JPH06224459A - 受光素子 - Google Patents

受光素子

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JPH06224459A
JPH06224459A JP5199584A JP19958493A JPH06224459A JP H06224459 A JPH06224459 A JP H06224459A JP 5199584 A JP5199584 A JP 5199584A JP 19958493 A JP19958493 A JP 19958493A JP H06224459 A JPH06224459 A JP H06224459A
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JP
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thin film
layer
amorphous silicon
type
semiconductor thin
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JP5199584A
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Inventor
Masamichi Okamura
正通 岡村
Satoru Suzuki
哲 鈴木
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁性基板上に形成可能で大面積化や低コス
ト化が容易であり、かつ近赤外の光に対して感度のある
受光素子を提供する。 【構成】 ガラス基板1上に、光の入射側から順に、透
明電極2,第1の導電型半導体としてのボロンドープの
p型アモルファスシリコン3,第1のi型半導体薄膜と
してのノンドープのi型アモルファスシリコンゲルマニ
ウム4,第1の導電型の半導体膜としてボロンドープの
p型アモルファスシリコン5,第2のi型半導体薄膜と
してノンドープのi型アモルファスシリコン6および第
2の導電型の半導体薄膜としてリンドープのn型アモル
ファスシリコン7を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信,光情報処理,
イメージセンシング等に用いる受光素子で、可視光から
近赤外光まで広範な波長の受光が可能な受光素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】光通信や光情報処理の分野において、光
源となる半導体レーザ技術にともない、0.8μmから
1.6μmまでの範囲の近赤外光の処理および受光技術
がますます重要になっている。その中で、特に光通信に
おいて重要な、1.3μm付近ならびに1.55μm付
近の波長領域の受光素子としては、例えばインジウム・
ガリウム・砒素のような化合物半導体の単結晶、または
ゲルマニウムの単結晶のフォトダイオードが用いられて
いる。
【0003】一方、アモルファスシリコンは、ガラス基
板上に安価にしかも大面積で形成可能であり、可視光の
吸収係数が大きく、100nm程度の薄膜でも光感受性
があるため、ファクシミリ,コピー等の機器におけるイ
メージセンサ用受光素子として幅広く使用されている。
アモルファスシリコンの受光素子の構造には、不純物を
ドープしていないi層にオーミック電極を設けた光伝導
素子、p層,i層,n層を積層したフォトダイオード、
薄膜トランジスタ(TFT)の光応答を用いるフォトト
ランジスタなどがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近、光通信や光情報
処理分野の技術の進展により、多数の光ファイバの光
や、多数の空間光ビームを並列に処理する技術の研究が
盛んになっている。このような空間光ビームの並列処理
において、光ビームのモニタリングや光学部品の位置合
わせを行うために、2次元のアレイ状に受光素子を配列
した装置が必要となる。しかし、化合物半導体の単結晶
でそのような構造を実現しようとすると、材料が高価な
こと、構造が複雑なことから、コストが高いという問題
がある。また、ゲルマニウムも含めて単結晶材料では、
基板結晶の大きさが限られているため、2次元のアレイ
状に多数の受光素子を並べるような、比較的大きな面積
の装置の作製は困難である。
【0005】また、最近、電気信号と光信号とを同一半
導体チップ内で処理する、モノリシックな半導体光集積
回路の研究も盛んになっている。しかしながら、シリコ
ン結晶の受光素子が1.3μmないし1.55μmの波
長の光には感度がないため、従来のモノリシック半導体
光集積回路の研究では、高価な化合物半導体結晶基板上
に1.3μmないし1.55μmの波長の光に感度のあ
る化合物半導体結晶薄膜を結晶成長させた構造か、また
はシリコン基板上に格子不整合を緩和する特殊な方法を
用いて1.3μmないし1.55μmの波長の光に感度
のある化合物半導体結晶薄膜を結晶成長させた構造を用
いている。よって、これらのモノリシック半導体光集積
回路も、材料が高価で構造が複雑なためコストが高いと
いう問題があり、また、特にシリコン基板を用いる後者
では製造技術が未熟なため、十分な特性を得るに至って
いないという問題もある。
【0006】一方、アモルファス半導体は、絶縁性基板
あるいはシリコン基板等の上に、基板を選ばずに低コス
トで大面積に形成可能である。しかしながら、アモルフ
ァスシリコンはバンドギャップが約1.7eVで、0.
