JPH06230386A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法

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JPH06230386A
JPH06230386A JP1855593A JP1855593A JPH06230386A JP H06230386 A JPH06230386 A JP H06230386A JP 1855593 A JP1855593 A JP 1855593A JP 1855593 A JP1855593 A JP 1855593A JP H06230386 A JPH06230386 A JP H06230386A
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JP
Japan
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thin film
liquid crystal
substrate
insulating thin
crystal display
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JP1855593A
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Makoto Hasegawa
誠 長谷川
Akio Murayama
昭夫 村山
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密着性に優れた無機絶縁薄膜と有機絶縁薄膜
とからなる多層膜を工程数を増やさないで容易に形成す
る 【構成】 基板と、この基板の 1主面上に透明電極を形
成する工程と、透明電極上に無機絶縁薄膜と有機絶縁薄
膜とからなる多層配向膜を多層膜の積層順を制御しなが
ら同時に形成する工程と、透明電極および多層配向膜が
形成された基板を少なくとも 1枚用いて配向膜を対向さ
せた 2枚の基板間に液晶組成物を挟持させる工程とから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子の製造方法
に係わり、とくに生産性および表示特性を向上させるこ
とのできる液晶表示素子用配向膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子は、薄型軽量、低消
費電力という大きな利点をもつため、液晶テレビ、日本
語ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等のOA
機器の表示装置に多用されている。それと共に、表示特
性に優れ、かつ生産性に優れた液晶表示素子の製造方法
が研究されている。
【0003】液晶表示素子の製造にあたっては、ガラス
などの透明基板上に透明電極を形成して、さらにその表
面に液晶分子を所定の方向に配向させる配向膜の形成が
必要である。この配向膜の形成はポリイミドに代表され
る有機高分子の薄膜をスピンコート、印刷等の方法によ
り形成した後、布等で軽く摩擦し配向方向を付与する方
法(ラビング処理法)が主流となっているが、薄膜の損
傷または剥離などが起こりやすい。その結果、液晶表示
素子駆動時に膜面損傷による表示不良が観察されたり、
対向基板間で短絡を起こしたりするなどの問題があっ
た。このため、このような表示特性の低下を防ぐ手段の
一つとして、透明電極が形成されたガラス基板と有機配
向膜との層間に、酸化けい素を主成分とした薄膜を形成
する方法が知られている(特開平 3-132623 号公報)。
この方法は、チタンとけい素の化合物溶液を透明電極を
形成したガラス基板上に塗布し溶媒除去を行い無機絶縁
薄膜とした後、この無機絶縁薄膜上にポリイミド溶液を
塗布し溶媒除去を行い薄膜化して配向膜としている。ま
た、けい素とジルコニウムやチタンなどを混合した無機
物に有機物を加えて配向膜とする方法が知られている
(特開平 2-148021 号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
多層膜の製造方法においては、無機絶縁薄膜形成後、つ
いでポリイミドなどの有機絶縁薄膜形成を個別に行わな
ければならず、多くの製造設備を必要とし、また工程数
が増える結果、生産性が悪くなるとの問題があった。と
くに、無機絶縁薄膜および有機絶縁薄膜を多層積層する
場合には工程数が増え問題があった。
【0005】さらに、無機絶縁薄膜形成後、有機絶縁薄
膜を形成するため、成膜時の収縮率の差などにより薄膜
相互間での密着性に劣るなどの問題があった。
