JPH06234556A - 寒中施工用セメント組成物 - Google Patents
寒中施工用セメント組成物Info
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- JPH06234556A JPH06234556A JP2255593A JP2255593A JPH06234556A JP H06234556 A JPH06234556 A JP H06234556A JP 2255593 A JP2255593 A JP 2255593A JP 2255593 A JP2255593 A JP 2255593A JP H06234556 A JPH06234556 A JP H06234556A
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- Japan
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- cement
- water
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- ionic radius
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B22/00—Use of inorganic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. accelerators, shrinkage compensating agents
- C04B22/08—Acids or salts thereof
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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- C04B22/12—Acids or salts thereof containing halogen in the anion
- C04B22/124—Chlorides of ammonium or of the alkali or alkaline earth metals, e.g. calcium chloride
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 セメント含有水硬性材料を零下20℃で養生
したときでも凍害が起こらないような改良された寒中施
工用セメント組成物を提供する。 【構成】 結晶イオン半径の3倍以上の水和イオン半径
を示す陽イオン、例えば、Liイオン等を放出し得る化合
物とセメントからなる組成物。
したときでも凍害が起こらないような改良された寒中施
工用セメント組成物を提供する。 【構成】 結晶イオン半径の3倍以上の水和イオン半径
を示す陽イオン、例えば、Liイオン等を放出し得る化合
物とセメントからなる組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水の凍結が起こる如き
寒中に行われる施工用セメント組成物に関する。
寒中に行われる施工用セメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントペースト、モルタル、コンクリ
ート等水硬性材料の硬化は、セメント粒子の水和反応が
適切に進行することによって起こり、一般に充分な強度
を有する硬化物は、混練水の凍結が起こらないような養
生によって得られている。そして所期の強度が発現する
までに、所謂初期凍害が起こるとその後に適切な養生を
行っても強度が回復することなく、著しく耐久性の劣っ
たものとなることが知られている。
ート等水硬性材料の硬化は、セメント粒子の水和反応が
適切に進行することによって起こり、一般に充分な強度
を有する硬化物は、混練水の凍結が起こらないような養
生によって得られている。そして所期の強度が発現する
までに、所謂初期凍害が起こるとその後に適切な養生を
行っても強度が回復することなく、著しく耐久性の劣っ
たものとなることが知られている。
【0003】そこで、混練水の凍結が起こり易い寒冷地
又は寒中では、打設コンクリートがその打設直後から初
期養生にわたる期間に凍害を受けないように、打設コン
クリートに加温養生や保温養生が施される。また、この
ような凍害を防ぐために、塩化カルシウム等塩化物を主
成分とする混和剤をコンクリート配合物に大量に添加し
て、混練水の凍結温度を低下させると共に硬化を促進さ
せる方法も行われている。
又は寒中では、打設コンクリートがその打設直後から初
期養生にわたる期間に凍害を受けないように、打設コン
クリートに加温養生や保温養生が施される。また、この
ような凍害を防ぐために、塩化カルシウム等塩化物を主
成分とする混和剤をコンクリート配合物に大量に添加し
て、混練水の凍結温度を低下させると共に硬化を促進さ
せる方法も行われている。
【0004】特開昭57-88055号公報、特開昭58-199760
号公報には、スルホン化メラミンホルムアルデヒド縮合
物の水溶性塩又は芳香族炭化水素スルホン酸ホルムアル
デヒド縮合物の水溶性塩と、硝酸塩、亜硝酸塩および尿
素よりなる群より選ばれる化合物の1種又は2種以上と
の混合物を寒中コンクリート用混和剤として使う方法が
提案されている。
