JPH06235979A - ネガフィルムに記録された場面の色画像から場面照明光の色濃度を決定するための方法 - Google Patents

ネガフィルムに記録された場面の色画像から場面照明光の色濃度を決定するための方法

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JPH06235979A
JPH06235979A JP2020793A JP2020793A JPH06235979A JP H06235979 A JPH06235979 A JP H06235979A JP 2020793 A JP2020793 A JP 2020793A JP 2020793 A JP2020793 A JP 2020793A JP H06235979 A JPH06235979 A JP H06235979A
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image
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negative film
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JP2020793A
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Tadahisa Koga
忠尚 古賀
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Nidec Copal Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 場面の色の偏りの有無に依らず正確に場面照
明光の色をネガフィルムに記録された色濃度として決定
する方法、また、ネガフィルムから得られた色濃度D
r,Dg,Dbを用いてこれらに基づく空間LMN内に
おいて直接光源色濃度を決定することが出来、フィルム
の種類毎に予め変換のためのデータを測定しておく必要
がない方法を提供する。 【構成】 ネガフィルムの色画像を走査しデジタル濃度
画像を作成し、デジタル濃度画像の各画素の色濃度D
r,Dg,DbをL,M,Nに変換しLMN画像を作成
して、LMN画像の隣接する画素間の変化方向から色変
化特性を計算し、色変換特性に対してパラメータ推定に
よる場のあてはめを行ない、あてはめられた場のハイラ
イト側の集束点C2を光源色濃度の推定値とする、ある
いはシャドウ側の集束点C1とC2を結ぶ直線を光源色
濃度の軌跡の推定とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ネガフィルムに場面の
色画像を記録するために使用された場面照明光の色が、
使用されたネガフィルムにおいてどのような色濃度にて
記録されているかを画像自体から決定するための方法で
あり、カラー写真システムおよびネガフィルムから読み
取ったデジタル画像をCRTなどのカラー画像表示装置
に表示するような電子的画像システムにおいて、再現画
像を得る際の色補正量を正確に決定するための方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー写真システムまたはネガフィルム
から読み取ったデジタル画像をCRTに表示するような
電子的画像システムにおいては、好ましい再現画像を得
るために、場面を記録するのに使用された場面照明光の
色を再現過程(たとえば、ネガポジカラー写真ではネガ
フィルムからカラーペーパーへの焼き付け、電子的画像
システムではデジタル画像のカラーCRTへの表示な
ど)において補正することが望ましい。このような補正
を自動的に行なうには、場面照明光の色がネガフィルム
においてどのような色濃度として記録されていかるかを
画像自体から決定する必要がある。
【0003】カラー写真の分野では、従来場面照明光の
記録された色濃度(以下、光源色濃度)を推定するため
の量として、1コマの画像全体を積分したときのRGB
各色の濃度(Large Area Transmission Density :LA
TD)が用いられてきた。これは、エバンス(R. M. Eva
ns: USP2,571,697)の提案した「灰色世界」仮説(TheEva
ns' ”Gray World“Hypothesis) に基づくものである。
LATDによる光源色濃度の推定は、「灰色世界」仮説
が成り立つ場面では良い推定を与えるが、場面を構成す
る色に偏りがある場合には誤った推定を与えてしまうと
いう欠点がある。
【0004】LATDとは異なる方法で場面照明光の色
を推定する方法としては、Leeによって特表昭62−
500325に開示されている方法がある。Leeによ
って開示された方法は、非均質な物質の表面からの反射
光が鏡面反射成分(照明光の色)と拡散反射成分(物質
の色)との混合物であるという物理的性質に基づくもの
である。システムによって記録された画像放射照度をE
r,Eg,Ebとしたとき、物質からの反射光はEg/
Er,Eb/Erからなる平面において1つの直線上に
分布する。複数の色の異なる物質の反射光から得られる
各々の直線は、場面照明光の色に相当するEg/Er
Eb/Er平面上の座標Lg/Lr,Lb/Lrにおい
て交差する。ただし、Lr,Lg,Lbは画像形成シス
テムのRGBの感度関数に関して入射放射輝度を積分し
てえられる入射表面放射輝度である。したがって、2つ
