JPH06226704A - 回転軸回り止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は回転機器の回転軸回り止め装置に関す
るものであり、その目的は固定部材を移動させるだけ
で、回転軸或いは回転部材の回り止めを可能とし、刃物
や治具の回転軸や回転部材への取付け取外しを簡単かつ
スピーディに行うことができるようにすることである。 【構成】回転軸２に回り止め結合すると共に、外形部に
六角面４を形成したコレットナット５の６つの平坦部の
うちの一つと、移動方向において係合する一面係合部１
４を有する固定部材１０を設け、該固定部材１０をバネ
１１に抗して移動させて前記コレットナット５の回り止
めをする際に、コレットナット５の位置を前記固定部材
１０の係合部の形状にあわせる作業をなくした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は例えばルータ、丸のこ等
の回転動力工具のように、回転軸に工具や治具を取付け
る回転機器の回転軸回り止め装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来技術を図８に示す電気ルータにより
説明する。電気ルータは図８に示すごとくモータ１の回
転軸２が軸受３で支持され、回転軸２の先端部に六角面
４を有するコレットナット５を強固に回り止め結合し、
中心に取付け穴を有し上端外周にスパナ掛け６を設けた
コレットチャック７を前記コレットナット５とねじ結合
し、前記取付け穴に刃物８を挿入してコレットチャック
７をコレットナット５に対して締め付けることにより刃
物８を保持して加工する工具である。このとき、コレッ
トナット５を回り止め保持するため、図９に示すように
コレットナット５の六角面４と係合する二面係合部９を
有する固定部材１０をばね１１に抗して右方へ剛体案内
１２に沿って移動し、図１０のように二面係合部９に六
角面４の中の二つの面が係合する構造となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この場合、コレットナ
ット５の六角面４と固定部材１０の二面係合部９とが丁
度合う位置にないと、図１１のように途中で突き当たっ
て係合できない。そのため、手でコレットナット５を回
して六角面４と二面係合部９との位置を合わせる作業が
どうしても必要であり、回り止め操作が煩雑であるとい
う問題があった。本考案の目的は、この位置合わせ作業
をなくし、単に固定部材を右方へ移動させるだけでコレ
ットナットの回り止めを可能にすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的はコレットナッ
トの六角面の一つのみを軸芯から離れて押すと六角面が
回転して固定部材の係合部との位置合わせが可能となる
ことに着目し、固定部材の係合部に一面のみが係合する
一面係合部を設けることにより達成される。

【０００５】

【作用】上記のように構成された回転軸回り止め装置で
は、固定部材の一面係合部がコレットナットの六角面に
突き当たると、コレットナットを回転させて前記一面係
合部或いは二面係合部と前記六角面を係合させる。そし
て、固定部材と回転軸間または固定部材内でコレットナ
ットの回り止めがなされる。

【０００６】

【実施例】本考案の一実施例を図１、図２に示す。図に
おいて、１０は固定部材、５は六角面４を有するコレッ
トナットで回転軸２に回り止め結合している。固定部材
１０は長方形の板状をなし六角面４の外接円より大きな
逃げ穴１３と該逃げ穴１３に接続して左方に一面のみが
六角面４と係合する長さ（図１のＬ寸法）が六角面４の
一つの面の長さ（図１のＬ’寸法）以上の長さの一面係
合部１４を有し、左端中央部は上方に折れ曲がって押し
部１５を形成し、左端上下部は下方へ折れ曲がりばね１
１の突き当てとなっている。ばね１１の右端はケーシン
グ１６と突き当たり、固定部材１０は剛体案内１２間に
配置されて下面はケーシング１６、上面は突部１７によ
り上下間の動きが制約されている。通常、固定部材１０
はばね１１により図中左方へ押されて逃げ穴１３内でコ
レットナット５が回転し、固定部材１０とコレットナッ
ト５は接触しない構造となっている。刃物８の取付け取
外しに際しては、ばね１１に抗して固定部材１０の押し
部１５を手で右方へ押すと一面係合部１４の先端部が六
角面４と突き当たりコレットナット５がトルクを受けて
回転するので一面係合部１４と六角面４の中の一つの面
とが図２のように係合する。この状態でコレットナット
５は固定部材１０と回転軸２間に回り止めされるもので
ある。図３〜図５は本考案の他の実施例を示すもので、
図１の固定部材１０に二面係合部９を設けた。そのた
め、固定部材１０を右方へ移動して図４に示すように一
面係合部１４の先端部が六角面４に突き当たりコレット
ナット５を回転させた後、図５に示すように二面係合部
９に六角面４の中の対称な二つの面が係合しコレットナ
ット５は固定部材１０内で回り止め保持される。

【０００７】図６、図７は本考案の第三実施例を示すも
ので、コレットナット５の六角面４の頂点部に頂点と軸
心を結ぶ線に平行な二面を有する剣先形状部１８を形成
する一方、固定部材１０に一面係合部１４と接続して前
記剣先形状部１８の二面と係合する凹部１９を設ける。
そのためコレットナット５の回り止めは主として固定部
材１０の一面係合部１４と凹部１９の二箇所で受け持
ち、なおかつ固定部材１０に働く力の方向を移動方向と
直角な方向として固定部材を押し戻す力が働かないよう
にする。

【０００８】

【発明の効果】本考案によれば、固定部材を移動させる
だけで、回転軸や回転部材の回り止めがなされるので、
刃物や治具の回転軸や回転部材への取付け取外しが簡単
かつスピーディに行うことができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案回転軸回り止め装置の一実施例を示す
図８のＡ−Ａ線断面図。

【図２】 図１の動作状態を示す図８のＡ−Ａ線断面
図。

【図３】 本考案回転軸回り止め装置の第二実施例を示
す図８のＡ−Ａ線断面図。

【図４】 図３の動作途中状態を示す図８のＡ−Ａ線断
面図。

【図５】 図３の動作状態を示す図８のＡ−Ａ線断面
図。

【図６】 本考案回転軸回り止め装置の第三実施例を示
す図８のＡ−Ａ線断面図。

【図７】 図６の動作状態を示す図８のＡ−Ａ線断面
図。

【図８】 ルータの一例を示す一部縦断正面図。

【図９】 従来の回転軸回り止め装置の一例を示す図８
のＡ−Ａ線断面図。

【図１０】 図９の動作状態を示す図８のＡ−Ａ線断面
図。

【図１１】 図９の動作途中状態を示す図８のＡ−Ａ線
断面図。

【符号の説明】

２は回転軸、４は六角面、５はコレットナット、７はコ
レットチャック、８は刃物、９は二面係合部、１０は固
定部材、１１はばね、１２は剛体案内、１４は一面係合
部、１８は剣先形状部、１９は凹部である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータ軸やスピンドル軸等の入出力回転
   軸と、外形部に複数の平坦部を有すると共に前記回転軸
   に固着する回転部材と、前記回転軸の軸方向と直角な平
   面上で左右に移動して前記回転部材の回り止めをするた
   めの固定部材を有する回転軸回り止め装置において、 前記回転軸の軸方向と直角な平面上で一方向のみ移動可
   能に剛体で案内され、前記回転部材の平坦部の一つと移
   動方向において係合する一面係合部を有すると共に、バ
   ネに抗して剛体案内に沿って移動する固定部材を設けた
   ことを特徴とする回転軸回り止め装置。
2. 【請求項２】 前記回転部材の平坦部のうち、対称位置
   にある二つと移動方向において係合する二面係合部を前
   記固定部材に設けたことを特徴とする請求項１記載の回
   転軸回り止め装置。