JPH06223723A - 陰極線管の耐電圧処理方法 - Google Patents

陰極線管の耐電圧処理方法

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JPH06223723A
JPH06223723A JP50A JP1033193A JPH06223723A JP H06223723 A JPH06223723 A JP H06223723A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 1033193 A JP1033193 A JP 1033193A JP H06223723 A JPH06223723 A JP H06223723A
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Takahiro Hasegawa
隆弘 長谷川
Shigeo Fukuda
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Toshiba Development and Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 陰極線管の耐電圧処理方法において、高電圧
パルス発生源10の出力端子11a を陰極線管12の陽極端子
13に接続して、電子銃の高電圧電極に高電圧パルスを印
加し、電子銃のフォーカス電極に接続されたステムピン
15a を接地し、かつ電子銃のフォーカス電極に接続され
たステムピン以外のステムピン15b,15c,15d …に接続さ
れたすべての電極を高電圧パルス発生源の出力端子と接
地端子11bの間に挿入された抵抗16a,16b の中間に設け
られた端子17に接続して、フォーカス電極に接続された
ステムピン以外のステムピンに接続されたすべての電極
に高電圧パルス発生源の出力よりも低い高電圧パルスを
印加するようにした。 【効果】 良好な耐電圧特性をもつ陰極線管とすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陰極線管の耐電圧処
理方法に係り、特に電子銃の電極に容量素子が接続され
た陰極線管に有効な陰極線管の耐電圧処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管などのように電子銃の電極
に高電圧が印加される陰極線管においては、耐電圧の信
頼性を確保するため、その製造工程において、排気後、
耐電圧処理がおこなわる。その耐電圧処理は、特公昭6
1−38569号公報、特公昭61−38571号公
報、特公昭64−5739号公報などに示されているよ
うに、陽極端子を介して電子銃の高電圧電極に高電圧パ
ルスを印加し、この高電圧電極以外の電極に接続された
ステムピンを接地またはフロートとする方法で一般的に
おこなわれている。
【0003】しかし最近の高解像度カラー受像管や高精
細カラー受像管では、高解像度や高精細な画像を表示す
るために、電子銃の構造が複雑になり、上記一般的な耐
電圧処理方法で処理しても、十分な耐電圧特性が得られ
ないという問題がある。
【0004】図3に上記構造の複雑化した電子銃の一例
を示す。この電子銃は、本発明者等に係る特開平1−9
5444号公報に示されている電子銃であり、紙面に垂
直な方向に一列に配置された3個のカソードK 、このカ
ソードK を各別に加熱する3個のヒータ(図示せず)、
上記カソードK 上に順次隣接して配置された第1乃至第
5電極G1〜G5、2個の中間電極Gm1 ,Gm2 および第6電
極G6を有し、これら各電極が一対のガラス絶縁支持棒
(図示せず)により一体に固着されている。さらにこの
電子銃においては、上記電極に沿って抵抗器1 および容
量素子2 が配置されている。
【0005】その抵抗器1 は、上記中間電極Gm1 ,Gm2
にそれぞれ所定の電圧を供給するためのものであり、一
端部が陽極端子を介して高電圧が印加される第6電極G6
に接続され、他端部がステムに設けられたステムピンを
介して接地され、中間部に設けられた端子4 ,5 がそれ
ぞれ中間電極Gm1 ,Gm2 に接続されている。そして第6
電極G6を介して供給される高電圧を分割して、上記中間
電極Gm1 ,Gm2 に所定の中電圧を供給する構造に形成さ
れている。
【0006】また容量素子2 は、第5電極G5および中間
電極Gm1 ,Gm2 の各電極間に存在する静電容量を介し
て、第5電極G5に印加されるダイナミック電圧の交流成
分の中間電極Gm1 ,Gm2 への誘導を防止するためのもの
であり、一端が中間電極Gm1 に接続され、他端がステム
ピンを介して接地されている。
【0007】なお、この電子銃では、第5電極G5と第3
電極G3とは、管内で接続されている。
【0008】このような電子銃を上記従来の一般的な耐
電圧処理方法で処理すると、第5電極G5と第6電極G6と
の間に介在する中間電極Gm1 に容量素子2 が接続され、
この容量素子2 を介して接地されているため、第6電極
G6に印加した高電圧パルスが中間電極Gm1 を介して接地
され、第5電極G5と中間電極Gm1 との間に耐電圧処理の
ための放電が発生せず、これら電極間の耐電圧が向上せ
ず、電子銃として十分な耐電圧特性が得られないという
問題がある。
【0009】これを解決するために、容量素子2 の接続
されているステムピンをたとえばフロートとしても、結
局は隣接ステムピンを介して接地され、上記問題を解決
することはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来、
陰極線管の耐電圧処理は、一般に陽極端子を介して電子
銃の高電圧電極に高電圧パルスを印加し、他の電極が接
続されているステムピンを接地またはフロートとする方
法でおこなわれている。しかしこの耐電圧処理方法を高
解像度カラー受像管や高精細カラー受像管などの複雑な
構造の電子銃を有する陰極線管に適用すると、十分な耐
電圧効果が得られないという問題がある。
【0011】上記複雑な構造の電子銃として、たとえば
カソード上に順次隣接して第1乃至第5電極、2個の中
間電極および第6電極が配置され、その第5電極に隣接
して位置する中間電極に、第5電極との間に存在する静
電容量を介して第5電極に印加されるダイナミック電圧
の交流成分の誘導を防止する容量素子が接続され、この
容量素子がステムピンを介して接地された構造の電子銃
では、第6電極に高電圧パルスを印加しても、第5電極
とこれに隣接する中間電極との間に耐電圧処理のための
放電が発生せず、十分な耐電圧特性が得られないという
問題がある。
【0012】またこれを解決するために、たとえば容量
素子の接続されているステムピンをフロートとしても、
結局は隣接ステムピンを介して接地され、上記問題を解
決することはできない。
【0013】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、通常の陰極線管は勿論、たとえば
ダイナミック電圧の交流成分の誘導を防止する容量素子
を介して接地された電極を有する電子銃など、複雑な構
造の電子銃を有する陰極線管に対しても、十分な耐電圧
特性が得られる耐電圧処理方法を得ることを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】陰極線管の耐電圧処理方
法において、高電圧パルス発生源の出力端子を陰極線管
の陽極端子に接続して、電子銃の高電圧電極に高電圧パ
ルスを印加し、電子銃のフォーカス電極に接続されたス
テムピンを接地し、かつフォーカス電極の接続されたス
テムピン以外のステムピンに接続された電子銃のすべて
の電極を高電圧パルス発生源の出力端子と接地端子との
間に挿入された抵抗の中間に設けられた端子に接続し
て、フォーカス電極の接続されたステムピン以外のステ
ムピンに接続されたすべての電極に高電圧パルス発生源
の出力よりも低い高電圧パルスを印加するようにした。
【0015】
【作用】上記のように、電子銃の各電極を接続すると、
高電圧パルス発生源の出力端子電圧をV0 、高電圧パル
ス発生源の出力端子と接地端子との間に挿入された抵抗
の中間に設けられた端子と接地端子との間の抵抗の抵抗
値をR1 、高電圧パルス発生源の出力端子との間の抵抗
の抵抗値をR2 とすると、フォーカス電極の接続された
ステムピン以外のステムピンに接続されたすべての電極
に V1 =R1 ・V0 /(R1 +R2 ) で表される電圧の高電圧パルスを印加することができ
る。その結果、たとえば容量素子を介して接地された電
極を有する電子銃でも、その電極に上記電圧V1 の高電
圧パルスが印加され、隣接する電極との間に放電を発生
させて所望の耐電圧処理をおこなうことができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0017】図1に、その一実施例として前記図3に示
した電子銃を備えるカラー受像管の耐電圧処理方法を示
す(電子銃については図3参照)。
【0018】高電圧パルス発生源10の出力端子11a をカ
ラー受像管12の陽極端子13を介して、電子銃14の第6電
極G6(高電圧電極)に接続する。この接続により、抵抗
器1を介して第6電極G6に接続された2つの中間電極Gm1
,Gm2 も順次第6電極G6、抵抗器1 を介して高電圧パ
ルス発生源10の出力端子11a に接続される。一方、電子
銃14の第5電極G5(フォーカス電極)を、この第5電極
G5に接続されたステムピン15a を介して接地する。さら
に上記高電圧パルス発生源10の出力端子11a と接地端子
11b との間に挿入された抵抗16a ,16b の中間に設けら
れた端子17に、上記フォーカス電極の接続されたステム
ピン15a 以外のステムピン15b ,15c ,15d …を共通に
接続する。この接続により、第6電極G6、中間電極Gm2
、第5電極G5およびこの第5電極G5に接続された第3
電極G3以外の電極K ,G1,G2,G4および容量素子2 を介
して中間電極Gm1 がそれぞれ上記端子17に接続される。
【0019】このような接続において、高電圧パルス発
生源10の出力端子11a の電圧をV0、高電圧パルス発生
源10の出力端子11a と接地端子11b との間に挿入された
抵抗16a ,16b の中間に設けられた端子17と接地端子11
b との間の抵抗16a の抵抗値をR1 、高電圧パルス発生
源10の出力端子11a との間の抵抗16b の抵抗値をR2と
すると、上記フォーカス電極の接続されたステムピン15
a 以外のステムピン15b ,15c ,15d …に接続された電
極K ,G1,G2,G4,Gm1 に V1 =R1 ・V0 /(R1 +R2 ) で表される電圧V1 の高電圧パルスを印加することがで
きる。
【0020】したがって、カラー受像管の電子銃14の各
電極を上記のように接続して高電圧パルス発生源10を動
作させると、容量素子2 の接続された中間電極Gm1 が従
来の耐電圧処理方法のように接地状態とならず、中間電
極Gm1 とこの中間電極Gm1 に隣接する第5電極G5との間