以上の色の異なる物質が場面中に存在すれば、各々の分
布から得られる直線の交点として場面照明光の色を決定
することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Leeの方法において
は、システムによって記録された画像放射照度に基づく
座標平面を推定のための空間(平面)として用いている
が、ネガフィルムにおいては、場面照明光の色がフィル
ム上におけるどのような色濃度として記録されているか
が重要となる。例えば、ネガフィルムをカラーペーパー
に焼き付ける場合には、RGB各色の焼き付け光による
対数露光量を、場面照明光がネガフィルム上に記録され
た色濃度に応じて加減することにより、色バランスの補
正を行なっている。ところが、ネガフィルムにおいては
画像放射照度Er,Eg,Ebの対数値とフィルムに記
録される色濃度Dr,Dg,Dbとの関係は一般に非線
形である。これはフィルムのDH特性および重層効果に
よるものであり、画像放射照度と色濃度の関係は対数変
換を含めて次式で示されるような非線形な変換となる。
【0006】D=Φ(E) ここで、D,Φ,Eはベ
クトルである。ただし、 D=(Dr,Dg,Db) E=(Er,Eg,Eb) Φ:対数変換,DH特性,重層効果を含む非線形変換。
【0007】このため、Dr,Dg,Dbからなる空間
においては、物質からの反射光の分布は直線とならず、
Leeの方法を直接適用することはできない。Dr,D
g,DbをEr,Eg,Ebに変換すればLeeの方法
を適用することは可能であるが、そのためにはΦの逆変
換Φ-1を正確に知る必要がある。一般にΦはネガフィル
ムの種類毎により異なり、市場に出回っている多くの種
類のフィルムについてΦを測定し、Φ-1を計算すること
は、補正処理を非常に煩雑なものとしてしまうという問
題がある。
【0008】本発明は、前記従来の欠点を除去し、場面
の色の偏りの有無に依らず正確に場面照明光の色をネガ
フィルムに記録された色濃度として決定することが出来
る方法を提供する。また、本発明ではネガフィルムから
得られた色濃度Dr,Dg,Dbを用いてDr,Dg,
Dbに基づく空間LMN内において直接光源色濃度を決
定することが出来、Er,Eg,Ebのような画像放射
照度に基づく空間に変換する必要がないため、フィルム
の種類毎に予め変換のためのデータを測定しておく必要
のない方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の方法は、ネガフィルムに場面の色画像を記
録するために使用された場面照明光の色が、使用された
ネガフィルムにおいてどのような色濃度として記録され
ているかを画像自体から推定するための方法であって、
ネガフィルムの色画像を走査してデジタル濃度画像を作
成し、デジタル濃度画像の各画素の色濃度Dr,Dg,
DbをL,M,Nに変換しLMN画像を作成して、LM
N画像の隣接する画素間の変化方向から色変化特性を計
算し、色変換特性に対してパラメータ推定による場のあ
てはめを行ない、あてはめられた場のハイライト側の集
束点C2を光源色濃度の推定値とすることを特徴とす
る。
【0010】また、本発明の方法は、ネガフィルムに場
面の色画像を記録するために使用された場面照明光の色
が、使用されたネガフィルムにおいてどのような色濃度
として記録されているかを画像自体から推定するための
方法であって、ネガフィルムの色画像を走査してデジタ
ル濃度画像を作成し、デジタル濃度画像の各画素の色濃
度Dr,Dg,DbをL,M,Nに変換しLMN画像を
作成して、LMN画像の隣接する画素間の変化方向から
色変化特性を計算し、色変換特性に対してパラメータ推
定による場のあてはめを行ない、あてはめられた場のシ
ャドウ側の集束点C1とハイライト側の集束点C2とを
結ぶ直線を光源色濃度の軌跡の推定とすることを特徴と
する。
【0011】ここで、前記色変化特性を計算する行程
は、隣接する2つの画素i,jを選択して、画素i,j
におけるRGB濃度からLMN座標を計算する行程と、
M,Nの変化率DM,DNを求める行程と、Li ,M
i ,Ni を含む空間Spqr を求める行程と、変化率,デ
ータ数を累積する行程と、全ての隣接する画素を処理し
たかを判断し、処理していない場合は前記各行程を繰り
返す行程と、全ての隣接する画素を処理した場合は、色
変化方向の集合としてネガフィルムに記録されたシーン
の色変化特性を得る行程とを備える。
【0012】
【実施例】
<ミュレーションモデル>図1は本実施例の光源,観察
位置,物体表面の位置関係を示す図である。s,s’,
n,pはそれぞれ、光源の方向,フレネル反射の方向,
面の法線,観察方向を表している。またsとnのなす角
をα、s’とpのなす角をβとする。
【0013】Leeは物体の反射光によるセンサの応答
Er,Eg,Ebを次のような式でモデル化している。 Er=k×Lr×[ρr×f(α,β)+S×h(α,β)] (1) Eg=k×Lg×[ρg×f(α,β)+S×h(α,β)] (2) Eb=k×Lb×[ρb×f(α,β)+S×h(α,β)] (3) ただし、Lr,LgおよびLbは入射光のスペクトルと
R,G,B各色センサの分光感度分布の積を積分して得
られる入射光の照度を表す。また、ρr,ρg,ρbは
拡散反射係数、Sは鏡面反射係数を表す。関数f,hは
拡散反射および鏡面反射のリフレクタンスファクターの
角度依存性を表している。このモデルでは鏡面反射成分
のスペクトルは入射光のスペクトルに等しい。本実施例
