JPH06229101A - 防音根太材及び床構造 - Google Patents

防音根太材及び床構造

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JPH06229101A
JPH06229101A JP21333192A JP21333192A JPH06229101A JP H06229101 A JPH06229101 A JP H06229101A JP 21333192 A JP21333192 A JP 21333192A JP 21333192 A JP21333192 A JP 21333192A JP H06229101 A JPH06229101 A JP H06229101A
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隆司 寺山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 防音性能や居住性に優れた床構造を提供する
ことにある。 【構成】 同種又は異種の巻縮型繊維を用いた不織布層
21層以上と同種又は異種の高剛性層1層以上とからな
る防音根太材1である。また、根太組みにより床を設け
る床構造であって、根太として床荷重のすべてを保持で
きる耐力根太材4とその上に積層されるこの防音根太材
1とを用いる防音床構造、床基盤上に複数配置された根
太を介して床を備える二重床構造であって、その根太が
この防音根太材1である防音二重床構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は根太組みにより床が構築
される建築物の床構造に係り、詳しくは鉄骨造、木造又
はコンクリート造などの建築物において、上階側で発生
した音が下階側に伝搬しないように床を構築するために
用いられる防音根太に関する。
【0002】
【従来技術及び課題】上階側で発生する生活音には人の
話声、テレビやステレオの音、椅子の移動、人が歩く音
などがある。これらは空気中を伝搬する音と床面が振動
するなどして建物を振動させて発生する固体音とがあ
る。従来建物の一般的な界床構造において、在来工法木
造住宅では上階側の床は壁とほぼ一体化している複数の
梁に直交した根太の上に合板やパーティクルボード等か
らなる床下地板材を敷設しその上に畳やカーペットによ
り床仕上げを行うか、根太の上に直接床仕上げ材である
フローリングを固定する。また、下階側は上記梁に直接
天井材が取り付けるか、梁からつり下げられた吊木に取
り付けられた野縁に天井材が取りつけられている。ま
た、枠組壁工法住宅では、上記構造の根太と梁とを兼ね
た在来工法より断面の大きな床根太が使用され、同様の
構成となっている。鉄骨造建物でも使用する材料に多少
の違いがあっても基本的な構成は概ねこれらと同様の構
造になっている。
【0003】これら根太構造の界床の上階側で歩行など
で直接床振動が生じたり、空気音が生じ床を振動させた
場合上階側床と下階側天井の間の空間で共鳴して増幅さ
れ天井材に振動を起こさせ、音を発生させる。一方、床
振動は根太、梁、壁等を振動させ固体音として下階へ伝
わる。下階で生じる騒音はこれらの音が複合したもので
ある。
【0004】既に上記騒音を少しでも軽減させるために
天井を吊り下げる吊り木に弾性材料を取り付けたり、梁
と天井が一体化しないように梁から天井を吊り下げない
方法にしたり、壁の防音性を高めるなどの方法がとられ
てきた。
【0005】しかしながら、上記の方法は単独では高い
防音性能を得られないため、高い防音性能を必要とする
場合には幾つかの方法を組み合わせるため非常に煩雑と
なり、費用もかさむことから採用しにくいものであっ
た。
【0006】また、建築物の床構造としては二重床構造
も良く知られている。この二重床構造は、主として中高
層のビルやマンション等の床に用いられ、コンクリート
床スラブ面、ALC床面などからなる床基盤上に複数の
支持体により床下地材を配置し、床下地下面に空間が形
成されるものである。この空間は電気配線や給水配管の
