JPH06228764A - 耐食性・カチオン電着性に優れた有機複合鋼板 - Google Patents
耐食性・カチオン電着性に優れた有機複合鋼板Info
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- JPH06228764A JPH06228764A JP5013125A JP1312593A JPH06228764A JP H06228764 A JPH06228764 A JP H06228764A JP 5013125 A JP5013125 A JP 5013125A JP 1312593 A JP1312593 A JP 1312593A JP H06228764 A JPH06228764 A JP H06228764A
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Abstract
てクロメート皮膜を、さらにその上層にSiO2 を防錆
顔料、メラミンシアヌレートを導電性顔料として含有す
るウレタン変性エポキシ樹脂皮膜を有する耐食性とカチ
オン電着性に優れた有機複合鋼板を提供するものであ
る。 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の表面に第1層としてクロ
メート皮膜を5〜150mg/m2 有する鋼板に、第2
層として下記に示す塗料組成物を固形皮膜として0.2
〜3.0μm形成することを特徴とする。 (A)ウレタン変性エポキシ樹脂が塗料固形分中30重
量%以上 (B)オキサゾリン環含有アクリル化合物がエポキシ樹
脂に対して当量比で1/0.8〜1/1.2 (C)防錆顔料としてSiO2 (コロイダルシリカ,平
均粒径8mμ以下)が塗料固形分中10〜40重量% (D)メラミンシアヌレートが塗料固形分中0.5〜1
0重量%
Description
合鋼板に関わり、更に詳しくは、自動車用鋼板として耐
食性とカチオン電着性に優れた有機複合鋼板を提供する
ものである。
鋼板に対して、製品の品質向上や高機能化、並びに低コ
スト化という市場ニーズがますます高まり、これに呼応
した新製品の開発研究が最近盛んに行なわれている。し
かし、亜鉛めっき鋼板は犠牲防食作用による耐食性に頼
っているため、さらなる耐食性向上となるとめっき付着
量の増加が避けられず、結果としてプレス成形性、スポ
ット溶接性の劣化をもたらすという問題がある。また、
低めっき付着量による耐食性鋼板として、亜鉛とNi,
Co,Cr,Fe,Mn等を合金化させためっき鋼板や
多層めっき鋼板が開発された。しかし、自動車車体中で
より苛酷な腐食条件下にさらされるヘム部や袋構造部に
対しては十分な耐食性を有するものではなかった。その
ような中で、表面に薄膜の有機樹脂を被覆することによ
って耐食性を向上させた有機複合鋼板が開発、実用化さ
れた。
ある。この発明は亜鉛めっき、アルミニウムめっき、ま
たは亜鉛系複合合金めっきを施した鋼板の第1層とし
て、水可溶分が5%以下の難溶性クロメート皮膜を10
〜150mg/m2 形成し、更にその上層に第2層とし
て下記割り合いからなる塗料組成物を固形皮膜として
0.3〜5μm薄膜塗装してなることを特徴とするプレ
ス加工性、溶接性、電着塗装性、耐食性に優れた有機複
合鋼板、に関するものである。 (A)数平均分子量300〜100000のビスフェノ
ール型エポキシ樹脂を塗料固形分中30重量%以上、
(B)ポリイソシアネート化合物およびブロックポリイ
ソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも
1種の硬化剤をエポキシ樹脂固形分に対し重量比で1/
10〜20/10、(C)平均粒径0.1〜100mμ
のヒュームドシリカを塗料固形分中5〜50重量%、
(D)ケトン系有機溶剤を塗料重量の40重量%以上含
有し、塗料固形分が10〜50重量%でなる塗料組成
物。しかし、耐食性とカチオン電着性やプレス成形性、
スポット溶接性をバランスさせることが難しく、これら
性能を優先させると耐食性が低下する、逆に耐食性を優
先させると他性能が低下するという問題がある。
性、スポット溶接性といった性能を低下させることな
く、有機複合鋼板の耐食性とカチオン電着性向上を実現
するものである。
発明は亜鉛系めっきの表面に第1層としてクロメート皮
膜を5〜150mg/m2 有する鋼板に、第2層として
下記に示す塗料組成物を固形皮膜として0.2〜3.0
μm形成してなることを特徴とする有機複合鋼板の発明
に至った。 (A)ウレタン変性エポキシ樹脂が塗料固形分中30重
量%以上 (B)オキサゾリン環含有アクリル化合物がエポキシ樹
脂に対して当量比で1/0.8〜1/1.2 (C)防錆顔料としてSiO2 (コロイダルシリカ,平
均粒径8mμ以下)が塗料固形分中10〜40重量% (D)メラミンシアヌレートが塗料固形分中0.5〜1
0重量%
うに、鋼板1の表面にZn系めっき皮膜2である、例え
ばZn,Zn−12%Ni,Zn−12%Ni−1%C
o,Zn−15%Fe,Zn−13%Cr,Zn−9%
Cr−2%Niを5〜100g/m2 をめっきし、その
上にクロメート皮膜3を5〜150mg/m2 形成さ
せ、更にその上に有機皮膜であるウレタン変性エポキシ
