JPH06232491A - 緑色レーザー - Google Patents

緑色レーザー

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JPH06232491A
JPH06232491A JP3416693A JP3416693A JPH06232491A JP H06232491 A JPH06232491 A JP H06232491A JP 3416693 A JP3416693 A JP 3416693A JP 3416693 A JP3416693 A JP 3416693A JP H06232491 A JPH06232491 A JP H06232491A
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JP
Japan
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ions
mol
laser
glass
constituting
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JP3416693A
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English (en)
Inventor
Aki Shikita
亜樹 敷田
Hisayoshi Toratani
久良 虎溪
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温で発光効率が高く、緑色のレーザー発振
が可能であり、かつコンパクトで、市販の高出力半導体
レーザーを励起光源として用いることが可能なレーザー
素子の提供。 【構成】 陽イオンとしてHoイオン0.01〜2モル
%、Ybイオンを0.5〜20モル%含有し、陰イオン
としてFイオンを80〜100モル%、Clイオンを0
〜20モル%含有するハロゲン化物ガラスからなる発光
媒体と共振器構造を有するレーザー素子。陽イオンとし
てHoイオン0.01〜2モル%、Ybイオンを0.5
〜20モル%含有し、陰イオンとしてFイオンを80〜
100モル%、Clイオンを0〜20モル%含有するハ
ロゲン化物ガラスからなるコアと、コアより低屈折率の
クラッドからなる光ファイバーである発光媒体と共振器
構造を有するレーザー素子。これらのレーザー素子は、
960〜982nmのレーザーを励起光源として540
〜550nmのレーザー光を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光ピーク波長が54
0〜550nmの緑色のYbにより増感されたHoハロ
ゲン化物ガラスを用いたレーザー素子に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外光を励起光源として緑色領域の光を
発生させようという試みは、近年盛んに行われつつあ
る。第一は、Nd:YAGなどのレーザー結晶を赤外レ
ーザーで励起し出力レーザー光を高調波変換することに
より緑色レーザーを得ようとするものである。第二は、
赤外の半導体レーザーを直接波長変換することで緑色光
を得ようとするものである。これに対し、第三の方法と
してErなどの希土類イオンを含む結晶又はガラスを赤
外光で励起したときに、多段階励起によって励起光より
も短い波長の光を発生させる、いわゆるアップコンバー
ジョン現象を用いて緑色レーザー光を発生させる方法が
ある。この方法は高調波変換を必要としない点で第一及
び、第二の方法に比べて特長がある。
【0003】従来、アップコンバージョンにより実現し
ている緑色レーザーとして、結晶を用いたものではE
r:YLiF4 結晶を791nmのレーザー光で励起
し、65Kで551nmのレーザー発振を得たもの、E
r:YLiF4 結晶を791nmのレーザー光で励起
し、40Kで551nmのレーザー光を得たもの、E
r:YLiF4 結晶を797nm又は969nmのレー
ザー光で励起し、25Kで560nmのレーザー発振を
