JPH06233500A - 電動機用のブラシ組立体 - Google Patents

電動機用のブラシ組立体

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JPH06233500A
JPH06233500A JP5321846A JP32184693A JPH06233500A JP H06233500 A JPH06233500 A JP H06233500A JP 5321846 A JP5321846 A JP 5321846A JP 32184693 A JP32184693 A JP 32184693A JP H06233500 A JPH06233500 A JP H06233500A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低電圧用の炭素整流子をもつ電動機において
短いブラシに対し安定なブラシ位置を与えるブラシ組立
体を提供する。 【構成】 電動機用のブラシ組立体は、ブラシ(20)と、
ブラシ端子(30)と、ブラシスプリング(40)とを有してい
る。ブラシスプリングは弾力性導電性材料の細長いスト
リップ(41)から形成され、その端はブラシ端子に固定さ
れてループを形成しそしてその中間部はブラシに固定さ
れて、ブラシをブラシ端子に電気的に接続すると共に、
ブラシを電動機の整流子に接触するように押しやる。ブ
ラシを整流子に案内するためのブラシガイド手段は、ガ
イドピン(51)を備え、その一端(52)はブラシ端子に固定
され、更に、ブラシに形成されたガイドホール(21)と共
働して、整流子(11)に対するブラシの位置を定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電動機用のブラシ組立
体に係り、より詳細には、例えば、低電圧用の炭素整流
子をもつ電動機において短いブラシに対してブラシを安
定に位置設定し、しかも予想される摩耗が僅かであるよ
うなブラシ組立体に係る。
【０００２】
【従来の技術】公知のブラシ組立体は、一般に、２つの
主たる形式があり、即ちリーフアームに取り付けられる
ブラシであるか又はかご型ブラシのようなガイド式ブラ
シである。リーフ型のブラシは構造は簡単であるが、電
気ノイズが問題であるときにはガイド型のブラシが好ま
しい。１つの電気ノイズ源は、ブラシが整流子即ちスリ
ップリングのブラシ路において凸凹に遭遇するときにブ
ラシの側部が浮動し反発することによるものである。リ
ーフ型ブラシは、整流子の表面上で常時その位置が変化
する。これはガイド型ブラシ組立体を使用することによ
り減少される。
【０００３】整流子を有する電動機用の既知のガイド式
ブラシ組立体は、整流子とスライド接触するブラシと、
ブラシ端子と、ブラシを整流子に接触するように押しや
るブラシスプリングと、ブラシを整流子に向けて案内す
るブラシガイド手段とを備えている。
【０００４】一般に、ブラシガイド手段は、ブラシを４
つの側部で包囲するかごであり、ブラシはかごに緩くス
ライド嵌合される。かごは整流子に隣接して開いた端を
有しており、ブラシスプリングはブラシをその反対端か
ら離すように押しやる。特に低電圧用途ではスプリング
もかごもブラシに充分に電気的接触しないので、ブラシ
をブラシ端子に電気的に接続するためにブラシテイル即
ちシャントが必要とされる。
【０００５】かご型ブラシ組立体のブラシは、通常は、
長いブラシである。これらは、電動機の寿命中にブラシ
に相当の摩耗が予想される状態において使用されるもの
で、スプリングは、この予想される摩耗の範囲にわたっ
て一定のスプリング張力を与える長さである。ブラシの
シャントは、整流子から離れた方のブラシ端（非作用
端）に埋設されることによりブラシに接続される。ブラ
シの寿命の終わりに、シャントは露出してはならない。
というのは、シャントが整流子に接触して整流子表面に
損傷を招くからである。この接続には、ブラシのかなり
の部分が必要とされる。これは、一般に、かご内におけ