では関数f,gの具体的な形はPhongのモデルに従
った。またPhongのモデルでは環境光を表す項を取
り入れている。通常のシーンでは光源からの直射光が当
たらない部分においても周辺からの一様な反射光が当た
っているので輝度が0になることはない。従って環境光
の項を加えることにより、より実際のシーンに近くなる
と考えられるので、本実施例ではこれを加えて次のよう
な式を用いた。
【0014】 Er=k×Lr×[0.1 ×ρr+ρr×cosα+S×cosn β] (4) Eg=k×Lg×[0.1 ×ρg+ρg×cosα+S×cosn β] (5) Eb=k×Lb×[0.1 ×ρb+ρb×cosα+S×cosn β] (6) ただし、ここではEr,Eg,EbはRGB各色の露光
量である。またLr,LgおよびLbは入射光のスペク
トルとネガフィルムのR,G,Bの各色感光層の分光感
度分布の積を積分して得られる入射光の照度を表す。
【0015】第1項は環境光による反射成分を表してい
る。環境光は光源からの光に等しいスペクトルを持つも
のとし、その大きさは入射光の照度の10分の1とし
た。第2項は拡散反射成分、第3項は鏡面反射成分を表
している。係数nは鏡面反射成分のビームの幅を表し、
nが大きいほどビームが細くなる。露光量Er,Eg,
Ebからネガフィルムの濃度Dr,Dg,Dbへの変換
は、市販のフィルムのデータシートに記載された特性曲
線に基づいて行った。特性曲線は昼光による露光によっ
て得られたものを用いている。RGB各色の特性曲線を
表す関数をFr,Fg,Fbとすると露光量と濃度の関
係は次式で表される。
【0016】 Dr=Fr(logEr) (7) Dg=Fg(logEg) (8) Db=Fb(logEb) (9) 実際のフィルムでは重層効果があるため特性曲線のみか
らフィルムの濃度を決定することは出来ないが、重層効
果は近似的に3×3のマトリクスで表される線型変換と
見なすことができる。ネガフィルムにおける光源色の推
定では、特に対数変換および特性曲線の非線形性が問題
となる。そこで重層効果を含まないモデルによっても推
定手法の有効性は検証できるものと考え、式(7)〜
(9)によってネガフィルムの濃度が定まるものとす
る。
【0017】本実施例では物体の表面を円筒面として図
2に示すような幾何学モデルを用いて行った。光源から
の光は平行光とし、円筒の表面(x,y,z)からの反
射光はネガフィルム上の座標(x’,y’)に式(7)
〜(9)で与えられる濃度として記録される。 <推定のための色空間>物体の反射モデルに基づく推定
手法をネガフィルムに応用する際の最も重要な問題は、
シーンの輝度とネガフィルムに記録される濃度との関係
が非線形であることである。ネガフィルムの露光量E
r,Eg,Ebはシーンの輝度に比例し、ネガフィルム
の濃度Dr,Dg,DbとEr,Eg,Ebとの関係は
次のような非線形変換と考えられる。
【0018】 D=Φ(E) ここで、D,Φ,Eはベクトルである。 (10) ただし D=(Dr,Dg,Db) E=(Er,E
g,Eb) Φ;非線形な変換 Φはネガフィルムの特性曲線および重層効果の特性によ
り定まる非線形変換である。このことから推定を行うた
めの色空間の選択という第一の問題を生ずる。(Er,
Eg,Eb)のようなシーンの輝度に比例する空間を用
いるためには、ネガフィルムの濃度から露光量への逆変
換が必要になる。一方、ネガフィルムのRGB濃度D
r,Dg,Dbからなる空間を用いると、同一の材質か
らなる表面に対応する部分の(Dr,Dg,Db)空間
における色の分布は、(Er,Eg,Eb)空間におけ
るような直線にはならない。従って、ネガフィルム画像
から投影光源色を推定する方法として、本実施例では、
次の方法を用いた。
【0019】まず、ネガフィルムをスキャナ等で読み取
りRGB三色の濃度データからなるデジタル画像を形成
する。得られた濃度画像から、Dr,Dg,Db空間も
しくはこれを変形した空間を用いて、直線撮影光源色を
推定する。推定を行うため空間として、以下に述べるL
MN色濃度空間を用いる。一般にカラーネガフィルムの
特性曲線は図3のような形をしている。ある光源で照明
されたグレーの被写体からの反射光による対数露光量を
Hr,Hg,Hbとする。光源の色の彩度があまり高く
なく、重層効果が無視できるとしたとき、対応するネガ
フィルムの濃度は図のDr,Dg,Dbとなる。これを
プリント上でグレーに焼き付けるにはDr,Dg,Db
間の差がわかれば十分である。そこでDgを基準にとり
Dr−Dg,Db−DgをそれぞれMNとおく。MNは
色度に対応する量と考えられる。
【0020】一方、ネガフィルムのカラーバランスは通
常露光量と共に変化するので、露光量もしくは明るさに
対応する軸が必要となる。ここではRGB各濃度の平均
値を用いる。すなわち、 L=(Dr+Dg+Db)/3 (11) M=Dr−Dg (12) N=Db−Dg (13) LMNの張る空間は濃度で表現された色空間と考えられ
るのでLMN色濃度空間(以下LMN空間)と呼ぶ。 <LMN空間における光源色の軌跡と反射光の分布>L
MN空間において光源色を推定するには、光源色及び物
体からの反射光がLMN空間にどのように記録されるか
を知る必要がある。そこでこれらについて述べ、さらに
両者の関係について考察する。
【0021】色光によるネガフィルムの対数露光量をR
GB各色についてそれぞれHr,Hg,Hbとしたと
き、重層効果が無視できる場合、ネガフィルムの3色濃
度Dr,Dg,DbはDH特性曲線を用いて図4のよう
