JPH06229892A - サンプリングモニタ装置 - Google Patents

サンプリングモニタ装置

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JPH06229892A
JPH06229892A JP1351793A JP1351793A JPH06229892A JP H06229892 A JPH06229892 A JP H06229892A JP 1351793 A JP1351793 A JP 1351793A JP 1351793 A JP1351793 A JP 1351793A JP H06229892 A JPH06229892 A JP H06229892A
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亮 内田
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慶昭 清水
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、詰りが発生してもシリコン薄膜の破
壊を未然に防止することによって、詰り解消のための処
置時間を減少させることができる生体分析装置等に用い
るサンプリングモニタ装置を提供することを目的とす
る。 【構成】本発明に係るサンプリングモニタ装置は、サン
プリング経路内に圧力差を発生させてサンプルを流通さ
せる圧力ポンプ9と、サンプリング経路の一部に設けら
れサンプルの流圧を検出することによってこの流通状態
を監視する圧力センサ3と、このセンサ3の検出値が予
め設定している所定値範囲から外れたときに圧力ポンプ
9の動作を停止させる手段とを具備することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生化学分析装置等の試
料(サンプル)の吸引/吐出動作による分注機能を有す
る装置におけるその吸引/吐出動作状態を監視するサン
プリングモニタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生化学分析方法は、主に患者の血液中の
血清に含まれる各臓器固有の酵素を定量分析することに
より病気の診断や治療過程を把握するための方法であ
る。
【0003】具体的には、生化学分析方法は、多数の血
清試料を順次少しずつ反応容器に分注し、そして、その
反応容器に分析対象とする化学成分の反応試薬と希釈液
とを注入して反応を進め、その反応した試料液を光に当
ててその透過光量を測定することにより分析を行う方法
である。
【0004】近年は、専らこの生化学分析作業を自動化
する装置、いわゆる生化学分析装置を用いて行ってい
る。生化学分析装置は、複数の反応容器を等間隔で保持
し、その反応容器を反応ライン上で循環移動させなが
ら、サンプル(血清)や反応試薬や希釈液を反応容器に
次々に注入し、反応ライン上の一部に設けられた透過光
量測定部でそれら反応済の試料液の透過光量を測定する
装置である。もちろん、サンプル(血清)等を反応容器
へ注入する動作も自動化されている。この注入動作を行
うのがサンプリング装置である。
【0005】一般に、このサンプリング装置は、反応容
器内に挿入出するノズルを備え、サンプル吸入位置(反
応ライン外の位置)とサンプル吐出位置(反応ライン上
の位置)との間を移動可能に設けられたプローブ部と、
サンプル吸入/吐出力を発生するポンプを有する駆動部
とからなる。そして、このサンプリング装置は、反応ラ
イン外の所定の位置(サンプル吸入位置)に設けられて
いるサンプル容器にノズルを挿入しサンプルを吸引し一
旦保有し、反応ライン上の所定の位置(サンプル吐出位
置)に循環移動されてきた反応容器内にそのサンプルを
ノズルから吐出注入する。
【0006】前記駆動部は、前記ポンプの他に、サンプ
ルの吸引/吐出の圧力を検知する圧力センサを備えてい
る。この圧力センサは、ノズル先端部からサンプルを一
旦保有する容部までのサンプルが流通する経路(以下
「サンプリング経路」と称する)内のサンプルの流通状
態を監視するためのものである。この監視は、次のよう
に行われる。
【0007】すなわち、サンプルの吸引/吐出が正常に
行われているときには、サンプリング経路内の圧力は一
定の範囲内にとどまることを利用して、圧力センサが検
知したサンプリング経路の圧力が前記範囲内であるか否
かを判断する。そして、該圧力が範囲内であるとき(定
常動作時)にはとりたててなにも行わない。これに対