るブラシの不整列を回避するためにかご自体がブラシの
最小長さ（デッド長さ）しか必要としないことによって
許容されているが、その結果、ブラシがジャミング状態
になることがあり、従って、整流子に満足に接触しない
ことになる。そこで、このような構成は、著しいサイズ
の組立体を必要とすることが明らかである。
【０００６】それ故、低ノイズ、低摩耗状態において、
かご型ブラシ組立体は、予想される摩耗に比して相当の
サイズのブラシ長さを必要とする。通常のリーフ型のブ
ラシ構成体は、接触スプリング力を与えるためにブラシ
アームをできるだけ長くする必要があるために、低ノイ
ズ状態には適していない。この構成は、短いブラシを満
足に取り扱うことはできるが、本来不安定で、著しい量
のノイズを生じる。
【０００７】ＧＢ０３４５５２３Ａは、ブラシをブラシ
組立体のフレームに接続するピンの周りに配置されたコ
イルスプリングによってブラシが整流子に向かって押し
やられるようなガイド式ブラシ組立体を開示している。
整流子の表面の周囲でブラシが動くのを防止するために
ブラシの側部には屈曲した板バネが設けられている。こ
の構造は複雑であって、コイルスプリング、埋設された
シャントを有するブラシ、ブラシ端に固定されたピン、
ブラシ組み立てフレーム及び個別のブラシ端子を必要と
する。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】そこで、低摩耗状態で
使用するための短いブラシを取り扱うことができると共
に安定又は適度に安定なブラシ位置を与えるブラシ組立
体が要望されている。
【０００９】本発明の目的は、公知のブラシ組立体の欠
点を少なくとも軽減し、特に、安定又は比較的安定なブ
ラシ位置を与えるブラシ組立体を提供することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ブラシを整
流子即ちスリップリングに向けて案内するようにホール
と共働するガイドピンより成るブラシガイド手段を備え
たブラシ組立体を提供することによって達成される。
【００１１】従って、本発明は、ブラシと、ブラシ端子
と、上記ブラシを整流子に接触するよう押しやると共に
ブラシをブラシ端子に電気的に接続するスプリングと、
ブラシを整流子へ案内するようにガイドホールと共働す
るガイドピンを含んだブラシガイド手段とを備えたブラ
シ組立体を提供する。
【００１２】好ましくは、ガイドピンの周りでブラシが
回転するのを防止する手段が設けられる。これは、スプ
リングによって最も便利に達成される。
【００１３】好ましくは、スプリングは、弾力性導電性
材料のストリップで形成されたブラシリーフであって、
ブラシ端子に固定される２つの端と、ブラシが取り付け
られる中間部分とを有し、従って、スプリングはループ
として形成される。
【００１４】ループ状のリーフスプリングは、リーフの
「自由」端を「固定」することにより、通常の即ち浮動
式のリーフブラシ組立体に比して比較的安定なブラシ位
置を与える。両端を共通点であるブラシ端子に固定する
ことにより、電動機のエンドキャップ又はブラシホルダ
に取り付ける前に組立を完成できるようにすることによ
って構造が簡単化される。ブラシ端子を正確に取り付け
ることにより、ブラシ組立体が正確に配置される。
【００１５】ループ式のブラシリーフは、リーフの各半
分が「Ｕ」の字を形成するように理想的にセットされた
永久的なセットで形成されるのが便利であるが、Ｖ字型
半部分又は非セットのリーフを含む他の構成も考えられ
る。
【００１６】電動機を両方向に駆動すべき場合には、横
断平面に対してリーフを対称的にするのが効果的である
が、単一方向電動機の場合には、リーフの一方の半分の
方が他方の半分よりも強く又は短くしてブラシに対して
非均一なバイアスを与え、電動機の運転特性に影響を及
ぼすようにするか、整流子等によりブラシに課せられる
抗力に反作用を及ぼすようにする。
【００１７】ガイドがブラシの向きと位置を維持するの
で、スプリングはループ状である必要はない。スプリン