にも放電を発生させて耐電圧処理を施すことができる。
【0021】すなわち、図2に示すように、第6電極G6
を陽極端子13を介して高電圧パルス発生源20の出力端子
21a に接続し、ステムピン15a ,15b ,15c ,15d …を
すべて共通に接続して接地しておこなう従来の耐電圧処
理方法では、中間電極Gm1 とこの中間電極Gm1 に隣接す
る第5電極G5との間に放電が発生せず、これら電極間を
耐電圧処理することができなかったが、この例の方法に
より処理すると、従来処理することができなかった中間
電極Gm1 と隣接する第5電極G5との間にも放電が発生さ
れて、十分に耐電圧処理を施すことができる。
【0022】この耐電圧処理の程度を検査するために、
第5電極G5の接続されたステムピン15a を接地し、陽極
端子13に直流陽極高電圧を印加して、蛍光面上に発生す
る不要発光を観察したところ、従来の耐電圧処理方法に
より処理したカラー受像管は、約20kVの陽極高電圧で
蛍光面上に不要発光が発生したが、上記実施例の方法に
より処理したカラー受像管では、約40kVで不要発光が
発生し、耐電圧の大幅な向上が認められた。
【0023】なお、上記フォーカス電極に接続されたス
テムピン15a 以外のステムピン15b,15c ,15d …に接
続された電極K ,G1,G2,G4に印加する電圧V1 として
は、高電圧パルス発生源10の出力端子11a の電圧V0 の
約50〜80%がよく、電圧V1 がそれよりも低くなる
と、耐電圧処理特性が低下し、また逆に電圧V1 がそれ
よりも高くなると、フォーカス電極の接続されたステム
ピン15a とそれ以外のステムピン15b ,15c ,15d …と
の間で放電が発生して電極間で放電しなくなり、耐電圧
処理特性が劣化する。
【0024】上述のように、この発明は、上記実施例に
示した耐電圧処理方法を施すだけで、十分な耐電圧処理
特性が得られ、この耐電圧処理方法を従来の耐電圧処理
方法と併用することにより、一層安定した耐電圧特性が
得られる。
【0025】
【発明の効果】高電圧パルス発生源の出力端子を陰極線
管の陽極端子に接続して、電子銃の高電圧電極に高電圧
パルスを印加し、電子銃のフォーカス電極に接続された
ステムピンを接地し、かつフォーカス電極の接続された
ステムピン以外のステムピンに接続された電子銃のすべ
ての電極を高電圧パルス発生源の出力端子と接地端子と
の間に挿入された抵抗の中間に設けられた端子に接続し
て、フォーカス電極の接続されたステムピン以外のステ
ムピンに接続されたすべての電極に、高電圧パルス発生
源の出力よりも低い高電圧パルス、好ましくは高電圧パ
ルス発生源の出力端子の電圧V0 に対して、その約50
〜80%の電圧V1 を印加すると、従来の耐電圧処理方
法では処理することができなかった、たとえば容量素子
を介して接地された電極を有する電子銃でも、その電極
と隣接する電極との間に放電を発生させて、良好な耐電
圧特性をもつ陰極線管とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるカラー受像管の耐電
圧処理方法を説明するための図である。
【図2】この発明の耐電圧処理方法と比較のため示した
従来の耐電圧処理方法の説明図である。
【図3】カラー受像管用電子銃の構成を示す図である。
【符号の説明】
10…高電圧パルス発生器 11a …出力端子 11b …接地端子 12…陰極線管 13…陽極端子 14…電子銃 15a …フォーカス電極に接続されたステムピン 15b ,15c ,15d …フォーカス電極以外の電極に接続さ
れたステムピン 16a ,16b …抵抗 17 …端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 茂夫 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧パルス発生源の出力端子を陰極線
    管の陽極端子に接続して上記陰極線管の電子銃の高電圧
    電極に高電圧パルスを印加する方法と、 上記電子銃のフォーカス電極に接続されたステムピンを
    接地する方法と、 上記フォーカス電極の接続されたステムピン以外のステ
    ムピンに接続された上記電子銃のすべての電極を上記高
    電圧パルス発生源の出力端子と接地端子との間に挿入さ
    れた抵抗の中間に設けられた端子に接続して、上記フォ
    ーカス電極の接続されたステムピン以外のステムピンに
    接続されたすべての電極に上記高電圧パルス発生源の出
    力よりも低い高電圧パルスを印加する方法とを少なくと
    も有することを特徴とする陰極線管の耐電圧処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1989011960A1 (en) * 1988-06-01 1989-12-14 Aida Engineering Ltd. Method and apparatus for injection compression molding

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1989011960A1 (en) * 1988-06-01 1989-12-14 Aida Engineering Ltd. Method and apparatus for injection compression molding

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