JPH06235513A - 微粉炭燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転休止中の石炭粉砕ミル内の昇圧による事
故および火災又は爆発の危険性を防止することができる
石炭粉砕ミルを備えた微粉炭燃焼装置を提供すること。 【構成】 石炭粉砕ミル６の内部にミルシール通風機１
９からのシール空気が導入され、他方から一次通風機１
１を介して燃焼用空気が導入され、微粉炭出口部に設け
られたダンパ７が配設された複数の微粉炭供給管８を備
えている。逆止ダンパ２４を配設した昇圧防止用の管路
２３をダンパ７の少なくとも１個所に対してバイパスさ
せて取り付けている。石炭粉砕ミル６の運転休止時にお
いて、逆止ダンパ２４が開動作することにより、石炭粉
砕ミル内は燃焼炉１０と連通し石炭粉砕ミル６内に流入
する空気は速やかに昇圧防止用管路２３を経て燃焼炉１
０内に排出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は石炭粉砕ミルを備えた微
粉炭燃焼装置に係り、特に石炭粉砕ミルの内部を加圧し
て微粉炭にする加圧式の石炭粉砕ミルを備えた微粉炭燃
焼装置において、石炭粉砕ミルの運転休止時におけるミ
ル内部の昇圧を防止する微粉炭燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の石炭を連続的に粉砕して微粉炭と
し、これを連続的に供給して燃焼させるボイラなどの微
粉炭燃焼装置においては、燃焼効率を上げるために、
（１）原料炭をできるだけ微細な粉末に粉砕して表面積
を大きくし、（２）粉砕した微粉炭を乾燥させ、（３）
粉砕した微粉炭の粒度を所要粒子径以下に分級するなど
の機能を備えた各種の加圧式連続粉砕ミルが実用化され
ている。

【０００３】この種の従来の加圧式連続粉砕ミルによる
石炭の粉砕および燃焼炉へ微粉炭を供給する代表的な微
粉炭燃焼装置の系統図を図２に示す。図２において、石
炭バンカ１より給炭機４を経て、石炭粉砕ミル６に供給
された石炭は、石炭粉砕ミル６内で粉砕され、同時に、
一次通風機１１より加圧された空気は、空気加熱器１２
を経て加熱されて熱風として石炭粉砕ミル６内に供給さ
れ、この熱風によって粉砕された石炭は乾燥される。そ
して、適正な粒度に分級された微粉炭は、微粉炭供給管
８を経て、微粉炭バーナ９によって燃焼炉１０内で燃焼
される。

【０００４】上記のように石炭粉砕ミル６内は加圧下で
運転されるために、ミルシール通風機１９より、石炭粉
砕ミル６内および給炭機４内へのシール空気管路２２が
設けられており、石炭粉砕ミル６内の圧力バランスを保
持している。また、給炭機４と石炭バンカ１との間に
は、石炭粉砕ミル６の運転時における内圧を供給する石
炭の炭層でシールできるように、適切な高さを有するダ
ウンスパウト３が設けられている。

【０００５】上記の加圧式連続粉砕ミルの運転休止時に
おいては、石炭粉砕ミル６の一次空気制御ダンパ１７、
熱風ダンパ１６、冷風ダンパ１５は全閉に操作して、石
炭粉砕ミル６内への一次空気の供給を停止し、ミル出口
ダンパ７は、通常の場合、燃焼炉１０と運転休止した石
炭粉砕ミル６との間を遮断するため、その全数を全閉操
作される。

【０００６】一次通風機１１の管路は図２に示すよう
に、他の複数の石炭粉砕ミル（図示せず）に対して熱風
共通ダクト１３が配置されており、全ての石炭粉砕ミル
６の運転休止時以外は、一次通風機１１は停止されない
ため、運転休止されている石炭粉砕ミル６においては、
一次空気ダクト１８を経て、石炭粉砕ミル６内に熱風が
リークし、石炭粉砕ミル６の内圧が上昇し危険である。
このため、石炭粉砕ミル６のシール空気管路２２に設け
られているミルシール通風機１９からの送風は、通常の
場合、運転休止した石炭粉砕ミルに対しても常時供給さ
れている。

【０００７】なお、上記運転休止時における石炭粉砕ミ
ルの内圧上昇防止対策として、ミル出口ダンパ７の全数
を全閉操作とはせず、常時全数前回操作となし燃焼炉１
０に解放してミル６内の内圧の上昇を防止する方式もあ
るが、燃焼炉１０内の高温燃焼排ガスの逆流によって火
災、爆発の危険性があった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
石炭の加圧式連続粉砕ミルを１台又は複数台備えた微粉
炭燃焼炉において、ミル運転休止時における石炭粉砕ミ
ルの安全性および信頼性に対する配慮は全くなされてお
らず、以下に示す重大な問題が生じる危険性があった。

