JPH0622779A - アメリカヤマゴボウ培養細胞を用いたベタシアニンの製造法 - Google Patents

アメリカヤマゴボウ培養細胞を用いたベタシアニンの製造法

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JPH0622779A
JPH0622779A JP8078592A JP8078592A JPH0622779A JP H0622779 A JPH0622779 A JP H0622779A JP 8078592 A JP8078592 A JP 8078592A JP 8078592 A JP8078592 A JP 8078592A JP H0622779 A JPH0622779 A JP H0622779A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アメリカヤマゴボウから誘導された培養細胞
を用いたベタシアニンの製造法及びそれに用いる液体培
地が提供される。 【構成】 アメリカヤマゴボウから誘導したベタシアニ
ン生産能を有する培養細胞塊を、カリウムイオン濃度が
60mM−150mMである液体培地中で培養し、更に
はショ糖及び/又はリン酸イオンを液体培地中に分割供
給することにより、培養細胞塊のベタシアニンの生産性
が著しく向上し、ベタシアニンを工業的に効率良く大量
に製造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アメリカヤマゴボウ培
養細胞を用いたベタシアニンの製造法に関する。更に詳
細には、アメリカヤマゴボウから誘導したベタシアニン
生産能を有する培養細胞塊を、特定量のカリウムイオン
を含有する液体培地中で増殖させて、得られる培養物か
らベタシアニンを採取するベタシアニンの製造法、並び
にアメリカヤマゴボウから誘導したベタシアニン生産能
を有する培養細胞塊を培養するための液体培地に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、食品着色剤としては合成着色剤が
多く使用されていたが、最近では食品添加物の安全性が
重要視され合成着色剤の使用が禁止される傾向にあり、
従って植物性色素の需要が増大している。植物性色素の
1つとして赤色色素ベタシアニンが知られており、現在
ではビートレッド(砂糖大根)から得られるベタシアニ
ンが食品着色剤として市販されている。他方、アメリカ
ヤマゴボウから得られる赤色色素ベタシアニンも知られ
ており、アメリカヤマゴボウ由来のベタシアニンはビー
トレッド由来のベタシアニンに比べて耐熱性、耐光性な
どにおいて優れており、また色調の点においても赤キャ
ベツ由来の高価なアントシアニン系赤色色素に似てお
り、更には広いpH範囲で使用可能であり、多くの利点
を有している。従って、アメリカヤマゴボウ由来のベタ
シアニンの用途拡大に併って、アメリカヤマゴボウ由来
のベタシアニンを大量に製造し得る工業的に有利な製造
法の開発が望まれている。
【0003】アメリカヤマゴボウ由来のベタシアニンの
製造法としては、アメリカヤマゴボウから誘導された培
養細胞塊を培養してベタシアニンの一種であるベタニン
を製造する方法が報告されている(特公昭55−337
8号公報)。この方法では培養培地として2,4−ジク
ロロフェノキシ酢酸等を添加したMurashige&
Skoog培地(MS培地)〔Physiol.Pl
ant,15,473−497(1962)〕が用いら
れている。また、ベタシアニン生産能を有する培養細胞
塊を培養する際のリン酸イオン濃度とベタシアニン生産
との関係についての検討も行われている〔J.Plan
tPhysiol.,125,337−343(198
6)〕。そして、培地中にリン酸イオンが在存しないと
ベタシアニンが蓄積されず、またリン酸イオン濃度が1
mMまではベタシアニン蓄積量に比例することも報告さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来報
告されている培養細胞塊を利用したベタシアニンの製造
法は、いずれもベタシアニンの生産性において十分に満