号公報には、スルホン化メラミンホルムアルデヒド縮合
物の水溶性塩又は芳香族炭化水素スルホン酸ホルムアル
デヒド縮合物の水溶性塩と、硝酸塩、亜硝酸塩および尿
素よりなる群より選ばれる化合物の1種又は2種以上と
の混合物を寒中コンクリート用混和剤として使う方法が
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記加温養生や保温養
生を行う方法は、その為の設備が必要となり、温度管理
等にも手間が掛かるため、通常のコンクリート施工に比
べて一般に効率的でない。また、上記塩化カルシウム等
の塩化物を主成分とする混和剤は、コンクリート構造物
が鉄筋を内蔵するときは、その腐食を起こさせる。
生を行う方法は、その為の設備が必要となり、温度管理
等にも手間が掛かるため、通常のコンクリート施工に比
べて一般に効率的でない。また、上記塩化カルシウム等
の塩化物を主成分とする混和剤は、コンクリート構造物
が鉄筋を内蔵するときは、その腐食を起こさせる。
【0006】上記特開昭57-88055号公報、特開昭58-199
760 号公報等に記載のスルホン化メラミンホルムアルデ
ヒド縮合物の水溶性塩、芳香族炭化水素スルホン酸ホル
ムアルデヒド縮合物の水溶性塩等は通常ナトリウム塩で
あり、これに併用される硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシ
ウム等通常の硝酸塩、亜硝酸塩或いは尿素等は、低温時
の強度促進効果を充分に発揮しない。
760 号公報等に記載のスルホン化メラミンホルムアルデ
ヒド縮合物の水溶性塩、芳香族炭化水素スルホン酸ホル
ムアルデヒド縮合物の水溶性塩等は通常ナトリウム塩で
あり、これに併用される硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシ
ウム等通常の硝酸塩、亜硝酸塩或いは尿素等は、低温時
の強度促進効果を充分に発揮しない。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点を
解消しようとするものであって、水の氷点〜零下20℃
の寒中施工においても凍害が起こらないという顕著に改
良された性質を有する寒中施工用セメント組成物を提供
することを目的とする。
解消しようとするものであって、水の氷点〜零下20℃
の寒中施工においても凍害が起こらないという顕著に改
良された性質を有する寒中施工用セメント組成物を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の寒中施工用セメ
ント組成物は、結晶イオン半径の3倍以上の水和イオン
半径を示す陽イオンを放出し得る化合物とセメントとを
含有することを特徴とする。本発明のセメント組成物に
用いられるセメントは、通常のセメントペースト、モル
タル、コンクリート等水硬性セメント材料として用いら
れるセメントであり、例えば、普通ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント、高炉セメント等の混合
セメント、白色セメント、水硬性石灰等が挙げられる。
ント組成物は、結晶イオン半径の3倍以上の水和イオン
半径を示す陽イオンを放出し得る化合物とセメントとを
含有することを特徴とする。本発明のセメント組成物に
用いられるセメントは、通常のセメントペースト、モル
タル、コンクリート等水硬性セメント材料として用いら
れるセメントであり、例えば、普通ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント、高炉セメント等の混合
セメント、白色セメント、水硬性石灰等が挙げられる。
【0009】結晶イオン半径は、イオン結合による結晶
の中のイオンの半径であり、そして水和イオン半径は、
水溶液中で、イオンが水分子と結合して水和イオンとし
て存在しているときの水和イオンの半径を意味する。こ
れら結晶イオン半径及び水和イオン半径は、通常の用語
で知られているものであり、その具体値は、例えば、19
92年共立出版株式会社発行の大瀧仁志による「イオンの
水和」と題する著書第54〜56頁に記載されている。
の中のイオンの半径であり、そして水和イオン半径は、
水溶液中で、イオンが水分子と結合して水和イオンとし
て存在しているときの水和イオンの半径を意味する。こ
れら結晶イオン半径及び水和イオン半径は、通常の用語
で知られているものであり、その具体値は、例えば、19
92年共立出版株式会社発行の大瀧仁志による「イオンの
水和」と題する著書第54〜56頁に記載されている。
【0010】結晶イオン半径の3倍以上の水和イオン半
径を示す陽イオンの具体例としては、Be2+、Mg2+、Li+
等が挙げられる。このような陽イオンを放出し得る化合
物は、水に溶解したときイオン解離してこのような陽イ
オンを水中に形成するものであればよく特に制限はない
が、良好な水溶性を示す無機化合物が好ましい。このよ
うな無機化合物中の陰イオンとしては、硝酸イオン、亜
硝酸イオン、硫酸イオン、燐酸イオン、酢酸イオン、塩
化物イオン等が挙げられ、さらにこれらの高次構造の陰
イオンでもよい。
径を示す陽イオンの具体例としては、Be2+、Mg2+、Li+
等が挙げられる。このような陽イオンを放出し得る化合
物は、水に溶解したときイオン解離してこのような陽イ
