JPH0622898U - 炉底出鋼口開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フラッパ開閉ストロークの短小化、動作の円
滑化及び開閉時間の短縮化を図る。 【構成】 炉底1Aに設けられた出鋼口2 をフラッパ3 に
より開閉する装置において、前記フラッパ3 を左右二分
割し、各フラッパ分割体3A,3B の一側の対向端部を垂直
軸4A,4B を介して炉底1A下面に回動可能に取付け、駆動
シリンダ27,28 によりリンク9A,9B,10A,10B 、操作ロッ
ド13,14 、レバー19,20 等を介して水平方向に開閉す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気炉、転炉等の炉底に設けられた出鋼口をフラッパにより開閉す る装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種フラッパによる出鋼口の開閉装置としては、フラッパが水平軸心 回りに旋回する垂直旋回方式と、垂直軸心回りに旋回する水平旋回方式があり、 フラッパのレバー基端が固着された旋回軸を、シリンダにより回転駆動し、炉底 に設けた出鋼口（ノズル）をフラッパにより開閉するようになっている。また、 閉塞プレートを出鋼口の下面を摺動するように配設したスライド方式の開閉装置 が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の上記フラッパ垂直旋回方式では、瞬時開閉を行なうために回転半径の小 さいレバーが採用されており、開閉角度はフラッパに溶鋼が衝突するのを防止す る必要上90度以上とされているため、通常のエアシリンダでは旋回駆動力が不足 し、僅かの熱歪み等により作動不良になるという問題がある。

【０００４】 また、上記フラッパ水平旋回方式では、フラッパの回転半径が大きいため回転 トルクが大きく、僅かの摩擦で作動不良になるほか、開閉時間が長いなどの問題 がある。 さらに、閉塞プレートスライド方式では、開閉ストロークが大きく、開閉時間 が長い等の問題があった。そして、上記各従来技術では、出鋼後にノズル下面に 付着した地金、スラグ等を、作業者により取り除かなければならず、手間がかか るという難点がある。

【０００５】 本考案は、上述のような実状に鑑みてなされたもので、その目的とするところ は、フラッパの開閉ストロークが短かくかつ動作が円滑で、開閉時間が短かく、 出鋼口の掃除が不要でしかも構造が簡単な炉底出鋼口開閉装置を提供するにある 。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。 即ち、本考案は、炉底に設けられた出鋼口をフラッパにより開閉する装置にお いて、前記フラッパを左右二分割し、各フラッパ分割体の一側の対向端部を垂直 軸を介して炉底下面に回動可能に取付け、駆動手段により各フラッパ分割体を水 平方向に開閉するようにしたことを特徴としている。

【０００７】 また、本考案は、各フラッパ分割体の対向端部に付着地金等のスクレーパーを 取付けたことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、二つのフラッパ分割体が、垂直軸を中心として互いに対向内 方に閉じると共に互いに対向外方に開く。したがって、フラッパ分割体の開閉ス トロークが小さく、開閉時間が短かく特に瞬発的に開くことができる。そして、 各フラッパ分割体に取付けたスクレーパーによって、出鋼後に出鋼口下面に付着 した地金、スラグ等が、フラッパ閉塞動作時に自動的に掻き落され、クリーニン グされる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図面において、１は電気炉等の炉体、２は炉底1Aに設けられた出鋼口（ノズル ) で、フラッパ3 により開閉されるようになっている。 該フラッパ3 は、中心から左右に二分割された長方形のフラッパ分割体3A,3B からなり、各分割体3A,3B の一側の対向端部が垂直軸4A,4B を介して炉底1Aの底 面鉄皮に回動自在に取付けられ、互いに対向内外方の水平方向に開閉するように なっている。なお、前記分割体3A,3B は、取替可能に取付けられている。

【００１０】 また、各分割体3A,3B の対向端はスクレーパー機能を付与するか、又はスクレ ーパーを着脱可能に取付けうる構造とすることができ、該スクレーパーはフラッ パ閉塞前に各分割体3A,3B に取付けて、出鋼口2 下面に付着した地金、スラグ等 を掻き落した後、再び分割体3A,3B から取外すようにしてもよい。 そして、各フラッパ分割体3A,3B の長手方向端の夫々対向外方端部には、リン ク取付ブラケット5,6 が固着され、各ブラケット5,6 に垂直ピン7,8 を介して開 閉用リンク9A,9B,10A,10B が左右各１対連結されている。該リンク9A,9B,10A,10 B の各外端は、共通の垂直ピン11,12 を介して操作ロッド13,14 一端13A,14A に 連結されている。

