JPH06229107A - 建物の床施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 素人でもシート床材を容易に貼り付けること
ができようにして作業費のコストダウンを図った建物の
床施工方法を提供する。 【構成】 複数枚の床パネル１を敷設して住宅の床部全
体を形成し、各部屋５０，６０の床部に敷き込まれた床
パネル１上に、各部屋５０，６０を画成する壁パネル３
０，４０の立設部分Ａ，Ｂと各部屋５０内に突出する艤
装部品の配置部分とを除いた床部形状にプレカットした
シート床材１０を貼り付け、このシート床材１０の上
に、シート床材１０と対応させて予めカッティングした
養生シート１６を貼り付けた後、壁パネル３０，４０
を、壁パネル立設部分Ａ，Ｂに立設固定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工業化住宅のユニット
ルームにおいて床パネルの上面にシート床材を貼り付け
る建物の床施工方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の建物の床施工方法は、図
６に示すような方法によって行われていた。

【０００３】まず、ユニットルームの床部に複数敷き込
まれた床パネル１１０の外周縁部に、床パネル１１０の
芯材１１２に芯合せした状態で、外壁パネル１３０を載
置立設する。

【０００４】これと並行して、内壁パネル１４０を床パ
ネル１１０の接合縁部に芯合せした状態で載置立設し
て、部屋２００，２１０を画成する。

【０００５】そして、この状態で壁パネル１３０，１４
０の内装仕上を行う。即ち、外壁パネル１３０の部屋２
００，２１０側面に石膏ボード１３２を貼り付け、石膏
ボード１３２の上にクロス１３４を貼り付ける。また、
内壁パネル１４０においては両面に石膏ボード１４２を
貼り、これら石膏ボード１４２の上にクロス１４４を貼
り付けるのである。

【０００６】次に、部屋２００側で示すように、施工現
場において、シート床材１５０を床パネル１１０の面材
１１４上に敷き、壁パネル１３０，１４０の下端縁に寸
法合せしてシート床材１５０の余り部分１５２をカッテ
ィングして床パネル１１０上に貼り付ける。

【０００７】最後に、壁パネル１３０，１４０の下端部
に沿って長尺状の幅木１６０を固定した後、シート床材
１５０の上に養生シート１７０を敷いて図示しない粘着
テープでシート床材１５０上に固定することにより、部
屋２１０側に示すように、シート床材１５０，養生シー
ト１７０の貼り付け作業が完了する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の建物の床施工方法では、施工現場でシート床材１５０
を床パネル１１０の面材１１４上に敷き、壁パネル１３
０，１４０下端縁の寸法に合せて正確にシート床材１５
０をカッティングしなければならない。したがって、シ
ート床材１５０の貼り付け作業を行うには、素人の作業
者では困難であり、熟練を要した専門の職人が必要とな
るので、作業費用等の点でコストアップに繋がるという
問題があった。

【０００９】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、素人でもシート床材を容易に
貼り付けることができようにして作業費のコストダウン
を図った建物の床施工方法を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、壁パネルに画成される各部屋の床部にシ
ート床材と養生シートとを貼り付ける建物の床施工方法
において、複数枚の床パネルを敷設して住宅の床部全体
を形成し、前記各部屋の床部に敷き込まれた前記床パネ
ル上に、各部屋を画成する前記壁パネルの立設部分と各
部屋内に突出する艤装品の配置部分とを除いた床部形状
にプレカットしたシート床材を貼り付け、このシート床
材の上に、シート床材と対応させてプレカットした養生
シートを貼り付けた後、前記壁パネルを、前記壁パネル
立設部分に立設固定したことを特徴としている。

【００１１】また、請求項２に記載の発明は、請求項１
において、前記壁パネルは、前記各部屋側を向く面に仕
上材が貼り付けられ、この仕上材の下端に前記シート床
材及び養生シートの周縁部が入り込む飲み込み部が形成
されていることを特徴としている。

【００１２】さらに、請求項３に記載の発明は、請求項
１及び２において、前記シート床材と養生シートとは、
予め一体に貼り付けられ、同時にプレカットされている
ことを特徴としている。

【００１３】

【作用】前記構成の本発明においては、各部屋の床部に
敷き込まれた床パネル上に壁パネルを立設する前に、各
部屋を画成する壁パネルの立設部分と各部屋内に突出す
る艤装部品の配置部分とを除いた床部形状にプレカット
したシート床材を貼り付け、このシート床材の上に、シ
ート床材と対応させて予めカッティングした養生シート
を貼り付けるようにしたので、シート床材と養生シート
とを素人でも正確かつ画一的に床パネルに貼り付けるこ
とができる。そして、この床パネル上面の壁パネルが載
置立設される部分に壁パネルを立設固定すれば、自動的
にシート床材が部屋の床面に敷き込めれた状態になるの
で、シート床材貼り込み作業が省力化される。

【００１４】また、請求項２に記載の発明においては、
壁パネルに貼り付けられた仕上材の下端部に形成された
飲み込み部でシート床材及び養生シートの周縁部を入れ
込むようにしたので、痩せや誤差等によって、シート床
材や養生シートの周縁部と壁パネル下端表面との間に生
じた隙間を隠すことができる。

