JPH06228403A - メタクリル系樹脂組成物 - Google Patents

メタクリル系樹脂組成物

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JPH06228403A
JPH06228403A JP1560493A JP1560493A JPH06228403A JP H06228403 A JPH06228403 A JP H06228403A JP 1560493 A JP1560493 A JP 1560493A JP 1560493 A JP1560493 A JP 1560493A JP H06228403 A JPH06228403 A JP H06228403A
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JP
Japan
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polymer
methyl methacrylate
weight
polymerization
methacrylic resin
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JP1560493A
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Takashi Joko
高志 上甲
Yasunobu Shimomura
泰宣 下村
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性が高く、異物の混入が少なく、かつ成
形加工性に優れたメタクリル系樹脂組成物を提供する。 【構成】 メタクリル酸メチル単独または80重量%以
上のメタクリル酸メチルと20重量%未満のメタクリル
酸メチルと共重合可能な他の単量体との単量体混合物中
の溶存酸素量を2ppm 以下およびメタクリル酸メチルの
過酸化物量を10ppm 以下とし、不活性ガスの存在下
に、100〜150℃の温度において、系の粘度を5〜
1000ポイズの範囲に維持しながら塊状重合して得ら
れたものであり、かつ重合体中の残存メルカプタン量が
50ppm 以下であることを特徴とするメタクリル系樹脂
100重量部と、炭素数12〜18の高級アルコール
0.01〜0.3重量部、炭素数10〜20の飽和脂肪
酸0.01〜0.3重量部および炭素数16〜40のパ
ラフィンワックス0.01〜0.3重量部とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性が高く、異物の
混入が少なく、かつ成形加工性に優れたメタクリル系樹
脂に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は、その優れた透明性や
耐候性を生かして照明、看板、車両等の多くの分野で使
用されている。また、最近では、光学レンズ、ディスク
基盤等の光学用途にも採用されているが、特に光学用途
では異物の少ない高純度のメタクリル樹脂が市場から強
く要望されている。
【0003】さらに、近年、生産性向上の目的で射出サ
イクルを短くする傾向が強くなり、一般のメタクリル系
樹脂では金型からの離型不良や射出ノズル部の樹脂詰ま
りなどの問題が発生していた。一方、メタクリル樹脂の
製造方法として、懸濁重合、塊状重合および溶液重合法
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、懸濁重合法で
製造した重合体は、懸濁分散剤、助剤および水相を使用
するために異物の混入が避けられず、微小異物が多いと
いう問題があった。また、重合体の耐熱分解性も悪く、
成形加工性に劣り、光学的にも問題があった。また、塊
状重合法で得られる重合体は、高温重合の採用により副
生成物が発生し、成形加工性の面で劣り、光学的純度の
面でも問題があった。
【0005】さらに、溶液重合法で得られる重合体は、
残存溶媒のために光学的な耐久性即ち耐候性や耐熱分解
性が劣るために成形時にシルバーが発生し、光学的機能
を発現し難いという問題点を有していた。また、成形加
工性向上のために極限粘度を低下させたり、各種の添加
剤を加えたりしているが、完全な解決には至っていな
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の如
くの現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、メタクリル酸
メチル単独または80重量%以上のメタクリル酸メチル
と20重量%未満のメタクリル酸メチルと共重合可能な
他の単量体との単量体混合物中の溶存酸素量を2ppm 以
下およびメタクリル酸メチルの過酸化物量を10ppm 以
下とし、不活性ガスの存在下に、100〜150℃の温
度において、系の粘度を5〜1000ポイズの範囲に維
持しながら塊状重合して得られたものであり、かつ重合
体中の残存メルカプタン量が50ppm 以下であることを
特徴とするメタクリル系樹脂100重量部と、炭素数1
2〜18の高級アルコール0.01〜0.3重量部、炭
素数10〜20の飽和脂肪酸0.01〜0.3重量部お