グはリーフ型のスプリングであってもよく、上記したル
ープ型リーフの半分に類似してもよく、永久セットを伴
っても伴わなくてもよい。従って、スプリングは、ガイ
ドピンの軸方向にブラシを押しやるようにブラシに作用
する。しかしながら、この実施例では、使用中に、ガイ
ドピンに働く力が整流子とブラシとの間の抗力により実
質的に横方向に形成されるので、ループ状のブラシリー
フが好ましい。
【００１８】好ましくは、ブラシにガイドホールが形成
されそしてガイドピンの一端はブラシ端子にしっかりと
取り付けられ、ピンはガイドホール内に適切にスライド
嵌合される。
【００１９】使用中にガイドピンの自由端が配置される
領域においてブラシに間隙が設けられるのが好ましい。
この間隙は、ガイドピンの端とガイドホールの内面が接
触するのを回避し、さもなくば、ガイドホールの摩擦を
招く。この間隙は、ガイドホールにおける端ぐりの形態
であるか又はブラシのベースを横切って形成されたチャ
ンネルである。
【００２０】このチャンネルは、もしこのように形成さ
れた場合には、整流子を挿入するようにブラシを持ち上
げる便利な方法をもたらすという付加的な効果をもつ。
又、摩耗についての迅速な視覚指示も与える。又、ブラ
シの交差抵抗を増加し、周囲方向に離間された第１及び
第２の整流子接触部分を設けることによりブラシの構造
理論上ある程度の効果を与える。
【００２１】交差抵抗とは、整流子のある接触面から別
の接触面へ或いはブラシの接触面の先縁から後縁へと測
定したブラシの電気抵抗である。貫通ブラシ抵抗とは、
接触面とブラシコネクタ（リーフスプリング又はシャン
ト）との間で測定したブラシの電気抵抗であり、即ちブ
ラシを貫通する電流路の抵抗である。不都合にも、ブラ
シが２つの整流子セグメントに実質的に等しくまたがる
点で通常は最大の整流が生じ、ブラシを横切る大きな短
絡電流を招く。ブラシの交差抵抗を増加することによ
り、この短絡作用を減少することができ、ひいては、ブ
ラシがあるセグメントから次のセグメントへ移行すると
きに生じる火花を減少することができる。しかながら、
交差抵抗を増加するよう試みる一方、貫通抵抗をできだ
け低く維持することが重要である。というのは、これが
電動機の電力に影響を及ぼすからである。
【００２２】単一方向の電動機にこのブラシを使用する
場合には、第１の接触部分が第２の接触部分よりも大き
な断面積をもち、断面を更に増大する。
【００２３】従って、この構造では、異なる材料の区分
を使用しなくてもブラシの交差抵抗を単純に増加するこ
とができる。
【００２４】ブラシのベースをＶ字型に形成することに
より、ブラシは整流子と２本の接触線をもつことにな
る。これらの接触線がブラシの外縁とＶの字のアームに
沿った中間点との間にくるようにＶの字の形状を選択し
た場合には、広いベースであることから安定したブラシ
接触が形成される。しかしながら、接触線がアームの中
間点に接近する場合には、整流子セグメントの縁に対す
る摩擦を回避するためにブラシの先縁を面取りする必要
がない。
【００２５】ガイドピンは中空であってもよい。これ
は、ブラシ／整流子の潤滑油の経路を設けたり或いは整
流子の表面に接近して光ファイバを支持したりといった
付加的な機能にガイドピンを使用できるようにする。こ
のように支持される光ファイバは、位置モニタに関連し
て多セグメント電動機のセグメントをカウントするよう
に使用されてもよいし、又は整流子表面の温度を監視す
るように赤外線温度検出器と共に使用されてもよい。
【００２６】好ましくは、ブラシリーフは、ブラシ端子
に固定される端と、ブラシが取り付けられる場所との間
でストリップに形成されたスロット又は一連のホールを
有している。スロットは、端を２つに分割するものであ
れば、盲スロットでも開放スロットでもよい。ループ状
のブラシリーフの場合には、リーフの両半部分にスロッ
トが形成される。スロットは、スプリングの張力を減少
すると共に、リーフを形成又は取り付けるときに生じる
ブラシスプリング内の内部張力を緩和するのに使用さ
れ、さもなくば、ブラシのねじれを招く。しかしなが
