JPH06232449A - トリビニルピラジン化合物、その製造方法、それを用いた電界発光素子 - Google Patents

トリビニルピラジン化合物、その製造方法、それを用いた電界発光素子

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JPH06232449A
JPH06232449A JP3404293A JP3404293A JPH06232449A JP H06232449 A JPH06232449 A JP H06232449A JP 3404293 A JP3404293 A JP 3404293A JP 3404293 A JP3404293 A JP 3404293A JP H06232449 A JPH06232449 A JP H06232449A
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JP
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pyrazine
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pyridyl
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Application number
JP3404293A
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English (en)
Inventor
Yutaka Ohashi
豊 大橋
Masao Nohara
正雄 野原
Kazuhiko Saigo
和彦 西郷
Masaki Hasegawa
正木 長谷川
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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    • Y02P20/121
    • Y02P20/124

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 化学式(1) 【化1】 (式中、Rは芳香族環または複素環を表わし、Xは水素
原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭
化水素基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カル
ボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシロキシ基、ア
シロキシカルボニル基、シアノ基、トリフルオルメチル
基を表わす。)で表わされるトリビニルピラジン化合
物,その製造方法、及び2つの電極間に少なくとも発光
層を有するか、正孔輸送層と発光層とが積層されている
か、又は正孔輸送層と発光層と電子輸送層とがこの順序
で積層されている層構造の電界発光素子において、該発
光層が該化合物を含有する薄膜である電界発光素子。 【効果】 本発明により高い発光性と熱安定性を有し、
かつ均一薄膜が形成された、長時間の動作に耐えられる
電界発光素子が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピラジン環の2,3,
5位にそれぞれビニル結合を有するトリビニルピラジン
化合物、その製造方法、それを用いた電界発光素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報化の目覚ましい進展に伴い、
情報を表示する高品位な表示部材のニーズが高まってい
る。この部材用の素子として、エレクトロルミネッセン
ス(EL)を利用した電界発光素子(EL素子)が、そ
の視認性の良さ等の優れた性能から注目されている。
【0003】従来、無機微粒子を有機物質中に分散させ
た素子や、ZnS等の無機薄膜を絶縁体薄膜で挟んだ素
子等、所謂真性型と呼ばれるEL素子等が開発され、実
用化されている。しかしながら、これらの素子は、駆動
電圧が高く、また青色等の発光色が得られにくい等の問
題がある。
【0004】一方、真性型EL素子の他に注入型EL素
子が知られている。この素子は、半導体等のp−n接合
に電子と正孔を注入し、その再結合により光を発生させ
るものである。この素子の特徴としては、低電圧直流駆
動が可能であり、電流から光への変換効率が高いこと等
であり、この材料には、主にGaP等の無機結晶半導体
が用いられている。しかしながら、発光色が限られてい
ること、大面積化が困難なこと等の問題がある。
【0005】従って、駆動電圧が小さく、発光色が自由
に選べ、しかも大面積な素子の製造技術が求められてい
る。
【0006】最近、新たに有機化合物の薄膜を用いた注
入型EL素子が報告され(C.W.Tang:App
l. Phys. Lett. 51(12), (1
987) 193)、注目を集めている。これは、有機
化合物により発光色を自由に選択できること、低電圧直
流駆動が可能なこと、蒸着や塗布法等の薄膜形成法によ
り大面積化が容易なこと等が期待できるからである。し
かしながら、これら有機化合物の薄膜を利用したEL素
子は、長時間動作させると発光輝度が低下する所謂劣化
があり、問題を残している。
【0007】劣化の原因として、発熱による有機化合物
の薄膜の変質が挙げられる。これは、電気から光エネル
ギーへの変換効率は現状では数%オーダーで、大部分の
電気エネルギーが熱に変換されるためである。したがっ
て、劣化を改善するためには、熱安定性がよく、しかも
発光効率のよい有機化合物を用いた素子を見出す必要が
あった。
【0008】なお、有機薄膜EL素子用材料として、
2,5−ジスチリルピラジン誘導体が提案されたが
(M.Nohara: Chem. Lett. (1
990)189)、素子の安定性に問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電界
発光素子等の有機光電機能材料として用いるのに適し
た、発光効率が高く且つ熱安定性に優れた特定のトリビ
ニルピラジン化合物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の究極の目的は、
特定のトリビニルピラジン化合物を含有する薄膜を発光
層として用いた、発光効率が高く且つ熱安定性に優れた
EL素子を提供することにある。
【0011】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、特定のトリビニルピラジン化合物が有機
光電機能材料として優れた性能を有することを見出し、
本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明の第一の態様は、一般式
(1)
【0013】
【化6】 (式中、Rは芳香族環または複素環を表わし、Xは水素
原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭
化水素基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カル
ボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシロキシ基、ア
シロキシカルボニル基、シアノ基、トリフルオルメチル
基を表わす。)で表わされるトリビニルピラジン化合物
である。
【0014】本発明の第二の態様は、化学式(2)
【0015】
【化7】 で表わされる2,3,5−トリメチルピラジンと一般式
(3)
【0016】
【化8】X−R−CHO (3) (式中、Rは芳香族環または複素環を表わし、Xは水素
原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭
化水素基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カル
ボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシロキシ基、ア
シロキシカルボニル基、シアノ基、トリフルオルメチル
基を表わす。)で表わされるアルデヒド化合物とを酸無
水物の存在下で反応させることを特徴とする上記一般式
(1)で表わされるトリビニルピラジン化合物の製造方
法である。
【0017】本発明の第三の態様は2つの電極間に少な
くとも発光層を有するか、正孔輸送層と発光層とが積層
されているか、又は正孔輸送層と発光層と電子輸送層と
がこの順序で積層されている層構造の電界発光素子にお
いて、該発光層が上記一般式(1)で表わされるトリビ
ニルピラジン化合物を含有する薄膜であることを特徴と
する電界発光素子である。
【0018】上記一般式(1)で表わされる本発明の化