よび炭素数16〜40のパラフィンワックス0.01〜
0.3重量部とからなるメタクリル系樹脂組成物が光学
的に優れ、かつ成形加工性にも優れることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】本発明に有用なメタクリル系樹脂は、メタ
クリル酸メチル単独または80重量%以上のメタクリル
酸メチルと20重量%以下のメタクリル酸メチルと共重
合可能な他の単量体との単量体混合物を塊状重合するこ
とによって得られる重合体である。メタクリル酸メチル
と共重合可能な他の単量体としては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、
アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等のアクリ
ル酸エステル類、およびメタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸
エステル類を挙げることができる。
【0008】このメタクリル系樹脂は、上記の如きメタ
クリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを主成分とす
る単量体混合物を塊状重合せしめ、次いで生成した重合
体を含む反応混合物から未反応単量体を主成分とする揮
発物を分離除去して得ることができる。重合において
は、メルカプタンおよびラジカル重合開始剤を含むメタ
クリル酸メチルを主成分とする単量体を重合反応器に供
給する。
【0009】メタクリル酸メチルを主成分とする単量体
を重合反応器に供給して重合させるに際しては、メタク
リル酸メチルまたはメタクリル酸メチルと他の共重合単
量体との単量体混合物中の溶存酸素量を2ppm 以下と
し、かつメタクリル酸メチルの過酸化物量を10ppm 以
下とする必要がある。単量体中の溶存酸素量を2ppm 以
下とすることにより、重合の安定性が向上し、かつ重合
体の熱劣化が小さくなる。この量が2ppm を超えると、
重合体が着色し、光学的性質が低下する。溶存酸素量
は、好ましくは1ppm 以下である。
【0010】メタクリル酸メチルの過酸化物は、メタク
リル酸メチルと酸素との接触によって生成するメタクリ
ル酸メチルの過酸化物であり、10ppm を超える場合に
は重合の安定性に劣り、重合体を成形した時に異物の原
因となる。このため、単量体中の過酸化物量は、5ppm
以下と少ない方がより好ましい。単量体中の溶存酸素の
除去は十分な窒素置換により行うことができ、またメタ
クリル酸メチル過酸化物は、溶存酸素を除去し、不活性
雰囲気下に保持することにより低減できる。
【0011】重合に際しては、得られる重合体の重合度
を調節するために連鎖移動剤としてメルカプタンが使用
される。使用するメルカプタン類としては、アルキル基
または置換アルキル基を有する第1級、第2級、第3級
メルカプタン、例えばメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、n−オクチル、n
−ドデシル、sec−ブチル、sec−ドデシル、te
rt−ブチルメルカプタン等があげられる。これらは単
独または2種以上を組合せて用いることができる。これ
らのメルカプタンのうち、重合体の帯色が少なく、反応
混合物から分離除去の点、容易さの点よりプロピル、n
−ブチル、tert−ブチルおよびn−オクチルメルカ
プタンの使用が好ましい。
【0012】メルカプタンの使用量は、単量体に対し
0.1〜0.5重量%の範囲が好ましい。使用量が0.
1重量%以下であると重合度が高くなり、成形加工性に
優れた重合体を得ることが困難となる場合がある。ま
た、0.5重量%を超えると、重合度が低くなって製品
の機械的強度を低下させたり、重合体中に未反応のメル
カプタンが残存し、製品を着色させたりして、高純度の
重合体を得ることが困難となる。
【0013】重合に使用するラジカル重合開始剤として
は、例えば、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニ
トリル、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカル
ボニトリル)、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレ
ート、tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリ
メチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシア
セテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、
tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサンパーオキサイド、ジ−t
ert−ブチルパーオキサイド、2,2−ジ−(ter
t−ブチルパーオキシ)−ブタン等があげられる。これ
らは1種を単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。これらのラジカル重合開始剤のうちでは、
tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチル
ヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテ
ートが好ましい。
【0014】ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体に
対し0.001〜0.02重量%の範囲が好ましい。
0.001重量%未満では重合が十分進まないので、系
の粘度が上昇せず、耐熱分解性が悪くなり、また0.0
2重量%を超えると系の粘度が増加し、安定な運転がで
きなくなる。重合においては、窒素ガス等の不活性ガス
で加圧した重合反応器中で反応混合物を100〜150
℃、好ましくは120〜140℃の温度において実質的
に均一に撹拌混合し、かつ反応液の粘度を該反応混合物
の反応温度において一定に維持しながら重合する。
【0015】重合温度を100〜150℃の範囲とする
ことにより、重合における副生成物を少なくすることが
できる。100℃未満であると重合速度が遅くなるので
生産性が劣り、また150℃を超えると副生成物の発生
が多くなり、それが重合体中に残存し、光学的性質が低
下する。反応器内においては、反応混合物の粘度を反応
温度において5〜1000ポイズ、好ましくは10〜5
00ポイズの粘度範囲に制御する。反応混合物の粘度が
5ポイズ未満では、得られた重合体の耐熱分解性が低下
する。一方、粘度が1000ポイズを超えると、得られ
る重合体の耐熱分解性は優れるが、反応混合物の混合お
よび重合熱の除去が困難になり、安定した重合の制御が
難しくなる。
【0016】本発明の実施において使用される製造装置
としては、本発明の目的とする重合体を得ることができ
るものであれば特に限定されないが、例えば特公昭56
−15641号、実公昭54−38625号等に記載さ
れる槽型反応器があり、槽内全体を十分に混合できる機
能を有するものが好ましい。重合反応器で所定の粘度ま
で重合させた反応混合物を揮発物除去装置に送り、反応
混合物を減圧下に100〜240℃に加熱して、メルカ
プタン等の残存添加剤、未反応単量体等の揮発物を分離
除去する。これにより、最終樹脂中の未反応単量体含有
量を0.5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下と
するのが望ましい。
【0017】また、残存メルカプタン量を50ppm 以
下、好ましくは10ppm 以下とするのがよい。残存メル
カプタン量が50ppm を超えると重合体を成形した時に
異物となるため、より少なくする必要がある。揮発物分
離に使用される装置としては、ベント押出機またはデボ
ラタイザーと呼ばれる、例えば特公昭52−17555
号、実公昭55−30987号に記載されるものが使用
される。また、高粘度型薄膜蒸発器、例えば(株)日立
製作所製の立形傾斜翼コントロ等が使用される。
【0018】揮発物の分離された重合体は、溶融状態で
ダイスから押出されて所望の形に成形される。前記に規
定した高級アルコール、飽和脂肪酸およびパラフィンワ
ックスからなる各添加剤を、この溶融時に混練すること
が好ましいが、特にこのときに限定はされるものでは、
重合釜や各ラインへの添加および後添加、または再賦形
法によってもよい。本発明のメタクリル系樹脂はバッチ
または連続で製造できるが、品質の安定性および生産性
の点より、連続で製造するのが好ましい。
【0019】本発明でメタクリル系樹脂組成物に添加す
る炭素数12〜18の高級アルコールは、ラウリルアル
コール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ス
テアリルアルコールなどの単体またはこれらの混合物で
あってよい。高級アルコールの添加量は0.01〜0.
3部であり、より好ましくは0.03〜0.15部であ
る。0.01部より少ないと所望の効果が得られず、
0.3部より多いと透明性や耐熱性に問題を生じる。
【0020】炭素数10〜20の飽和脂肪酸は、カプリ
ン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの
単体またはこれらの混合物であってよい。脂肪酸の添加
量は0.01〜0.3部であり、より好ましくは0.0
3〜0.15部である。0.01部より少ないと所望の
効果が得られず、0.3部より多いと透明性や耐熱性お
よび金型腐食に問題を生じる。
【0021】炭素数16〜40のパラフィンワックスと
しては、特に炭素数20〜35のものが適している。そ
の添加量は0.01〜0.3部であり、より好ましくは
0.03〜0.15部である。0.01部より少ないと
所望の効果が得られず、0.3部より多いと透明性や耐
熱性および金型汚れに問題を生じる。本発明のメタクリ
ル系樹脂組成物においては、紫外線吸収剤、熱安定剤、
着色剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【0022】
【発明の効果】以上述べた如き構成からなる本発明のメ
タクリル系樹脂組成物は、透明性が高く、重合体中に異
物の混入が少なく、耐熱分解性および帯色性に優れ、か
つ成形加工性も良好で、一般の成形材料をはじめとして