得たもの、Er:YLiF4 結晶を1500nmのレー
ザー光で励起し、25〜35Kで560nm及び551
nmのレーザー発振を得たものが報告されている。
【0004】一方、ガラスを用いたものでは、Ho:フ
ッ化ジコルニウムガラスファイバーを647nmの赤色
レーザー光で励起し、室温で550nm付近のレーザー
発振を得たもの、Pr:フッ化ジコルニウムガラスファ
イバーを835nmと1010nmの二つのレーザー光
で励起して、室温で520nmのレーザー光を得たも
の、Er:フッ化ジコルニウムガラスファイバーを80
1nm又は980nmのレーザー光で励起して、室温で
546nmのレーザー発振を得たものが報告されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アップコンバージョン
を用いた緑色レーザーは高調波変換を必要としない点で
優れている。しかし、結晶を発光媒体としたものはレー
ザー発振にかなりの低温を必要とすること、半導体レー
ザーを用いるのが難しい励起波長を必要とすること、結
晶自体が作成しにくく、かつ高価であることなどデバイ
スとしての実用化に問題がある。
【0006】一方、ガラスを発光媒体としたものは、材
料として作成が用意であること、ファイバー構造にする
ことにより励起密度を高めることができるため室温レー
ザー発振が可能になることなどの点で優れている。しか
しながら、これまでに報告されているレーザーガラスで
は、活性物質自体が励起光を吸収することから、レーザ
ー発振を有利にするために活性イオンを低濃度にし、か
つ励起光の吸収効率を上げるためには、1mから10m
のファイバー長が必要であり、デバイスとしてのコンパ
クト化は困難であった。
【0007】そこで、本発明の目的は、室温で発光効率
が高く、緑色のレーザー発振が可能であり、かつコンパ
クトで、市販の高出力半導体レーザーを励起光源として
用いることが可能なレーザー素子を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラスを構成
する陽イオンとしてHoイオンを0.01〜2モル%及
びYbイオンを0.5〜20モル%含有し、ガラスを構
成する陰イオンとしてFイオンを80〜100モル%及
びClイオンを0〜20モル%含有するハロゲン化物ガ
ラスからなる発光媒体、及び該発光媒体の両端に共振器
構造を有するレーザー素子であって、ピーク波長が96
0〜982mnの範囲にあるレーザーを励起光源とした
ときに、ピーク波長が540〜550nmの範囲にある
レーザー光を与えることを特徴とするレーザー素子に関
する。
【0009】さらに本発明は、ガラスを構成する陽イオ
ンとしてHoイオンを0.01〜2モル%及びYbイオ
ンを0.5〜20モル%含有し、ガラスを構成する陰イ
オンとしてFイオンを80〜100モル%及びClイオ
ンを0〜20モル%含有するハロゲン化物ガラスからな
るコアと、該ハロゲン化物ガラスより低い屈折率を有す
る材料からなるクラッドとを有する光ファイバー、及び
該光ファイバーの両端に共振器構造を有するレーザー素
子であって、ピーク波長が960〜982mnの範囲に
あるレーザーを励起光源としたときに、ピーク波長が5
40〜550nmの範囲にあるレーザー光を与えること
を特徴とするレーザー素子に関する。
【0010】また、本発明は、前記のレーザー素子に、
ピーク波長が960〜982mnの範囲にあるレーザー
を励起光源として照射して、ピーク波長が540〜55
0nmの範囲にあるレーザー光を得ることを特徴とする
レーザーの発振方法に関する。
【0011】本発明では、Hoを活性物質、Ybを付活
物質とすることによって、960nmから982nmの
レーザー光で励起したときに吸収効率が大きく、かつY
bからHoへの非共鳴的な励起エネルギーの移動によっ
てHoを有効に励起し、効率よく緑色光発生を可能にし
た。また、Hoの濃度を低くすることによって、レーザ
ー発振のしきい値を下げる一方、Ybの濃度を高くして
励起効率を高め、コンパクトな緑色レーザーを可能にし
た。さらに、YbからHoへのエネルギー移動が効率よ