スペースとして利用でき、また、これらの工事も容易で
あるという利点がある。
【0007】この場合、上記床下地材の支持体として
は、高さ調整が可能なようにネジ構造を有する金属脚や
樹脂脚がすでに上市されており、防音性能を付与するた
め先端部にゴムなどの振動吸収体を設けることが一般的
である。一方、これらとは別に床下地材の下部に発泡樹
脂板を床基盤の上全面に敷きつめ、配管を必要とする部
分のみ切り欠き部分を作る方法もあり、上市されてい
る。
【0008】しかし、上記金属脚や樹脂脚を利用した二
重床では、防音性能を得るため、振動吸収体に極端に低
硬度のゴム等を使用するので、床としては柔らかく仕上
げざるを得ない。その結果、歩いた時に床が沈むような
感覚になる場合があるなど、居住性に問題があった。ま
た、上記発泡樹脂板を利用した方法では、居住性はある
程度解決されているものの、充分な防音性能は得られな
いという問題があった。 一方、防音性能を備える以前
の二重床構造は主に床基盤上に根太組みを行い、その上
に床仕上げを行う方式であった。これは防音性能がない
という最大の欠点を別にすれば施工性に優れ、歩行感に
も優れたものであった。
【0009】上記課題を鑑み、根太床に防振性能を有す
るものとして実開昭57−84235や1979年発行
の「建築物の遮音性能基準と設計指針」等に開示されて
いる如くゴムやロックウールを緩衝材として用いた防音
根太が提案されているが、現在の要求に合った防音性能
が得られない上、緩衝材として上げている幾つかの材料
について問題があることを見出した。即ち、グラスウー
ルやロックウールの使用は長期間繰り返し荷重がかかる
ような床の緩衝材として用いた場合、座屈したり粉化す
ることが多く耐久性に欠けること、ゴムやプラスチック
発泡体の使用は、長期間設計以上の荷重がかかった場
合、潰れてしまうことが多く、この場合荷重を除去して
も復元しにくく、その潰れた状態ではほとんど防音性能
は期待できないという問題がある。
【0010】更に、実開平3−123038が提案され
ているが、その実施例からも明らかなようにゴム発泡体
や不織布を用いた場合には防音性能は、これらを用いな
い構造と比較しても3〜5dB程度の改善量に止まり、
今日のような防音性能が様々に議論される状況において
は、実開平3−123038の比較例にもあるように防
音性能がない床構成においてもL等級が65あるいは7
0であることを考えるとゴムや不織布の使用では効果の
ある防振根太ということはできない。更に本発明者らが
長年研究してきた成果によれば、かかる不織布は極めて
一般的に利用されている繊維が比較的通直なものを用い
た不織布において実開平3−123038の実施例にあ
るような結果となることが判明した。
【0011】それ故、本発明の目的とするところは、床
振動に起因する固体音を軽減するため、床振動が梁や壁
へ伝わりにくくするための根太材を提供することにあ
る。また、防音性能に優れ、且つ、居住性にも優れた床
構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のよう
な課題を解決するため建物の床構造と上階から下階への
音の伝搬について鋭意研究を行い、根太材として特定の
不織布層1層以上と同種又は異種の高剛性層1層以上と
を有するものを設けることにより、床材としての歩行感
を損なうことなく、しかも、防音性能の改善に優れた効
果を発揮する床構造を見出した。
【0013】即ち本発明は、同種又は異種の巻縮型繊維
を用いた不織布層1層以上と同種又は異種の高剛性層1
層以上とからなることを特徴とする防音根太材;根太組
みにより床を設ける床構造であって、根太として、床荷
重のすべてを保持できる耐力根太材と、その上に積層さ
れてなる同種又は異種の巻縮型繊維を用いた不織布層1
層以上と同種又は異種の高剛性層1層以上とからなる防
音根太材を用いることを特徴とする防音床構造;及び床
基盤上に複数配置された根太を介して床を備える二重床
構造であって、その根太が同種又は異種の巻縮型繊維を
用いた不織布層1層以上と同種又は異種の高剛性層1層