合物において、Rが表わす芳香族環の例としては、ベン
ゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン等が挙げられ
る。複素環については、複素環の環を構成するヘテロ原
子が、酸素、窒素、イオウ等であることができ、構成ヘ
テロ原子が2個以上の場合には、それらは相異っていて
もよい。複素環の例としては、ピリジン、キノリン、フ
ラン、チオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾ
ール等が挙げられる。
【0019】上記一般式(1)で表わされる本発明の化
合物において、Xは水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環
式炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アシルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ
基、アシロキシ基、アシロキシカルボニル基、シアノ
基、トリフルオルメチル基である。これらの例を挙げる
と、脂肪族炭化水素基としてメチル基、エチル基等、脂
環式炭化水素基としてシクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等、芳香族炭化水素基としてフェニル基、ナフチル
基等、ハロゲン原子として塩素原子、弗素原子等、アル
コキシ基としてメトキシ基、エトキシ基等、アルコキシ
カルボニル基ではメトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基等、アシルアミノ基としてアセチルアミノ基
等、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基、ジエ
チルアミノ基等、アシロキシ基としてベンゾイルオキシ
基等、アシロキシカルボニル基としてベンゾイルオキシ
カルボニル基等が挙げられる。また、一般式(1)にお
いて、Rに置換基Xが1つ結合した化合物に限らず、2
つ以上結合したものも合成することが出来る。
【0020】以下に、本発明の化合物の代表例につき例
示する:まず一般式(1)においてRが芳香族環である
化合物を例示する:置換基Xが水素原子である化合物と
しては、2,3,5−トリス〔2−(フェニル)ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(1−ナフテ
ル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(2
−ナフテル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−(1−アンスイル)ビニル〕ピラジン、2,3,
5−トリス〔2−(2−アンスイル)ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−(9−アンスイル)ビニ
ル〕ピラジン等が挙げられ、Xが脂肪族炭化水素基であ
る化合物としては、2,3,5−トリス〔2−(p−ト
リル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
(o−トリル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−(m−トリル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−(p−エチルフェニル)ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−(o−エチルフェニル)
ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(m−エ
チルフェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−(p−プロピルフェニル)ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−(o−プロピルフェニル)ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(m−プロ
ピルフェニル)ビニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0021】Xが脂環式炭化水素基である化合物として
は、2,3,5−トリス〔2−(2−シクロヘキシルフ
ェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
(3−シクロヘキシルフェニル)ビニル〕ピラジン等が
挙げられ、Xが芳香族炭化水素基である化合物として
は、2,3,5−トリス〔2−(2−ビフェニル)ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(3−ビフェ
ニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
(4−ビフェニル)ビニル〕ピラジン等が挙げられ、X
がハロゲン原子である化合物としては、2,3,5−ト
リス〔2−(4−クロロフェニル)ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−(3−クロロフェニル)ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(2−クロロ
フェニル)ビニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0022】Xが水酸基である化合物としては、2,
3,5−トリス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(3−ヒドロ
キシフェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−(2−ヒドロキシフェニル)ビニル〕ピラジン等
が挙げられ、Xがアルコキシ基である化合物としては、
2,3,5−トリス〔2−(4−メトキシフェニル)ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(3−メト
キシフェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−(2−メトキシフェニル)ビニル〕ピラジン等が
挙げられ、Xがカルボキシル基である化合物としては、
2,3,5−トリス〔2−(2−カルボキシフェニル)
ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(3−カ
ルボキシフェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−ト
リス〔2−(4−カルボキシフェニル)ビニル〕ピラジ
ン等が挙げられる。
【0023】Xがアルコキシカルボニル基である化合物
としては、2,3,5−トリス〔2−(2−メトキシカ
ルボニルフェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−ト
リス〔2−(3−メトキシカルボニルフェニル)ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(4−メトキ
シカルボニルフェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−(2−エトキシカルボニルフェニル)ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(3−エト
キシカルボニルフェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,
5−トリス〔2−(4−エトキシカルボニルフェニル)
ビニル〕ピラジン等が挙げられ、Xがアシルアミノ基で
ある化合物としては、2,3,5−トリス〔2−(2−
アセチルアミノフェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,
5−トリス〔2−(3−アセチルアミノフェニル)ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(4−アセチ
ルアミノフェニル)ビニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0024】Xがジアルキルアミノ基である化合物とし
ては、2,3,5−トリス〔2−(2−ジメチルアミノ
フェニル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2
