JPH06226190A - 塗工用バー及びそれを用いたバーコータ - Google Patents

塗工用バー及びそれを用いたバーコータ

Info

Publication number
JPH06226190A
JPH06226190A JP23201992A JP23201992A JPH06226190A JP H06226190 A JPH06226190 A JP H06226190A JP 23201992 A JP23201992 A JP 23201992A JP 23201992 A JP23201992 A JP 23201992A JP H06226190 A JPH06226190 A JP H06226190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
bar
amount
cracks
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23201992A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Hojo
周男 北條
Masatoshi Ando
雅敏 安藤
Satoshi Kage
聰 鹿毛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP23201992A priority Critical patent/JPH06226190A/ja
Publication of JPH06226190A publication Critical patent/JPH06226190A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C1/00Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating
    • B05C1/04Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length
    • B05C1/08Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line
    • B05C1/12Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line the work being fed round the roller

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高濃度の塗布剤を目標の低乾燥塗布量で塗工で
きる塗工用バー及びそれを用いたバーコータを提供する
こと。 【構成】この発明に係る塗工用バーは、金属製ロッド表
面にクラックを有するクロムメッキ層を形成したことを
特徴とする。 【効果】高濃度の塗布剤を目標の低乾燥塗布量で塗工で
きるので、乾燥工程で発生する溶剤ガスを減らすことが
できる。また、低粘度の塗布剤を目標の低乾燥塗布量で
高速に塗工することが可能で、非常に高い塗工効率を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙等のシートに塗料を
塗布する際に使用される塗工機のうちの特にバーコータ
及びそれに使用される塗工用バーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録紙紙、剥離紙、静電複写紙等に
それぞれ保護層、剥離剤層、静電記録層等を形成するた
めに有機溶剤系又は水溶性塗布剤(塗料)を塗布する際
に、従来からワイヤ巻バーを使用したバーコータが使用
されている。塗布剤による所望の作用効果が得られる限
り、これらの塗布剤はできるだけ少量の塗布量で塗布す
ることが望ましい。このことは、原料の節約及び続いて
行われる乾燥工程での熱の節約等を考えれば自明であ
る。従って、現在これらの塗布剤の塗布量は非常に少量
のレベルを目標に塗布されている。例えば感熱記録紙の
保護層形成用のオーバーコート剤の塗布量は0.5〜
6.0g/m2 程度,剥離紙の剥離層形成用の剥離剤の
塗布量は0.3〜1g/m2 程度,静電記録紙の静電記