し、該圧力が範囲外となったとき(異常動作時)には、
オペレータに対し警報を鳴らしたり、警告ランプを点灯
したり等の警告動作を開始する。なお、異常動作は主に
ノズル内にフィブリン(筋原線維)等が詰まることによ
り発生する。オペレータは、この警告を受けると、圧力
ポンプを停止しノズル内の詰りを取り除くべく洗浄した
りノズルを交換したり等の処置を直ちに施す必要があ
る。これは詰りがノズルから移動し、ノズル以外の流動
経路で詰りが発生すると非常にその解除に手間がかかる
ためであり、またその他に以下のような問題が生じてし
まうからである。
【0008】すなわち、このつまり状態のまま圧力ポン
プが駆動し続けると当然流動経路内の圧力が上昇し、圧
力センサ内に設けられている圧力を感知するためのシリ
コン薄膜が破壊してしまうという問題が発生する。この
シリコン薄膜は非常に薄膜化されており、この薄膜化の
進行に伴って感度を向上させることができた。しかしこ
の反面、シリコン薄膜の耐圧性能は低下し、非常に狭い
圧力範囲でしか使用できなくなった。このため、詰りが
発生すると直ちに圧力ポンプを停止させないと、シリコ
ン薄膜が破壊してしまう。シリコン薄膜が破壊すると交
換しなければならず、このシリコン薄膜の交換作業は、
ノズルの洗浄等に要する手間に比べ非常な手間を要する
ものであって、場合によっては交換作業を外部に依頼し
なければならず分析作業を長時間中断しなければならな
くなる。この中断の時間あるいは期間の長さによって
は、再度、血液採集からやりなおす必要がある。また、
当然新しいシリコン薄膜の費用や、交換作業の依頼先へ
の費用も必要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、詰りが発生してもシリコン薄膜の破壊を未然に防止
することによって、詰り解消のための処置時間を減少さ
せることができる生体分析装置等に用いるサンプリング
モニタ装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るサンプリ
ングモニタ装置は、サンプリング経路内に圧力差を発生
させてサンプルを流通させる圧力手段と、前記サンプリ
ング経路の一部に設けられ前記サンプルの流圧を検出す
る圧力センサと、前記センサの検出値が予め設定してい
る所定値範囲から外れたときに前記圧力手段を停止させ
る手段とを具備することを特徴とする。
【0011】また、請求項2に係るサンプリングモニタ
装置は、サンプリング経路内に圧力差を発生させてサン
プルを流通させる圧力手段と、前記サンプリング経路の
一部に設けられ前記サンプルの流圧を検出する圧力セン
サと、前記センサの検出値が予め設定している所定値範
囲にとどまるように前記圧力手段を制御する手段とを具
備することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、サンプリング経路内を流通す
るサンプルの流圧を常に検出し、この検出値が予め設定
している所定値範囲から外れたとき、すなわちサンプリ
ング経路内に詰りが発生したときに圧力手段を停止さ
せ、またはこの圧力手段の出力レベルを流圧が所定値範
囲にとどまるように制御することによって、センサの破
壊(シリコン薄膜の破壊)を未然に防止することができ
る。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。なお、本実施例では、本発明に係るサンプリングモ
ニタ装置を、生体分析装置に適用した場合を例にとって
説明する。
【0014】図1は本発明の第1の実施例に係るサンプ
リングモニタ装置のブロック図およびその主要な関連部
分について示した図であり、図2は図1に示したディジ
タルデータ解析器の構成について示したブロック図であ
り、図3は本サンプリングモニタ装置を適用する生体分
析装置の全体象を示す概略図である。
【0015】ここで、本実施例に係るサンプリングモニ
タ装置の説明に先だって、この装置を適用する生体分析
装置について図3を用いて簡単に説明する。生体分析装
置は、図3に示したように、複数の反応容器51を等間
隔で反応ディスク52により保持し、反応ディスク52
の矢印B方向の回転に伴ってその反応容器51を反応ラ
イン上で回転移動させながら、所定の注入位置にきた反
応容器51内にサンプルディスク53上のサンプル容器
54内に格納されているサンプル(血清)や反応試薬や
希釈液を注入し、反応ライン上の透過光量測定位置に設
けられた測定装置55でそれら反応済の試料液の透過光
量を自動的に測定する装置である。そして、サンプル