−(3−ジメチルアミノフェニル)ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(2
−ジエチルアミノフェニル)ビニル〕ピラジン、2,
3,5−トリス〔2−(3−ジエチルアミノフェニル)
ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(4−ジ
エチルアミノフェニル)ビニル〕ピラジン等が挙げら
れ、Xがニトロ基である化合物としては、2,3,5−
トリス〔2−(2−ニトロフェニル)ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−(3−ニトロフェニル)
ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(4−ニ
トロフェニル)ビニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0025】Xがアシロキシ基である化合物としては、
2,3,5−トリス〔2−(4−ベンゾイルオキシフェ
ニル)ビニル〕ピラジン等が挙げられ、Xがアシロキシ
カルボニル基である化合物としては、2,3,5−トリ
ス〔2−(4−ベンゾイルオキシカルボニルフェニル)
ビニル〕ピラジン等が挙げられ、Xがシアノ基である化
合物としては、2,3,5−トリス〔2−(4−シアノ
フェニル)ビニル〕ピラジン等が挙げられ、Xがトリフ
ルオルメチル基である化合物としては、2,3,5−ト
リス〔2−(4−トリフルオルメチルフェニル)ビニ
ル〕ピラジン等が挙げられる。
【0026】次に一般式(1)においてRが複素環であ
る化合物を例示する:置換基Xが水素原子である化合物
として、2,3,5−トリス〔2−(2−ピリジル)ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(3−ピリ
ジル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
(4−ピリジル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリ
ス〔2−(2−キノリル)ビニル〕ピラジン、2,3,
5−トリス〔2−(3−キノリル)ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−(4−キノリル)ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−(5−キノリル)ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(6−キノ
リル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
(7−キノリル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリ
ス〔2−(8−キノリル)ビニル〕ピラジン、2,3,
5−トリス〔2−(2−フリル)ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−(3−フリル)ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−(2−チエニル)ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(3−チエニ
ル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−(ベ
ンゾオキサゾル)ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリ
ス〔2−(ベンゾチアゾル)ビニル〕ピラジン等が挙げ
られる。
【0027】置換基Xが脂肪族炭化水素である化合物と
しては、2,3,5−トリス〔2−{(3−メチル)−
2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(4−メチル)−2−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−メチル)−2
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(6−メチル)−2−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−メチル)−3
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(3−メチル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(4−メチル)−3
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(5−メチル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(6−メチル)−3
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(2−メチル)−4−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(3−メチル)−4
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(3−エチル)−2−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(4−エチル)−2
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(5−エチル)−2−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(6−エチル)−2
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(3−エチル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(4−エチル)−3
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(5−エチル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(6−エチル)−3
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(2−エチル)−4−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{(3−エチル)−4
−ピリジル}ビニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0028】Xが脂環式炭化水素基である化合物として
は、2,3,5−トリス〔2−{(3−シクロヘキシ
ル)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(4−シクロヘキシル)−2−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(5−シクロヘキシル)−2−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(6−シクロヘキ
シル)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(2−シクロヘキシル)−3−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−シクロヘキシル)−3−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−シクロヘキ
シル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(6−シクロヘキシル)−3−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(2−シクロヘキシル)−4−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(3−シクロヘキ
シル)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン等が挙げられ
る。
【0029】Xが芳香族炭化水素基である化合物として
は、2,3,5−トリス〔2−{(3−フェニル)−2
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(4−フェニル)−2−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−フェニル)