く生じるように、ガラスのフォノンエネルギーを最適化
した組成を用いた。さらに、このガラスをコアとする光
ファイバーを採用することによって、励起効率をさらに
高め、発光効率を高めた。また、さらには多段階励起過
程を検討することにより、緑色発光に最適な励起波長と
して、960nmから982nmの波長を特定した。
【0012】本発明のレーザー素子に用いるハロゲン化
物ガラスは、ガラスを構成する陽イオンとしてHoイオ
ンを0.01〜2モル%及びYbイオンを0.5〜20
モル%含有する。Hoイオンの含有量が0.01モル%
未満では、十分な利得が得られない。一方、Hoイオン
の含有量が2モル%を超えると、発振しきい値が高くな
り過ぎるためにレーザー発振しにくくなる。Ybイオン
の含有量が0.5モル%未満ではYbからHoへのエネ
ルギー移動の効率が低く、20モル%を超えるとYb同
士のエネルギー移動による損失が大きくなり、Hoへの
エネルギー移動効率が低下するためである。Hoイオン
の含有量は、好ましくは0.1〜0.5モル%である。
また、Ybイオンの含有量は、好ましくは1〜5モル%
である。
【0013】本発明のレーザー素子に用いるハロゲン化
物ガラスは、ガラスを構成する陰イオンとしてFイオン
を80〜100モル%及びClイオンを0〜20モル%
含有する。Fイオンはガラス形成の基本成分であり、8
0〜100モル%がガラスの安定化に必要である。但
し、Fイオンの20モル%までは安定性を損なうことな
くClイオンで置換できる。Clイオンでの置換は、結
晶場の非対称性の増加により発光効率を増加させると共
に、屈折率を増加させるので、光ファイバーの作成にお
いてコアとクラッドとの屈折率差を与えるのに有効であ
る。
【0014】本発明に用いることができるハロゲン化物
ガラスの例としては、Hoイオン及びYbイオン以外に
ガラスを構成する陽イオンとして、Zrイオン、Hfイ
オン、Alイオン、Mgイオン、Caイオン、Srイオ
ン、Baイオンを含み、前記陽イオン中の各イオンの割
合が、ZrイオンとHfイオンとの合量が3〜20モル
%、Alイオンが20〜35モル%、MgイオンとCa
イオンとSrイオンとBaイオンとの合量が35〜55
モル%、かつガラスを構成する陰イオンとしてFイオ
ン、又はFイオン及びClイオンを含み、陰イオン中の
Fイオンの割合が80〜100モル%であり、Clイオ
ンの割合が0〜20%であるガラスを挙げることができ
る。
【0015】本発明に用いることができるハロゲン化物
ガラスの例としては、Hoイオン及びYbイオン以外に
ガラスを構成する陽イオンとして、Zrイオン、Hfイ
オン、Laイオン、Baイオンを含み、前記陽イオン中
の各イオンの割合が、ZrイオンとHfイオンとの合量
が43〜60モル%、Laイオンが1〜6モル%、Ba
イオンが20〜35モル%、さらに必要によりAlイオ
ンを0〜9モル%含有し、かつガラスを構成する陰イオ
ンがFイオン、又はFイオン及びClイオンを含み、陰
イオン中のFイオンの割合が80〜100モル%であ
り、Clイオンの割合が0〜20%であるガラスを挙げ
ることができる。
【0016】さらに、本発明に用いることができるハロ
ゲン化物ガラスの例としては、Hoイオン及びYbイオ
ン以外にガラスを構成する陽イオンとして、Alイオ
ン、Yイオン、Mgイオン、Caイオン、Srイオン、
Baイオン、Hoイオン及びYbイオンを含み、前記陽
イオン中の各イオンの割合が、Alイオンが35〜37
モル%、Yイオンが10〜13モル%、Mgイオンが7
〜9モル%、Caイオンが24〜26モル%、Srイオ
ンが7〜9モル%、Baイオンが7〜9モル%、Mgイ
オンとCaイオンとSrイオンとBaイオンとの合量が
48〜53モル%であり、さらに必要によりLaイオン
を0〜3モル%、Gdイオンを0〜4モル%含有し、か
つガラスを構成する陰イオンがFイオンであるガラスを
挙げることができる。
【0017】本発明においては、ハロゲン化物ガラスと
して、最大フォノンエネルギーが400cm-1から70
0cm-1の間にあるガラスを用いることが好ましい。こ
