JPH06223797A - 湿式二次電池用セパレ−タの製造方法 - Google Patents

湿式二次電池用セパレ−タの製造方法

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JPH06223797A
JPH06223797A JP50A JP2959593A JPH06223797A JP H06223797 A JPH06223797 A JP H06223797A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 2959593 A JP2959593 A JP 2959593A JP H06223797 A JPH06223797 A JP H06223797A
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separator
permeable film
water
fixing
secondary battery
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JP50A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Nakazawa
祥浩 中沢
Masaharu Nakamori
正治 仲森
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 親水性イオン透過膜により形成されたセパレ
ータの複数箇所に、撥水性ガス透過膜を配置するように
したセパレータの製造方法を提供する。 【構成】 撥水性ガス透過膜103には、切欠線17お
よび僅かな破断予定部18によって輪郭を規定される固
着領域20が規則的に配置されている。親水性イオン透
過膜102には、開口部102Aが前記固着領域20と
同様の規則に従って配置されている。開口部102Aの
外周部と固着領域20の周囲とが熱溶着される。相互に
溶着された各透過膜103、102は互いに隔離される
ように別々の方向へ搬送され、これによって生じる張力
によって破断予定部18が破断して固着領域20が撥水
性ガス透過膜103から分離される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿式二次電池用セパレー
タの製造方法に係り、特に、親水性イオン透過膜により
形成されたセパレータの複数箇所に、撥水性ガス透過膜
を配置するようにした湿式二次電池用セパレータの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電動式車両の駆動モータのエネルギ源、
又は内燃機関を搭載した車両の内燃機関始動用、若しく
は灯火用等の電源として、化学的作用により再充電を行
い、繰り返して電源として利用することのできる湿式二
次電池が用いられている。
【0003】このような湿式二次電池には、例えば陽極
としてニッケル(Ni)を用い、陰極として亜鉛(Z
n)を用いたニッケル−亜鉛電池がある。この電池の通
常の反応を化1に示す。
【0004】
【化1】 また、充電末期においては、化2のような反応となる。
【0005】
【化2】 この充電末期にニッケル極より発生する酸素ガスは、極
間電位の上昇に伴うものであり、このようにニッケル極
に流れる電気量が酸素ガス発生に費やされた分だけ、充
電電気量が減少する。一方、ニッケル極で発生した酸素
ガスを亜鉛極が吸収しない場合には、亜鉛極は充電電気
量が流れた分だけ、充電を受け入れるためにニッケル極
より過充電となる。これにより亜鉛極活物質が消費さ
れ、当該湿式二次電池が短寿命となる。
【0006】このような不具合を解消するためには、当
該湿式二次電池を密閉式として、ニッケル極で発生した
酸素ガスを亜鉛極で吸収させれば良い。このような構成
により、過充電によってできた充電活物質が放電活物質
に変更され、そして、ニッケル、亜鉛両極での充電量が
同一値にバランスし、これにより高寿命化を図ることが
できる。
【0007】しかし、このような構成でも、亜鉛極で発
生する析出物が成長してニッケル極にまで達すると、セ
ル内短絡を生じ、当該湿式二次電池がその機能を果たす
ことができなくなる。
【0008】したがって、このようなセル内短絡を防止
するために、イオンは透過しながらも亜鉛析出物質の透
過は防ぐような物理的強度を有し、かつガス透過性には
乏しい、親水性イオン透過膜により形成されたセパレー
タを、ニッケル極及び亜鉛極間に配置している。このよ
うな湿式二次電池は、例えばPCTに基づく国際公開W