以上とからなることを特徴とする防音二重床構造;を提
供する。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
防音根太材は、特定の不織布層と高剛性層とからなるも
のである。この防音根太材は、床衝撃音を軽減させる効
果があるため、床表面仕上げ材に従来軽量床衝撃音を改
善するための仕上げ材としては用いることが非常に困難
であるとされてきたものでも用いることができることは
特筆すべきことである。例えば、単層フローリング、複
合フローリング等の木質床材、石材等無機系床材が使用
できる。勿論、カーペット、畳、コルク、リノリューム
などのそれ自体でも軽量床衝撃音の改善性能を有する仕
上げ材を使用することも妨げるものではない。また、単
層フローリングや複合フローリングなど根太に直接固定
して利用できるものはそのまま固定し、床下地材を利用
しなくても効果の高い防音性能を得られる。
【0015】本発明の防音根太材は複数の層からなり、
少なくとも1層は巻縮型繊維を用いた不織布を用いるこ
とを必須条件とする。この様な繊維としては、ポリエス
テルもしくはポリプロピレン等の熱特性が異なる2種の
樹脂を同時に紡糸して重ね合わされた1本の繊維とした
潜在巻縮型繊維があり、該繊維は熱処理により巻縮が顕
著に発現する。一般には潜在巻縮型繊維を用いて不織布
とし、熱処理により繊維を巻縮させたものが上市されて
いる。本発明では該繊維を40%以上含む不織布を用い
ることが望ましい。40%未満では目的とする防音性能
が得られにくくなる。該不織布は適度の弾性を有して衝
撃振動を緩和させることができるばかりでなく、繊維間
の摩擦によって、衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換
させることによっても衝撃の緩和させることができる。
該不織布の目付け量は長期耐久性、床の沈み込み等を考
慮して400〜800g/m2のものが用いられる。不織布
からなる層の厚さは、防音性能及び歩行感などの居住性
能を考慮すると3mm以上50mm以下が望ましく、好まし
くは5mm以上20mm以下である。厚さが3mm未満では目
的とする防音性能が得られ難く、50mmを超えると不織
布の材質を考慮するなどしても居住性能や床強度に支障
が出る。該不織布の形状は特に規定せず、平板な形状の
ものを始めとしてカーペットのようにループ状の立毛さ
せたもの、一本一本を起毛させたもの、凹凸の形状をと
るもの、波型形状にしたもの等様々な形状のものが用い
られる。
【0016】防音根太材の他の構成部分は、根太の上に
敷設される床表面仕上げ材、床上荷重を支え、上記不織
布にかかる荷重を均一に分散させるために局部変形しな
い程度の剛性及び厚さを有していれば、合板、パーティ
クルボード、MDF等の木質板、コンクリート板、ケイ
カル板等の窯業系板、アクリル板、塩ビ板等の合成樹脂
板、アルミ板、ステンレス板等の金属板、さらには不燃
軽量複合板(例えば特公昭56−40116に開示され
たもの)など種々の材料を適当な形状で適宜選択可能で
あるが、所定の剛性を有していても床面にかかる衝撃の
ため破壊するようなものは適当ではない。
【0017】本発明の防音根太材を木造住宅や鉄骨造住
宅などで一般的な根太床構造にて使用する場合には、複
数の根太材から構成し、最下に位置する根太材として床
及び床上の荷重の全てを保持するに足る強度を有する耐
力根太材が必ず用いられる。耐力根太材は、従来技術に
おいて用いている材料をそのまま利用できる。一般に
は、木材製材や鋼製の形鋼などが使用されている。耐力
根太材の上に本発明の上記防音根太材を積層する。
【0018】また、本発明の防音根太材を中高層ビルや
マンションで一般的な二重床構造にて使用する場合に
は、床基盤上に特定の不織布を有した根太の上に床表面
仕上げ材を敷設するか、あるいは、床下地材を配置した
のち床表面仕上げ材を敷設した構造からなるものであ
る。このとき、必要があれば床基盤上に大引き材を置
き、その上に特定の不織布を有した根太を組んで仕上げ
てもよい。