樹脂4を0.2〜3.0μm塗布する。
と作用範囲について実験結果から述べる。 (1)クロメート皮膜 本発明に用いるクロメート皮膜は、下地めっき層と有機
皮膜との中間にあって、めっき皮膜と有機皮膜の密着性
を向上させ、結果として有機複合鋼板としての耐食性確
保の上で重要な役割りを果している。クロメートの種類
はすでに公知の電解クロメート、塗布型クロメートいず
れでもよく、その処理方法に特に制限はない。クロメー
ト皮膜の付着量は、総クロム量として5mg/m2 未満
では上層有機皮膜との密着性が不足すること、あるいは
耐食性向上に対する効果が得られない。一方、総クロム
量が150mg/m2 を超えては、プレス加工等による
クロメート皮膜の凝集破壊からめっき皮膜と有機皮膜の
密着性低下が著しく、また、連続スポット溶接時の連続
打点にも弊害を生じる。以上から、クロメート皮膜の付
着量は、5mg/m2 〜150mg/m2 の範囲でなけ
ればならず、より好ましい範囲は総クロム量として、1
5〜100mg/m2 である。
ウレタン変性エポキシ樹脂である。化1にその分子構造
を示す。カルボキシル基を有するビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂ベースのポリカーボネートをウレタン結合で
高分子化し、その両末端にアミン基を有する構造をとっ
ている。膜厚は0.2μm以下では耐食性が不十分であ
り、3.0μm以上ではスポット溶接性が低下するた
め、0.2〜3.0μmの範囲でなければならない。
合鋼板の耐食性に及ぼす影響を示したものである。横軸
に樹脂の種類を、縦軸にサイクル腐食試験300サイク
ル後の赤錆発生面積をとっている。ウレタン変性エポキ
シ樹脂をベース樹脂としたものが最も優れた耐食性を示
している。このベースエポキシ樹脂のウレタンによる変
性量は図3より60〜90%と規定した。図3はベース
エポキシ樹脂のウレタン変性量が有機複合鋼板の耐食性
に及ぼす影響について示したものである。横軸にウレタ
ン変性量を、縦軸にサイクル腐食試験300サイクル後
の赤錆発生面積をとっている。60〜90%で良好な耐
食性を示しており、75%で最もよい耐食性を示した。
このベース樹脂の配合量は塗料固形分中30重量%以上
とする必要があり、30重量%以下の場合にはベース樹
脂の防錆顔料に対するバインダー作用が低下し、塗料化
が難しくなると同時に、塗膜が脆く加工密着性が不十分
となる。
化合物である。図4にその構造を示す。この化合物はベ
ース樹脂と単時間で反応するとともに、緻密な有機膜を
生成するので、図5に示すように下地のクロメート皮膜
からのCr6+の溶出を押さえる。図5は硬化剤種がベー
ス樹脂の硬化時間、成膜後のCr6+の溶出性(成膜性)
に及ぼす影響について示したものである。横軸に硬化剤
種を、縦軸左に硬化時間を、縦軸右にCr6+の溶出量を
とっている。オキサゾリン環含有アクリル化合物が硬化
時間、Cr6+の耐溶出性とも優れている。また、この硬
化剤は150℃以下の低温でもベース樹脂と反応するた
め、プレス成形性を向上させたBH鋼板への適用にも問
題がない。
配合量は、図6に示すようにベース樹脂のウレタン変性
エポキシ樹脂に対して当量比1/0.8〜1/1.2が
よい。図6はベース樹脂と硬化剤の混合比が有機被覆鋼
板の耐食性に及ぼす影響について示したものである。横
軸にベース樹脂と硬化剤の混合当量比を、縦軸にサイク
ル腐食試験300サイクル後の赤錆発生面積をとってい
る。当量比1/0.8〜1/1.2で良好な耐食性を示
している。次に本発明においては、脱脂・化成処理浴中
に有害物質が溶出することなく高耐食性を付与するため
に、防錆顔料として平均粒径8mμ以下のSiO2 が塗
料固形分中10〜40重量%添加されている。
構造と添加量の違いが有機複合鋼板の耐食性に及ぼす影
響を示したものである。横軸にSiO2 の添加量を、縦
軸にサイクル腐食試験300サイクル後の赤錆発生面積
をとっている。SiO2 (コロイダルシリカ)を防錆顔
料として添加した系では10%以上の添加量で赤錆発生
0となり、良好な耐食性を示している。ただし、40%
を超過すると成膜後の塗膜が脆くなる、あるいはスポッ
ト溶接性が低下するので好ましくない。次にSiO
2 (ヒュームドシリカ)を防錆顔料として添加した系で
あるが、25%まで添加しても赤錆発生が80%以上あ
り、耐食性が不十分である。
の耐食性に及ぼす影響を示したものである。横軸にSi
O2 の平均粒径を、縦軸にサイクル腐食試験300サイ
クル後の赤錆発生面積をとっている。SiO2 の平均粒
径が8mμでもっとも良好な耐食性を示している。さら
に本発明ではカチオン電着性を向上させるために導電性
付与剤としてメラミンシアヌレートが塗料固形分0.5
〜10重量%添加されている。メラミンシアヌレートは
図9に示すような構造をとっており、3次元的な電荷の
移動をすみやかに生じるため、カチオン電着初期におけ
る抵抗値が低下し、その結果として電着後の外観向上を
もたらすと考える。
ン電着における初期抵抗に及ぼす影響を示したものであ
る。横軸にメラミンシアヌレート添加量を、縦軸にカチ
オン電着時の初期抵抗値をとっている。メラミンシアヌ
レートの添加でカチオン電着初期抵抗値が低下してお