O84/00642号に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、セパレ
ータはガス透過性に乏しいので、酸素ガスの吸収反応
は、亜鉛極の、ケース内で露出している外周部分でのみ
行われることになる。これにより亜鉛極の反応分布の偏
りを起こし、放電活物質及び充電活物質が亜鉛極板上で
偏在することになって、対向するニッケル極に対して実
質的に放電面積が減少することになり、これにより放電
容量が減少し、寿命が低下する。
【0010】また、極板(例えば陽極)を、電解液を含
浸させた保液紙で巻回することにより、両極板に対して
電解液を供給するタイプの湿式二次電池においては、充
放電を繰り返すことにより、電解液が保液紙から漏出
し、該保液紙とセルケースの間に移動することがある。
この電解液の移動により、電極の表面に部分的に電解液
の枯れが生じることがあり、これによっても寿命が低下
する。
【0011】前記の問題点を解決するために、特願平4
−116784号では、親水性イオン透過膜により形成
されたセパレータの複数箇所に、撥水性ガス透過膜を配
置するようにしたセパレータが提案されている。
【0012】上記した構成のセパレータを利用すれば、
放電容量の減少や電解液の枯れ等が防止され、これによ
り高寿命を得ることのできる湿式二次電池を提供するこ
とができる。
【0013】しかしながら、これまでは上記したよう
な、親水性イオン透過膜により形成されたセパレータの
複数箇所に、撥水性ガス透過膜を配置するようにしたセ
パレータを量産方法が確立されていなかった。
【0014】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決して、親水性イオン透過膜により形成されたセ
パレータの複数箇所に、撥水性ガス透過膜を配置するよ
うにしたセパレータの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、親水性イオン透過膜および当該親
水性イオン透過膜に形成された開口部を塞ぐように固着
された撥水性ガス透過膜からなる湿式二次電池用セパレ
ータの製造方法であって、切欠線および僅かな破断予定
部によって輪郭を規定される固着領域が長さ方向に配置
された帯状の撥水性ガス透過膜、および開口部が前記固
着領域と同様の規則に従って長さ方向に配置された帯状
の親水性イオン透過膜を、それぞれの各固着領域および
各開口部が対向するよう相互に重ね合わせて搬送する工
程と、前記各開口部の外周部分を前記固着領域の対向位
置に固着する工程と、前記固着領域において相互に固着
された各透過膜を互いに隔離される別々の方向へ搬送す
ると共に、これによって生じる張力で前記破断予定部を
破断して固着領域を撥水性イオン透過膜から分離する工
程とを具備した点に特徴がある。
【0016】
【作用】上記した構成によれば、親水性イオン透過膜に
形成された開口部を塞ぐように撥水性ガス透過膜が溶着
された構造のセパレータを簡単な構成の製造装置によっ
て自動的に製造することができるようになり、当該セパ
レータの量産が可能になる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。図3は本発明の製造方法によって量産されるセパレ
ータを利用した湿式二次電池の一部破断斜視図である。
【0018】同図において、セルケース42内には、複
数の亜鉛極(陰極)105及びニッケル極(陽極)10
6が交互に配置されている。同図では、亜鉛極105お
よびニッケル極106は、それぞれ3枚及び2枚示され
ているが、それ以上の枚数であっても良い。
【0019】ニッケル極106には、電解液を含浸させ
た保液紙107が2層以上となるように巻回されてい
て、最外層の保液紙107の内側には、本発明の製造方
法によって製造されたセパレータ101が巻回されてい
る。前記セパレータ101、及び必要に応じて保液紙1
07は、それぞれニッケル極106の集電極106Aの
みが露出するように、その上下部分が溶着等により固着
されている。なお、前記上下部分の溶着は省略されても
良い。
【0020】符号112はセルケース42を密封するセ
ルカバー、53は該セルカバー112に設けられ、セル
ケース42内で発生したガスを排出する圧力排気弁であ
る。また符号105Aは亜鉛極105の集電極である。
【0021】図1はセパレータ101の平面図、図2は
セパレータ101の要部拡大断面図である。各々の図に
おいて、セパレータ101は、親水性イオン透過膜10
2と、該親水性イオン透過膜102に部分的に形成され
た複数の開口部102Aを塞ぐように固着された撥水性
(疎水性)ガス透過膜103とより構成されている。