の点からは、この範囲の最大フォノンエネルギーを持つ
ガラスであれば、その組成が特に限定される理由はな
い。上記範囲の最大フォノンエネルギーは、YbからH
oへの有効なエネルギー移動が生じるのには充分な大き
さであると同時に、緑色発光に伴う非輻射的なエネルギ
ー緩和を抑えるのには充分小さいという相反する条件を
満足するためである。さらに、ハロゲン化物ガラスの組
成は、結晶化に対して安定なものを選ぶことが好まし
い。尚、Al、Zr及びHfはガラス骨格を形成する成
分であるとともに、フォノンエネルギーを決定する成分
である。そのため、前記の組成を有する例示したハロゲ
ン化物ガラスは、いずれもガラスの結晶化に対して安定
であると同時に、好ましい最大フォノンエネルギーを有
することから好ましい。また、Al、Zr及びHf以外
のイオンは各々の限定範囲内でガラスの安定化及び化学
的耐久性の向上に有効である。
【0018】本発明のハロゲン化物ガラスは960〜9
82mnの範囲にあるレーザーを励起光源としたときに
ピーク波長が540〜550nmの範囲にある発光を与
える。本発明のハロゲン化物ガラスの発光機構について
図1のエネルギー準位図に基づいて説明する。Yb
3+は、波長が974nmの光により準位0から準位1に
励起され、準位1の励起エネルギーはエネルギー移動
(図中ではETと表示する)によりHo3+を励起する。
Ybからのエネルギー移動(ET)によりHo3+は、第
一段励起(準位0から準位2)及び第二段励起(準位2
から準位6)を起こす。第二段励起の結果、準位6から
の基底遷移によりピーク波長が540〜550nmの範
囲の緑色発光を生ずる。この緑色発光はYbの吸収が最
も大きい974nm付近の励起で最大になり、励起光源
としては960〜982nmの範囲のレーザーを用いる
ことが適当である。
【0019】本発明のレーザー素子は、板状、ロッド
状、ティスク状、光学繊維状等の任意の形状とすること
ができる。但し、励起密度を高められるという観点から
は、本発明のレーザー素子の発光媒体は、上記ハロゲン
化物ガラスからなるコアと、その周囲に設けられたクラ
ッドからなる光ファイバーであることが好ましい。
【0020】上記光ファイバーのコアは、ガラスを構成
する陽イオンとしてHoイオンを0.01〜1モル%及
びYbイオンを1〜20モル%含有し、ガラスを構成す
る陰イオンとしてFイオンを80〜100モル%及びC
lイオンを0〜20モル%含有するハロゲン化物ガラス
からなる。このハロゲン化物ガラスは、前記のハロゲン
化物ガラスである。一方、クラッドは、このハロゲン化
物ガラスより低い屈折率を有する材料からなる。クラッ
ドを構成する材料としてはガラスを挙げることができ
る。さらにクラッドは、コアの熱膨張率と近似するとい
う観点から、Hoイオン及びYbイオンを含有せず、か
つコアを構成するハロゲン化物ガラスと同一又は類似の
組成を有するハロゲン化物ガラスであることが好まし
い。
【0021】尚、クラッドがガラスからなる光ファイバ
ーは、例えば特開平3−174339号に記載の押し出
し法により作成することができる。即ち、コア用の円盤
状ハロゲン化物ガラス及びクラッド用の円盤状ハロゲン
化物ガラスを調製する。次にコア用の円盤状ハロゲン化
物ガラスとクラッド用の円盤状ハロゲン化物ガラスとの
接触面を研磨し、オプティカルコンタクトさせた後、加
熱しながら成形穴から2層構造のロッド状ガラスを押し
出して、プリフォームを得る。このプリフォームを必要
により樹脂被覆した後、線引きして光ファイバーを得
る。この光ファイバーは、さらに適宜切断し、切断物の
両面は研磨して本発明のレーザー素子の発光媒体となる
光ファイバーを得ることができる。
【0022】上記光ファイバーは、ピーク波長が960
〜982mnの範囲にあるレーザーを励起光源としたと
きに、ピーク波長が540〜550nmの範囲にある発
光を与える。光ファイバーとすることにより、励起密度
を高め、その結果レーザー発振のしきい値を下げること
が可能である。
【0023】本発明のレーザー素子は、上記光ファイバ