オンを水中に形成するものであればよく特に制限はない
が、良好な水溶性を示す無機化合物が好ましい。このよ
うな無機化合物中の陰イオンとしては、硝酸イオン、亜
硝酸イオン、硫酸イオン、燐酸イオン、酢酸イオン、塩
化物イオン等が挙げられ、さらにこれらの高次構造の陰
イオンでもよい。
【0011】このような陽イオンを放出し得る化合物の
好ましい例としては、硝酸ベリリウム、硝酸マグネシウ
ム、硝酸リチウム、亜硝酸ベリリウム、亜硝酸マグネシ
ウム、亜硝酸リチウム等が挙げられる。特に、セメント
組成物用としては、亜硝酸リチウム及び硝酸リチウムが
好適である。この陽イオンを放出し得る化合物は、上記
セメント 1000 g に対して、陽イオンとして0.05〜2.0
モル、好ましくは 0.5〜2.0 モル程度添加するのがよ
い。この添加は、通常のセメントペースト、モルタル、
コンクリート等の混練の際に行うことができる。好まし
くは、この陽イオンを放出し得る化合物は、0.1 重量%
〜飽和溶解度の濃度の水溶液として使用するのがよい。
また、他の添加剤との混合物として使用することもでき
る。
好ましい例としては、硝酸ベリリウム、硝酸マグネシウ
ム、硝酸リチウム、亜硝酸ベリリウム、亜硝酸マグネシ
ウム、亜硝酸リチウム等が挙げられる。特に、セメント
組成物用としては、亜硝酸リチウム及び硝酸リチウムが
好適である。この陽イオンを放出し得る化合物は、上記
セメント 1000 g に対して、陽イオンとして0.05〜2.0
モル、好ましくは 0.5〜2.0 モル程度添加するのがよ
い。この添加は、通常のセメントペースト、モルタル、
コンクリート等の混練の際に行うことができる。好まし
くは、この陽イオンを放出し得る化合物は、0.1 重量%
〜飽和溶解度の濃度の水溶液として使用するのがよい。
また、他の添加剤との混合物として使用することもでき
る。
【0012】本発明の寒中施工用セメント組成物には、
本発明の目的が達成される限り他の任意の成分、例え
ば、細骨材、粗骨材、混練水、添加剤等を含有させても
よい。添加剤の例としては、通常コンクリート、モルタ
ル、セメントペースト等に用いられるAE剤、例えば、
天然樹脂族カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、α
−オレフィンスルホン酸塩等の界面活性剤;AE減水
剤、例えば、リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸
塩、ポリオール、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩等;高性能減水剤或いは高性
能AE減水剤、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムア
ルデヒド縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒ
ド縮合物塩、アルキルアリルスルホン酸塩、オキシカル
ボン酸塩、ポリカルボン酸塩;亜硝酸塩、硫酸塩、チオ
シアン酸塩等の硬化促進剤;亜硝酸塩等の防錆剤;セル
ロース系又はアクリル系の増粘剤;その他合成樹脂、合
成ゴム等の高分子水性エマルジョンが挙げられる。
本発明の目的が達成される限り他の任意の成分、例え
ば、細骨材、粗骨材、混練水、添加剤等を含有させても
よい。添加剤の例としては、通常コンクリート、モルタ
ル、セメントペースト等に用いられるAE剤、例えば、
天然樹脂族カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、α
−オレフィンスルホン酸塩等の界面活性剤;AE減水
剤、例えば、リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸
塩、ポリオール、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩等;高性能減水剤或いは高性
能AE減水剤、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムア
ルデヒド縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒ
ド縮合物塩、アルキルアリルスルホン酸塩、オキシカル
ボン酸塩、ポリカルボン酸塩;亜硝酸塩、硫酸塩、チオ
シアン酸塩等の硬化促進剤;亜硝酸塩等の防錆剤;セル
ロース系又はアクリル系の増粘剤;その他合成樹脂、合
成ゴム等の高分子水性エマルジョンが挙げられる。
【0013】
【作用】セメントペースト、モルタル、コンクリート等
水硬性材料の寒中施工において、初期凍害を防ぐ為にこ
の材料中に添加される無機塩は、この材料中の水の凝固
点を降下させる。従って、特に低温の寒中では、多量の
無機塩、例えば塩化カルシウムの添加が必要となる。
水硬性材料の寒中施工において、初期凍害を防ぐ為にこ
の材料中に添加される無機塩は、この材料中の水の凝固
点を降下させる。従って、特に低温の寒中では、多量の
無機塩、例えば塩化カルシウムの添加が必要となる。
【0014】しかし、意外なことに、前記の如き水溶性
のリチウム塩、マグネシウム塩、ベリリウム塩等特定の
塩類は、その少量添加によって零下20℃でも初期凍害を
生起させないという高い初期凍害防止効果を有すること
が見出された。そして研究の結果、この高い初期凍害防