【0022】親水性イオン透過膜102は、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等を発泡又は機械的な引き伸しによ
りスポンジ状に形成してなる耐アルカリ性を有する多孔
膜であり、界面活性材が塗付又は充填されている。撥水
性ガス透過膜103もスポンジ状の耐アルカリ性を有す
る多孔膜であるが界面活性材は用いられていない。
【0023】前記親水性イオン透過膜102には小径
(例えば6[mm]程度)の開口部102Aが形成され
ていて、該開口部102Aに撥水性ガス透過膜103
が、後に詳述するように、例えば熱溶着により固着され
ている。符号104は溶着部である。
【0024】このように形成されたセパレータ101を
用いれば、親水性イオン透過膜102の作用により電極
反応上重要なイオン透過性を十分に確保でき、また過充
電時にニッケル極で発生する酸素ガスが撥水性ガス透過
膜103を通過することによりガス反応も平準化し、亜
鉛極105の反応面積の縮小防止を図ることができる。
また、撥水性ガス透過膜103は電解液を近付けず、亜
鉛析出物も成長しないので、親水性イオン透過膜102
と同様に、亜鉛析出物によるセル内短絡を防止できる。
【0025】なお、セパレータ101は、親水性イオン
透過膜102と撥水性ガス透過膜103との複合構造で
あれば、それらの材料や断面の構造、あるいは親水性イ
オン透過膜102に形成される開口部102Aの形状、
径あるいはその個数(換言すれば撥水性ガス透過膜10
3の形状、大きさや個数)等は、前記の実施例のみに限
定されない。また、このセパレータは、ニッケル−亜鉛
電池以外の電池に用いられても良いことは当然である。
【0026】図4は本発明のセパレータの部分縦断面
図、図5は図4のA矢視図であり、前記と同一の符号は
同一または同等部分を表している。
【0027】親水性イオン透過膜102は微孔性多孔膜
であり、ここでは商品名「セルガード#3401」(ダ
イセル化学工業株式会社製)を2枚重ねて用いている。
「セルガード#3401」は、ポリプロピレン製の多孔
膜であり、厚さ25μm、空孔率38%、孔径0.05
〜0.125μmのものである。即ち、親水性イオン透
過膜102の厚みは50μmとなっている。そして、こ
の親水性イオン透過膜102には界面活性剤処理が施さ
れている。
【0028】親水性イオン透過膜102の表面全面には
イオン透過性樹脂であるセルロース201が塗布されて
いる。図示していないが、セルロース201の塗布は、
親水性イオン透過膜102の表面全面にビスコースを塗
布し、減圧含浸、凝固させることにより行われる。
【0029】撥水性ガス透過膜103は微孔性多孔膜で
あり、ここでは商品名「ハイポア2100」(旭化成工
業株式会社製)を用いている。「ハイポア2100」
は、ポリエチレン製の多孔膜である。撥水性ガス透過膜
103の厚みは100μmとなっている。この撥水性ガ
ス透過膜103には界面活性剤処理は施されていない。
即ち、撥水性ガス透過膜103は撥水性(疎水性)を有
している。
【0030】撥水性ガス透過膜103は平面四角形状の
ものであり、開口部102Aを塞ぐよう親水性イオン透
過膜102の表面に、熱溶着、接着、又は超音波溶着等
の適宜の手段によって固着されている。符号104aは
溶着部であり、符号104bは親水性イオン透過膜10
2の被溶着部である。
【0031】1個の撥水性ガス透過膜103の面積は2
0mm2 以下に設定されており、ここでは撥水性ガス透
過膜103として1辺が4mmのものを用いている。な
お、開口部102Aの直径は3mmに設定されている。
【0032】1個の撥水性ガス透過膜103は1個の開
口部102Aを塞いでおり、撥水性ガス透過膜103は
極板面と相対する面において20%以下の面積を占めて
均一に分布するように設けられている。即ち、開口部1
02Aは撥水性ガス透過膜103が上記のように分布す
るように予め考慮されて形成されている。
【0033】上記構成のセパレータ101の性能を次の
ようにして調べた。まず、上記した構成のセパレータ1
01を用いた蓄電池A、単なるポリプロピレンの微孔性
多孔膜からなるセパレータを用いた蓄電池B、単なるポ
リプロピレンの微孔性多孔膜と半透膜であるセロハンと
を重ねてなるセパレータを用いた蓄電池Cを、それぞれ
2セルずつ用意した。蓄電池を構成する電極、補液層、
電解液は全て同じである。
【0034】即ち、負極である亜鉛極は、多数の孔が形
成された銅パンチング集電体を芯金とし、その両面に亜
鉛活性物シートを圧着して作製したものである。また正
極であるニッケル極は、焼結式ニッケル多孔体に水酸化
ニッケルを主成分とする活物質を化学含浸法により充填
してなるものである。保液層としてはポリプロピレン製