に図示式的に表すことが出来る。LMN座標におけるM
Nの値はDr,Dg、Db,Dgの差であるからその絶
対値は図5に示すようにDr,Dg、Db,Dg間の距
離で表される。
【0022】色光のスペクトルを一定として露光量を変
化させた場合、各色の露光量の差Hr−Hg,Hb−H
gは一定に保たれる(図4のHr’,Hg’,H
b’)。このとき|M|,|N|は特性曲線の形に応じ
て変化する。すなわち、色光のスペクトルが一定であっ
ても露光量によりMNの座標値が変化することがわか
る。白色光によって露光された場合、すなわち、Hr=
Hg=Hbの場合も同様であり、このことは露光量と共
にカラーバランスが変化することに対応している。f
r,fg,fbは一般的に非減少関数であると考えられ
るのでL=(fr+fg+fb)/3も非減少関数とな
る。従って色光のスペクトルを一定として露光量を変化
したとき、LMN空間に描かれる軌跡は、Lの値に対し
て一意にMNの値が定まるような曲線となる。
【0023】いろいろな色光について軌跡を描くと図5
のようになる。特性曲線がベース領域及び飽和領域を持
つことから、Lの値は(Lb,Ls)に制限され、曲線
はLb,Lsにおいて収束する。但し、 Lb=(Drb+Dgb+Dbb)/3 (14) Ls=(Drs+Dgs+Dbs)/3 (15) Dib,Dis;RGB各色のベース濃度および飽和濃
度 一般的傾向として、色光の彩度が高いほど軌跡の湾曲が
大きくなる。
【0024】次に物体からの反射光がLMN空間におい
てどのように分布するかについて述べる。Klinker 等に
よれば円筒系の物体の場合、Er,Eg,Ebのような
シーンの輝度に比例する量に基づく色空間においては、
反射光の色の分布は、光源色の方向を表すベクトルCs
と物体の色(拡散反射成分)を表すベクトルCbによっ
て張られる平面上にT字状もしくはL字状に分布する。
LMN空間においては、反射光の分布は、式(7)の非
線形変換により歪むと考えられるが、Er,Eg,Eb
空間における分布を反映したものとなると予想される。
そこで反射率の異なるいくつかの円筒型の物体について
反射光がどのように分布するかを求めた。
【0025】図6は図2の円筒面において、拡散反射率
ρr=0.075,ρg=0.15,ρb=0.25、
鏡面反射率S=0.05、Lr:Lg:Lb=1.0:
1.0:1.0としたときのLMN空間における反射光
の分布をLM,LN,MN平面に投影して描いたもので
ある。分布はおもに拡散反射成分からなる光と鏡面反射
成分を多く含む光の存在により歪んだL字状になってい
る。図7は表1に示すような拡散反射率を持つ4種類の
表面からの反射光の分布をLM平面およびLN平面に投
影して重ねて描いたものである。破線は拡散反射率の各
色の比ρr:ρg:ρbに等しい比のRGB成分を持つ
色光の軌跡を示す。拡散反射成分からなる光の分布は色
光の軌跡に一致する。太線は光源色の軌跡を示す。鏡面
反射成分を多く含む光の分布は光源色の軌跡に漸近する
傾向を示している。
【0026】
【表1】
【0027】<ネガフィルム画像からの情報抽出と光源
色の推定方法>シーンの記録された画像から光源色を推
定するにはどのような情報をネガフィルム画像から抽出
すべきであろうか。前節で述べたように、物体の反射光
のLMN空間における分布は光源色推定のための手がか
りとなるが、画像を同じ色の物体に対応する領域に分割
することは容易ではない。ネガフィルム画像において
は、露光量と共にカラーバランスが変化するため一層困
難を伴う。
【0028】そこで本実施例では、ネガフィルム画像の
隣接する画素の濃度変換に着目する。隣接する画素はシ
ーンにおいて同じ色の物体に対応している確率が高いと
期待できる。隣接する画素が同じ色の物体に対応してい
ると仮定した場合、画素間のLMN空間における座標の
変化方向は、図7に示した分布を反映したものとなる。
すなわち、おもに拡散成分からなる光が記録された画素
間では図7の破線で示した色光の軌跡の方向に一致す
る。一方、鏡面反射成分を多く含む画素間では、変化の
方向は光源色の軌跡に向かうと考えられる。従って複数
の物体を含むシーンにおける隣接画素の濃度変化の方向
は次の3つのグループに分類できる。
【0029】グループ1 色光の軌跡に一致する方向 グループ2 光源色に向かう方向 グループ3 物体の色の変化に応じた方向 グループ3はシーンにおける物体のエッジ部分や、物体
の色自体が変化している場合であり、光源色の推定にお
いては排除すべき情報である。濃度変化の方向に関する
以上の考察により、本実施例ではLMN空間を小空間に
分割し各小空間毎に平均の変化方向を求めることにし
た。グループ3の変化方向は他のグループの方向に比べ
データ数が比較的少ないと考えられるので、平均化処理
により除去出来る。アルゴリズムの詳細を以下に示す。 <本実施例におけるアルゴリズム>L,M,N座標の一
定の区間(L0 ,L1 ),(M0 ,M1 ),(N0 ,N
1)を定め、各区間をそれぞれp,q,r等分してLM
N空間をp×q×r個の小空間に分割する。各小空間毎
に変化率の累積ACCMpqr ,ACCNpqr および頻度
CNTpqr を割り当てて次の手順を行う。
【0030】1)隣接する2つの画素のrgb濃度r
i ,gi ,bi およびrj ,gj ,b j からLMN濃度
i ,Mi ,Ni およびLj ,Mj ,Nj を求める。 2)M,Nの変化率DM,DNを次式に従って求める。 DMi =(Mj −Mi )/(Lj −Li ) DNi =(Nj −Ni )/(Lj −Li ) 3)Li,Mi,Niを含む小空間Spqr(p,q,r)
