JPH06235727A - バイオ情報変換素子及びそれを用いた生物種検出方法 - Google Patents
バイオ情報変換素子及びそれを用いた生物種検出方法Info
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- JPH06235727A JPH06235727A JP2302493A JP2302493A JPH06235727A JP H06235727 A JPH06235727 A JP H06235727A JP 2302493 A JP2302493 A JP 2302493A JP 2302493 A JP2302493 A JP 2302493A JP H06235727 A JPH06235727 A JP H06235727A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 生物種と抗原・抗体反応を行う抗体部が0.
3〜3kbのDNA断片からなる核酸部に必要により架橋
剤を用いて接合して素子とし、生物種情報を核酸情報に
変換するためのバイオ情報変換素子を構成する。 【効果】 生物種と素子を結合させた後、核酸情報をP
CR法により増幅することで微量存在量の微生物もしく
は増殖が困難な微生物の菌種及び菌数の検出が迅速かつ
容易に行うことができる。
3〜3kbのDNA断片からなる核酸部に必要により架橋
剤を用いて接合して素子とし、生物種情報を核酸情報に
変換するためのバイオ情報変換素子を構成する。 【効果】 生物種と素子を結合させた後、核酸情報をP
CR法により増幅することで微量存在量の微生物もしく
は増殖が困難な微生物の菌種及び菌数の検出が迅速かつ
容易に行うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞、微生物等の生物
種の存在情報を核酸情報に変換するバイオ情報変換素子
に関し、また本発明は、このバイオ情報変換素子を用い
て細胞、微生物等の生物種情報を核酸情報に変換するこ
とで細胞、微生物の存在を知る検出方法に関する。この
素子及び検出方法は生物種の定量または定性試験に用い
ることができるものである。
種の存在情報を核酸情報に変換するバイオ情報変換素子
に関し、また本発明は、このバイオ情報変換素子を用い
て細胞、微生物等の生物種情報を核酸情報に変換するこ
とで細胞、微生物の存在を知る検出方法に関する。この
素子及び検出方法は生物種の定量または定性試験に用い
ることができるものである。
【0002】
【従来の技術】医薬・食品・農業など多くのバイオテク
ノロジーの分野で、細胞や微生物の数や菌数を把握する
ことは重要な課題である。最も単純には、顕微鏡によっ
て直接菌数を測定すれば良い。しかしこれは煩雑である
上、菌種の区別が十分できない。また、例えば1ml中
に数万匹程度しかいない場合は測定不可能である(例え
ば、分子生物学実験マニュアルp11〜(講談社サイエ
ンティフィク))。すなわち検出感度に限界がある。こ
のわずかにしか存在しない菌の、菌数と菌種を特定する
ことは直顕法では困難であるため、いろいろな手法が考
案されてきた。
ノロジーの分野で、細胞や微生物の数や菌数を把握する
ことは重要な課題である。最も単純には、顕微鏡によっ
て直接菌数を測定すれば良い。しかしこれは煩雑である
上、菌種の区別が十分できない。また、例えば1ml中
に数万匹程度しかいない場合は測定不可能である(例え
ば、分子生物学実験マニュアルp11〜(講談社サイエ
ンティフィク))。すなわち検出感度に限界がある。こ
のわずかにしか存在しない菌の、菌数と菌種を特定する
ことは直顕法では困難であるため、いろいろな手法が考
案されてきた。
【0003】単純には、培養を行い菌数を増やし検出し
易くする試みである。しかし単にこの方法では菌種の区
別はつかないし、増殖過程で定量性は失われてしまう。
このような課題を解決する方法として広く用いられてい
るのが、MPN(MostProbale Numbe
r)法である。MPN法とは、基本的に培地を入れた多
数の試験管に数段階の菌希釈液(サンプル)を一定量ず
つ接種して十分な期間培養した後に菌の生育の有無を判
定して統計処理により計数する方法である(土壌微生物
実験法、養賢堂、p45)。ここで、問題となるのは、
菌種をどうやって特定するかであるが、かかる菌が特定
物質を分離したり合成したりする場合はその活性を検出
すれば良い。また、DNAを用いた遺伝子系で検出を行
った例もある(Enumeration of Tn5
Mutant Bacteria in Soil
by Using a Most−ProbableN
umber−DNA Hybridization P
rocedure and Antibiotic R
esistance,J.K.Fredrickso
n;Applied and Environment
al Microbiology,Vol.54,N
o.2,1988)。これらの工夫で、菌の数と種類を
特定することが可能となったが、菌産生物質の検出やM
PN法では培養を行う必要があり、特に土壌微生物など
のように成育が遅い菌の場合、時間がかかり迅速な検出
が行えず不適当である。
易くする試みである。しかし単にこの方法では菌種の区
別はつかないし、増殖過程で定量性は失われてしまう。
このような課題を解決する方法として広く用いられてい
るのが、MPN(MostProbale Numbe
r)法である。MPN法とは、基本的に培地を入れた多
数の試験管に数段階の菌希釈液(サンプル)を一定量ず