足し得るものとは言い難く、更に工業的に有利な製造法
の開発が望まれている。従って、本発明の目的は、アメ
リカヤマゴボウの培養細胞を用いた、ベタシアニンの生
産性の高い製造法を提供することにある。本発明の他の
目的は、上記の製造法に用いられる液体培地を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アメリカ
ヤマゴボウの培養細胞塊を培養してベタシアニンを製造
するベタシアニン生産性の高い製造法を開発することを
目的として鋭意研究した結果、培養培地中のカリウムイ
オン濃度がベタシアニン生成に大きく影響し、従って特
定量のカリウムイオンを含有する培地を用いることによ
ってベタシアニンの生産性が向上すること、またカリウ
ムイオン濃度とともにリン酸イオン濃度及び/又はショ
糖濃度をコントロールすることによって更にベタシアニ
ンの生産性が改善することを見出し、本発明を完成させ
た。
【0006】従って、本発明は、アメリカヤマゴボウ
Phytolacca americana)から誘
導したベタシアニン生産能を有する培養細胞塊(カル
ス)を、カリウムイオン濃度が60mM〜150mMで
ある液体培地中で培養して該培養細胞塊を増殖せしめ、
培養物からベタシアニンを採取すること特徴とするベタ
シアニンの製造法;並びにカリウム濃度が60mM〜1
50mMである、アメリカヤマゴボウ由来の培養細胞塊
を培養するための液体培地である。
【0007】本発明で対象とするベタシアニンとは、下
記式
【化1】 で表わされるブドウ糖を含む配糖体であるベタニンが主
成分であるが、その他に、ベタニジンあるいは糖の種類
が異なったりアグリコン部分が修飾されたベタニンであ
ってもよい。
【0008】本発明で用いる培養細胞塊(以下カルスと
いう)は、アメリカヤマゴボウ(Phytolacca
america)〔別名:ヨウシュヤマゴボウ(Ph
ytolacca decandra)〕由来のもので
あり、カルスは以下のようにして調製することができ
る。即ち、アメリカヤマゴボウの根、茎、葉、果実その
他の部分を適当な大きさに切り取り、常法に従ってエタ
ノールと次亜塩素酸ナトリウムで殺菌し、滅菌水で洗浄
後、適当な大きさのものを固体培地上に置床する。ここ
で用いる固体培地としては、例えば以下の表1に示す組
成のLin &Staba培地〔Fujimura
ら,Plant Physiol.,64,162(1
979)〕に2,4−ジクロロフェノキシ酢酸などの生
長調節物質を添加した寒天培地が挙げられる。
【表1】
【0009】Lin & Staba培地の他にも、本
発明により開発された以下の表2に示す組成のPA培地
の寒天培地を好ましいものとして挙げることができる。
【表2】
【0010】上記した如き寒天培地上に置床後、20℃
−35℃で光照射下(約3,000ルクス)に2−4週
間培養するとカルスが形成される。カルスのなかでも赤
色で増殖の盛んな部分を選抜し、新鮮な上記した如き寒
天培地上で更に培養を続ける。このようにして継代培養
を行うことにより、増殖の速い安定なカルスを得ること
ができる。かくして得られるカルスを液体培養法により
培養増殖させる。液体培養法としては振とう培養法ある
いはガラス、金属製などの密閉した培養槽に無菌空気を
通気して培養する通常の培養法などを採用することがで
きる。培養は光照射下(例えば約5,000ルクス)
で、20℃−35℃の温度で通常行なわれる。
【0011】本発明では、カルス培養の際に用いる液体
培地は、カリウムイオン濃度が60mM−150mM、
好ましくは65mM−120mM、より好ましくは70
mM−95mMである液体培地を用いる。カリウムイオ
ン源としては、特に限定されず例えばKNO3 、KCl
等を用いることができる。リン酸イオン濃度は好ましく
は0.25mM−4.0mM、更に好ましくは1.0m
M−2.0mMであり、リン酸イオン源としては、KH
2 PO4 、K2 HPO4 、K3 PO4 などが挙げられ
る。またショ糖濃度は好ましくは3.5wt%以下、更
に好ましくは2.5wt%以下である。本発明ではリン