を求め変化率,データ数を累積する。すなわち、 ACCMpqr =ACCMpqr +DMi ACCNpqr =ACCNpqr +DNi CNTpqr =CNTpqr +1 4)全ての画素について1〜3を行う。
【0031】5)各小空間毎に変化率の平均DMpqr
DNpqr を求め、その小空間の色変化方向とする。 DMpqr =ACCpqr /CNTpqr DMpqr =ACCpqr /CNTpqr このようにして得られる色変化方向の集合をネガフィル
ムに記録されたシーンの色変化特性と呼ぶ。
【0032】このアルゴリズムを用いて円筒モデルにつ
いてシミュレーションを行うと図8のような色変化特性
が得られた。シミュレーションは表2に示す6種類の拡
散反射率を持つ円筒について得られ画像を1つのシーン
として扱って行ったものである。ただし物体のエッジ部
分における色変化は計算から除外してある。従って画像
から得られる変化方向はグループ1およびグループ2の
みである。
【0033】図8よりハイライト部分(Lの値が高い部
分)では光源色の軌跡上の点に向かって収束し、シャド
ウ部(Lの値が低い部分)ではネガフィルムのベース濃
度に対応する座標(Lb,Mb,Nb)に向かって収束
する傾向がみられる。これはハイライト部分においては
グループ2に対応する成分が強く、シャドウ部分ではグ
ループ1に対応する成分が強くなるためと考えられる。
座標(Lb,Mb,Nb)はネガフィルムの未露光部分
の濃度から求めることが出来る。
【0034】本実施例では収束点を求める方法として以
下に述べるパラメータ推定による場のあてはめを用い
た。色変化特性はLMN空間内の離散的な座標対して色
変化の方向が定まる一種の方向場となっている。色変化
特性が一般にどの様な方向場となるかを理論的に導くこ
とは困難であるので、以下に述べるような実験式を仮定
する。
【0035】
【表2】
【0036】図9はLMN空間内点p(L,M,N)に
加わる3種類の力の方向を示したものである。v0は直
線p1−p2に、v1はp1−pに、v2はp−p2に
平行な単位ベクトルである。座標p(L,M,N)にお
ける場V(VL ,VM ,VN)は図に示す3つのベクト
ル、V0,v1,v2を用いて次のように表されると仮
定する。
【0037】 V=v1/d1+αv2/d2+βv0 (16) ここで、d1,d2;p1−pおよびp−p2間の距離 α,β;係数 p(L,M,N)における色変化方向はVの成分VL
M ,VN より dM/dL|(L,M,N) =VM /LL (17) dN/dL|(L,M,N) =VN /LL (18) となる。また上式の右辺はL1 ,M1 ,L2 ,M2 ,N
2 ,α,βをパラメータとして含むので次のように表す
こともできる。
【0038】 dM/dL|(L,M,N) =φ(L,M,N|L1 ,M1 ,N1 ,L2 ,M2 ,N2 ,α,β) (19) dN/dL|(L,M,N) =φ(L,M,N|L1 ,M1 ,N1 ,L2 ,M2 ,N2 ,α,β) (20) 適当なコスト関数を設定してパラメータを最適化するこ
とにより式(19),(20)を色変化特性に近似させ
ることが出来る。本実施例では次のようなコスト関数を
用いた。
【0039】C=Σ((DMj −DM’j2 +(DN
j −DN’j2 ) +M1 (d1 −k12 u(d1 −k1 ) +M2 (d2 −k22 u(d2 −k2 ) +M3 (α−k32 u(α−k3 ) ただし、 d1=sqrt((L2−L1)2+( M2−M1)2+( N2−N1)2) d2=sqrt((L1−L1’)2+( M1−M1’)2+( N1−N1’)2) u:ステップ関数 u(x)=1(x>=0),0(x<0) 第1項は色変化特性と推定された場の誤差であり、添え
字jはデータ数が0でない小空間の番号である。またD
M’j ,DN’j は小空間の中心における式(19),
(20)の値である。第2項以下は最適化の収束性を高
めるためのものでそれぞれ2つの収束点間の距離、ネガ
の未露光部分から得られるベース濃度と推定されたベー
ス濃度の差、係数αの大きさに制限を加えている。
【0040】パラメータの最適化手法としては、Hoo
keとJeevesの非線形最適化アルゴリズムを用い
た。この様にしてパラメータを最適化したときのL2,
M2,N2がハイライトにおける光源色の推定値とな
る。また(L1,M1,N1)と(L2,M2,N2)
とを結ぶ直線を光源色の軌跡の近似と考えることができ
る。 <本色濃度の推定方法を適用した画像処理装置>図16
は本実施例の画像処理装置のブロック構成例を示す図で
ある。
【0041】ネガフィルム160の色画像をCCD16
2で走査し、アナログ画像データをA/Dコンバータ1
63でデジタル画像データに変換して、画像メモリ16
4にデジタル濃度画像として格納する。上記CCD16
2とA/Dコンバータ163と画像メモリ164とは、
濃度画像作成部161を構成する。画像メモリ164内
のデジタル濃度画像は順に読み出されて、色変化特性計
算部165で色変化特性が計算される。この色変化特性
に基づいて、光源色濃度推定部166でネガフィルム1
60作成時の光源の色濃度が本実施例の方法で推定され
る。光源色濃度推定部166は推定結果に対応して、色
補正部167に補正情報を送り、色補正部167では画
像メモリ164よりのデジタル画像データを補正して、