75μmより短い波長にしか感度がない。また、シリコ
ンよりバンドギャップの狭いゲルマニウムであっても、
アモルファスゲルマニウムにすると、バンドギャップが
約1eVで、1.24μmよりも短い波長にしか感度が
ない。よって、従来構造のアモルファス半導体受光素子
では、1.3μmないし1.55μmの波長の光に対し
ては出力が取り出せないという問題がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、絶縁性
基板上やシリコン基板上に形成可能で大面積化や低コス
ト化が容易であり、かつ従来の受光素子とは異なる原理
に基づいて近赤外の光に対して感度のある受光素子を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の受光素子は、第1の導電型を有する半導体薄
膜からなる第1層と、高抵抗半導体薄膜からなる第2層
と、第1の導電型を有する半導体薄膜からなる第3層
と、不純物をドープしていないi型半導体薄膜からなる
第4層と、第2の導電型の半導体薄膜からなる第5層と
を順に配しかつ前記第1層および第5層の表面に電極を
配した構造を有し、前記第2層の高抵抗半導体薄膜が、
アモルファスシリコンにゲルマニウム,炭素および窒素
から選ばれた少なくとも1つを混合した半導体,アモル
ファスシリコン,またはアモルファスゲルマニウムの何
れかであることを特徴とする。
【0009】また、本発明の第2の受光素子は、第1の
導電型を有する半導体薄膜からなる第1層と、高抵抗半
導体薄膜からなる第2層と、第1の導電型を有する半導
体結晶薄膜からなる第3層と、第2の導電型の半導体結
晶薄膜からなる第4層とを順に配しかつ前記第1層およ
び第4層の表面に電極を配した構造を有し、前記第2層
の高抵抗半導体薄膜として、アモルファスシリコンにゲ
ルマニウム,炭素および窒素から選ばれた少なくとも1
つを混合した半導体,アモルファスシリコン,またはア
モルファスゲルマニウムの何れかを用いたことを特徴と
する。
【0010】本発明の高抵抗半導体薄膜を構成する、ア
モルファスシリコンにゲルマニウム,炭素および窒素か
ら選ばれた少なくとも1つを混合した半導体としては、
代表的には、シリコンゲルマニウム、またはシリコンゲ
ルマニウムに炭素もしくは窒素を混合したものなどを挙
げることができる。また、高抵抗半導体薄膜を構成する
上述した半導体、アモルファスシリコンまたはアモルフ
ァスゲルマニウムは、ノンドープで用いる他、バンドギ
ャップ内の光励起によってキャリアを発生する密度を増
やすため、例えば、リン、ホウ素、窒素などの不純物を
少量ドープしてもよい。
【0011】
【作用】上記第1の構成において、第1の導電型の半導
体薄膜からなる第3層と第2の導電型半導体薄膜からな
る第5層との間が逆バイアスになる向きに、両端の電極
に電圧を印加すると、印加した電圧のほとんどが、第1
の導電型の半導体薄膜からなる第3層と第2の導電型の
半導体薄膜からなる第5層との間に加わり、不純物をド
ープしていないi型半導体薄膜からなる第4層に高電界
が印加された状態になる。この状態で高抵抗半導体薄膜
からなる第2層に近赤外光が入射すると、この高抵抗半
導体薄膜は、アモルファスシリコンにゲルマニウム等を
混合した半導体、アモルファスシリコン、またはアモル
ファスゲルマニウムからなり、バンドギャップ内に連続
分布した準位を持っているので、近赤外光のエネルギー
に対応したバンドギャップ内の準位からごくわずかのキ
ャリアが伝導帯または価電子帯に励起される。発生した
キャリアは、第2層の高抵抗半導体薄膜中の弱い電界で
引っ張られ、高電界が印加されている第4層の不純物を
ドープしていないi型半導体薄膜に注入され、そこに印
加された高電界によって、衝突電離により雪崩増倍が引
き起こされ、増幅される。このため、第2層の高抵抗半