【0006】また、無機物と有機物を混合した配向膜は
ラビング処理が困難であるとの問題があった。
【0007】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、密着性に優れた無機絶縁薄膜と有機絶
縁薄膜とからなる多層膜を工程数を増やさないで容易に
形成することのできる液晶表示素子の製造方法を提供し
ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子の
製造方法は、基板と、この基板の 1主面上に透明電極を
形成する工程と、透明電極上に無機絶縁薄膜と有機絶縁
薄膜とからなる多層配向膜を形成する工程と、透明電極
および多層配向膜が形成された基板を少なくとも 1枚用
いて配向膜を対向させた 2枚の基板間に液晶組成物を挟
持させる工程とからなる液晶表示素子の製造方法におい
て、透明電極上に多層配向膜を形成する工程が、多層膜
の積層順を制御しながら同時に多層配向膜を形成するこ
とを特徴とする。
【0009】本発明の液晶表示素子の製造方法におい
て、多層膜の積層順を制御しながらとは、無機絶縁薄膜
や有機絶縁薄膜の形成にさいして、その形成順序や層厚
を任意に変えながら成膜することをいう。さらに本発明
においては成膜時に同時に多層膜が形成される。
【0010】積層順を制御しながら多層膜を同時に形成
する手段としては、膜形成時の基板表面と液間および液
間同士の界面活性の差を利用する方法や塗布溶液の比重
差を利用する方法等が挙げられる。
【0011】基板表面と液間および液間同士の界面活性
の差を利用する方法としては、親水性とした透明電極基
板表面に、有機絶縁薄膜形成物質を疎水性溶媒に溶解さ
せた溶液と無機絶縁薄膜形成物質を親水性溶媒に溶解さ
せた溶液よりエマルジョンを形成して、透明電極表面上
に塗布乾燥する方法がある。その結果、無機絶縁薄膜が
ミドルコートとして透明電極表面上に、その上に有機絶
縁薄膜とが同時に界面活性の差により形成される。
【0012】ここで、有機絶縁薄膜形成物質は、絶縁薄
膜となって液晶分子を配向せしめ、かつ疎水性溶媒に溶
解し得る性質を有する物質が使用できる。たとえば、ポ
リイミド、ポリアミドイミドまたはこれらを形成する多
価カルボン酸無水物またはその誘導体とジアミン等が例
示される。ポリイミドは、疎水性溶媒に溶解することの
できるポリイミドはそのままの形態で、また疎水性溶媒
に溶解し、最終絶縁薄膜がポリイミドとなるポリアミッ
ク酸の形態であってもよい。さらに、反応してポリアミ
ック酸やポリイミドとなる多価カルボン酸無水物または
その誘導体とジアミン等の形態であってもよい。また、
無機絶縁薄膜形成物質は透光性を有する物質が使用で
き、さらに親水性溶媒に溶解し得る性質を有する物質が
好ましい。たとえば、シラノール基を有する酸化けい素
化合物、アルコキシル基を有するチタン化合物等が例示
される。なお、これらの化合物にはジルコニウム微粉末
を微量添加することもできる。
【0013】疎水性溶媒は親水性基板に対する接触角が
60 度以上の溶媒が好ましく、たとえばオレイン酸、ベ
ンゼン、トルエン等を例示できる。また親水性溶媒は親
水性基板に対する接触角が 30 度以下の溶媒が好まし
く、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール
等を例示できる。このような疎水性、親水性溶媒を用い
ることにより容易に多層膜が形成できる。なお、無機絶
縁薄膜を親水性透明基板の下層とする場合には、疎水性
溶媒に比較して沸点の低い親水性溶媒を使用すること
が、加熱により優先的に親水性溶媒が除去できるため好
ましい。
【0014】エマルジョンは、親水性溶媒に酸化けい素
化合物等をまた疎水性溶媒にポリイミド等を溶解させ、
それぞれの溶液を極く少量の低沸点乳化剤とともに混合
することにより形成される。ここで、使用される乳化剤
は、親水性溶液と疎水性溶液とを乳化させることのでき
る最小限の量であり、また基板との親和力は親水性基板
と親水性溶液間との親和力より小さく、その沸点は疎水
性溶媒の沸点とイミド化反応温度の間にあり、種類とし
ては非イオン系界面活性剤が好ましい。
【0015】このようなエマルジョンを親水性処理を施
した基板に塗布して静置後、徐々に加熱乾燥を行うと、
透明電極基板−酸化けい素化合物薄膜(無機絶縁薄膜)
−ポリイミド薄膜(有機絶縁薄膜)の多層薄膜を 1回の
工程で形成することができる。また乳化剤は加熱乾燥の
際に除去される。加熱乾燥の条件は、不活性気体雰囲気
中、 200〜300 ℃、 2〜 0.5時間が好ましい。
【0016】本発明に使用できる基板はガラス、石英な
どの透明絶縁基板を使用することができ、また、透明電