止効果はこれら化合物の陰イオンに原因するのではな
く、その陽イオンによることが判明した。
のリチウム塩、マグネシウム塩、ベリリウム塩等特定の
塩類は、その少量添加によって零下20℃でも初期凍害を
生起させないという高い初期凍害防止効果を有すること
が見出された。そして研究の結果、この高い初期凍害防
止効果はこれら化合物の陰イオンに原因するのではな
く、その陽イオンによることが判明した。
【0015】この効果については、結晶イオン半径に対
して著しく大きい水和イオン半径を示す如き陽イオン
は、その陽イオンの周囲に水分子を引きつける力が強い
為に、この陽イオンを含有する水はその密度が高まり、
この水の凝固点を著しく低下させるものと考えられる。
けれども、顕著に有効な陽イオンは、水中の水和イオン
半径が結晶イオン半径の3倍以上である如き陽イオンで
あり、そしてセメント組成物に添加するときは、その陽
イオンの添加量がセメント 1000 g に対して0.05モル以
下では、初期凍害防止効果が充分でなく、また、この添
加量が反対にセメント 1000 g に対して2.0 モル以上で
はその割りには付加的利益が得られない。
して著しく大きい水和イオン半径を示す如き陽イオン
は、その陽イオンの周囲に水分子を引きつける力が強い
為に、この陽イオンを含有する水はその密度が高まり、
この水の凝固点を著しく低下させるものと考えられる。
けれども、顕著に有効な陽イオンは、水中の水和イオン
半径が結晶イオン半径の3倍以上である如き陽イオンで
あり、そしてセメント組成物に添加するときは、その陽
イオンの添加量がセメント 1000 g に対して0.05モル以
下では、初期凍害防止効果が充分でなく、また、この添
加量が反対にセメント 1000 g に対して2.0 モル以上で
はその割りには付加的利益が得られない。
【0016】特に、リチウム、マグネシウム又はベリリ
ウムの硝酸塩又は亜硝酸塩は、セメント組成物中の金属
腐食、水溶解度、セメントの凝結、セメント硬化物の物
性等に実用上好ましい結果を与える。
ウムの硝酸塩又は亜硝酸塩は、セメント組成物中の金属
腐食、水溶解度、セメントの凝結、セメント硬化物の物
性等に実用上好ましい結果を与える。
【0017】
【実施例】水硬性セメントとして普通ポルトランドセメ
ントを、細骨材には川砂を、混練水には蒸留水を、無機
塩としては亜硝酸リチウム以外のものは試薬1級品を、
それぞれ用意した。亜硝酸リチウムは 40 重量% 水溶液
を用意した。水/セメント比50% 、及び砂/セメント比
2/1 の一定として、予め無機塩を溶解しておいた混練
水、セメント及び砂を 0℃に保存しておき、混練の直前
に取り出して、モルタルミキサーを用いて20℃の室内で
約 5分間混練を行った。次いで4cm×4cm×16cmの型枠
に供試体を打設し、零下 20 ℃で7日間養生を行った。
ントを、細骨材には川砂を、混練水には蒸留水を、無機
塩としては亜硝酸リチウム以外のものは試薬1級品を、
それぞれ用意した。亜硝酸リチウムは 40 重量% 水溶液
を用意した。水/セメント比50% 、及び砂/セメント比
2/1 の一定として、予め無機塩を溶解しておいた混練
水、セメント及び砂を 0℃に保存しておき、混練の直前
に取り出して、モルタルミキサーを用いて20℃の室内で
約 5分間混練を行った。次いで4cm×4cm×16cmの型枠
に供試体を打設し、零下 20 ℃で7日間養生を行った。
【0018】養生が終わった供試体は、脱型後20℃で 3
時間放置して解凍し、直ちに圧縮強度試験に供した。試
験結果は第1表に示す。この表中、無機塩の添加量は、
セメント1kgに対する陽イオンの添加モル数を表す。実
験No.1は無機塩を添加しなかった例である。 第1表 実験 無機塩 硬化物の強度 No. 種類 添加量 (kgf/cm2) 1 ── ─── 0 2 LiCl 0.2 6 3 LiCl 0.5 14 4 LiCl 1.0 26 5 LiNO2 0.2 4 6 LiNO2 0.5 12 7 LiNO2 1.0 22 8 NaCl 0.2 1 9 NaCl 0.5 3 10 NaNO2 0.2 1 11 NaNO2 0.5 2 12 MgCl2 0.2 3 13 MgCl2 0.5 6 15 Mg(NO2)2 0.2 2 16 Mg(NO2)2 0.5 6 17 Ca(NO2)2 0.2 2 18 Ca(NO2)2 0.5 3 25℃において、結晶イオン半径に対する水和イオン半径
の比率は、Liでは 3.3、Naでは 1.6、Mgでは 4.1、Caで
は 2.7である。従って、第1表の結果は、結晶イオン半
径の3倍以上の水和イオン半径を示すリチウム及びマグ
ネシウムの無機塩のみが零下20℃の養生の後でも高強
度を発現していることを示している。
時間放置して解凍し、直ちに圧縮強度試験に供した。試
験結果は第1表に示す。この表中、無機塩の添加量は、
セメント1kgに対する陽イオンの添加モル数を表す。実
験No.1は無機塩を添加しなかった例である。 第1表 実験 無機塩 硬化物の強度 No. 種類 添加量 (kgf/cm2) 1 ── ─── 0 2 LiCl 0.2 6 3 LiCl 0.5 14 4 LiCl 1.0 26 5 LiNO2 0.2 4 6 LiNO2 0.5 12 7 LiNO2 1.0 22 8 NaCl 0.2 1 9 NaCl 0.5 3 10 NaNO2 0.2 1 11 NaNO2 0.5 2 12 MgCl2 0.2 3 13 MgCl2 0.5 6 15 Mg(NO2)2 0.2 2 16 Mg(NO2)2 0.5 6 17 Ca(NO2)2 0.2 2 18 Ca(NO2)2 0.5 3 25℃において、結晶イオン半径に対する水和イオン半径