録層を形成するための塗布量は2.0〜5.0g/m2
程度となっている。これらの塗布剤をこのような低塗布
量(0.3g/m2 〜6.0g/m2 )で塗布する上
で、塗布量制御の容易性等の観点より、ワイヤ巻バーが
従来から使用されている。
【0003】これらの低塗布量で塗布される塗布剤の
内、代表的な例として剥離紙用の剥離剤を挙げて以下に
説明する。剥離紙用抄紙機において製造されたグラシン
原紙、上質紙、又は合成紙、高分子フィルム等の剥離紙
原紙にたいして塗布剤としてトルエン等の有機溶剤で希
釈されたシリコーンの剥離剤が主に使用されている。こ
のような剥離紙用に塗布される剥離剤の目標塗布量はグ
ラシン紙の場合で乾燥塗布量として0.5〜1.0g/
2 、ポリ・ラミネート紙の場合で0.3〜0.6g/
2 程度が適当である。現在ワイヤ巻バーの巻線径とし
て直径0.1mmのものを用いて、塗液の塗料濃度7〜
10%とすることにより剥離剤の乾燥塗布量がグラシン
紙0.8g/m2 、ポリ・ラミネート紙0.4g/m2
の剥離紙を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたように、剥
離剤塗布後に乾燥工程が行われている。乾燥工程では蒸
気等の熱によって得られる熱風を使用した乾燥機が使用
される。このような乾燥機では熱をできるだけ捨てない
で効率的に使用するため、熱風の大半を循環させながら
一部を排気し、それに応じて新鮮な空気を吸入してい
る。従って、乾燥工程において発生した多量の溶剤ガス
は熱風とともにその大半が循環されるので、循環回数が
増えるとともにガス濃度が高くなる。もしこのガス濃度
が爆発限界値を越えれば操業中に発生した静電気等で引
火、爆発の危険性がある。従って、安全性をより高める
上でこの溶剤ガスの発生量を低減させることが課題とな
っている。
【0005】乾燥工程で発生する溶剤ガスを減らすため
には、塗布される溶剤を含んだ剥離剤の塗布量を低減さ
せれば良い。以後この溶剤を含んだ塗布剤の塗布量をウ
エット塗布量という。これに対して乾燥後、溶剤等が揮
発してしまった後の塗布量が乾燥塗布量である。ウエッ
ト塗布量を低減させれば、乾燥塗布量もそれに応じて低
減するので目標の塗布量(乾燥塗布量)が得られない。
そこで、塗布剤の濃度を増加すれば、すなわち高濃度の
塗布剤を使用すれば、ウエット塗布量を低減しても、目
標の塗布量(乾燥塗布量)が得られる。
【0006】そこで、発明者らは高濃度の塗布剤を目標
の低乾燥塗布量で塗工できる塗工用バー及びそれを用い
たバーコータを提供することを目的として鋭意研究を重
ねた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の塗工用バーは、
金属製ロッド表面にクラックを有するクロムメッキ層を
形成したことを特徴とする。金属製ロッドとして例えば
ステンレスの磨き棒をバー本体とし、耐摩耗性と塗液に
対する親水性を付与するために、クロムメッキ表面の割
れ目を積極的に拡大したポーラスクロムメッキを施して
あることに特徴がある。
【0008】
【作用】本来、メッキで得たクロム表面には層間に無数
の割れ(クラック)がある。この割れは、目視では判別
し難いが、顕微鏡的に見れば観察できるものである。こ
の顕微鏡的に詳細に観察しないとクラックが観察出来な
いような状態を本願明細書ではクラックが無いと言う。
そして、割れは、いつも同じ状態で形成されるものでは
ない。メッキする条件、例えば液温、電流密度、クロム
メッキ液の組成等を変化させると割れの状態も変化す
る。クロムメッキ層に存在する割れは重要な意義を持っ
ており、耐食性から見ると欠点となるが潤滑性から見る
と利点として作用する。すなわち、クロムメッキ層の割
れは水分の侵入経路となり、潤滑性を付与するために積
極的に使用される場合がある。つまり、クロムメッキ後
に特殊な操作条件のもとで割れ目を拡大し、この割れ目
に潤滑油を保持させるのである。このように、特殊な操
作条件によりクラックを拡大した状態では大体それらの
クラックは目視によって確認出来る程度の大きさになっ
ている。この状態を本願明細書ではクラックを有すると
言う。
【0009】以上に説明したようなクラックの応用例と
