JPH0622269Y2 - 洗面キヤビネツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、使い勝手が非常に良く、かつ、機能的にも
優れた洗面キャビネットに関する。

〔従来技術とその問題点〕

周知のように、洗面キャビネットは、洗面ボールを使用
して洗顔等を行うもので、従来より種々のものが提案さ
れている。

しかしながら、上記従来の洗面キャビネットにあって
は、冬場に洗面等をする場合に、洗面場が寒く、このた
め、足元等にストーブなどを置いて洗面等を行わなけれ
ば快適な洗面等を行うことができず、しかも、洗面場の
有効スペースが狭まるばかりか、ストーブを足で蹴り倒
し易く、危険である等の問題を有していた。

また、上記従来の洗面キャビネットにあっては、別体の
ストーブで足元は暖められるもの、洗面者の上半身を直
接暖めることはできず、快適な洗面を行うことができな
い、という問題をも有していた。

この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであっ
て、その目的とするところは、冬場でも、寒さを感じる
ことなく、全身暖かな雰囲気中で快適に洗面等を行うこ
とができ、しかも、洗面場の有効スペースをせばめるこ
となく有効利用することができ、機能的で使い勝手に優
れた洗面キャビネットを提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この考案に係る洗面キャビネ
ットは、上板の正面中央部が凹入され、かつ、該上板の
前面側下方にニースペースが形成されてなるキャビネッ
トと、このキャビネットの上面に配設された洗面ボール
と、上記キャビネット内に配設された温風器と、上記キ
ャビネットの一側方に水平方向へ回転自在に軸支された
椅子と、を有して構成され、上記温風器には、生成され
た温風が上記キャビネットのニースペース側に配設され
た足元吹出口からニースペース内へと送風され、かつ、
上記洗面台上板の凹入部一側方の手前側に配設された吹
出口から送風されるように配管接続されていると共に、
上記椅子は、未使用時には上記キャビネットのニースペ
ースの一側方に収納され、使用時には上記凹部内に引き
出し可能に軸支されていることを特徴とするものであ
る。

〔作用〕

それ故、この考案に係る洗面キャビネットにあっては、
特に、下半身がキャビネットと洗面台上板とで囲まれた
温暖な雰囲気のスペース内に収容され、快適に洗面等を
行うことができるようにするため、温風をキャビネット
の足元吹出口と上記洗面台上板の凹入部一側方の手前側
に開設された吹出口から送風するように構成し、また、
洗面場の有効スペースを有効的に利用させるため、温風
器をキャビネット内に収納させて構成したことを特徴と
するものである。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す一実施例に基き、この考案を詳細
に説明する。

図示の実施例は、この考案に係る洗面キャビネットを、
ミラーキャビネット３と一体的に構成された『洗面化粧
台』に適用した場合を示している。

即ち、この実施例に係る『洗面化粧台』は、この洗面キ
ャビネットと、洗面台上板２の上面に連設されてなるミ
ラーキャビネット３と、から構成されている。

洗面キャビネットは、その平面形状がコ字状となるよう
に、その正面にニースペース１０を有していて、このニ
ースペース１０内に人が立ち入れるように構成されてな
るキャビネット１と、このキャビネット１の上部に連設
された洗面台上板２と、から構成されている。

上記キャビネット１は、その正面右側部に上下二段の収
納部１１，１２を有していると共に、正面左側部に１段
の収納部１３を有して構成されている。

さらに、上記キャビネット１には、第２図に示すよう
に、Ｌ字状のアーム１４ａと、このアーム１４ａの一端
部を旋回可能に保持する取付具１４ｂと、上記アーム１
４ａの他端部に固定された座部１４ｃと、から構成され
てなる椅子１４が、水平方向に旋回可能に配設されてお
り、上記取付具１４ｂは、洗面キャビネット１の背板１
ａに取り付けられた補強板１８に溶接等の手段で固定さ
れている。

それ故、上記椅子は１４は、使用時には前記キャビネッ
ト１のニースペース１０内に臨在させることができ、か
つ、不使用時には、前記二段の収納部１１，１２間に形
成された間隙部１９内に収納されるように構成されてい
る。

一方、収納部１３には、温風を所定の部位へ送風するた
めの温風器１５がセットされている。

この温風器１５は、交流電流を利用する発熱源と、交流
電流を利用する送風源とを有しており、発熱源で暖めら
れた温風を、洗面キャビネット１のニースペース側下端
巾木部に形成された温風吹出口１６からニースペース方
向へと圧送するように構成されている。