−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリ
ス〔2−{(6−フェニル)−2−ピリジル}ビニル〕
ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−フェニ
ル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(4−フェニル)−3−ピリジル}ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−フェ
ニル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(6−フェニル)−3−ピリジル}ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−フ
ェニル)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,
5−トリス〔2−{(3−フェニル)−4−ピリジル}
ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{( 3
−(1−ナフチル)) −2−ピリジル}ビニル〕ピラ
ジン、2,3,5−トリス〔2−{( 4−(1−ナフ
チル))−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,
5−トリス〔2−{(5−(1−ナチテル))−2−ピ
リジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(6−(1−ナフチル))−2−ピリジル}ビニル〕
ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−(1−ナ
フチル))−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,
3,5−トリス〔2−{(4−(1−ナフチル))−3
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(5−(1−ナフチル))−3−ピリジル}ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(6−
(1−ナフチル))−3−ピリジル}ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−{(2−(1−ナフチ
ル))−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(3−(2−ナフチル))−4−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(3−(2−ナフチル))−2−ピリジル}ビニル〕
ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(4−(2−ナ
フチル))−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,
3,5−トリス〔2−{(5−(2−ナフチル))−2
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(6−(2−ナフチル))−2−ピリジル}ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−
(2−ナフチル))−3−ピリジル}ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−{(4−(2−ナフチ
ル))−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(5−(2−ナフチル))−3−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(6−(2−ナフチル))−3−ピリジル}ビニル〕
ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−(2−ナ
フチル))−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,
3,5−トリス〔2−{(3−(2−ナフチル))−4
−ピリジル}ビニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0030】Xがハロゲン原子である化合物としては、
2,3,5−トリス〔{2−(3−クロロ)−2−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−クロロ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(5−クロロ)−2−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(6−クロロ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(2−クロロ)−3−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−クロロ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(5−クロロ)−3−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(6−クロロ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(2−クロロ)−4−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(3−クロロ)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン等
が挙げられる。
【0031】Xが水酸基である化合物としては、2,
3,5−トリス〔2−{(3−ヒドロキシ)−2−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−ヒドロキシ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−{(5−ヒドロキシ)−
2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(6−ヒドロキシ)−2−ピリジル}ビニル〕
ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−ヒドロキ
シ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(4−ヒドロキシ)−3−ピリジル}ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−ヒ
ドロキシ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,
3,5−トリス〔2−{(6−ヒドロキシ)−3−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(2−ヒドロキシ)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−{(3−ヒドロキシ)−
4−ピリジル}ビニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0032】Xがアルコキシ基である化合物としては、
2,3,5−トリス〔2−{(3−メトキシ)−2−ピ
リジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−メトキシ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−{(5−メトキシ)−2
−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(6−メトキシ)−2−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−メトキシ)
−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリ
ス〔2−{(4−メトキシ)−3−ピリジル}ビニル〕
ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−メトキ
シ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(6−メトキシ)−3−ピリジル}ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−メト