【0019】この場合、防音根太としての高さは床下空
間に配管を通す目的などを考慮すれば20mm以上250
mm以下で、30mm以上150mm以下のものが望ましく、
不織布層と剛体層とを適宜位置に積層すればよい。ま
た、根太の幅は床材を保持し、且つ、床基盤との接地面
積を少なくする目的から、望ましくは30mm以上300
mm以下、更に好ましくは40mmから200mmである。根
太の幅が小さすぎる場合は、床面等からかかる荷重が集
中し該不織布の変形が大きく実用上好ましくないことに
加え、床材を安定性よく保持することが難しくなる。ま
た、本発明では防音根太の床基盤に対する接地面積が6
0%を超えると床振動の伝達面積が広過ぎ、防音性能が
低下し、好ましくない。根太の床基盤への敷設は、床下
地材を安全性の高い方法で固定することを考慮して効率
的に敷設されることがが望ましい。
【0020】本発明ではさらに防音性能を高める手段の
1つとして根太間に生じる空間に一般的に行われている
様にグラスウールやロックウールなどの吸音材を置くこ
ともできる。吸音材を置くことは根太全体の強度を変更
せずに防音性能を高めることが可能であるため、歩行感
を損なわない有効な手段の一つである。
【0021】本発明では根太に直接床表面仕上げ材を固
定することができるが、床表面仕上げ材が例えばカーペ
ットのように床下地材を必要とする場合や防音性能の向
上を狙いとして床下地材を必要とする場合にはこれを使
用することができる。この場合、床下地材はその上に敷
設される床表面仕上げ材及び床上荷重を支えることがで
きる程度の剛性を有していれば適宜選択可能であるが、
それ自体が衝撃力によって極端な振動をしない剛性の高
いボードを用いることが望ましい。床下地材として考え
られる材質のものとしては 例えば合板、パーティクル
ボード、木質セメント板、ALC板、ケイカル板、セメ
ント板、金属パネル等がある。また、厚さが同じものあ
るいは異なる厚さで、同じ材質のものもしくは他の材質
のものを2層以上に重ねて使用してもよい。更に、板材
をハニカム、枠材、桟材等の補強により剛性を高めて用
いることもできるし、床下地材の防振特性を改善する方
法として該下地材にゴムシートやアスファルトシートな
どの制振材料を貼付したものを用いることもできる。
【0022】本発明(根太床構造)の実施態様例を図1
〜図4に示す。図1及び図2は本発明の防音根太材の断
面斜視図を示し、図3は図1の断面構成の防音根太材を
用いた床構成の1例を示す一部破断の斜視図である。図
4は図3の態様例の場合の上階と下階の断面構成の1例
である。これらの図において、1は防音根太材、2は巻
縮型繊維を用いた不織布、3は剛性の高い材料(剛
体)、4は耐力根太、5は梁、6は表面仕上げ材、7は
吸音材、8は野縁、9は天井、10は巾木、11は内
壁、12は外壁、そして13は胴差である。図1は防音
根太材の断面斜視図で、防音根太材1は巻縮型繊維を用
いた不織布2の下側に耐力根太4、上側に剛性の高い材
料(剛体)3を積層したものである。図2は図1と同様
の断面構成図であるが、防音根太材1は不織布2、2が
剛体3、3及び耐力根太4に挟まれた形で積層されてい
るものである。尚、本発明では、図2の構成の防音根太
では1層は必ず巻縮型繊維を用いた不織布でなければな
らないが、もう一方の不織布の層は巻縮型繊維を用いて
いない不織布でもかまわない。図3は図1の断面構成の
防音根太材を用いた際の使用態様の1例を説明のため一
部破断の斜視図で表したものである。図4は図3の態様
例において、建物の界床の断面構成の1例を示したもの
である。
【0023】また、本発明(二重床構造)の実施態様例
を図5〜図11に示す。図5〜図9は床基盤上にある防
音根太、床下地材及び表面仕上げ材の断面図を示し、図
10は床表面仕上げ材を省略した平面図を示す。また、
図11は図7の断面構成で図10の根太配置の一部破断
の斜視図である。これらの図において、1は防音根太、
2は巻縮型繊維を用いた不織布、3は剛性の高い材料
(剛体)、6は表面仕上げ材、7は吸音材、14は床下
地材、15は床基盤、そして17は床下配管である。図
