JPH06235384A - ベーン形流体機械 - Google Patents

ベーン形流体機械

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JPH06235384A
JPH06235384A JP5106993A JP5106993A JPH06235384A JP H06235384 A JPH06235384 A JP H06235384A JP 5106993 A JP5106993 A JP 5106993A JP 5106993 A JP5106993 A JP 5106993A JP H06235384 A JPH06235384 A JP H06235384A
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JP
Japan
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vane
casing
seal
side wall
rotor
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Application number
JP5106993A
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English (en)
Inventor
Iwao Otani
巖 大谷
Minoru Machino
実 町野
Taku Kato
卓 加藤
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C21/00Component parts, details or accessories not provided for in groups F01C1/00 - F01C20/00
    • F01C21/08Rotary pistons
    • F01C21/0809Construction of vanes or vane holders
    • F01C21/0881Construction of vanes or vane holders the vanes consisting of two or more parts

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Hydraulic Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 各ベーンに、ケーシングの側壁に対して接触
されるシール片を取り付け、さらにこのシール片を一体
のばね体により、ケーシングの側壁に対して押し付ける
ようにした簡易な構成のベーン形流体機械の提供をす
る。 【構成】 シール片23及び24に、付勢手段である片
持ばね25・26を一体に設け、シール片23の側壁8
への接触、シール片24の側壁9への接触に際して、こ
の片持ばね25・26により付勢するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポンプ、圧縮機、オイ
ルモータ及び流量計等として利用されるベーン形流体機
械の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のベーン型流体機械としては、特
開昭62−247101号公報に示される技術が既に知
られている。以下に、この公報の内容について図11〜
図13を参照して説明すると、これらの図において符号
1で示すものはケーシングであり、このケーシング1内
の偏心した位置にはロータ2を駆動する駆動軸3が配置
され、さらにロータ2には半径方向(イ)ー(ロ)方向
((イ)は半径方向外方,(ロ)は半径方向内方)に沿
ってベーン4が移動自在に設けられている。これらベー
ン4は、ロータ2の外周面に径方向に形成された溝部5
に出没自在に設けられたものであり、該ロータ2の回転
で生じる遠心力により、その先端部が、ケーシング1の
筒状部1A内の内周面1Bに押し付けられ、かつ該ケー
シング1の内周面1Bと摺動するようになっている。そ
して、このようなロータ2の回転に伴う、ベーン4とケ
ーシング内周面1Bとの摺動により、該ケーシング1内