導体薄膜のバンドギャップよりもエネルギーの小さい、
すなわち波長の長い光であっても、外部に光出力を取り
出すことができる。
【0012】かかる第1の構成では、第1層から第5層
までの全てをアモルファス半導体薄膜で構成することが
できる。この場合、逆方向電圧の印加による高電界で雪
崩増倍を起こす領域に、第3層の第1の導電型の半導体
薄膜と第5層の第2の導電型の半導体薄膜とを直接接合
したpn接合を用いると、アモルファス材料に特有のバ
ンドギャップ内の準位の関与した熱的なキャリアの生成
・再結合のために逆方向電圧印加時に大きな暗電流が流
れて、光キャリアの増倍を行うことができない。これを
防ぐために、第1の構成では、第3層の第1の導電型の
半導体薄膜と第5層の第2の導電型の半導体薄膜との間
に、第4層の不純物をドープしていないi型半導体薄膜
を挟んだ構成としている。
【0013】しかし、第2の構成では、第3層の第1の
導電型の半導体薄膜と第4層の第2の導電型の半導体薄
膜とに半導体結晶薄膜用いているので、直接接合したp
n接合としても、上述した不具合はない。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0015】(実施例1)図1は、本発明の受光素子の
第1の実施例を示す断面図である。同図に示すように、
この受光素子は、ガラス基板1の上に、ITO透明電極
(ITO:Indium Tin Oxide)2を形
成した後、第1の導電型の半導体薄膜として30nmの
ボロンドープのp型アモルファスシリコン3,不純物を
ドープしていない第1のi型半導体薄膜として400n
mのノンドープのi型アモルファスシリコンゲルマニウ
ム4,第1の導電型の半導体薄膜として20nmのボロ
ンドープのp型アモルファスシリコン5,不純物をドー
プしてないi型半導体薄膜として50nmのノンドープ
のi型アモルファスシリコン6および第2の導電型の半
導体薄膜として20nmのリンドープのn型アモルファ
スシリコン7を、順にプラズマCVD法で形成し、さら
に電極8をアルミニウムのスパッタリング法で形成した
ものである。
【0016】次に、図2を用いて、本実施例の受光素子
の動作を説明する。図2は、図1の受光素子に逆バイア
スを印加したときの、エネルギーバンド図であり、同一
部分には同一符号を付してある。なお、アモルファスシ
リコンゲルマニウムのバンドギャップよりもごくわずか
エネルギーの大きな光が入射した場合の動作を説明す
る。
【0017】図2に示すように、i型アモルファスシリ
コン6を挟んで存在するp型アモルファスシリコン5と
n型アモルファスシリコン7は、バイアス電圧に対して
逆方向であるので、電圧のほとんどが印加され、高電界
になっている。この状態で、i型アモルファスシリコン
ゲルマニウム4のバンドギャップよりエネルギーのわず
かに大きい、すなわち短波長の入射光9によって、i型
アモルファスシリコンゲルマニウム4内で、ごくわずか
ではあるが光生成キャリアとして電子10,正孔11が
発生する。このうち、電子10は、i型アモルファスシ
リコンゲルマニウム4にかかっている弱い電界によって
移動し、高電界のかかっているi型アモルファスシリコ
ン6に注入される。注入された電子10は、高電界のエ
ネルギーにより衝突電離現象を引き起こし、多数の電子
12を発生させ、雪崩増倍が起こる。この結果、光導電
特性が悪く導電率の明暗比が小さいアモルファスシリコ
ンゲルマニウムを用いても外部に出力を取り出すことが
可能となる。
【0018】図3に、図1の受光素子に逆バイアスを印
加したときの電流−電圧特性を示す。波長1μmの近赤
外を約400μWで照射したとき、暗時に対して10倍
程度の出力が得られた。
【0019】(実施例2)図4は、本発明の受光素子の
第2の実施例を示す断面図である。同図に示すように、
この受光素子は、ガラス基板21の上に、ITO透明電