【００１１】 前記各操作ロッド13,14 は、夫々軸支ブラケット15,16 を介し炉底1Aの鉄皮下 面に取付けられ、図３に矢印イ，ロで示す方向に摺動自在とされており、該ロッ ド13,14 の外端は水平ピン17,18 を介して開閉駆動レバー19,20 の一端19A,20A に連結されている。 前記開閉駆動レバー19,20 は、正面視略ヘ字形を呈し、そのボス部19B,20B は 夫々炉体1 の側壁鉄皮に固着された軸支ブラケット21,22 に、水平軸23,24 を介 して揺動可能に取付けられており、一端19A,20A は前記のように操作ロッド13,1 4 外端に連結され、他端19C,20C にはバランスウエイト25,26 が設けられ、該バ ランスウエイト25,26 とボス部19B,20B との間に、開閉駆動シリンダ27,28 のピ ストンロッド29,30 外端がピン連結されている。

【００１２】 前記開閉駆動シリンダ27,28 は、軸支ブラケット21,22 の上方において炉体1 側壁鉄皮に固着された取付ブラケット31,32 に水平ピン33,34 を介して揺動自在 にかつ下向きに取付けられている。 上記実施例において、図面に示す出鋼口閉塞状態から、図３に２点鎖線で示す ようにフラッパ3 を開放状態とする場合、左右のシリンダ27,28 を互いに反対方 向に作動させて両方の操作ロッド13,14 を図３に矢印ロで示す同方向に摺動させ ることにより、一方のリンク9A,9B がフラッパ分割体3A,3B の一端を押し、他方 のリンク10A,10B がフラッパ分割体3A,3B の他端を引張るので、両分割体3A,3B が前記両軸4A,4B を中心として瞬発的にかつ迅速に開放される。

【００１３】 そして、両分割体3A,3B を閉塞状態とする場合は、左右のシリンダ27,28 を閉 時とは逆に互いに反対方向に作動させて両方の操作ロッド13,14 を図３に矢印イ で示す同方向に摺動させることにより、一方のリンク9A,9B がフラッパ分割体3A ,3B の一端を引張り、他方のリンク10A,10B がフラッパ分割体3A,3B の他端を押 すので、両分割体3A,3B が前記両軸4A,4B を中心として円滑にかつ迅速に閉塞さ れる。

【００１４】 なお、両分割体3A,3B の対向端部にスクレーパー機能を付与しておくと、出鋼 後に出鋼口2 下面に付着した地金、スラグ等を掻き落して自動的にクリーニング でき、掃除をする必要がない。 上記実施例によれば、バランスウエイト25,26 によってレバー19,20 の揺動が 円滑かつ確実に行なわれ、フラッパ開閉動作を円滑にかつ迅速に行なうことがで き、また、２つのシリンダ27,28 を配設して各分割体3A,3B を同時に押し引きす るので、開閉駆動力が増大しかつ瞬発力を生起させると共に、両分割体3A,3B の 対向面の締付けを確実にし、強力なクランプ機能を発揮させることができる。

【００１５】 本考案は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、両垂直軸4A,4B の 下端を連結する連結板35（図３参照) の上面とフラッパ分割体3A,3B の接触面間 に、フラッパ締付用のカム板を設けて、フラッパ分割体3A,3B が閉動作時には若 干上昇して締付力を生じ、開動作時には若干下降するように構成することができ る。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、上述のように、炉底に設けられた出鋼口をフラッパにより開閉する 装置において、前記フラッパを左右二分割し、各フラッパ分割体の一側の対向端 部を垂直軸を介して炉底下面に回動可能に取付け、駆動手段により各フラッパ分 割体を水平方向に開閉するようにしたことを特徴とするものであるから、フラッ パと炉底との間隔を小さくでき、構造が簡単でしかも開閉作動が円滑かつ確実で あり、フラッパ分割体の開閉ストロークが小さく、したがって出鋼口開閉時間を 非常に短かくできる。

【００１７】 また、本考案は、各フラッパ分割体の対向端部に付着地金等のスクレーパーを 取付けたことを特徴とするものであるから、出鋼後に出鋼口下面に付着した地金 、スラグ等を自動的に掻き落すことができ、出鋼口の掃除が不要となり、作業性 の向上を図ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す一部破断正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図２の一部省略拡大図である。

【符号の説明】

１ 炉体 1A 炉底 ２ 出鋼口 ３ フラッパ 3A フラッパ分割体 3B フラッパ分割体 4A 垂直軸 4B 垂直軸 27 シリンダ（駆動手段) 28 シリンダ（駆動手段)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 炉底に設けられた出鋼口をフラッパによ
   り開閉する装置において、前記フラッパを左右二分割
   し、各フラッパ分割体の一側の対向端部を垂直軸を介し
   て炉底下面に回動可能に取付け、駆動手段により各フラ
   ッパ分割体を水平方向に開閉するようにしたことを特徴
   とする炉底出鋼口開閉装置。
2. 【請求項２】 各フラッパ分割体の対向端部に付着地金
   等のスクレーパーを取付けたことを特徴とする炉底出鋼
   口開閉装置。