、その
後セパレータ電極Gに印加される電位VGが発生する障
壁によってそれぞれ等量の電荷信号を有する2区画の部
分に分断される。
【0041】図5の右端の区画はR+,R−の2個の経
路を経てそれぞれ独立したサミングノードに結合されて
おり、上記の分割操作後にD1,D2のいずれかの転送
命令に基づきいずれかのサミングノードに累積される
が、この転送命令D1,D2は乗数であるデジタルデー
タのMSBによって制御されており、例えばビットが1
の時はD1が、ビットが0の時はD2がそれぞれ発生す
るよう構成されている。
【0042】転送終了後、VGは再度中立電位になるの
で、図5の左の区画に残留していた電荷信号はセパレー
タ全域に拡散され、次のVGの立ち上がりによって再度
分断される。
【0043】以上の操作は、D1,D2の制御ソースを
順次入力ディジタルデータの低位ビットに切り替えなが
ら繰り返し実行され、全ビットにつき累積動作を完了し
た時点では、2個のサミングノード上には上記式
(1)、(2)に相当する差動出力信号が保持されてい
る。
【0044】尚、この例では4ビットのディジタルデー
タを乗数に採用しているが、表1の結果から分かる通
り、この場合、完全にゼロを乗数とした乗算は不可能に
なる。このため、図5の例では、一連の1/2分割処理
を終了した後に、左の区画に残留している電荷信号を最
後にR−の経路で排出する構成をとっており、ディジタ
ルデータの中立点を丁度8に合わせるようしてある。
【0045】図5の例の場合、1/2分割操作の回数を
ソフトウェア的に調整するだけで、理論上は任意のビッ
ト長を有するディジタルデータに対応でき、装置の柔軟
な運用の見地から優れた性質を有していると同時に、上
記図2、3の例に比してさらに単純な回路構成を有し、
高密度の集積回路に適用するのに最も適しているが、さ
らにセパレータが1個であることから、精度管理の面で
も極めて有利な構成になる。特に、図6に示すような分
割比率自動調整システムの併用が容易で、高精度の処理
を加える場合に適している。
【0046】図6において比較器Xには、2個のサミン
グノードの電荷信号が直接または間接的に伝達され、そ
れらの相対関係が例えば差の形で検出される。乗数とし
て8が選ばれた場合、理想的には2個のサミングノード
の出力は最終的に等しくなるはずであるが、セパレータ
の分割比率が1/2と異なり誤差を有している場合、こ
の差はゼロにならず、セパレータに内在する誤差傾向を
示す有限の数値となるので、この数値からセパレータの
分割比率の微調整装置に帰還制御を加えることで、分割
比率の精度を向上させることができる。
【0047】図6の例は、1/2分割セパレータの一部
に微調整用の電極GAを設置し、セパレータの一方の区
画の電気容量を制御し、この制御電圧に前記の帰還信号
を加える構成によって実現する場合を示している。当
然、この制御はディジタルデータが8の場合についての
み有効であるため、比率の校正後は調整結果を保持しな
がら帰還回路を断つ必要があり、端子CALはそのため
の制御端子を示す。
【0048】図7は上記図5に示す例を2系列結合し
て、上記式(7)、(8)に対応する4象限乗算を実行
するシステムの構成を示す。差動入力信号C1,C2は
それぞれの系列の乗算器に印加されるが、それぞれで加
えられる内部操作は上記図5の例と全く同じである。そ
れぞれの差動出力は、互いに加算されS1,S2の総合
差動出力が形成される。
【0049】図8は、DFGA(分布フローティングゲ
ート増幅器)型CCD回路を用いて間接的に入力電荷信
号を検出し、上記図2、3と等価な機能を実現する回路
の例を示す。図8において、入力電荷信号Cは上段のC
CDシフトレジスタに左端より注入され順次右に移動す
るが、同時に下段のCCDシフトレジスタも同期して右
にシフトされている。
【0050】F0−6に示すハッチング部分は、CCD
に付設されたフローティングゲート電極で、その直下の
CCDステージ上の電荷量を検出する電極であり、結果
はアンプ群 A0−6 で増幅されて、電荷の形で下段
のシフトレジスタに順次加算されていくが、アンプ群を
構成する個々のアンプのゲインは、通常の分布フローテ
ィングゲート増幅器と異なり、例えば1/2,1/
4...1/2n に調整してあり、さらにその出力は
ディジタル信号Dの各ビット(d0,d1,....dn)によ
って制御されている。
【0051】この場合、セパレータは、直接入力電荷を
分割する代わりに、入力電荷に比例関係にある複製電荷
を作成する形式となるが、機能的には上記図2、3と同
様の処理が実行できる。
【0052】この例では、入力電荷信号は直接加工され
ず、非破壊的な検出によって処理されるため、同じデー
タを別の処理に流用することが可能になる利点があるほ
か、アンプ群のゲイン調整によって分割比率の適正化を
電気的に行えるようになる点も利点である。
【0053】
【発明の効果】電力消費が少なく集積密度の点で有利な
CTDを用いて、従来CTDでは比較的に困難であった
乗算処理を高精度で実行するシステムを構成できる。
【0054】また、構成が極めて単純になるため、超並
列アナログプロセサーの実現に有効に利用できる上、従
来CTDの主要な用途であった光学信号の入力手段とし
ての機能を併用することで、映像処理などの用途にも応
用され得る。
【0055】さらに、装置を大量に集積化する際に増幅
手段など異質な回路を大量に介在させる必要がなく、集