不織布を用いた。電解液は、比重1.35のKOH水溶
液である。そして蓄電池の公称容量は10Ahである。
【0035】そして、上記蓄電池A、B、Cを、次の条
件で充電・放電を繰り返して、その容量変化を調べた。
放電は2Aで、セル当りの電圧が1Vになる時点まで行
った。充電は1Aで、充電量は放電量の105%とし
た。なお上記蓄電池A、B、Cの閉路電圧は1.70
V、50%放電時の電圧は1.65Vである。この結果
を図6に示す。
【0036】図6からわかるように、蓄電池Aではサイ
クルを繰り返しても容量減少が少ない。蓄電池Bでは、
ポリプロピレンの微孔性多孔膜からなるため、ガス吸収
が良好に行われ容量低下は蓄電池Aと略同等であるが、
多孔であるため、亜鉛のデンドライトにより短絡が生じ
て急激に容量が低下している。蓄電池Cでは、セロハン
を用いているため、ガス吸収が行われにくく、容量が低
下している。
【0037】以上のように、セパレータ101では、親
水性イオン透過膜102の表面全面にセルロース201
(イオン透過性樹脂)が塗布されているので、単に界面
活性剤処理を施しただけのものに比してイオン透過性の
持続性に優れている。従って、撥水性ガス透過膜103
が貼り付けられていない親水性イオン透過膜102の部
分では、ZnOの析出は抑制され、蓄電池におけるデン
ドライトショートが充分に防止される。
【0038】一方、撥水性ガス透過膜103は界面活性
剤処理が施されていないので、撥水性を有している。こ
のため、撥水性ガス透過膜103の貼り付けられた部分
では、O2 ガスは開口部102Aおよび撥水性ガス透過
膜103を通って良好に透過され、電池容量の低下が抑
制される。しかも撥水性ガス透過膜103を極板面と相
対する面において均一に分布させたので、O2 ガス吸収
が均一に行われ、負極の形状変化も少なくできる。
【0039】なお、撥水性ガス透過膜103の1個の面
積が20mm2 より大きく、また全ての撥水性ガス透過
膜103の占める面積が極板面と相対する面において2
0%より大きいと、亜鉛極の有効面積が減少するため、
不適切である。
【0040】なお、上記した実施例では、撥水性ガス透
過膜103を親水性イオン透過膜102の片面のみに設
けているが、両面に設けても良い。
【0041】また、上記した実施例では、1個の撥水性
ガス透過膜103で塞がれる開口部102Aを1個の断
面円形状の孔としたが、例えば図7に示したような複数
個の断面円形状の孔102C、図8に示したような複数
個のスリット状の孔102Cでも良い。もちろん断面円
形状に限らず、断面多角形状であっても良い。
【0042】また、親水性イオン透過膜102に用いる
微孔性多孔膜としては、ポリプロピレン製のものの代わ
りに、ポリエチレン製、ナイロン製のものを、またイオ
ン透過性樹脂としては、セルロースの代わりにポバール
を用いても良い。
【0043】ここで、図面を参照しながら本発明による
セパレータ101の製造方法について説明する。図9
は、セパレータ製造装置の構成を示した図である。
【0044】同図において、ボビン1Aには、図11
(a) に示したような、切欠線17および僅かな破断予定
部18によって輪郭を規定される固着領域20が長さ方
向に配置された帯状の撥水性ガス透過膜103が巻回さ
れている。破断予定部18は、期待される破断方向が撥
水性ガス透過膜103の搬送方向と平行となるように配
置されている。
【0045】ボビン1Bには、図11(b) に示したよう
な、後にガス透過口となる開口部102Aが前記固着領
域20と同様の規則に従って配置された帯状の親水性イ
オン透過膜102が巻回されている。
【0046】撥水性ガス透過膜103および親水性イオ
ン透過膜102は、それぞれ供給側ローラ3A、3Bに
よって搬送方向を規制され、それぞれの各固着領域20
および各開口部102Aが対向するように相互に重ね合
わされた状態で搬送されて熱溶着機10の溶着部に供給
される。
【0047】熱溶着機10は、加熱源5、加熱源5によ
って加熱される加熱ヘッド6、および受け台7によって
構成されている。加熱ヘッド6は、断面がリング状の筒
状体であり、その内径d1 は、図10に示したように開
口部102Aの直径d2 よりも大きく、かつ環状の切欠
線17の直径d3 よりは小さく設定されている。
【0048】当該熱溶着機10による両者の溶着は、撥
水性ガス透過膜103の固着領域20および親水性イオ
ン透過膜102の開口部102Aが相互に対向した状態
で加熱ヘッド6と受け台7との間に位置決めされるよう
に各透過膜102、103を間欠的に搬送した状態で、
各透過膜を加熱ヘッド6と受け台7とで押圧挟持し、親