ら、ブラシリーフの断面積は、ブラシによって搬送され
る電動機の予想最大電流を搬送するに充分なものでなけ
ればならない。
【００２７】リーフにはフィンガが形成され、該フィン
ガは、ブラシ端子に解除可能に係合してブラシを引っ込
んだ位置に保持することができる。これは、電動機が組
み立てられる間そして少なくとも回転子がエンドキャッ
プに取り付けられる間に、ブラシを引っ込んだ位置に保
持できるようにし、従って、ブラシは整流子から離れて
保持され、次いで、解除されて、整流子に係合すること
ができる。これは、他のブラシ持ち上げ技術の必要性を
回避するものである。このフィンガは、一方又は両方の
スロットを形成するか或いはブラシをリーフに取り付け
るためのホールを形成するために除去されるブラシリー
フの材料から形成することができる。２つ以上のフィン
ガを設けることができるが、１つで充分であると考えら
れる。
【００２８】
【実施例】以下、添付図面を参照し、本発明の好ましい
ブラシ組立体を一例として詳細に説明する。図１及び２
に示すように、好ましいブラシ組立体１０は、整流子
（即ちスリップリング）１１にスライド接触するよう配
置されたブラシ２０と、一般的にプレート状のブラシ端
子３０と、ブラシを整流子に接触するように押しやるだ
けでなくブラシをブラシ端子３０に電気的に接続もする
スプリング４０とを備えている。
【００２９】ブラシガイド手段はガイドピン５１を備
え、これは、ブラシ端子３０に形成されたボス３１に圧
入される固定端５２と、自由端５３とを有している。ガ
イドピン５１は、ブラシに形成されたガイドホール２１
と共働し、ブラシを整流子１１に向けて案内する。ガイ
ドピン５１は、整流子に対するブラシの位置を安定な状
態で位置付けるためにガイドホール２１内にきちんとス
ライド嵌合される。
【００３０】ガイドピンは中空であってもよい。図２に
おいて、ガイドピン５１は、軸方向に延びる貫通ホール
９０をもつように示されている。このホールは、ブラシ
又は整流子を電気的に汚すおそれなく整流子の表面に接
近した安定な配置を与えるといった多数の用途を有す
る。このような用途は、整流子とブラシとを潤滑するの
に使用される整流子潤滑剤の経路を形成することを含
む。これは、ガイドピンの端が整流子の表面に接近する
ことにより可能となる。別の用途は、整流子の表面に接
近して光ファイバを取り付ける手段を構成することであ
り、この光ファイバは、適当な制御回路と共に、回転子
の角度位置、回転子の回転速度、回転子の回転数及び／
又は整流子の表面温度を監視するのに使用できる。
【００３１】ブラシのベース２３を横切ってチャンネル
２２が形成され、これは、電動機の組み立て中に使用さ
れる持ち上げフィンガが、回転子にエンドキャップを取
り付けるときに、ブラシを持ち上げて整流子から離すた
めの経路を構成する。又、このチャンネルは、摩耗の視
覚指示も与える。使用中、ピン５１の自由端５３は、ガ
イドホール２１の内面を摩擦するのを回避するためにこ
のチャンネルに配置される。
【００３２】ブラシ２０のベース２３は、Ｖ字型であ
り、Ｖの字の尖端がチャンネル２２に一致している。こ
の構成は、ブラシと整流子との間に２つの離間された接
触線１５を設けることによって安定なブラシ接触を与
え、これら接触線は急速に摩耗して２つの接触面域を構
成する。
【００３３】ブラシの頂部には単一の城壁状部分２４が
設けられており、これはブラシ取付ホール４５を貫通
し、図４に明確に示すようにブラシをブラシスプリング
４０に固定する。傾斜部２５は、ブラシをホールに通し
易くする。
【００３４】スプリング４０は、ベリリウム銅のような
弾力性導電性材料の細長いストリップ４１で形成された
ブラシリーフである。このスプリングは、図１及び２に
示すように、その両端４２、４３がブラシ端子に接続さ
れた両側式、即ちループ状に形成されたものであるか、
或いは図３に示すように、一方の端４２のみがブラシ端
子に接続され、他端４３はフリーのままである片側式か
のいずれかである。