の比率は、Liでは 3.3、Naでは 1.6、Mgでは 4.1、Caで
は 2.7である。従って、第1表の結果は、結晶イオン半
径の3倍以上の水和イオン半径を示すリチウム及びマグ
ネシウムの無機塩のみが零下20℃の養生の後でも高強
度を発現していることを示している。
【0019】
【発明の効果】本発明のセメント組成物は、通常の方法
でセメントペースト、モルタル、コンクリート等水硬性
材料を調製することができ、そして通常の方法で施工す
ることができる。特にこの組成物は寒中施工用に適し、
保温、加温等の特別な措置をとらなくても、零下20℃
の寒中で通常のコンクリート施工を行うことができ、そ
してその硬化物は充分な強度を示す。
でセメントペースト、モルタル、コンクリート等水硬性
材料を調製することができ、そして通常の方法で施工す
ることができる。特にこの組成物は寒中施工用に適し、
保温、加温等の特別な措置をとらなくても、零下20℃
の寒中で通常のコンクリート施工を行うことができ、そ
してその硬化物は充分な強度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:08) B 2102−4G
Claims (1)
- 【請求項1】 結晶イオン半径の3倍以上の水和イオン
半径を示す陽イオンを放出し得る化合物とセメントとを
含有することを特徴とする寒中施工用セメント組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2255593A JPH06234556A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 寒中施工用セメント組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2255593A JPH06234556A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 寒中施工用セメント組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06234556A true JPH06234556A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12086106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2255593A Pending JPH06234556A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 寒中施工用セメント組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06234556A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019147736A (ja) * | 2019-04-11 | 2019-09-05 | 株式会社安藤・間 | コンクリート、モルタルの湿潤養生水、及びこれを用いたコンクリート、モルタルの養生方法 |
WO2021039133A1 (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-04 | 日本高圧コンクリート株式会社 | セメント系グラウト材およびその施工方法 |
JP2024058511A (ja) * | 2022-10-13 | 2024-04-25 | 黒沢建設株式会社 | セメントペースト、及び、冬季用pcグラウトの施工方法 |
-
1993
- 1993-02-10 JP JP2255593A patent/JPH06234556A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019147736A (ja) * | 2019-04-11 | 2019-09-05 | 株式会社安藤・間 | コンクリート、モルタルの湿潤養生水、及びこれを用いたコンクリート、モルタルの養生方法 |
WO2021039133A1 (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-04 | 日本高圧コンクリート株式会社 | セメント系グラウト材およびその施工方法 |
EP4019480A4 (en) * | 2019-08-23 | 2023-09-06 | Nippon High Strength Concrete Co., Ltd. | CEMENT MORTAR MATERIAL AND METHOD FOR INSTALLING THE SAME |
JP2024058511A (ja) * | 2022-10-13 | 2024-04-25 | 黒沢建設株式会社 | セメントペースト、及び、冬季用pcグラウトの施工方法 |
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