つ接種して十分な期間培養した後に菌の生育の有無を判
定して統計処理により計数する方法である(土壌微生物
実験法、養賢堂、p45)。ここで、問題となるのは、
菌種をどうやって特定するかであるが、かかる菌が特定
物質を分離したり合成したりする場合はその活性を検出
すれば良い。また、DNAを用いた遺伝子系で検出を行
った例もある(Enumeration of Tn5
Mutant Bacteria in Soil
by Using a Most−ProbableN
umber−DNA Hybridization P
rocedure and Antibiotic R
esistance,J.K.Fredrickso
n;Applied and Environment
al Microbiology,Vol.54,N
o.2,1988)。これらの工夫で、菌の数と種類を
特定することが可能となったが、菌産生物質の検出やM
PN法では培養を行う必要があり、特に土壌微生物など
のように成育が遅い菌の場合、時間がかかり迅速な検出
が行えず不適当である。
【0004】そこで培養を行わず微生物情報を増やす手
段として、検出にDNAを用い、DNAレベルで増やす
という試みがなされている。DNAは、PCR(Pol
ymerase Chain Reaction)法で
増やすことができる(Specific DNA am
plification;Nature,Vol.33
1,1988)。しかしDNAを用いる方法ではDNA
を抽出するプロトコルが避けられず煩雑であり、菌濃度
が低い場合には抽出の際にDNAが失われ回収が困難で
ある。更に、たとえDNAが回収できたとしてもこの方
法では、定量性のある情報は得られない。菌量とDNA
回収量とはかならずしも相関がないからである。また、
定量性を出すためMPN法とPCR法を組み合わせた例
(DNA溶液の希釈それに続くPCR反応)もあるが、
この方法では最終段、即ちDNA溶液を希釈していき、
PCR法で増幅が可能な最低限度の濃度が曖味である。
菌によるMPN法では菌体一個でも比較的容易に増殖が
可能であるが、DNA一断片からPCR法で実際に増幅
が可能か否か技術的に明確でない。
段として、検出にDNAを用い、DNAレベルで増やす
という試みがなされている。DNAは、PCR(Pol
ymerase Chain Reaction)法で
増やすことができる(Specific DNA am
plification;Nature,Vol.33
1,1988)。しかしDNAを用いる方法ではDNA
を抽出するプロトコルが避けられず煩雑であり、菌濃度
が低い場合には抽出の際にDNAが失われ回収が困難で
ある。更に、たとえDNAが回収できたとしてもこの方
法では、定量性のある情報は得られない。菌量とDNA
回収量とはかならずしも相関がないからである。また、
定量性を出すためMPN法とPCR法を組み合わせた例
(DNA溶液の希釈それに続くPCR反応)もあるが、
この方法では最終段、即ちDNA溶液を希釈していき、
PCR法で増幅が可能な最低限度の濃度が曖味である。
菌によるMPN法では菌体一個でも比較的容易に増殖が
可能であるが、DNA一断片からPCR法で実際に増幅
が可能か否か技術的に明確でない。
【0005】またDNAや、菌を使う以外の方法とし
て、抗原・抗体反応とMPN法の組み合わせによって細
胞の数と種類を決める方法もある。しかし抗原・抗体反
応の特異性を利用して特定種の菌の有無を判断する方法
では、菌を増殖せず標識材のみで検出するため増感が高
々2〜3段(菌1個に対して標識材2〜3個を有する抗
体1個を結合させる)しか行えず、菌の増殖法、PCR
法と比べ格段に増幅しにくく感度の面で限界がある。
て、抗原・抗体反応とMPN法の組み合わせによって細
胞の数と種類を決める方法もある。しかし抗原・抗体反
応の特異性を利用して特定種の菌の有無を判断する方法
では、菌を増殖せず標識材のみで検出するため増感が高
々2〜3段(菌1個に対して標識材2〜3個を有する抗
体1個を結合させる)しか行えず、菌の増殖法、PCR
法と比べ格段に増幅しにくく感度の面で限界がある。
【0006】一方、微生物の検出方法ではないが、最近
ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay )と
PCRとを組み合わせた方法が提案されている(Scienc
e,VOL.258, 2 Octorber 1992, p120-)。この方法は従来
のELISA法の2次抗体と酵素の結合体を形成させる
代わりに予め、DNAにビオチンを取り込ませたビオチ
ン化DNAと、このビオチンと特異的に接合する部位
(streptavidin)と抗体に特異的に接合する部位(prot
ein A )を持つキメラタンパクを用意し、この両者を結
合体(biotinylated pUC19 conjugated to the strepta
vidin-protein Achimera )として得ておく。この結合
体を、抗原と抗体との免疫反応の後のプロセスで、抗体
部に付着させ、その後DNA部を用いてPCR反応を行
わせ得られたPCR反応物を電気泳動により測定し抗原
を検出する方法である。この方法によれば抗原の検出感
度を相当に上げることができる。しかし、この方法では
抗原・抗体反応に続いて抗体部と核酸部との反応をキメ
ラタンパクを介して行うなど煩雑である上、非特異反応
を生じやすい。またキメラタンパクを用意することは容
易なことではない。更に、ビオチン化は2本鎖DNAの
両方に施されるので次に続くPCR反応の効率、正確さ