プリンタや表示装置あるいは通信装置を含む画像出力部
168に出力する。
【0042】図17は本実施例の画像処理装置のハード
ウエア構成例を示す図である。CPU171は本装置に
おける制御及び演算を司さどる。ROM172はCPU
171の処理手順あるいは処理定数を格納し、特に色変
化特性計算プログラム172a,光源色濃度推定プログ
ラム172b,色補正プログラム172c等が格納され
ている。尚、上記プログラムの分け方は一例に過ぎず、
2つのプログラムが合体していてもよいし、更に細かく
分解されてもよい。
【0043】RAM173はCPU171の演算補助用
であり、画像メモリ173aを含んでいる。画像データ
入力部174は図16で示すCCD162及びA/Dコ
ンバータ163を含む処理を行う。画像出力部175は
図16の画像出力部168に対応する。尚、画像データ
入力部174が画像データ受信を行うものであってもよ
い。
【0044】図18は本実施例を適用する写真焼付装置
の概略構成例を示す図である。尚、本図では定着部等の
本発明に直接関係しない部分は図示されていない。図1
8で、白色光源184からの光はフィルタユニット18
5で所望色にフィルタリングされて、ネガフィルム16
0に投射され、レンズ188で集光されて印画紙189
を露光し画像が結像される。ここで、透過光センサ19
0はネガフィルム160を透過した色を検出して制御部
180に送り制御部180では露光量をシャッタ187
により適正に補正する。本実施例に係る光源色の推定に
よる色補正量は、カメラ181により入力された画像デ
ータに基づいた制御部180での推定、演算により算出
され、色補正は、上記色補正量に対応してドライバ部1
82でアクチュエータ183を介してY,M,Cの3枚
のフィルタ186を駆動し、各フィルタによるフィルタ
時間を変化させることにより実現される。 <場面照明光の決定手順の概略>図10及び図11のフ
ローチャートに従って、本実施例の推定手順を示す。
【0045】図10において、ステップS1では、ネガ
フィルムの色画像を走査しデジタル濃度画像を作成す
る。ステップS2では、デジタル濃度画像の各画素の色
濃度Dr,Dg,DbをL,M,Nに変換しLMN画像
を作成して、LMN画像の隣接する画素間の変化方向か
ら色変化特性を計算する。ステップS3では、色変換特
性に対してパラメータ推定による場のあてはめを行な
う。最後に、ステップS4で、あてはめられた場のハイ
ライト側の集束点C2を光源色濃度の推定値とする。ま
たは、シャドウ側の集束点C1とハイライト側の集束点
C2とを結ぶ直線を光源色濃度の軌跡の推定とする。
【0046】図11は、ステップS2の色変化特性の計
算を更に詳細に示したフローチャートである。ステップ
S21では、ACCMpqr ,ACCNpqr ,CNTpqr
を0にクリアする。ステップS22では、隣接する2つ
の画素i,jを選択する。ステップS23では、画素
i,jにおけるRGB濃度からLMN座標を計算する。
ステップS24で、M,Nの変化率DM,DNを求め
る。ステップS25では、Li ,M i ,Ni を含む空間
pqr を求める。ステップS26では、変化率,データ
数を累積する。ステップS27で全ての隣接する画素を
処理したかを判断し、処理していない場合はステップS
22に戻ってステップS22〜S27を繰り返す。全て
の隣接する画素を処理した場合は、ステップS28で色
変化方向の集合としてネガフィルムに記録されたシーン
の色変化特性を得る。 <本実施例に基づく実験結果>実験はフィルム3種類、
光源色3種類、シーンのサンプル3種類を用いて、27
通りの組み合わせについて行った。
【0047】フィルムの種類として、今回の実験では3
種類のフィルムの特性曲線を用いて行った。実験に用い
たフィルムを表3に示す。尚、名称は各社の商標もしく
は商品名である。
【0048】
【表3】
【0049】光源色としては、3種類の色光を光源の色
とした。表4に色光のRGB各成分の比を示す。これら
の色光はそれぞれ白色昼光,蛍光灯,白熱灯に対応して
いる。
【0050】
【表4】
【0051】円筒表面の反射率としては、1枚のフィル
ム画像に6種類の反射率を持つ円筒表面が存在すると仮
定した。表5に示すように、反射率の組合せを変えて3
種類のサンプルとした。これらのサンプルはカラーバラ
ンスがそれぞれ中性 (Neutral)、緑色フェリア(Green f
ailure) 、赤黄色フェリア(Orange failure)であるよう
なネガフィルムに対応している。
【0052】
【表5】
【0053】(実験手順) スクリーン上の各点につい
て対応する円筒表面上の位置を求め式(4)〜(6)に
基づいて露光量を計算する。次にフィルムの特性曲線か
らネガフィルムの濃度を計算する。こうして1つの反射
率についての濃度画像が得られる。これを6種類の反射
率について繰返し6枚の濃度画像を得る。この6枚の濃
度画像を1つのネガフィルム画像と見なして先に述べた
アルゴリズムを適用し色変化特性を計算する。ただし今
回の実験では、物体のエッジにおける色変化方向は計算
から除外している。得られた色変化特性に対しパラメー
タ推定による場の当てはめを行う。
【0054】図12A〜図12Cにフィルムサンプル1
(kodak Gold 100)の場の当てはめによる推定の結果を示
す。これらの図はLMN空間をLM平面,LN平面MN
平面に投影したものである。破線で描かれた線分は色変
化特性であり、線分の傾きが小空間における平均の変化