極22を形成した後、第1層の第1の導電型の半導体薄
膜として30nmのリンドープのn型アモルファスシリ
コン23,第2層の高抵抗半導体薄膜として400nm
のノンドープのi型アモルファスシリコン24,第3層
の第1の導電型の半導体薄膜として20nmのリンドー
プのn型アモルファスシリコン25,第4層の不純物を
ドープしてないi型半導体薄膜として50nmのノンド
ープのi型アモルファスシリコン26、および第5層の
第2の導電型の半導体薄膜として20nmのボロンドー
プのp型アモルファスシリコン27を、順にプラズマC
VD法で形成したものである。その後、電極28として
モリブデンおよびアルミニウムの2層薄膜をスパッタリ
ング法で形成した。
【0020】次に、図5を用いて、本実施例の受光素子
の動作を説明する。図5は、図4の受光素子に逆バイア
スを印加したときの、エネルギーバンド図であり、図4
と同一部分には同一符号を付してある。なお、ここでは
アモルファスシリコンのバンドギャップよりもエネルギ
ーの小さい光が入射した場合の動作を説明する。
【0021】図5に示すように、第4層i型アモルファ
スシリコン26を挟んで存在するn型アモルファスシリ
コン25とp型アモルファスシリコン27は、バイアス
電圧に対して逆方向であるので、電圧のほとんどが印加
され、高電界になっている。一方、第2層i型アモルフ
ァスシリコン24内には弱い電界がかかっている。ま
た、第2層i型アモルファスシリコン24は、そのバン
ドギャップ内準位のエネルギー分布を表す図6に示すよ
うに、バンドギャップ内に連続した分布の準位を持って
いる。したがって、この状態で第2層i型アモルファス
シリコン24のバンドギャップよりエネルギーの小さ
い、すなわち長波長の入射光29が第2層i型アモルフ
ァスシリコン24に入射すると、第2層i型アモルファ
スシリコン24では、価電子帯端から入射光29のエネ
ルギーだけ離れた準位30に価電子帯の電子31が励起
され、正孔32が価電子帯に発生する。この正孔32は
第2層i型アモルファスシリコン24にかかっている弱
い電界によって移動し、高電界のかかっている第4層i
型アモルファスシリコン26に注入される。注入された
正孔32は、高電界のエネルギーにより衝突電離現象を
引き起こし、多数の正孔33を発生させ、雪崩増倍が起
こる。この結果、外部に出力を取り出すことが可能とな
る。
【0022】図7に図4の実施例の受光素子に逆バイア
スを印加したときの電流−電圧特性を示す。雪崩増倍が
起こる−10Vバイアス時に、バンドギャップよりも小
さいエネルギーである0.8eV、すなわち波長1.5
5μmの近赤外を約400μWで照射したとき、暗電流
に対して約20倍の光出力が得られた。さらに、入射光
をエネルギー0.95eV、すなわち波長1.3μmの
近赤外光としたときも、ほぼ同じ特性が得られた。
【0023】なお、本実施例の受光素子は、第2層i型
アモルファスシリコン24のバンドギャップエネルギー
約1.7eVよりも大きいエネルギー、すなわち0.7
5μmよりも短い波長の光に対しても、従来の受光素子
と同様の感度を有しており、可視光から近赤外光まで、
広範な波長の受光が可能である。
【0024】以上説明した第1および第2の実施例で
は、光を吸収してキャリアを発生させる層である、高抵
抗半導体層からなる第2層にノンドープのi型アモルフ
ァスシリコンを用いたが、バンドギャップ内の光励起に
よってキャリアを発生する密度を増やすため、例えば、
リン、ホウ素、窒素などの不純物を少量ドープしてもよ
い。また、第1の導電型と第2の導電型を入れ替えても
よいことは言うまでもない。
【0025】さらに、第1および第2の実施例では、光
を吸収してキャリアを発生させる層である、高抵抗半導
体薄層からなる第2層以外の半導体薄膜にアモルファス
半導体薄膜を用いたが、アモルファス半導体薄膜に限定