ー等の発光媒体の両端に共振器構造を有するレーザー素
子である。共振器構造は、上記両面を研磨した光ファイ
バー等の発光媒体の両面に反射層(コーティング)を設
けることにより構成することができる。反射層の反射波
長及び反射率は、適宜選ぶことができる。また、反射層
の代わりにミラーを両面を研磨した発光媒体の両面に設
けることにより、共振器構造を付与することもできる。
本発明のレーザー素子は、ピーク波長が960〜982
mnの範囲にあるレーザーを励起光源としたときに、ピ
ーク波長が540〜550nmの範囲にあるレーザー光
を与える。本発明のレーザー素子において発光媒体とし
て光ファイバーを用いる場合、光ファイバーの長さは、
励起光の吸収等を考慮して適宜調整でき、通常1.5〜
5mmである。このため、本発明のレーザー素子は非常
にコンパクトなレーザー素子である。
【0024】さらに本発明は、上記レーザー素子に、ピ
ーク波長が960〜982mnの範囲にあるレーザーを
励起光源として照射して、ピーク波長が550〜560
nmの範囲にあるレーザー光を得るレーザーの発振方法
も包含する。尚、レーザーを励起光源は、レーザー発振
のしきい値以上の入力パワーとすることによりレーザー
の発振が得られる。しきい値は、発振媒体その組成や形
状、発光媒体が光ファイバーの場合には光ファイバーを
構成するコアの組成や光ファイバーの構造等により変化
するので、レーザー素子の種類により適宜決定される。
【0025】光源としては、本発明のレーザー素子が励
起されるピーク波長が960〜982mnの範囲にある
レーザーを用いる。好ましくは、Ybの吸収が最大とな
る974nmの光源を用いる。光源レーザーとしては、
例えば、半導体レーザー、Ti:サファイアレーザー等
が挙げられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例1 出発原料としてZrF4 、AlF3 、MgF2 、CaF
2 、SrF2 、BaF2 、YF3 、NaF、NaCl、
HoF3 、YbF3 を用い、最終的に得られるガラスを
構成する陽イオン成分がモル%表示で、Zrが12.8
%,Alが25.1%,Mgが3.7%,Caが15.
4%,Srが13.6%,Baが12.6%,Yが5.
15%,Naが5.5%,Hoが0.1%,Ybが3.
0%、かつ陰イオン成分がモル表示でFが97.0%,
Clが3.0%となるように秤量混合した。得られたバ
ッチ40gをカーボン製のルツボに入れて、高周波加熱
炉内にアルゴンガスを毎分2リッター、塩素ガスを毎分
150ミリリッターの割合で流しながら、950℃で1
時間溶融し、その後390℃まで急冷後、徐冷して直径
30mm×厚さ10mmの円板状ガラスを得た。得られ
たガラスの最大フォノンエネルギーは、KBr法を用い
たFTIRにより求め、625cm-1であった。
【0027】上記円板状ガラスから長さ2mm、直径3
mmのガラスロッドを作成し、これを発光媒体として用
いた。このガラスロッドの励起光が入射する面に950
〜1000nmの光を99%以上透過し、かつ480〜
570nmの光をほぼ100%反射する多層膜からなる
コーティングを設け、反対側のレーザー光が出力する面
に480〜570nmの光をほぼ99%反射する多層膜
からなるコーティングを設けて本発明のレーザー素子を
得た。このレーザー素子を図2に示す装置で励起してレ
ーザーを観測した。即ち、Ti:サファイアレーザー2
1を励起光源として波長974nmのレーザー光を、励
起光用反射防止コート23を施した焦点距離200mm
の集光レンズ22を用いてガラス中での最小ビーム径が
少なくとも10ミクロン以下になるように集光して、コ
ーティング24及び26を施したレーザー素子25を励
起して発振したレーザーを励起光除去用フィルター27
を介して光スペクトラムアナライザー28で分析した。
その結果、図3に示すようなレーザー発振特性が室温で
得られた。発振しきい値は380mWであり、スロープ
効率は2%であった。
【0028】実施例2 実施例1のガラスをコアとし、Zrが13%、Alが2