【００３５】固定端には、スプリングをリベット止めに
よってブラシ端子３０に固定するためのホール４９が設
けられている。中間部分４４にはブラシ取付ホール４５
が形成されている。ホールの縁は弾力性のタブ４６を形
成し、これは、ブラシをホールに押し込んだときにブラ
シの城壁状部分２４を把持して電気的接触を確立すると
共にその引く抜きを防止する。
【００３６】取付ホール４５に隣接してストリップの縁
に沿ってリブ４８が形成され、この領域を強化及び堅牢
にする。さもなくば、この領域は、取付ホールを設ける
ことによって相当に弱くなってしまう。
【００３７】図２のスプリングには、ブラシ取り付けホ
ール４５と端部３２、４３との間で両側にスロットが設
けられている。スロットは内部張力を解放し、さもなく
ば、スプリングがねじれることによりブラシがねじれる
ことなる。又、スロットは、スプリングの張力を変えら
れるようにし、スロットのサイズは、特定用途に必要と
されるようにスプリングの張力を変更するよう選択でき
る。しかしながら、リーフの断面積は、ブラシによって
通流される予想最大電流を通流するに充分なものでなけ
ればならない。スロットは、図２及び３のように盲であ
ってもよいし、図４のように開いていて、分岐した端４
２、４３を形成してもよい。図３の片側スプリングは、
ブラシ取付ホール４５と端子の端４２との間に単一のス
ロット４７を有する。
【００３８】ブラシの端子３０はプレート状であって、
ガイドピン５１の固定端５２を受け入れるためのボス３
１を有している。又、端子は、これにスプリング４０を
リベット止めするスタッド３２も有している。
【００３９】図２に示す実施例では、端子は電動機のエ
ンドキャップ１２へと延びて、これにより捕獲される。
とげ３３はエンドキャップと共働し、端子が外れるのを
防止する助けをする。エンドキャップに挿入される端子
の端にはワイヤ接続スロット３４が設けられ、エンドキ
ャップ内でワイヤ３５に係合し電気的接触する。これら
のワイヤは、ブラシ端子を電動機端子（内部又は外部）
に接続するためのものであるか、或いはチョーク、キャ
パシタ又は感熱スイッチのような他の電動機部品のため
のリード線である。
【００４０】図３は、ブラシ端子がエンドキャップ１２
を通して直角に延びて電動機の外部端子３６を形成する
別の端子構成を示している。
【００４１】ブラシ端子とエンドキャップとの間の接続
の融通性は、ブラシ位置の安定性に反映される。
【００４２】図５は、図１の組立体に類似したブラシ組
立体を示している。この組立体１０は、ブラシラッチ機
構６０という付加的な特徴を有している。このラッチ機
構６０はスプリング４０に形成されたフィンガ６１を備
えている。このフィンガは、スロット４７の一方を形成
するためにストリップ４１から切断される材料で形成さ
れる。
【００４３】フィンガ６１は、ブラシ２０をブラシ端子
３０に対して押しつけることによりスプリングを完全に
圧縮したときにフィンガの遠方端がブラシ端子に係合す
るように構成されている。図５に示すように、遠方端は
段６２を有し、この段は、ブラシ端子の上面にラッチす
るか、又はスプリングの端が分割されていない場合には
スプリング自体の端にラッチして、スプリング、ひいて
は、ブラシを引っ込んだ位置に保持する。
【００４４】段６２の前には傾斜即ちスロープ部分６３
があり、これは、ブラシ端子がフィンガに接触するとき
にブラシ端子と共働して段が端子を越えるまでフィンガ
を左へ移動し、そして越えたときには、段が弾力で右へ
戻ってブラシ組立体を引っ込んだ位置にラッチする。ブ
ラシ組立体のラッチ解除は、段がブラシ端子を越えるま
でフィンガを左へ移動してスプリングがブラシをブラシ
端子３０から離れるように押しやれるようにすることに
より行われる。
【００４５】エンドキャップにはホール（図示せず）が
設けられていて、ブラシ組立体をラッチ解除するために
フィンガを動かすロッド又は工具を入れられるようにな
っている。例えば、保守作業の間にブラシが完全に引っ
込められたときに組立体を再びラッチするようにフィン