しては内燃機関のシリンダーやピストンリングが代表的
である。また紙製造及び塗工工程においては水分を補給
すべく、製造ライン内に塗工装置のアプリケーターロー
ルとして適用されている。上記割れ目をメッキ層表面に
付与した本発明の塗工用バーをメータリングバー方式の
バーコーターに導入し、割れ目を通過する塗液量を割れ
目深さや割れ目密度、もしくはバー本体の回転数をコン
トロールすることによって目的とする微量な塗工量の塗
布を高速で行うことができる。さらに、従来のようなワ
イヤ巻バーにおける巻線切れのような操業上の問題を回
避することができる。
【0010】
【実施例】本発明の塗工用バーの製造方法、それを用い
たバーコータによって塗布剤として例えば剥離剤を塗布
して剥離紙を製造することについて以下に詳細に示す。
まず、塗工用バーの製造方法について以下に示すが、バ
ー本体の素材は従来より一般に用いられているステンレ
ス、軟鋼、硬鋼等の金属を任意に用いることができる。
通常、これらのバー素材は表面を磨き加工されており、
直径5〜15mm程度のロッドがよく用いられている。
【0011】本発明では、金属製ロッドにポーラスクロ
ムメッキ加工を施し、メッキ層表面に拡大されたクラッ
クを塗液の計量のためのクリアランスとして適用するこ
と特徴としている。この塗液計量のための条件としては
メッキ層厚さと、生じるクラック巾やクラック深さが影
響することになる。従って、目的とする塗工量を実現す
るためにはこれらの値を経験的に求める必要があるが、
該バーを実際に用いてバーコータで塗工する際には、例
えば塗液の濃度や粘性、バーの回転数や回転方向、塗工
される紙等のシートの走行の際の張力等が塗工量に対し
影響を与えるためバー表面に施すメッキのクラック巾や
クラック深さを全て一義的に決定する必要はなく、ある
程度の巾をもたせることができる。
【0012】このような塗工用バーを用いて一例として
剥離紙を製造する方法について後に説明したが、剥離剤
の塗工を従来よりバー方式の塗工装置で塗工している場
合には装置全体を変更する必要はなく、バー本体のみを
本発明の塗工用バーに取り替えることによって、剥離紙
やその他の用紙を製造できる。このようなバー方式の塗
工装置の側面図を図1に示した。図1において、左方か
ら基紙7がホールドダウンロール1及び2とアプリケー
ターロール3の間を通ってバー5及びペーパーロール6
を経て次の乾燥工程に送られる。カラーパン4中の塗液
(剥離剤)がアプリケーターロール4によって過剰に基
紙に塗布され、その後バー5によって計量、平滑化され
る。図から分かるように、このバー5を取り代えること
は非常に容易である。以下にこの塗工装置の仕様と使用
条件を簡単に記す。
【0013】塗布速度:190〜240m/分,シート
張力:350〜570g/cm,バー軸中心に対する接
触角度:35度,バー回転方向:シート流れに対して順
回転,バー回転数:10rpm,バー直径:9.6m
m.
【0014】以下に本発明の具体的な実施例について示
す。紙種、各種数値、中間層塗液、塗工装置はもちろん
これらに限定されるものではなく、種々のものが適用可
能である。また例中に示す部及び%はそれぞれ[重量
部]及び[重量%]を示し、塗工量、部数、混合割合等
は全て固形分で示した。 (塗工用バーの製造)親水性クロムメッキ処理を施す金
属製ロッドとしては直径9.6mm、長さ1950mm
の鋼製のみがき棒を用い、前処理として素地に付着して
いるさび、油脂等を除去するためにバフ研磨を行った後
に、表面に付着した油脂類を除去するべく小量の水酸化
ナトリウムを加えた炭酸ナトリウム水溶液を用いて脱脂
処理をおこなった。水溶液の混合割合例を次に示す。
(炭酸ナトリウム30g/リットル、水酸化ナトリウム
7.5g/リットル、第二りん酸ナトリウム15g/リ
ットル、オルソりん酸ナトリウム10g/リットル) 次に、脱脂処理を行うと表面に酸化膜の薄膜が形成され
るため、これを除去するべく3〜7%濃度の塩酸を用い
て酸づけを行った。
【0015】脱脂処理後、中和した母材をクロム酸20
0g/リットル、硫酸0.8g/リットル、温度55℃
の硬質クロムメッキ液中で電着条件として電流密度50
A/dm2 でメッキ処理を行い、更に表面のクラックを