尚、この温風器１５は、送風モードを選択し得ること勿
論であり、また、温風吹出口１６にシャッター等を附設
して、吹出口１６の開閉を行うように構成することもで
きる。

それ故、特に、冬期等において、この実施例に係る『洗
面化粧台』を利用するときには、キャビネット１のニー
スペース１０内に立ち入る人の足元を暖めることが可能
になり、利用者において、快適な利用感が得られる。

洗面台上板２は、キャビネット１の上面部に配設され、
正面に平面形状が略Ｕ字状に凹入された凹部２０を有し
ていて、前記キャビネット１のニースペース１０内に立
ち入った人が、可及的に洗面ボール２１に近づくことが
できるように構成されている。

また、上記洗面台上板２の上面右側手前部には、温風吹
出口２２が配設されており、前記温風器１５からの温風
が、この温風吹出口２２から上方に向けて吹き出される
ように構成されている。

この温風吹出口２２から吹き出される温風は、所謂『エ
アータオル』として作用し、この洗面化粧台で手を洗っ
た者や、頭髪を洗った者が、その手や頭髪の乾燥に利用
することができる。

一方、洗面台上板２の上面左側手前部には、ゴミ入れ部
２３の上端開口が形成されており、ゴミ等を投棄するこ
とができるように構成されている。

このように構成されたゴミ入れ２３は、上記洗面台上板
２を縦に貫通して配設され、その下部が前記収納部１３
内に臨在するようにセットされる。

また、前記洗面ボール２１の止水栓２４は、前記キャビ
ネット１に附設された足踏式ポップアップ１７の足踏操
作によって開閉し得るように構成されている。

即ち、洗面ボール２１の中央排水口２１ａを開閉する止
水栓２４は、第３図に示すように、その下端側が排水管
２１ｂ内に延在して配設されていると共に、揺動杆２４
ａに連結され、この揺動杆２４ａには連結杆２４ｂが連
結されている。

そして、連結杆２４ｂの下端には、足踏式ポップアップ
１７が連結されている。

尚、足踏式ポップアップ１７は、軸１７ａを介してキャ
ビネット１側に揺動可能に支持されている。

ミラーキャビネット３は、前記した洗面台上板２の上面
後方側に額縁状に立設されてなるフレーム３０を有して
おり、このフレーム３０内にセンターミラー３１が、正
面方向に起伏可能に配設されていると共に、このセンタ
ーミラー３１の両側には、サイドミラー３２，３３が配
設されている。

センターミラー３１の上縁部は、第４図に示すように、
蝶番などの保持具３４を介してフレーム３０に揺動自在
に吊持され、かつ、その下端部には、操作ツマミ３５が
配設されている。

この操作ツマミ３５は、その正面形状を長円あるいは楕
円とするカム３５ａを有しており、センターミラー３１
の下縁部を手前側へ引き寄せ、或は奥方向へ押圧した
後、操作部３５ｂを回動操作することで、センターミラ
ー３１の起伏角度を任意に変更し得るように構成されて
いる。

第５図は、上記操作ツマミ３５の変形例を示しており、
フレーム３０側にリブ３０ａを突設すると共に、操作ツ
マミ３５の軸部には、このリブ３０ａと係合する螺条溝
３５ｃを形成し、操作部３５ｂの回転操作によって、セ
ンターミラー３１の下縁を、手前側或は奥行側に起伏さ
せることができるように構成されている。

サイドミラー３２，３３は、前記フレーム３０に旋回可
能に保持されているもので、その旋回時に裏面に形成さ
れた収納部を、所謂表側に露呈させるように形成されて
いる。

サイドミラー３２，３３は、第６図に示すように、鏡面
３３ｄと、この鏡面３３ｄの裏面に形成された複数段の
棚３３ａと、最下段の棚３３ａの下面及び天板３３ｂの
上面に突設されたダボ状突起３３ｃと、から構成されて
おり、このダボ状突起３３ｃは、前記フレーム３０に形
成された小孔３０ａ内に係合されて回動するように保持
されている。

尚、第６図には、右側のサイドミラー３３のみが示され
ているが、左側のサイドミラー３２も、同様に形成され
ていること勿論であり、また左右の棚の高さを可変する
こともできる。

従って、各サイドミラー３２，３３の回転角度を適宜調
整することにより、前記センターミラー３１の利用と合
せて、所謂『三面鏡』として利用することができる。

尚、上記実施例に係る各サイドミラー３２，３３は、そ
の上下を軸支して回転させることができるように構成し
た場合を例にとり説明したが、この考案にあってはこれ
に限定されるものではなく、例えば、蝶番等を利用して
回転させることもできる。