り、電着性が向上しているのがわかる。しかし、10%
以上の添加では塗膜が脆くなるため好ましくない。図1
1は、メラミンシアヌレートがカチオン電着外観に及ぼ
す影響を示したものである。横軸にメラミンシアヌレー
ト添加量を、縦軸にカチオン電着後の表面外観の評点を
とっている。メラミンシアヌレート0.5%以上の添加
でガスピン・ユズ肌が消失し電着外観が向上しているの
が確認される。
明の塗料組成物にはポリエチレンコロイドが、塗料固形
分に対し0.1〜10重量%用いられてもよい。図12
はポリエチレンコロイド量が円筒プレス加工性に及ぼす
影響を示したものである。横軸にポリエチレンコロイド
添加量を、縦軸に円筒プレス加工時の重量減少をとって
いる。添加により加工時のパウダリング、カジリによる
重量減少が少なくなりプレス加工性が向上するのがわか
る。ただし、10%以上添加しても効果の向上はなく、
かえって耐食性等の他の性能の低下につながるのでポリ
エチレンコロイドの量は0.1〜10重量%の範囲が好
ましい。
鋼板は従来の有機複合鋼板で品質上問題のあった耐食
性、カチオン電着性をプレス成形性、連続スポット溶接
性等の性能の低下なく大幅に向上させた画期的な有機複
合鋼板であって、市場のニーズに十分応えるものであ
る。
食性に及ぼす影響を示した図、
合鋼板の耐食性に及ぼす影響について示した図、
物の構造を示す図、
r6+の溶出性に及ぼす影響について示した図、
耐食性に及ぼす影響を示す図、
量の違いが有機複合鋼板の耐食性に及ぼす影響を示した
図、
及ぼす影響を示した図、
る初期抵抗に及ぼす影響を示した図、
及ぼす影響を示した図、
に及ぼす影響を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 亜鉛系めっきの表面に第1層としてクロ
メート皮膜を5〜150mg/m2 有する鋼板に、第2
層として下記に示す塗料組成物を固形皮膜として0.2
〜3.0μm形成してなることを特徴とする耐食性に優
れた有機複合鋼板。 (A)ウレタン変性エポキシ樹脂が塗料固形分中30重
量%以上 (B)オキサゾリン環含有アクリル化合物がエポキシ樹
脂に対して当量比で1/0.8〜1/1.2 (C)防錆顔料としてSiO2 (コロイダルシリカ,平
均粒径8mμ以下)が塗料固形分中10〜40重量% (D)メラミンシアヌレートが塗料固形分中0.5〜1
0重量% - 【請求項2】 塗料組成物中、塗料固形分に対し、ポリ
エチレンコロイドを0.1〜10重量%含有する請求項
1記載の有機複合鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5013125A JP3068976B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 耐食性・カチオン電着性に優れた有機複合鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5013125A JP3068976B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 耐食性・カチオン電着性に優れた有機複合鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06228764A true JPH06228764A (ja) | 1994-08-16 |
JP3068976B2 JP3068976B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=11824445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5013125A Expired - Fee Related JP3068976B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 耐食性・カチオン電着性に優れた有機複合鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3068976B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111868304A (zh) * | 2018-03-23 | 2020-10-30 | 日产化学株式会社 | 包含胶体状二氧化硅粒子和氰脲酸锌粒子的分散液 |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP5013125A patent/JP3068976B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111868304A (zh) * | 2018-03-23 | 2020-10-30 | 日产化学株式会社 | 包含胶体状二氧化硅粒子和氰脲酸锌粒子的分散液 |
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---|---|
JP3068976B2 (ja) | 2000-07-24 |
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