5%、Mgが4%、Caが15%、Srが13%、Ba
が13%、Naが6%、Fが100%のガラスをクラッ
ドとして、コア径10ミクロン、クラッド径500ミク
ロン、コアの屈折率(nD )が1.4582、クラッド
の屈折率(nD )が1.4479(屈折率差(△nD
が0.0103)、開口数0.173、損失4dB/m
の光ファイバーを作成した。
【0029】この光ファイバーを長さ1.6mmに切断
したものを発光媒体とし、さらに共振器構造を付加して
図4に示す構成でレーザー発振実験を行った。即ち、T
i:サファイアレーザー41を励起光源として波長97
4nmのレーザー光を、20×の対物レンズ42を用い
て、両端に反射ミラーコーティング43及び45を有す
る試料ファイバー44のコアに集光して励起し、励起光
の透過を0.01%以下にする励起光除去用干渉フィル
ター46を介して光スペクトロアナライザー47で分析
した。ファイバー44の励起光の入射面側の反射ミラー
コーティング43は、950〜1000nmの光を99
%以上透過し、かつ480〜570nmの光をほぼ10
0%反射する多層膜からなるコーティングであり、反対
側のレーザー光が出力する面の反射ミラーコーティング
45は480〜570nmの光を99%反射する多層膜
からなるコーティングである。レーザー光の出力側には
光スペクラムアナライザー87の代わりにパワーメータ
ーを用いてもよく、励起光除去用フィルター86の後方
に配置されている。レーザー発振の入出力特性は図5に
示すようになり、室温でしきい値225mW、スロープ
効率4%が得られた。
【0030】この結果から、発光媒体を光ファイバーと
することにより、励起光の閉じ込めが有効に起こってい
ることが分かる。また、励起波長を906nmまたは9
90nmとした場合、発振しきい値は320mWでスロ
ープ効率は2%に低下し、、励起光源として波長974
nm付近のレーザー光が適当であること分かる。
【0031】実施例3 最終的に得られるガラスを構成する陽イオン成分及び陰
イオン成分がモル%表示で、表1〜表2に示す割合にな
るように秤量混合したバッチを用いて、実施例1と同様
にしてガラスロッドを得た。このガラスロッドを発光媒
体としたレーザー素子について実施例1と同様にしてレ
ーザー発振実験を行った。各レーザー素子についての発
振しきい値を求め、表1〜表2に示す。表1〜表2に示
すように、最大フォノンエネルギーが400〜700c
-1のガラスについては、発振しきい値が350〜77
0mWの励起で発振が確認された。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、室温で発光効率が高
く、緑色のレーザー発振が可能であり、かつコンパクト
で、市販の高出力半導体レーザーを励起光源として用い
ることが可能なレーザー素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ho2+とYb3+のエネルギー準位図である。
【図2】実施例1で用いたレーザー発振装置の模式図を
示す。
【図3】実施例1で得たレーザー発振の入出力特性を示
す。
【図4】実施例2で用いたレーザー発振装置の模式図を
示す。
【図5】実施例2で得たレーザー発振の入出力特性を示
す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスを構成する陽イオンとしてHoイ
    オンを0.01〜2モル%及びYbイオンを0.5〜2
    0モル%含有し、ガラスを構成する陰イオンとしてFイ
    オンを80〜100モル%及びClイオンを0〜20モ
    ル%含有するハロゲン化物ガラスからなる発光媒体、及
    び該発光媒体の両端に共振器構造を有するレーザー素子
    であって、ピーク波長が960〜982mnの範囲にあ
    るレーザーを励起光源としたときに、ピーク波長が54
    0〜550nmの範囲にあるレーザー光を与えることを
    特徴とするレーザー素子。
  2. 【請求項2】 ガラスを構成する陽イオンとしてHoイ