このように構成されたミラーキャビネット３正面両側部
には、第１図からも明らかなように、倒起自在に形成さ
れた略Ｌ字状のアーム３６，３７が配設されている。

このアーム３６，３７は、その基端側が前記フレーム３
０に保持されており、また、自由端側が前記洗面台上板
２の上面上方に位置決められ、かつ、フレーム３０に形
成された収納用略Ｌ字型の凹溝３８，３８に嵌合係止さ
れるように構成されている。

このアーム３６，３７の使用形態としては、一方のアー
ム３６に、例えば、タオルＴなどを吊持し、他方のアー
ム３７には、例えば、ドライヤーＤの柄などを挿入係止
するためのリング状孔を形成して保持するようにして使
用することができる。

第７図は、この考案の他の実施例を示すものであって、
この実施例にあっては、洗面台上板２の上面手前側に形
成される温風吹出口２２が、前記温風器１５の直上部
（洗面台上板２の手前左側）に配設され、かつ、ゴミ入
れ２３が洗面台上板２の手前右側に配設されている他
は、他の構成・作用は、前記第１実施例と同様であるの
で、その詳細な説明をここでは省略する。

このように、下方の温風器１５の直上部に温風吹出口２
２を形成した場合には、温風器１５からの温風を送風す
る送風管１５ａのルートを短くすることができ、熱の送
風過程における損失を最少限にくい止めることができる
と共に、該温風吹出口２２は、前記アーム３６の略下方
に配設されることになるので、このアーム３６にタオル
Ｔを吊持したときに、その乾燥をより効率的に行うこと
ができるという効果が得られる。

尚、前記各実施例に係る『洗面化粧台』にあっては、図
示はしないが、前記フレーム３０の上辺部内側には、蛍
光灯などの光源が附設されており、また、コンセントが
適宜に配設されている。

〔考案の効果〕

この考案は、以上説明したように、上板の凹部とニース
ペースによって体を洗面ボウルにできるだけ近付けて洗
面作業を行なうことができるので、洗面作業が容易とな
り、また、手元に温風が吹き出すので、体を無理に近付
けなくとも、手や頭を上記吹出口に近付けるだけで速や
かに乾燥できると共に、凹入されたニースペース内に温
風が吹出すので、足元は勿論、脚全体を有効に暖めるこ
とができるため、暖房効率に優れ、しかも、温風器を蹴
り倒すこともないので安全であり、さらには、必要なと
きに椅子を引き出し、不要なときには椅子を上記キャビ
ネットに形成されたニースペースの一側方に収納できる
ので使い勝手が大幅に向上する等、幾多の優れた効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案が適用された洗面化粧台の第１実施例
を示す斜視図、第２図はキャビネットに配設された椅子
の取付状態を示す斜視図、第３図は止水栓の開閉構造を
示す部分断面図、第４図はセンターミラーの角度調整装
置を示す部分断面図、第５図はセンターミラーの角度調
整装置の他例を示す断面図、第６図はサイドミラーの構
造を示す部分斜視図、第７図はこの考案が適用された洗
面化粧台の第２実施例に係る洗面化粧台を示す斜視図で
ある。 〔符号の説明〕 １……キャビネット、２……洗面台上板 １０……キャビネットのニースペース １１，１２，１３……収納部 １５……温風器 １６……キャビネット側温風吹出口 １７……足踏式ポップアップ ２０……洗面台上板の凹部 ２１……洗面ボール ２２……洗面台上板側の温風吹出口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上板の正面中央部が凹入され、かつ、該上
   板の前面側下方にニースペースが形成されてなるキャビ
   ネットと、このキャビネットの上面に配設された洗面ボ
   ールと、上記キャビネット内に配設された温風器と、上
   記キャビネットの一側方に水平方向へ回転自在に軸支さ
   れた椅子と、を有して構成され、上記温風器には、生成
   された温風が上記キャビネットのニースペース側に配設
   された足元吹出口からニースペース内へと送風され、か
   つ、上記洗面台上板の凹入部一側方の手前側に配設され
   た吹出口から送風されるように配管接続されていると共
   に、上記椅子は、未使用時には上記キャビネットのニー
   スペースの一側方に収納され、使用時には上記凹部内に
   引き出し可能に軸支されていることを特徴とする洗面キ
   ャビネット。