(血清)や反応試薬や希釈液の注入は、矢印A方向に回
転可能かつ矢印C方向に上下移動可能に設けられたプロ
ーブ56等によって行われる。すなわち、サンプル注入
時にはプローブ56がサンプルディスク53まで回転し
そして下降し、その先端に設けれたノズル5をサンプル
容器54内に挿入しその中のサンプル等を吸引し、プロ
ーブ56内に設けられた格納容器(図示せず)内に一時
的に格納し、そして上昇しつつ前回とは逆方向にノズル
5が反応ライン上の所定の注入位置にくるまで回転し、
その位置に循環されてきた反応容器51内にノズル5を
挿入するべく下降し、格納容器内に格納されているサン
プル等を吐出する。なお、サンプル等の注入又は吐出
は、ノズル5と格納容器との間をサンプル等が流通する
経路(以下「サンプリング経路」と称する;なおこの経
路はノズル5内も含む)の一部に設けられた圧力ポンプ
が駆動しサンプリング経路に圧力差を生じさせることに
より吸引又は放出することにより行われる。また、図示
している排出用容器58は、サンプル等の吐出後に、ま
だ格納容器内に残留しているサンプル等を排出したり、
サンプリング経路内を洗浄するために用いる脱気水を排
出するためのものである。生体分析装置は以上の如きも
のであって、本実施例に係るサンプリングモニタ装置は
前記サンプリング経路の圧力ポンプの位置と異なる部分
に設けられ、サンプル等がその経路内を流通している状
態を監視するものである。次にこのサンプリングモニタ
装置の構成や作用について説明する。
【0016】図1に示したように、本実施例に係るサン
プリングモニタ装置は、上述したように、図3に示した
プローブ56のサンプリング経路SRの一部に三方ジョ
イント2を介して設けられる。三方ジョイント2は、単
にノズル1と脱気水容器12と圧力センサ3とをジョイ
ントするものである。そして、サンプリングモニタ装置
は、その三方ジョイント2の一方に設けられた圧力セン
サ3と、その圧力センサ3の検出値を増幅するアナログ
増幅器(AMP)4と、AMP4で増幅されたアナログ
データをディジタルデータに変換するアナログ/ディジ
タル変換器(ADC)5と、そのADC5からのディジ
タルデータを解析するディジタルデータ解析器(DD
A)6と、そのDDA6の出力に応じてエラーランプ等
を点灯しオペレータに指示するエラー表示器7と、その
DDA6の出力に応じて圧力ポンプ9の出力レベルを制
御するポンプ出力レベルコントローラ(PRC)8とか
らなる。なお、圧力ポンプ9はサンプリング経路SRの
内に圧力差を生じさせサンプルS等を吸引/排出させる
べくシリンジ10を駆動するものであり、シリンジ10
は電磁弁11を介してサンプリング経路SRに連結され
ていてサンプリング経路SRを介して吸引したサンプル
S等を一時保持する容器(以下「保持容器」と称する;
斜線部)を備えているものであり、電磁弁11は図示し
ないシステムコントローラの制御を受けてサンプリング
経路SRの経路をノズル1側あるいは脱気水容器12側
のいずれか一方とシリンジ10とを選択的に連結するも
のであり、脱気水容器12はサンプリング経路SR内を
洗浄するための脱気水Wを格納するものである。
【0017】圧力センサ3は、その内部に圧力に応じて
変形する非常に薄膜化されたシリコン薄膜31 を有して
おり、圧力ポンプ9動作期間に生じるサンプリング経路
SR内の流圧を検出し、その流圧に応じたアナログ検出
値データを出力するものである。
【0018】ディジタルデータ解析器(DDA)6は、
ADC5からのディジタルデータを受けて、ディジタル
データが予め設定している所定値範囲内(後述する高限
界値PMAX と低限界値PMIN との範囲)であるかどうか
を判断し、所定値範囲外である場合にエラー表示器7と
ポンプ出力レベルコントローラ8に指示信号を発するも
のである。このDDA6の概略構成は、図2に示したよ
うに、ADC5からのサンプリング経路SR内の圧力
(流圧)を表すディジタルデータを記憶するメモリ64
と、予め設定されているシリコン薄膜31 の耐圧範囲
(高限界値PMAX と低限界値PMIN )と定常時の圧力範
囲(後述するPM とPN との範囲)を記憶しCPUの制
御下でその耐圧範囲データをコンパレータ63 に出力す
るレジスタ62 と、ADC5からのディジタルデータを
レジスタ62 からの耐圧範囲データと比較し流圧がその
耐圧範囲外である場合(詰りが発生した場合;異常時)
には“偽”、流圧がその耐圧範囲内である場合(定常
時)には“真”を出力するコンパレータ63 と、コンパ