極はITO(インジウム−錫の酸化物)、酸化錫(Sn
2)などを使用することができる。絶縁基板上に透明
電極を形成した後の表面は、基板および電極材料の種類
により親水性または疎水性の性質を有するが、種々の表
面処理により親水性または疎水性とすることができる。
たとえば、アミノシラン系溶液で処理することにより親
水性とすることができる。
【0017】膜形成時の塗布溶液の比重差を利用する方
法としては、親水性溶媒の比重と疎水性溶媒の比重が異
なる混合溶媒を用いて上述のエマルジョンを形成する。
たとえば、親水性溶媒は微量のジルコニウムを添加した
酸化けい素等に対して溶解能が高くポリイミド系に対し
て溶解能が低く、一方、疎水性溶媒はポリイミド系に対
して溶解能が高く酸化けい素等に対して溶解能が低く、
また両溶媒が各々の溶液系に対して非溶媒として作用し
ないことが好ましい。さらに、エマルジョンは、暫時放
置したとき層分離する程度の不安定度であることが好ま
しい。このようなエマルジョンを使用して、透明基板表
面上に塗布乾燥することにより容易に多層膜が形成でき
る。なお、比重の異なる溶媒を 2種以上使用することに
より、 2層以上の多層膜とすることができる。さらに、
溶媒に溶解しない微粒子状の無機絶縁薄膜形成物質をエ
マルジョン溶液に加え、その比重差を利用して 2層以上
の多層膜とすることができる。加熱乾燥の条件は、界面
活性の差を利用する方法と同じ条件を用いることができ
る。
【0018】多層膜の形成方法としては、上述の界面活
性の差を利用する方法と比重差を利用する方法とを組合
わせて行うこともできる。
【0019】本発明の液晶表示素子の製造方法におい
て、本発明に係わる多層配向膜を有する基板同士を組合
わせて液晶表示素子を製造してもよいし、多層配向膜を
有する基板と従来の単層配向膜を有する基板とを組合わ
せてもよい。少なくとも基板の一方が多層配向膜を有す
る基板であれば基板間の短絡を防止することができる。
【0020】本発明の液晶表示素子の製造方法におい
て、電極は液晶表示素子の駆動方式によって異なる種々
のものを形成することができ、特に制限はない。たとえ
ば、単純マトリックス駆動方式においては、基板のひと
つの面上に複数の電極を短冊状に形成し、対向基板面に
前述の短冊状電極と直交するように複数の電極を短冊状
に形成する。また、アクティブマトリックス駆動方式に
おいては、基板のひとつの面上に液晶駆動用の能動素子
とそれに接続された表示素子とをマトリックス状に設け
て電極とし、対向基板面に対向電極としてインジウム錫
オキサイド(ITO)電極などを形成する。
【0021】本発明に係わる液晶表示素子は、上記電極
に駆動用ICなどを常法により接続して駆動することが
できる。
【0022】
【作用】清浄なガラス基板は親水性であり、ITO(イ
ンジウム−錫の酸化物)膜は疎水性である。したがっ
て、ガラス基板に全面にITO膜を形成するとその表面
は疎水性となるが、短冊状のITO膜を形成すると親水
性−疎水性表面が混在する。しかし、親水性または疎水
性処理を施すことにより固体表面を制御することができ
る。
【0023】一般に、疎水性物質は疎水性物質同士で、
親水性物質は親水性物質同士で選択的に結合しやすい。
たとえば、親水性溶媒と疎水性溶媒との混合液に、親水
性固体を浸漬した場合、親水性固体表面の固−液界面で
は親水性溶媒が豊富となる。有機絶縁薄膜形成物質を疎
水性溶媒に溶解させた溶液と無機絶縁薄膜形成物質を親
水性溶媒に溶解させた溶液より形成されたエマルジョン
を親水性表面の基板に塗布し静置すると、基板表面には
親水性溶液が豊富になってゆき、親水性溶液の薄膜が形
成され、親水性基板との親和性の小さい疎水性溶液は液
−液界面活性の差により親水性溶液の上層に薄膜を形成
する。このようにして形成された 2層膜を徐々に加熱乾
燥を行うことにより 2層の薄膜が成膜される。
【0024】また、比重の異なる親水性または疎水性溶
液を用いると、比重差により層分離が行なわれ、形成さ
れた多層膜を徐々に加熱乾燥を行うことにより多層の薄
膜が成膜される。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1 図1は実施例1の 2層膜形成の過程を示す図である。ガ
ラス基板上にITO膜を成膜してエッチング処理を行い
短冊状の電極パターンを形成する。さらに、表面をアミ
ノシラン系溶液で親水性処理を施し電極付きガラス基板
1を得た。
【0026】一方、ジルコニウムを微量添加したシラノ
ール基を有する酸化けい素化合物をメタノールに約 3重
量%溶解させた親水性溶液と、ポリイミド前駆体のポリ
アミック酸をトルエンに約 4重量%溶解させた疎水性溶
液とを微量の非イオン系界面活性剤を乳化剤として使用