5は床基盤上にある防音根太1の上に床下地材14と表
面仕上げ材6の断面構成図で、防音根太1は巻縮型繊維
を用いた不織布2の上に剛性の高い材料(剛体)3を積
層したものである。図6は図5と同様の断面構成図であ
るが、防音根太1は巻縮型繊維を用いた不織布2の下に
剛体3を積層したものである。図7は図1と同様の断面
構成図であるが、防音根太1は巻縮型繊維を用いた不織
布2が剛体3、3に挟まれた形で積層されているもので
ある。図8は床表面仕上げ材6を直接防音根太1に固定
した態様を示し、防音根太1は巻縮型繊維を用いた不織
布2、2が剛体3、3及び3に挟まれた形で積層されて
いるものである。尚、本発明では不織布層が2層以上あ
る場合、1層は必ず巻縮型繊維を用いた不織布でなけれ
ばならないが、他の層は必ずしも巻縮型繊維を用いた不
織布でなくともよい。図9は図3の構造において、床下
地材を用いない場合で、且つ、吸音材16が支持体周辺
に配置されていることを示している。図10は床下地材
14下部の防音根太の配置の1例と支持体間に通ってい
る配管17の例を示すものである。図11は図7の断面
構成において図10の支持体配置を行った際の使用態様
を説明のため一部破断の斜視図で表したものである。な
お、これらの図示した態様はあくまでも例示にすぎない
ものであり、その態様はこれらの図にこだわることな
く、本発明の範囲内で如何様にも変わりうることは言う
までもない。
【0024】
【作用】本発明の防音根太材は上階側床で発生した振動
を根太材に積層されている巻縮型繊維を用いた不織布が
歩行や飛び跳ねによる床振動を軽減して直接梁や壁面へ
伝えることを抑え固体音を発生しにくくし、且つ、効果
的に床衝撃音を低減させることができるものと考えられ
る。また、本発明の防音二重床構造は、防音根太を構成
する特定の不織布が床衝撃音を直接床基盤へ伝えず、床
衝撃音を軽減させることができることに加え、様々な周
波数の床衝撃音に対して二重床構造の各構成要素例えば
床下地材や根太が互いに共振し難い関係にあるため、効
果的に床衝撃音を低減させることができるものと考えら
れる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例とともに説明
する。 (実施例1)在来工法建物において本発明の防音根太材
を組み床を構築した。図1の防音根太材を図3の如く組
んだ、壁、天井とのおさまりは図4の如くとした。表面
仕上げ材は厚さ17mmの単層フローリング、防音根太材
の上側の剛体部分は15mm合板、下側の耐力根太は50
mm高の製材、中間に厚さ10mmのポリエステルの潜在巻
縮型繊維を用いた不織布の構成とし、防音根太材の幅は
60mmとした。防音根太材は455mm間隔で梁材(大
引)は900mm間隔である。尚、床下には10kg/m3
厚さ50mmグラスウールを固定した。
【0026】(比較例1)在来工法建物において、実施
例1の場合の根太材で不織布を用いなかった構成とし
た。
【0027】上記組み合わせで床材を構成し、JIS A141
8 「建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法」
に準じてタッピングマシンにより軽量床衝撃音の測定を
行った結果を以下の表1にに示す。
【0028】
【表1】
【0029】これらの結果から明らかなように、実施例
は比較例に比べて床衝撃音レベルが著しく低いことがわ
かる。なお、実施例は歩行感についても良好であった。
【0030】(実施例2)150mmのコンクリート床ス
ラブ面に本発明の床構造を構築した。表面仕上げ材は厚
さ12mmのカラーフロアー、床下地材は20mmパーティ
クルボードとした。防音根太の剛体部は15mm合板と2
0mmパーティクルボードの2枚重ね、不織布は厚さ10
mmのポリプロピレンの潜在巻縮型繊維を用いた不織布の
構成とし、防音根太は幅100mmで、防音根太の配置間
隔は芯芯間距離で600mmとした。防音根太の隙間には
10kg/m3 、厚さ50mmのグラスウールを密に配した。
【0031】(比較例2)実施例2の本発明の不織布を