レータ63 からの“真”又は“偽”のデータを受けてそ
のデータが“偽”の場合にはポンプ出力レベルコントロ
ーラ8へ圧力ポンプ8の動作を停止するよう指示すると
共にエラー表示器7へエラーランプを表示させるよう指
示するとともにこの回路全体の動作制御を司るCPU6
1 とからなる。なお、レジスタ62 に記憶されている耐
圧範囲はCPU61 を介して任意に設定できるようにし
てもよい。またCPU61 は、上記動作の他に、圧力ポ
ンプ8からの刻々の動作状態とメモリ64 からの一定の
直前期間の流圧変化の状態を入力し現在の作動状況(吸
引量、吐出/排出量)を算出し生化学分析装置全体の動
作制御を司るシステムコントローラ(図示せず)に出力
する。
【0019】ポンプ出力レベルコントローラ8は、圧力
ポンプ8の動作レベル、すなわち出力レベルを制御すべ
く駆動電力を供給するものであって、CPU61 から圧
力ポンプ8の動作を停止するよう指示を受けるとその駆
動電力ん供給を停止することにより圧力ポンプ8の動作
を停止させる。エラー表示器7は、ここではエラーラン
プを備えているものであるが、オペレータに詰りが発生
したことを告知する手段であればこのエラーランプに限
定されることはなく、警報を鳴す発音器であってもよ
い。
【0020】次に、以上のように構成された本実施例に
係るサンプリングモニタ装置の作用について説明する。
図4は、図1に示したサンプリングモニタ装置による
“定常時”および“詰り発生時”のサンプリング経路内
の圧力変化の様子を示した図であり、図5は、図1に示
したサンプリングモニタ装置による“定常時”および
“詰り発生時”の圧力ポンプの出力レベルの変化の様子
を図4に示した圧力変化の様子と対応させて示した図で
ある。なお、“定常時”は実線で示してあり、“詰り発
生時”は点線で示している。なお、シリコン薄膜31
耐圧範囲は高圧限界値PMAX から低圧限界値PMIN の間
の大気圧P0 を挟む範囲であるとする。また、圧力ポン
プ9の吸引時の出力レベルがSM であり、吐出/排出時
の出力レベルがSN であるとする。まず、詰りが発生す
ることなく定常動作の場合について説明し、そして詰り
が発生する異常時のサンプリングモニタ装置の対処動作
について説明する。
【0021】時刻t0 で生化学分析装置が動作を開始す
ると同時にサンプリングモニタ装置も動作を開始し、サ
ンプルSを吸引すべく圧力ポンプ9の出力レベルがSM
となり吸引する。このときサンプリング経路SR内の流
圧は徐々に上昇し、時刻t1で定常動作状態の圧力PM
に達する。このときの圧力ポンプ9の出力レベルSM
圧力PM に対応して設定されている。そして、詰りが発
生することなく時刻t2 でサンプルSを所定量吸引する
と、圧力ポンプ9の吸引動作は停止し(出力レベルが
零)、流圧は徐々に下降し、時刻t3 で大気圧P0 に戻
る。そしてその吸引動作が終了すると、プローブ56の
回転とともにノズル1が反応ラインのサンプルS注入位
置に移動し、時刻t4 でその位置にきた反応容器51内
に保持容器内に一時的に格納していたサンプルSの吐出
を開始する。この吐出のときには、圧力ポンプ9の出力
レベルは吸引のときとは正負逆のSN となり、また流圧
は大気圧P0 以下に徐々に下降し、時刻t5 で定常時の
所定の流圧PN となる。時刻t6 で所定量に近い量のサ
ンプルSを反応容器54内に吐出したときに、圧力ポン
プ9の出力レベルはSN から再度零に戻り、流圧は徐々
に大気圧P0 に戻る。そして、図示していないが、保持
容器内に残留している余分なサンプルSを排出用容器5
8に排出する。この排出動作は上記吐出動作と同様であ
る。以上の動作を、所定の反応容器51に対して行う。
所定量のサンプルSを納入した反応容器51は反応ライ
ンに沿って移動され種々の試薬をさらに注入され測定装
置55で主に光学的測定方法を用いて測定されることと
なる。
【0022】次に詰りが発生した異常時のサンプリング
モニタ装置の対処動作について説明する。上記定常動作
の途中で、ここでは時刻t10でノズル1内に詰りが発生
したとする。このとき圧力ポンプ9の出力レベルはSM
のままであるので、当然、サンプリング経路SR内の流
圧は徐々に上昇し、時刻t11で限界値PMAX に達する。
このとき、ディジタルデータ解析器6は、その流圧が限
界値PMAX に達したことを判断し、直ちに圧力ポンプ9
の出力レベルをP0 とするようポンプ出力レベルコント
ローラ8に指示し、圧力ポンプ9の吸引動作を停止させ
ると共に、オペレータに警告すべくエラー表示器7にエ
