JPH0622556Y2 - スポット溶接の打点位置指示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、スポット溶接において、複数のスポット溶接
打点位置を順次指示する装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 第３図で示すように、ワークＷを複数の打点位置Ｓにス
ポット溶接する場合、ポータブルのスポット溶接ガンに
より前記打点位置Ｓを順番にスポット溶接している。

＜考案が解決しようとする課題＞ 上記のスポット溶接作業では、複数の打点位置Ｓを作業
者の視認によって見当を付けて行っているため、適正な
打点位置、打点順番、打点数等を得るには相当の作業訓
練や経験を必要とし、打点欠や不適当位置のスポット溶
接が発生し易く、その場合手直し作業を行う手間を要し
ている。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記従来の問題点を改善するためになされた
もので、その特徴とする構成は治具に位置決めクランプ
されたワークに対しスポット溶接打点位置を照射するレ
ーザ光線発射口と、このレーザ光線発射口の方向を複数
のスポット溶接打点位置に順次変更作動するレーザ光線
発射口送り移動装置と、スポット溶接の通電測定機と、
この通電測定機による通電確認信号により前記レーザ光
線発射口送り移動装置を介してレーザ光線発射口の方向
を次打点に制御するコントローラとを備え、スポット溶
接ガンにはレーザ光線発射口を前打点位置に戻し作動さ
せるリセット釦を設けたものである。

＜作用＞ 上記の構成により、レーザ光線がワークのスポット溶接
打点位置を照射指示し、スポット溶接の打点完了毎に順
番に次打点位置を照射指示して行き、打点欠がある場合
には打点位置に照射戻しを可能とするものである。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
において、１は治具であり、ワークＷの位置決めピン２
とクランパ３と、このクランパ３をクランプ並びにアン
クランプ操作する操作釦４とを備えている。

５はレーザ光線発射口である。このレーザ光線発射口５
は前記治具１にセットされたワークＷにレーザ光線を照
射してスポット溶接の打点位置を指示するものである。

前記レーザ光線発射口５は、その方向をレーザ光線発射
口送り移動装置６により複数の打点位置Ｓ１〜Ｓ３に順
次変更作動するようになっている。図例の場合は旋回動
作により変更するものであるが、ワークＷの形状に沿っ
て水平移動や曲線移動させることも可能である。

７前記はレーザ光線発射口送り移動装置６等を制御する
コントローラである。このコントローラ６はスポット溶
接の通電測定機10と、スポット溶接ガン８に設けたリセ
ット釦11とからの信号を入力して前記レーザ光線発射口
送り移動装置６を制御し、また、治具コントローラ12を
介してクランパ３をクランプ並びにアンクランプ制御す
る。尚、符号の13は打点モニタを示す。

次に本考案の動作について第２図のフローチャートを加
えて説明する。先ず、治具１にワークＷを位置決めセッ
トし、操作釦４を押して治具コントローラ12によりクラ
ンパ３を作動してワークＷをクランプする。

前記治具コントローラ12よりクランプ完了の信号がコン
トローラ７に入力され、コントローラ７はレーザ光線発
射口送り移動装置６を制御し、レーザ光線発射口５の方
向をワークＷの第１打点位置Ｓ１に向くよう位置する。

前記レーザ光線発射口５の位置が決ったところでレーザ
光線ＬがワークＷに向けて発射され、第１打点位置Ｓ１
を指示する。

作業者はスポット溶接ガン８を保持し、前記第１打点位
置Ｓ１に電極チップを対応させてガンスイッチ９を押し
て溶接を行う。このとき、通電測定機10は通電を確認す
るとコントローラ７に信号を送り、コントローラ７はレ
ーザ光線発射口送り移動装置６を作動してレーザ光線発
射口５の方向を次打点の第２打点位置Ｓ２に変更し、レ
ーザ光線は第２打点位置Ｓ２を照射指示する。

このようにして第３打点位置Ｓ３あるいはそれ以上の打
点位置の溶接を順次行うが、打点欠がある場合にはリセ
ット釦11を押すことにより、その信号がコントローラ７
へ送られ、レーザ光線発射口送り移動装置６はレーザ光
線発射口５の方向を前打点位置に戻し作動し、打点欠位
置に照射指示する。そして、全打点位置を完全に溶接し
たときに操作釦４を押すとクランパ３はアンクランプさ
れるが、打点欠がある場合にはアンクランプ作動されな
い。この場合、打点欠位置を確認して溶接して完了させ
る。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、スポット溶接すべき複数
の打点位置をレーザ光線の照射により溶接打点毎にに順
次指示するものであるから、作業者は次打点位置を容易
に確認することができ、常に適正位置をスポット溶接す
ることができる。

また、打点欠がある場合には、前打点位置へのレーザ光
線の戻し照射が可能であるため、打点忘れ等によるミス
を防止し、溶接品質の向上が図られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の側面図、第２図はフローチャー
ト、第３図はワークの一例を示す斜視図である。 １…治具、５…レーザ光線発射口、６…レーザ光線発射
口送り移動装置、７…コントローラ、８…スポット溶接
ガン、10…通電測定機、11…リセット釦。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】治具に位置決めクランプされたワークに対
   しスポット溶接打点位置を照射するレーザ光線発射口
   と、このレーザ光線発射口の方向を複数のスポット溶接
   打点位置に順次変更作動するレーザ光線発射口送り移動
   装置と、スポット溶接の通電測定機と、この通電測定機
   による通電確認信号により前記レーザ光線発射口送り移
   動装置を介してレーザ光線発射口の方向を次打点に制御
   するコントローラとを備え、スポット溶接ガンにはレー
   ザ光線発射口を前打点位置に戻し作動させるリセット釦
   を設けたことを特徴とするスポット溶接の打点位置指示
   装置。