キシ)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(3−メトキシ)−4−ピリジル}ビ
ニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0033】Xがカルボキシル基である化合物として
は、2,3,5−トリス〔2−{(3−カルボキシ)−
2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(4−カルボキシ)−2−ピリジル}ビニル〕
ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−カルボキ
シ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(6−カルボキシ)−2−ピリジル}ビ
ニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(2−カ
ルボキシ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,
3,5−トリス〔2−{(4−カルボキシ)−3−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(5−カルボキシ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−{(6−カルボキシ)−
3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(2−カルボキシ)−4−ピリジル}ビニル〕
ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(3−カルボキ
シ)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン等が挙げられ
る。
【0034】Xがアルコキシカルボニル基である化合物
としては、2,3,5−トリス〔2−{(3−メトキシ
カルボニル)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,
3,5−トリス〔2−{(4−メトキシカルボニル)−
2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス
〔2−{(5−メトキシカルボニル)−2−ピリジル}
ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(6−
メトキシカルボニル)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジ
ン、2,3,5−トリス〔2−{(2−メトキシカルボ
ニル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(4−メトキシカルボニル)−3−ピ
リジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(5−メトキシカルボニル)−3−ピリジル}ビニ
ル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−{(6−メト
キシカルボニル)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(2−メトキシカルボニ
ル)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(3−メトキシカルボニル)−4−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン等が挙げられる。
【0035】Xがアシルアミノ基である化合物として
は、2,3,5−トリス〔2−{(3−アセチルアミ
ノ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(4−アセチルアミノ)−2−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(5−アセチルアミノ)−2−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{6−アセチルアミ
ノ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(2−アセチルアミノ)−3−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−アセチルアミノ)−3−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−アセチルア
ミノ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(6−アセチルアミノ)−3−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(2−アセチルアミノ)−4−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(3−アセチルア
ミノ)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン等が挙げられ
る。
【0036】Xがジアルキルアミノ基である化合物とし
ては、2,3,5−トリス〔2−{(3−ジメチルアミ
ノ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−
トリス〔2−{(4−ジメチルアミノ)−2−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(5−ジメチルアミノ)−2−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(6−ジメチルア
ミノ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(2−ジメチルアミノ)−3−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−ジメチルアミノ)−3−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(5−ジメチルア
ミノ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5
−トリス〔2−{(6−ジメチルアミノ)−3−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(2−ジメチルアミノ)−4−ピリジル}ビニル〕ピ
ラジン、2,3,5−トリス〔2−{(3−ジメチルア
ミノ)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン等が挙げられ
る。
【0037】Xがニトロ基である化合物としては、2,
3,5−トリス〔2−{(3−ニトロ)−2−ピリジ
ル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−ニトロ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(5−ニトロ)−2−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(6−ニトロ)−2−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(2−ニトロ)−3−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(4−ニトロ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(5−ニトロ)−3−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(6−ニトロ)−3−ピリジル}ビニル〕ピラジン、
2,3,5−トリス〔2−{(2−ニトロ)−2−ピリ
ジル}ビニル〕ピラジン、2,3,5−トリス〔2−
{(3−ニトロ)−4−ピリジル}ビニル〕ピラジン等
が挙げられる。Xがアシロキシ基である化合物として
は、2,3,5−トリス〔2−(4−ベンゾイルオキシ
フェニル)ビニル〕ピラジン、Xがアシロキシカルボニ
ル基である化合物としては、2,3,5−トリス〔2−
(4−ベンゾイルオキシカルボニルフェニル)ビニル〕
ピラジン等が挙げられる。
【0038】上記に例示したトリビニルピラジン化合物
は、化学式(2)
【0039】
【化9】 で表わされる2,3,5−トリメチルピラジンと一般式
(3)
【0040】
【化10】X−R−CHO (3) (式中、X及びRは前記で定義した通りである。)で表