【００１５】さらに、請求項３に記載の発明において
は、同時にシート床材と養生シートとを貼り付けること
ができるので、貼り付け作業をさらに能率的に行うこと
ができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００１７】図１は、本発明の一実施例に係る建物の床
施工方法を示す概略断面図である。

【００１８】まず、床部全体に方形状に枠組みされた芯
材２と芯材２の上面に貼り付けられた面材４とで形成さ
れた複数の床パネルを敷き込む。

【００１９】そして、各部屋５０，６０の床部に敷き込
まれた床パネル１の上に、各部屋毎、１組のシート床材
１０と養生シート１６とを貼り付ける。

【００２０】シート床材１０と養生シート１６とは、予
め一体に貼り付けられており、各部屋５０，６０を画成
する壁パネル３０，４０の立設部分と各部屋内に突出す
る艤装品の配置部分とを除いた床部形状に、同時にプレ
カットされている。

【００２１】すなわち、図２に示すように、シート床材
１０上に養生シート１６が図示しない粘着テープによっ
て予め貼り付けられ、その外端面１２，１８が後述する
外及び内壁パネル３０，４０の載置立設位置Ａ，Ｂや部
屋５０，６０に備え付けられる艤装部品の下端外縁位置
に墨出しされた墨出し線に一致するように、一体的にカ
ッティングされている。

【００２２】例えば、図３に示すようなユニットルーム
においては、外壁パネル３０によって外壁が形成され、
この外壁パネル３０と内壁パネル４０−１とによって台
所５０が画成される。そして、内壁パネル４０−１，４
０−２でサニタリーが画成され、この中に内壁パネル４
０−３でトイレ６０と洗面所７０とが区画される。ま
た、内壁パネル４０−２と外壁パネル３０とでユニット
バス８０が画成される。

【００２３】このようなユニットルームにおいては、台
所５０に貼り付けるシート床材１０−１及び養生シート
１６−１は、外壁パネル３０と内壁パネル４０−１との
立設箇所、及び玄関５１と艤装品である流し台５２との
配置箇所を除いた床面形状、即ち斜線で示す多角形状に
プレカットされている。一方、トイレ６０に貼り付ける
シート床材１０−２及び養生シート１６−２は外壁パネ
ル３０と内壁パネル４０−１〜４０−３との立設箇所、
及び艤装品である便器６１との配置箇所を除いた斜線で
示す床面形状にプレカットされ、洗面所７０に貼り付け
られるシート床材１０−３及び養生シート１６−３は外
壁パネル３０と内壁パネル４０−１〜４０−３との立設
箇所、及び艤装品である洗面台７１との配置箇所を除い
た斜線で示す床面形状にプレカットされている。

【００２４】したがって、外壁パネル３０，内壁パネル
４０−１〜４０−３，流し台５２，便器６１，洗面台７
１を取り付ける前に、各部屋５０〜７０の床パネル１上
に斜線部分の外形線を墨出ししておき、これらのシート
床材１０（１０−１，１０−２，１０−３）及び養生シ
ート１６（１６−１，１６−２，１６−３）を、この墨
出し線に合せて床パネル１に置いて貼り付ければ、素人
でもシート床材１０及び養生シート１６を各部屋の所定
の位置に容易かつ正確に貼り付けることができる。

【００２５】このようにシート床材１０及び養生シート
１６を床部の床パネル１上に貼り付けた後、図１に示す
ように、壁パネル３０，４０の載置立設部分Ａ，Ｂに位
置する床パネル面材４上に外壁パネル３０と内壁パネル
４０とを立設固定する。

【００２６】外壁パネル３０は、方形状に枠組みされた
芯材３２と芯材３２の両面に貼り付けられた面材３４と
で形成されており、その厚さは床パネル１の芯材２の幅
の略２倍に設定されている。そして、部屋５０，６０側
の面材３４の表面には石膏ボード３６が貼り付けられ、
石膏ボード３６の上からクロス３８が貼り付けられてい
る。

【００２７】これら石膏ボード３６とクロス３８の高さ
は面材３４の高さよりも短く設定され、これにより、外
壁パネル３０の下端部に、シート床材１０と養生シート
１６との厚さ和に略等しい隙間の飲み込み部３９が形成
されている。

【００２８】一方、内壁パネル４０も、方形状に枠組み
された芯材４２と芯材４２の両面に貼り付けられた面材
４４とで形成されており、その厚さも床パネル１の芯材
２の幅の略２倍に設定されている。そして、面材４４の
両面には石膏ボード４６が貼り付けられ、両石膏ボード
４６の上からクロス４８が貼り付けられている。

【００２９】これら石膏ボード４６とクロス４８の高さ
も面材４４の高さよりも短く設定され、内壁パネル４０
の両下端部に、シート床材１０と養生シート１６との厚
さ和に略等しい隙間の飲み込み部４９が形成されてい
る。