拡大するため逆電条件として40℃、20A/dm2
20分実施して平均厚さ25μmの親水性表面をもった
クロムメッキバーを得た。
【0016】以上のようにして得られた本発明の塗工用
バーの任意の表面数カ所を、金属顕微鏡を用いて倍率1
00倍で写真撮影して観察すると、以下の様な拡大され
たクラックが形成されていることが分かった。 クラッ
クの数(密度)は塗工用バーの表面に1cmの基線をひ
いた時に、この基線に交わるクラックのうち幅が3〜2
0μmの範囲にあるクラックが基線1cm当たりに10
0〜300本あり、それらの深さは約5〜10μmであ
った。ここで、この基線の方向はバーの軸の方向とは関
係なくいずれの方向の基線に対しても、交わるクラック
の数等は同様であった。以上のように逆電条件でメッキ
を行う方法以外にクラックを拡大する方法としては、ク
ロムメッキ後の母材を例えば希硫酸のような酸性溶液に
入れ、クラック部分の酸化を促進させる方法もある。
【0017】1.第1の塗布試験 上塗り用の有機溶剤系塗布剤(塗料)としてシリコーン
をトルエンで一定濃度に希釈した剥離剤を図1に示した
塗工装置を使用して、従来のワイヤ巻バーの典型的な使
用条件と同じ条件で塗布し、本発明の塗工用バーと従来
のワイヤ巻バーで塗布される剥離剤層がどのように異な
るかを試験した。 実施例1〜4 剥離紙としてポリラミネート紙を用い、この被剥離面に
従来から使用されているの溶剤型シリコーン剥離剤(商
品名「KS−857」、製品濃度30%、信越化学工業
社製)をトルエンで希釈することによって以下のような
濃度の剥離剤液を作成した。濃度7%(実施例1)、濃
度8%(実施例2)、濃度9%(実施例3)、濃度12
%(実施例4).次に前述の本発明の塗工用バーを用い
た塗工装置で塗工速度毎分190mで塗工量を目標0.
43g/m2 として各々の剥離剤液を塗工し、熱風乾燥
キュアーさせて実施例1〜4のグラシン剥離紙を得た。
【0018】最終的に粘着紙を得る場合は以下のように
する。前記塗工装置に直結したリバースロールコーター
でそれぞれの剥離紙にエマルジョン型粘着剤(商品名
「TS−662」、日本カーバイド社製)を22g/m
2 となるように塗工し、乾燥させた後坪量64g/m2
の上質紙を貼り合わせて粘着紙を得ることができる。 比較例1〜4 本発明の塗工用バーの代わりに従来使用されていた直径
0.1mmの巻線を施したワイヤ巻バーを用いた以外は
実施例1〜4と同じ条件で、それぞれ比較例1〜4の剥
離紙を得た。
【0019】以上のようにして得られた剥離紙の評価を
行うために以下の評価試験を各実施例及び比較例のサン
プルについて行った。 〔塗布量測定試験〕剥離剤層について、乾燥前のウエッ
ト塗布量及び乾燥後の乾燥塗布量を測定した。この乾燥
塗布量が目標塗布量に対してどの程度差があるかが評価
のポイントである。 〔ピンホールバリヤー性測定試験〕剥離剤層のピンホー
ル等の物理的な欠陥の有無を確認するための試験であ
る。市販の油性ペンで剥離紙の剥離剤面に均一に塗り、
裏面に現れる10cm2 内のピンホール数によって評価
した。このピンホールの数が10個程度以下であれば、
塗工が物理的に良好に行われたことの指標になる。
【0020】(評価基準) ◎・・・・0個 ○・・・・1〜10個 △・・・・11〜20個 ×・・・・20個以上 得られた結果を以下の表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】表1のピンホールバリヤー性測定試験の結
果からわかるように、実施例1を除いて、いずれの例も
塗工が良好に行われていることが分かる。実施例1では
非常に塗布量が低いのでピンホールが観察されたことは
当然と考えられる。すなわち、塗布量が目的の塗布量を
満足していれば、塗工はいずれのバーでも良好に行われ
るということである。
【0023】実施例2と比較例1を比較すれば分かるよ
うに、剥離剤の目標塗布量(0.43g/m2 )を達成
する上で、本発明の塗工用バーのほうが従来のワイヤ巻
バーに較べて、より高濃度の塗布剤を目標の低塗布量で
塗布できることが分かった。このことをより分かり易く
説明するために、ウエット塗布量の剥離剤濃度に対する
関係を図2に示した。図2では横軸が剥離剤濃度を、縦