水性イオン透過膜102の開口部102Aの外周部と、
切欠線17および破断予定部18によって囲まれた撥水
性ガス透過膜103の固着領域20の外周囲とを熱溶着
することによって行われる。
【0049】このとき、加熱ヘッド6による各透過膜の
温度上昇率は、加熱ヘッド6に接触する側の方が高くな
るので、加熱ヘッド6側に配置される透過膜(本実施例
では撥水性ガス透過膜103)の融点は、受け台7側に
配置される透過膜(本実施例では親水性イオン透過膜1
02)よりも高くすることが望ましい。
【0050】各透過膜の融点をこのように設定すれば、
各透過膜がバランス良く溶融するようになるので、強固
で信頼性の高い溶着が可能になる。
【0051】加熱ヘッド6は断面がリング状であるた
め、図12に示したように、この熱溶着によってリング
状の溶着部104が固着領域20の外周縁に形成される
ことになり、当該リング状溶着部104の内側の非溶着
部23が実際のガス透過口となる。
【0052】前述のようにして相互に溶着された撥水性
ガス透過膜103および親水性イオン透過膜102は、
巻き取りローラ4A、4Bによって異なった方向へ互い
に隔離されるように搬送され、これによって生じる張力
によって撥水性ガス透過膜103の破断予定部18が、
図13に示したように破断されて親水性イオン透過膜1
02から撥水性ガス透過膜103の不要部分が分離され
る。
【0053】なお、破断が破断予定部18のみで生じ、
他の部分での破断の発生を防止するためには、破断予定
部18に期待される破断方向が、撥水性ガス透過膜10
3に固有の主破断方向(容易に破断する方向)と一致す
るように当該破断予定部18を配置することが望まし
い。
【0054】再び図9へ戻り、撥水性ガス透過膜103
の不要部分はボビン2Aに巻き取られ、撥水性ガス透過
膜103が開口部102Aに溶着された親水性イオン透
過膜102、すなわちセパレータ101はボビン2Bに
巻き取られ、その後、適宜の長さに切断されて用いられ
る。
【0055】上記した構成によれば、セパレータを簡単
な構成の製造装置によって自動的に製造することができ
るようになるので、セパレータの量産が可能になる。
【0056】また、撥水性ガス透過膜103の固着領域
20を切欠線17およびわずかな破断予定部18で囲む
ようにしたので、親水性イオン透過膜102から撥水性
ガス透過膜103の不要部分を分離する際には破断予定
部18が破断し、バリや裂けの発生を防止することがで
きるようになる。
【0057】なお、上記した実施例では、固着領域20
あるいは開口部102Aが各透過膜上で一列に配置され
るものとして説明したが、例えば図1に示したように2
次元的に配置される場合であっても、加熱ヘッド6を複
数個設けたり、あるいは加熱ヘッド6が二次元的に移動
できるようにすれば、同様の製造方法によって量産可能
となる。
【0058】また、上記した実施例では、各透過膜を熱
溶着するものとして説明したが、本発明はこれのみに限
定されず、被溶着部分に予め熱溶解性の接着剤を塗布し
ておき、この接着剤を溶解させることによって各透過膜
を固着させたり、あるいは熱を利用せずに超音波溶着に
よって各透過膜を固着させるようにしても良い。
【0059】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、親水
性イオン透過膜に形成された開口部を塞ぐように撥水性
ガス透過膜が溶着された構造のセパレータを簡単な構成
の製造装置によって自動的に製造することができるよう
になるので、セパレータの量産が可能になり、安価で信
頼性の高いセパレータを提供できるようになる。
【0060】また、撥水性ガス透過膜の固着領域を切欠
線および僅かな破断予定部で囲むようにしたので、各透
過膜を相互に分離する際には破断予定部が破断し、バリ
や裂けの発生を防止することができるので高い歩留が得
られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セパレータの平面図である。
【図2】 セパレータの拡大断面図である。
【図3】 本発明のセパレータの利用した湿式二次電池
の一部破断斜視図である。
【図4】 本発明によるセパレータの拡大断面図であ
る。
【図5】 図4のA矢視図である。
【図6】 本発明の湿式二次電池と従来の湿式二次電池
とのサイクル寿命特性を示した図である。
【図7】 セパレータに形成される開口部の例を示した
平面図である。
【図8】 開口部の他の例を示した平面図である。
【図9】 セパレータ製造装置の概略構成図である。
【図10】 セパレータ製造装置の加熱ヘッド部の拡大
図である。
【図11】 撥水性ガス透過膜及び親水性イオン透過膜