わされるアルデヒド化合物を酸無水物の存在下で反応さ
せて製造される。
【0041】本発明で使用される酸無水物としては、無
水安息香酸、無水酢酸、無水酪酸等が挙げられ、好まし
くは無水安息香酸が用いられる。また、塩化亜鉛等の無
機系の脱水剤も利用することができるが、反応速度等の
制約があり、酸無水物の方が好ましい。
【0042】反応温度は、50〜300℃、好ましくは
150〜250℃の範囲であり、反応時間は反応温度に
より異なるが、数時間から20時間の範囲である。
【0043】反応時の雰囲気は、原料化合物の酸化等の
副反応を防ぐために、系内に窒素等の不活性ガスを流通
あるいは充満させる。
【0044】反応原料であるトリメチルピラジンとアル
デヒド化合物との量的関係は、アルデヒド化合物を過剰
に存在せしめることが好ましく、そのモル比率は、1:
1〜20、好ましくは1:5〜15の範囲である。この
時のアルデヒド化合物と酸無水物との相対割合は、モル
比率でほぼ等量であることが好ましい。
【0045】上記に例示した本発明のトリビニルピラジ
ン化合物は一般式(1)においてX−R−で表わされる
3つの置換基がすべて同一であるトリビニルピラジン化
合物であるが、3つの置換基の一部あるいはすべてが異
なるトリビニルピラジン化合物を同様の方法で製造する
ことができる。この場合、同時に置換基を導入する方法
と逐次的に導入する方法があり、同時に導入する場合に
は、各アルデヒド化合物のトリメチルピラジンとの反応
速度を求め、その結果を基にしてアルデヒド化合物の仕
込み比を決定する。一方、逐次的に導入する場合には、
反応速度の遅いものから反応させ、反応時間を制御する
ことにより、導入置換基の数を制御し、逐次、対象とな
るアルデヒド化合物を反応させることにより置換基の一
部あるいは全てが異なるトリビニルピラジン化合物を製
造することができる。
【0046】上記製造法により得られる置換基の一部あ
るいは全てが異なるトリビニルピラジン化合物は、単一
組成でない場合もあるが、溶媒分別、再結晶、カラム分
離等の分離手段により単一化合物とすることができる。
【0047】また、置換基Xが水酸基およびカルボキシ
ル基である化合物は、上記製造法における酸無水物の存
在下では、一部または大部分がエステルまたは酸無水物
の形で存在するが、生成物を加水分解することにより、
容易に置換基Xを水酸基およびカルボキシル基にするこ
とができる。
【0048】本発明の一般式(1)で規定されるトリビ
ニルピラジン化合物は、薄膜発光素子や非線形光学素子
等の原料として有用である。
【0049】本発明のEL素子の1つの重要な実施の形
態は、トリビニルピラジン化合物を含有する薄膜が発光
層として正孔注入用電極(以後第1電極と呼ぶ)と電子
注入電極(以後第2電極と呼ぶ)との間に少なくとも1
つ挟みこまれた構造である。より具体的には2つの電極
間に少なくとも発光層を有するか、正孔輸送層と発光層
が積層されているか、又は正孔輸送層と発光層と電子輸
送層がこの順序で積層されているものが好ましい実施の
態様である。
【0050】好ましい実施の形態を図示すると、図1〜
図4が挙げられる。図1は、トリビニルピラジン化合物
を含む有機薄膜層(1)の1層よりなる素子である。ト
リビニルピラジン化合物を含む有機薄膜層は、トリビニ
ルピラジン化合物単独でも良いし、正孔輸送材料、電子
輸送材料、または正孔輸送材料と電子輸送材料と混合さ
れていてもよい。図2は、トリビニルピラジン化合物を
含む有機薄膜層(1)と正孔輸送材料の薄膜層(5)の
2層構造の素子であり、図3はトリビニルピラジン化合
物を含む有機薄膜層(1)と電子輸送材料の薄膜層
(6)との2層構造の素子である。何れも、トリビニル
ピラジン化合物を含む有機薄膜層は、トリビニルピラジ
ン化合物単独でも良いし、正孔輸送材料、電子輸送材
料、または正孔輸送材料と電子輸送材料と混合してもよ
い。図4は、正孔輸送材料の薄膜層(5)と、トリビニ
ルピラジン化合物を含む有機薄膜層(1)と、電子輸送
材料の薄膜層(6)とよりなる3層構造の素子である。
【0051】勿論、トリビニルピラジン化合物を含む有
機薄膜層は、トリビニルピラジン化合物単独でも良い
し、正孔輸送材料、電子輸送材料、または正孔輸送材料
と電子輸送材料と混合されていてもよい。図1〜図4に
おいて、(2)は透明導電膜等の第1電極、(3)は金
属電極等の第2電極、(4)はガラス基板等の支持基板
である。(2)には電源のプラス、(3)には電源のマ
イナスを印加するように結線される。
【0052】これらの素子構造は、特に限定されるもの
ではなく、トリビニルピラジン化合物を含有する薄膜の
性質に応じて適宜選択される。これらトリビニルピラジ
ン化合物を含有する薄膜とは、一般式(1)で表わされ
る化合物の一つまたはそれ以上のものから形成される。
要するに、本発明において重要なことは、トリビニルピ
ラジン化合物が含有された薄膜を用いることである。
【0053】薄膜の形成方法としては、真空蒸着法、昇
華法、塗布法等の形成方法が適宜用いられる。薄膜の構
造としては、非結晶質、微結晶質、微結晶を含む非結晶
質、多結晶、単結晶の薄膜等がそれぞれ適宜用いられ
る。好ましくは、ピンホールがなく膜厚が均一になる薄
膜が選択される。薄膜の厚みは、特に限定するものでは
ないが、通常50〜5000Å程度が採用される。勿
論、この外の範囲を使用することも可能である。
【0054】次に、正孔輸送性薄膜について説明する:
正孔輸送性薄膜としては、正孔輸送性を有する有機薄膜
や無機薄膜が用いられる。有機薄膜では、正孔輸送性を
持つ公知の有機材料を用いてよく、特に限定するもので
はないが、好ましくは、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス−(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフ
ェニル−4,4’− ジアミン等のジアミン化合物や銅
フタロシアニン等のフタロシアニン化合物、ポリビニル
カルバゾールやポリメチルフェニルシラン等のポリマー
化合物が挙げられる。有機薄膜の形成方法としては、真
空蒸着法、昇華法、塗布法等の形成方法が適宜用いられ
る。また、これらの有機材料を混合したり積層したりし
て形成した薄膜を用いることも勿論可能である。厚みは
特に限定はされないが、通常、10〜3000Å程度が
使用される。勿論、これ以外のものも使用可能である。
【0055】無機薄膜としては、非結晶質や微結晶質の
半導体薄膜が用いられる。好ましくは、Si系材料やS
iC系材料等が挙げられる。より好ましくは、水素化非
結晶質SiC、水素化微結晶質Si、水素化微結晶質S
iC等が挙げられる。又、この薄膜は、組成変調やドー
ピングおよび積層構造などで正孔伝導性にする。厚みは
特に限定されないが、通常、10〜3000Å程度が使
用される。勿論、これ以外のものも使用可能である。無
機薄膜の製造方法としては、光CVD法、プラズマCV
D法、熱CVD法、MBE法、蒸着法、スパッタ法など
の各種の薄膜形成方法が用いられる。
【0056】次に、電子輸送性薄膜について説明する:
電子輸送性薄膜は、電子輸送性を有する有機薄膜や無機
薄膜が用いられる。有機薄膜では、電子輸送性を持つ公
知の有機材料を用いてよく、特に限定するものではない
が、好ましくは、トリス−(8−ヒドロキシキノリノー
ル)アルミニュームの金属錯体化合物、2,5−ビス
(4’−ジエチルアミノフェニル)−1,2,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール化合物等が挙げられ
る。有機薄膜の形成方法としては、真空蒸着法、昇華
法、塗布法等の形成方法が適宜用いられる。また、これ
らの有機材料を混合したり積層したりして形成した薄膜
を用いることも勿論可能である。厚みは特に限定されな
いが、通常、10〜3000Å程度が使用される。勿
論、これ以外のものも使用可能である。
【0057】無機薄膜としては、非結晶質や微結晶質の
半導体薄膜が用いられる。好ましくは、Si系材料やS
iC系材料等が挙げられる。より好ましくは、水素化非
結晶質SiC、水素化微結晶質Si、水素化微結晶質S
iC等が挙げられる。又、この薄膜は、組成変調やドー
ピングおよび積層構造などで電子伝導性にする。無機薄
膜の製造方法としては、光CVD法、プラズマCVD
法、熱CVD法、MBE法、蒸着法、スパッタ法などの
各種の薄膜形成方法が用いられる。厚みは特に限定され
ないが、通常、10〜3000Å程度が使用される。勿
論、これ以外のものも使用可能である。
【0058】次に、第1電極について説明する:電極材
料は、金属、合金、金属酸化物、金属シリサイド等の薄
膜、伝導性高分子等の薄膜、及びそれらを積層した薄膜
などが用いられる。より好ましくは、酸化スズ(SnO
2)、酸化インジューム(ITO)、酸化亜鉛(Zn
O)などの透明導電膜、金(Au)金属、ポリアリーレ