光学レンズ、ディスク基盤等の光学用材料の用途にきわ
めて有用であり、工業上優れた効果を奏することができ
る。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらの例は本発明を限定するものではな
い。実施例中の「%」は「重量%」を表し、「部」は
「重量部」を表わす。なお、実施例中の評価は下記に示
す方法によって行った。 (1)溶存酸素量の測定 窒素ガスで十分置換した分析器具を使用し、試料を一定
量採取し、メチレンブルーを指示薬として硫酸第1鉄ア
ンモニウム水溶液にて滴定し、その量から求める。 (2)メタクリル酸メチル過酸化物の測定 試料にヨウ化カリウムのイソプロパノール飽和水溶液と
酢酸を加えて加熱し、過酸化物により遊離したヨウ素を
1/10規定のチオ硫酸ソーダで滴定し、その量から求
める。 (3)残存単量体、残存ダイマー、残存メルカプタン量
の測定 島津製作所、GC−14Aを使用し、ガスクロマトグラ
フィー法により分析して求めた。カラムとしてキャピラ
リーカラムを用い、キャリアガスを窒素ガス30ml/分
とし、下記表1の条件によった。
【0024】
【表1】
【0025】(4)重合体中の異物の測定 5μm以上の異物数は、重合体10gを塩化メチレン1
000ccに溶解した溶液1000cc中の5μm以上の異
物数をハイヤクロイコ微粒子カウンター(ハイヤクロイ
コ社製)で測定した。 (5)耐熱分解性 セイコー電子工業(株)製の示差熱電子天秤(SSC5
00)を使用し、重合体ペレットを空気中で5℃/分の
昇温速度で400℃まで昇温した時の屈曲温度(℃)を
示す。 (6)帯色性 重合体ペレットを下記の条件で射出成形して得られた厚
さ2mmの板の外観を目視により判定した。
【0026】 成形機:三菱重工(株)製、75MS/125 成形温度(シリンダー)温度:225℃〜255℃ 金型容量:2mm×110mm×110mm 金型温度:60℃ 射出圧:900kg/cm2 (7)成形加工性(離型力評価) 重合体ペレットを下記の条件で射出成形した時の成形品
の金型からの離型力で評価した。
【0027】成形機:ファナックMODEL 100A 成形温度(シリンダー温度):255℃ 金型:外径26mm、幅8mm、肉厚3mmのリング 金型温度:60℃ 射出圧:400kg/cm2 離型力は突き出しビンの突き出しエネルギーの最大値で
あり、離型力が小さい方が離型抵抗が少なく、成形性が
良いと判断した。 (8)成形加工性(銀条痕評価) 離型力評価を行った同じ成形品について、1000ショ
ット成形した時の成形品表面に銀条痕が認められるもの
を不良品と見なし、不良品の割合を不良発生率として評
価した。 (9)成形加工性(金型汚れ) (8)の評価後の金型表面を目視で観察して、その汚れ
の程度を次の基準により評価した。
【0028】◎ くもりなし ○ くもりほとんどなし △ くもりあり × 著しいくもりあり (10)成形加工性(金型腐食) (9)の評価後の金型表面を光学顕微鏡で観察して、そ
の腐食の程度を次の基準により評価した。
【0029】◎ 腐食なし ○ 腐食ほとんどなし △ 腐食あり × 著しい腐食あり 実施例1 メタクリル酸メチル99重量%、アクリル酸メチル1重
量%とからなる単量体混合物100重量部に対し、n−
オクチルメルカプタン0.25重量部、tert−ブチ
ルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート
0.0035重量部とを混合した後、200リットルの
重合釜で50Torrまで減圧し、その後0.5kg/cm2
で窒素ガスでバブリングさせながら加圧し、更に50To
rrまで減圧し、その後0.5kg/cm2 まで窒素ガスで加
圧し、更にもう一度同様のサイクルを実施し、溶存酸素
を0.5ppm とした。この単量体混合物中のメタクリル
酸メチル過酸化物は8ppm であった。
【0030】この単量体混合物を窒素ガスで5kg/cm2
に加圧コントロールされた100リットルの完全混合撹
拌機付重合釜へ連続して15kg/hrの速度で供給し、釜
内の液を75リットルに保持して1ケ月間重合した。重
合を温度135℃で行い、重合率52%で、粘度が20
ポイズの部分重合体を得た。なお、部分重合体の粘度
は、重合釜下部に設けられている、部分重合体を連続的
に揮発分除去装置に送る管に付設した回転式プロセス粘
度計により測定した。
【0031】この部分重合体を(株)日立製作所製の伝
熱面積0.10m2 の薄膜蒸発機へ供給し、回転数23
0rpm 、ジャケット温度270℃、真空度50Torrで重
合体と未反応単量体と副生成物を分離後、添加剤混練機
へ供給した。重合体100重量部に対し、花王製高級ア
ルコールカルコール68(炭素数12〜18の高級アル
コールの混合物)0.1重量部と花王製脂肪酸ルナック
L−70(炭素数10〜14の脂肪酸の混合物)0.1
重量部と日本精蝋製パラフィンワックス120(炭素数
20〜35の飽和炭化水素混合物)0.05重量部を供
給混練し、ダイスより押出し、賦形し、直径約3mm、長
さ3mmのペレット状に切断し、メタクリル樹脂を得た。
得られた重合体中の残存メルカプタンは、10ppm であ
った。残存MMA単量体および残存MMAダイマーは、
それぞれ0.12%と0.01%以下であった。