を妨げる結果となる。
ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay )と
PCRとを組み合わせた方法が提案されている(Scienc
e,VOL.258, 2 Octorber 1992, p120-)。この方法は従来
のELISA法の2次抗体と酵素の結合体を形成させる
代わりに予め、DNAにビオチンを取り込ませたビオチ
ン化DNAと、このビオチンと特異的に接合する部位
(streptavidin)と抗体に特異的に接合する部位(prot
ein A )を持つキメラタンパクを用意し、この両者を結
合体(biotinylated pUC19 conjugated to the strepta
vidin-protein Achimera )として得ておく。この結合
体を、抗原と抗体との免疫反応の後のプロセスで、抗体
部に付着させ、その後DNA部を用いてPCR反応を行
わせ得られたPCR反応物を電気泳動により測定し抗原
を検出する方法である。この方法によれば抗原の検出感
度を相当に上げることができる。しかし、この方法では
抗原・抗体反応に続いて抗体部と核酸部との反応をキメ
ラタンパクを介して行うなど煩雑である上、非特異反応
を生じやすい。またキメラタンパクを用意することは容
易なことではない。更に、ビオチン化は2本鎖DNAの
両方に施されるので次に続くPCR反応の効率、正確さ
を妨げる結果となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で述
べたように、従来法は簡単にまとめると、菌数・菌種の
判断には、ある程度の量が必要なため培養若しくは増感
の手段が必要となる。細胞レベルでは比較的増殖は容易
であるが、成長の遅い菌の場合迅速検出が困難である。
一方DNAは、PCR法で迅速に増幅が行えるがDNA
抽出の煩雑さや回収率の問題がある。これらの問題は特
にサンプル数が多い場合看過できない。また、抗原・抗
体反応系では増感の大きさに限界がある。一方、ELI
SAとPCRを組み合わせた方法では感度を向上させる
ことができるが、抗原−抗体−キメラタンパク−ビオチ
ン化DNAという複合体を多段反応により形成するため
に非特異反応を生じやすく、また、ビオチン化DNAで
はPCR反応が阻害されやすい。更に操作が煩雑という
問題もある。
べたように、従来法は簡単にまとめると、菌数・菌種の
判断には、ある程度の量が必要なため培養若しくは増感
の手段が必要となる。細胞レベルでは比較的増殖は容易
であるが、成長の遅い菌の場合迅速検出が困難である。
一方DNAは、PCR法で迅速に増幅が行えるがDNA
抽出の煩雑さや回収率の問題がある。これらの問題は特
にサンプル数が多い場合看過できない。また、抗原・抗
体反応系では増感の大きさに限界がある。一方、ELI
SAとPCRを組み合わせた方法では感度を向上させる
ことができるが、抗原−抗体−キメラタンパク−ビオチ
ン化DNAという複合体を多段反応により形成するため
に非特異反応を生じやすく、また、ビオチン化DNAで
はPCR反応が阻害されやすい。更に操作が煩雑という
問題もある。
【0008】本発明は、検出対象の菌等の増殖速度に拘
らず、かつ菌等からのDNAの抽出等の煩雑な操作を行
わずまた多段反応による複合体の形成も必要とせず、高
い感度でかつ非特異反応を抑制し菌等の数または種を迅
速に把握することができる測定素子及びそれを用いた検
出方法を提供することを課題とする。
らず、かつ菌等からのDNAの抽出等の煩雑な操作を行
わずまた多段反応による複合体の形成も必要とせず、高
い感度でかつ非特異反応を抑制し菌等の数または種を迅
速に把握することができる測定素子及びそれを用いた検
出方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決する本
発明は、生物種と抗原・抗体反応を行う抗体部と核酸か
らなる核酸部からなる素子であって、生物種情報を核酸
情報に変換するためのバイオ情報変換素子である。好ま
しくは、該核酸が0.3〜3kbのDNA断片であり、ま
た、核酸部1分子に対して抗体部5〜50分子が結合し
ているものである。核酸部と抗体部は架橋剤で結合され
ているものが好ましいが、架橋剤としてはマレイミド
系、サクシンイミド系、ジスルフィド系、カルボジイミ
ド系、アルデヒド系が好ましい。また本発明は、検出対
象となる生物種と抗原・抗体反応を行う抗体部を有する
上記バイオ情報変換素子を該生物種と溶液中で混和し該
バイオ情報変換素子と生物種との結合体を形成し、得ら
れた結合体を溶液から分離した後、該結合体のバイオ情
報変換素子の核酸情報をPCR法により増幅し、増幅し
た核酸の検索を行うことにより生物種を検出する方法で
あり、更に、かかる方法における結合体形成を生物種濃
度を数段階に予め希釈した溶液中で生物種とバイオ情報
素子を混和し行う生物種検出方法である。結合体の分離
手段は好ましくは遠心分離である。
発明は、生物種と抗原・抗体反応を行う抗体部と核酸か
らなる核酸部からなる素子であって、生物種情報を核酸
情報に変換するためのバイオ情報変換素子である。好ま
しくは、該核酸が0.3〜3kbのDNA断片であり、ま
た、核酸部1分子に対して抗体部5〜50分子が結合し
ているものである。核酸部と抗体部は架橋剤で結合され
ているものが好ましいが、架橋剤としてはマレイミド
系、サクシンイミド系、ジスルフィド系、カルボジイミ
ド系、アルデヒド系が好ましい。また本発明は、検出対
象となる生物種と抗原・抗体反応を行う抗体部を有する