軸がウエット塗布量をあらわしている。図2から分かる
ように、低塗布量領域では本発明の塗工用バーのほうが
従来のワイヤ巻バーに較べてより濃い剥離剤を目標の塗
布量で塗工出来ることが分かる。また逆に高塗布量領域
では従来のワイヤ巻バーのほうがより濃い剥離剤を目標
の塗布量で塗工できることが分かる。
【0024】もちろんワイヤ巻バーのワイヤ径を細くす
ることによって図中下方向にワイヤ巻バーのグラフ線を
移動させることもできるが、ワイヤの断線等による塗工
工程の不安定化を考慮した場合、この直径0.1mm程
度のワイヤが実用限界ではないかと考えられる。このよ
うに、低塗布量領域で本発明の塗工用バーのほうが従来
のワイヤ巻バーに較べてより濃い剥離剤を目標の塗布量
で塗工出来る理由ははっきりしないが、本発明の塗工用
バーのほうが塗料を計量する空間が従来のワイヤ巻バー
に較べてより小さいためではないかと考えられる。
【0025】ここで、発明者等は表1の実施例1のデー
タに注目した。この実施例1では目標の塗布量より更に
低い塗布量を本発明の塗工バーによって塗工しうること
を示している。このように低い塗布量が達成できれば、
この時の塗工速度を早めることによって塗布量を増加さ
せて目標の塗布量を塗工することは極めて容易なことで
あり、塗工速度を早めることは塗工工程の能率を上げる
という極めて有益な効果をもたらす。この低い塗布量が
本発明の塗工バーによって得られる原因を求めるために
発明者等は種々の試行をくりかえした。その結果、塗料
粘度が低いことが、このように塗布量を低下させている
一つの原因であることが分かった。このことは表1に参
考追記した塗料粘度の欄をみても窺える。
【0026】そこで発明者等は本発明の塗工用バーは低
粘度の塗布剤(塗料)であれば、より高濃度の剥離剤を
目標の低い塗布量でかつ高速度で塗布できるのではない
かと考え、次の第2の塗布試験を行った。 2.第2の塗布試験 より低粘度の剥離剤を第1の塗布試験より高速で塗布し
て、本発明の塗工用バーと従来のワイヤ巻バーで塗布さ
れる剥離剤層がどのように異なるかを試験した。 実施例5〜7 第1の塗布試験と同様のポリラミネート紙の被剥離面に
従来とは異なるより低粘度の溶剤型シリコーン剥離剤
(商品名「X−62−2604」、製品濃度30%、信
越化学工業社製)を濃度9%、粘度25cpsにトルエ
ンで希釈し、塗工速度を26%早めて毎分240m一定
として塗工時の剥離紙の張力を以下の様に変化させて塗
布した。ここで張力を変化させたのは、一般に張力を増
加させれば塗布量もある程度低下するので、その程度が
本発明の塗工用バーと従来のワイヤ巻バーでどの程度異
なるかを併せて考察するためである。また基材のグラシ
ン紙とバーとの間の塗料を計量する空間が、特に高速で
塗工される場合に塗料の粘性抵抗によって押し広げられ
やすくなるため塗布量が不安定となるのを防ぐために、
ある程度大きい張力を与えて、塗料を計量する空間が変
化しにくくさせるという効果が期待できる。 張力:紙巾1cm当たり350g(実施例5),380
g(実施例6),430g(実施例7)として塗布して
各々の粘着紙を得た。他の条件は全て第1の塗布試験と
同様にして行った。
【0027】比較例5〜7 本発明の塗工用バーの代わりに従来使用されていた直径
0.1mmの巻線を施したワイヤ巻バーを用いた以外は
実施例5〜7と同じ条件で、それぞれ比較例5〜7の剥
離紙を得た。
【0028】以上のようにして得られた剥離紙の評価を
行うために第1の塗布試験と同様の評価試験を各実施例
及び比較例のサンプルについて行った。得られた結果を
以下の表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】表2のピンホールバリヤー性測定試験の結
果からわかるように、いずれの例も塗布が良好に行われ
ていることが分かる。すなわちこのような低粘度の塗布
剤を高速度で塗布する場合であっても、塗布量が目的の
塗布量を満足していれば、いずれのバーでも塗布が良好
に行われるということである。特に実施例7から分かる
ように、本発明の塗工用バーはこの高速塗工において
も、ある程度張力を与えれば、目標の低い塗布量を達成
できることが分かる。張力を増加させれば塗布量もある