酸イオン及び/又はショ糖は液体培地に分割供給するの
が好ましい。リン酸イオン及び/又はショ糖を分割供給
することによってベタシアニン生産性の向上が実現され
る。分割供給する場合のリン酸イオンの供給量としては
培養初期供給量も含めて、合計5mM以下が好ましい。
分割供給の際のショ糖の量は、好ましくは1.5wt%
以下、初期供給量も含めてトータル5wt%以下がよ
い。リン酸イオンやショ糖の初期供給後の好ましい添加
時期は、細胞の対数増殖期である。対数増殖期は、培養
開始時の細胞量等により異なるが、7〜12日程度であ
る。対数増殖期においては、その時点で添加してもよ
く、上記トータル量の範囲であれば添加の回数は特に制
限されず数日おきであってもよい。ただし、対数増殖期
3日目までは培地中のリン酸イオンやショ糖濃度が初期
添加濃度を越えない範囲で添加することが望ましい。リ
ン酸イオン及びショ糖は同時期に添加しても別々に添加
してもよい。
【0012】液体培地のpHは6.0程度が好ましく、
またアンモニウムイオン濃度15mM程度が望ましい。
本発明で用いる液体培地としては、例えば前記したPA
培地の組成を有する培地を好ましいものとして挙げるこ
とができる。このようなPA培地を培養初期に用いて、
上記したようにしてリン酸イオン及び/又はショ糖を分
割供給するが望ましい。液体培地は通常生長調節物質を
添加して用いられる。例えば生長調節物質としてナフタ
レン酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、インドー
ル酢酸などを用いることができ、特に2,4−ジクロロ
フェノキシ酢酸が好ましい。また、液体培地の組成は種
々改変して使用することもでき、その他必要により、ア
ミノ酸類、ビタミン類等を加えることもできる。液体培
養は通常10日間−20日間行なわれ、かくして培養増
殖した細胞を集めて種々の通常の方法によってベタシア
ニンを採取することができる。例えば、培養液から培養
細胞をろ過し、得られる細胞をフリーズドライし、次い
でエタノールで抽出する。抽出液より他の蛋白を除き、
減圧濃縮し、次いでクロマトグラフィー等に付すことに
よって目的とするベタシアニンを得ることができる。以
下に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0013】
【実施例】
実施例アメリカヤマゴボウからのカルスの誘導 アメリカヤマゴボウ(Phytolacca amer
icana)の茎を常法に従いエタノールと次亜塩素酸
ナトリウムで殺菌し、滅菌水で洗浄後、髄の部分をコル
クボーラーで打ち抜き、輪切りにして0.2%ジュラン
ガムを含む前記した表1に示す組成のLin & St
aba寒天培地上に置床した。25℃、光照射下(約
3,000ルクス)で2−4週間培養するとカルスがで
きた。カルスのなかで赤色で増殖の盛んな部分を選抜
し、新鮮なLin & Staba寒天培地上に移植し
た。この操作を2−3週間間隔で繰り返し、赤色色素ベ
タシアニンを多く含み、増殖の速い安定なカルスを得
た。このカルスを100mlのLin & Staba
液体培地の入った500ml三角フラスコに入れ、25
℃、光照射下(約5,000ルクス)、ロータリーシェ
イカー上100rpmで振とう培養すると小さな細胞塊
が遊離してきた。この小さい細胞塊を選抜し、実験に使
用する培養細胞とした。培養細胞は、100mlのLi
n & Staba液体培地の入った500ml三角フ
ラスコまたは50mlの液体培地の入った200ml三
角フラスコ中で7−10日間隔で継代培養した。尚、L
in&Staba培地は、2,4−ジクロロフェノキシ
酢酸10-7Mを添加して使用した。以下の実験における
Lin&Staba培地、Murashige&Sko
og培地も同様に2,4−ジクロロフェノキシ酢酸10
-7Mを添加して使用した。
【0014】培地の最適化 1.培地の評価方法 継代培養しているアメリカヤマゴボウ培養細胞を試験す
る各種液体培地で2回洗い、一定量の培養細胞を50m
lの各種液体培地の入った200ml三角フラスコ中に
移植し、25℃、光照射下(約5,000ルクス)、ロ