方向を表している。また、線分の描かれている小空間は
その小空間に色変化方向を示すデータが存在することを
示す。従って線分の分布はLMN空間におけるサンプル
画像の濃度分布にほぼ一致している。両端で収束する曲
線は推定された場を示すための流線であり、場の微分方
程式にいくつかの適当な初期値を与えて数値的に解いた
ときの解曲線である。曲線の収束する点のうちLの大き
い方が本方法によって推定された光源色の色を表してい
る。収束点外まで延びる曲線は光源色の軌跡を表す。さ
らに比較のためLATDによる推定結果を十字マークで
描いてある。LATDによる推定はカラーバランスM
LATD,NLATDだけでなく明るさLLATDを含んでいる。L
LATDはこの濃度がプリント上で常に一定になるように焼
き付けたとき好ましい明るさのプリントが出来るとされ
る値である。
【0055】図12Aは中性のサンプルを昼光で撮影し
た場合の結果である。サンプル画像のダイナミックレン
ジ、すなわち色変化方向データの存在する範囲について
光源色の軌跡を見ると、このフィルムではMの値が明る
さとともに変化することが分る。そこでLM平面に注目
すると、LATDによる推定では中間調におけるカラー
バランスが推定されているのに対し、本方法ではハイラ
イトにおけるカラーバランスが精度よく推定されている
ことが判る。
【0056】図12Bはグリーンフェリアのサンプルを
昼光で撮影した場合の推定結果である。LATDによる
推定は光源色の軌跡から大きくずれているが、本方法で
は特にハイライトにおいてよい推定を与えている。LA
TDに基づく従来のプリンタではこのような推定の誤り
を軽減するためにロワードコレクションが用いられる。
すなわち昼光の軌跡に対応するようなデータをあらかじ
めフィルム毎に求めておき、これを基準点として画像の
濃度分布が偏っている場合には推定値を昼光の軌跡に向
かってずらすのである。本方法によればシーンの色が偏
ってもそのような修正は必要なく、正しく推定できる。
【0057】図12Cは中性サンプルを蛍光灯で撮影し
た場合の推定結果である。これもハイライトにおいてよ
い推定を与えている。一方LATDによる推定も比較的
より推定を与えている。しかしながら、昼光の軌跡(破
線)を基準とした時の濃度分布は図12Bの場合と非常
に類似している。従って従来のプリンタではカラーフェ
リアと判定され、ロワードコレクションにより推定値が
昼光の軌跡に向かってずらされてしまう。このため蛍光
灯で撮影されたネガフィルムでは充分な補正がなされな
い。本方法によればカラーフェリアのネガフィルムおよ
び蛍光灯で撮影されたネガフィルムをともに適切なカラ
ーバランスでプリントすることが出来る。
【0058】まず、推定された場の2つの収束点を結ぶ
直線を光源色の軌跡の推定として用いることが考えられ
る。また、プリントのカラーバランスは特にハイライト
部分において重要であると考えられるので、推定結果を
評価するために以下のように、推定誤差を定義する。図
13に示すように、まずネガフィルムの特性曲線と光源
色のカラーバランスから光源色の軌跡Cを求める。推定
された光源色の座標を(L,M,N)としたとき、同じ
L座標を持つC上の点(L’,M’,N’)を求め、2
点間の距離を推定誤差eとした。eの次元は光学濃度と
なる。
【0059】図14の(a)〜(c)は光源がそれぞ
れ、昼光,蛍光灯,白熱灯である場合の推定誤差のフラ
グである。フィルムの種類毎に、中性のサンプル,緑色
フェリアのサンプル,赤黄色フェリアのサンプルの推定
誤差をまとめて示してある。中性のサンプルの場合、光
源が昼光および白熱灯では推定誤差が小さいが、蛍光灯
ではフィルムによるばらつきが大きい。一方、緑色フェ
リアのサンプルでは蛍光灯で照明されている場合に誤差
が小さくなる。
【0060】27通りの組み合せについて計算した推定
誤差のヒストグラムを図15に示す。横軸は推定誤差
を、縦軸は頻度を表す。平均の誤差は0.034であ
り、最大誤差は0.057であった。本方法による推定
結果を、従来困難であった、蛍光灯で撮影されたネガフ
ィルムと緑色フェリアのネガフィルムを判別するための
手段として用いる場合にも、推定精度は実用上充分なも
のである。
【0061】
【発明の効果】本発明に依れば、場面の色の偏りの有無
に依らず正確に場面照明光の色をネガフィルムに記録さ
れた色濃度として決定することが出来る。また、本発明
ではネガフィルムから得られた色濃度Dr,Dg,Db
を用いてDr,Dg,Dbに基づく空間LMN内におい
て直接光源色濃度を決定することが出来、Er,Eg,
Ebのような画像放射照度に基づく空間に変換する必要
がないため、フィルムの種類毎に予め変換のためのデー
タを測定しておく必要がない。このため、市場に出回っ
ているネガフィルムの各々についてデータを準備すると
いった煩雑な手順が回避される。さらに、推定値が濃度
の項で与えられるため、再現画像を得る際の色補正に容
易に利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の光源,観察位置,物体表面の位置関
係を示す図である。
【図2】本実施例の物体の表面を円筒面とする幾何学モ
デルを示す図である。
【図3】一般的なカラーネガフィルムの特性曲線を示す
図である。
【図4】ネガフィルムの3色濃度Dr,Dg,DbをD
H特性曲線を用いて図示式的に表した図である。
【図5】いろいろな色光についてLMN空間に軌跡を描
いた図である。
【図6】図2の円筒面において、拡散反射率ρr=0.