に吸入口6を通じて送り込まれた流体が、所定の圧力を
付与され、かつ該ケーシング1の排出口7から排出され
るようになっている。
【0003】また、上記のようなベーン型ロータリー圧
縮機では、図12及び図13を参照して判るように、ケ
ーシング1の一対の側壁8・9が駆動軸3に沿って互い
を間隔を以て配置されるとともに、これら側壁8・9間
にロータ2が配置され、さらに該ロータ2の駆動軸3方
向に沿う略全範囲に亙ってベーン4が配置されている。
該ベーン4は、図13に詳細に示すようにそれぞれが一
対の構成片10・11により構成されたものであって、
これら構成片10と構成片11とは、その間の凹部に配
置された磁石12・13の吸引力により互いに反対方向
に付勢される。すなわち、磁石12・13により、構成
片10が矢印(ハ)方向に付勢されて、その図中右端部
がケーシング1の側壁8に押し付けられた状態となり、
これにより該構成片10の右端部がケーシング1の側壁
8をシールする。他方、構成片11は矢印(ニ)方向に
付勢されて、その左端部がケーシング1の側壁9に押し
付けられた状態となり、これにより該構成片11の左端
部がケーシング1の側壁9をシールする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のベ
ーン型ロータリー圧縮機では、流体を圧送する効率が、
ケーシング1の側壁8・9と、ロータ2に設けられたベ
ーン4との隙間に支配される。すなわち、ケーシング1
の側壁8・9とベーン4との隙間が大きいと、この隙間
を通じて流体が漏洩することにより、圧送される流体が
減少する。一方、ケーシング1の側壁8・9とベーン4
との隙間が小さすぎると、ケーシング1及びベーン4が
熱膨張した場合に、その隙間が完全に塞がってしまい、
ロータ2が回転できなくなる。
【0005】そして、このような不具合を防止するため
に、上述したように各ベーン4を一対の構成片10・1
1から構成するようにし、さらに一方の構成片10をケ
ーシング1の側壁8に押し付け、他方の構成片11をケ
ーシング1の側壁9に押し付けるようにしている。しか
しながら、このような構成片10及び11の付勢は、構
成片10及び11の間に磁石12・13を配置し、該磁
石12・13の吸引力により行うようにしており、その
結果として全体の部品が増加し、かつ構成片10及び1
1間への磁石12・13の組み付けも面倒な作業となっ
ていた。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、一つの部材により構成されたベーンに、ケ
ーシングの側壁に対して接触されるシール片を設けるよ
うにし、これによりベーンの組み付け作業を効率良く行
うことができるベーン形流体機械の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明では、平行となるように互いに間隔を
以て設けられた一対の側壁と、これら側壁を連結するよ
うに設けられ、かつ内周面が筒状に形成された筒状部と
を有するケーシングを具備し、このケーシング内に、半
径方向に沿って移動自在でありかつ該ケーシングの内周
面に摺動されるベーンと、該ベーンを複数有するロータ
とを設け、該ロータを、偏心させた回転軸上で回転させ
るようにしたベーン形流体機械において、前記ベーンの
側壁近傍に、前記ケーシングの側壁に向けて付勢されか
つ該側壁との間にシールを形成するシール片を設けるよ
うにしている。
【0008】第2の発明では、平行となるように互いに
間隔を以て設けられた一対の側壁と、これら側壁を連結
するように設けられ、かつ内周面が筒状に形成された筒
状部とを有するケーシングを具備し、このケーシング内
に、半径方向に沿って移動自在でありかつ該ケーシング
の内周面に摺動されるベーンを複数有するロータを設
け、このロータを、偏心させた回転軸上で回転させるよ
うにしたベーン形流体機械において、前記ケーシングの
側壁近傍に位置するベーンに収納部を設け、この収納部
内に、一端側にシール体を有し、かつ他端側にばね体が
前記シール体と一体に形成されたシール片を収納し、該
シール片の他端側のばね体をベーンに押し付け、かつ該
シール片の一端側のシール体を前記ばね体の反発力によ