上記バイオ情報変換素子を該生物種と溶液中で混和し該
バイオ情報変換素子と生物種との結合体を形成し、得ら
れた結合体を溶液から分離した後、該結合体のバイオ情
報変換素子の核酸情報をPCR法により増幅し、増幅し
た核酸の検索を行うことにより生物種を検出する方法で
あり、更に、かかる方法における結合体形成を生物種濃
度を数段階に予め希釈した溶液中で生物種とバイオ情報
素子を混和し行う生物種検出方法である。結合体の分離
手段は好ましくは遠心分離である。
【0010】本発明者らは抗体部と核酸部がキメラタン
パク等の介在なしで接合させることができ単一の素子と
することができ、単一の素子であるため多段反応による
複合体の形成が不要で操作の簡略化を図ることができ、
更に非特異反応を抑制しつつ高感度化することが可能と
なることを見出し本発明を完成するに至った。。即ち、
本発明によれば、微量存在量の細胞、微生物または増殖
が困難な細胞、微生物の種類及び存在量の検出が迅速、
容易にかつ感度、精度良く行えるようになる。以下、本
発明を詳述する。
パク等の介在なしで接合させることができ単一の素子と
することができ、単一の素子であるため多段反応による
複合体の形成が不要で操作の簡略化を図ることができ、
更に非特異反応を抑制しつつ高感度化することが可能と
なることを見出し本発明を完成するに至った。。即ち、
本発明によれば、微量存在量の細胞、微生物または増殖
が困難な細胞、微生物の種類及び存在量の検出が迅速、
容易にかつ感度、精度良く行えるようになる。以下、本
発明を詳述する。
【0011】本発明のバイオ情報変換素子の基本的構成
を図1に示す。図中は、生物種、例えばバクテリアや
ウイルス等の微生物、動植物細胞等抗原性を示す物質を
抗原としてと抗原・抗体反応を特異的に行う抗体部であ
り、は、核酸部である。検出対象の生物種には特に制
限はなく、抗原性を示すものであれば検出対象とするこ
とができる。
を図1に示す。図中は、生物種、例えばバクテリアや
ウイルス等の微生物、動植物細胞等抗原性を示す物質を
抗原としてと抗原・抗体反応を特異的に行う抗体部であ
り、は、核酸部である。検出対象の生物種には特に制
限はなく、抗原性を示すものであれば検出対象とするこ
とができる。
【0012】本発明の変換素子に用いることのできる抗
体部としては、検出対象である生物種と特異的に反応す
るものであればよく公知の方法により調製された抗体を
用い得る。即ち、各種動物及び各クラスの免疫グロブリ
ンを用いることができ、例えば、免疫法により調製した
動物の抗血清を用いてもよいし、非特異反応を抑制し感
度を向上させるため常法により調製したモノクロ−ナル
抗体や更に、抗体の半分子や可変領域を残し特異性をよ
り高めた抗体の部分構造Fab又は(Fab’)2等、
種々の抗体分子を用いることができる。また、通常抗原
である生物種はエピト−フ゜を複数有するので複数種の
抗体を用いてもよい。
体部としては、検出対象である生物種と特異的に反応す
るものであればよく公知の方法により調製された抗体を
用い得る。即ち、各種動物及び各クラスの免疫グロブリ
ンを用いることができ、例えば、免疫法により調製した
動物の抗血清を用いてもよいし、非特異反応を抑制し感
度を向上させるため常法により調製したモノクロ−ナル
抗体や更に、抗体の半分子や可変領域を残し特異性をよ
り高めた抗体の部分構造Fab又は(Fab’)2等、
種々の抗体分子を用いることができる。また、通常抗原
である生物種はエピト−フ゜を複数有するので複数種の
抗体を用いてもよい。
【0013】本発明の変換素子に用いることのできる核
酸部としては、DNA断片、RNA断片を用い得るが、
PCR法による増幅の容易性、確実性からDNA断片が
好ましい。PCR法が適用できる限りは一本鎖、二本鎖
の違い、断片の大きさや塩基配列等は特に制限せれな
い。一本鎖でもPCR増幅を実施できるが、抗体部の結
合位置によってはPCRが阻害される場合がある。その
場合は一本鎖の素子を調製した後に相補的なDNA断片
を結合し二本鎖としたものを素子として使用することも
できる。一本鎖の場合も二本鎖の場合もPCRは同様に
実施することができるが、一本鎖の場合は先ず二本鎖化
しなければならないので1サイクル多く反応させる必要
がある。調製の容易性や取扱の容易性等の観点から適宜
選定すればよい。また、プライマ−が結合できれば用い
る断片の大きさや塩基配列は全て既知である必要はない
が、増幅後の検索の便宜から塩基配列等が既知のものが
使い易い。好ましい核酸部としては、0.3〜3kb、更
には、0.5〜1.0kbのDNA断片がよい。小さ過ぎ
れば変換素子と生物種が結合体を形成した後の分離操作
が容易でなくなり、又、PCRで得られるDNA断片も
小さく検出が困難になる。一方、大き過ぎれば変換素子
と生物種との反応性が抑制され感度が低下し、又、PC
Rでの増幅も困難となる。DNA断片としては例えば、
pUC18,19,118,119系ベクタ−やM13
系ベクタ−等公知のベクタ−を利用し常法により大腸菌
等で増殖し適当な制限酵素で切り出すことで1本鎖DN
Aとして調製できる。また、スクリ−ニング容易性を考
えて公知のベクタ−の組換え体を用いてもよい。
酸部としては、DNA断片、RNA断片を用い得るが、
PCR法による増幅の容易性、確実性からDNA断片が
好ましい。PCR法が適用できる限りは一本鎖、二本鎖
の違い、断片の大きさや塩基配列等は特に制限せれな
い。一本鎖でもPCR増幅を実施できるが、抗体部の結
合位置によってはPCRが阻害される場合がある。その
場合は一本鎖の素子を調製した後に相補的なDNA断片