しエマルジョンを得た。
【0027】このエマルジョン2をガラス基板1上に印
刷塗布する(図1a)。エマルジョン2が印刷塗布され
たガラス基板1を静置する(図1b)。親水性溶液3が
ガラス基板1上に豊富となり、疎水性溶液4が最上部に
豊富となる。ついで窒素雰囲気中、 250℃で 1時間加熱
することにより溶媒除去とイミド重合を行い無機絶縁薄
膜5(ミドルコート)とポリイミド薄膜6を同時に形成
した(図1cおよび図1d)。下層の無機絶縁薄膜5
(ミドルコート)が約 300オングストローム、上層のポ
リイミド薄膜6が約 400オングストロームであった。こ
の多層配向膜を有する基板を 2枚用意した。
【0028】得られた 2枚の基板の上層ポリイミド薄膜
をそれぞれラビング処理後、 2枚の基板を配向膜を対向
させ、短冊状の電極パターンを交差させて、これら基板
間に液晶組成物を挟持させ液晶表示素子を得た。この液
晶表示素子を駆動させたところ、無機絶縁薄膜(ミドル
コート)を有さない従来の基板を使用した液晶表示素子
と比較して、配向膜面損傷による表示不良が軽減し、ま
た対向基板間との短絡などの欠陥のない良好な表示状態
を有する液晶表示素子が得られた。
【0029】実施例2 透明電極およびTFT駆動素子が形成されたガラス基板
と、着色層と透明電極を有するガラス基板を準備して、
それぞれの表面をアミノシラン系溶液で親水性処理を施
した。この 2枚の基板に実施例1と同一の方法で同一の
多層配向膜を形成した。
【0030】得られた多層配向膜を有する 2枚の基板の
上層ポリイミド薄膜をそれぞれラビング処理後、 2枚の
基板を配向膜を対向させて、これら基板間に液晶組成物
を挟持させ液晶表示素子を得た。この液晶表示素子を駆
動させたところ、無機絶縁薄膜(ミドルコート)を有さ
ない従来の基板を使用した液晶表示素子と比較して、配
向膜面損傷による表示不良が軽減し、また対向基板間と
の短絡などの欠陥のない良好な表示状態を有する液晶表
示素子が得られた。
【0031】実施例3 透明電極およびTFT駆動素子が形成されたガラス基板
を準備して、その表面をアミノシラン系溶液で親水性処
理を施した。この基板に実施例1と同一の方法で同一の
多層配向膜を形成した。
【0032】一方、対向基板として、ガラス基板上にI
TO膜を成膜し、その上にポリイミド薄膜を印刷法で約
500オングストロームの厚さに形成した。
【0033】得られた 2枚の基板のポリイミド薄膜面を
それぞれラビング処理後、 2枚の基板を配向膜を対向さ
せて、これら基板間に液晶組成物を挟持させ液晶表示素
子を得た。この液晶表示素子を駆動させたところ、多層
配向膜を有する基板が 1枚であっても無機絶縁薄膜(ミ
ドルコート)を有さない従来の基板を使用した液晶表示
素子と比較して、配向膜面損傷による表示不良が軽減
し、また対向基板間との短絡などの欠陥のない良好な表
示状態を有する液晶表示素子が得られた。
【0034】実施例4 図2は実施例4の 2層膜形成の過程を示す図である。ガ
ラス基板上にITO膜を成膜してエッチング処理を行い
短冊状の電極パターンを形成し電極付きガラス基板7を
得た。
【0035】一方、ジルコニウムを微量添加したシラノ
ール基を有する酸化けい素化合物をメタノールに約 3重
量%溶解させた高比重溶液と、ポリイミド前駆体のポリ
アミック酸を四塩化炭素に約 4重量%溶解させた低比重
溶液とを微量の非イオン系界面活性剤を乳化剤として使
用しエマルジョンを得た。
【0036】このエマルジョン8をガラス基板7上に印
刷塗布する(図2a)。エマルジョン8が印刷塗布され
たガラス基板7を静置する(図2b)。エマルジョンを
形成する溶液の比重差により高比重溶液9を下層に、低
比重溶液10を上層に層分離させた後、窒素雰囲気中、
250℃で 1時間加熱することにより溶媒除去とイミド重
合を行い無機絶縁薄膜5(ミドルコート)とポリイミド
薄膜6を同時に形成した(図2cおよび図2d)。下層
の無機絶縁薄膜5(ミドルコート)が約 300オングスト
ローム、上層のポリイミド薄膜6が約 400オングストロ
ームであった。この多層配向膜を有する基板を 2枚用意
した。
【0037】得られた 2枚の基板の上層ポリイミド薄膜
をそれぞれラビング処理後、 2枚の基板を配向膜を対向
させ、短冊状の電極パターンを交差させて、これら基板
間に液晶組成物を挟持させ液晶表示素子を得た。この液
晶表示素子を駆動させたところ、無機絶縁薄膜(ミドル
コート)を有さない従来の基板を使用した液晶表示素子
と比較して、配向膜面損傷による表示不良が軽減し、ま
た対向基板間との短絡などの欠陥のない良好な表示状態
を有する液晶表示素子が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子の製造方法は、透