程度低下するので、その程度が本発明の塗工用バーと従
来のワイヤ巻バーでどの程度異なるかを考察するため
に、ウエット塗布量のシート張力に対する関係を図3に
示した。図3では横軸がシート張力を、縦軸がウエット
塗布量をあらわしている。図3から分かるように、シー
ト張力をある程度かければ、塗工用バーによって低塗布
量領域の塗布が充分可能となっていることが分かる。こ
れに対して、従来のワイヤ巻バーではシート張力をかけ
ることによって塗布量が低下することは塗工用バーと同
様であるが、普通のシート張力では低塗布量領域の塗布
を可能ならしめることが難しいことが分かった。すなわ
ち、低粘度の塗料を高速でかつ低塗布量で塗工する上で
本発明の塗工用バーは従来のワイヤ巻バーに較べて非常
に優れているということが分かった。
【0031】3.第3の塗布試験 以上の二つの塗布試験ではいずれも基紙としてポリラミ
ネート紙を使用した例を示した。そこでポリラミネート
紙に較べて剥離剤の目標塗布量が0.8g/m 2 と比較
的多い例である、基紙としてグラシン紙を使用した場合
に、本発明の塗工用バーが従来のワイヤ巻バーに較べて
なお低粘度の塗料を高速でかつ低塗布量で塗工する上で
すぐれているか否かの確認をするために、以下に説明す
る第3の塗布試験を行った。
【0032】実施例8〜10 剥離紙としてグラシン紙を用いて、第2の塗布試験で使
用した溶剤型シリコーン剥離剤を濃度12%、粘度31
cpsにトルエンで希釈したものを剥離剤として使用し
た。又更に塗工時の剥離紙の張力を以下の様に変化させ
て塗布した。その他の条件は全て第2の塗布試験と同様
とした。 張力:紙巾1cm当たり420g(実施例8)、500
g(実施例9)、570g(実施例10) 比較例8〜10 本発明の塗工用バーの代わりに従来使用されていた直径
0.1mmの巻線を施したワイヤ巻バーを用いた以外は
実施例8〜10と同じ条件で、それぞれ比較例8〜10
の剥離紙を得た。
【0033】以上のようにして得られた剥離紙の評価を
行うために第1の塗布試験と同様の評価試験を各実施例
及び比較例のサンプルについて行った。得られた結果を
以下の表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】表3のピンホールバリヤー性測定試験の結
果からわかるように、いずれの例も塗布が良好に行われ
ていることが分かる。すなわちこのような低粘度の塗布
剤を高速度で比較的多く塗布する場合であっても、塗布
量が目的の塗布量を満足していれば、いずれのバーでも
塗布が良好に行われるということである。特に実施例1
0から分かるように、本発明の塗工用バーはこの比較的
多い塗布量においても、ある程度張力を与えれば、目標
の塗布量を達成できることが分かる。これはこの比較的
多い塗布量もまだ低塗布量領域にあることを示している
と考えられる。
【0036】本第3の塗布試験においても第2の塗布試
験と同様に、張力を増加させれば塗布量もある程度低下
するので、その程度が本発明の塗工用バーと従来のワイ
ヤ巻バーでどの程度異なるかを考察するために、ウエッ
ト塗布量のシート張力に対する関係を図4に示した。図
4では横軸がシート張力を、縦軸がウエット塗布量をあ
らわしている。図4から分かるように、シート張力をあ
る程度かければ、塗工用バーによって低塗布量領域の塗
布が充分可能となっていることが分かる。これに対し
て、従来のワイヤ巻バーではシート張力をかけることに
よって塗布量が低下することは塗工用バーと同様である
が、目標塗布量がポリラミネート紙に較べて若干多いと
はいえグラシン基紙に対する剥離剤塗布はやはり低塗布
量領域にあり、普通のシート張力ではその塗布を可能な
らしめることが難しいことが分かった。
【0037】すなわち、少々塗布量が増加しても、低粘
度の塗料を高速でかつ低塗布量で塗工する上で本発明の
塗工用バーは従来のワイヤ巻バーに較べて非常に優れて
いるということが分かった。以上の実施例では有機溶剤
系塗布剤を使用した例について説明したが、水溶性塗布
剤であっても、同様に高濃度の塗布剤を目標の低乾燥塗
布量で塗工したり、低粘度の塗布剤を目標の低乾燥塗布
量で高速に塗工することが可能で、非常に高い塗工効率
を得ることができる。