【００３０】飲み込み部３９，４９は、シート床材１０
と養生シート１６との痩せや誤差等を考慮して設けたも
のである。即ち、シート床材１０の外端面１２と養生シ
ート１６の外端面１８とを壁パネル３０，４０の石膏ボ
ード３６，４６の表面位置に合せてカッティングしてお
くと、痩せや誤差等によって外端面１２，１８と石膏ボ
ード３６，４６との間に隙間が生じるおそれがある。し
たがって、飲み込み部３９，４９を設けて、図４に示す
ように、痩せや誤差等によって生じた外端面１２，１８
と面材４４（３４）との間の隙間を石膏ボード４６（３
６）で隠すようにしたのである。

【００３１】このような構造の外及び内壁パネル３０，
４０を床パネル１の載置立設部分Ａ，Ｂに立設固定す
る。

【００３２】具体的には、図１に示すように、外壁パネ
ル３０の下端面の部屋５０，６０側半部を床パネル１の
立設位置Ａに載せ、飲み込み部３９内にシート床材１０
及び養生シート１６の外端面１２，１８とを嵌めて、飲
み込み部３９で外端面１２，１８を隠しながら、所定の
結合具によって外壁パネル３０を床パネル１上に載置固
定する。

【００３３】内壁パネル４０も同様に、下端面を接合さ
れた２枚の床パネル１，１の立設位置Ｂに載せ、両飲み
込み部４９内にシート床材１０の外端面１２と養生シー
ト１６の外端面１８とを嵌めて、両飲み込み部４９で外
端面１２，１８を隠しながら、所定の結合具によって内
壁パネル４０を両床パネル１上に載置固定する。

【００３４】最後に、外及び内壁パネル３０，４０の下
端部に沿ってクロスの上から長尺状の幅木９０を固定す
る。

【００３５】このように、床パネル１の載置立設部分
Ａ，Ｂに外及び内壁パネル３０，４０を立設固定すれ
ば、図５に示すように、自動的にシート床材１０と養生
シート１６とが部屋５０，６０の床面に敷き込まれた状
態になるので、前述した従来例のようにシート床材１０
と養生シート１６とを施工現場でカッティングするとい
う作業を省くことができる。この結果、シート床材貼り
込み作業が著しく省力化され、作業費のコストダウンを
図ることができる。

【００３６】なお、本実施例では、シート床材１０と養
生シート１６とを予め一体に貼り付け、同時にプレカッ
トしたものを床パネル１上に貼り付けるようにしたが、
これに限るものでなく、床パネル１上にシート床材１０
を貼り付けた後、このシート床材１０上に別体の養生シ
ート１６を貼り付けるという順序を採っても良いことは
勿論である。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の建物の床
施工方法においては、シート床材を素人でも正確かつ画
一的に床パネルに貼り付けることができ、しかも、自動
的にシート床材が部屋の床面に敷き込まれた状態になる
ので、シート床材貼り込み作業が省力化され、作業費の
コストダウンを図ることができる。

【００３８】また、壁パネルに貼り付けられた仕上材の
下端部に形成された飲み込み部にシート床材及び養生シ
ートの周縁部を入れ込むようにすれば、痩せや誤差等に
よってシート床材や養生シートの周縁部と壁パネル下端
表面との間に生じた隙間を隠すことができる。

【００３９】さらに、シート床材と養生シートとを予め
一体に貼り付けてプレカットしておけば、同時にシート
床材と養生シートとを貼り付けることができるので、貼
り付け作業をさらに能率的に行うことができるという優
れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る建物の床施工方法を示
す概略断面図である。

【図２】シート床材と養生シートとの貼り付け状態を示
す斜視図である。

【図３】シート床材及び養生シートのプレカットの一例
を示す平面図である。

【図４】内壁パネル下端部とシート床材及び養生シート
との接合状態を説明するための断面図である。

【図５】シート床貼り状態を示す概略断面図である。

【図６】従来のシート床貼り方法を示す概略断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 床パネル １０ シート床材 １６ 養生シート ３０，４０ 外，内壁パネル ３９，４９ 飲み込み部 ５０，６０ 部屋

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁パネルににより画成される各部屋の床
   部にシート床材と養生シートとを貼り付ける建物の床施
   工方法において、 複数枚の床パネルを敷設して住宅の床部全体を形成し、 前記各部屋の床部に敷き込まれた前記床パネル上に、各
   部屋を画成する前記壁パネルの立設部分と各部屋内に突
   出する艤装部品の配置部分とを除いた床部形状にプレカ
   ットしたシート床材を貼り付け、 このシート床材の上に、シート床材と対応させてプレカ
   ットした養生シートを貼り付けた後、 前記壁パネルを、前記壁パネル立設部分に立設固定した
   ことを特徴とする建物の床施工方法。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記壁パネルは、 前記各部屋側を向く面に仕上材が貼り付けられ、この仕
   上材の下端に前記シート床材及び養生シートの周縁部が
   入り込む飲み込み部が形成されていることを特徴とする
   建物の床施工方法。
3. 【請求項３】 請求項１及び２において、 前記シート床材と養生シートとは、予め剥離可能に一体
   に貼り付けられ、同時にプレカットされていることを特
   徴とする建物の床施工方法。