用いない構成とし、その他の条件はすべて同じ条件とし
た。
【0032】(比較例3)実施例2の本発明の不織布を
用いず、巻縮型でない通常繊維の不織布を用いた構成と
し、その他の条件はすべて同じ条件とした。
【0033】(参考例1)厚さ2.5mm(3mm未満)の
ポリエステルの潜在巻縮型繊維を用いた不織布の構成と
し、その他の条件はすべて実施例2と同じ条件とした。
【0034】(参考例2)防音根太の間隔を50mmとし
て敷設し、その他の条件はすべて実施例2と同じ条件と
した(防音根太の基盤に対する占有面積60%以上)。
【0035】(比較例4)150mmのコンクリート床ス
ラブ面に床構造を構築した。表面仕上げ材は厚さ6mmの
化粧合板、床下地材は12mm合板とした。根太は12mm
合板で厚さ8mmのポリエステル不織布を両側から挟んだ
構成とし、幅70mmで間隔は300mmとした(先行技術
としての実開平3-123038の実施例と同じ)。
【0036】(実施例3)不織布をポリエステルの潜在
巻縮型繊維を用いたものとし、その他の条件はすべて比
較例4と同じ条件とした。
【0037】(実施例4)床下地材のパーティクルボー
ドを用いなかった構成とし、防音根太の幅は60mm、配
置間隔は芯芯間距離にて300mm、その他の条件はすべ
て実施例2と同じ条件とした。
【0038】上記組み合わせで床材を構成し、JIS A141
8 「建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法」
に準じてタッピングマシンにより軽量床衝撃音の測定を
行った結果を以下の表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】これらの結果から明らかなように、各実施
例は対応比較例に比べて床衝撃音レベルが著しく低いこ
とがわかる。また、参考例1、2との対比によれば、不
織布層の厚みを3mm以上、防音根太の基盤に対する占有
面積を60%以上にした方が床衝撃音を低減する上で好
ましいことがわかる。なお、実施例は歩行感についても
良好であった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る防音
根太材によれば、特定の不織布層及び剛性層を有する複
数の根太材を介して床を備えるので、歩行感を損なうこ
となく、防音性能を著しく高めることができる。また、
こうした特定の根太材により床衝撃音を軽減させ得るた
め、床表面仕上げ材として従来防音性能に劣るとされて
いた材料をも使用でき、ニーズに応じた床仕上げをなし
える。また、床下地材を用いることも可能であるので、
この点からも材質ばかりでなく形状においてもあらゆる
表面仕上げ材が使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防音根太材の断面斜視図である。
【図2】本発明の防音根太材の断面斜視図である。
【図3】図1の防音根太材の使用態様を説明のため一部
破断の斜視図で表したものである。
【図4】図1の防音根太材を木造建物に用いた場合の
壁、天井、床のおさまりを説明する断面図である。
【図5】本発明の防音二重床構造について床基盤上にあ
る防音根太、床下地材及び表面仕上げ材の断面構成図で
ある。
【図6】本発明の防音二重床構造について床基盤上にあ
る防音根太、床下地材及び表面仕上げ材の断面構成図で
ある。
【図7】本発明の防音二重床構造について床基盤上にあ
る防音根太、床下地材及び表面仕上げ材の断面構成図で
ある。
【図8】本発明の防音二重床構造について床基盤上にあ
る防音根太、床下地材及び表面仕上げ材の断面構成図で
ある。
【図9】本発明の防音二重床構造について床基盤上にあ
る防音根太、床下地材及び表面仕上げ材の断面構成図で
ある。
【図10】本発明の防音二重床構造について床下地材下
部の防音根太の配置の例を示すものである。
【図11】図7の断面構成において図10の防音根太の
配置を行った際の使用態様を説明のため一部破断の斜視
図で表したものである。
【符号の説明】