【0032】この重合体の物性を評価したところ、表2
に示す結果が得られた。なお表中の成形品中の異物と
は、1ケ月間連続で射出成形を行った時の1ケ月経過時
の成形品について評価を行ったものである。この表から
明らかな様に、実施例1の重合体は異物が少なくて帯色
がなく、耐熱分解性の良好な光学的に純度の高いメタク
リル系樹脂が得られたことがわかる。 実施例2 メタクリル酸メチル92重量%、アクリル酸エチル8重
量%、n−オクチルメルカプタン0.35重量部、te
rt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキ
サノエート0.0041重量部とする以外は、実施例1
と全く同様にして重合率53%、粘度5ポイズの部分重
合体から重合体を得た。重合体中の残存メルカプタン量
は5ppm であった。その結果は表2に示す。実施例1と
同様の優れたメタクリル系樹脂が得られたことがわか
る。なお、重合体中の残存MMA単量体は0.09%、
残存MMAダイマーは0.01%以下であった。 実施例3 メタクリル酸メチルを100重量%として、n−オクチ
ルメルカプタンを0.022部とする以外は実施例1と
全く同様にして重合率55%、粘度60ポイズの部分重
合体から重合体を得た。重合体中の残存メルカプタン量
は10ppm であった。その結果を表2に示す。実施例1
と同様の優れたメタクリル系樹脂が得られたことがわか
る。重合体中の残存MMA単量体は0.15%、残存M
MAダイマーは0.01%以下であった。 比較例1 単量体混合物中の溶存酸素量を4ppm とした以外は、実
施例1と全く同様にして重合体を得た。その結果を表2
に示す。この表より溶存酸素量が2ppm より多い単量体
混合物を重合して得た重合体は、帯色していることがわ
かる。 比較例2 メタクリル酸メチル中に空気をバブリングしながら、3
0℃に温度を保ち循環を続けて、メタクリル酸メチル過
酸化物を20ppm にした、メタクリル酸メチルを用いて
単量体混合物を得た以外は、実施例1と全く同様にして
重合体を得た。単量体混合物中のメタクリル酸メチル過
酸化物は20ppm であった。重合体の評価結果を表2に
示す。この表よりメタクリル酸メチル過酸化物が10pp
m より多い単量体混合物を重合して得られた重合体を射
出成形して得た成形板中には異物が多いことがわかる。 比較例3 重合温度を160℃とし、重合開始剤をジ−tert−
ブチルパーオキサイド0.0016部とした以外は、実
施例1と全く同様にして重合率60%、粘度80ポイズ
の部分重合体から重合体を得た。重合体中の残存MMA
単量体、残存MMAダイマーは、それぞれ0.26%と
0.12%以下であり、このことより重合温度が150
℃を超えると副生成物が増加することがわかる。 比較例4 重合温度を140℃とし、重合開始剤をジ−tert−
ブチルパーオキサイド0.0016部とした以外は、実
施例1と全く同様にして重合率40%、粘度2ポイズの
部分重合体から重合体を得た。その結果を表2に示す。
この表より系の粘度が5ポイズより低い場合は、重合体
の耐熱分解性が悪いことがわかる。 比較例5 薄膜蒸発機のジャケット温度を下げ、真空度を低くした
以外は、実施例2と全く同様にして重合体を得た。重合
体中の残存メルカプタンは70ppm であった。その結果
を表2に示す。この表より残存メルカプタンが50ppm
を超える重合体を射出成形して得た成形板中には異物が
多いことがわかる。 比較例6 tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチル
ヘキサノエートを0.0220部とした以外は、実施例
1と全く同様にしたところ、部分重合体の粘度が100
0ポイズを超え、安定な運転ができなかった。
【0033】
【表2】
【0034】さらに、添加剤の種類と量を変えた以外は
実施例1と全く同様にして重合体を得て、成形性の評価
を行なった。その結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 33/12 91:06) 7415−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチル単独または80重量
    %以上のメタクリル酸メチルと20重量%未満のメタク
    リル酸メチルと共重合可能な他の単量体との単量体混合
    物中の溶存酸素量を2ppm 以下およびメタクリル酸メチ
    ルの過酸化物量を10ppm 以下とし、不活性ガスの存在
    下に、100〜150℃の温度において、系の粘度を5
    〜1000ポイズの範囲に維持しながら塊状重合して得
    られたものであり、かつ重合体中の残存メルカプタン量
    が50ppm 以下であることを特徴とするメタクリル系樹
    脂100重量部と、炭素数12〜18の高級アルコール
    0.01〜0.3重量部、炭素数10〜20の飽和脂肪
    酸0.01〜0.3重量部および炭素数16〜40のパ
    ラフィンワックス0.01〜0.3重量部とからなるメ
    タクリル系樹脂組成物。
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