ラーランプを点灯させるよう指示する。この早急なる停
止動作および警告動作によって、シリコン薄膜31 は破
壊することはなく、オペレータは詰りが発生したことを
知ることができ、その後の処置を迅速に行うことができ
る。なお、この動作は吐出時、排出時においても同様に
行い、同様の効果をあげることができる。
【0023】次に、第2に実施例について説明する。図
6は、第2の実施例に係るサンプリングモニタ装置によ
る“定常時”および“詰り発生時”のサンプリング経路
内の圧力変化の様子を示した図であり、図7は第2の実
施例に係るサンプリングモニタ装置による“定常時”お
よび“詰り発生時”の圧力ポンプの出力レベルの変化の
様子を図6に示した圧力変化の様子と対応させて示した
図である。なお、先と同様、“定常時”を実線で“詰り
発生時”を点線で示し、シリコン薄膜31 の耐圧範囲は
高圧限界値PMAX から低圧限界値PMIN の範囲であると
し、圧力ポンプ9の吸引時の出力レベルがSM であり、
吐出/排出時の出力レベルがSN であるとする。
【0024】本実施例装置は、第1の実施例装置と“詰
り発生時”後の対処の点で異なる。すなわち、第1の実
施例装置では詰りが発生すると、圧力ポンプ9の動作を
停止させるが、本実施例装置では詰りが発生すると、圧
力ポンプ9の動作を停止させそして一定時間経過後に今
度は排出動作を断続的に行ない詰りを解消しようとす
る。なお、エラー表示器7による詰りの発生を告知する
点においては共通である。
【0025】本実施例装置の構成は、第1の実施例装置
の構成のディジタルデータ解析器6のみを以下に示す作
用に基づいて変更することで対応することができ、他の
構成は第1の実施例装置の構成と同様である。
【0026】次に本実施例装置の作用について説明す
る。図6は、本実施例に係るサンプリングモニタ装置に
よる“定常時”および“詰り発生時”のサンプリング経
路内の圧力変化の様子を示した図であり、図7は本実施
例に係るサンプリングモニタ装置による“定常時”およ
び“詰り発生時”の圧力ポンプの出力レベルの変化の様
子を図6に示した圧力変化の様子と対応させて示した図
である。なお、図6は第1の実施例で用いた図4に、図
7は図5に対応させた図であり、同一符号の時刻は同一
時刻を示している。
【0027】まず、時刻t0 で圧力ポンプ9の出力レベ
ルがSM となり駆動開始すると共にノズル1からサンプ
ルSの吸引動作が開始され、時刻t1 で“定常時”の流
圧PM に達する。そして、時刻t10で、サンプリング経
路SR内で詰りが発生し、圧力センサ3が捕えたサンプ
リング経路SR内の流圧はPM から徐々に上昇し、時刻
11でシリコン薄膜31 の高限界値であるPMAX となっ
たときに、圧力ポンプ9の出力レベルが零となり駆動が
停止すると、流圧はPMAX から徐々に下降する。また、
圧力ポンプ9の出力レベルが零となった時刻t11に、シ
ステム全体の制御を司る図示しないシステムコントロー
ラの指令の下、ノズル1を排出用容器58に挿入するべ
くプローブ56が回転を開始し、時刻t31でノズル1の
排出用容器58への挿入が完了する。なお、その時刻t
31では流圧は“定常時”の流圧PM を下回っているもの
とする。
【0028】その時刻t31で、ディジタルデータ解析器
6は、流圧が“定常時”の流圧PM を下回っていること
を確認後、ポンプ出力レベルコントローラ8へ圧力ポン
プ9による排出動作を開始すべく指示する。このとき圧
力ポンプ9はポンプ出力レベルコントローラ8からの指
示により吸引時とは正負逆の出力レベルSN となる。そ
して強制排出を行い、もしここで詰りがサンプリング経
路SR内およびプローブ56内の保持装置の吸引したサ
ンプルSと共に排出されないと、流圧は今度はシリコン
薄膜31 の低限界値PMIN に向かってさらに下降する。
そして、圧力センサ3の検出値(流圧)が低限界値P
MIN にせまったとき、すなわち時刻t32で圧力ポンプ9
の駆動が停止し、流圧は大気圧P0 に向かう上昇を開始
し、時刻t33で排出/吐出時の“定常時”の流圧PN
上回ったときに再度圧力ポンプ9は詰りを排出するべく
排出動作を開始し、詰りが排出できなくて時刻t34でま
た流圧が低限界値PMIN にせまったとき再び圧力ポンプ
9は動作を停止する。時刻t35で、流圧PN を上回った
ときに圧力ポンプ9は排出動作を開始し、時刻t36で、
流圧が低限界値PMIN にせまったとき圧力ポンプ9は動
作を停止する。ここで時刻t37までに詰りが排出された
とする。時刻t37は圧力センサ3の検出値が流圧PN