ータリーシェイカー上100rpmで13−15日間振
とう培養した。培養後、培養細胞を含む培養液5mlを
等量の特級エタノールを加えてベタシアニンを抽出し、
0.2μmのフィルターでろ過後、540nmの吸光度
を測定し、各種培地でのベタシアニン生産量を評価し
た。 2.MS培地とLin & Staba培地 以下の表3に示す組成のMurashige & Sk
oog培地(MS培地)と前記した組成のLin &
Stabaの2つの培地でのベタシアニン生産量を比較
すると、以下の表4に示したように、Lin & St
aba培地の方が多いことが分かった。以後Lin &
Staba培地の成分を変化させ、ベタシアニン生産
量を調べた。
【表3】
【表4】
【0015】3.リン酸イオン濃度 Lin & Staba培地中に含まれるリン酸濃度に
ついて検討した。表5および図1に示すとおり1−2m
Mの濃度で培地あたりに含まれるベタシアニン量が多く
なった。1mMと2mMではほとんど違いがなかったの
で、以後の培地中のKH2 PO4 濃度は1mMに固定
し、試験を行った。
【表5】
【0016】4.pH、ショ糖、アンモニウムイオン リン酸イオンの検討と同様にして、KH2 PO4 を1m
Mに改変したLin& Staba培地中のpHを5.
7から6.0に変えた方がベタシアニン生産量が多くな
ることが分かった。次に、KH2 PO4 を1mM、pH
を6.0に改変したLin & Staba培地中のシ
ョ糖濃度について検討したところ2.5%でベタシアニ
ン生産量が最も多くなることが分かった。ちなみに、シ
ョ糖濃度が3.5%以上のときアメリカヤマゴボウ培養
細胞の増殖誘導期が長くなった。さらに、KH2 PO4
を1mM、pHを6.0、ショ糖を2.5%に改変した
Lin&Staba培地中のNH4 + 濃度について検討
したところ15mMでベタシアニン生産量が最も多くな
ることが分かった。以後の培地中のpHは6.0、ショ
糖濃度は2.5%、NH4 + 濃度は15mMに固定し、
試験を行った。
【0017】5.硝酸イオン、カリウムイオン、塩素イ
オン KH2 PO4 を1mM、pHを6.0、ショ糖濃度を
2.5%、NH4 + を15mMに改変したLin &
Staba培地中の硝酸イオン、カリウムイオン、塩素
イオンについて検討した結果は表6に示した通りであ
る。硝酸イオン濃度が40−100mM、塩素イオン濃
度が0−60mMでは、ベタシアニン生産量にほとんど
関係ないのに対し、カリウムイオン濃度はベタシアニン
生産量に大きく関係していると推定できる。そこで、培
地中のカリウムイオン濃度について詳細に検討すること
にした。
【表6】
【0018】6.カリウムイオン KH2 PO4 を1mM、pHを6.0、ショ糖濃度を
2.5%、NH4 NO3を15mM、KNO3 を25m
Mに改変したLin & Staba培地中のカリウム
イオンをKClで41−221mMに変化させた培地で
ベタシアニン生産量を調べた結果は表7及び図2に示し
た。表7及び図2から明らかなようにカリウムイオン濃
度が71−91mMのとき、ベタシアニン生産量が最も
多くなった。
【表7】
【0019】7.PA培地 以上の検討結果より、前記した表1に示すベタシアニン
生産のためのPA培地ができた。Lin & Stab
a培地とPA培地でアメリカヤマゴボウ培養細胞を培養
した場合を比べると、540nmの吸光度から推定して
PA培地の方が培地あたり1.89倍のベタシアニンを
生産していた。
【0020】8.液追加試験 培養中の培地に含まれているリン酸イオン濃度と糖濃度
を調べてみると、培養中期にリン酸イオンと糖がかなり
消費されていることが分かった。そこで、アメリカヤマ
ゴボウ培養中の50mlPA培地を含む200mlフラ
スコへ培養開始8日目にショ糖を35%にしたPA培地
を1.429ml(1%相当)のみ、KH2 PO4 を3
5mMにしたPA培地を1.429ml(1mM相当)
のみ、そしてショ糖を35%、KH2 PO4 を35mM
にしたPA培地を1.429mlそれぞれ追加した。た
だし、pHは5.5に調整した。 コントロール実験と