【０００９】（１）図２に示すように、ミル出口ダンパ
７を、運転休止した石炭粉砕ミル６においてダンパ全数
を全閉操作すると、一次空気制御ダンパ１７からの一次
空気漏れおよびミルシール空気ダンパ２０からのシール
空気漏れによって空気が流入する。この結果、石炭粉砕
ミル６内の圧力が、通常の石炭粉砕ミル運転時における
圧力よりも上昇し、一次通風機１１またはミルシール通
風機１９の空気供給源近くの圧力にまで上昇する。給炭
機４を経て石炭バンカ１の方向に流出する空気量が増大
し、石炭バンカ１の出口部の石炭が乾燥され、石炭の閉
塞による給炭障害（ミル再起動時の給炭障害にもなる）
を引起こす。また、漏洩した空気の温度および圧力条件
などによっては、石炭バンカ１の出口部における自然発
火あるいは爆発の原因ともなる危険性があった。

【００１０】（２）運転休止中の石炭粉砕ミルの内圧の
上昇の防止対策として、ミル出口ダンパ７を全数全開操
作して内圧の上昇を防止する方式は、燃焼炉１０と運転
休止の石炭粉砕ミルとが複数の微粉炭供給管８によって
連通され解放されることになる。通常、ミル運転休止の
操作時において石炭粉砕ミル６内の残留微粉炭を燃焼炉
１０側にパージする操作を行うが、完全に微粉炭をパー
ジすることができず微粉炭が少量残留する。そのため、
燃焼炉１０内の圧力変動などにより微粉炭供給管８を通
じて、炉内の高温燃焼排ガスが逆流し、石炭粉砕ミル６
および微粉炭供給管８内で発火、爆発の危険性があっ
た。

【００１１】本発明の目的は、上記した従来の課題を解
決し、石炭の加圧式連続粉砕ミルを１台又は複数台備え
た微粉炭燃焼炉において、運転休止中の石炭粉砕ミルの
内部に、燃焼用一次空気またはミルシール用空気の流入
があっても、石炭粉砕ミル内の昇圧による事故および火
災または爆発の危険性を防止することのできる石炭粉砕
ミルを備えた微粉炭燃焼装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記した目的は、１台又
は複数台の石炭粉砕ミルを備えた微粉炭燃焼装置におい
て、逆止ダンパを配設した昇圧防止用の管路を石炭粉砕
ミルの微粉炭出口ダンパの少なくとも１個所に設け、上
記石炭粉砕ミルの運転休止時には、上記管路上の逆止ダ
ンパがミルの内圧によって開動作することにより、石炭
粉砕ミル内に流入する空気を燃焼炉内へ解放することに
より達成される。

【００１３】

【作用】石炭粉砕ミルの運転付込時において、ミル出口
ダンパは、全数・全閉操作される。この時、石炭粉砕ミ
ルの微粉炭出口部の微粉炭供給管に設けられたダンパに
対して、逆止ダンパを配設した昇圧防止用管路がバイパ
スして設けられている。このため、逆止ダンパが開動作
し、石炭粉砕ミルは燃焼炉に連通し、石炭粉砕ミル内に
流入した空気は燃焼炉に排出され、石炭粉砕ミル内の内
圧は上昇しない。逆止ダンパを設けているので、燃焼炉
内の燃焼ガスは石炭粉砕ミル内に逆流しない。

【００１４】

【実施例】以下に本発明の一実施例を挙げ、図面を参照
しながら、さらに詳細に説明する。図１に石炭粉砕ミル
を備えた微粉炭燃焼装置の一実施例の系統図を示す。本
実施例は、石炭粉砕ミル６から燃焼炉１０の微粉炭バー
ナ９に微粉炭を供給する微粉炭供給管８に設けられてい
るミル出口ダンパ７に対して、逆止ダンパ２４が配設さ
れた昇圧防止用管路２３をバイパスして配置した場合を
示す。上記した構成以外は図１に示す微粉炭燃焼装置と
実質的に同一であるので、同一符号で示し、構成上の説
明は省略する。

【００１５】上記した微粉炭燃焼装置において、石炭は
石炭バンカ１よりコールゲート２およびダウンスパウト
３を経て、給炭機４に導かれ、この給炭機４からミル入
口シュート５を介して石炭粉砕ミル６に供給され、ここ
で粉砕され、同時に一次通風機１１より加圧された空気
は、空気加熱器１２を経て加熱されて熱風となり、一次
空気ダクト１８を介して石炭粉砕ミル６内に供給され、
粉砕された石炭が乾燥される。適正な粒度に分級された
微粉炭は、微粉炭供給管８を経て微粉炭バーナ９によっ
て燃焼炉１０内で燃焼される。