【0038】特に、注意すべきは塗料粘度であり、従来
よりワイヤ巻バーで塗工していた塗液の中には粘度が高
過ぎるものもあり、塗工時にバー表面のメッキ層のクラ
ックでは塗被物に付着した塗液を計量しきれない場合が
ある。これは、通常、塗被物の張力によってバーに塗被
面を押し付けて計量するが、塗液の粘性が高いため塗工
時にバーによって計量される地点において、塗被物に作
用する張力に対して塗液の持つ動粘性が打ち勝ち、塗被
物とバーの間の空間を塗液が押し広げることによって塗
液が大量に塗被物に付着することに起因すると考えられ
る。このとき、塗工量を調節する方法としては張力を更
に高くしたりバーの回転速度を調節することによって対
応できるが、塗液の粘度を下げるために塗液濃度を下げ
たり、同種の低粘度塗料を用いることがより効果的であ
る。
【0039】以上の実施例では低塗布量で剥離剤を塗布
して剥離紙を作成する例を説明したが、上記の剥離剤と
同様に乾燥塗布量が0.2g/m2 から6.0g/m2
程度の低塗布量で感熱記録紙の保護層用の塗布剤や静電
記録紙の静電記録層用の塗布剤等を塗工する場合にも同
様の効果が得られる。結局、我々の試行によれば0.2
g/m2 から6.0g/m2 程度の乾燥塗工量は充分低
塗布量領域にあり、以上に説明したと同様に本発明の塗
工用バーは高濃度の塗布剤を目標の低乾燥塗布量で塗工
でき、又10cpsから200cps程度の低粘度の塗
布剤を目標の低乾燥塗布量で高速に塗工することが可能
であった。
【0040】実施例で説明した塗布剤粘度や基材の張力
の調整によって行う方法以外に塗布量を調節する方法と
しては以下のような方法が上げられる。バーの回転方向
や回転数を変化させることによっても塗布量が調整でき
る。また、塗工装置のバーの中心方向に対するシート基
材の接触角度を20〜60度程度に変化させることによ
って、低粘度から高粘度の塗布剤に対する良好な計量性
を得ることができる。すなわち、低粘度の塗布剤を塗布
する時はこの接触角度を小さく設定し、高粘度の塗布剤
を塗布する時はこの接触角度を大きく設定する。
【0041】従って、塗布剤の濃度、粘度に応じて、以
上説明したバーの回転、シート基材の接触角度、シート
基材に与える張力等の条件を適宜選択して、目標の低塗
布量で高速に塗布するための塗布条件を決定することが
望ましい。
【0042】
【発明の効果】本発明の塗工用バーによれば高濃度の塗
布剤を目標の低乾燥塗布量で塗工できるので、乾燥工程
で発生する溶剤ガスを減らすことができる。また、低粘
度の塗布剤を目標の低乾燥塗布量で高速に塗工すること
が可能で、非常に高い塗工効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗工用バーを適用したバー方式の塗工
装置の側面図。
【図2】本発明の塗工用バー及び従来のワイヤ巻バーを
使用して塗工した時のウエット塗布量の剥離剤濃度に対
する関係を示すグラフ。
【図3】本発明の塗工用バー及び従来のワイヤ巻バーを
使用してポリラミネート紙に塗工した時のウエット塗布
量のシート張力に対する関係を示すグラフ。
【図4】本発明の塗工用バー及び従来のワイヤ巻バーを
使用してグラシン紙に塗工した時のウエット塗布量のシ
ート張力に対する関係を示すグラフ。
【符号の説明】
5 バー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製ロッド表面にクラックを有するクロ
    ムメッキ層を形成したことを特徴とする塗工用バー。
  2. 【請求項2】前記クラックのうち幅が3〜20μmの範
    囲にあるクラックが基線1cm当たりに100〜300
    本あることを特徴とする請求項1記載の塗工用バー。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の塗工用バーを用いた
    バーコータ。
  4. 【請求項4】前記塗工用バーに対する被塗工物の接触角
    度がバーの中心に対して20〜60度であることを特徴
    とする請求項3記載のバーコータ。