ンビニレン、ポリチオフェン等の伝導性高分子等が挙げ
られる。
【0059】さらに、第2電極について説明する:電極
材料は、金属、合金、金属酸化物、金属シリサイドなど
の薄膜、およびそれらを積層した薄膜などが用いられ
る。好ましくは、Mg等の元素周期律表第II族、Al
等の第III 族の金属の薄膜、Mg−Ag等の第II
−I族金属合金膜、Mg−In等の第II−III 族
金属合金膜等が挙げられる。電極の製造方法としては、
蒸着法、スパッタ法、電界重合法、塗布法などの薄膜形
成方法が適宜用いられる。電極の厚みは特に限定されな
いが、通常、10〜5000Å程度が使用される。勿
論、これ以外のものも使用可能である。
【0060】次に、本発明におけるEL素子の作成方法
と、評価方法について説明する:電子ビーム真空蒸着法
によりガラス基板上に透明導電膜を形成する。その後、
ヒータ線(1φ、5回巻き)を巻いた複数個の石英ボー
ド(1cc)に正孔輸送材料、発光材料、電子輸送性材
料を、それぞれ数mgずついれる。真空中でヒータ線に
電流(8A)流し、加熱して蒸着するが、性質の異なる
薄膜を積層する時は、それぞれのボードに順次電流を流
して蒸着する。また、性質の異なる材料を混合する時
は、同時にボードに電流を流し、蒸着速度をモニターし
ながら、混合比率を決め共蒸着を行う。この時の真空度
は5×10−5(Torr)程度とする。膜厚のモニタ
は水晶振動子により行う。蒸着される膜厚は、水晶振動
子の周波数と、蒸着膜を触針式の膜厚計によりあらかじ
め作成した振動数と膜厚の相関データから決定した。
【0061】この蒸着された基板を大気中に取り出し、
別の真空蒸着装置の金属マスク上に置き、金属が一部蒸
着されないようにした。さらに、タングステンの巻線
(0.5φ、4回巻き)に金属の粒をのせ、真空度が約
2×10−6(Torr)となるまで真空排気して、タ
ングステン線に電流を約12Aを流し、金属を蒸着し
た。この蒸着された基板を大気中に取り出し、透明導電
膜の部分に直流電源のプラス電圧端子、金属の部分に直
流電源のマイナス電圧端子を取り付け、直流電源のボリ
ュームを徐々に上げながら、その時示される電圧と電流
と発光する輝度を測定装置により観測した。
【0062】尚、電界発光素子材料として用いる場合に
は、一般式(1)の置換基Xが水素原子、アルキル基、
ハロゲン原子、フェニル基、ジアルキルアミノ基又はア
ルコキシ基である化合物が好ましい。
【0063】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する: 実施例1 還流冷却器、窒素ガス導入管を付けた、200mlのナ
ス型フラスコに2,3,5−トリメチルピラジン3.0
0g(0.0246mol)、ベンズアルデヒド23.
46g(0.221mol)および無水安息香酸30.
02g(0.221mol)を加え、窒素ガスを少しず
つ流しながらシリコンバス中、バス温度230℃で10
時間加熱して反応させた。反応後、加熱を止め、一夜放
置した。150mlのメタノールを加え、撹拌し、析出
した固体を濾別した。乾燥後、トルエンから再結晶し、
さらに塩化メチレン−シリカゲル(C200)カラムで
精製した。これをトルエンから再結晶し、乾燥すると塊
状固体の2,3,5−トリス〔2−(フェニル)ビニ
ル〕ピラジンが得られた。収量は1.49g(収率1
5.7%)であった。得られた2,3,5−トリス〔2
−(フェニル)ビニル〕ピラジンの融点は168〜16
9℃であり、そのマススペクトルおよびNMRスペクト
ルから上記の化合物であることが確認された。
【0064】実施例2 還流冷却器、窒素ガス導入管を付けた、200mlのナ
ス型フラスコに2,3,5−トリメチルピラジン2.0
0g(0.0164mol)、4−メチルベンズアルデ
ヒド17.70g(0.148mol)および無水安息
香酸22.25g(0.098mol)を加え、窒素ガ
スを少しずつ流しながらシリコンバス中、バス温度24
0℃で10時間加熱して反応させた。反応後、加熱を止
め、一夜放置した。200mlのエタノールを加え、撹
拌し、析出した固体を濾別した。その固体をエタノール
で洗浄した。乾燥後、トルエン−ヘキサンから再結晶
し、さらにトルエンから再結晶すると、淡黄褐色の2,
3,5−トリス〔2−(4−メチルフェニル)ビニル〕
ピラジンの針状結晶が得られた。収量は2.23g(収
率35.7%)であった。得られた2,3,5−トリス
〔2−(4−メチルフェニル)ビニル〕ピラジンの融点
は164〜165℃であり、そのマススペクトルおよび
NMRスペクトルから上記の化合物であることが確認さ
れた。
【0065】実施例3 還流冷却器、窒素ガス導入管を付けた、200mlのナ
ス型フラスコに2,3,5−トリメチルピラジン2.0
0g(0.0164mol)、p−クロロベンズアルデ
ヒド20.76g(0.148mol)および無水安息
香酸22.25g(0.0984mol)を加え、窒素
ガスを少しずつ流しながらシリコンバス中、バス温度2
40℃で10時間加熱して反応させた。反応後、加熱を
止め、一夜放置した。200mlのメタノールを加え、
撹拌し、析出した固体を濾別した。その固体をメタノー
ルで洗浄した。乾燥後、塩化メチレン−シリカゲル(C
200)カラムで精製した。濃縮し、乾燥した後、ベン
ゼンから再結晶すると、黄褐色の顆粒状の2,3,5−
トリス〔2−(4−クロロフェニル)ビニル〕ピラジン
が得られた。収量は1.79g(収率22.3%)であ
った。得られた2,3,5−トリス〔2−(4−クロロ
フェニル)ビニル〕ピラジンの融点は224〜225℃
であり、そのマススペクトルおよびNMRスペクトルか
ら上記の化合物であることが確認された。
【0066】実施例4 還流冷却器、窒素ガス導入管を付けた、200mlのナ
ス型フラスコに2,3,5−トリメチルピラジン2.0
0g(0.0164mol)、1−ナフチルアルデヒド
23.05g(0.148mol)および無水安息香酸
22.25g(0.0984mol)を加え、窒素ガス
を少しずつ流しながらシリコンバス中、バス温度210
℃で7時間加熱して反応させた。反応後、加熱を止め、
一夜放置した。200mlのメタノールを加え、撹拌
し、析出した固体を減圧濾過した。濾紙上の結晶をエタ
ノールで数回洗浄し、濾別した。濾液を濃縮し、析出し
た固体を濾別し、そのフィルター上の固体をベンゼンで
洗浄し、はじめの固体と合わせ、ベンゼン+ヘキサンか
らの再結晶を2度実施した。さらにベンゼンから再結晶
すると、2,3,5−トリス〔2−(1−ナフチル)ビ
ニル〕ピラジンのオレンジ色針状結晶が得られた。収量
は1.28g(収率14.6%)であった。また融点は
155〜157℃であり、そのマススペクトルおよびN
MRスペクトルから上記の化合物であることが確認され
た。
【0067】実施例5 還流冷却器、窒素ガス導入管を付けた、200mlのナ
ス型フラスコに2,3,5−トリメチルピラジン2.0
0g(0.0164mol)、2−ナフチルアルデヒド
23.05g(0.148mol)および無水安息香酸
22.25g(0.0984mol)を加え、窒素ガス
を少しずつ流しながらシリコンバス中、バス温度210
℃で4時間加熱して反応させた。反応後、加熱を止め、
一夜放置した。70mlのメタノールを加え、撹拌する
と、一度溶解するがすぐに固体が析出した。更にメタノ
ール150mlを加え、撹拌し、析出した固体を減圧濾
過した。ベンゼンからの再結晶を2度実施すると、2,
3,5−トリス〔2−(2−ナフチル)ビニル〕ピラジ
ンの黄色ワタ状結晶が得られた。収量は1.49g(収
率17.0%)であった。また融点は232〜234℃
であり、そのマススペクトルおよびNMRスペクトルか
ら上記の化合物であることが確認された。
【0068】実施例6 還流冷却器、窒素ガス導入管を付けた、200mlのナ
ス型フラスコに2,3,5−トリメチルピラジン2.0
0g(0.0164mol)、α,α,α−トリフルオ
ルメチルアルデヒド26.67g(0.148mol)
および無水安息香酸22.25g(0.0984mo
l)を加え、窒素ガスを少しずつ流しながらシリコンバ
ス中で10時間還流加熱して反応させた。反応後、加熱
を止め、一夜放置した。200mlのメタノールを加
え、撹拌し、析出した固体を濾別した。その固体をメタ
ノールで洗浄した。乾燥後、塩化メチレン−シリカゲル
(C200)カラムで精製した。濃縮し、乾燥した後、
ベンゼンから再結晶すると、淡褐色針状結晶の2,3,
5−トリス〔2−(4−トリフルオルメチルフェニル)
ビニル〕ピラジンが得られた。収量は2.56g(収率
26.5%)であった。その融点は203〜204℃で
あり、そのマススペクトルおよびNMRスペクトルから
上記の化合物であることが確認された。
【0069】実施例7 還流冷却器、窒素ガス導入管を付けた、200mlのナ