【００１６】この場合、石炭粉砕ミル６内は加圧下で運
転されるためにミルシール通風機１９よりシール空気管
路２２を介して給炭機４内および石炭粉砕ミル６内にシ
ール空気が供給され、石炭粉砕ミル６内の圧力バランス
を保持している。また給炭機４と石炭バンカ１との間に
設けられたダウンスパウト３により石炭粉砕ミル６内の
運転時における内圧を石炭の炭層でシールできるように
適切な高さを有するようになっている。

【００１７】これらの運転時における給炭機４、ミル入
口シュート５および石炭粉砕ミル６内における流入空気
の流れを符号２５で示している。石炭粉砕ミル６の運転
休止時においては、石炭粉砕ミル６内の一次空気ダンパ
１７、熱風ダンパ１６、冷風ダンパ１５は全閉にして操
作され、石炭粉砕ミル６内への一次空気の供給が停止さ
れる。そして、ミル出口ダンパ７は通常の場合、燃焼炉
１０と運転休止した石炭粉砕ミル６内との間を遮断する
ため、その全数が全閉に操作される。

【００１８】石炭粉砕ミルの運転休止時において、ミル
出口ダンパ７は全数、全閉操作される。しかし、石炭粉
砕ミル６の微粉炭出口部の複数の微粉炭管供給管８に設
けられているダンパ７のいずれか１個所のバイパスライ
ンに設けられている昇圧防止用管路２３の逆止ダンパ２
４が開動作することにより、石炭粉砕ミル６内は燃焼路
１０内に解放され、石炭粉砕ミル６内に流入する空気は
速やかに上記昇圧防止用管路２３を経て燃焼路１０内に
排出させることができ、休止状態にある石炭粉砕ミル６
の内圧の上昇は起こらない。

【００１９】また、上述の操作によって、石炭粉砕ミル
６内が燃焼炉１０の内部に通じることになるが、上記昇
圧防止用管路２３は単数とし、かつ逆止ダンパ２４を設
置しているため、炉内側に圧力変動があっても、燃焼炉
１０の内側の燃焼ガスが昇圧防止用管路２３を通じて石
炭粉砕ミル６内に逆流する危険性はなく、石炭粉砕ミル
６内に微粉炭などが滞留している場合においても安全に
石炭粉砕ミル６内の圧力を燃焼炉１０側に迅速に逃がす
ことが可能となる。尚、上記昇圧防止用管路２３に使用
する逆止ダンパ２４は軽量弁体のものを使用し、弁体仕
様はミルの内圧保持値により適切に選定することが可能
である。

【００２０】上記した実施例は、１台の石炭粉砕ミルを
１基の燃焼炉と微粉炭供給管を介して接続しているが、
複数台の石炭粉砕ミルを１基の燃焼炉と接続している場
合、各々の石炭粉砕ミルに設けられた複数の微粉炭供給
管のうち、それぞれ少なくとも１個のダンパに対して逆
止ダンパを配設した昇圧防止用の管路を設ければよい。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、石炭粉砕
ミルの運転休止時に、燃焼用一次空気またはミルシール
用空気の流入によるミル内の昇圧を容易に防止すること
ができ、かつ燃焼炉側からの高温の燃焼排ガスの逆流を
防ぐことができるので、石炭供給系における事故および
火災、爆発の危険性が全くなく、安全、かつ信頼性の高
い微粉炭燃焼装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す石炭粉砕ミルを備えた
微粉炭燃焼装置の系統図である。

【図２】従来の石炭粉砕ミルを備えた微粉炭燃焼装置の
系統図である。

【符号の説明】

１ 石炭バンカ ２ コールゲート ３ ダウンスパウト ４ 給炭機 ５ ミル入口シュート ６ 石炭粉砕ミル ７ ミル出口ダンパ ８ 微粉炭供給管 ９ 微粉炭バーナ １０ 燃焼炉 １１ 一次通風機 １２ 空気加熱器 １３ 熱風共通ダクト １４ 冷風共通ダクト １５ 冷風ダンパ １６ 熱風ダンパ １７ 一次空気制御ダンパ １８ 一次空気ダクト １９ ミルシール通風機 ２０ ミルシール空気ダンパ ２１ 給炭機シール空気ダンパ ２２ シール空気管路 ２３ 昇圧防止用管路 ２４ 逆止ダンパ ２５ 流入空気の流れ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 石炭を粉砕して微粉炭にするミルの内部
   に、ミルシール用の空気を導入し、かつ燃焼用空気を導
   入しながらミルの微粉炭出口部に設けられ、各々ダンパ
   が配設された複数の微粉炭供給管から燃焼炉へ微粉炭を
   供給する加圧式の石炭粉砕ミルを、少なくとも１台備え
   た微粉炭燃焼装置において、逆止ダンパを配設した昇圧
   防止用の管路を前記ダンパの少なくとも１個所にバイパ
   スして取り付けたことを特徴とする微粉炭燃焼装置。