JP23201992A 1992-08-31 1992-08-31 塗工用バー及びそれを用いたバーコータ Pending JPH06226190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23201992A JPH06226190A (ja) 1992-08-31 1992-08-31 塗工用バー及びそれを用いたバーコータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23201992A JPH06226190A (ja) 1992-08-31 1992-08-31 塗工用バー及びそれを用いたバーコータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06226190A true JPH06226190A (ja) 1994-08-16

Family

ID=16932689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23201992A Pending JPH06226190A (ja) 1992-08-31 1992-08-31 塗工用バー及びそれを用いたバーコータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06226190A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996034148A1 (en) * 1995-04-25 1996-10-31 Macmillan Bloedel Limited Metering rod coaters

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996034148A1 (en) * 1995-04-25 1996-10-31 Macmillan Bloedel Limited Metering rod coaters

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4240364B2 (ja) ドクターブレードまたはコーターブレードおよびその製造方法
WO2010044280A9 (ja) クレープ剤組成物及びクレープ紙の製造方法
JPWO2007018144A1 (ja) ドクターブレード
GB2044398A (en) Fluid-Transfer Roller
US2331922A (en) Process of coating paper
JPH06226190A (ja) 塗工用バー及びそれを用いたバーコータ
JPH01150667A (ja) 塗工紙用ロール
JPH0681300A (ja) 剥離紙の製造方法
US6277196B1 (en) Coating apparatus
DE102005062204A1 (de) Verschleißschutzbeschichtung
JP2004315976A (ja) 紙塗工用組成物及び塗工紙の製造方法
US20040247928A1 (en) Friction guard blade and a method of production thereof
WO2008134499A1 (en) Gloss-enhancing coating for ink-jet media
JP3554387B2 (ja) 塗装方法
JPS61158497A (ja) 熱転写記録用紙
JP2001127323A (ja) ポリイミド系塗料薄膜を被覆した太陽電池基板用絶縁性金属箔帯およびその製造方法
JP2008545067A (ja) キャストコートデバイス
JP4321423B2 (ja) 塗工用ロッドの製造方法
JPH0699225A (ja) プレス加工用潤滑処理金属板
JPH06312155A (ja) 塗工用ロッド
JPH09302596A (ja) 軽量塗被紙の製造方法及び軽量塗被紙
JP4506450B2 (ja) ロール塗装方法および装置
JP2006257584A (ja) 塗工白板紙の製造方法
US522350A (en) Process of making transparent transfer-paper
JP2000000500A (ja) スムージングロールと該スムージングロールを用いて処理を施された塗工物