上回った時刻である。その時刻t37で、圧力ポンプ9は
また排出動作を開始するが、今度は詰りが排出されてい
るので、流圧は低限界値PMIN に向かうことなく、流圧
N で安定する。そして、サンプリング経路SR内およ
びプローブ56内の保持装置の吸引したサンプルSを全
て排出するまで圧力ポンプ9は排出動作を継続し、全て
のサンプルSを排出する時刻t38でその動作を停止す
る。なお、全てのサンプルSを排出しても詰りが排出さ
れないときは、電磁弁11が切替わり、脱気水Wを吸引
した後にこの排出動作を続行する。そして、詰りが排出
された後は、再度本来の分析動作をするべく通常動作を
開始する。
【0029】以上のように、本実施例によれば、第1の
実施例の場合と同様の効果が得られると共に、詰りの排
出を自動的に行うことができる。ただし、詰りの排出
を、オペレータがエラー表示器7により知り、圧力ポン
プ9を停止して手動で行ってもよい。
【0030】本発明は、上記実施例に限定されることは
なく、種々変形して実施可能である。例えば、レジスタ
2 のシリコン薄膜31 の耐圧限界範囲(高限界値P
MAX と低限界値PMIN との範囲)や、定常時の圧力範囲
(PM とPN との範囲)は、CPU61 を介して自由に
設定できるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、サ
ンプリング経路内を流通するサンプルの流圧を常に検出
し、この検出値が予め設定している所定値範囲から外れ
たとき、すなわちサンプリング経路内に詰りが発生した
ときに圧力手段を停止させ、またはこの圧力手段の出力
レベルを流圧が所定値範囲にとどまるように制御するこ
とによって、シリコン薄膜の破壊を未然に防止すること
ができ、詰り解消のための処置時間を減少させることが
でき、生体分析作業を早期に終了させることができる生
体分析装置等に用いるサンプリングモニタ装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るサンプリングモニ
タ装置のブロック図およびその主要な関連部分について
示した図。
【図2】図1に示したディジタルデータ解析器の構成に
ついて示したブロック図。
【図3】図1に示したサンプリングモニタ装置を適用す
る生体分析装置の全体象を示す概略図。
【図4】図1に示したサンプリングモニタ装置による
“定常時”および“詰り発生時”のサンプリング経路内
の圧力変化の様子を示した図。
【図5】図1に示したサンプリングモニタ装置による
“定常時”および“詰り発生時”の圧力ポンプの出力レ
ベルの変化の様子を図4に示した圧力変化の様子と対応
させて示した図。
【図6】第2の実施例に係るサンプリングモニタ装置に
よる“定常時”および“詰り発生時”のサンプリング経
路内の圧力変化の様子を示した図。
【図7】第2の実施例に係るサンプリングモニタ装置に
よる“定常時”および“詰り発生時”の圧力ポンプの出
力レベルの変化の様子を図6に示した圧力変化の様子と
対応させて示した図。
【符号の説明】
1…ノズル、2…三方ジョイント、3…圧力センサ、4
…アナログ増幅器、5…アナログ/ディジタル変換器、
6…ディジタルデータ解析器、7…エラー表示器、8…
ポンプ出力レベルコントローラ、9…圧力ポンプ、10
…シリンジ、11…電磁弁、12…脱気水容器、54…
サンプル容器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 35/06 K 7370−2J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプリング経路内に圧力差を発生させ
    てサンプルを流通させる圧力手段と、 前記サンプリング経路の一部に設けられ前記サンプルの
    流圧を検出する圧力センサと、 前記センサの検出値が予め設定している所定値範囲から
    外れたときに前記圧力手段を停止させる手段とを具備す
    ることを特徴とするサンプリングモニタ装置。
  2. 【請求項2】 サンプリング経路内に圧力差を発生させ
    てサンプルを流通させる圧力手段と、 前記サンプリング経路の一部に設けられ前記サンプルの
    流圧を検出する圧力センサと、 前記センサの検出値が予め設定している所定値範囲にと
    どまるように前記圧力手段を制御する手段とを具備する
    ことを特徴とするサンプリングモニタ装置。
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