明電極上に多層配向膜を形成する工程が、多層膜の積層
順を制御しながら同時に形成するので、無機絶縁薄膜
(ミドルコート)と有機絶縁薄膜形成が 1工程で作製で
きる。したがって優れた生産性を有する液晶表示素子が
得られる。
【0039】また、この方法によって製造された透明電
極上の多層配向膜は、相互の密着性に優れている。その
結果、配向膜面損傷による表示不良や対向基板間の短絡
などの欠陥のない良好な表示状態を有する液晶表示素子
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の多層膜形成の過程を示す図である。
図1aから図1dは形成過程を示す。
【図2】実施例4の多層膜形成の過程を示す図である。
図2aから図2dは形成過程を示す。
【符号の説明】
1………親水性処理ガラス基板、2、8………エマルジ
ョン、3………親水性溶液、4………疎水性溶液、5…
……無機絶縁薄膜、6………ポリイミド薄膜、7………
ガラス基板、9………高比重溶液、10………低比重溶
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】液晶表示素子の製造にあたっては、ガラス
などの透明基板上に透明電極を形成して、さらにその表
面に液晶分子を所定の方向に配向させる配向膜の形成が
必要である。この配向膜の形成はポリイミドに代表され
る有機高分子の薄膜をスピンコート、印刷等の方法によ
り形成した後、布等で軽く摩擦し配向方向を付与する方
法(ラビング処理法)が主流となっているが、薄膜の損
傷または剥離などが起こりやすい。その結果、液晶表示
素子駆動時に膜面損傷による表示不良が観察されたり、
対向基板間で短絡を起こしたりするなどの問題があっ
た。このため、このような表示特性の低下を防ぐ手段の
一つとして、透明電極が形成されたガラス基板と有機配
向膜との層間に、酸化けい素を主成分とした薄膜(ミド
ルコート)を形成する方法が知られている(特開平3−
132623号公報)。この方法は、チタンとけい素の
化合物溶液を透明電極を形成したガラス基板上に塗布し
溶媒除去を行い無機絶縁薄膜とした後、この無機絶縁薄
膜上にポリイミド溶液を塗布し溶媒除去を行い薄膜化し
て配向膜としている。また、けい素とジルコニウムやチ
タンなどを混合した無機物に有機物を加えて配向膜とす
る方法が知られている(特開平2−148021号公
報)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】一方、ジルコニウムを微量添加したシラノ
ール基を有する酸化けい素化合物を硫酸ジメチルに約3
重量%溶解させた高比重溶液と、ポリイミド前駆体のポ
リアミック酸をN−メチル−2−ピロリドンに約4重量
%溶解させた低比重溶液とを微量の非イオン系界面活性
剤を乳化剤として使用しエマルジョンを得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板の 1主面上に透明電極
    を形成する工程と、前記透明電極上に無機絶縁薄膜と有
    機絶縁薄膜とからなる多層配向膜を形成する工程と、前
    記透明電極および多層配向膜が形成された基板を少なく
    とも 1枚用いて配向膜を対向させた 2枚の基板間に液晶
    組成物を挟持させる工程とからなる液晶表示素子の製造
    方法において、 前記透明電極上に多層配向膜を形成する工程が、多層膜
    の積層順を制御しながら同時に多層配向膜を形成するこ
    とを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
JP1855593A 1993-02-05 1993-02-05 液晶表示素子の製造方法 Withdrawn JPH06230386A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006322987A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Seiko Epson Corp 液晶装置、液晶装置の製造方法、投射型表示装置
JP2009086510A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Epson Imaging Devices Corp 液晶装置及び電子機器
JP2012109594A (ja) * 2007-04-02 2012-06-07 Xerox Corp エッジエミッティングレーザのモノリシックアレイ

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