り、ケーシングの側壁と接触させ、これによりシールを
形成させるようにしている。
【0009】
【作用】第1の発明によれば、ベーンのケーシングの側
壁近傍に、該側壁に向けて付勢されかつ該側壁と接触さ
れるシール片を設けるようにしたので、このシール片に
よって、ケーシングの側壁とベーンとの隙間を通じて流
体が漏洩することが防止されるとともに、これらケーシ
ングとベーンとが熱膨張した場合に、これらケーシン
グ、ベーンの変形をシール片により吸収し、これらケー
シングとベーンとが密着することが防止される。また、
この第1の発明では、ベーンのケーシングの側壁近傍
に、該側壁に向けて付勢されかつ該側壁と接触されるシ
ール片を設けた構成であるので、ベーンを構成する一対
の構成片の間に磁石を挟み込む従来のベーン型流体機械
と比較して、ロータに対する組付作業が簡単になる。
【0010】第2の発明によれば、ケーシングの側壁近
傍に位置するベーンに収納部を設け、この収納部内に、
一端側にシール体が形成され、かつ他端側にばね体がシ
ール体と一体に形成されたシール片を収納するように
し、さらに該シール片の他端側のばね体をベーン本体に
押し付け、これにより該シール片の一端側のシール体
を、前記ばね体の反発力によりケーシング側壁と接触さ
せて、該ケーシング側壁との間にシールを形成する。そ
して、このようなシール片により、ケーシングの側壁と
ベーンとの隙間を通じて流体が漏洩することが防止され
るとともに、これらケーシングとベーンとが熱膨張した
場合に、これらケーシング、ベーンの変形をシール片に
より吸収し、これらケーシングとベーンとが密着するこ
とが防止され、ロータの円滑な回転が維持される。ま
た、この第2の発明では、ベーンのケーシングの側壁近
傍に、該側壁に向けてばね付勢されかつ該側壁と接触さ
れるシール片を設けた構成であるので、ベーンを構成す
る一対の構成片の間に磁石を挟み込む従来のベーン型流
体機械と比較して、ロータに対する組付作業が簡単にな
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1及び図2に
基づいて説明する。なお、以下の説明において、図11
〜図13と構成を共通とする箇所に同一符号を付して重
複した説明を省略する。まず、図1において符号20で
示すものは、ロータ2に形成された各溝部5に収納され
た4枚のベーンである。これらベーン20は、図2に示
すように正面形状が矩形に形成されるとともに、ロータ
2の半径方向(イ)ー(ロ)方向に沿ってそれぞれ移動
自在に設けられたものであり、さらにこれら各ベーン2
0の先端側であり、かつ幅方向(ハ)−(ニ)に沿う両
側部分には、凹部21・22が形成されている。また、
凹部21・22は図2に示すように正面形状が矩形に形
成されたものであり、これら凹部21・22内にはシー
ル片23・24がそれぞれ収納されている。
【0012】シール片23は全体の厚さがベーン20の
厚さの1/3〜1/2程度に形成されたものであり、矢
印(ハ)側にシール体23Aが形成され、矢印(ニ)側
にシール体23Aと一体に片持ばね25が形成されたも
のである。前記片持ばね25は、一対のばね片25a・
25aを有し、これらばね片25a及び25aが開くこ
とにより、ベーン20の本体を押圧するように設けられ
たものであり、その反作用により、シール片23のシー
ル体23Aがケーシング1の側壁8に接触させられよう
になっている。すなわち、シール片23は片持ばね25
により矢印(ハ)方向に付勢され、これによりシール体
23Aに側壁8をシールさせている。
【0013】シール片24は、シール片23と同様に全
体の厚さがベーン20の厚さの1/3〜1/2程度に形
成されたものであり、矢印(ニ)側にシール体24Aが
形成され、矢印(ハ)側に、シール体24Aと一体に片
持ばね26が形成されたものである。前記片持ばね26
は、一対のばね片26a・26aを有し、これらばね片
26a及び26aが開くことにより、ベーン20の本体
を押圧するように設けられたものであり、その反作用に
より、シール片24のシール体24Aがケーシング1の
側壁9に接触させられるようになっている。すなわち、
シール片24は片持ばね26により矢印(ニ)方向に付