ス型フラスコに2,3,5−トリメチルピラジン1.0
0g(0.00819mol)、p−シアノベンズアル
デヒド9.66g(0.148mol)および無水安息
香酸11.13g(0.0492mol)を加え、窒素
ガスを少しずつ流しながらシリコンバス中、バス温度2
10℃で4時間加熱して反応させた。反応後、反応液が
室温になったら200mlのメタノールを加え、撹拌
し、析出した固体を濾別した。その固体をメタノールで
洗浄した。乾燥後、DMFから再結晶すると粒状固体の
2,3,5−トリス〔2−(4−シアノフェニル)ビニ
ル〕ピラジンが得られた。収量は0.54g(収率1
4.0%)であった。その融点は310〜313℃であ
り、そのマススペクトルおよびNMRスペクトルから上
記の化合物であることが確認された。
【0070】実施例8 ガラス基板上にITO膜を膜厚1000Åで形成して第
1電極とした。抵抗加熱真空蒸着法を用いて、N,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミンの薄膜を
膜厚500Åで形成して正孔輸送性薄膜とした。次に、
2,3,5−トリス〔2−(フェニル)ビニル〕ピラジ
ンの有機薄膜を抵抗加熱真空蒸着法を用いて、膜厚25
0Åで形成して発光層とした。この層の上に、抵抗加熱
真空蒸着法を用いてトリス−(8−ヒドロキシキノリノ
ール)アルミニュームの薄膜を膜厚250Åで形成して
電子輸送性薄膜とした。さらにMg金属薄膜を抵抗加熱
蒸着法を用いて堆積して第2電極として、図4に示すE
L素子を得た。なお、Mg金属の蒸着膜の面積は1cm
角であった。この素子に、ITO側にプラス、Mg側に
マスナスの電圧を印加したとき、十数ボルト以上で室内
蛍光灯下で確認できる明るい黄色の発光が観測された。
直流印加電圧15V、電流密度150mA/cm2 にお
いて輝度600(cd/m2 )であった。また、長時間
の連続動作が可能であることが確認され、高輝度で安定
なEL素子特性を示した。
【0071】実施例9 ガラス基板上にITO膜を膜厚1000Åで形成して第
1電極とした。抵抗加熱真空蒸着法を用いて、N,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミンの薄膜を
膜厚500Åで形成して正孔輸送性薄膜とした。次に、
2,3,5−トリス〔2−(4−トリフルオルメチルフ
ェニル)ビニル〕ピラジンの有機薄膜を抵抗加熱真空蒸
着法を用いて、膜厚250Åで形成して発光層とした。
この層の上に、抵抗加熱真空蒸着法を用いてトリス−
(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニュームの薄膜
を膜厚300Åで形成して電子輸送性薄膜とした。さら
にMg金属薄膜を抵抗加熱蒸着法を用いて堆積して第2
電極として、図4に示すEL素子を得た。なお、Mg金
属の蒸着膜の面積は1cm角である。この素子に、IT
O側にプラス、Mg側にマスナスの電圧を印加したと
き、十数ボルト以上で室内蛍光灯下で確認できる明るい
黄色の発光が観測された。直流印加電圧15V、電流密
度150mA/cm2 において輝度400(cd/m
2 )であった。また、長時間の連続動作が可能であるこ
とが確認され、高輝度で安定なEL素子特性を示した。
【0072】実施例10 ガラス基板上にITO膜を膜厚1000Åで形成して第
1電極とした。抵抗加熱真空蒸着法を用いて、N,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミンの薄膜を
膜厚500Åで形成して正孔輸送性薄膜とした。次に、
2,3,5−トリス〔2−(4−クロロフェニル)ビニ
ル〕ピラジンの有機薄膜を抵抗加熱真空蒸着法を用い
て、膜厚250Åで形成して発光層とした。この層の上
に、抵抗加熱真空蒸着法を用いてトリス−(8−ヒドロ
キシキノリノール)アルミニュームの薄膜を膜厚250
Åで形成して、電子輸送性薄膜とした。さらにMg金属
薄膜を抵抗加熱蒸着法を用いて堆積して第2電極とし
て、図4に示すEL素子を得た。なお、Mg金属の蒸着
膜の面積は1cm角である。この素子に、ITO側にプ
ラス、Mg側にマスナスの電圧を印加したとき、十数ボ
ルト以上で室内蛍光灯下で確認できる明るい黄色の発光
が観測された。直流印加電圧16V、電流密度160m
A/cm2 において輝度400(cd/m2 )であっ
た。また、長時間の連続動作が可能であることが確認さ
れ、高輝度で安定なEL素子特性を示した。
【0073】
【発明の効果】上記の実施例8〜10のデータからも明
らかなように、本発明により高い発光性と熱安定性を有
し、かつ均一薄膜が形成された、長時間の動作に耐えら
れる電界発光素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子の構成例を示す概略断面図で
ある。
【図2】本発明のEL素子の構成例を示す概略断面図で
ある。
【図3】本発明のEL素子の構成例を示す概略断面図で
ある。
【図4】本発明のEL素子の構成例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1 トリビニルピラジン化合物を含む有機薄膜層 2 第1電極 3 第2電極 4 支持基板 5 正孔輸送材料の薄膜層 6 電子輸送材料の薄膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 正木 神奈川県横浜市緑区鉄町1614番地 桐蔭学 園横浜大学工学部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは芳香族環または複素環を表わし、Xは水素
    原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭
    化水素基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カル
    ボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ
    基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシロキシ基、ア
    シロキシカルボニル基、シアノ基、トリフルオルメチル
    基を表わす。)で表わされるトリビニルピラジン化合
    物。
  2. 【請求項2】 化学式(2) 【化2】 で表わされる2,3,5−トリメチルピラジンと一般式
    (3) 【化3】X−R−CHO (3) (式中、Rは芳香族環または複素環を表わし、Xは水素
    原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭
    化水素基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カル
    ボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ
    基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシロキシ基、ア
    シロキシカルボニル基、シアノ基、トリフルオルメチル
    基を表わす。)で表わされるアルデヒド化合物とを酸無
    水物の存在下で反応させることを特徴とする一般式
    (1) 【化4】 (式中、R及びXは上記(3)式で定義した通りであ
    る。)で表わされるトリビニルピラジン化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 2つの電極間に少なくとも発光層を有す
    るか、正孔輸送層と発光層とが積層されているか、又は
    正孔輸送層と発光層と電子輸送層とがこの順序で積層さ
    れている層構造の電界発光素子において、該発光層が一
    般式(1) 【化5】 (式中、Rは芳香族環または複素環を表わし、Xは水素
    原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭
    化水素基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カル
    ボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ
    基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシロキシ基、ア
    シロキシカルボニル基、シアノ基、トリフルオルメチル
    基を表わす。)で表わされるトリビニルピラジン化合物
    を含有する薄膜であることを特徴とする電界発光素子。
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