を結合し二本鎖としたものを素子として使用することも
できる。一本鎖の場合も二本鎖の場合もPCRは同様に
実施することができるが、一本鎖の場合は先ず二本鎖化
しなければならないので1サイクル多く反応させる必要
がある。調製の容易性や取扱の容易性等の観点から適宜
選定すればよい。また、プライマ−が結合できれば用い
る断片の大きさや塩基配列は全て既知である必要はない
が、増幅後の検索の便宜から塩基配列等が既知のものが
使い易い。好ましい核酸部としては、0.3〜3kb、更
には、0.5〜1.0kbのDNA断片がよい。小さ過ぎ
れば変換素子と生物種が結合体を形成した後の分離操作
が容易でなくなり、又、PCRで得られるDNA断片も
小さく検出が困難になる。一方、大き過ぎれば変換素子
と生物種との反応性が抑制され感度が低下し、又、PC
Rでの増幅も困難となる。DNA断片としては例えば、
pUC18,19,118,119系ベクタ−やM13
系ベクタ−等公知のベクタ−を利用し常法により大腸菌
等で増殖し適当な制限酵素で切り出すことで1本鎖DN
Aとして調製できる。また、スクリ−ニング容易性を考
えて公知のベクタ−の組換え体を用いてもよい。
【0014】又、得られる変換素子の抗体部の抗原・抗
体反応性、核酸部のPCR反応性を損なわない限りで、
変性した抗体、核酸を用いることも可能で、例えば、核
酸部と抗体部の結合若しくは架橋剤との結合を容易にす
るために核酸や抗体にアミノ基を導入する等変性したも
のを用いることができる。
体反応性、核酸部のPCR反応性を損なわない限りで、
変性した抗体、核酸を用いることも可能で、例えば、核
酸部と抗体部の結合若しくは架橋剤との結合を容易にす
るために核酸や抗体にアミノ基を導入する等変性したも
のを用いることができる。
【0015】バイオ情報変換素子における核酸部と抗体
部の量比は核酸1分子に対して抗体5〜50分子、更に
は、10〜20分子が結合しているのが好ましい。結合
する抗体が少ない場合は結合が不確かになり、多い場合
はPCR反応を阻害する一因ともなるが、これらは核酸
部の長さに応じて決めると良い。
部の量比は核酸1分子に対して抗体5〜50分子、更に
は、10〜20分子が結合しているのが好ましい。結合
する抗体が少ない場合は結合が不確かになり、多い場合
はPCR反応を阻害する一因ともなるが、これらは核酸
部の長さに応じて決めると良い。
【0016】核酸部と抗体部の接合はキメラタンパク等
を用いなくとも実施でき、いかなる方法を用いてもよい
が、例えば両末端に核酸部及び抗体部と結合し得る基を
有する架橋剤を用いる方法等がある。
を用いなくとも実施でき、いかなる方法を用いてもよい
が、例えば両末端に核酸部及び抗体部と結合し得る基を
有する架橋剤を用いる方法等がある。
【0017】架橋剤としては、例えば抗体の標識化及び
核酸の標識化に用いられる一般的な架橋剤が使用可能で
あり、マレイミド系、サクシンイミド系、ジスルフィド
系、カルボジイミド系、アルデヒド系などの架橋剤があ
る。具体的には、カルボジイミドメトーpートルエンス
ルホネート等を好適に用い得る。
核酸の標識化に用いられる一般的な架橋剤が使用可能で
あり、マレイミド系、サクシンイミド系、ジスルフィド
系、カルボジイミド系、アルデヒド系などの架橋剤があ
る。具体的には、カルボジイミドメトーpートルエンス
ルホネート等を好適に用い得る。
【0018】次に、本発明によるバイオ情報変換素子に
よる基本的な検出フローの一例を図2に示す。まず、
A)検出対象、例えば微生物を含む水溶液に、本発明に
よるバイオ情報変換素子を入れ混和する。このときの抗
原としての微生物濃度は10〜103個/ml程度が目
安である。また、添加する変換素子の量は微生物量に対
して過剰量がよく10μg/l程度がよい。次に、B)
バイオ情報変換素子の抗体部は、特定の微生物に結合
し、結合が生じなかったバイオ情報変換素子はそのまま
溶液中を浮遊する。反応に要する時間は37℃で数分間
程度である。反応中は振盪するとよい。次に、C)この
溶液を遠心し、微生物と結合を生じたバイオ情報変換素
子と結合を生じなかったバイオ情報変換素子と分離す
る。即ち、結合体は、遠心操作によって沈殿し、非結合
体は上ずみ液に残り上ずみを除去することで分離がなさ
れる。遠心分離によらずともフィルター等により分離す
ることができる。次に、D)沈殿物をPCR用の溶液中
に溶解しPCR反応を行う。所望のバイオ情報変換素子
が存在すれば、バイオ情報変換素子の核酸部の塩基配列
を鋳型としたPCR反応によって一定のDNAが増幅さ
れる。プライマ−は、用いる核酸の塩基配列の5’側と
3’側に相補的なものを用いればよい。PCRはPCR
用キットとして市販されているのでそれらを利用して実
施すればよい。増幅の回数は30サイクル程度で分析に
必要な量が得られる。次に、E)溶液から、核酸を回収
し電気泳動などで核酸の存否を知ることでもとの溶液中
の微生物の存在を知ることができる。これらは常法に基
づいて実施できる。本方法によれば原理的に1個の生物
種が存在すればこれを検出することが可能となる。
よる基本的な検出フローの一例を図2に示す。まず、
A)検出対象、例えば微生物を含む水溶液に、本発明に
よるバイオ情報変換素子を入れ混和する。このときの抗
原としての微生物濃度は10〜103個/ml程度が目
安である。また、添加する変換素子の量は微生物量に対
して過剰量がよく10μg/l程度がよい。次に、B)
バイオ情報変換素子の抗体部は、特定の微生物に結合
し、結合が生じなかったバイオ情報変換素子はそのまま