ガが準備状態に保たれてもよいし、又はラッチ解除操作
がフィンガ６１の永久的な変形を生じさせるに充分なも
のであって、ラッチ機構がもはや機能せず、フィンガが
端子に擦らないようにしてもよい。
【００４６】図６は、変更されたブラシ７０の側面図で
ある。このブラシの構造は、ブラシの貫通抵抗を著しく
増加せずにその交差抵抗を増加するものである。これ
は、ブラシの整流子接触端をチャンネル７３により第１
整流子接触部分７１と第２整流子接触部分７２とに分割
することによって達成される。このチャンネルは、整流
子の長手軸に平行に延びており、第１部分７１と第２部
分７２は周囲方向に離間された位置で整流子１１に接触
する。この構造により、交差ブラシ電流は、通常の電流
路７６のほぼ２倍の長さである電流路７５をたどるが、
実際には、同じ長さの経路が予想される。これは、交差
抵抗を著しく増大する。
【００４７】一方の方向、例えば、矢印７９の方向にの
み回転する電動機の場合には、図示されたように、第１
部分７１の方が第２部分７２よりも断面積が大きくさ
れ、ブラシの交差抵抗が更に増大される。従って、ブラ
シ７０が整流子セグメント７８との接触からセグメント
７８’との接触へと移動するにつれて、電動機電流はセ
グメント７８’へと供給され、セグメント７８と７８’
との間の短絡抵抗が重要となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるブラシ組立体の概略図である。
【図２】図１のブラシ組立体をエンドキャップに取り付
けたところを断面で示した平面図である。
【図３】図２と同様であるが、変更されたブラシ組立体
の図である。
【図４】スプリングがブラシに取り付けられていない状
態を示す斜視図である。
【図５】図１と同様であるが、ブラシラッチ機構を示す
図である。
【図６】本発明によるブラシ組立体に使用する変更され
たブラシを示す図である。
【符号の説明】
１０ ブラシ組立体 １１ 整流子 １５ 接触線 ２０ ブラシ ２１ ガイドホール ２２ チャンネル ３０ ブラシ端子 ３１ ボス ３３ とげ ４０ ブラシスプリング ４１ 弾力性導電性材料のストリップ ４２、４３ ブラシスプリングの端 ５１ ガイドピン ５２ 固定端 ５３ 自由端

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 整流子を有する電動機用のブラシ組立体
    であって、ブラシ(20)と、ブラシ端子(30)と、上記ブラ
    シ(20)を整流子(11)に接触するよう押しやるスプリング
    (40)と、上記ブラシ(20)を整流子に向けて案内するブラ
    シガイド手段とを備えたブラシ組立体において、上記ス
    プリング(40)は上記ブラシ(20)を上記ブラシ端子(30)に
    電気的に接続し、そして上記ブラシガイド手段は、上記
    ブラシ(20)を整流子(11)に向けて案内するようにガイド
    ホール(21)と共働するガイドピン(51)を備えていること
    を特徴とするブラシ組立体。
  2. 【請求項２】 上記ガイドホールはブラシに形成され、
    上記ガイドピン(51)は、上記ブラシ端子(30)に形成され
    たボス(31)に固定される第１の端(52)と、第２の自由端
    (53)とを有し、上記ガイドピンは上記ガイドホール内に
    きちんとスライド嵌合される請求項１に記載のブラシ組
    立体。
  3. 【請求項３】 上記ガイドピン(51)の自由端(53)が使用
    中に配置される領域においてブラシに間隙が形成される
    請求項２に記載のブラシ組立体。
  4. 【請求項４】 上記ガイドピン(51)の周りでブラシ(20)
    が回転するのを防止する手段を更に備えた請求項の前記
    いずれかに記載のブラシ組立体。
  5. 【請求項５】 上記スプリング(40)は、２つの端(42,4
    3) と中間部分(44)とを有する弾力性導電性材料のスト
    リップ(41)で形成されたブラシリーフであり、上記２つ