    オンを0.01〜2モル%及びYbイオンを0.5〜2
    0モル%含有し、ガラスを構成する陰イオンとしてFイ
    オンを80〜100モル%及びClイオンを0〜20モ
    ル%含有するハロゲン化物ガラスからなるコアと、該ハ
    ロゲン化物ガラスより低い屈折率を有する材料からなる
    クラッドとを有する光ファイバー、及び該光ファイバー
    の両端に共振器構造を有するレーザー素子であって、ピ
    ーク波長が960〜982mnの範囲にあるレーザーを
    励起光源としたときに、ピーク波長が540〜550n
    mの範囲にあるレーザー光を与えることを特徴とするレ
    ーザー素子。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化物ガラスが、ガラスを構成す
    る陽イオンとして、Zrイオン、Hfイオン、Alイオ
    ン、Mgイオン、Caイオン、Srイオン、Baイオ
    ン、Hoイオン及びYbイオンを含み、前記陽イオン中
    の各イオンの割合が、ZrイオンとHfイオンとの合量
    が3〜20モル%、Alイオンが20〜35モル%、M
    gイオンとCaイオンとSrイオンとBaイオンとの合
    量が35〜55モル%、Hoイオンが0.01〜2モル
    %、Ybイオンが0.5〜20モル%であり、かつガラ
    スを構成する陰イオンとしてFイオン、又はFイオン及
    びClイオンを含み、陰イオン中のFイオンの割合が8
    0〜100モル%であり、Clイオンの割合が0〜20
    %である請求項1又は2記載のレーザー素子。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化物ガラスが、ガラスを構成す
    る陽イオンとして、Zrイオン、Hfイオン、Laイオ
    ン、Baイオン、Hoイオン及びYbイオンを含み、前
    記陽イオン中の各イオンの割合が、ZrイオンとHfイ
    オンとの合量が43〜60モル%、Laイオンが1〜6
    モル%、Baイオンが20〜35モル%、Hoイオンが
    0.01〜2モル%、Ybイオンが0.5〜20モル%
    であり、さらに必要によりAlイオンを0〜9モル%含
    有し、かつガラスを構成する陰イオンがFイオン、又は
    Fイオン及びClイオンを含み、陰イオン中のFイオン
    の割合が80〜100モル%であり、Clイオンの割合
    が0〜20%である請求項1又は2記載のレーザー素
    子。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化物ガラスが、ガラスを構成す
    る陽イオンとして、Alイオン、Yイオン、Mgイオ
    ン、Caイオン、Srイオン、Baイオン、Hoイオン
    及びYbイオンを含み、前記陽イオン中の各イオンの割
    合が、Alイオンが35〜37モル%、Yイオンが10
    〜13モル%、Mgイオンが7〜9モル%、Caイオン
    が24〜26モル%、Srイオンが7〜9モル%、Ba
    イオンが7〜9モル%、MgイオンとCaイオンとSr
    イオンとBaイオンとの合量が48〜53モル%、Ho
    イオンが0.01〜2モル%、Ybイオンが0.5〜2
    0モル%であり、さらに必要によりLaイオンを0〜3
    モル%、Gdイオンを0〜4モル%含有し、かつガラス
    を構成する陰イオンがFイオンである請求項1又は2記
    載のレーザー素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか1項に記載のレー
    ザー素子に、ピーク波長が960〜982mnの範囲に
    あるレーザーを励起光源として照射して、ピーク波長が
    540〜550nmの範囲にあるレーザー光を得ること
    を特徴とするレーザーの発振方法。
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