の平面図である。
【図12】 溶着部の拡大平面図である。
【図13】 各透過膜が分離される様子を示した図であ
る。
【符号の説明】
1A、1B…ボビン、5…加熱源、6…加熱ヘッド、7
…受け台、10…熱溶着機、17…切欠線、18…破断
予定部、20…固着領域、42…セルケース、101…
セパレータ、102…親水性イオン透過膜、102A…
開口部、103…撥水性ガス透過膜、104…溶着部、
105…亜鉛極、105A…集電極、106…ニッケル
極、106A…集電極、107…保液紙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性イオン透過膜および当該親水性イ
    オン透過膜に形成された開口部を塞ぐように固着された
    撥水性ガス透過膜からなる湿式二次電池用セパレータの
    製造方法であって、 切欠線および僅かな破断予定部によって輪郭を規定され
    る固着領域が長さ方向に配置された帯状の撥水性ガス透
    過膜、および開口部が前記固着領域と同様の規則に従っ
    て長さ方向に配置された帯状の親水性イオン透過膜を、
    それぞれの各固着領域および各開口部が対向するよう相
    互に重ね合わせて搬送する工程と、 前記各開口部の外周部分を前記固着領域の対向位置に固
    着する工程と、 前記固着領域において相互に固着された親水性イオン透
    過膜および撥水性ガス透過膜を互いに隔離される別々の
    方向へ搬送すると共に、これによって生じる張力で前記
    破断予定部を破断して前記固着領域を撥水性イオン透過
    膜から分離する工程とを具備したことを特徴とする湿式
    二次電池用セパレータの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記破断予定部に期待される破断方向
    は、撥水性ガス透過膜の主破断方向と一致することを特
    徴とする請求項1記載の湿式二次電池用セパレータの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記破断予定部に期待される破断方向
    は、撥水性ガス透過膜の搬送方向と平行であることを特
    徴とする請求項1または2記載の湿式二次電池用セパレ
    ータの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記固着は、両透過膜を加熱溶融して溶
    着する熱溶着であることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の湿式二次電池用セパレータの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記熱溶着する工程は、対向配置された
    円筒状加熱ヘッドおよび受け台の間に、各溶着領域およ
    び各開口部が対向するよう相互に重ね合わされた親水性
    イオン透過膜および撥水性ガス透過膜を、当該開口部の
    周囲に加熱ヘッドが当接されるように位置決めした後、
    加熱ヘッドおよび受け台によって各透過膜を押圧挟持す
    ることにより行われることを特徴とする請求項4記載の
    湿式二次電池用セパレータの製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱ヘッド側に配置される透過膜の融点
    は、受け台側に配置される透過膜の融点よりも高いこと
    を特徴とする請求項4または5記載の湿式二次電池用セ
    パレータの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記固着は、少なくとも一方の透過膜の
    固着面側に予め塗布された熱溶融性接着剤を加熱溶融さ
    せることによる接着であることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の湿式二次電池用セパレータの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記固着は、超音波溶着であることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の湿式二次
    電池用セパレータの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013005329A1 (ja) * 2011-07-07 2015-02-23 トヨタ自動車株式会社 二次電池

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