    の端(42,43) は上記ブラシ端子(30)に固定されてループ
    を形成しそして上記中間部分(44)はブラシ(20)に固定さ
    れる請求項の前記いずれかに記載のブラシ組立体。
  6. 【請求項６】 上記ブラシリーフは、上記中間部分(44)
    と端部(42,43) との間に各々形成された２つのスロット
    (47)を有している請求項５に記載のブラシ組立体。
  7. 【請求項７】 上記スロット(47)は上記端(42,43) まで
    延びて、分岐した端を形成する請求項６に記載のブラシ
    組立体。
  8. 【請求項８】 上記ブラシリーフは対称的である請求項
    ５ないし７のいずれかに記載のブラシ組立体。
  9. 【請求項９】 上記スプリング(40)はフィンガ(60)を有
    し、該フィンガは、上記ブラシ端子(30)に解除可能に係
    合してブラシ(20)を引っ込んだ位置に保持することがで
    きる請求項５ないし８のいずれかに記載のブラシ組立
    体。
  10. 【請求項１０】 上記ガイドピン(51)は中空である請求
    項の前記いずれかに記載のブラシ組立体。
  11. 【請求項１１】 上記ブラシ(20)は、ブラシのベースと
    整流子(11)との間に２本の接触線(15)を形成するＶ字型
    のベース(23)を有している請求項の前記いずれかに記載
    のブラシ組立体。
  12. 【請求項１２】 上記ブラシ(20)は単一の組成で形成さ
    れ、そしてチャンネル(73)によって第１の整流子接触部
    分(71)と第２の整流子接触部分(72)とに分割され、これ
    ら第１及び第２の接触部分は、使用中に、周囲方向に離
    間された位置において整流子(11)に接触する請求項の前
    記いずれかに記載のブラシ組立体。
  13. 【請求項１３】 上記第１の整流子接触部分(71)は、そ
    の断面積が上記第２の整流子接触部分(72)よりも大きい
    請求項１２に記載のブラシ組立体。
  14. 【請求項１４】 整流子を有する電動機用のブラシ組立
    体において、 整流子接触面と、その整流子接触面とは反対の城壁状部
    分とを有する炭素系ブラシを備え、上記接触面は、周囲
    方向に離間された位置で整流子と接触する２本の線を形
    成するようにＶ字型になっており、このＶ字の頂点を経
    て横方向のチャンネルが通っていて、ブラシを第１の整
    流子接触部分と第２の整流子接触部分とに分割してお
    り、そしてこのチャンネルから半径方向にガイドホール
    が延び、 更に、プレート状のブラシ端子を備え、該ブラシ端子
    は、４本のブラシスプリング取付ポストと、ガイドピン
    ボスと、外部の電動機端子を形成する突起と、ブラシ端
    子を電動機のエンドキャップに取り付けるためにこの突
    起の縁に形成されたとげとを有し、 更に、弾力性導電性材料の細長いストリップで形成され
    て、２つの分岐した端と中間部分とを有しているブラシ
    スプリングを備え、上記２つの端は４本のブラシスプリ
    ング取付ポストによってブラシ端子に固定されてループ
    を形成し、上記中間部分は縁フラップをもつブラシ取付
    ホールを有し、これらフラップはブラシに形成された城
    壁状部分を把持及び保持してブラシをスプリングに取り
    付け、更に、ブラシ端子にラッチしてスプリングを引っ
    込んだ位置に保持するようにラッチフィンガが配置され
    ていて上記中間部分から延びており、そして更に、上記
    ガイドピンボスに一端がしっかりと取り付けられ、そし
    て使用中に整流子に向かって延びて、ブラシのガイドホ
    ール内にきちんとスライド嵌合されて、ブラシを整流子
    に向かって案内するためのガイドピンを備えたことを特
    徴とするブラシ組立体。
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