溶液中を浮遊する。反応に要する時間は37℃で数分間
程度である。反応中は振盪するとよい。次に、C)この
溶液を遠心し、微生物と結合を生じたバイオ情報変換素
子と結合を生じなかったバイオ情報変換素子と分離す
る。即ち、結合体は、遠心操作によって沈殿し、非結合
体は上ずみ液に残り上ずみを除去することで分離がなさ
れる。遠心分離によらずともフィルター等により分離す
ることができる。次に、D)沈殿物をPCR用の溶液中
に溶解しPCR反応を行う。所望のバイオ情報変換素子
が存在すれば、バイオ情報変換素子の核酸部の塩基配列
を鋳型としたPCR反応によって一定のDNAが増幅さ
れる。プライマ−は、用いる核酸の塩基配列の5’側と
3’側に相補的なものを用いればよい。PCRはPCR
用キットとして市販されているのでそれらを利用して実
施すればよい。増幅の回数は30サイクル程度で分析に
必要な量が得られる。次に、E)溶液から、核酸を回収
し電気泳動などで核酸の存否を知ることでもとの溶液中
の微生物の存在を知ることができる。これらは常法に基
づいて実施できる。本方法によれば原理的に1個の生物
種が存在すればこれを検出することが可能となる。
【0019】この方法は、MPN法のごとき数段階の希
釈サンプルそれぞれについて所望の生物種の存否を検出
する方法に適用することで、生物種の定量を容易に行う
ことができる。しかも本発明の場合は希釈するだけ足
り、その後に通常行われる培養の工程を実施する必要は
全くない。従って本方法は成長の遅い菌の場合極めて有
利である。
釈サンプルそれぞれについて所望の生物種の存否を検出
する方法に適用することで、生物種の定量を容易に行う
ことができる。しかも本発明の場合は希釈するだけ足
り、その後に通常行われる培養の工程を実施する必要は
全くない。従って本方法は成長の遅い菌の場合極めて有
利である。
【0020】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、これらは本発明の範囲をなんら限定するものでは
ない。
るが、これらは本発明の範囲をなんら限定するものでは
ない。
【0021】実施例1 (バイオ情報変換素子の作成法)pUC19のSsp
I,Cfr10I断片(約0.7Kb)をXbaI部位
に挿入しpUC55を構築した。このものはDNA長と
Amp耐性を指標として、常法に従い大腸菌により増殖
後スクリ−イングをかけ、回収した。pUC55からP
vuII,VspI断片(約0.9Kb)を切り出して抽
出し常法に従ってDNA断片を調製し、熱変性によって
一本鎖としバイオ情報変換素子の作成に供した。
I,Cfr10I断片(約0.7Kb)をXbaI部位
に挿入しpUC55を構築した。このものはDNA長と
Amp耐性を指標として、常法に従い大腸菌により増殖
後スクリ−イングをかけ、回収した。pUC55からP
vuII,VspI断片(約0.9Kb)を切り出して抽
出し常法に従ってDNA断片を調製し、熱変性によって
一本鎖としバイオ情報変換素子の作成に供した。
【0022】このDNA断片0.1mgと、抗E.co
li IgG抗体(マウス、フナコシ社)をpH7.2
の0.1Mリン酸塩緩衝液で1mg/mlに希釈した抗
体0.5ml、及びカルボジイミドメト−p−トルエン
スルホネートの1%水溶液0.5mlを加え室温で60
分間反応を行い、DNA−カルボジイミド−抗体の複合
体からなるバイオ情報変換素子10μgを得た。このも
のはDNA1分子に抗体10分子が接合したものであ
る。
li IgG抗体(マウス、フナコシ社)をpH7.2
の0.1Mリン酸塩緩衝液で1mg/mlに希釈した抗
体0.5ml、及びカルボジイミドメト−p−トルエン
スルホネートの1%水溶液0.5mlを加え室温で60
分間反応を行い、DNA−カルボジイミド−抗体の複合
体からなるバイオ情報変換素子10μgを得た。このも
のはDNA1分子に抗体10分子が接合したものであ
る。
【0023】実施例2 (E.coliの検出)Pseudomonas ce
pacia KK01(微工研菌寄第12869号(F
ERM Pー12869))のOD0.5溶液5ml
に、E.coli103 に調整した溶液1mlを加え反
応液Aとし、一方Pseudomonas cepac
ia KK01のOD0.5溶液5mlだけのものを反
応液Bとした。この2つの反応液に以下の作業を同様に
行った。
pacia KK01(微工研菌寄第12869号(F
ERM Pー12869))のOD0.5溶液5ml
に、E.coli103 に調整した溶液1mlを加え反
応液Aとし、一方Pseudomonas cepac
ia KK01のOD0.5溶液5mlだけのものを反
応液Bとした。この2つの反応液に以下の作業を同様に
行った。
【0024】各溶液を素早く遠心(5000r.p.m
(TOMY,MR−150)で5分間)し、沈澱した菌
体をPBS(0.1M MgCl2を含むリン酸塩緩衝
液ー生理食塩水)−Tween1%溶液1.5mlに溶
解し、それぞれに、実施例1で作成したバイオ情報変換
素子1μgを加え混和した。約2分間(37℃)反応を
行い、変換素子とE.coliとの結合体を形成した。
続いて、5分間遠心(10,000r.p.m(TOM
Y,MR−150)、4℃)し上ずみ液を除去した後、
沈殿物に200μlのTE溶液を加え、素早く上澄み液
を150μlピペットマンで取りPCR用チュウブに移
した。PCR反応は、プローブとしてTOYOBOのプ
ライマーPRM−004及びPRM−005を用い所定
のプロトコルに従って反応を行った。増幅は30サイク