1 防音根太材 2 巻縮型繊維を用いた不織布 3 剛体 4 耐力根太 5 梁 6 表面仕上げ材 7 吸音材 8 野縁 9 天井 10 巾木 11 内壁 12 外壁 13 胴差 14 床下地材 15 床基盤 16 床下配管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】更に、実開平3−123038が提案され
ているが、その実施例からも明らかなようにゴム発泡体
や不織布を用いた場合には防音性能は、これらを用いな
い構造と比較しても改善量が少なく、L等級が60〜6
5程度に止まり、今日のような防音性能が様々に議論さ
れる状況においては、実開平3−123038の比較例
にもあるように防音性能がない床構成においてもL等級
が65あるいは70であることを考えるとゴムや不織布
の使用では効果のある防振根太ということはできない。
更に本発明者らが長年研究してきた成果によれば、かか
る不織布は極めて一般的に利用されている繊維が比較的
通直なものを用いた不織布において実開平3−1230
38の実施例にあるような結果となることが判明した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明の防音根太材は複数の層からなり、
少なくとも1層は巻縮型繊維を用いた不織布を用いるこ
とを必須条件とする。この様な繊維としては、ポリエス
テルもしくはポリプロピレン等の熱特性が異なる2種の
樹脂を同時に紡糸して重ね合わされた1本の繊維とした
潜在巻縮型繊維があり、該繊維は熱処理により巻縮が顕
著に発現する。一般には潜在巻縮型繊維を用いて不織布
とし、熱処理により繊維を巻縮させたものが上市されて
いる。本発明では該繊維を40%以0009000用い
ることが望ましい。40%未満では目的とする防音性能
が得られにくくなる。該不織布は適度の弾性を有して衝
撃振動を緩和させることができるばかりでなく、繊維間
の摩擦によって、衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換
させることによっても衝撃の緩和させることができる。
該不織布の目付け量は長期耐久性、床の沈み込み等を考
慮して400〜8000g/m2、特に不織布の厚さが例え
ば5〜10mm程度の薄い場合には400〜800g/m2
ものを用いるとよい。不織布からなる層の厚さは、防音
性能及び歩行感などの居住性能を考慮すると3mm以上5
0mm以下が望ましく、好ましくは5mm以上20mm以下で
ある。厚さが3mm未満では目的とする防音性能が得られ
難く、50mmを超えると不織布の材質を考慮するなどし
ても居住性能や床強度に支障が出る。該不織布の形状は
特に規定せず、平板な形状のものを始めとしてカーペッ
トのようにループ状の立毛させたもの、一本一本を起毛
させたもの、凹凸の形状をとるもの、波型形状にしたも
の等様々な形状のものが用いられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【表1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同種又は異種の巻縮型繊維を用いた不織
    布層1層以上と同種又は異種の高剛性層1層以上とから
    なることを特徴とする防音根太材。
  2. 【請求項2】 不織布層が3mm以上の厚みを有する請求
    項1の防音根太材。
  3. 【請求項3】 根太組みにより床を設ける床構造であっ
    て、根太として、床荷重のすべてを保持できる耐力根太
    材と、その上に積層される請求項1の防音根太材とを用
    いることを特徴とする防音床構造。
  4. 【請求項4】 床基盤上に複数配置された根太を介して
    床を備える二重床構造であって、その根太が請求項1の
    防音根太材であることを特徴とする防音二重床構造。
  5. 【請求項5】 根太の専有面積が床基盤に対して60%
    以下である請求項4の防音二重床構造。
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