されず、p、i、nを制御できる半導体薄膜であれば、
アモルファス、結晶、多結晶の何れも使用できる。この
一例を次に示す。
【0026】(実施例3)図8は、本発明の受光素子の
第3の実施例を示す断面図である。同図に示すように、
本実施例では、第5層としてp型低抵抗シリコン結晶層
41を用い、この上のノンドープエピタキシャルシリコ
ン結晶層42を第4層、さらにこの上のリンをイオン注
入したn型シリコン結晶層43を第3層としてそれぞれ
用いている。そして、n型シリコン結晶層43の上に、
第2層としてノンドープのi型アモルファスシリコン4
4、第1層としてリンドープのn型アモルファスシリコ
ン45をそれぞれ作製し、さらに第1層のリンドープn
型アモルファスシリコン45および第5層のp型低抵抗
シリコン結晶層41に、それぞれ電極46および47を
形成して受光素子とした。
【0027】本実施例の受光素子も上述した実施例の受
光素子と同様に動作可能なものである。
【0028】(実施例4)第2の実施例では、第1層か
ら第5層までの全てをアモルファスシリコンで構成する
場合を説明した。この場合、逆方向電圧の印加による高
電界で雪崩増倍を起こす領域に、第3層の第1の導電型
の半導体薄膜と第5層の第2の導電型の半導体薄膜とを
直接接合したpn接合を用いると、アモルファス材料に
特有のバンドギャップ内の準位の関与した熱的なキャリ
アの生成・再結合のために逆方向電圧印加時に大きな暗
電流が流れて、光キャリアの増倍を行うことができな
い。これを防ぐために、上記第2の実施例では、第3層
の第1の導電型の半導体薄膜25と第5層の第2の導電
型の半導体薄膜27との間に、第4層の不純物をドープ
していないi型半導体薄膜26を挟んだ構成としてい
る。
【0029】しかし、雪崩増倍を起こす領域を半導体結
晶を用いて構成する場合には、上述した実施例の第4層
の不純物をドープしていないi型半導体薄膜がなくても
本発明の受光素子を構成することができる。この例を次
に示す。
【0030】図9は、本発明の受光素子の第4の実施例
を示す。同図に示すように、本実施例では、p型低抵抗
シリコン結晶基板51を第4層の第2の導電型の半導体
結晶薄膜とし、その表面へのリンのイオン注入によりn
型シリコン層52を形成して第3層の第1の導電型の半
導体結晶薄膜としている。そして、このn型シリコン層
52上に、第2層の高抵抗半導体薄膜として膜厚400
nmのノンドープのi型アモルファスシリコン53と、
第1層の第1の導電型の半導体薄膜として膜厚20nm
のリンドープのn型アモルファスシリコン54を、順次
プラズマCVD法で形成し、さらに電極55および56
を形成して受光素子とした。
【0031】本実施例の受光素子も上述した実施例の受
光素子と同様に動作可能なものである。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の受光素子
は、光吸収層にバンドギャップ内に光励起によってキャ
リアを発生する準位のある材料を用い、バンドギャップ
よりも小さなエネルギーの光入射で発生したごくわずか
のキャリアを雪崩増倍によって増幅して外部に出力する
ため、バンドギャップエネルギーよりもエネルギーの小
さな近赤外光の受光が可能である。また、本発明の受光
素子は、絶縁性基板やシリコン基板上に形成可能なアモ
ルファス半導体を用いているため、近赤外光に対して感
度がありかつ大面積なものを低コストで形成可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る受光素子の断面構
造を示す断面図である。
【図2】図1の受光素子の動作を説明するためのエネル
ギーバンド図である。
【図3】図1の受光素子の電流−電圧特性図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る受光素子の断面構