ル行った。PCR反応後それぞれのチュウブから反応液
を取りMupid−2(コスモバイオ)で電気泳動を行
った(50V)。反応液Aからのレーンでは、約0.9
Kb付近にバンドが認められたが、反応液Bではバンド
は認められなかった。即ち、バイオ情報変換素子により
抗原であるE.coliの検出ができた。
(TOMY,MR−150)で5分間)し、沈澱した菌
体をPBS(0.1M MgCl2を含むリン酸塩緩衝
液ー生理食塩水)−Tween1%溶液1.5mlに溶
解し、それぞれに、実施例1で作成したバイオ情報変換
素子1μgを加え混和した。約2分間(37℃)反応を
行い、変換素子とE.coliとの結合体を形成した。
続いて、5分間遠心(10,000r.p.m(TOM
Y,MR−150)、4℃)し上ずみ液を除去した後、
沈殿物に200μlのTE溶液を加え、素早く上澄み液
を150μlピペットマンで取りPCR用チュウブに移
した。PCR反応は、プローブとしてTOYOBOのプ
ライマーPRM−004及びPRM−005を用い所定
のプロトコルに従って反応を行った。増幅は30サイク
ル行った。PCR反応後それぞれのチュウブから反応液
を取りMupid−2(コスモバイオ)で電気泳動を行
った(50V)。反応液Aからのレーンでは、約0.9
Kb付近にバンドが認められたが、反応液Bではバンド
は認められなかった。即ち、バイオ情報変換素子により
抗原であるE.coliの検出ができた。
【0025】実施例3 (E.coliの定量)Pseudomonas ce
pacia KK01のOD0.5溶液5mlに、E.
coli 103 に調製した溶液1mlを加えた後、遠
心(5000r.p.m(TOMY−MR−150)で
5分間)し、沈澱した菌体をPBS−Tween1%溶
液1.5mlに溶解し反応液とした。この反応液を、1
0倍づつ段階的に希釈した。すなわち原液の0、10倍
希釈液を反応液1、102 倍希釈液を反応液2、103
倍希釈液を反応液3、と1010希釈液を反応液10まで
の計11本用意した。これら各々をrunlからrun
5までの5系列(計55本)で以下の作業を同様に行っ
た。
pacia KK01のOD0.5溶液5mlに、E.
coli 103 に調製した溶液1mlを加えた後、遠
心(5000r.p.m(TOMY−MR−150)で
5分間)し、沈澱した菌体をPBS−Tween1%溶
液1.5mlに溶解し反応液とした。この反応液を、1
0倍づつ段階的に希釈した。すなわち原液の0、10倍
希釈液を反応液1、102 倍希釈液を反応液2、103
倍希釈液を反応液3、と1010希釈液を反応液10まで
の計11本用意した。これら各々をrunlからrun
5までの5系列(計55本)で以下の作業を同様に行っ
た。
【0026】先ずこれらの反応液1.5mlに実施例1
で作成したバイオ情報変換素子1μgをそれぞれ加え混
和し、37℃、2分間反応させ結合体を形成した。続い
て、5分間遠心(10,000r.p.m(TOMY,
MR−150)、4℃)し、上ずみ液を除去した後、沈
殿物に200μlのTE溶液を加え、これをPCR用チ
ュウブに移した。PCR反応は、プローブとしてTOY
OBOのプライマーPRM−004及びPRM−005
を用い所定のプロトコルに従って反応を行った。増幅は
30サイクル行った。PCR反応後それぞれのチュウブ
から反応液を取りMupid−2(コスモバイオ)で電
気泳動を行った(50V)。レーンに約0.9Kb付近
でバンドが認められたか否かの結果を表1に示す。即
ち、反応液3まではバンドが全てのrunで認められた
が、反応液4では2つのrunで認められたがほかのr
unでは認められなかった。又、反応液5以降では全く
認めれなかった。従って、バイオ情報変換素子により反
応液中には103の抗原、E.coliが存在していた
ことが定量的に測定できたことが判る。
で作成したバイオ情報変換素子1μgをそれぞれ加え混
和し、37℃、2分間反応させ結合体を形成した。続い
て、5分間遠心(10,000r.p.m(TOMY,
MR−150)、4℃)し、上ずみ液を除去した後、沈
殿物に200μlのTE溶液を加え、これをPCR用チ
ュウブに移した。PCR反応は、プローブとしてTOY
OBOのプライマーPRM−004及びPRM−005
を用い所定のプロトコルに従って反応を行った。増幅は
30サイクル行った。PCR反応後それぞれのチュウブ
から反応液を取りMupid−2(コスモバイオ)で電
気泳動を行った(50V)。レーンに約0.9Kb付近
でバンドが認められたか否かの結果を表1に示す。即
ち、反応液3まではバンドが全てのrunで認められた
が、反応液4では2つのrunで認められたがほかのr
unでは認められなかった。又、反応液5以降では全く
認めれなかった。従って、バイオ情報変換素子により反
応液中には103の抗原、E.coliが存在していた
ことが定量的に測定できたことが判る。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、生物
種と特異的に反応する抗体部とPCRにより増幅する核
酸部を結合し素子化しバイオ情報変換素子とすることに
よって、生物種情報を極めて容易に増幅できるので、微
量存在量の細胞や微生物又は増殖が困難な細胞や微生物
の種類及び存在量の検出が迅速かつ容易に行うことがで
きる。即ち、検出に際し、菌等の増殖を必要としないた
め増殖速度に拘らず定性、定量の分析が可能で、又、菌
等からのDNAの抽出等の操作をすることなく、また多
段反応による複合体の形成も必要とせず、高い感度でか