075,ρg=0.15,ρb=0.25、鏡面反射率
S=0.05,Lr:Lg:Lb=1.0:1.0:
1.0としたときのLMN空間における反射光の分布を
LM,LN,MN平面に投影して描いた図である。
【図7】表1に示すような拡散反射率を持つ4種類の表
面からの反射光の分布をLM平面およびLN平面に投影
して重ねて描いた図である。
【図8】本実施例のアルゴリズムを用いて円筒モデルに
ついてシミュレーションを行った場合の色変化特性を示
す図である。
【図9】LMN空間内点p(L,M,N)に加わる3種
類の力の方向を示した図である。
【図10】本実施例の場面照明光の決定手順を概略を示
すフローチャートである。
【図11】図10のステップS2の色変化特性の計算を
更に詳細に示したフローチャートである。
【図12A】中性のサンプルを昼光で撮影した場合の、
フィルムサンプル1の場の当てはめによる推定の結果を
示す図である。
【図12B】グリーンフェリアのサンプルを昼光で撮影
した場合の、フィルムサンプル1の場の当てはめによる
推定の結果を示す図である。
【図12C】中性のサンプルを蛍光灯で撮影した場合
の、フィルムサンプル1の場の当てはめによる推定の結
果を示す図である。
【図13】本実施例の光源色の推定結果を評価する方法
を示す図である。
【図14】光源がそれぞれ、昼光,蛍光灯,白熱灯であ
る場合の推定誤差のフラグを示す図である。
【図15】27通りの組み合せについて計算した推定誤
差のヒストグラムを示す図である。
【図16】本実施例の画像処理装置のブロック構成例を
示す図である。
【図17】本実施例の画像処理装置のハードウエア構成
例を示す図である。
【図18】本実施例を適用した写真焼付装置の概略構成
例を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネガフィルムに場面の色画像を記録する
    ために使用された場面照明光の色が、使用されたネガフ
    ィルムにおいてどのような色濃度として記録されている
    かを画像自体から推定するための方法であって、 ネガフィルムの色画像を走査してデジタル濃度画像を作
    成し、 デジタル濃度画像の各画素の色濃度Dr,Dg,Dbを
    L,M,Nに変換しLMN画像を作成して、LMN画像
    の隣接する画素間の変化方向から色変化特性を計算し、 色変換特性に対してパラメータ推定による場のあてはめ
    を行ない、 あてはめられた場のハイライト側の集束点C2を光源色
    濃度の推定値とすることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記色変化特性を計算する行程は、 隣接する2つの画素i,jを選択して、画素i,jにお
    けるRGB濃度からLMN座標を計算する行程と、 M,Nの変化率DM,DNを求める行程と、 Li ,Mi ,Ni を含む空間Spqr を求める行程と、 変化率,データ数を累積する行程と、 全ての隣接する画素を処理したかを判断し、処理してい
    ない場合は前記各行程を繰り返す行程と、 全ての隣接する画素を処理した場合に、色変化方向の集
    合としてネガフィルムに記録されたシーンの色変化特性
    を得る行程とを備えることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 ネガフィルムに場面の色画像を記録する
    ために使用された場面照明光の色が、使用されたネガフ
    ィルムにおいてどのような色濃度として記録されている
    かを画像自体から推定するための方法であって、 ネガフィルムの色画像を走査してデジタル濃度画像を作
    成し、 デジタル濃度画像の各画素の色濃度Dr,Dg,Dbを
    L,M,Nに変換しLMN画像を作成して、LMN画像
    の隣接する画素間の変化方向から色変化特性を計算し、 色変換特性に対してパラメータ推定による場のあてはめ
    を行ない、 あてはめられた場のシャドウ側の集束点C1とハイライ
    ト側の集束点C2とを結ぶ直線を光源色濃度の軌跡の推
    定とすることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 前記色変化特性を計算する行程は、 隣接する2つの画素i,jを選択して、画素i,jにお
    けるRGB濃度からLMN座標を計算する行程と、 M,Nの変化率DM,DNを求める行程と、 Li ,Mi ,Ni を含む空間Spqr を求める行程と、 変化率,データ数を累積する行程と、 全ての隣接する画素を処理したかを判断し、処理してい
    ない場合は前記各行程を繰り返す行程と、 全ての隣接する画素を処理した場合に、色変化方向の集
    合としてネガフィルムに記録されたシーンの色変化特性
    を得る行程とを備えることを特徴とする請求項3記載の
    方法。
JP2020793A 1993-02-08 1993-02-08 ネガフィルムに記録された場面の色画像から場面照明光の色濃度を決定するための方法 Withdrawn JPH06235979A (ja)

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