積密度の向上と消費電力の削減を可能とし、CCDによ
るセンサー入力の直接処理にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の所定の演算をCTD上で実行する一実
施例の回路構成図である。
【図2】本発明の他の実施例の回路構成図である。
【図3】本発明の更に他の実施例の回路構成図である。
【図4】図3の例に即して信号処理の時間経過を示した
模式図である。
【図5】図2の例をただ1個の1/2分割セパレータを
時分割多重利用によって処理する一例の構成図である。
【図6】本発明の一実施例の分割比率自動調整システム
を示す構成図である。
【図7】図5に示す例を2系列結合して、所定の4象限
乗算を実行するシステムの構成図である。
【図8】本発明のDFGA型CCD回路(分布フローテ
ィングゲート増幅器)を用いて間接的に入力電荷信号を
検出し、図2及び図3と等価な機能を実現する一例の回
路構成図である。
【図9】従来のCCDマッチドフィルタの一例を示す構
成図である。
【図10】従来の電気容量を利用する並列型スイッチド
キャパシタ回路である。
【図11】従来の電気容量を利用する逐次型スイッチド
キャパシタ回路である。
【符号の説明】
CTD 電荷転送素子 D ディジタル信号 VG 分割ゲート電位 Rx+ ディジタルデータのビットxで制御される、プ
ラス側の転送チャンネル Rx− ディジタルデータのビットxで制御される、マ
イナス側の転送チャンネル MSB 最上位ビット LSB 最下位ビット G1,G2 くし型セパレータ G セパレータ電極 D1,D2 転送命令 X 比較器 GA 微調整用電極 CAL キャリブレーション制御端子 C1,C2 差動入力信号 S1,S2 差動出力 DFGA 分布フローティングゲート増幅器 C 入力電荷信号 A0−6 アンプ群

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷転送素子上の電荷信号を特定の比率
    を有する少なくも2個の部分に分割するセパレータ装置
    と、分割された電荷信号を選択的に共通の加算回路に印
    加するための出力回路群と、前記選択を制御するための
    ディジタル信号線とよりなる電荷転送素子を用いた乗算
    装置またはDA変換器。
  2. 【請求項2】 前記セパレータ装置が入力電荷を1/
    2,1/4,1/8・・・2(-n)(nは任意の自然数)
    を含む比率に分割する請求項1記載の電荷転送素子を用
    いた乗算装置またはDA変換器。
  3. 【請求項3】 前記加算回路を2系統備え、選択制御信
    号によって、分割された信号をどちらか一方の加算回路
    に印加する請求項1記載の電荷転送素子を用いた乗算装
    置またはDA変換器。
  4. 【請求項4】 前記電荷転送素子のステージを2個以上
    に分割する線上に電極を配置し、この電極の電位を操作
    して電荷を分割するセパレータを備えた請求項1記載の
    電荷転送素子を用いた乗算装置またはDA変換器。
  5. 【請求項5】 前記セパレータが入力電荷を同時にn個
    の部分に分割する請求項2記載の電荷転送素子を用いた
    乗算装置またはDA変換器。
  6. 【請求項6】 前記n個の1/2分割セパレータを直列
    的に接続し、各接続段で逐次的にn回の1/2分割操作
    を繰り返し、順次分割を行う請求項2記載の電荷転送素
    子を用いた乗算装置またはDA変換器。
  7. 【請求項7】 少なくも1個の1/2分割セパレータを
    有し、その出力電荷信号の片方を再度セパレータ入力と
    し、逐次的に必要な回数の1/2分割操作を行う請求項
    2記載の電荷転送素子を用いた乗算装置またはDA変換
    器。
  8. 【請求項8】 入力電荷量に比例した電荷信号を発生す
    る電荷発生装置群によって等価的に構成されたセパレー
    タを備えた請求項2記載の電荷転送素子を用いた乗算装
    置またはDA変換器。
  9. 【請求項9】 前記乗算装置を2個備え、それぞれの入
    力信号の相対関係を例えば差で表現される正負両極性の
    入力信号に対し、独立して乗算処理を行い、それぞれに
    付設された各2個の加算回路の出力を2個づつ加算し
    て、両極性の出力信号を形成する請求項3記載の電荷転
    送素子を用いた乗算装置またはDA変換器。
  10. 【請求項10】 前記加算回路をアナログシフトレジス
    タ列で構成し、n回の分割操作の進行に同期したシフト
    を実行しながら、各段からの出力電荷信号を累積する請
    求項6記載の電荷転送素子を用いた乗算装置またはDA
    変換器。
  11. 【請求項11】 1個の1/2分割セパレータの2本の
    出力積算値の相互関係を計測し、その結果から分割比率
    の微調整を行う帰還制御回路を設置した請求項7記載の
    電荷転送素子を用いた乗算装置またはDA変換器。
  12. 【請求項12】 前記電荷発生装置として入力電荷信号
    を所定のゲイン比率に調節された複数のフローティング
    ゲートアンプ群で構成する形式のセパレータを備えた請
    求項8記載の電荷転送素子を用いた乗算装置またはDA
    変換器。
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