勢され、これによりシール体24Aに側壁9をシールさ
せている。
【0014】一方、シール片23・24の片持ばね25
・26と、ベーン20との間には、それぞれ隙間27・
28が形成されており、これら隙間27・28にかかる
圧力によっても、シール片23が矢印(ハ)方向に押さ
れ、またシール片23が矢印(ニ)方向に押されるよう
になっている。
【0015】そして、以上のように構成されたベーン形
流体機械では、ベーン20の側壁8の近傍に、片持ばね
25を一体に有するシール片23を設け、この片持ばね
25によりシール片23を矢印(ハ)方向に付勢させ、
これによりシール片23のシール体23Aをケーシング
1の側壁8に押し付けるようにした。一方、ベーン20
の側壁9の近傍に、片持ばね26を一体に有するシール
片24を設け、この片持ばね26によりシール片24を
矢印(ニ)方向に付勢させ、これによりシール片24の
シール体24Aをケーシング1の側壁9に押し付けるよ
うにした。すなわち、本実施例のベーン形流体機械で
は、シール片23及び24に、付勢手段である片持ばね
25・26が一体に設けられているので、シール片23
の側壁8への接触、シール片24の側壁9への接触に際
して、別途、ばね、磁石等の付勢手段を取り付ける必要
がなく、その結果、全体の組立作業が簡単になる。ま
た、全体の部品点数もベーン毎に見れば、図11の従来
の流体機械では、ベーン4を構成する構成体10・11
が2個、磁石12・13が2個の合計で4個必要である
のに対して、本実施例の流体機械では、ベーン20が1
個、シール片23・24が2個の合計で3個で済み、結
果として本実施例の方が部品点数も少なくて済むという
効果も得られる。
【0016】なお、上記実施例では、片持ばね25を一
対のばね片25a・25aにより構成し、また、片持ば
ね26を一対のばね片26a・26aにより構成した
が、これに限定されず、片持ばね25のばね片25a・
25a、片持ばね26のばね片26a・26aをそれぞ
れ1つのばね片により構成しても良い。すなわちシール
片23及び24は片持ちばねをそれぞれ一体に形成する
ものであれば、その構成は図2に示すものに限定されな
い。また、前記シール片23・24は一定の弾性及び耐
熱性を有する材料、例えばフッ素系樹脂、ポリフェニレ
ンサルファイド等の高い耐熱性を有する樹脂で形成する
と良い。
【0017】また、上記第1実施例では、ベーン20の
表面に凹部21・22を形成し、これら凹部21・22
にシール片23・24をそれぞれ配置するようにした
が、これに限定されず、ベーン20が一定以上の厚さを
有するのであれば、図3(a)(b)に示すように、ベ
ーン20の幅方向に沿う中央部に収納部30・31をそ
れぞれ形成し、この収納部30・31内に、前述したシ
ール片23・24を配置しても良い。そして、シール片
23・24をこのような収納部30・31にそれぞれ配
置することにより、該シール片23・24が安定してベ
ーン20に保持される効果が得られる。
【0018】さらに、図4に部分断面図を示すように、
ベーン20の収納部30に配置されるシール片32を、
シール体33とこれと一体の金属ばね体34により形成
しても良い。金属ばね体34は帯状のばね鋼を図4に示
すように略菱形状に折り曲げ、その開口をシール体33
の蟻ほぞ状の突起33Aに嵌合して一体化している。そ
して、この構成によれば、シール体33と金属ばね体3
4とが一体となっているので、上記シール片23・24
と同様に、収納部30(31)への取り付け、取り外し
が容易であると共に、金属ばね体34により安定した取
り付け力が得られる。
【0019】なお、これら図1〜図4に示すベーン形流
体機械は、ロータ2が回転した際に生じる遠心力により
ベーン20を、ケーシング1の筒状部1A内の内周面1
Bに押し付けるものであるが、この他に、図5、図6に
示すようにケーシング1の筒状部1A内の中心に固定し
た断面形状が真円のフロートリング40により、上記ベ
ーン20を半径方向内方側から外方側(矢印(イ)方
向)に押し上げ、これにより、遠心力によらず、該ベー
ン4をケーシング1の筒状部1A内の内周面1Bと摺動
させるようにしても良い。すなわち、図5、図6に示す
ようなフロートリング40を用いたベーン形流体機械の