つ非特異反応を抑制し菌等の数または種を迅速に把握す
ることができる。更に、本発明のバイオ情報変換素子を
用いれば抗原として生物種ばかりでなく、低分子化合物
や脂肪、多糖質に至る迄、抗原・抗体反応を起こすもの
であれば全て検出可能であり、検出測定素子として極め
て有用性が高いものである。
種と特異的に反応する抗体部とPCRにより増幅する核
酸部を結合し素子化しバイオ情報変換素子とすることに
よって、生物種情報を極めて容易に増幅できるので、微
量存在量の細胞や微生物又は増殖が困難な細胞や微生物
の種類及び存在量の検出が迅速かつ容易に行うことがで
きる。即ち、検出に際し、菌等の増殖を必要としないた
め増殖速度に拘らず定性、定量の分析が可能で、又、菌
等からのDNAの抽出等の操作をすることなく、また多
段反応による複合体の形成も必要とせず、高い感度でか
つ非特異反応を抑制し菌等の数または種を迅速に把握す
ることができる。更に、本発明のバイオ情報変換素子を
用いれば抗原として生物種ばかりでなく、低分子化合物
や脂肪、多糖質に至る迄、抗原・抗体反応を起こすもの
であれば全て検出可能であり、検出測定素子として極め
て有用性が高いものである。
【図1】本発明のバイオ情報変換素子の構成を示す模式
図である。
図である。
【図2】本発明のバイオ情報変換素子を用いて抗原を検
出する方法を説明する模式図であり、図中A→B→C→
D→Eの手順で検出を行うことを示す。
出する方法を説明する模式図であり、図中A→B→C→
D→Eの手順で検出を行うことを示す。
1 核酸部 2 抗体部
Claims (8)
- 【請求項1】 生物種と抗原・抗体反応を行う抗体部と
核酸からなる核酸部からなる素子であって、生物種情報
を核酸情報に変換するためのバイオ情報変換素子。 - 【請求項2】 核酸が0.3〜3kbのDNA断片である
請求項1に記載のバイオ情報変換素子。 - 【請求項3】 核酸部1分子に対して抗体部5〜50分
子が結合している請求項1に記載のバイオ情報変換素
子。 - 【請求項4】 核酸部と抗体部が架橋剤で結合されてい
る請求項1に記載のバイオ情報変換素子。 - 【請求項5】 架橋剤が、マレイミド系、サクシンイミ
ド系、ジスルフィド系、カルボジイミド系、アルデヒド
系である請求項4に記載のバイオ情報変換素子。 - 【請求項6】 検出対象となる生物種と抗原・抗体反応
を行う抗体部を有する請求項1のバイオ情報変換素子を
該生物種と溶液中で混和し該バイオ情報変換素子と生物
種との結合体を形成し、得られた結合体を溶液から分離
した後、該結合体のバイオ情報変換素子の核酸情報をP
CR法により増幅し、増幅した核酸の検索を行うことに
より生物種を検出する方法。 - 【請求項7】 生物種濃度を数段階に予め希釈した溶液
中で生物種とバイオ情報素子を混和し結合体を形成する
請求項6に記載の生物種検出方法。 - 【請求項8】 結合体の分離を遠心分離により行う請求
項6又は7に記載の生物種検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2302493A JPH06235727A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | バイオ情報変換素子及びそれを用いた生物種検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2302493A JPH06235727A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | バイオ情報変換素子及びそれを用いた生物種検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06235727A true JPH06235727A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12098919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2302493A Pending JPH06235727A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | バイオ情報変換素子及びそれを用いた生物種検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06235727A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017524133A (ja) * | 2014-08-05 | 2017-08-24 | ウスタフ オルガニッケ ヘミエ アー ビオヘミエ アカデミエ ヴェド ツェーエル,ヴェー.ヴェー.イー | 分析物の活性型の検出および分析物の活性部位に結合する、物質の能力の決定の、方法 |
-
1993
- 1993-02-10 JP JP2302493A patent/JPH06235727A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017524133A (ja) * | 2014-08-05 | 2017-08-24 | ウスタフ オルガニッケ ヘミエ アー ビオヘミエ アカデミエ ヴェド ツェーエル,ヴェー.ヴェー.イー | 分析物の活性型の検出および分析物の活性部位に結合する、物質の能力の決定の、方法 |
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