して、PA培地、3.5%ショ糖を含むPA培地、2m
MKH2 PO4 を含むPA培地、3.5%ショ糖と2m
MKH2 PO4 を含むPA培地を作った。以上の7種の
培地で16日間アメリカヤマゴボウ培養細胞を培養し、
その後、培養細胞を含む培養液をキムタオルでろ過し、
細胞を集め、常法に従い、フリーズドライした。フリー
ズドライ後の細胞粉末50mgから50%エタノール1
0mlでベタシアニンを抽出し、0.2μmのフィルタ
ーでろ過後、540nmの吸光度を測定した。ベタシア
ニンの主成分であるベタニンの百分率吸光係数A1cm 1%
はWylerらやPiattelliらによると1,
100−1,120である〔Helv.Chim.Ac
ta,42,1699−1702(1959);及びP
hytochem.,,307−311(196
4)〕。この値を使い、色素含有量を推定した結果は表
8に示した通りである。
【表8】
【0021】培養初期から高いショ糖濃度にすると細胞
増殖の誘導期が長くなり、結果的にベタシアニン生産量
はPA培地とほぼ同じであった。また、培養初期から高
いリン酸濃度にすると細胞乾重量あたりのベタシアニン
の含有量が多くなるが、培地あたりの細胞乾重量は減少
し、ベタシアニン生産量はPA培地とほぼ同じであっ
た。一方、1%相当のショ糖または1mM相当のKH2
PO4 を追加すると、PA培地よりも培地あたりのベタ
シアニン生産量が多くなった。さらに、1%相当のショ
糖と1mM相当のKH2 PO4 を同時に追加すると、そ
れぞれ単独に追加したフラスコよりも培地あたりのベタ
シアニン生産量が多くなり、ベタニンに換算して371
(mg/1)となった。
【0022】
【発明の効果】以上に詳述したように、アメリカヤマゴ
ボウより誘導されたベタシアニン生産能を有する培養細
胞塊を、カリウムイオン濃度が60mM−150mMで
ある液体培地中で培養することにより、更には液体培地
にリン酸イオン及び/又はショ糖を分割供給することに
より、培養細胞塊のベタシアニン生産性が著しく向上す
る。従ってこのような培養条件下でベタシアニンを製造
することにより、工業的に有利にベタシアニンを大量生
産することが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体培地中に含まれるリン酸イオン濃度を0−
2mMまで変化させた時の培地あたりのベタシアニン量
(A540)の違いを示す。
【図2】KH2 PO4 を1mM、ショ糖を2.5%、p
H6.0NH4 NO3 を15mM、KNO3 を25mM
に改変したLin & Staba培地中のカリウムイ
オン濃度をKClで41−221mMに変化させた培地
でのベタシアニン生産量(A540)を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アメリカヤマゴボウ(Phytolac
    ca americana)から誘導したベタシアニン
    生産能を有する培養細胞塊(カルス)を、カリウムイオ
    ン濃度が60mM〜150mMである液体培地中で培養
    して該培養細胞塊を増殖せしめ、培養物からベタシアニ
    ンを採取することを特徴とするベタシアニンの製造法。
  2. 【請求項2】 液体培地中に、ショ糖及び/又はリン酸
    イオンを分割供給する請求項1の製造法。
  3. 【請求項3】 液体培地がPA培地である請求項1又は
    2の製造法。
  4. 【請求項4】 カリウム濃度が60mM〜150mMで
    ある、アメリカヤマゴボウ由来の培養細胞塊を培養する
    ための液体培地。
  5. 【請求項5】 PA培地である請求項4の液体培地。
JP8078592A 1992-04-02 1992-04-02 アメリカヤマゴボウ培養細胞を用いたベタシアニンの製造法 Expired - Lifetime JPH0728752B2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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