ロータ41に対して、上述したベーン20及びシール片
23・24、シール片32を設けても良い。また、図1
〜図4に示すベーン形流体機械ではベーン20が4枚で
あるのに対して、図5、図6に示すベーン形流体機械で
はベーン20が6枚であるが、これらベーン20の数に
ついても限定されるものではない。
【0020】また、図1〜図4のベーン20は、図1に
示すようにケーシング1の筒状部1A内の内周面1Bと
摺動される箇所の断面形状が円弧状に形成されたもので
あるが、図5、図6のベーン形流体機械では、図6に詳
細に示されるように、ケーシング1の筒状部1A内の内
周面1Bと摺動される箇所(符号42で示す)と、フロ
ートリング40に接触される箇所(符号43で示す)の
断面形状を共に円弧状に形成している。
【0021】次に、本発明の第2実施例を図7〜図10
を参照して説明する。第2実施例が第1実施例と構成を
異にする箇所はベーン50の構造にある。すなわち、第
2実施例に示されるベーン50は、図7及び図8(a)
〜図8(c)に示されるように全体が直方体に形成され
たベーン本体51の各側部に、シール片52・52が該
ベーン本体51と一体にそれぞれ設けられている点に特
徴を有する。
【0022】ベーン50のシール片52・52は、ベー
ン本体51の側部に沿って形成されるとともに、ベーン
50の進行方向Mに対して傾斜するように、かつ進行方
向Mの前方に向けて先端がベーン本体51から開くよう
に形成されたものである。また、ベーン50は、ベーン
本体51とともにシール片52・52が弾性変形可能に
形成され、かつ図9に示すようにシール片52・52を
含む長辺側の幅寸法Lbが、側壁8と側壁9との間隔L
cよりも若干大きくなるように形成されたものであり、
このような構成により、該ベーン50をロータ2の溝部
5に組み付けた場合に、該ベーン50シール片52・5
2の先端部がケーシング1の壁部8・9に押圧されて、
該シール片52・52が起端部を中心として内側に弾性
変形し、これにより該ベーン50のシール片52・52
とケーシング1の壁部8・9との間がシールされるよう
になっている。
【0023】なお、上記ベーン50を構成する材料とし
て、引張強度、曲げ強度等の機械的特性に優れ、かつ熱
変形温度、連続使用温度、線膨張性係数等の耐熱性、寸
法安定性に優れたプラスチック、例えばポリフェニレン
サルファイド(PPS)が使用される。また、このよう
なポリフェニレンサルファイドとしては、脆さが少な
く、かつ100℃以上の高温域において高い強度を維持
できるフォートロンレジン(呉羽化学製)を使用するこ
とが好ましい。また、上記ポリフェニレンサルファイド
は単独で用いても良く、ガラス繊維、炭素繊維などの補
強材を含有させても良い。
【0024】そして、以上のように構成された第2実施
例のベーン型流体機械によれば、 (1) シール片52・52によって、ケーシング1の
側壁8・9とベーン50との隙間を通じて流体が漏洩す
ることが防止されるとともに、これらケーシング1とベ
ーン50とが熱膨張した場合に、これらケーシング1、
ベーン50の変形をシール片52・52により吸収し、
これらケーシング1とベーン50のベーン本体51とが
密着することが防止され、ロータ2の円滑な回転が維持
される。
【0025】(2) ベーン50のベーン本体51の各
側部に、側壁8・9に向けて弾性変形により付勢されか
つ該側壁と接触されるシール片52・52を該ベーン本
体51と一体に設けた、すなわち、一つの部材により、
シール片52・52を有するベーン50が構成されてい
るので、ロータ2の溝部5に該ベーン50を組み付ける
だけで、該ベーン50とケーシング1の側壁8・9とが
シールされ、従来のように、ベーンに磁石等の部材を取
り付けるベーン型流体機械と比較して、部品点数が少な
くて済み、かつ全体の組立作業も簡単に行うことが可能
となる。 (3) シール片52・52が側壁8・9を押圧するこ
とにより、ベーン本体51が側壁8・9に側方から保持
されることになるので、ベーン本体51の振動が抑えら
れ、これにより効率良い送液が可能となる。 (4) ベーン50のベーン本体51とシール片52・
52との間に切欠部53・53(図7、図8(a)、図