造を示す断面図である。
【図5】図4の受光素子の動作を説明するためのエネル
ギーバンド図である。
【図6】アモルファスシリコンのバンドギャップ内準位
のエネルギー分布図である。
【図7】図4の受光素子の電流−電圧特性図である。
【図8】本発明の第3の実施例に係る受光素子の断面構
造を示す断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例に係る受光素子の断面構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ITO透明電極 3 ボロンドープのp型アモルファスシリコン 4 ノンドープのi型アモルファスシリコンゲルマニウ
ム 5 ボロンドープのp型アモルファスシリコン 6 ノンドープのi型アモルファスシリコン 7 リンドープのn型アモルファスシリコン 8 アルミニウム電極 9 入射光 10 光照射で生じた電子 11 光照射で生じた正孔 12 衝突電離によって生じた多数の電子 21 ガラス基板 22 ITO透明電極 23 リンドープのn型アモルファスシリコン 24 ノンドープのi型アモルファスシリコン 25 リンドープのn型アモルファスシリコン 26 ノンドープのi型アモルファスシリコン 27 ボロンドープのp型アモルファスシリコン 28 モリブデン・アルミニウム2層電極 29 入射光 30 価電子帯端から入射光のエネルギーだけ離れた準
位 31 価電子帯の電子 32,33 正孔 41,51 p型低抵抗シリコン結晶基板 42 ノンドープのエピタキシャルシリコン結晶層 43,52 リンをイオン注入したn型シリコン結晶層 44,53 ノンドープi型アモルファスシリコン 45,54 リンドープn型アモルファスシリコン 46,47,55,56 電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電型を有する半導体薄膜からな
    る第1層と、高抵抗半導体薄膜からなる第2層と、第1
    の導電型を有する半導体薄膜からなる第3層と、不純物
    をドープしていないi型半導体薄膜からなる第4層と、
    第2の導電型の半導体薄膜からなる第5層とを順に配し
    かつ前記第1層および第5層の表面に電極を配した構造
    を有し、前記第2層の高抵抗半導体薄膜が、アモルファ
    スシリコンにゲルマニウム,炭素および窒素から選ばれ
    た少なくとも1つを混合した半導体,アモルファスシリ
    コン,またはアモルファスゲルマニウムの何れかである
    ことを特徴とする受光素子。
  2. 【請求項2】 第1の導電型を有する半導体薄膜からな
    る第1層と、高抵抗半導体薄膜からなる第2層と、第1
    の導電型を有する半導体結晶薄膜からなる第3層と、第
    2の導電型の半導体結晶薄膜からなる第4層とを順に配
    しかつ前記第1層および第4層の表面に電極を配した構
    造を有し、前記第2層の高抵抗半導体薄膜が、アモルフ
    ァスシリコンにゲルマニウム,炭素および窒素から選ば
    れた少なくとも1つを混合した半導体,アモルファスシ
    リコン,またはアモルファスゲルマニウムの何れかであ
    ることを特徴とする受光素子。
JP5199584A 1992-12-02 1993-08-11 受光素子 Pending JPH06224459A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5199584A JPH06224459A (ja) 1992-12-02 1993-08-11 受光素子

Applications Claiming Priority (3)

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