9参照)が形成され、これら切欠部53・53が、ベー
ン50の進行方向Mの前方側に向けて配置されているの
で、ベーン50の進行方向前方側の室(二次側)の圧力
が、該ベーン50の進行方向後方側の室(一次側)の圧
力より大きい場合、これら切欠部53・53内の高い圧
力の流体により、シール片52・52を外側に開かせる
ことができ、これによりシール片52・52がケーシン
グ1の側壁8・9に強く押し付けられて、ケーシング1
とベーン50との高いシール性を期待することができ
る。そして、この場合、ベーン50の進行方向前方側の
室(二次側)と、該ベーン50の進行方向後方側の室
(一次側)との圧力差が大きい程、シール片52・52
はケーシング1の側壁8・9に強く押し付けられること
になり、これによりベーン50に対して更に高いシール
性を期待できる。
【0026】なお、図7、図8(a)〜図8(c)、図
9のシール片52・52は、先端に向けて漸次厚さが薄
くなるように形成したものであるが、これに限定され
ず、図10(a)に示すように起端部から先端部まで略
同じ厚さのシール片54・54を設けても良い。また、
これに限定されず、図10(b)に示すようにベーン本
体51の各側部中央に、側部の長さ方向に沿う凸状のシ
ール片55・55を設けても良く、また、図10(c)
に示すようにベーン本体51の各側部の進行方向Mの前
方側に、外側に開くようにかつ先端に向けて漸次厚さが
薄くなるシール片56・56を設けても良い。また、こ
れに限定されず、図10(d)に示すように、ベーン本
体51の各側部の進行方向Mの後方側に、進行方向Mの
前方外側に開くようにかつ先端に向けて漸次厚さが薄く
なるシール片57・57と、ベーン本体51の各側部の
進行方向Mの前方側に、凸状のシール片58・58とを
並列するように設けても良い。
【0027】なお、これら図10(a)〜図10(d)
シール片54〜58は上述したポリフェニレンサルファ
イド等からなるプラスチックによりベーン本体51と一
体成形されたものであり、かつそれぞれが弾性を有する
ものであるので、これらベーン50をロータ2の溝部5
にそれぞれ組み付けた場合に、その弾性力(付勢力)に
より側壁8・9に押圧されて、ケーシング1の側壁8・
9とベーン本体51との間をシールするようになってい
る。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように第1の発
明によれば、ベーンのケーシングの側壁近傍に、該側壁
に向けて付勢されかつ該側壁と接触されるシール片を設
けるようにしたので、このシール片によって、ケーシン
グの側壁とベーンとの隙間を通じて流体が漏洩すること
が防止されるとともに、これらケーシングとベーンとが
熱膨張した場合に、これらケーシング、ベーンの変形を
シール片により吸収し、これらケーシングとベーンとが
密着することが防止される。また、この第1の発明で
は、ベーンのケーシングの側壁近傍に、該側壁に向けて
付勢されかつ該側壁と接触されるシール片を設けた構成
であるので、ベーンを構成する一対の構成片の間に磁石
を挟み込む従来のベーン型流体機械と比較して、ロータ
に対する組付作業が簡単になるという効果が得られる。
【0029】第2の発明によれば、ケーシングの側壁近
傍に位置するベーンに収納部を設け、この収納部内に、
一端側にシール体が形成され、かつ他端側にばね体がシ
ール体と一体に形成されたシール片を収納するように
し、さらに該シール片の他端側のばね体をベーン本体に
押し付け、これにより該シール片の一端側のシール体
を、前記ばね体の反発力によりケーシング側壁と接触さ
せて、該ケーシング側壁との間にシールを形成する。そ
して、このようなシール片により、ケーシングの側壁と
ベーンとの隙間を通じて流体が漏洩することが防止され
るとともに、これらケーシングとベーンとが熱膨張した
場合に、これらケーシング、ベーンの変形をシール片に
より吸収し、これらケーシングとベーンとが密着するこ
とが防止され、ロータの円滑な回転が維持される。ま
た、この第2の発明では、ベーンのケーシングの側壁近
傍に、該側壁に向けてばね付勢されかつ該側壁と接触さ
れるシール片を設けた構成であるので、ベーンを構成す
る一対の構成片の間に磁石を挟み込む従来のベーン型流
体機械と比較して、ロータに対する組付作業が簡単にな
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のベーン形流体機械を示す断面図。
【図2】図1をIIーII線で切断した断面図。
【図3】シール片の他の取り付け形態を示す(a)一部
断面図と、(b)IVーIV線で切断した断面図。
【図4】シール片のさらに他の取り付け状態を示す部分
断面図。
【図5】図1〜図4のシール片が適用される他の形式の
ベーン型流体機械を示す断面図。
【図6】図5をVI−VI線で切断した断面図。
【図7】第2実施例のベーンを示す斜視図。
【図8】第2実施例のベーンの(a)平面図、(b)正
面図、(c)側面図を示す図。
【図9】第2実施例のベーンと、側壁の間隔との各寸法
を示す図。
【図10】第2実施例に示すベーンの他の例を示す
(a)〜(d)平面図。
【図11】従来のベーン形流体機械の断面図。
【図12】図11をXIIーXII線で切断した断面
図。
【図13】図11をXIIIーXIII線で切断した断
面図。
【符号の説明】
1 ケーシング 1A 筒状部 1B 内周面 2 ロータ 3 駆動軸(回転軸) 8 側壁 9 側壁 20 ベーン 21 凹部(収納部) 22 凹部(収納部) 23 シール片 23A シール体 24 シール片 24A シール体 25 片持ばね(ばね体) 26 片持ばね(ばね体) 30 収納部 31 収納部 32 シール片 33 シール体 34 金属ばね体 50 ベーン 52 シール片 54 シール片 55 シール片 56 シール片 57 シール片 58 シール片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01F 3/00 7907−2F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行となるように互いに間隔を以て設け
    られた一対の側壁と、これら側壁を連結するように設け
    られ、かつ内周面が筒状に形成された筒状部とを有する
    ケーシングを具備し、 このケーシング内に、半径方向に沿って移動自在であり
    かつ該ケーシングの内周面に摺動されるベーンと、該ベ
    ーンを複数有するロータとを設け、該ロータを、偏心さ
    せた回転軸上で回転させるようにしたベーン形流体機械
    において、 前記ベーンの側壁近傍には、前記ケーシングの側壁に向
    けて付勢され、かつ該側壁との間にシールを形成するシ
    ール片が設けられていることを特徴とするベーン形流体
    機械。
  2. 【請求項2】 平行となるように互いに間隔を以て設け
    られた一対の側壁と、これら側壁を連結するように設け
    られ、かつ内周面が筒状に形成された筒状部とを有する
    ケーシングを具備し、 このケーシング内に、半径方向に沿って移動自在であり
    かつ該ケーシングの内周面に摺動されるベーンと、該ベ
    ーンを複数有するロータとを設け、該ロータを、偏心さ
    せた回転軸上で回転させるようにしたベーン形流体機械
    において、 前記ケーシングの側壁近傍に位置するベーンには収納部
    が設けられ、この収納部内には、一端側にシール体を有
    し、かつ他端側にばね体が前記シール体と一体に形成さ
    れたシール片が収納されてなり、 該シール片は、他端側のばね体がベーンに押し付けら
    れ、かつ一端側のシール体が前記ばね体の反発力によ
    り、ケーシングの側壁と接触されてシールを形成するこ
    とを特徴とするベーン形流体機械。
JP5106993A 1992-03-19 1993-03-11 ベーン形流体機械 Pending JPH06235384A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2009123376A1 (en) * 2008-03-31 2009-10-08 Hyuk-Jae Maeng Vane compressor having enhanced airtightness

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